JP2010202350A - エレベータのピット梯子装置 - Google Patents

エレベータのピット梯子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用時の設置が簡単で安全性に優れるとともに、不使用時の収納が簡単で他の装置と干渉しない収納性に優れたピット梯子装置を提供する。
【解決手段】昇降路1のピット10に設置されるピット梯子12と、ピット梯子12の下端部123がピット床面51の所定の軌道をスライド可能となるように、下端部123を支持する取付台13とを備え、使用時には、伸長したピット梯子12の上端部124の近傍が、乗場側敷居15の近傍に固定されるとともに、下端部123が所定の位置にスライドされることにより、ピット床面51に対して傾斜した状態で設置され、収納時には、縮小された状態のピット梯子12の上端部124が、乗場側敷居15の下のピット側壁50に固定されるとともに、下端部123がピット側壁50近傍にスライドされることにより、ピット床面51に対して略垂直の状態でピット側壁50に近接して設置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、エレベータの昇降路のピットに設置されるエレベータのピット梯子装置に関する。
従来では、梯子本体を、不使用時にピット床面に縮小させた状態で寝かせて収納し、使用時には拡張してエレベータ出入り口とピット床面との間に斜めに立て掛ける構造のエレベータ用ピット梯子がある(特許文献1参照)。
また、梯子本体の一端が、ピット床面に対して回動自在に取り付けられ、不使用時にピット床面に縮小させた状態で寝かせて収納し、使用時には拡張してエレベータ出入り口とピット床面との間に斜めに立て掛ける構造のエレベータ用ピット梯子がある(特許文献2参照)。
特開2003−192253号公報 特開2002−173276号公報
図22は、ピット梯子が設置されるエレベータシステム900の全体構成図である。エレベータシステム900は、高速エレベータ等のコンペンロープおよびコンペンシープとを備えた高速エレベータのエレベータシステムである。エレベータシステム900は、巻上機3、主索4、ガイドレール5、かご6、釣合オモリ7、制御ケーブル8、コンペンロープ9、コンペンシープ11を備えている。
図23は、図22のエレベータシステム900に従来のピット梯子912を適用した場合におけるコンペンシープ11とピット梯子912との干渉を示す平面図である。図24は、図22のエレベータシステム900に従来のピット梯子912を適用した場合におけるコンペンロープ9及びコンペンシープ11とピット梯子912との干渉を示す側面図である。図23及び図24において、ピット梯子912は、緩衝器17と干渉しないように、ピット床面と乗場側敷居15との間に立て掛けられる。
図23及び図24に示すように、従来のピット梯子912は収納時にピットの中へ折りたたむ等の方式で格納されていたため、高速エレベータ等のコンペンロープ9およびコンペンシープ11とを備えたシステムでは、収納および取出し時にコンペンシープ11と干渉が発生してしまう。
また、折りたたみ式(床に寝かせて収納する方式)等のピット梯子では、ピット深さが深いため、ピット梯子の昇降ストロークが確保できないという課題がある。
また、昇降路のピット側面壁にピット梯子を設置する方式では、乗場からアクセスする際に距離が出てしまうことから、ピット梯子への乗り移りの際に安全に非常に注意を払う必要があった。
さらに、乗場側敷居の下にピット梯子を設置する方式では、最下階の乗場側敷居よりも上に手摺部分を設置することが不可能であり、ピット梯子を使用する際に安全に非常に注意を払う必要があった。
本発明に係るピット梯子装置は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ピット梯子がピットに設置されている機器等と干渉することなく簡単に設置及び収納することができるとともに、ピット梯子の使用時には作業者の安全性及び操作性を向上させることのできるピット梯子装置を提供することを目的とする。
本発明におけるエレベータのピット梯子装置は、
エレベータの昇降路のピットに設置されるピット梯子と、
前記ピット梯子の下端部が前記ピットの床面の所定の軌道をスライド可能となるように、前記下端部を支持する支持部
とを備えることを特徴とする。
本発明におけるエレベータのピット梯子装置は、エレベータの昇降路のピットに設置されるピット梯子と、前記ピット梯子の下端部が前記ピットの床面の所定の軌道をスライド可能となるように、前記下端部を支持する支持部とを備えているので、最下階の乗場側敷居よりも上方に手摺部分が位置するように簡単に立て掛けることができるとともに、ピットの側壁に沿わせて簡単に収納することができるので、使用時の安全性が向上するとともに収納時の収納性に優れたピット梯子装置を提供することができる。
実施の形態1に係るピット梯子装置100におけるピット梯子12の収納状態を示す側面図である。 図1のピット梯子装置100の正面図である。 実施の形態1におけるピット梯子12をピット側壁50から外す状態を示す図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の引き上げ状態を示す図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の引き上げ後に下端部123をセットする状態を示す経過図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の下端部123のスライド位置決め機構を示す詳細図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の使用時の設置状態を示す側面図である。 図7の状態の正面図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の乗場側敷居15への固定構造の一例を示す図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の乗場側敷居15への固定構造の一例を示す図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の乗場側敷居15への固定構造の一例を示す図である。 実施の形態1におけるピット梯子12の乗場側敷居15への固定構造の一例を示す図である。 実施の形態1におけるピット梯子装置100のピット梯子12の使用状態(太字二点鎖線)と収納状態(実線)との比較を示す側面図である。 図13の正面図である。 図13のN部の部分拡大図である。 図13のM部の部分拡大図である。 実施の形態1におけるチェーン21の収納時の状態を示す側面図である。 図17の正面図である。 実施の形態1におけるピット梯子装置100のピット梯子12の収納状態を示す平面図(昇降路上方から見た図)である。 実施の形態1におけるピット梯子12のロック機構を構成する構造部材を示す図である。 実施の形態1におけるロック機構及びロック機構の解除構造を示す図である。 ピット梯子が設置されるエレベータシステム900の全体構成図である。 図22のエレベータシステム900に従来のピット梯子912を適用した場合におけるコンペンシープ11とピット梯子912との干渉を示す平面図である。 図22のエレベータシステム900に従来のピット梯子912を適用した場合におけるコンペンロープ9及びコンペンシープ11とピット梯子912との干渉を示す側面図である。
実施の形態1.
