本発明の第1実施形態に係る遊技機について説明する。なお、遊技機として、パチンコ機を一例に挙げて、以下に説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸操作部155と、がそれぞれ設けられている。
上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
内枠14には、遊技領域28の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
パチンコ機10の正面左側には、球貸装置154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
球貸操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ(貸出操作手段)156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額(貸出金額)に対応する個数が引かれて、遊技球(貸球)が払出装置161(図3参照)から上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤によりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、主として、始動口56Bと、センター役物64と、ワープ入球口58と、多数の障害釘60等と、がそれぞれ配設されている。
センター役物64は、遊技領域28の略中央部に配置されており、主として、演出図柄表示装置(図柄表示装置)62と、ランプ類66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、主制御基板102(図3参照)やサブ制御基板106(図3参照)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)62Aを有している。この表示面62A上には、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置80に配設された大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば、15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
確率変動状態は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
遊技領域28の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始する度に、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図3参照)と、翼片部材56Aを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、始動口56Bの下方に配置されており、大入賞装置84を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図3参照)と、を備えている。
センター役物64の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
ここで、本発明の要部である遊技盤26自体の構成について説明する。
図5及び図6に示すように、遊技盤26は、主に、板状部材であるベニヤ板200と、ベニヤ板200の前面側(遊技者側)に設けられたセルシート(装飾表示部)202と、ベニヤ板200の裏面側(遊技者側と反対側)に設けられた発光体(発光部)204と、で構成されている。
ベニヤ板200には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔206が形成されている。複数の貫通孔206の全部又は一部の遊技盤(ベニヤ板)裏面側に位置する開口部には、上記発光体204が取り付けられている。特に、発光体204は、貫通孔206の遊技盤面裏面側の開口部を閉塞するように、ビスなどの固着手段あるいは接着テープ(接着剤)などの接着手段によってベニヤ板200に取り付けられている。発光体204として、例えば、白熱ランプ、LEDなどが用いられる。上記貫通孔206は、発光体204からの光をベニヤ板200の前面側(遊技者側)に導く導光部として機能するものである。なお、ベニヤ板200には、遊技球の軌道を変える複数の障害釘60が打ち付けられている。
セルシート202は、ベニヤ板200の前面側に、接着テープ(接着剤)などの接着手段によってベニヤ板200に貼り付けられている。セルシート202には、パチンコ機10を表すための表示あるいは遊技領域28を装飾するためのデザインが形成されており、セルシート202全体で装飾表示部として機能している。セルシート202がベニヤ板200に貼り付けられたときに貫通孔206の遊技盤(ベニヤ板)前面側の開口部に位置するセルシート202の光照射部位208は、透明樹脂などの光透過性を有する部材が用いられており、光照射部位208が光透過部210として機能している。なお、後述する光遮断部214を除き、セルシート202の全体を透明樹脂などの光透過性を有する部材で構成してもよく、また、セルシート202の光照射部位208だけを透明樹脂などの光透過性を有する部材(例:トレーシングパーパー)で構成してもよい。
セルシート202がベニヤ板200に貼り付けられたときに貫通孔206の遊技盤前面側の開口部縁に位置するセルシート202の光遮断部位212は、光を遮断する部材(あるいは、光を遮断する手段)で構成されており、光遮断部位212が光遮断部214として機能する。ここで、光遮断部214としての構成は、例えば、図7に示すように、セルシート202の光遮断部位212に凹部(溝部)や貫通孔などの塗布部216を形成し、塗布部216に銀色のインクを塗布してインク層218を形成することにより実現できる。また、光遮断部214としての別の構成は、図8に示すように、セルシート202の前面側及び裏面側に透明樹脂シート220、222をそれぞれ貼り付け、前面側の透明樹脂シート220と裏面側の透明樹脂シート222との間の空間部224に、銀色のインクを充填したインク層226を形成することにより実現することができる。なお、インクを「銀色」としたのは、光が銀色のインクに照射したときに、あたかも反射ミラーのように光を反射させることができるため、高い基準の光遮断性を発揮するからである。銀色は、金属光沢のひとつで乱反射の多いものである。外部から来た光をほとんどすべて反射してしまう性質がある。このため、銀色を使用するのが最適である。しかしながら、「銀色」とすることに限られるものではなく、例えば、「黒色」、「金色」、「茶色」などの光が透過し難い色のインクを使用してもよい。
