JP2010200968A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】トップシートの表面から軟便等を迅速に除去して着用者の肌から離隔させることができるとともに、軟便等の排泄を容易に視認でき軟便等の排泄後速やかに交換することが可能な吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収体22は下層吸収体58Aと上層吸収体56Aとからなり、上層吸収体56Aには厚さ方向に貫通する上貫通孔50Aが形成され、下層吸収体58Aには厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔52Aが形成されており、下貫通孔52Aは上層吸収体56Aの上貫通孔50Aの外周領域に開口するように上貫通孔50Aとは非重畳的に配置され、上層吸収体56Aと下層吸収体58Aとの当接部において、上層吸収体56A及び下層吸収体58Aの少なくとも一方に、上貫通孔50Aと下貫通孔52Aとを相互に連通させる連通溝60Aが形成され、バックシート20は、その全光線透過率が30%以上のものである吸収性物品1A。
【選択図】図1B

Description

本発明は、吸収体、トップシート及びバックシートを備え、吸収体に軟便や水様便を収容する孔が形成された吸収性物品に関するものである。
一般に、使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品は、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、を備えている。
このような吸収性物品は、トップシートが着用者の肌と接するように使用され、着用者が排泄した尿はトップシートの液透過性部分を透過して吸収体に吸収・保持される。そして、吸収体の裏面側に配置された液不透過性のバックシートによって、排泄物が外部に漏洩することが防止される。
しかしながら、前記構造の吸収性物品は、尿の吸収・保持には適しているものの、便の処理については十分に考慮されたものではなかった。即ち、トップシートを容易に透過する尿とは異なり、便はその殆どがトップシートを透過せず、トップシート表面に残留する。従って、トップシート表面に残留した便が着用者の肌に付着し易く、便の払拭作業が煩瑣となる他、便の付着によるカブレが発生し易いという問題があった。
そこで、吸収性物品の一部に便を収容するスペースを形成することが提案されている。例えば、吸収体の一部に便の収容を目的とした凹部や便ポケット等が形成された使い捨て衛生吸収物品等が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、着用者の肌とは反対側(股下部下側)に伸展する大便収容袋が取り付けられた使い捨ておむつが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
実開平6−5614号公報 特開平8−191857号公報 特開2007−21191号公報 特開2002−253609号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の使い捨て衛生吸収物品等は、固形便の収容を念頭においたものであり、軟便や水様便(以下、「軟便等」と記す。)の吸収・保持については十分に考慮されたものではなかった。即ち、軟便等は、固形便と比較して流動性が高いという特徴がある。しかし、特許文献1〜4に記載の使い捨て衛生吸収物品等は、前記凹部が着用者の肌に対して開放されているため、軟便等が一旦前記凹部に収容されたとしても、着用者の動作等によって前記凹部から流れ出し、トップシート表面に広く拡散してしまうおそれがある。そして、軟便等は尿と比較して吸収体に吸収され難いため、軟便等が着用者の肌に長時間接触する状態になり易い。このような状態が長時間放置されれば、着用者の皮膚は刺激を受け、カブレを起こし易くなる。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、軟便等を着用者の肌に長時間接触させることを回避し、軟便等に起因するカブレを有効に防止し得る吸収性物品を提供するものである。より具体的には、トップシートの表面から軟便等を迅速に除去して着用者の肌から離隔させることができるとともに、軟便等の排泄を容易に視認でき軟便等の排泄後速やかに交換することが可能な吸収性物品を提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、吸収体を上層吸収体、下層吸収体の2層構造とし、上層吸収体に軟便等を流入させ得る上貫通孔を形成するともに、下層吸収体には上層吸収体の上貫通孔からは離隔された位置に開口する下貫通孔を形成し、更に上下2層の吸収体の当接面に両貫通孔を連通させる連通溝を形成すること等によって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の吸収性物品が提供される。
[1] 前身頃、股下部及び後身頃の各部から形成され、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、を備え、前記吸収体は、下層吸収体と、前記下層吸収体に積層された上層吸収体と、からなり、前記上層吸収体の前記股下部に配置される部分には、前記上層吸収体の厚さ方向に貫通する上貫通孔が形成され、前記下層吸収体の前記股下部及び前記後身頃の少なくとも一方に配置される部分には、前記下層吸収体の厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔が形成されており、前記下貫通孔は、前記上層吸収体の前記上貫通孔の外周領域に開口するように、前記上貫通孔とは非重畳的に配置され、前記上層吸収体と前記下層吸収体との当接部において、前記上層吸収体及び前記下層吸収体の少なくとも一方に、前記上貫通孔と前記下貫通孔とを相互に連通させる連通溝が形成され、前記バックシートは、その全光線透過率が30%以上のものである吸収性物品。
[2] 前身頃、股下部及び後身頃の各部から形成され、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、を備え、前記吸収体は、下層吸収体と、前記下層吸収体に積層された上層吸収体と、からなり、前記上層吸収体の前記股下部に配置される部分には、前記上層吸収体の厚さ方向に貫通する上貫通孔が形成され、前記下層吸収体の前記股下部及び前記後身頃の少なくとも一方に配置される部分には、前記下層吸収体の厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔が形成されており、前記下貫通孔は、前記上層吸収体の前記上貫通孔の外周領域に開口するように、前記上貫通孔とは非重畳的に配置され、前記上貫通孔と前記下貫通孔とを相互に連通させる連通溝が形成された連通シートを更に備え、前記連通シートは、前記上層吸収体と前記下層吸収体との層間に介装されるとともに、前記上貫通孔の開口部と前記下貫通孔の開口部の間の領域に配置され、前記バックシートは、その全光線透過率が30%以上のものである吸収性物品。
[3] 前記連通シートは、前記下貫通孔の開口部と重畳的に配置される部分にスリット又は孔が形成されている前記[2]に記載の吸収性物品。
[4] 前記上層吸収体と前記下層吸収体との間にスペーサーが挟み込まれている前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の吸収性物品。
[5] 前記上貫通孔は、前記上層吸収体の幅方向中央部に1個形成されており、前記下貫通孔は、前記上層吸収体における前記上貫通孔の外周領域のうち前記上貫通孔の左右両側の領域に各1個が開口するように合計2個形成されている前記[1]〜[4]のいずれかに記載の吸収性物品。
[6] 前記上貫通孔は、前記上層吸収体の前後方向中央部に1個形成されており、前記下貫通孔は、前記上層吸収体における前記上貫通孔の外周領域のうち前記上貫通孔の前後両側の領域に各1個が開口するように合計2個形成されている前記[1]〜[5]のいずれかに記載の吸収性物品。