本実施の形態では、エレベータの昇降路のピットに設置されるピット梯子装置100の構造について説明する。エレベータのピットとは、昇降路の最下部の場所であって、最下階の乗場(床)より下方に位置する場所をいう。通常、ピットの床面には、かご用緩衝器や釣り合いおもり用緩衝器等が設置されている。ピット梯子とは、ピットの床面と最下階の乗場の出入口との間に立て掛けられる梯子であって、作業者200が保守点検等のためにピットの床面と最下階の乗場の出入口とを移動(行き来)するための梯子である。
図1は、実施の形態1に係るピット梯子装置100においてピット梯子12の収納状態を示す側面図である。図2は、図1のピット梯子装置100の正面図である。図1と図2を用いて、ピット梯子12が収納状態である場合のピット梯子装置100について説明する。本実施の形態におけるピット梯子装置100では、ピット床面51に設置されている緩衝器17等と干渉することなく簡単に収納することができる。
ピット梯子装置100は、昇降路1の最下端に設けられたピット10に設置される。ピット10のピット床面51には、例えば、かご6が突き下げられた場合等に、衝撃を緩衝するための緩衝器17が設置されている。
ピット梯子装置100は、ピット梯子12、取付台13、チェーン21、フック25、磁石26、磁石固定具27を備えている。ピット梯子12は、上梯子121と下梯子122とを備える。ピット梯子12は、上梯子121が下梯子122に対してスライドすることにより長手方向に伸縮自在である2連式の梯子である。ここでは、ピット梯子12として2連式の梯子を用いて説明するが、例えば、3連式の梯子、多連式の梯子、その他の伸縮自在の梯子でも構わない。
取付台13は、ピット梯子12の下端部123を、ピット床面51に対して所定の軌道をスライド可能に支持している。取付台13は、支持部の一例である。下端部123は、本実施の形態のピット梯子12では、下梯子122の下端となる。
取付台13は、図1及び図2に示すように、断面略L字状をなし、ピット側壁50の近傍から緩衝器17の手前まで、ピット側壁50に対して略垂直に2つ配置されている。L字の底面にあたる面(台底面)は、ピット床面51に当接してネジ止めにより固定される。また、L字の縦面にあたる面(台縦面)は、ピット床面51から略垂直に突き出している。取付台13の台縦面には、ピット梯子12の両側の梯子支柱125,126の下端部123をピット梯子12の面(あるいは、ピット側壁50の面)に対して略垂直の方向に移動(スライド)させるようにガイドするスライド溝131を備える。図2に示すように、ピット梯子12の両側の梯子支柱125,126の下端部123の内側には、突起部29を備える。突起部29は、スライド溝131と係合してスライド溝131をスライドする。突起部29は、取付台13のスライド溝131(支持部)と係合する下端側係合部の一例である。
下端部123は、ピット側壁50の近傍から、ピット梯子12の面(あるいは、ピット側壁50の面)に対して略垂直の方向に移動(スライド)する。取付台13と下端部123とのスライド方式の詳細については後述する。
ピット梯子12の収納状態では、下端部123はピット側壁50近傍に位置しており、上端部124はピット側壁50に固定されている。したがって、ピット梯子12は、ピット床面51に対して略垂直状態にピット側壁50に近接して配置される。また、ピット梯子12の収納状態では、ピット梯子12は縮小された状態となっている。つまり、ピット梯子12は、上梯子121と下梯子122とが重なって、長手方向に短い状態となっている。この状態では、ピット梯子12の上端部124は、乗場側敷居15から下方に向かって設けられたピット側壁50に位置する。上端部124は、本実施の形態のピット梯子12では、上梯子121の上端となる。
ピット梯子12の上端部124には、フック25を備える。また、ピット側壁50には、ピット梯子12が縮小した状態でピット側壁50に沿って配置された場合に、ピット梯子12のフック25に対応する位置に磁石固定具27及び磁石26を備える。上端部124は、フック25が磁石26に磁力により固着(吸着、磁着)されることでピット側壁50に固定される。フック25、磁石26、磁石固定具27は、側壁上端固定部の一例である。
つまり、ピット梯子装置100は、縮小された状態のピット梯子12の上端部124を、乗場側敷居15からピット床面51に向かって形成されたピット側壁50に固定する側壁上端固定部(フック25、磁石26、磁石固定具27)を備えている。また、ピット梯子12は、縮小された状態で側壁上端固定部(フック25、磁石26、磁石固定具27)により上端部124がピット側壁50に固定されるとともに、下端部123がピット側壁50の近傍にスライドされることにより、ピット床面51に対して略垂直の状態でピット側壁50に近接して沿って設置される。
図1に示すように、乗場側敷居15は、ピット側壁50よりも昇降路1の中心側に所定の距離L1だけ突き出ている。そして、突き出た乗場側敷居15の先端から鉛直方向に乗場延長前ダレ14が吊り下げられる。フック25は、断面略L字状をなす磁性体の金属であり、下側の面(L字の底面)は上端部124に当接して取り付けられ、上側の面(L字の側面(縦面))にチェーン21の一方の端部が連結される。チェーン21の他方の端部は、乗場延長前ダレ14の上部の前ダレチェーン連結部141にて着脱可能に連結されている。チェーン21は、作業者200が、使用時にピット梯子12を伸長するために利用される。あるいは、地震などの何らかの原因でフック25が磁石26からはずれた場合に、ピット梯子12が昇降路1(ピット10)中心側に倒れてしまうのを防ぐために利用される。
かご6が最下階に停止した場合、かご6は、かご側敷居61の先端が乗場側敷居15との間に所定の隙間L2を有して停止する。かご側敷居61の先端から鉛直方向にかご延長前ダレ16が吊り下げられる。すなわち、ピット側壁50とかご延長前ダレ16との間隔はL1+L2となる。本実施の形態におけるピット梯子装置100のピット梯子12は、収納状態においてピット側壁50から長さL1+L2未満の間に配置されるように設計される。これにより、かご6が突き下げられた場合でも収納時のピット梯子12とかご6とが緩衝する恐れがなくなる。
