JP2010200567A - 電動車両の制振制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動モータがフリーで回転上昇するトルク伝達の途切れ区間においてF/B演算を停止することで、駆動軸へのトルク伝達開始後の振動に対し、充分な制振効果を得る電動車両の制振制御装置。
【解決手段】モータ/ジェネレータMG付FRハイブリッド車両において、ドライバー要求に基づくF/F演算により第1トルク目標値Tm*1を算出する第1トルク目標値算出手段101と、トルク入力−モータ回転数の伝達特性モデルGp(s)を用いたF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出する第2トルク目標値算出手段102と、Tm*1とTm*2に基づく演算によりトルク指令値Tm*とするモータトルク指令値設定手段103と、プロペラシャフトPSへのトルク伝達の途切れを判定すると共に、トルク伝達の途切れ中と判定している間、第2トルク目標値Tm*2のF/B演算を停止する制振制御部106とを備えた。
【選択図】図8

Description

本発明は、動力源に電動モータを有するハイブリッド車両や電気自動車等の電動車両に適用され、F/F演算とF/B演算により取得されるモータトルク指令値に対し制振制御を行う電動車両の制振制御装置に関する。
従来、電動車両の制振制御装置としては、第1のトルク目標値を設定する手段と、電動モータの回転数推定値を算出し、回転数推定値と実回転数の偏差を求める手段と、伝達特性H(s)を用いたH(s)/Gp(s)のフィルタを備え、この偏差をフィルタに通すことにより第2のトルク目標値を算出する手段と、第1のトルク目標値と第2のトルク目標値を加えてモータトルク指令値とする。そして、モータトルク指令値に電動モータの出力トルクが一致するように制御し、かつ、H(s)/Gp(s)のフィルタの遮断周波数を、駆動系のねじり共振周波数fpとハイパス側遮断周波数fcHとローパス側遮断周波数fcLとの関係が、fp=fcH=fcLとなるように設定し、かつ、第2のトルク目標値を、1≦kfb≦2なる範囲における任意のゲインkfb倍に増幅する増幅手段を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-151797号公報
しかしながら、従来の電動車両の制振制御装置にあっては、バックラッシュ中の電動モータがフリーで回転上昇する区間も含め、全ての状態においてモータ回転数推定値とモータ回転数検出値の偏差を伝達特性のモデルGp(s)を用いた、H(s)/Gp(s)なるフィルタを通すことで、F/Bトルク量を算出するという構成になっていた。このため、ワンウェイクラッチが存在する有段自動変速機を持つ車両など、バックラッシュが大きい車両においては、バックラッシュ中の「電動モータがフリーで回転上昇する区間」、即ち、「F/B演算で用いている伝達特性のモデルGp(s)と実際のトルク入力−モータ回転数の伝達特性が異なる区間」が大きくなり、算出するF/Bトルクが理想値と大きく乖離して、駆動軸へのトルク伝達開始後の振動に対し、充分な制振効果が得られない可能性がある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、電動モータがフリーで回転上昇するトルク伝達の途切れ区間においてF/B演算を停止することで、駆動軸へのトルク伝達開始後の振動に対し、充分な制振効果を得ることができる電動車両の制振制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動車両の制振制御装置では、動力源に電動モータを有する。この電動車両の制振制御装置において、第1トルク目標値算出手段と、第2トルク目標値算出手段と、モータトルク指令値設定手段と、トルク伝達途切れ判定手段と、制振制御手段と、を備えた。
前記第1トルク目標値算出手段は、ドライバー要求に基づくフィードフォワード演算により第1トルク目標値を算出する。
前記第2トルク目標値算出手段は、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルを用いたフィードバック演算により第2トルク目標値を算出する。
前記モータトルク指令値設定手段は、前記第1トルク目標値と前記第2トルク目標値に基づく演算によりモータトルク指令値とする。
前記トルク伝達途切れ判定手段は、駆動軸へのトルク伝達の途切れを判定する。
前記制振制御手段は、駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、前記第2トルク目標値算出手段による第2トルク目標値のフィードバック演算を停止する。
よって、本発明の電動車両の制振制御装置にあっては、制振制御手段において、駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第2トルク目標値算出手段による第2トルク目標値のフィードバック演算が停止される。
すなわち、電動モータがフリーで回転上昇するトルク伝達の途切れ区間では、フィードバック演算で用いているトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルと、実際のトルク入力−モータ回転数の伝達特性が異なることに起因し、フィードバックトルク(=第2トルク)の理想値と算出される第2トルク目標値とが乖離する。これに対し、電動モータがフリーで回転上昇するトルク伝達の途切れ区間において、第2トルク目標値を算出するフィードバック演算を停止することで、駆動軸へのトルク伝達開始後の振動に対するフィードバック演算への影響が抑えられる。
この結果、電動モータがフリーで回転上昇するトルク伝達の途切れ区間においてF/B演算を停止することで、駆動軸へのトルク伝達開始後の振動に対し、充分な制振効果を得ることができる。