[7] 前記トップシートは、前記上層吸収体における前記上貫通孔の開口部と重畳的に配置される部分にスリット又は孔が形成されている前記[1]〜[6]のいずれかに記載の吸収性物品。
本発明の吸収性物品は、軟便等を着用者の肌に長時間接触させることを回避し、軟便等に起因するカブレを有効に防止することができる。より具体的には、トップシートの表面から軟便等を迅速に除去して着用者の肌から離隔させることができるとともに、軟便等の排泄を容易に視認でき軟便等の排泄後速やかに交換することが可能である。
本発明の吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す概略平面図である。 図1Aに示す吸収性物品のA−A’断面を模式的に示す概略断面図である。 図1Aに示す吸収性物品のB−B’断面の一部を模式的に示す概略断面図である。 図1Aに示す吸収性物品を構成する上層吸収体を模式的に示す概略平面図である。 図1Aに示す吸収性物品を構成する下層吸収体を模式的に示す概略平面図である。 本発明の吸収性物品の別の実施形態を示す概略平面図であり、吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 図2Aに示す吸収性物品のA−A’断面を模式的に示す概略断面図である。 図2Aに示す吸収性物品のB−B’断面の一部を模式的に示す概略断面図である。 図2Aに示す吸収性物品を構成する上層吸収体を模式的に示す概略平面図である。 図2Aに示す吸収性物品を構成する下層吸収体を模式的に示す概略平面図である。 本発明の吸収性物品の更に別の実施形態を示す概略平面図であり、吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 図3Aに示す吸収性物品のA−A’断面を模式的に示す概略断面図である。 図3Aに示す吸収性物品のB−B’断面の一部を模式的に示す概略断面図である。 図3Aに示す吸収性物品を構成する上層吸収体を模式的に示す概略平面図である。 図3Aに示す吸収性物品を構成する下層吸収体を模式的に示す概略平面図である。 本発明の吸収性物品の更にまた別の実施形態を示す概略平面図であり、吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 図4Aに示す吸収性物品のA−A’断面を模式的に示す概略断面図である。 図4Aに示す吸収性物品のB−B’断面の一部を模式的に示す概略断面図である。 図4Aに示す吸収性物品を構成する上層吸収体を模式的に示す概略平面図である。 図4Aに示す吸収性物品を構成する下層吸収体を模式的に示す概略平面図である。
以下、本発明の吸収性物品を実施するための最良の形態について、テープ型使い捨ておむつの例により具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える吸収性物品(例えば、パンツ型使い捨ておむつ、尿パッド等)を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、図1D、図1E、図2D、図2E、図3D、図3E、図4D、図4Eは、上層吸収体及び下層吸収体のいずれか一方のみを示すものであるが、説明の便宜上、他方の吸収体の貫通孔等についても破線で示してある。また、図1C〜図1E、図2C〜図2E、図3C〜図3E、図4D、図4Eにおいては、作図の都合上、複数の連通溝の一部を捨象して作図した。
[1]定義等:
「テープ型使い捨ておむつ」とは、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aのように、吸収体22と、トップシート18と、バックシート20とを備え、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置された、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ11を更に備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
「前身頃」とは、図1Aに示すように、着用者に装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分(図中符号2)、「股下部」とは、着用者に装着した際に、着用者の股下を覆う部分(図中符号4)、「後身頃」とは、着用者に装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分(図中符号6)を意味するものとする。
上層吸収体、下層吸収体について「幅方向中央部」とは、吸収体を幅方向に3等分したと仮定した場合において、吸収体の幅方向中央を占める部分、「幅方向側縁部」とは、吸収体のち前記幅方向中央部を除いた残部(幅方向左右両側を占める部分)を意味するものとする。また、上層吸収体、下層吸収体について「前後方向中央部」とは、吸収体を前後方向に3等分したと仮定した場合において、吸収体の前後方向中央を占める部分、「前後方向端縁部」とは、前記前後方向中央部を除いた残部(前後方向前後両端を占める部分)を意味するものとする。
[2]本発明の第1の実施形態:
本発明の吸収性物品は、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aのように、吸収体22が、下層吸収体58Aと、下層吸収体58Aに積層された上層吸収体56Aと、からなり、上層吸収体56Aの股下部4に配置される部分には、上層吸収体56Aの厚さ方向に貫通する上貫通孔50Aが形成され、下層吸収体58Aの股下部4及び後身頃6の少なくとも一方に配置される部分には、下層吸収体58Aの厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔52Aが形成されており、下貫通孔52Aは、上層吸収体56Aの上貫通孔50A外周領域に開口するように、上貫通孔50Aとは非重畳的に配置され、上層吸収体56Aと下層吸収体58Aとの当接部において、上層吸収体56A及び下層吸収体58Aの少なくとも一方に、上貫通孔50Aと下貫通孔52Aとを相互に連通させる連通溝60Aが形成され、バックシート20は、その全光線透過率が30%以上のものである吸収性物品である。
吸収性物品1Aのように、上層吸収体56Aに上貫通孔50Aを形成することで、上貫通孔50Aの形成部位においてトップシート18の裏面は吸収体22(具体的には上層吸収体56A)の表面に当接しない状態となる。従って、トップシートの裏面と吸収体の表面とが当接している場合と比較して、軟便等がトップシート18を通過し易くなる。
また、下貫通孔52Aは上層吸収体56Aにおける上貫通孔50A外周領域に開口しており、上貫通孔50Aと直接的には連通していないものの、連通溝60Aを介して上貫通孔50Aと相互に連通している。従って、上貫通孔50Aに流入した軟便等は連通溝60Aを経由して、着用者の肌から遠い位置にある下貫通孔52Aに導かれる。これにより軟便等はトップシート18の表面から迅速に除去されて着用者の肌から離隔される。
そして、この構造では上貫通孔50Aと下貫通孔52Aとが非重畳的に配置されているため、下貫通孔52Aの開口部は上層吸収体56Aによって被覆され、着用者の肌に対して直接開放されることはない。従って、一旦、下貫通孔52Aに収容された軟便等が再び流れ出し、トップシート18表面に広く拡散してしまう事態を有効に防止することができる。
更に、バックシート20は、全光線透過率が30%以上の光透過性が高いものであるため、下貫通孔52Aに導かれた軟便等を吸収性物品1Aの外部から容易に視認することができる。従って、軟便等の排泄後速やかに吸収性物品を交換することが可能となり、着用者の肌に軟便等が接触する時間を更に短縮することができる。
[2−1]吸収体の構成:
本発明の吸収性物品は、図1A〜図1Cに示すように、下層吸収体58Aと下層吸収体58Aに積層された上層吸収体56Aとから吸収体22が構成されている。即ち、吸収体22が上下2層構造となっている。
