JP2011026372A - 有機反射防止膜用共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機反射防止膜用共重合体の製造方法の提供。
【解決手段】本発明による有機反射防止膜用共重合体の製造方法は、少なくとも2種の繰り返し単位を含む有機反射防止膜用共重合体の製造方法であって、前記共重合体が、多環式芳香族化合物と、極性基を有するモノマーとの共重合体であり、前記共重合体の重合反応が、少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行われるものである。
【選択図】なし
Description
本発明の製造方法で得られる共重合体は、少なくとも多環式芳香族化合物の構造を有する繰り返し単位(A)と、極性基を有する繰り返し単位(B)とを含むものである。なお、共重合体は、その他の任意の繰り返し単位(C)をさらに含んでもよい。
本発明の好ましい態様によれば、多環式芳香族化合物の構造を有する繰り返し単位(A)は、
式(A1):
式(A2):
で表される構造を有するものであることが好ましい。このような繰り返し単位(A)を与えるモノマーとしては、2−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、アセナフチレン、アントラセンメチルメタクリレート、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
本発明の好ましい態様によれば、極性基を有する繰り返し単位(B)は、
式(B1):
式(B2):
で表される構造を有するものであることが好ましい。このような繰り返し単位(B)を与えるモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、p−ヒドロキシスチレン、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記以外の他の繰り返し単位(C)を与える単量体としては、エポキシ基含有モノマー、アセタール基含有モノマー、および脂環族含有モノマーが挙げられる。これらの単量体を重合反応に用いることで、架橋反応を起こして反射防止膜を強固にしたり、反射防止膜と基盤との密着性を向上させることができる。
本発明の好ましい態様によれば、共重合体は、公知の末端構造を含む。通常、ラジカル重合開始剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。連鎖移動剤を用いる場合は、連鎖移動剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。溶媒や単量体等に連鎖移動する場合は、溶媒や単量体から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。停止反応が再結合停止の場合は両末端に重合開始末端を含むことができ、不均化停止の場合は片方に重合開始末端を、もう片方に単量体由来の末端構造を含むことができる。重合停止剤を用いる場合は、一方の末端に重合開始末端を、もう片方の末端に重合停止剤由来の末端構造を含むことができる。これらの開始反応および停止反応は、一つの重合反応の中で複数発生する場合があり、その場合、複数の末端構造を有する共重合体の混合物となる。本発明で用いることができる重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒については後述する。
本発明の共重合体は、質量平均分子量(以下、「Mw」と言うことがある。)が高すぎると塗膜形成用溶剤やアルカリ現像液への溶解性が低くなり、一方、低すぎると反射防止膜の塗膜性能が悪くなることから、Mwは1,000〜50,000の範囲内であることが好ましく、1,500〜30,000の範囲内であることがより好ましく、2,000〜20,000の範囲内であることがさらにより好ましく、3,000〜15,000の範囲内であることが特に好ましい。又、分子量分布が広すぎたり狭すぎたりするとリソグラフィー工程において所望のパターン形状が得られないことがあるため、分散度(以下、「Mw/Mn」と言うことがある)は1.0〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.0〜3.0の範囲内であることがより好ましく、1.2〜2.5の範囲内であることがさらにより好ましく、1.4〜2.0の範囲内であることが特に好ましい。
塗膜形成用溶媒は、反射防止膜組成物を構成する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、塗膜形成用溶媒として公知のものの中から任意のものを1種の単独溶媒または2種以上の混合溶媒として用いることができる。常圧での沸点が110〜220℃の溶媒は、スピンコーティングの後のベークにおいて蒸発速度が適度であり、製膜性に優れるため、好ましい。このような溶媒の具体例として、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン結合を有する溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル結合とヒドロキシ基を有する溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエーテル結合とエステル結合を有する溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)等のエステル結合とヒドロキシ基を有する溶媒、γ−ブチロラクトン等のエステル結合を有する溶媒、アセトニトリル等のニトリル基を有する溶媒等を挙げることができる。
反射防止膜用共重合体溶液は、上記の共重合体および塗膜形成用溶媒を含んでなる。また、反射防止膜用組成物として使用するために必要な添加剤を含んでも良い。