実施例1の制振制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。 実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。 実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でバッテリ充電制御を行う際に用いられる目標充放電量マップを示す図である。 実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATの一例を示すスケルトン図である。 実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATでの変速段ごとの各摩擦締結要素の締結状態を示す締結作動表である。 実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の制振制御系の構成を示すブロック図である。 実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10に有する制振制御系を示す制御ブロック図である。 比較例の制振制御においてコースト中に開放されているワンウェイクラッチがアクセル操作に基づいて締結された時のトルク指令・F/Fトルク指令・F/Bトルク指令・最終トルク出力・モータ回転数および駆動出力軸回転数の各シミュレーション結果を示すタイムチャートである。 実施例1の制振制御のうち(1)制御を適用したEV走行時のトルク指令・F/Fトルク指令・F/Bトルク指令・最終トルク出力・モータ回転数および駆動出力軸回転数の各シミュレーション結果を示すタイムチャートである。 実施例1の制振制御のうち(1),(2)制御を適用したEV走行時のトルク指令・F/Fトルク指令・F/Bトルク指令・最終トルク出力・モータ回転数および駆動出力軸回転数の各シミュレーション結果を示すタイムチャートである。 実施例1の制振制御のうち(1),(3)制御を適用したEV走行時のトルク指令・F/Fトルク指令・F/Bトルク指令・最終トルク出力・モータ回転数および駆動出力軸回転数の各シミュレーション結果を示すタイムチャートである。 HEV走行での(1),(2)制御を適用した比較例におけるトルク指令・F/Fトルク指令・F/Bトルク指令・最終トルク出力・モータ回転数および駆動出力軸回転数・エンジントルク指令の各シミュレーション結果を示すタイムチャートである。 実施例1の制振制御のうち(1),(4)制御を適用したHEV走行時のトルク指令・F/Fトルク指令・F/Bトルク指令・最終トルク出力・モータ回転数および駆動出力軸回転数・エンジントルク指令の各シミュレーション結果を示すタイムチャートである。 実施例1の制振制御のうち(1),(3),(5)制御を適用したEV走行時のトルク指令・F/Fトルク指令・F/Bトルク指令・最終トルク出力・モータ回転数および駆動出力軸回転数・エンジントルク指令の各シミュレーション結果を示すタイムチャートである。
以下、本発明の電動車両の制振制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制振制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(電動車両の一例)を示す全体システム図である。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータ/ジェネレータMG(駆動モータ)と、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPS(駆動軸)と、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
前記エンジンEngは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御やフューエルカット制御等が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
前記第1クラッチCL1は、前記エンジンEngとモータ/ジェネレータMGの間に介装されたクラッチであり、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、締結・スリップ締結(半クラッチ状態)・開放が制御される。この第1クラッチCL1としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力にて完全締結を保ち、ピストン14aを有する油圧アクチュエータ14を用いたストローク制御により、スリップ締結から完全開放までが制御されるノーマルクローズの乾式単板クラッチが用いられる。
前記モータ/ジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータ/ジェネレータであり、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータ/ジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この動作状態を「力行」と呼ぶ)、ロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギーを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータ/ジェネレータMGのロータは、ダンパーを介して自動変速機ATの変速機入力軸に連結されている。
前記第2クラッチCL2は、前記モータ/ジェネレータMGと左右後輪RL,RRの間に介装されたクラッチであり、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、締結・スリップ締結・開放が制御される。この第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できるノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。なお、第1クラッチ油圧ユニット6と第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに付設されるAT油圧コントロールバルブユニットCVUに内蔵している。
前記自動変速機ATは、例えば、前進7速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機であり、前記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。そして、前記自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
実施例1のハイブリッド駆動系は、電気車両走行モード(以下、「EVモード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)と、駆動トルクコントロール走行モード(以下、「WSCモード」という。)等の走行モードを有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。前記「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、モータアシスト走行モード・走行発電モード・エンジン走行モードの何れかにより走行するモードである。前記「WSCモード」は、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時、あるいは、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時等において、モータ/ジェネレータMGの回転数制御により第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバー操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。なお、「WSC」とは「Wet Start clutch」の略である。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。