本発明においては吸収体を上下2層構造とするため、上層吸収体と下層吸収体を積層した際に、通常の吸収体と同等の厚さ(2〜10mm程度)となるような厚さとすることが好ましい。従って、各吸収体の厚さは1mm以上とすることが好ましく、厚くても8mm以下とすることが好ましい。上層吸収体と下層吸収体は厚さが異なっていてもよいが、通常は同一厚さに形成される。また、平面形状については特に限定されず、別項で説明するような従来公知の平面形状とすればよい。上層吸収体と下層吸収体は、異なる平面形状としてもよいが、通常は同一の平面形状に形成される。なお、上層吸収体と下層吸収体は接着剤等により互いにずれないように接合され固定されていてもよい。
[2−2]貫通孔の構成:
本発明の吸収性物品は、図1A〜図1Cに示すように、上層吸収体56Aの股下部4に配置される部分には、上層吸収体56Aの厚さ方向に貫通する上貫通孔50Aが形成され、下層吸収体58Aの股下部4及び後身頃6の少なくとも一方に配置される部分には、下層吸収体58Aの厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔52Aが形成されている。
上貫通孔50Aは、上層吸収体56Aのうち、吸収性物品の股下部4に配置される部分に形成される。そして、軟便等の流入を容易にするため、上層吸収体56Aの幅方向中央部に上貫通孔50Aを形成することが好ましい。上貫通孔50Aの数は限定されないが、上層吸収体56Aの幅方向中央部であって、かつ、前後方向中央部(即ち、着用者の肛門が当接する部分)に1個形成することが好ましい。
上貫通孔のサイズは特に限定されないが、通常、貫通孔1個当たり500〜3000mmのサイズに形成される。但し、上層吸収体56Aと下層吸収体58Aとの重畳面積に対し、上貫通孔の総開口面積が3〜15面積%の範囲内であることが好ましい。
上貫通孔の総開口面積が3面積%未満であると、開口面積が小さ過ぎて、軟便等が上貫通孔に流入し難くなり、上貫通孔周縁の吸収体表面に軟便等が拡散してしまうという不具合を生ずる場合がある。一方、上貫通孔の総開口面積が15面積%を超えると、開口面積が大き過ぎて、上貫通孔の内部に軟便等が残留するという不具合を生ずる場合がある。
なお、「上層吸収体と下層吸収体との重畳面積」とは、吸収体を上部から透視的に観察した場合に、上層吸収体と下層吸収体とが重畳している部分の面積を意味する。上層吸収体と下層吸収体が同一の平面形状である場合は、各々の吸収体の表面(又は裏面)の面積に等しい。また、「貫通孔の総開口面積」とは、上貫通孔又は下貫通孔が複数形成されている場合においては、それらの開口面積の総和を意味するものとする。
一方、下貫通孔52Aは、下層吸収体58Aの股下部4及び後身頃6の少なくとも一方に配置される部分に形成される。下貫通孔52Aは仰向け寝の状態において軟便等が流入し易いよう、下層吸収体58Aのうち、吸収性物品1Aの股下部4又は後身頃6に配置される部分の一方又は双方に形成される。但し、股下部又は後身頃の少なくとも一方に下貫通孔が配置されている限り、前身頃にも下貫通孔が形成されていてもよい。
また、下貫通孔52Aは、上層吸収体56Aの上貫通孔50Aの外周領域に開口するように、上貫通孔50Aとは非重畳的に配置される。即ち、吸収体22を上部から透視的に観察した場合に、下貫通孔52Aは上貫通孔50Aの開口部外縁よりも外側の領域に離隔して配置され、上貫通孔50Aと下貫通孔52Aの形成位置は重畳していない。この構造によれば、上貫通孔50Aの開口部から下貫通孔52Aの開口部が露出することはなく、下貫通孔52Aの開口部が着用者の肌に対して直接開放されることはない。
下貫通孔は複数形成されていることが必要である。2個以上である限りその数は限定されず下層吸収体に多数の下貫通孔を散点的に形成することもできる。但し、本発明においては上層吸収体に上貫通孔が1個、下層吸収体に下貫通孔が2個形成されている形態が好ましい。
例えば、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aのように、上層吸収体56Aの幅方向中央部に上貫通孔50Aを1個形成し、上層吸収体56Aの上貫通孔50Aの外周領域のうち上貫通孔50Aの左右両側の領域に下貫通孔52Aを各1個開口するように合計2個形成する形態を挙げることができる。図1A〜図1Cに示すような形態は、上貫通孔50Aの左右両側に下貫通孔52Aが位置していることで、軟便等が上貫通孔50Aから下貫通孔52Aに流入し易い。また、下層吸収体58Aの下貫通孔52Aに流入した軟便等を吸収性物品1Aの外部(バックシート20側)から視認する際に、左右どちらからでも視認することができるため好ましい。
上貫通孔及び下貫通孔の開口部形状としては、例えば、吸収体の前後方向に長辺が位置する矩形状を挙げることができる。開口部形状を矩形状とする場合、上貫通孔と下貫通孔の前後方向長さ(矩形長辺の長さ)を同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。
図1A及び図1Cに示す吸収性物品1Aは上貫通孔50Aと下貫通孔52Aの後端部の前後位置が一致しており、上貫通孔50Aよりも下貫通孔52Aの前後方向長さを長く形成して、上貫通孔50Aの前端部より下貫通孔52Aの前端部をより前方に突出させた形態としている。この形態は、上貫通孔と下貫通孔を同一長さに形成した場合と比較して、上貫通孔50Aの開口面積を小さく保ったまま、軟便等が流入する下貫通孔52Aの空間容積を大きくすることができる。また、下貫通孔52Aの開口面積が大きいために、下貫通孔52Aに流入した軟便等の外部からの視認性が向上するという利点がある。そして、上貫通孔50Aよりも下貫通孔52Aの前端部を前方に突出させているため、着用者が仰向けの状態、立っている状態等においても、下貫通孔52Aに流入した軟便等を前方から視認し易いという効果を得ることができる。
また、図2Aに示す吸収性物品1Bのように、上貫通孔50B及び下貫通孔52Bの開口部形状を上層吸収体56B及び下層吸収体58Bの前後方向に長軸が位置する楕円形状に形成してもよい。この例では、各々の下貫通孔52Bの開口面積が上貫通孔50Bの開口面積より小となるように下貫通孔52Bを形成している。なお、開口部形状は図2Aに示す上貫通孔50B、下貫通孔52Bのような楕円形状のみならず、図3Aに示す下貫通孔52Cのような部分楕円形状であってもよい。
下貫通孔のサイズは特に限定されないが、通常、貫通孔1個当たり100〜3000mmのサイズに形成される。但し、上層吸収体と下層吸収体との重畳面積に対し、下貫通孔の総開口面積が5〜30面積%の範囲内であることが好ましい。
下貫通孔の総開口面積が1面積%未満であると、開口面積が小さ過ぎて、下貫通孔に導かれた軟便等を外部(バックシート側)から視認し難くなるという不具合を生ずる場合がある。一方、下貫通孔の開口面積が30面積%を超えると、下層吸収体に占める下貫通孔の容積が大きくなるため、吸収体の体積が小さくなってしまう。従って、尿や軟便等の吸収量が低下するという不具合を生ずる場合がある。軟便等を確実に収容するという観点から、上記範囲を満たした上で、上貫通孔の開口面積(即ち、容積)よりも下貫通孔の総開口面積(即ち、容積)を大きく形成することが好ましい。
[2−3]連通溝:
本発明の吸収性物品は、図1Bに示す吸収性物品1Aのように、上層吸収体56Aと下層吸収体58Aとの当接部において、上層吸収体56A及び下層吸収体58Aの少なくとも一方に、上貫通孔50Aと下貫通孔52Aとを相互に連通させる連通溝60Aが形成されている。このような連通溝60Aを形成することで上貫通孔50Aと下貫通孔52Aとが離れた位置に配置されていても上貫通孔50Aに流入した軟便等を下貫通孔52Aに移行させることができる。
連通溝は上層吸収体及び下層吸収体の一方又は双方に形成する。中でも、図1Bに示す吸収性物品1Aのように下層吸収体58Aのみに連通溝60Aを形成する形態(図1D及び図1Eも参照。)、図3B及び図3Cに示す吸収性物品1Cのように上層吸収体56Cと下層吸収体58Cの双方に連通溝60Cを形成する形態が好ましい。後者の形態においては、図3Cに示すように上層吸収体56Cの裏面に形成した連通溝60Cと下層吸収体58Cの表面に形成した連通溝60Cの位置が相互に合致するように連通溝60Cを形成することが特に好ましい。