次に、ピット梯子装置100において、作業者200がピット梯子12を収納状態から使用状態にする手順について説明する。図3は、実施の形態1において作業者がピット梯子12をピット側壁50から外している状態を示す図、図4は、実施の形態1において作業者200がピット梯子12を引き上げている状態を示す図、図5は、実施の形態1においてピット梯子12を引き上げた後に下端部123をセットする状態を示す経過図、図6は、実施の形態1においてピット梯子12の下端部123のスライド位置決めをする機構を示す詳細図、図7は、実施の形態1におけるピット梯子12の使用時の設置状態を示す側面図、図8は、図7の状態の正面図である。図3から図8を用いて、ピット梯子装置100の作業者200が、ピット梯子12を収納状態から使用状態にする手順について説明する。
まず、図3に示すように、作業者200は、外し棒28をチェーン21に挿入し(絡ませ)、こじることで磁石26からフック25を外す。例えば、作業者200は、外し棒28をチェーン21に絡ませ、外し棒28と乗場側敷居15との接点(a点)を支点としてB1方向に外し棒28を引くことで、外し棒の28の下端部がA方向に押されるとともにフック25がA方向に押されてフック25が磁石26から外れる。
上述したように、フック25は、断面略L字状をなす磁性体であり、L字状の底面(横面)はピット梯子12の上端部124に当接して取り付けられ、L字状の縦面の先端にチェーン21の端部が連結されている。チェーン21の他方の端部は、乗場延長前ダレ14の前ダレチェーン連結部141に着脱可能に連結されている。収納状態では、チェーン21は、フック25と前ダレチェーン連結部141との間を完全にピンと張っている必要はなく多少余裕を持って連結されている方がよい。しかし、チェーン21の張りが弛み過ぎると、作業者200が外し棒をB1方向に引く距離が長くなるので作業性が悪くなるので、適度に張っている方が好ましい。
次に、図4に示すように、作業者200は前ダレチェーン連結部141からチェーン21の上部の先端部を外し、チェーン21を持ってピット梯子12の上端部124を昇降路1上方に向かって上方(B2方向)に引き上げる。つまり、作業者200は、チェーン21を引き上げて、ピット梯子の上梯子121をスライドさせてピット梯子12を伸長(拡張)していく。作業者200は、ピット梯子12自体を掴める位置まで引き上げたら、それ以降はピット梯子12を掴んで引き上げた方が安全である。
次に、図5に示すように、作業者200は、ピット梯子12の上端部124をすべて引き上げる。すなわち、ピット梯子12を最大の長さまで伸長させる。ピット梯子12は、ピット梯子12を最大の長さまで伸長させた状態で、あるいは、ピット梯子12を所定の長さにおいて、上梯子121と下梯子122とをロックするロック機構を備えている。ロック機構については後述する。
作業者200は、乗場側敷居15とピット梯子12との接点(a点)を支点として、伸長したピット梯子12の上部をC方向に引く。これにより、ピット梯子12の下端部123を、緩衝器17側(E方向)に移動させることができる。詳しくは、作業者200は、まずピット梯子12全体を上方(D方向)に引き上げながら、接点(a点)を支点として、ピット梯子12の上部をC方向に引く。これにより、ピット梯子12の下端部123は、まず上方(D方向)に引き上げられてから、緩衝器17側(E方向)に移動される。
図6は、図5のH部分の詳細図である。図5及び図6を用いて、ピット梯子12の下端部123を、緩衝器17の方向へスライドさせる構造について説明する。すなわち、作業者200が、ピット梯子12の下端部123を収納状態から使用状態にする手順について説明する。
図6に示すように、ピット梯子12の下端部123は、突起部29を備えている。突起部29は、ピット梯子12の下端部123に設けられた孔に差されて固定されているピンである。したがって、突起部29は、ピット梯子12の梯子支柱125,126の内側にも外側にも突出している。本実施の形態では、突起部29の内側の突出部分を取付台13のスライド溝131に係合させてスライドさせている。しかし。ピット梯子12の外側に取付台13を設けて、突起部29の外側の突出部分をスライド溝131に係合させてスライドさせてもよい。
取付台13(支持部の一例)は、内側の突起部29(以下、内側の突起部を突起部29と呼ぶ)と係合して下端部123のスライドをガイドするスライド溝131を備えている。スライド溝131は、ピット側壁50側に側壁側凹部130aを備え、ピット10の中心部側に中心側凹部130bを備える。ピット梯子12の収納状態では、下端部123の突起部29は、側壁側凹部130aに嵌っていてスライド不可能な状態である。すなわち、ピット梯子12の収納状態では、下端部123の突起部29は側壁側凹部130aにより係止されている。
作業者200は、まず、上述したようにピット梯子12をD方向に引き上げる。次に作業者200が、a点を支点としてピット梯子12の上部をC方向に引くと、ピット梯子12の下端部123にはE方向に力が加わる。下端部123は、D方向に引き上げられたことにより、側壁側凹部130aから抜けてスライド溝131をスライド可能となる。そして、下端部123は、E方向にスライドされて中心側凹部130bまで達すると、中心側凹部130bに嵌り再び係止される。すなわち、下端部123は、中心側凹部130bまで達すると重力により中心側凹部130bの凹みに嵌り固定される。このように、下端部123が中心側凹部130bに固定されることにより、ピット梯子12は所定の傾きでピット床面51から乗場側敷居に立て掛けられる。