前記モータコントローラ2は、モータ/ジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標MGトルク指令および目標MG回転数指令と、他の必要情報を入力する。そして、モータ/ジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電容量をあらわすバッテリSOCを監視していて、このバッテリSOC情報は、モータ/ジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
前記第1クラッチコントローラ5は、油圧アクチュエータ14のピストン14aのストローク位置を検出する第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標CL1トルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結・スリップ締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。
前記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、他のセンサ類18(変速機入力回転数センサ、インヒビタースイッチ等)からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。なお、シフトマップとは、アクセル開度と車速に応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップをいう。上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2のスリップ締結を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。また、統合コントローラ10から変速制御変更指令が出力された場合、通常に変速制御に代え、変速制御変更指令にしたがった変速制御を行う。
前記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行う。
前記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21や他のセンサ・スイッチ類22からの必要情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク指令、モータコントローラ2へ目標MGトルク指令および目標MG回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標CL1トルク指令、ATコントローラ7へ目標CL2トルク指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。
図2は、実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。図4は、実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でバッテリ充電制御を行う際に用いられる目標充放電量マップを示す図である。以下、図2〜図4に基づき、実施例1の統合コントローラ10にて実行される演算処理を説明する。
前記統合コントローラ10は、図2に示すように、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400とを有する。
前記目標駆動力演算部100では、目標駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
前記モード選択部200では、図3に示すEV-HEV選択マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、「EVモード」または「HEVモード」を目標走行モードとして選択する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEVモード」を目標走行モードとする。また、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時等においては、車速VSPが第1設定車速VSP1になるまで「WSCモード」を目標走行モードとして選択する。
前記目標充放電演算部300では、図4に示す目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標走行モードと、車速VSPと、目標充放電電力tP等の入力情報に基づき、動作点到達目標として、目標エンジントルクと目標MGトルクと目標MG回転数と目標CL1トルクと目標CL2トルクを演算する。そして、目標エンジントルク指令と目標MGトルク指令と目標MG回転数指令と目標CL1トルク指令と目標CL2トルク指令を、CAN通信線11を介して各コントローラ1,2,5,7に出力する。
図5は、実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATの一例を示すスケルトン図である。
前記自動変速機ATは、前進7速後退1速の有段式自動変速機であり、エンジンEngとモータージェネレータMGのうち、少なくとも一方からの駆動力が変速機入力軸Inputから入力され、4つの遊星ギアと7つの摩擦締結要素とによって回転数が変速されて変速機出力軸Outputから出力される。次に、変速機入力軸Inputと変速機出力軸Outputとの間の変速ギア機構について説明する。
変速機入力軸Input側から変速機出力軸Output側までの軸上に、順に第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2による第1遊星ギアセットGS1及び第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4による第2遊星ギアセットGS2が配置されている。また、摩擦締結要素として第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3及び第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4が配置されている。また、第1ワンウェイクラッチF1と第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。