連通溝は上貫通孔と下貫通孔との間を連続的な空間で繋ぐように形成する。例えば図1D及び図1E、図2D及び図2Eに示すように、上貫通孔50A,50Bと下貫通孔52A,52Bとを繋ぐ直線上に連通溝60A,60Bを形成する形態を挙げることができる。このような形態は上貫通孔と下貫通孔を最短距離で連通させることができるため好ましい。但し、連通溝は必ずしも平行する直線上に形成する必要はなく、図3D及び図3Eに示すように格子状に連通溝60Cを形成してもよい。
連通溝の流路と垂直な方向の断面形状は、図1Cに示す下貫通孔52Aのような逆台形状、図2Cに示す下貫通孔52Bのような略半円形状、図3Cに示す上貫通孔50Cと下貫通孔52Cとを合わせて形成される貫通孔のような略円形状の他、矩形状等であってもよい。連通溝の深さ、流路断面積は軟便等の流動性を考慮して適宜設定すればよい。通常、深さは0.5〜6mm、流路断面積は1〜80mmに形成される。
連通溝の本数は上貫通孔、下貫通孔のサイズにより異なるが、3〜30mm間隔で平行に複数本の連通溝を形成することが好ましい。
前記のような連通溝は、例えば外周面に凸条が形成されたエンボスロールにより吸収体の表面又は裏面を押圧することで形成することができる。また、上層吸収体の裏面又は下層吸収体の表面に線状の凸部材を複数本貼り合わせることで同様の形態を形成することもできる。この場合、前記凸部材の材質としては、後に説明する嵩高不織布を用いることが好ましい。
[2−4]スペーサー:
本発明の吸収性物品は、図2A及び図2Cに示す吸収性物品1Bのように、上層吸収体56Bと下層吸収体58Bとの間にスペーサー54Bが挟み込まれていることが好ましい。スペーサーを挟み込むことで、図2Bに示すように、上層吸収体56Bと下層吸収体58Bの層間隙間を大きくすることができ、連通溝60Bを経由する軟便等の流動を促進することができる。
スペーサーの厚さは1〜5mmとすることが好ましい。1mm未満であるとスペーサーを挟み込んだ効果を得られない場合がある。5mmを超えると上層吸収体と下層吸収体の間の隙間が大きくなり過ぎて、上層吸収体と下層吸収体の層間隙間に流入した軟便等が吸収体の端部まで到達し、上層吸収体の表面(ひいてはトップシートの表面)にまで染み出してしまう不具合を生ずるおそれがある。
スペーサーを構成する材質は特に限定されないが、スペーサーの機能を発揮させる必要上、柔軟性に富み、形状復元性を有する材料であることが好ましい。例えば、ウレタンフォームからなるシート材等を好適に用いることができる。
スペーサーの配置形態は特に限定されない。但し、連通溝を経由する軟便等の流動を促進するという目的上、図2A、図2C〜図2Dに示すように、複数の連通溝60Bの形成領域の両側に配置することが好ましい。中でも、直線的に形成された連通溝と平行するようにスペーサーを配置すると、連通溝に近接してスペーサーを配置することができるため、連通溝上部の空間を大きく開けることができ、軟便等の流動を促進する効果が高い点で好ましい。
[2−5]バックシートの全光線透過率:
本発明の吸収性物品においては、バックシートの全光線透過率を30%以上とする。こうすることにより、下貫通孔に流入した軟便等の排泄を容易に視認でき、軟便等の排泄後速やかに吸収性物品を交換することが可能となる。従って、軟便等が着用者の肌と接触し得る時間を更に短縮することができ、軟便等に起因するカブレを効果的に抑制することができる。
「全光線透過率」とは、JIS K 7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第一部:シングルビーム法)に準拠した測定法により測定された値を意味する。なお、図1Bに示す吸収性物品1Aのように、バックシート20の外表面側にカバーシート24を貼り合わせている場合には、「バックシートの全光線透過率」は、バックシートとカバーシートを貼り合わせた部材の全光線透過率を意味するものとする。
バックシートの中には、透湿性向上を目的として微小孔が多数形成され、全光線透過率が低いポリフィルムを用いているものがある。このようなバックシートの場合、一部の微小孔を透明樹脂で埋めると、光の散乱がなくなり透明性が向上する。
例えば、スチレン−ジエンブロック共重合体又はその水素添加誘導体5〜90質量%、粘着付与剤5〜90質量%及び可塑剤5〜50質量%を含むホットメルト樹脂等を好適に用いることができる。この場合の「粘着付与剤」としては、石油樹脂、水素添加石油樹脂、ロジン系樹脂、水素添加ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂等を用いることができる。「可塑剤」としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル等を用いることができる。
また、図1Bに示す吸収性物品1Aのように、バックシート20の外表面側にカバーシート24を貼り合わせる場合には、カバーシート24の全光線透過率も考慮する必要がある。カバーシートは不織布等により構成されることが多いため、このカバーシートにカレンダー処理を施すことで、カバーシートの全光線透過率を向上させることができる。
[2−6]トップシートへのスリット等の形成:
本発明の吸収性物品のトップシートには、上貫通孔の開口部と重畳する部分にスリット又は孔が形成されていることが好ましい。このような構成では、トップシート表面に滞留する軟便等がスリットや孔を通過して上層吸収体の上貫通孔に流入するため、より速やかに軟便等を上貫通孔に導くことができる。
スリットや孔の形状は特に限定されるものではない。例えば、スリットであれば、幅0.1〜1mm、長さ5〜10mmのスリットを1〜10個形成することが好ましい。孔であれば、2〜8mmφの円孔を1〜5個形成することが好ましい。
なお、スリットや孔は、上貫通孔の開口部と重畳する部分に形成されている限り、他の部分にも形成されていてもよい。例えば、上貫通孔の開口部と重畳する部分を含むトップシート全体にスリット又は孔が形成されていてもよい。
なお、吸収性物品が、上層吸収体と下層吸収体との層間に連通シートを備えている場合には、トップシートの上貫通孔開口部と重畳する部分にスリット等を形成し、更に連通シートの下貫通孔開口部と重畳する部分にもスリット等を形成することが好ましい。このような形態は、トップシートのスリット等と、連通シートのスリット等の相乗効果により、軟便等を一層速やかに下貫通孔に導くことができる。
[3]本発明の第2の実施形態:
本発明の第2の実施形態は、図4A〜図4Cに示す吸収性物品1Dのように、吸収体22が下層吸収体58Dと、下層吸収体58Dに積層された上層吸収体56Dとからなり、上層吸収体56Dの股下部4に配置される部分には、上層吸収体56Dの厚さ方向に貫通する上貫通孔50Dが形成され、下層吸収体58Dの股下部4及び後身頃6の少なくとも一方に配置される部分には、下層吸収体58Dの厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔52Dが形成されており、下貫通孔52Dは、上層吸収体56Dの上貫通孔50Dの外周領域に開口するように、上貫通孔50Dとは非重畳的に配置され、上貫通孔50Dと下貫通孔52Dとを相互に連通させる連通溝60Dが形成された連通シート62Dを更に備え、連通シート62Dは、上層吸収体56Dと下層吸収体58Dとの層間に介装されるとともに、上貫通孔50Dの開口部と下貫通孔52Dの開口部の間の領域に配置され、バックシート20は、その全光線透過率が30%以上のものである吸収性物品である。
第1の実施形態が上貫通孔と下貫通孔を連通させる連通溝を上層吸収体及び/又は下層吸収体に形成する形態であるのに対し、第2の実施形態は上層吸収体と下層吸収体との間に別体のシート体を介装させ、そのシート体に連通溝を形成する形態である。以下、第1の実施形態と共通する事項については説明を割愛し、第2の実施形態に固有の事項のみを説明する。
[3−1]連通シート:
図4B、図4D及び図4Eに示すように、連通シート62Dは、上貫通孔50Dと下貫通孔52Dとを相互に連通させる連通溝60Dが形成されたシート体である。