本実施の形態では、スライド溝131の両端に凹部を備えているが、例えば、スライド溝131の途中に凹部を備えていてもよい。凹部の位置により、使用時のピット梯子12の傾きを調整することができる。しかし、梯子は通常、踏ざんが略水平になる傾きで使用することが安全上好ましいため、梯子の踏ざんが略水平になる位置にて下端部123が係止されるように設計するのが好適である。また、中心側凹部130bあるいは側壁側凹部130aは、下端部123が重力により凹部に落下して嵌り係止される構造であるが、例えば、力を加えて押し込むことで固定する構造にしても良い。凹部に下端部123を押し込む構造にすれば、より外れ難くなる。
図7は、実施の形態1におけるピット梯子12の使用時の設置状態を示す側面図、図8は、図7の正面図である。図7及び図8に示すように、下端部123の突起部29が中心側凹部130bに係止(固定)され、ピット梯子12が乗場側敷居15にa点において立て掛けられることによりピット梯子12が使用可能となる。このとき、ピット梯子12の上端部124が、乗場側敷居15よりも、昇降路1上方に向かって上方に位置しているので、作業者200は、乗場側敷居15よりも上方に出ている梯子部分を手摺として使用することができ、安全にピット梯子12の乗り降りをすることができる。また、その際に、a点において、ピット梯子をの乗場側敷居15に確実に固定することにより、安全性をより向上させることができる。
図9から図12は、実施の形態1におけるピット梯子12の乗場側敷居15への固定構造のバリエーションを示す図である。エレベータのピット梯子装置100は、ピット梯子12の上端部124の近傍(上部)を、ピット10から昇降路1の上方に向かって最初のエレベータ乗場(すなわち、最下階)の乗場側敷居15の近傍に固定する上部固定部を備える。図9から図12を用いて、ピット梯子12を乗場側敷居15へ確実に固定するための構造(上部固定部の構造)について、4つの例を上げて説明する。
図9に示すように、乗場側敷居15に断面略U字状の固定金具18を取付け、締結部材19により固定金具18を乗場側敷居15に固定する。図9では、締結部材19としてボルトを用いて、固定金具18を乗場側敷居15に固定している。固定金具18の一方の端部を乗場側敷居15の溝部に嵌め、他方の端部に対してピット10の中心部側からボルト(締結部材19)を差し込みネジ締めすることにより、固定金具18を乗場側敷居15に固定する。
図示はないが、固定金具18及び締結部材19は、ピット梯子12の両側の梯子支柱125,126の外側近傍にそれぞれ取り付けられる。すなわち、固定金具18及び締結部材19は、乗場側敷居15において、ピット梯子12の両側の梯子支柱125,126の外側近傍2箇所に取付けられる。
作業者200は、ピット梯子12を乗場側敷居15に立て掛けた後、固定金具18及び締結部材19を乗場側敷居15のピット梯子12の梯子支柱125,126外側近傍2箇所に取付ける。一方の(梯子支柱125側の)固定金具18には、固定チェーン22の一方の端部が固定されている。梯子支柱126側の固定金具18には、固定チェーン22を固定するチェーン固定部が設けられている。作業者200は、固定チェーン22をピット梯子12の梯子面の前面(ピット10の中心側の面)に渡らせて乗場側敷居15から離れてしまわないように、固定チェーン22を梯子支柱125側の固定金具18から梯子支柱126側の固定金具18のチェーン固定部に固定する。これにより、ピット梯子12が乗場側敷居15に確実に固定され。乗場側敷居15から離れてしまう恐れが無くなる。
図10は、ピット梯子12を乗場側敷居15へ確実に固定するための構造の一例である。図9の構造と異なる点は、乗場側敷居15に取り付けられる固定金具18及び締結部材19の構造である。図10では、固定金具18の一方の端部は、乗場側敷居15のピット10側の面(ピット側壁50に略平行な面)に設けられているピット面側溝部に嵌められている。そして、固定金具18の他方の端部は、乗場側敷居15の上面に略平行に位置し、固定金具18の他方の端部の上方からボルト(締結部材19)が差し込まれ、ネジ締めされる。これにより、固定金具18は、乗場側敷居15に固定される。
図10に示すように、固定金具18及び締結部材19は、ピット梯子12の両側の梯子支柱125,126の外側近傍に2箇所取り付けられる。
作業者200は、ピット梯子12を乗場側敷居15に立て掛けた後、固定金具18及び締結部材19を乗場側敷居15のピット梯子12の梯子支柱125,126の外側近傍に2箇所に取付ける。梯子支柱125側の締結部材19には、固定チェーン22の一方の端部が固定されている。梯子支柱126側の締結部材19には、固定チェーン22を固定するチェーン固定部が設けられている。作業者200は、固定チェーン22をピット梯子12の梯子面の前面に渡らせて乗場側敷居15から離れてしまわないように、固定チェーン22の他方の端部を梯子支柱126側の締結部材19のチェーン固定部に固定する。これにより、ピット梯子12が乗場側敷居15から離れてしまう恐れが無くなる。
図11は、ピット梯子12を乗場側敷居15へ確実に固定するための構造の一例である。図11では、乗場延長前ダレ14の上部に固定チェーン22を取り付けるチェーン取付金具23を設けている。作業者200は、ピット梯子12を乗場側敷居15に立て掛けた後、チェーン取付金具23に固定チェーン22の一方の端部(端部近傍)を連結して取付け、固定チェーン22をピット梯子12の周囲に一周させて、他方の端部(端部近傍)をチェーン取付金具23に固定する(取り付ける)。固定チェーン22が、ピット梯子12の周囲を囲っているとともに、乗場延長前ダレ14の上部に固定されているので、ピット梯子12が乗場側敷居15から離れて倒れてしまう恐れが無くなる。図11では、前ダレチェーン連結部141とチェーン取付金具23とを1つの部品で兼用する構造である。
図12は、ピット梯子12を乗場側敷居15へ確実に固定するための構造の一例である。図12において、図11と異なる点は、チェーン取付金具23が乗場側敷居15の上面に設けられている点である。作業者200は、ピット梯子12を乗場側敷居15に立て掛けた後、チェーン取付金具23に固定チェーン22の一方の端部(端部近傍)を固定し(取付け)、固定チェーン22をピット梯子12の周囲に一周させて、他方の端部(端部近傍)をチェーン取付金具23に固定する(取り付ける)。固定チェーン22が、ピット梯子12の周囲を囲っているとともに、乗場側敷居15の上面に固定されているので、ピット梯子12が乗場側敷居15から離れて倒れてしまう恐れが無くなる。