前記第1遊星ギアG1は、第1サンギアS1と、第1リングギアR1と、両ギアS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を支持する第1キャリアPC1と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記第2遊星ギアG2は、第2サンギアS2と、第2リングギアR2と、両ギアS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を支持する第2キャリアPC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記第3遊星ギアG3は、第3サンギアS3と、第3リングギアR3と、両ギアS3,R3に噛み合う第3ピニオンP3を支持する第3キャリアPC3と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記第4遊星ギアG4は、第4サンギアS4と、第4リングギアR4と、両ギアS4,R4に噛み合う第4ピニオンP4を支持する第4キャリアPC4と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
前記変速機入力軸Inputは、第2リングギアR2に連結され、エンジンEngとモータージェネレータMGの少なくとも一方からの回転駆動力を入力する。前記変速機出力軸Outputは、第3キャリアPC3に連結され、出力回転駆動力を、ファイナルギア等を介して駆動輪(左右後輪RL,RR)に伝達する。
前記第1リングギアR1と第2キャリアPC2と第4リングギアR4とは、第1連結メンバM1により一体的に連結される。前記第3リングギアR3と第4キャリアPC4とは、第2連結メンバM2により一体的に連結される。前記第1サンギアS1と第2サンギアS2とは、第3連結メンバM3により一体的に連結される。
前記第1遊星ギアセットGS1は、第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2とを、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3とによって連結することで、4つの回転要素を有して構成される。また、第2遊星ギアセットGS2は、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4とを、第2連結メンバM2によって連結することで、5つの回転要素を有して構成される。
前記第1遊星ギアセットGS1では、トルクが変速機入力軸Inputから第2リングギアR2に入力され、入力されたトルクは第1連結メンバM1を介して第2遊星ギアセットGS2に出力される。前記第2遊星ギアセットGS2では、トルクが変速機入力軸Inputから直接第2連結メンバM2に入力されると共に、第1連結メンバM1を介して第4リングギアR4に入力され、入力されたトルクは第3キャリアPC3から変速機出力軸Outputに出力される。
前記第1クラッチC1(インプットクラッチI/C)は、変速機入力軸Inputと第2連結メンバM2とを選択的に断接するクラッチである。前記第2クラッチC2(ダイレクトクラッチD/C)は、第4サンギアS4と第4キャリアPC4とを選択的に断接するクラッチである。前記第3クラッチC3(H&LRクラッチH&LR/C)は、第3サンギアS3と第4サンギアS4とを選択的に断接するクラッチである。
また、前記第2ワンウェイクラッチF2は、第3サンギアS3と第4サンギアS4の間に配置されている。これにより、第3クラッチC3が開放され、第3サンギアS3よりも第4サンギアS4の回転数が大きい時、第3サンギアS3と第4サンギアS4とは独立した回転数を発生する。よって、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4が第2連結メンバM2を介して接続された構成となり、それぞれの遊星ギアが独立したギア比を達成する。
前記第1ブレーキB1(フロントブレーキFr/B)は、第1キャリアPC1の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。また、第1ワンウェイクラッチF1は、第1ブレーキB1と並列に配置されている。前記第2ブレーキB2(ローブレーキLOW/B)は、第3サンギアS3の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。前記第3ブレーキB3(2346ブレーキ2346/B)は、第1サンギアS1及び第2サンギアS2を連結する第3連結メンバM3の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。前記第4ブレーキB4(リバースブレーキR/B)は、第4キャリアPC3の回転をトランスミッションケースCaseに対し選択的に停止させるブレーキである。
図6は、実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両に搭載された自動変速機ATでの変速段ごとの各摩擦締結要素の締結状態を示す締結作動表である。なお、図6において、○印は当該摩擦締結要素が締結状態であることを示し、(○)印は少なくともエンジンブレーキ作動時に当該摩擦締結要素が締結状態であることを示し、無印は当該摩擦締結要素が開放状態であることを示す。
上記のように構成された変速ギア機構に設けられた各摩擦締結要素のうち、締結していた1つの摩擦締結要素を開放し、開放していた1つの摩擦締結要素を締結するという掛け替え変速を行うことで、下記のように、前進7速で後退1速の変速段を実現することができる。
すなわち、「1速段」では、第2ブレーキB2のみが締結状態となり、これにより第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2が係合する。「2速段」では、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3が締結状態となり、第2ワンウェイクラッチF2が係合する。「3速段」では、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3及び第2クラッチC2が締結状態となり、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2はいずれも係合しない。「4速段」では、第3ブレーキB3、第2クラッチC2及び第3クラッチC3が締結状態となる。「5速段」では、第1クラッチC1、第2クラッチC2及び第3クラッチC3が締結状態となる。「6速段」では、第3ブレーキB3、第1クラッチC1及び第3クラッチC3が締結状態となる。「7速段」では、第1ブレーキB1、第1クラッチC1及び第3クラッチC3が締結状態となり、第1ワンウェイクラッチF1が係合する。「後退速段」では、第4ブレーキB4、第1ブレーキB1及び第3クラッチC3が締結状態となる。