連通シートを付設すると、吸収体に連通溝を形成した場合と同様に、上貫通孔と下貫通孔との間を連通させることができる。更に、吸収体に連通溝を形成した場合と比較して、連通シートの連通溝以外の部分(凸部)がスペーサーと同様の効果、即ち、上層吸収体と下層吸収体の層間隙間を大きくする効果を奏するため好ましい。
連通シートとしては、嵩高い(即ち、繊維が疎に配置された)不織布シートを好適に用いることができる。中でも、種類:エアスルー、スパンレース等の嵩高不織布を好適に用いることができる。嵩高不織布を用いることにより、軟便等を上貫通孔から下貫通孔に移行させる際に軟便等をその嵩高不織布中に吸収させることができる。従って、連通溝の表面に軟便等が残留して連通溝が詰まるという不具合を生じ難く、上貫通孔から下貫通孔への軟便等の移行を妨げることが少ないという利点がある。なお、「嵩が高い」とは、不織布シートの2kPa荷重時の嵩密度が0.03〜0.20g/cmであることを意味する。中でも、2kPa荷重時の嵩密度が0.03〜0.10g/mの不織布シートを用いることが好ましい。但し、連通シートの構成材料は嵩高不織布に限定されるものではなく、液不透過性の材料(例えば、ウレタンフォームからなるシート等)であってもよい。
図4B及び図4Cに示すように、連通シート62Dは上層吸収体56Dと下層吸収体58Dとの層間に介装されるとともに、上貫通孔50Dの開口部と下貫通孔52Dの開口部の間の領域に配置される。但し、上貫通孔の開口部と下貫通孔の開口部の間の領域に配置されている限り、下層吸収体における下貫通孔の開口部を覆う部分に連通シートが配置されていてもよい。この場合、連通シートを嵩高不織布等の液透過性の材料で構成するか、後述するように連通シートにスリット等を形成することが好ましい。
図4Aに示す吸収性物品1Dは、上層吸収体56Dに上貫通孔50Dが1個、下層吸収体58Dに下貫通孔52Dが2個形成されている形態の例であり、上層吸収体56Dの前後方向中央部に上貫通孔50Dが1個形成されており、下貫通孔52Dは、上層吸収体56Dの上貫通孔50Dの外周領域のうち上貫通孔50Dの前後両側の領域に各1個が開口するように合計2個形成されている。なお、図4Aに示す形態では上貫通孔50Dの開口部形状を円形状、下貫通孔52Dの開口部形状を矩形状に形成している。
本発明の吸収性物品は、連通シートのうち下層吸収体における下貫通孔の開口部を覆う部分にスリット又は孔が形成されているものが好ましい。このような構成では、連通シート表面に滞留する軟便等がスリットや孔を通過して下層吸収体の下貫通孔に流入するため、より速やかに軟便等を下貫通孔に導くことができる。この構成は連通シートをウレタンフォームのような液不透過性材料で構成した場合に有効である。
スリットや孔の形状その他の形態については、特に限定されるものではない。例えば、既に述べたトップシートに形成するスリットや孔と同様の形態を採用することができる。連通シートのうち下層吸収体における下貫通孔の開口部を覆う部分以外の部分にスリットや孔を形成してもよい点についてもトップシートの場合と同様である。
[3−2]スペーサー:
第2の実施形態においても、図4Bに示す吸収性物品1Dのように、上層吸収体56Dと下層吸収体58Dとの間にスペーサー54Dが挟み込まれていることが好ましい。中でも、図4B、図4D及び図4Eに示すように、複数の連通溝60Dの形成領域の両側に配置することが好ましい。
スペーサーの材質については第1の実施形態と同様の材質を用いることができる。配置形態としては、図4B、図4D及び図4Eに示すように、連通シート62Dの外周にスペーサー54Dを配置することが好ましい。但し、連通溝における軟便等の流動を阻害しない限り、例えば、連通シートと上層吸収体との間にスペーサーが挟み込まれていてもよい。即ち、「上層吸収体と下層吸収体との間」には、上層吸収体又は下層吸収体と連通シートとの間にスペーサーが挟まれている形態も含まれるものとする。
スペーサーの厚さは連通シートの厚さに1〜5mm加えた厚さとすることが好ましい。1mm未満であるとスペーサーを挟み込んだ効果を得られない場合がある。5mmを超えると上層吸収体と下層吸収体の間の層間隙間に流入した軟便等が吸収体の端部まで到達し、上層吸収体の表面(ひいてはトップシートの表面)にまで染み出してしまう不具合を生ずるおそれがある。
[4]吸収性物品の他の構成部材:
本発明の吸収性物品は、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aのように、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から形成され、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20と、を備えるものである。
[4−1]吸収体:
「吸収体」は、着用者の尿等を吸収し、保持するための部材であり、吸収性材料によって構成される。
「吸収性材料」としては、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super
Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)、親水性シート等を挙げることができる。「フラッフパルプ」としては、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、「SAP」としては、ポリアクリル酸ナトリウムを、「親水性シート」としては、ティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布等を用いることが好ましい。
吸収体は、1種又は2種以上の吸収性材料を単層又は複層のマット状に成形したものを用いることが好ましい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部のSAPを併用したものが好ましい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、40〜80質量部のSAPを併用したSAP比率が高い吸収体を用いた場合に、本発明の効果が発揮される。この際、SAPはフラッフパルプのマット中に混在させるか、フラッフパルプのマットの層間に層状に配置して用いればよい。
吸収体は、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等、所望の形状に成形して用いることができる。吸収体は、SAPの脱落を防止し、形状安定性を付与するという目的から、親水性シートによって被包されていることが好ましい。通常、吸収体はトップシートとバックシートの間に挟みこまれ、両シートと一体化された状態で用いられる。
[4−2]トップシート:
トップシートは、着用者の尿等を透過させる必要から、その少なくとも一部(全部又は一部)が液透過性材料により構成される。
「液透過性材料」としては、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、脂肪族ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
「不織布」としては、エアスルー(カード熱風)、カードエンボス等の製法によって製造された不織布を好適に用いることができる。「親水化処理」は、界面活性剤を塗布、スプレー、含浸等させることにより行うことができる。
トップシートは、「少なくとも一部」、具体的には、トップシートを平面的に見た場合に、少なくとも吸収体の表面近傍は液透過性材料により構成されていることが好ましい。
なお、吸収性物品の着用者の肌側に位置するシートが全てトップシートによって構成されている必要はない。即ち、着用者の肌と接するシートが、トップシートを含む複数のシートによって構成され、トップシートと他のシートがシートの表面方向に向かって継ぎ合わされたような構造となっていてもよい。
例えば、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aは、おむつの幅方向中央部には液透過性材料からなるトップシート18を配置し、おむつのサイドフラップ9部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるサイドシート19を配置した例である。通気撥水性シートとしては、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