図13は、実施の形態1におけるピット梯子装置100のピット梯子12の使用状態(太字二点鎖線)と収納状態(実線)との比較を示す側面図、図14は、図13の正面図、図15は、図13のN部の部分拡大図、図16は、図13のM部の部分拡大図、図17は、チェーン21の収納時の状態を示す側面図、図18は、図17の正面図である。また、図19は、実施の形態1におけるピット梯子装置100のピット梯子12の収納状態を示す平面図(昇降路上方から見た図)である。図13から図19を用いて、実施の形態1において作業者がピット梯子12を使用状態から収納状態とする手順等について説明する。
図13及び図14に示すように、ピット梯子装置100において、ピット梯子12は使用状態(ピット梯子12(太字二点鎖線))から収納状態(ピット梯子12(実線))となる。ピット梯子12の収納状態については、図1及び図2の構造の説明で記載したとおりである。また、図13では、ピット梯子12の収納状態において、かご6が緩衝器17に突き下げられた状態を二点鎖線で示している。本実施の形態のピット梯子装置100によれば、図1の状態から図13の状態のようにかご6が突き下げられた場合でも、ピット梯子12はピット側壁50とかご延長前ダレ16との間に収納されているので、かご6とピット梯子12とが干渉することはない。
図15は、図13のN部の部分拡大図である。作業者200(図示せず)は、まず、ピット梯子12を斜め手前方向(P1方向)に引き上げる。それにより、図15に示すように、ピット梯子12の使用時において、中心側凹部130bに下端部123が嵌っている状態のピット梯子12は、P1方向に引き上げられる。このとき、中心側凹部130bと略水平にスライドさせる部分であるスライド部131cとの角度θは、鈍角となっていることが好ましい。角度θが鈍角となっていることで、下端部123を引き上げやすくすることができる。
作業者200(図示せず)は、下端部123を中心側凹部130bから引き上げて、下端部123に対してE1方向の力が働くようにピット梯子12を操作する。例えば、作業者200は、ピット梯子12の上部をさらに引き上げることにより、下端部123にE1方向の力が働く。これにより、下端部123は、E1方向にスライドされ、側壁側凹部130aに達すると側壁側凹部130aの凹部に重力により落下し係止される。このとき、側壁側凹部130aとスライド部131cとの角度θ1も鈍角となっているほうが好ましい。しかし、角度θ1は、略直角でも構わない。下端部123は、側壁側凹部130aに嵌る(落下する)ことにより、側壁側凹部130aに係止される。
次に、作業者200は、伸長された状態で上梯子121と下梯子122とをロックしているロック機構を外し、ピット梯子12を縮小させる。ロック機構の解除構造については後述する。
図16に示すように、フック25は断面略L字状であり、材質は磁性体の金属である。ピット梯子装置100は、縮小された状態のピット梯子12の上端部124を、乗場側敷居15からピット床面51に向かって形成されたピット側壁50に固定する側壁上端固定部(フック25、磁石26、磁石固定具27)を備える。ピット梯子12は、軽くて磁性体ではないアルミ製等が好ましい。フック25は、フック25の底面をピット梯子12の上面に固定されている。例えば、フック25は、ピット梯子12の最上段の踏ざんの上面に固定されていてもよい。フック25の縦面の上部略中央には、チェーン21の端部が連結される。例えば、フック25の縦面の上部略中央に孔を設け、チェーン21の端部の輪を孔に通して連結する。
磁石26は、磁石固定具27によりピット側壁50に取り付けられる。磁石26が取り付けられる位置は、ピット梯子12が縮小された状態でピット側壁50に近接して略平行に配置された場合に、上端部124に固定されているフック25に対応するピット側壁50の箇所である。
作業者200は、例えば、チェーン21を操作して上端部124(フック25)を磁石26に近づける。すると、フック25は、磁石26の磁力によりP方向に移動し、磁石26の磁力により磁石26に当接して固定(固着、吸着、磁着)される。
本実施の形態では、ピット梯子12の上端部124をピット側壁50に固定する方法として、フック25とピット側壁に固定した磁石26を用いたが、これに限られない。例えば、図示はないが、ピット梯子12の上部にフック(あるいは引っ掛け爪)を備え、ピット側壁50に設けた部材であって、引っ掛け爪と係合しはめ込み着脱可能な部材を設けても良い。フック25と磁石26を用いた方式と同様に、収納および取り外しが可能であり、安全でかつ、確実な固定のできるピット梯子装置を提供することができる。また、フック25と磁石26を用いた方式よりも安価で、かつ、収納性に優れたピット梯子を提供することができる。さらに、収納時の状態から、ピット梯子の下部固定部(下端部123)をスライド移動できるので転倒のしにくいピット梯子を同時に構成することができる。
図17及び図18に示すように、前ダレチェーン連結部141は、断面略L字状であり、一方の面は、乗場延長前ダレ14に当接してネジ止め等により固定されている。他方の面は乗場延長前ダレ14から略垂直に突き出しており、チェーン21を連結する孔が設けられている。作業者200は、フック25を磁石26に固定した後、チェーン21の他方の端部(フック25に連結されていない方の端部)を乗場延長前ダレ14の上部の前ダレチェーン連結部141に連結する。本実施の形態では、前ダレチェーン連結部141とチェーン取付金具23(図11参照)とが、同一の部品となっている。すなわち、乗場延長前ダレ14から略垂直に突き出した面の下方にはチェーン21を連結する孔を設け、上方には固定チェーン22(図11参照)を連結固定する孔を設けることにより、1つの部品で前ダレチェーン連結部141とチェーン取付金具23との2つの役目を果たす。