ここで、図1に示す第2クラッチCL2としては、各変速段にて締結される摩擦締結要素を選択可能であるが、例えば、「1速段〜3速段」で第2ブレーキB2、「4速段」で第2クラッチC2、「5速段」で第3クラッチC3、「6速段と7速段」で第1クラッチC1が用いられる。
図7は、実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の制振制御系の構成を示すブロック図である。以下、図7に基づき、実施例1の制振制御系の構成を説明する。
実施例1の制振制御系は、図7に示すように、モータ/ジェネレータMG(駆動モータ)と、ディファレンシャルDFと、プロペラシャフトPS(駆動軸)、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、モータコントローラ2と、統合コントローラ10と、レゾルバ13と、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、を備えている。
前記統合コントローラ10は、モータトルク指令値設定部10aと、制振制御部10b(トルク伝達途切れ判定手段、制振制御手段)と、を有する。
前記モータトルク指令値設定部10aは、アクセル開度センサ16からのアクセル開度APOと、車速センサ17からの車速VSPと、レゾルバ13からのモータ回転数ωmに基づいて、モータトルク指令値Tm*を設定する。
前記制振制御部10bは、モータトルク指令値設定部10aからのモータトルク指令値Tm*と、車速センサ17からの駆動軸回転数Ndと、レゾルバ13からのモータ回転数ωmを入力し、最終的なモータトルク指令値Tm*を決定する。
前記モータコントローラ2は、PWM信号等にてインバータ3を駆動し、モータ/ジェネレータMGの出力トルクを、モータトルク指令値Tm*に追従させるように制御する。
図8は、実施例1の制振制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10に有する制振制御系を示す制御ブロック図である。以下、図8に基づき、実施例1の制振制御系を説明する。
実施例1の制振制御系は、図8に示すように、ドライバー要求に基づくF/F演算により第1トルク目標値Tm*1を算出する第1トルク目標値算出手段101と、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)を用いたF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出する第2トルク目標値算出手段102と、前記第1トルク目標値Tm*1と前記第2トルク目標値Tm*2に基づく演算によりモータトルク指令値Tm*とするモータトルク指令値設定手段103と、を備えている。
前記第1トルク目標値算出手段101は、アクセル開度APOと車速VSPに基づいて設定される定常トルク目標値Tms*(=目標駆動力tFoO)を、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性の理想応答を表すモデルGm(s)の比Gm(s)/Gp(s)によるF/Fフィルタを通すF/F演算により第1トルク目標値Tm*1を算出する。
前記第2トルク目標値算出手段102は、モータトルク指令値Tm*とバンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)を用いてモータ回転数推定値Tm*2_1を算出し、モータ回転数ωmとバンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)の比H(s)/Gp(s)によるF/Bフィルタによりモータ回転数演算値Tm*2_2を算出し、モータ回転数推定値Tm*2_1とモータ回転数演算値Tm*2_2の偏差を求めるF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出する。
前記モータトルク指令値設定手段103は、加算器により構成され、第1トルク目標値Tm*1と前記第2トルク目標値Tm*2に基づく演算によりモータトルク指令値Tm*とする。
そして、モータトルク指令値Tm*は、これにトルク外乱要素Tdを加え、インバータ3を介して実プラントGp'(s)に入り、実プラントGp'(s)からの出力に回転数外乱要素ωdを加えることで、モータ回転数ωmが得られる。
前記制振制御部10bは、駆動軸回転数Ndとモータ回転数ωmとモータトルク指令値Tm*を入力し、モータトルク指令値Tm*とモータ回転数ωmの加減速、モータ回転数ωmと駆動軸回転数Ndの一致・不一致などから、プロペラシャフトPSへのトルク伝達の有無を判定し、各演算の初期化指令を出力する。
すなわち、制振制御部10bでは、制御対象とするFRハイブリッド車両の第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2や各ギアのバックラッシュにより、プロペラシャフトPSへのトルク伝達が途切れるか否かを判定する。具体的には、下記の(a),(b)等の判別手法を用いて、トルク伝達のON/OFF状態を判別する。
(a) モータ回転数ωmと駆動軸回転数Ndの差分が所定値以上かどうか(ギアが介在する場合はギア比を考慮して)により、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ワンウェイクラッチF2の締結/開放を検出する。ワンウェイクラッチ開放によりトルク伝達OFF状態と判別し、ワンウェイクラッチ締結によりトルク伝達ON状態と判別する。
(b) モータトルク指令値Tm*に対するモータ回転数ωmの加減速が、モータ/ジェネレータMGが負荷なし状態での加減速とみなせるかどうか、つまり、バックラッシュ区間かどうか(ギアが介在する場合はギア比を考慮して)により検出する。バックラッシュ区間の場合は、トルク伝達OFF状態と判別し、バックラッシュ区間以外の場合は、トルク伝達ON状態と判別する。
トルク伝達のON/OFF状態を判別し、必要に応じて各演算の初期化指令を出力する制振制御として、実施例1では、下記の(1)〜(5)に記載した内容を持つ制御を採用した。
(1) プロペラシャフトPSへのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第2トルク目標値算出手段102による第2トルク目標値Tm*2のF/B演算を停止し、プロペラシャフトPSへのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると、F/B演算を再開する。
(2) モータ/ジェネレータMGのみを動力源とする「EVモード」を選択しての走行時、プロペラシャフトPSへのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第1トルク目標値算出手段101による第1トルク目標値Tm*1のF/F演算を実行し、プロペラシャフトPSへのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると同時に、ゼロ初期化したF/Fフィルタを用いたF/F演算に変更する。