本発明の製造方法は、少なくとも2種の繰り返し単位を含む有機反射防止膜用共重合体の製造方法であって、前記共重合体が、多環式芳香族化合物と、極性モノマーとの共重合体であり、前記共重合体の重合反応が、少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行われる、有機反射防止膜用共重合体の製造方法である。本発明の製造方法は、上記の繰り返し単位を与えることができる単量体、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤、およびその他添加剤等を用いて行うことができ、以下の工程を含むことができる。
本発明において、多環式芳香族化合物と、極性モノマーとの重合工程には、ラジカル重合、カチオン重合、リビングアニオン重合、開環重合など公知の重合方法を適用することができ、用いるモノマーに合わせて任意の重合方法を選択することができる。
本発明の好ましい態様によれば、重合反応は、40〜150℃、好ましくは50〜130℃の範囲の温度下で行われるのがよい。なお、重合温度は、溶媒、単量体、連鎖移動剤等の沸点、および重合開始剤の半減期温度等によって適宜選択することができる。低温では重合が進みにくいため生産性に問題があり、又、必要以上に高温にすると、単量体および共重合体の安定性の点で問題がある。
本発明においては、多環式芳香族化合物と、極性モノマーとを用いて重合反応を行うため、重合溶媒として、少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒を用いる。混合溶媒を用いることで、各種モノマーの溶解性を向上することができる。本発明においては、多環式芳香族化合物および極性モノマーの溶解性を向上させるためにも、メチルエチルケトン、メタノール、プロパノール、2−プロパノール、ヘキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、および酢酸エチル等の溶媒を少なくとも2種混合して用いることが好ましい。このような溶媒を特定の混合比で調製した混合溶媒を重合反応に用いることで、極性の大きく異なる複数種のモノマーを析出させずに共重合させることができる。
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、モノマー溶液を全量供給後に、冷却あるいは重金属の添加によって重合反応を停止させる工程を含むことができる。例えば、モノマー溶液を全量供給後、直ちに重合系内を急冷することが好ましい。急冷により重合反応を即座に停止させ、モノマー組成の偏りの大きい重合体の生成を防ぐことができる。あるいは、重金属の添加によって重合反応を停止させてもよいが、その後に重金属の除去処理を要することから、急冷によって重合反応を停止させることがより好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、重合後、溶媒に再沈殿させるなどの公知の方法により、共重合体溶液を精製する工程を含むことができる。例えば、反応溶液を大量の貧溶媒(トルエン、ヘキサン、メタノール、および水など)中に滴下して、生成樹脂を析出させ、残モノマーおよび低分子量体を含む貧溶媒と分離する。続いて、樹脂を貧溶媒で洗浄する操作を数回繰り返し、樹脂を精製する。このような一連の操作により、共重合体溶液から単量体や重合開始剤等の未反応物やオリゴマー等の低分子量成分を溶媒に抽出して除去することで、低分子量成分含有量の少ない、良好な特性のフォトレジストリソグラフィー工程に適した樹脂を得ることができる。
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、共重合体溶液をフィルターでろ過して、金属イオン等を除去する工程を含むことができる。好ましくは、上記の精製工程後に脱メタル化を行うのが良い。精製された共重合体溶液を、脱メタルフィルターを用いて、金属イオン等を除去することで、含有金属量の少ない、良好な特性のフォトレジストリソグラフィー工程に適した樹脂を得ることができる。
まず、窒素雰囲気下、2−ビニルナフタレン34g、メタクリル酸24g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート6.9gをプロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/ヘキサン(=80/10/10質量比)混合溶媒96gに溶解して、滴下液を調製した。次に、窒素雰囲気下、攪拌器と冷却器を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/ヘキサン(=80/10/10質量比)混合溶媒40gを仕込み、攪拌しながら昇温し還流状態になった後、上記滴下液を4時間かけて、還流状態を保った反応容器に滴下した。滴下終了後、還流状態を保ったまま2時間熟成させた後、室温まで冷却した。結果、プロピレングリコールモノメチルエーテル/メタノール/ヘキサン(=80/10/10質量比)混合溶媒は80℃近傍で還流し、重合温度を安定させることができた。また、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
重合溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン/ヘキサン(=60/20/20質量比)混合溶媒に変更した他は、実施例1と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、プロピレングリコールモノメチルエーテル/トラヒドロフラン/ヘキサン(60/20/20質量比)混合溶媒は77℃近傍で還流し、重合温度を安定させることができた。また、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