ここで、セルシート202の光透過部210を囲むような光透過部210の周囲には、上記した光遮断部214が設けられている。このため、セルシート202の光透過部210は、光遮断部214で囲まれた状態になっている。具体的には、光遮断部214は、貫通孔206のベニヤ板(遊技盤)前面側の開口部縁に設けられており、光透過部210を縁取るように位置に付けられている。
ここで、図5乃至図8に示すように、セルシート202の光透過部210と貫通孔206との面積の関係について説明する。セルシート202の光透過部210の面積は、貫通孔206のベニヤ板(遊技盤)前面側の開口部面積よりも小さくなるように設定されている。このため、セルシート202の光透過部210は、貫通孔206のベニヤ板(遊技盤)前面側の開口部の内側(ベニヤ板200の平面方向の内側)に位置した構成になっている。セルシート202の光透過部210と、貫通孔206のベニヤ板(遊技盤)前面側の開口部縁と、の間には、光遮断部214が位置している。なお、光遮断部214は、貫通孔206のベニヤ板(遊技盤)前面側の開口部縁の外側にわたって設けられている。
発光体204は、装飾駆動基板114により発光制御される。例えば、大当り遊技や所謂リーチ遊技などの遊技者にとって有利になる遊技を実行している場合には、サブ制御基板106から発光体204の発光制御信号が出力され、装飾駆動基板114は、この発光制御信号を受けて、所定の発光パターンに基づいた発光体204の発光制御を実行する。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、始動口ソレノイド130、大入賞口ソレノイド132、図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものである。
特に、CPU102Aは、始動口56Bへの遊技球の入球を契機として、大当り抽選処理(特別遊技抽選処理)を実行し、任意の乱数(特別図柄当否判定乱数)を用いて当否を判定する機能を備えている。また、特別図柄の当否判定の実行に伴って、CPU102Aは、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する機能も備えている。
この識別図柄の変動パターンは、演出図柄表示装置62に表示される各演出図柄の演出パターン(遊技演出)に対応するもので、CPU102Aが行う「識別図柄の変動パターンの決定」は、「演出図柄の演出パターン(遊技演出)の決定」に相当する。そして、特別図柄(識別図柄)の変動パターン(演出図柄の演出パターン)が決定されると、7セグメント表示器70で特別図柄(識別図柄)の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示装置62で演出図柄の変動表示が開始され、決定された変動パターンにより特定される変動時間が経過すると、特別図柄および演出図柄が停止表示され、その停止表示された演出図柄の図柄組み合わせ態様により、特別図柄の当否判定結果(大当り抽選結果)が遊技者に報知される。なお、演出図柄表示装置62は、遊技盤26の表面(盤面)略中央に、遊技者の視野に入り易い状態で配置される。一方、7セグメント表示器70は、遊技盤26の表面(盤面)の端部(本実施形態では盤面左側端部)に、遊技者の視野に入り難い状態で配置される。このことから、遊技者は演出図柄表示装置62の表示内容に注目して遊技を行うのが一般的である。
そして、CPU102Aは、上述した演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うサブ制御基板106、及び遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入球することで発生する賞球の払い出し制御を行う払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116をサブ制御基板106を介して間接的に制御する。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御基板102は、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162を備えた払出装置161と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
図3及び図4に示すように、サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、にそれぞれ電気的に接続されている。
サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。
図4に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示及び停止表示される演出図柄のデータ(画像データ)が記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
装飾駆動基板114には、発光体204と、各種LED・ランプ172(66)が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からの制御信号を受けて発光体204及び各種LED・ランプ172(66)の発光制御を実行し、遊技の装飾に関する制御を行うものである。装飾駆動基板114のROM115を備えている。ROM115には、遊技状態(例えば、遊技者にとって有利な遊技となる大当り遊技や、遊技者が大当り遊技を期待するリーチ遊技などの状態)に対応させて発光体204が発光するための発光パターンがデータとして記憶されている。また、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、ランプ類66は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