[4−3]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の肌から遠い側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートの配置位置については特に制限はない。吸収体で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体の存在する部分にバックシートが配置されていることが好ましい。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、図1Bに示すように、バックシート20の外表面側にカバーシート24を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[4−4]立体ギャザー:
本発明の吸収性物品は、撥水性シートからなり、吸収体の両側に配置された少なくとも一対の立体ギャザーを備えていることが好ましい。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、図1Bに示す吸収性物品1Aのように、撥水性シート32の層間に伸縮材(立体ギャザー伸縮材36)を挟み込んで固定し、その立体ギャザー伸縮材36の収縮力によってギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。これらの例では、撥水性シート32の折り返し部分に立体ギャザー伸縮材36を挟み込んで固定した例である。
なお、立体ギャザーは、前記のように立体ギャザー用の撥水性シートを別途付設してもよいし、おむつを構成するシート材の一部によって形成してもよい。例えば、図1Bに示す吸収性物品1Aは、サイドシート19を構成する撥水性シート32の一部によって立体ギャザー26a,26bを形成した例である。撥水性シートは、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
[4−5]止着テープ:
本発明の吸収性物品は、図1Aに示すように、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置された、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ11を備えていてもよい。
止着テープのファスニング部材としては、粘着剤により固定を行う粘着ファスナーであってもよいが、機械的な結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナー)を用いることが好ましい。
例えば、図1Aに示す吸収性物品1Aは、ファスニング部材として、メカニカルファスナー46を用いた例である。止着テープ11の先端近傍には、フック材46aが付設される一方、前身頃2には、ループ材46bからなるフロントパッチ13が付設されており、フロントパッチ13に対して、止着テープ11を止め付けることが可能なように構成されている。
止着テープの数は特に限定されず、着用者の体型(具体的には、ウエスト周り、脚周り等)の寸法に合わせて、適当な数の止着テープを付設すればよい。一般的には、乳幼児用の使い捨ておむつであれば一対(左右1個ずつ)、成人用の使い捨ておむつであれば二対(左右2個ずつ)が付設される。
[4−6]各種伸縮材:
本発明の吸収性物品が使い捨ておむつである場合は、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。
例えば、図1Aに示す吸収性物品1Aは、テープ型使い捨ておむつであり、おむつの長手方向に沿って、直線的に三本の脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムや平ゴムによって構成される。
脚周り伸縮材は、例えば、図1Aに示す吸収性物品1Aのように、立体ギャザー26の起立線より外側の部分に、脚周り伸縮材40が形成されていることが好ましい。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。
例えば、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aは、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り伸縮材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り伸縮材を配置してもよい。
パンツ型使い捨ておむつでは、腹回り伸縮材が付設される場合がある。腹周り伸縮材は、ウエスト周り開口部と脚周り開口部との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に配置される伸縮材である。腹周り伸縮材を配置することによって、着用者の腹周りに伸縮性に富むタミーギャザーを形成することができる。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性糸からなる糸ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴムの弾性糸からなる糸ゴムである場合には、120〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[4−7]適用対象:
なお、本発明の吸収性物品は、テープ型使い捨ておむつの他、パンツ型使い捨ておむつ、尿パッドにも適用することができる。即ち、これらの吸収性物品においても吸収体を上下2層構造とし、その上層吸収体、下層吸収体の当接面に連通溝を設けるか、或いはその上層吸収体、下層吸収体の層間に前記連通シートを挟み込むことで、先に説明したテープ型使い捨ておむつと同様の効果を得ることができる。
「パンツ型使い捨ておむつ」とは、前身頃と後身頃の対応する側縁同士を接合することによって、一つのウエスト周り開口部及び一対の脚周り開口部12が形成され、予めパンツ型に構成された使い捨ておむつを意味するものとする。
中でも、トップシートとバックシートとの層間に吸収体が内包され、パッド状に形成された吸収性本体と、一つのウエスト周り開口部及び一対の脚周り開口部が形成されたパンツ型を呈する外装シートとを備え、外装シートの内側に吸収性本体が配置・固定された形態を「2ピースタイプ」と称することがある。
「尿パッド」とは、インナーパッド、補助パッドとも称され、専ら尿吸収を目的とする吸収パッドである。この尿パッドは、下着の内面や使い捨ておむつのトップシートの表面に載置した状態で用いられる。尿パッドは、使い捨ておむつと同様に、吸収体と、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートとを備えるが、着用者の腰周りを被包する部分を持たない小型のパッド状に構成されることが一般的である。
本発明の吸収性物品について、図面を参照しながら更に具体的に説明する。但し、本発明の吸収性物品は、その発明特定事項を備えた吸収性物品を全て包含するものであり、以下の実施例に限定されるものではない。
〔1〕実施例1:
実施例1の吸収性物品として、テープ型使い捨ておむつを作製した。具体的な構造は、図1A〜図1Cに示す吸収性物品1Aの構造とした。この吸収性物品1Aは、乳児用Lサイズのものであり、前後方向長さを485mm、後身頃6の幅(側縁6a,6b間の長さ)を325mmとした。
[1−1]吸収体の構成:
吸収性物品1Aは、吸収体として上下2層構造の吸収体22を用いた。この吸収体22は、矩形状の下層吸収体58A(幅100mm×長さ395mm×厚さ2mm)と、その表面に積層された、同一形状の上層吸収体56A(幅100mm×長さ395mm×厚さ2mm)とからなるものであった。上層吸収体56A、下層吸収体58Aとも、フラッフパルプ100質量部に対して、85質量部のSAPを併用した。上層吸収体56A、下層吸収体58Aはホットメルト接着剤により相互に固着させた。