まず、窒素雰囲気下、4−ビニルビフェニル45g、メタクリル酸30g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート7gをトルエン170gに溶解し、滴下液を調製した。次に、窒素雰囲気下、攪拌器と冷却器のついた反応容器にメタノール45gを仕込み、攪拌しながら昇温し、還流状態になった後、滴下液を4時間かけて、還流状態を保った反応容器内に滴下した。滴下終了後、還流状態を保ったまま、2時間熟成した。結果、本例では始めから混合溶媒を用いてモノマー等を溶解するのではなく、重合時に反応容器の中で溶媒を混合する方法であったが、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
まず、窒素雰囲気下、4−ビニルビフェニル17.6g、メタクリル酸12.0g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.67gを、メチルエチルケトン/2−プロパノール(=90/10質量比)混合溶媒93.7gに溶解して、滴下液を調製した。次に、窒素雰囲気下、攪拌器と冷却器を備えた反応容器に、メチルエチルケトン/2−プロパノール混合溶媒25gを仕込み、攪拌しながら昇温し還流状態になった後、上記滴下液を4時間かけて、還流状態を保った重合槽内に滴下した。滴下終了後、還流状態を保ったまま2時間熟成させた後、室温まで冷却した。結果、メチルエチルケトン/2−プロパノール(質量比)混合溶媒は80℃近傍で還流し、重合温度を安定させることができた。また、モノマーの溶解性も良く、重合時にポリマーの析出は認められなかった。
重合溶媒を、メチルエチルケトンに変更した他は、実施例1と同様の条件で共重合体の合成をおこなった。結果、メチルエチルケトン単独溶媒は79.5℃近傍で還流し、重合温度を安定させることはできたが、重合途中でポリマーが析出してしまった。
重合溶媒を、プロピレングリコールモノメチルエーテルに変更した他は、実施例1と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、プロピレングリコールモノメチルエーテル単独溶媒はモノマーも良く溶解し、重合反応により生成したポリマーも良く溶解したが、沸点が120℃と高いため80℃近傍では還流せず、重合反応による発熱が吸収されないため温度コントロールが困難だった。
重合溶媒をトルエンのみに変更した他は、実施例3と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、本例では、モノマーを含む滴下液を反応容器に滴下した直後からポリマーの析出が認められた。さらに重合を続行すると容器壁面に付着物が生成し、反応終了後に溶剤で洗浄しようとしたが不溶であった。
重合溶媒をメチルエチルケトンのみに変更した他は、実施例4と同様の条件で共重合体の合成を行った。結果、熟成1時間まで重合液は透明で、生成したポリマーを全て溶解していたようだが、その後重合液が濁り始め、ポリマーの析出が認められた。室温に戻してからメタノール15gを追加すると重合液の濁りは消え、透明な重合液に戻ったことから、モノマー組成に偏りのある(メタクリル酸の比率が高い)ポリマーが生成したものと考えられる。
Claims (7)
- 少なくとも多環式芳香族化合物の構造を有する繰り返し単位(A)と、極性基を有する繰り返し単位(B)とを含む有機反射防止膜用共重合体の製造方法であって、前記共重合体の重合反応が少なくとも2種の極性の異なる溶媒を含む混合溶媒中で行われる、有機反射防止膜用共重合体の製造方法。
- 繰り返し単位(A)を与えるモノマーが、2−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、アセナフチレン、アントラセンメチルメタクリレート、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 繰り返し単位(B)を与えるモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、p−ヒドロキシスチレン、およびそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記混合溶媒が、メチルエチルケトン、メタノール、プロパノール、2−プロパノール、ヘキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、および酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも2種の混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記重合反応が、40℃〜150℃の範囲の温度下で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
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JP2012207217A (ja) * | 2011-03-16 | 2012-10-25 | Sumitomo Chemical Co Ltd | レジスト組成物用樹脂の製造方法 |
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JP2002080680A (ja) * | 2000-09-11 | 2002-03-19 | Nippon Mitsubishi Oil Corp | 樹脂組成物およびそれを用いたコーティング液 |
JP2008174741A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-31 | Maruzen Petrochem Co Ltd | 半導体リソグラフィー用重合体の製造方法 |
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