(3) モータ/ジェネレータMGのみを動力源とする「EVモード」を選択しての走行時、プロペラシャフトPSへのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第1トルク目標値算出手段101による第1トルク目標値Tm*1のF/F演算を停止し、プロペラシャフトPSへのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると、ゼロ初期化値によるF/Fフィルタを用いてF/F演算を再開する。
(4) エンジンEngとモータ/ジェネレータMGを動力源とする「HEVモード」を選択しての走行時、プロペラシャフトPSへのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第1トルク目標値算出手段101による第1トルク目標値Tm*1のF/F演算を停止し、プロペラシャフトPSへのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGのトータルトルクに対応する初期化値によるF/Fフィルタを用いてF/F演算を再開する。
(5) プロペラシャフトPSへのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定に基づいてF/F演算を開始する際、F/Fフィルタの初期化値とモータトルク指令値Tm*の差分であるF/F演算初期化幅Δを、ドライバー要求に応じて任意に設定可能とした。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例の課題」の説明を行い、続いて、実施例1のFRハイブリッド車両の制振制御装置における作用を、「上記(1)を適用したEV走行時における制振制御作用」、「上記(1),(2)を適用したEV走行時における制振制御作用」、「上記(1),(3)を適用したEV走行時における制振制御作用」、「上記(1),(2)と上記(1),(4)を適用したHEV走行時における制振制御作用」、「上記(1),(3),(5)を適用したEV走行時における制振制御作用」に分けて説明する。
[比較例の課題]
比較例は、電動モータを動力源とする車両において、当該モータの回転数又はそれに相当する量を検出するモータ回転数検出手段と、各種車両情報に応じて第1のトルク目標値を設定する第1のトルク目標値設定手段と、後述するモータトルク指令値を入力して、車両へのトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)に相当する特性を有するフィルタを通して、モータ回転数を推定するモータ回転数推定手段と、前記モータ回転数推定値と前記モータ回転数検出値の偏差をとる減算手段と、前記減算手段で算出された偏差を入力し、伝達特性のモデルGp(s)を用いた、H(s)/Gp(s)なるフィルタを通して、第2のトルク目標値を算出する第2のトルク目標値設定手段とから構成される。そして、前記第1のトルク目標値と第2のトルク目標値を加え合わせてモータトルク指令値として、前記モータトルク指令値に実モータの出力トルクが一致もしくは追従するように制御を行う制御系を備えたものとする。この比較例の場合には、フィルタH(s)の遮断周波数、ゲインを最適化することで、ギアのバックラッシュ等に起因する外乱トルクによる、振動に対する抑制効果を向上している。
しかし、バックラッシュ中の電動モータがフリーで回転上昇する区間も含め、全ての状態においてモータ回転数推定値とモータ回転数検出値の偏差を伝達特性のモデルGp(s)を用いた、H(s)/Gp(s)なるフィルタを通すことで、F/Bトルク量を算出するという構成になっていた。このため、ワンウェイクラッチが存在する有段自動変速機を持つ車両など、バックラッシュが大きい車両においては、バックラッシュ中の「電動モータがフリーで回転上昇する区間」、即ち、「F/B演算で用いている伝達特性のモデルGp(s)と実際のトルク入力−モータ回転数の伝達特性が異なる区間」が大きくなり、算出するF/Bトルクが理想値と大きく乖離して、駆動軸へのトルク伝達開始後の振動に対し充分な制振効果が得られない。以下、図9のタイムチャートにより比較例の課題を説明する。
図9は、比較例(実施例1の制振制御を実施しない例)におけるシミュレーション結果である。それぞれの波形は、「トルク指令」=「定常トルク目標値Tms*」、「F/Fトルク指令」=「第1トルク目標値Tm*1」、「F/Bトルク指令」=「第2トルク目標値Tm*2」、「最終トルク出力」=「モータトルク指令値Tm*」と相関する。
比較例は、モータトルク指令「0Nm」でのコースト中にワンウェイクラッチが開放している状態から、アクセル操作に基づいて、モータトルク指令「50Nm」が指令されたときの動作である(図9の(1))。
まず、「約500rpm」で回転していたモータ回転数(図9の(2))は、「約800rpm」で回転している駆動軸回転数(図9の(3))に合致するまでの区間(図9の(4))は、駆動輪にはトルク伝達せず、電動モータがフリーで回転する回転急上昇区間となる。
このとき、比較例では、最終トルク出力の演算に、F/Bトルク指令(図9の(5))を用いている。しかし、電動モータがフリーで回転する区間(図9の(4))は、伝達特性のモデルGp(s)と、実際のモータフリー状態でのトルク入力−モータ回転数の伝達特性が大きく異なるため、算出するF/Bトルク指令(図9の(5))が理想値と大きく乖離して、以後、駆動軸へのトルク伝達開始後の振動(図9の(6))に対し、充分な制振効果が得られていない状態となることが分かる。
[上記(1)を適用したEV走行時における制振制御作用]
図10に上記(1)を適用した場合のEV走行時におけるシミュレーション結果を示す。
シミュレーション条件は、図9と同一条件であり、モータトルク指令「0Nm」でのコースト中にワンウェイクラッチが開放している状態から、アクセル操作に基づいて、モータトルク指令「50Nm」が指令されたときの動作である(図10の(1))。
まず、「約500rpm」で回転していたモータ回転数(図10の(2))は、「約800rpm」で回転している駆動軸回転数(図10の(3))に合致するまでの区間(図10の(4))は、駆動軸であるプロペラシャフトPSにはトルク伝達せず、モータ/ジェネレータMGがフリーで回転する回転急上昇区間となる。
このときに、上記(1)の記載に基づき、制振制御部10bにおいて、駆動軸へのトルク伝達のOFF区間(=ワンウェイクラッチ開放区間)を判定すると、F/B演算を停止する(図10の(5))。そして、制振制御部10bにおいて、駆動軸へのトルク伝達のON(=ワンウェイクラッチ締結)を判定した時(図10の(6))にF/B演算を再開する(図10の(8))。