[1−2]貫通孔の構成:
上層吸収体56Aには、上層吸収体56Aの厚さ方向に貫通する上貫通孔50Aを形成した。上貫通孔50Aは、上層吸収体56Aのうち、吸収性物品1Aの股下部4に配置される部分に形成した。また、上層吸収体56Aの幅方向中央部であって、かつ、前後方向中央部(即ち、着用者の肛門が当接する部分)に1個形成した。
上貫通孔50Aは、開口部形状が上層吸収体56Aの前後方向に長辺が位置する矩形状(幅30mm×長さ70mm)の貫通孔とした。上貫通孔50Aの総開口面積(2100mm)は上層吸収体56Bと下層吸収体58Bとの重畳面積(39500mm)に対し5.3面積%であった。また、上貫通孔50Aの前端が上層吸収体56Aの前端から180mmの位置に位置するように上貫通孔50Aを形成した。
下層吸収体58Aの股下部4に配置される部分には、下層吸収体58Aの厚さ方向に貫通する、2個の下貫通孔52Aを形成した。下貫通孔52Bは、開口部形状が下層吸収体58Bの前後方向に長辺が位置する矩形状(幅25mm×長さ100mm)の貫通孔とした。上層吸収体56Bと下層吸収体58Bとの重畳面積(39500mm)に対し、下貫通孔52Bの総開口面積(2500mm×2)は12.7面積%であった。
下貫通孔52Aは、上層吸収体56Aの上貫通孔50A外周領域に開口するように、上貫通孔50Aとは非重畳的に配置した。具体的には、上貫通孔50Aの左右両側の領域に、上貫通孔50Bの開口部の側縁部と下貫通孔52Bの開口部の側縁部との最短距離が6mmとなるように下貫通孔52Bを配置した。この際、下貫通孔52Bの後端と上貫通孔50Bの後端との前後位置を一致させた。
[1−3]連通溝:
下層吸収体58Aの表面には連通溝60Aを形成した。連通溝60Aは流路断面が逆台形状の溝とした。この連通溝60Aの深さは1mm、流路断面積は2mmとした。連通溝60Aは下層吸収体58Aの幅方向に向かって複数本の溝が平行となるように形成した。連通溝60Aは下貫通孔52Aの後端から上貫通孔50Aの前端に至る領域に、3mm間隔で13本形成した。この連通溝60Aは外周面に凸条が形成されたエンボスロールにより下層吸収体58Aの表面を押圧することで形成した。
[1−4]バックシートの全光線透過率:
吸収性物品1Aにおいては、バックシートの全光線透過率を45%とした。吸収性物品1Aは、バックシート20の表面がカバーシート24によって被覆されているため、バックシート20にカバーシート24を貼り合わせた状態における全光線透過率を測定した。全光線透過率の測定は、JIS K 7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第一部:シングルビーム法)に準拠した測定法により行った。
バックシート20としては、微小孔が多数形成されたポリフィルムを用いた。このポリフィルムに、スチレン−ジエンブロック共重合体の水素添加誘導体20質量%、粘着付与剤(石油樹脂)50質量%及び可塑剤(パラフィン系オイル)30質量%を含むホットメルト樹脂を塗工して全光線透過率を向上させた。
カバーシート24としては、坪量18g/mのスパンボンド不織布からなる不織布シートを用いた。この不織布シートにカレンダー処理を施すことで、カバーシートの全光線透過率を向上させた。
〔2〕実施例2:
実施例2の吸収性物品として、テープ型使い捨ておむつを作製した。上貫通孔、下貫通孔及び連通溝の構成、並びにスペーサーを付設したことを除いては、実施例1の吸収性物品と同様に作製した。具体的な構造は、図2A〜図2Cに示す吸収性物品1Bの構造とした。
[2−1]貫通孔の構成:
上貫通孔50Bは、開口部形状が上層吸収体56Bの前後方向に長軸が位置する楕円形状(短軸30mm×長軸90mm)の貫通孔とした。上貫通孔50Bの総開口面積(2120mm)は上層吸収体56Bと下層吸収体58Bとの重畳面積(39500mm)に対し5.4面積%であった。また、上貫通孔50Bの前端が上層吸収体56Bの前端から190mmの位置に位置するように上貫通孔50Bを形成した。
下貫通孔52Bは、開口部形状が下層吸収体58Bの前後方向に長軸が位置する楕円形状(短軸20mm×長軸70mm)の貫通孔とした。上層吸収体56Bと下層吸収体58Bとの重畳面積(39500mm)に対し、下貫通孔52Bの総開口面積(1099mm×2)は5.5面積%であった。
下貫通孔52Bは、上層吸収体56Bの上貫通孔50B外周領域に開口するように、上貫通孔50Bとは非重畳的に配置した。具体的には、上貫通孔50Bの左右両側の領域に、上貫通孔50Bの開口部の側縁部と下貫通孔52Bの開口部の側縁部との最短距離が5mmとなるように下貫通孔52Bを配置した。この際、下貫通孔52Bの前端を上貫通孔50Bの前端から10mm後方に位置させた。
[2−2]連通溝:
下層吸収体58Bの表面には連通溝60Bを形成した。連通溝60Bは流路断面が略半円形状の溝とした。この連通溝60Bの深さは2mm、流路断面積は6.3mmとした。連通溝60Bは下層吸収体58Bの幅方向に向かって複数本の溝が平行となるように形成した。連通溝60Bは下貫通孔52Bの前端から後端に至る領域に、7mm間隔で10本形成した。この連通溝60Bは外周面に凸条が形成されたエンボスロールにより下層吸収体58Bの表面を押圧することで形成した。
[2−3]スペーサー:
上層吸収体56Bと下層吸収体58Bとの間にはスペーサーを挟み込んだ。スペーサーとしては厚さ2.5mmのウレタンフォームからなるシート材を用いた。スペーサーは上貫通孔50Bと下貫通孔52Bの前方及び後方に(即ち、下層吸収体58Bにおける連通溝60Bの形成領域の両側に)、連通溝60Bと平行するように配置した。スペーサーは上貫通孔50Bの前端又は後端からの最短距離が15mmとなるように配置した。
〔3〕実施例3:
実施例3の吸収性物品として、テープ型使い捨ておむつを作製した。上貫通孔、下貫通孔及び連通溝の構成を除いては、実施例1の吸収性物品と同様に作製した。具体的な構造は、図3A〜図3Cに示す吸収性物品1Cの構造とした。
[3−1]貫通孔の構成:
上貫通孔50Cは、開口部形状が上層吸収体56C及び下層吸収体58Cの前後方向に長軸が位置する楕円形状(短軸30mm×長軸90mm)の貫通孔とした。上貫通孔50Cの総開口面積(2120mm)は上層吸収体56Cと下層吸収体58Cとの重畳面積(39500mm)に対し5.4面積%であった。また、上貫通孔50Cの前端が上層吸収体56Cの前端から190mmの位置に位置するように上貫通孔50Cを形成した。
下貫通孔52Cは、開口部形状が下層吸収体58Cの前後方向に長い部分楕円形状(最大幅15mm×長さ90mm)の貫通孔とした。上層吸収体56Cと下層吸収体58Cとの重畳面積(39500mm)に対し、下貫通孔52Cの総開口面積(1060mm×2)は5.4面積%であった。
下貫通孔52Cは、上層吸収体56Cの上貫通孔50C外周領域に開口するように、上貫通孔50Cとは非重畳的に配置した。具体的には、上貫通孔50Cの左右両側の領域に、上貫通孔50Cの開口部の側縁部と下貫通孔52Cの開口部の側縁部との最短距離が10mmとなるように下貫通孔52Cを配置した。この際、下貫通孔52Cの前端を上貫通孔50Cの前端と同じ位置にした。
[3−2]連通溝:
上層吸収体の裏面及び下層吸収体の表面には格子状の連通溝60Cを形成した。連通溝60Cは上層吸収体56Cの上貫通孔50Cを中心とする幅90mm×長さ150mmの領域内、及び下層吸収体の前記領域と重畳する領域内に形成した。この際、上層吸収体に形成した連通溝と下層吸収体に形成した連通溝の位置が相互に合致するように連通溝を形成した。
連通溝60Cは流路断面が略半楕円形状の溝とした。この連通溝60Cの深さは2mm、流路断面積は6.2mmとした。連通溝60Cは吸収体の前後方向に対して左45°の角度で複数本の溝が平行となるように形成するとともに、右45°の角度で複数本の溝が平行となるように形成した。即ち、複数本の連通溝が相互に直交するように形成した。これらの連通溝は8mm間隔で左右14本ずつ形成した。この連通溝60Cは外周面に凸条が形成されたエンボスロールにより上層吸収体56Cの裏面及び下層吸収体58Cの表面を押圧することで形成した。