図19は、ピット梯子12の収納状態を、ピット10の上方から見た平面図である。図19に示すように、ピット梯子12は、ピット側壁50に近接して略平行に配置され収納されている。また、取付台13は、ピット側壁50の近傍から緩衝器17の手前まで、ピット側壁50に対して略垂直に配置されている。このため、作業者200が、ピット梯子12を最大に傾斜させても緩衝器17と干渉することはない。
図20は、ピット梯子12におけるロック機構を構成する構造部材を示す図である。図21は、ロック機構及びロック機構の解除構造を示す図である。図20及び図21を用いて、ピット梯子12の伸長時のロック機構及び縮小時のロック機構及びそれらの解除構造について説明する。
図20は、ピット梯子12の備えるロック機構30を、ピット梯子12の側面から見た図である。上梯子121の側面には、ロック金具31、ロック金具取付部34を備える。ロック金具31は、上梯子121の側面に、バネ(弾性体)の弾性力により常に下梯子122側に押されるように取り付けられている(ロック金具取付部34)。ロック金具31は、ロック金具取付部34に取り付けられている腕部312と、腕部312の先端に後述する踏ざん33に引っ掛かる引っ掛け部311とからなる。引っ掛け部311は、上部が曲面になっており、略曲面の曲面部313を備える。引っ掛け部311の先端(曲面部313の最下部)をロック先端部314と呼ぶ。
アーム32は、ロック金具31の腕部312に取り付けられる。アーム32は、アーム斜面322とアーム底面323とを有する略三角形である。アーム32は、アーム底面323に対向する頂点近傍において、アーム取付部321により腕部312に回動自在に取り付けられている。アーム32は、力が加わっていない状態ではアーム底面323が略水平状態である。アーム32は、アーム32の上側のアーム斜面322やアーム底面に力が加わると、アーム取付部321を中心に回動自在になるように取り付けられている。アームの先端(アーム斜面322とアーム底面323とからなる頂点近傍)をアーム先端部324と呼ぶ。
下梯子122の側面には、ピット梯子12の踏ざんの端部が側面部分に突出した部分(以下、踏ざん33という)がある。ロック機構30は、下梯子122の踏ざん33と上梯子121のロック金具31とが嵌合して、あるいは、下梯子122の踏ざん33に上梯子121のロック金具31が引っ掛かることにより、上梯子121と下梯子122とがロックされる。
図21の(a)は、上梯子121が上方へ引き上げられる際の、ロック機構30の構造について示す図である。上梯子121が上方へ引き上げられる場合の、ロック機構30の構造は以下の通りである。
(a1)作業者200がチェーン21を引き上げることにより、上梯子121が上方へ引き上げられる。
(a2)ロック金具31が踏ざん33aまで到達すると、踏ざん33aが曲面部313に当接してロック金具31をP1方向に押す。ロック金具31が徐々に上梯子121側(P1側)に傾く。
(a3)踏ざん33aが曲面部313の最下部(以下、ロック先端部314)まで達するとロック金具31が踏ざん33aから外れ、ロック金具31はロック金具取付部34のバネの弾性力により下梯子122側(P2方向)に傾く。
(a4)さらに、上梯子121が上方へ引き上げられると、踏ざん33aによりアーム32のアーム斜面322が下方に押され、アーム32はP3方向に回動する。
(a5)踏ざん33aがアーム斜面322の最下部(以下、アーム先端部324)まで達すると、アーム32が踏ざん33aから外れ、元の位置(アーム底面323が略水平状態となる位置)に戻る。さらに、上梯子121が上方へ引き上げられ次の踏ざん33bに到達すると、ロック機構30は(a1)〜(a5)を繰り返す。
以上のように、ロック機構30では、上梯子121が上方へ引き上げられる際には、自動的にロック金具31及びアーム32が踏ざん33を外しながら上方へ引き上げられる構造となっている。
図21の(b)は、上梯子121を所定の位置で下梯子122にロックするときの構造を示している。ロック機構30により、上梯子121が踏ざん33aの位置で下梯子122にロックされる構造について以下に説明する。
(b1)作業者200がチェーン21を引き上げることにより、上梯子121が上方に引き上げられる。
(b2)ロック金具31が踏ざん33aまで到達すると、踏ざん33aが曲面部313に当接しながらロック金具31をP1方向に押し、ロック金具31が徐々に上梯子121側(P1側)に傾く。
(b3)踏ざん33aが曲面部313のロック先端部314まで達するとロック金具31が踏ざん33aから外れ、ロック金具31はロック金具取付部34のバネの弾性力により下梯子122側(P2方向)に傾く。このとき、踏ざん33aは、ロック金具31とアーム32との間に位置する。
(b4)(b3)の状態で、作業者200がチェーン21の引き上げを緩める等することにより、上梯子121が自重によりP5方向に動く。これにより、ロック金具31の引っ掛け部311が踏ざん33aに引っ掛かり、上梯子121を踏ざん33aの位置において下梯子122にロックする(係止する、固定する)ことができる。本実施の形態では、ピット梯子12の使用時には、ピット梯子12を最大に伸長させてロックするとしたが、必ずしも最大に伸長させる必要はない。本実施の形態のロック機構30によれば、下梯子122の踏ざん33のある位置であれば、どの位置ででもロックすることができるので、伸長する長さを調節することができる。
図21の(c)は、ロック機構30におけるロックの解除構造を示す図である。以下に、ロック状態からロックを解除して、ピット梯子12を縮小する際のロック解除構造について説明する。
(c1)ロック状態において作業者200がチェーン21を引き上げることにより、上梯子121が上方に引き上げられる。
(c2)アーム32のアーム斜面322が踏ざん33aと当接しつつ上梯子121が上方に引き上げられると、アーム32が徐々にP3方向に回動する。
(c3)踏ざん33aがアーム斜面322のアーム先端部324まで達すると、アーム32が踏ざん33aから外れる。アーム32は、元の位置(状態)(アーム底面323が略水平状態となる位置)に戻る。すなわち、アーム32の下方に踏ざん33aが位置する。