このようにして、モータ/ジェネレータMGがフリーで回転する回転急上昇区間(図10の(5))、つまり、算出するF/Bトルク指令が理想値と大きく乖離する区間のF/B演算を停止することで、駆動軸であるプロペラシャフトPSへのトルク伝達開始後の振動(図10の(7))に対し、充分な制振効果を得ることができる。
[上記(1),(2)を適用したEV走行時における制振制御作用]
図11に、上記(1)に加え、上記(2)を適用した場合のEV走行時におけるシミュレーション結果を示す。
シミュレーション条件は、図9と同一条件であり、モータトルク指令「0Nm」でのコースト中にワンウェイクラッチが開放している状態から、アクセル操作に基づいて、モータトルク指令「50Nm」が指令されたときの動作である(図11の(1))。
まず、「約500rpm」で回転していたモータ回転数(図11の(2))は、「約800rpm」で回転している駆動軸回転数(図11の(3))に合致するまでの区間(図11の(4))は、駆動軸であるプロペラシャフトPSにはトルク伝達せず、モータ/ジェネレータMGがフリーで回転する回転急上昇区間となる。
このときに、制振制御部10bにおいて、駆動軸へのトルク伝達のOFF区間(=ワンウェイクラッチ開放区間)を判定すると、F/B演算を停止するが、F/F演算は続ける。そして、上記(2)の記載に基づき、制振制御部10bにおいて、駆動軸へのトルク伝達のON(=ワンウェイクラッチ締結)を判定すると、F/B演算を再開すると同時に、ゼロ初期化値によるF/Fフィルタを用いたF/F演算に変更する(図11の(5),(6))。
したがって、駆動軸へのトルク伝達開始時、F/F演算のゼロ初期化によって、伝達トルクの挙動(0Nm⇒トルク指令)に合わせたF/Fトルク指令(図11の(5))とすることで、(0Nm⇒トルク指令)の駆動軸へのトルク伝達が外乱トルクとならず、指令トルクであった場合と同等に、Gm(s)なる理想応答に準じた応答を実現することができる。
このときのF/Bトルク指令(図11の(6))を、F/Fフィルタのゼロ初期化を実施しない場合のF/Bトルク指令(図10の(8))と比べると、その収束の早さから、振動抑制性能の向上が伺える。
[上記(1),(3)を適用したEV走行時における制振制御作用]
図12に、上記(1)に加え、上記(3)を適用した場合のEV走行時におけるシミュレーション結果を示す。
シミュレーション条件は、図9と同一条件であり、モータトルク指令「0Nm」でのコースト中にワンウェイクラッチが開放している状態から、アクセル操作に基づいて、モータトルク指令「50Nm」が指令されたときの動作である(図12の(1))。
まず、「約500rpm」で回転していたモータ回転数(図12の(2))は、「約800rpm」で回転している駆動軸回転数(図12の(3))に合致するまでの区間(図12の(4))は、駆動軸であるプロペラシャフトPSにはトルク伝達せず、モータ/ジェネレータMGがフリーで回転する回転急上昇区間となる。
このときに、制振制御部10bにおいて、駆動軸へのトルク伝達のOFF区間(=ワンウェイクラッチ開放区間)を判定すると、F/B演算を停止すると共に、F/F演算を停止する(図12の(5))。そして、上記(3)の記載に基づき、制振制御部10bにおいて、駆動軸へのトルク伝達のON(=ワンウェイクラッチ締結)を判定すると、F/B演算を再開すると同時に、ゼロ初期化値によるF/Fフィルタを用いてF/F演算を再開する。
すなわち、ワンウェイクラッチ開放区間(図12の(5))は、F/B演算もF/F演算も共に停止することで、この区間の最終トルク出力(図12の(6))は、トルク指令(図12の(1))に一致する。このとき、モータトルク指令「50Nm」が指令されたてから、モータ回転数と駆動軸回転数に合致するまでの区間(図12の(4))、つまり、駆動軸にはトルク伝達せず振動抑制の必要のない区間は、F/F演算の停止により、モータ/ジェネレータMGの回転数上昇の遅れ分を削除することができる。
この結果、ワンウェイクラッチ開放区間でF/F演算を実行する図11の場合に比べ、モータトルク指令「50Nm」が指令されてから(図12の(1))、モータ回転数と駆動軸回転数に合致するまでの区間(図12の(4))、つまり、アクセル開度に基づくトルク指令から駆動軸へのトルク伝達が開始されるまでの無駄時間が短縮できる。
[上記(1),(2)と上記(1),(4)を適用したHEV走行時における制振制御作用]
図13に、上記(1)に加え、上記(2)を適用した場合のHEV走行時におけるシミュレーション結果を示す。
シミュレーション条件は、トータル指令「0Nm」(モータトルク指令「-100Nm」+エンジントルク指令「100Nm」)でのコースト中にワンウェイクラッチが開放している状態から、アクセル操作に基づいて、トータル指令「50Nm」(モータトルク指令「-75Nm」+エンジントルク指令「125Nm」)が指令されたときの動作である。
まず、「約500rpm」で回転していたモータ回転数(図13の(2))は、「約800rpm」で回転している駆動軸回転数(図13の(3))に合致するまでの区間(図13の(4))は、駆動軸にはトルク伝達せず、モータ/ジェネレータMGがフリーで回転する回転急上昇区間となる。
このとき、トルク伝達のON(=ワンウェイクラッチ締結)を判定した時、F/B演算を再開すると同時にGm(s)/Gp(s)なるF/FフィルタのF/F演算をゼロ初期化した場合、モータトルク指令に対して、F/F演算のゼロ初期化を行うと、駆動軸へのトルク伝達開始時に伝達トルクの挙動(0Nm⇒トータルトルク指令)に合ったF/Fトルク指令とはならず、(0Nm⇒-75Nm)を演算したF/Fトルク指令(図13の(5))となって、負のトルク入力に対する演算となってしまい、逆に振動を助長してしまい抑制しきれない(図13の(6))、という結果となる。
図14に、上記(1)に加え、上記(4)を適用した場合のHEV走行時におけるシミュレーション結果を示す。
シミュレーション条件は、トータル指令「0Nm」(モータトルク指令「-100Nm」+エンジントルク指令「100Nm」)でのコースト中にワンウェイクラッチが開放している状態から、アクセル操作に基づいて、トータル指令「50Nm」(モータトルク指令「-75Nm」+エンジントルク指令「125Nm」)が指令されたときの動作である。
まず、「約500rpm」で回転していたモータ回転数(図14の(2))は、「約800rpm」で回転している駆動軸回転数(図14の(3))に合致するまでの区間(図14の(4))は、駆動軸にはトルク伝達せず、モータ/ジェネレータMGがフリーで回転する回転急上昇区間となる。