次に、本発明の第1実施形態のパチンコ機の作用及び効果について説明する。
図5乃至図8に示すように、発光体204が発光すると、光が貫通孔206の内部をベニヤ板200の前面側に向って進む。光がベニヤ板200の前面側に到達すると、光の一部は、セルシート202の光透過部を透過して、遊技盤26の前面部から放出される。この光が遊技者に認識される。これにより、遊技者は、セルシート202の光透過部210が発光しているかのような印象を受け、遊技に対する期待を高めることになる。
一方、貫通孔206の内部を進む光の一部は、セルシート202の光遮断部214に照射する。光遮断部214に照射した光は、光遮断部214を透過することがなく、大部分が光遮断部214で反射する。光遮断部214で反射した光は、貫通孔206に戻るが、貫通孔206の内壁面に対する反射を繰り返し、やがて光透過部210に照射する。そして、その光は、光透過部210を透過して遊技者に視認される。
ここで、光遮断部214で遮断された光は、貫通孔206に戻るため、貫通孔206の光量が増加する。この増加した光量の光は、セルシート202の光透過部210を通して遊技者に視認される。この結果、光透過部210を透過する光量は、光遮断部214を設けていない場合と比較して、増大する。
以上のように、セルシート202の光透過部210と光遮断部214との光の照度の違いにより、遊技者は、光透過部210の発光が一層際立っているように視認する。この結果、光透過部210の装飾を一層目立たせることができ、遊技性を高めることができる。すなわち、光透過部210を囲むような周囲に光遮断部214を設け、かつ、光透過部210を貫通孔206のベニヤ板前面側に位置する開口部の内側に位置することにより、光透過部210を介して視認される光の光量が増加する。加えて、光透過部210と光遮断部214との光の透過度の性質の違いを利用して、光透過部210からの発光を一層際立たせることができ、遊技者の視覚に訴えることができる。これらの相乗効果により、セルシート202の光透過部210による発光現象を一層目立たせることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機の構成と重複する構成の説明は省略し、また、重複する構成については第1実施形態の構成と同じ符号を付す。
図9に示すように、セルシート202の光遮断部214は、銀色(黒色、金色、茶色なども可能)のシール部材230、232がセルシート202の表面側及び裏面側に貼り付けられて構成されている。シール部材230、232は、紙製、ナイロン製(例えば、ナイロンテープ)など、既存の材質のものが使用される。このため、装飾表示を施したセルシート202を形成した後に、シール部材230、232を貼り付けるだけで、光遮断部214を構成することができ、光遮断部214の製造工程が一層容易になる。
第2実施形態に係るパチンコ機によれば、貫通孔206を通過した光のうちシール部材230、232に照射した光は、シール部材230、232を透過することがなく、シール部材230、232の表面で反射する。これにより、第1実施形態のパチンコ機10と同様の作用により、セルシート202の光透過部210の発光を際立たせることができるため、遊技性を高めることができる。
セルシート202にシール部材230、232を貼り付けることにより光遮断部214を形成することができるため、光遮断部214の貫通孔206に対する位置決めが容易になる。また、光透過部210を囲む様々な形でシール部材230、232を貼り付けることができるため、光透過部210の正面形状にバリエーションを持たせることができる。この結果、セルシート202に、複雑なデザインやキャラクタなどの装飾表示部が施されていた場合でも、光透過部208の形状を複雑なデザインやキャラクタに対応させることができるため、光透過部208の設計自由度が向上する。
特に、シール部材232をセルシート202の裏面側に貼り付けることにより、貫通孔206を通過した光がセルシート202の光遮断部214の領域に入射することを阻止できる。また、シール部材230をセルシート202の表面側に貼り付けることにより、貫通孔206を通過後、セルシート202の光透過部210の領域から入射した光が光遮断部214の領域に進入して光遮断部214の領域からセルシート202の外部に出射することを阻止できる。これにより、セルシート202の光遮断部214における光の進入を確実に阻止することができ、セルシート202の光透過部210と光遮断部214との照度の差を明確に作り出すことができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るパチンコ機について説明する。
なお、第1実施形態に係るパチンコ機の構成と重複する構成の説明は省略し、また、重複する構成については第1実施形態の構成と同じ符号を付す。
図10乃至図12に示すように、ベニヤ板200の貫通孔206の内壁面に、光を反射させる光反射手段240を設けるようにしてもよい。ここで、光反射手段240として、ベニヤ板200の貫通孔206の内壁面に銀色(金色、黒色、茶色なども可能)でインク塗装を施し、インク層を形成する構成が考えられる。また、別の光反射手段240として、ベニヤ板200の貫通孔206の内壁面に銀色(金色、黒色、茶色なども可能)のシール部材を貼り付けてもよい。
第3実施形態に係るパチンコ機によれば、ベニヤ板200の貫通孔206の内壁面に光反射手段240を設けることにより、発光体204の光が貫通孔206の内壁面で吸収されず、全てが反射することになり、一層多くの光を光透過部210に導くことができる。この結果、発光体204として小型の光源を用いた場合でも、多くの光量が効率良く光透過部210を透過することになり、セルシート202の装飾表示機能を向上させることができる。
なお、発光体204を貫通孔206に入る円筒形状にし、光透過部に近付けるようにしてもよい。この場合、発光体204からの光が光透過部に近付くので、より明るく際立って発光させることができる。