(c4)(c3)の状態から、作業者200は、ピット梯子12を縮小するためにチェーン21を緩める等して、上梯子121が自重によりP5方向に動くように操作する。すると、踏ざん33aはアーム32のアーム底面323に当接し、当接しながら上梯子121が下方に移動することによりアーム32がP4方向に回動する。そして、アーム32のアーム先端部324がロック金具31のロック先端部314に当接する。
(c5)踏ざん33aにアーム底面323が押されることにより、アーム32がロック金具31をP1方向に押す。アーム32がロック金具31を押しつつ踏ざん33aから外れるので、ロック金具31に踏ざん33aが引っ掛かることがない。
(c6)アーム32がロック金具31を押しつつ踏ざん33aから外れると、アーム32は元の状態へ戻りロック金具31はバネの弾性力によりP2方向へ傾く。この状態は(c3)の状態である。ここで、作業者200が、ピット梯子12を縮小するために上梯子121をさらに下方(P5方向)へスライドさせると、ピット梯子12は(c3)〜(c6)を繰り返して下方の踏ざん33cを自動的に外しながら縮小する。
つまり、作業者200は、ピット梯子12の使用後は、ピット梯子12全体を少し持ち上げて、緩衝器17側の中心側凹部130bから側壁側凹部130aのスリット(凹み)に下端部123のスライドピン(突起部29)をスライドさせる。その後、作業者200は、チェーン21を持ちながらピット梯子を少し持ち上げることによりロック装置(ロック機構30)を外し((c1)〜(c3))、そのまま上梯子121の自重により下げていく((c4)〜(c6))ことでロックが順次開放され、自動的にピット梯子12を元の状態(縮小状態)にすることが可能となる。
本実施の形態では、以下のようなエレベータ用のピット梯子12について説明した。本実施の形態のエレベータ用のピット梯子12は、2連式もしくは、それ以上の多連式のピット梯子12を縮小して乗場側敷居15下に収納するとともに、使用時には下部の固定部(下端部123)をスライド移動して反乗場側(ピット中心部側)へ移動して固定し、傾きを構成して転倒防止機構を構成することを特徴とする。
また、本実施の形態のエレベータ用のピット梯子12は、2連式もしくは、それ以上の多連式のピット梯子12を縮小して乗場側敷居15下に収納するとともに、使用時には下部の固定部(下端部123)をスライド移動して反乗場側(ピット中心部側)へ移動して固定し、傾きを構成して転倒防止機構を構成し、かつ、伸長させて乗場側敷居15よりも上方へピット梯子12の上部を突き出させて手摺部分を構成したことを特徴とする。
また、本実施の形態のエレベータ用のピット梯子12は、2連式もしくは、それ以上の多連式のピット梯子12を縮小して乗場側敷居15下に収納するとともに、使用時には下部の固定部(下端部123)をスライド移動して反乗場側(ピット中心部側)へ移動して固定し、傾きを構成して転倒防止機構を構成し、かつ、収納時には乗場側(乗場側敷居15下のピット側壁50)に設置された固定金具(上部固定部)にピット梯子12の上部を固定して、かご6の突き下げ時にもピット梯子12とかご6とが緩衝しないように構成したことを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係るピット梯子装置100は、エレベータの昇降路1のピット10に設置されるピット梯子12と、ピット梯子12の下端部123がピット床面51の所定の軌道をスライド可能となるように、下端部123を支持する支持部(取付台13)とを備えているので、ピット10に設置された他の装置(緩衝器17等)と干渉することなく設置及び収納ができ、操作性及び収納性に優れたピット梯子装置を提供することができる。
また、ピット梯子12は、下端部123に取付台13(支持部)と係合する下端側係合部を備え、取付台13は、下端側係合部と係合して下端部123をスライド可能に支持するので、作業者200はピット10に設置された他の装置(緩衝器17等)と干渉することなく簡単に設置及び収納ができるので、操作性及び収納性に優れたピット梯子装置を提供することができる。
下端側係合部は、突起部(スライドピン29)を備え、取付台13(支持部)は、突起部(スライドピン29)と係合して下端部123のスライドをガイドするスライド溝131を備えているので、作業者200はピット10に設置された他の装置(緩衝器17等ま)と干渉することなく簡単な操作によりピット梯子12の設置及び収納をすることができる。また、本実施の形態では、スライド溝131によりスライドピン(突起部29)をガイドすることにより、ピット梯子12の下端部123をスライドさせる構造としたが、他の構造でもよい。例えば、下端部123に車輪等を設け、取付台13にレールを設けてレール上をスライドさせる方法がある。また、例えば、下端部123に溝を設け、溝に取付台13に設けられた突起部を嵌合させて下端部123をスライドさせる方法でもよい。
本実施の形態に係るピット梯子装置100は、さらに、ピット梯子12の上端部124の近傍を、ピット10から昇降路1の上方に向かって最初のエレベータ乗場の乗場側敷居15の近傍に固定する上部固定部を備え、ピット梯子12は、上部固定部により上端部124の近傍が乗場側敷居15の近傍に固定されるとともに、下端部123が所定の位置にスライドされることにより、ピット床面51に対して傾斜した状態で設置されるので、作業者200は、転倒のしにくい転倒防止機構を有する安全なピット梯子12を簡単に設置することができる。
また、ピット梯子12は、長手方向に伸縮自在であり、伸長された状態で上部固定部により上端部124の近傍が乗場側敷居15の近傍に固定されるとともに、下端部123が所定の位置(緩衝器17の手前の位置)にスライドされることにより、ピット床面51に対して傾斜した状態で設置され、さらに、上端部124が乗場側敷居15よりも、昇降路1上方に向かって上方に位置するので、ピット梯子12の乗場側敷居15より上方に位置する部分を手摺として使用することができ、転倒のしにくい転倒防止機構を有する安全なピット梯子12を簡単に設置することができるとともに、より安全なピット梯子12を提供することができる。