〔4〕実施例4:
実施例4の吸収性物品として、テープ型使い捨ておむつを作製した。上貫通孔及び下貫通孔の構成、並びにスペーサー及び連通シートを付設したことを除いては、実施例1の吸収性物品と同様に作製した。具体的な構造は、図4A〜図4Cに示す吸収性物品1Dの構造とした。
[4−1]貫通孔の構成:
上貫通孔50Dは、開口部形状が円形状(直径45mm)の貫通孔とした。上貫通孔50Dの総開口面積(1590mm)は上層吸収体56Dと下層吸収体58Dとの重畳面積(39500mm)に対し4.0面積%であった。また、上貫通孔50Dの前端が上層吸収体56Dの前端から185mmの位置に位置するように上貫通孔50Dを形成した。
下層吸収体58Dの股下部4に配置される部分には、下層吸収体58Dの厚さ方向に貫通する、2個の下貫通孔52Dを形成した。下貫通孔52Dは、開口部形状が下層吸収体58Dの幅方向(左右方向)に長辺が位置する矩形状(幅45mm×長さ40mm)の貫通孔とした。上層吸収体56Dと下層吸収体58Dとの重畳面積(39500mm)に対し、下貫通孔52Dの総開口面積(1800mm×2)は9.1面積%であった。
下貫通孔52Dは、上層吸収体56Dの上貫通孔50D外周領域に開口するように、上貫通孔50Dとは非重畳的に配置した。具体的には、上貫通孔50Dの前後両側の領域に、上貫通孔50Dの開口部の前端と下貫通孔52Dの開口部の後端、上貫通孔50Dの開口部の後端と下貫通孔52Dの開口部の前端との最短距離が各々12mmとなるように下貫通孔52Dを配置した。この際、下貫通孔52Dの両側縁と上貫通孔50Dの両側縁との左右位置を一致させた。
[4−2]連通シート:
上貫通孔50Dと下貫通孔52Dとを相互に連通させる連通溝60Dが形成された連通シート62Dを付設した。連通シート62Dは幅45mm×長さ69mmの矩形状に形成した。この連通シート62Dは2kPa荷重時の嵩密度が0.06g/cmの嵩高不織布を原材料とし、そのシートの表面に連通溝60Dを形成したものであった。連通溝60Dは流路断面が逆台形状の溝とし、深さは3mm、流路断面積は12mmとした。連通溝60Dは連通シート62Dの前後方向に向かって複数本の溝が平行となるように形成した。連通溝60Dは連通シート62Dの前端から後端に至るまで、4mm間隔で5本形成した。この連通溝60Dは外周面に凸条が形成されたエンボスロールにより嵩高不織布の表面を押圧することで形成した。連通シート62Dは、上貫通孔50Dの開口部と下貫通孔52Dの開口部の間の領域で、かつ、上層吸収体56Dと下層吸収体58Dとの層間に介装させ、ホットメルト接着剤により下層吸収体58Dの表面に固着させた。
[4−3]スペーサー:
上層吸収体56Dと下層吸収体58Dとの間にはスペーサー54Dを挟み込んだ。スペーサー54Dとしては厚さ4mm、幅12mm×長さ149mmのウレタンフォームからなるシート材を用いた。スペーサー54Dは上貫通孔50D及び2つの下貫通孔52Dの左右両側に(即ち、連通シート62Dにおける連通溝60D形成領域の両側に)、2つの下貫通孔52Dの最前端から最後端に至る領域をカバーするように配置した。上貫通孔50D及び下貫通孔52Dの側縁とスペーサー54Dの側縁との最短距離は10mmであった。
本発明の吸収性物品は、乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品に利用することができる。
1A,1B,1C,1D:吸収性物品、2:前身頃、2a,2b:側縁、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、11:止着テープ、13:フロントパッチ、18:トップシート、19:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、24:カバーシート、26,26a,26b:立体ギャザー、32:撥水性シート、36:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、46:メカニカルファスナー、46a:フック材、46b:ループ材、50A,50B,50C,50D:上貫通孔、52A,52B,52C,52D:下貫通孔、54B,54D:スペーサー、56A,56B,56C,56D:上層吸収体、58A,58B,58C,58D:下層吸収体、60A,60B,60C,60D:連通溝、62D:連通シート。

Claims (7)

  1. 前身頃、股下部及び後身頃の各部から形成され、
    吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、を備え、
    前記吸収体は、下層吸収体と、前記下層吸収体に積層された上層吸収体と、からなり、
    前記上層吸収体の前記股下部に配置される部分には、前記上層吸収体の厚さ方向に貫通する上貫通孔が形成され、前記下層吸収体の前記股下部及び前記後身頃の少なくとも一方に配置される部分には、前記下層吸収体の厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔が形成されており、
    前記下貫通孔は、前記上層吸収体の前記上貫通孔の外周領域に開口するように、前記上貫通孔とは非重畳的に配置され、
    前記上層吸収体と前記下層吸収体との当接部において、前記上層吸収体及び前記下層吸収体の少なくとも一方に、前記上貫通孔と前記下貫通孔とを相互に連通させる連通溝が形成され、
    前記バックシートは、その全光線透過率が30%以上のものである吸収性物品。
  2. 前身頃、股下部及び後身頃の各部から形成され、
    吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、を備え、
    前記吸収体は、下層吸収体と、前記下層吸収体に積層された上層吸収体と、からなり、
    前記上層吸収体の前記股下部に配置される部分には、前記上層吸収体の厚さ方向に貫通する上貫通孔が形成され、前記下層吸収体の前記股下部及び前記後身頃の少なくとも一方に配置される部分には、前記下層吸収体の厚さ方向に貫通する複数の下貫通孔が形成されており、
    前記下貫通孔は、前記上層吸収体の前記上貫通孔の外周領域に開口するように、前記上貫通孔とは非重畳的に配置され、
    前記上貫通孔と前記下貫通孔とを相互に連通させる連通溝が形成された連通シートを更に備え、
    前記連通シートは、前記上層吸収体と前記下層吸収体との層間に介装されるとともに、前記上貫通孔の開口部と前記下貫通孔の開口部の間の領域に配置され、
    前記バックシートは、その全光線透過率が30%以上のものである吸収性物品。
  3. 前記連通シートは、前記下貫通孔の開口部と重畳的に配置される部分にスリット又は孔が形成されている請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記上層吸収体と前記下層吸収体との間にスペーサーが挟み込まれている請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記上貫通孔は、前記上層吸収体の幅方向中央部に1個形成されており、
    前記下貫通孔は、前記上層吸収体における前記上貫通孔の外周領域のうち前記上貫通孔の左右両側の領域に各1個が開口するように合計2個形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記上貫通孔は、前記上層吸収体の前後方向中央部に1個形成されており、
    前記下貫通孔は、前記上層吸収体における前記上貫通孔の外周領域のうち前記上貫通孔の前後両側の領域に各1個が開口するように合計2個形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記トップシートは、前記上層吸収体における前記上貫通孔の開口部と重畳的に配置される部分にスリット又は孔が形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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