また、上端部124が乗場側敷居15よりも、昇降路1上方に向かって上方に位置するので、ピット梯子12の設置時に、ピット梯子12の上端部124近傍が最下階の乗場側敷居15よりも上方に突き出し、作業者200のピット10へのアクセス時に手摺の機能を兼ね備えることができ、安全なピット梯子12を提供することが可能となる。さらに、ピット梯子12の使用時に梯子の転倒防止用のストッパー(中心側凹部130b)を備え、かつ、転倒防止の角度を確保して設置することができるので、安全でかつ、確実な固定のできるピット梯子装置100を提供することが可能となる。
本実施の形態に係るピット梯子装置100は、さらに、縮小された状態のピット梯子12の上端部124を、乗場側敷居15からピット床面51に向かって形成されたピット側壁50に固定する側壁上端固定部を備え、ピット梯子12は、縮小された状態で側壁上端固定部により上端部124がピット側壁50に固定されるとともに、下端部123が側壁近傍にスライドされることにより、ピット床面51に対して略垂直の状態でピット側壁50に近接して設置されるので、コンペンシープを備えた高速エレベータにおいても、干渉が発生せず安全で省スペースなピット梯子12を提供することが可能となる。
また、ピット梯子12は、縮小状態では、上端部124が乗場側敷居15よりも、下方に位置するので、ピット梯子12は乗場側敷居15の下に小さく収納でき、かご6が緩衝器17に突き下げた場合にも、かご6のかご延長前ダレ16とピット梯子12との干渉の無い安全なピット梯子装置100を提供することができる。
1 昇降路、3 巻上機、4 主索、5 ガイドレール、6 かご、7 釣合オモリ、8 制御ケーブル、9 コンペンロープ、10 ピット、11 コンペンシープ、12 ピット梯子、13 取付台、14 乗場延長前ダレ、15 乗場側敷居、16 かご延長前ダレ、17 緩衝器、18 固定金具、19 締結部材、21 チェーン、23 チェーン取付金具、25 フック、26 磁石、27 磁石固定具、29 突起部、30 ロック機構、31 ロック金具、32 アーム、33,33a,33b,33c 踏ざん、34 ロック金具取付部、50 ピット側壁、51 ピット床面、61 かご側敷居、100 ピット梯子装置、121 上梯子、122 下梯子、123 下端部、124 上端部、125,126 梯子支柱、130a 側壁側凹部、130b 中心側凹部、131 スライド溝、131c スライド部、141 前ダレチェーン連結部、311 引っ掛け部、312 腕部、313 曲面部、314 ロック先端部、321 アーム取付部、322 アーム斜面、323 アーム底面、324 アーム先端部、900 エレベータシステム。

Claims (8)

  1. エレベータの昇降路のピットに設置されるピット梯子と、
    前記ピット梯子の下端部が前記ピットの床面の所定の軌道をスライド可能となるように、前記下端部を支持する支持部と
    を備えることを特徴とするエレベータのピット梯子装置。
  2. 前記ピット梯子は、
    前記下端部に前記支持部と係合する下端側係合部を備え、
    前記支持部は、
    前記下端側係合部と係合して前記下端部をスライド可能に支持する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータのピット梯子装置。
  3. 前記下端側係合部は、
    突起部を備え、
    前記支持部は、
    前記突起部と係合して前記下端部のスライドをガイドするスライド溝を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータのピット梯子装置。
  4. 前記エレベータのピット梯子装置は、さらに、
    前記ピット梯子の上端部の近傍を、前記ピットから前記昇降路の上方に向かって最初のエレベータ乗場の乗場側敷居の近傍に固定する上部固定部を備え、
    前記ピット梯子は、
    前記上部固定部により前記上端部の近傍が前記乗場側敷居の近傍に固定されるとともに、前記下端部が所定の位置にスライドされることにより、前記床面に対して傾斜した状態で設置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレベータのピット梯子装置。
  5. 前記ピット梯子は、
    長手方向に伸縮自在であり、伸長された状態で前記上部固定部により前記上端部の近傍が前記乗場側敷居の近傍に固定されるとともに、前記下端部が所定の位置にスライドされることにより、前記床面に対して傾斜した状態で設置されることを特徴とする請求項4に記載のエレベータのピット梯子装置。
  6. 前記ピット梯子は、
    前記上端部が前記乗場側敷居よりも、前記昇降路上方に向かって上方に位置することを特徴とする請求項5に記載のエレベータのピット梯子装置。
  7. 前記エレベータのピット梯子装置は、さらに、
    縮小された状態の前記ピット梯子の前記上端部を、前記乗場側敷居から前記床面に向かって形成された側壁に固定する側壁上端固定部を備え、
    前記ピット梯子は、
    縮小された状態で前記側壁上端固定部により前記上端部が前記側壁に固定されるとともに、前記下端部が前記側壁近傍にスライドされることにより、前記床面に対して略垂直の状態で前記側壁に近接して設置されることを特徴とする請求項5または6に記載のエレベータのピット梯子装置。
  8. 前記ピット梯子は、
    前記上端部が前記乗場側敷居よりも、下方に位置することを特徴とする請求項7に記載のエレベータのピット梯子装置。
JP2009050068A 2009-03-04 2009-03-04 ピット梯子装置及びピット梯子設置方法 Active JP5460077B2 (ja)

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