このとき、トルク伝達のON(=ワンウェイクラッチ締結)の判定時、F/B演算を再開すると同時に、Gm(s)/Gp(s)なるF/FフィルタのF/F演算を、「モータトルク+エンジントルク」のトータルトルクに対して理想的なフィルタ動作となるようにF/F演算の初期化を実施する。例えば、「モータトルク+エンジントルク=トータルトルク」=「-75Nm+125Nm=50Nm」から、まずは駆動軸へのトルク伝達開始時に伝達トルクの挙動(0Nm⇒トータルトルク指令)=(0Nm⇒50Nm)を換算し、このSTEP幅をF/F演算初期化幅Δとし、初期化実施時のモータトルク指令からΔを減じた、「-75Nm-50Nm=-125Nm」で初期化を実施しF/Fトルク指令(図14の(5))を算出する。
このようにF/F演算の初期化値をトータルトルクに応じて決定することで、HEV走行状態でも、駆動軸へのトルク伝達開始時に伝達トルクの挙動(トータルトルク指令)に合わせたF/Fトルク指令とすることが可能で、EV時と同等の性能を得ることができる。
[上記(1),(3),(5)を適用したEV走行時における制振制御作用]
図15に、上記(1),(3)に加え、上記(5)を適用した場合のEV走行時におけるシミュレーション結果を示す。
シミュレーション条件は、図10のEV走行状態(モータトルクのみ)と同一で、モータトルク指令「0Nm」でのコースト中にワンウェイクラッチが開放している状態から、アクセル操作に基づいて、モータトルク指令「50Nm」が指令されたときの動作である(図15の(1))。
まず、「約500rpm」で回転していたモータ回転数(図15の(2))は、「約800rpm」で回転している駆動軸回転数(図15の(3))に合致するまでの区間(図15の(4))は、駆動軸にはトルク伝達せず、モータ/ジェネレータMGがフリーで回転する回転急上昇区間となる。
このときに、上記(1),(3)の記載に基づき、制振制御部10bにおいて、駆動軸へのトルク伝達のOFF区間(=ワンウェイクラッチ開放区間)を判定すると、F/B演算を停止すると共に、F/F演算を停止する(図15の(5))。そして、駆動軸へのトルク伝達のON(=ワンウェイクラッチ締結)を判定すると、停止していたF/B演算とF/F演算を再開する。このF/F演算の再開時、上記(5)の記載に基づき、F/Fフィルタの初期化値を操作することで、車両状態などに応じた振動とトルクレスポンスの調整を可能とする。
例えば、駆動軸への伝達トルクの挙動(0Nm⇒トルク指令)=(0Nm⇒50Nm)を換算し、このSTEP幅をF/F演算初期化幅Δとする。ここで、調整要素Kを設定する。調整要素Kは、(0≦K≦1)の範囲で設定して、「Δ×K=ΔII」とし、初期化実施時に「トルク指令−ΔII」で初期化を実施する。このようにしてF/Fフィルタの初期化値を調整要素Kの値を用いて可変させることで調整可能とする。
図15ではK=1のときを細線、K=0.8としたときを太線でシミュレーション結果を図示している。調整要素Kを小さくすることでF/Fトルク指令(図15の(6))の太線の立ち上がりがK=1の細線より早くなり、最終トルク出力(図15の(7))も同様に太線が細線より早くなっていることが分かる。このときの駆動軸回転数(図15の(8))は、ほとんど差異がみられず、充分に振動を抑制できている。
ただし、この結果は、駆動軸に入るトルクのSTEP幅が50Nmのときの結果であり、調整要素Kを小さくすることで、振動を抑制しきれない領域がでてくるので、車両状態や実車評価などでの調整・設定が必要である。例えば、アクセル開度が大きく、レスポンス要求が強いときには、F/F演算初期化幅Δを小さくすることで振動よりも、レスポンスを重視するなどが考えられる。
次に、効果を説明する。
実施例1のFRハイブリッド車両の制振制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 動力源に電動モータ(モータ/ジェネレータMG)を有する電動車両(FRハイブリッド車両)の制振制御装置において、ドライバー要求に基づくF/F演算により第1トルク目標値Tm*1を算出する第1トルク目標値算出手段101と、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)を用いたF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出する第2トルク目標値算出手段102と、前記第1トルク目標値Tm*1と前記第2トルク目標値Tm*2に基づく演算によりモータトルク指令値Tm*とするモータトルク指令値設定手段103と、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達の途切れを判定するトルク伝達途切れ判定手段(制振制御部10b)と、駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、前記第2トルク目標値算出手段102による第2トルク目標値Tm*2のF/B演算を停止する制振制御手段(制振制御部10b)と、を備えた。
このため、電動モータ(モータ/ジェネレータMG)がフリーで回転上昇するトルク伝達の途切れ区間においてF/B演算を停止することで、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達開始後の振動に対し、充分な制振効果を得ることができる。
(2) 前記第1トルク目標値算出手段101は、アクセル開度APOに基づいて設定される定常トルク目標値Tms*を、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性の理想応答を表すモデルGm(s)の比Gm(s)/Gp(s)によるF/Fフィルタを通すF/F演算により第1トルク目標値Tm*1を算出し、前記第2トルク目標値算出手段102は、モータトルク指令値Tm*とバンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)を用いてモータ回転数推定値Tm*2_1を算出し、モータ回転数ωmとバンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)の比H(s)/Gp(s)によるF/Bフィルタによりモータ回転数演算値Tm*2_2を算出し、モータ回転数推定値Tm*2_1とモータ回転数演算値Tm*2_2の偏差を求めるF/B演算により第2トルク目標値Tm*2を算出する。
このため、バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)の遮断周波数、ゲインを最適化することで、ギアのバックラッシュなどに起因する外乱トルクによる振動に対する抑制効果を向上させることができる。
(3) 前記制振制御手段(制振制御部10b)は、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第2トルク目標値算出手段102による第2トルク目標値Tm*2のF/B演算を停止し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると同時に第2トルク目標値Tm*2のF/B演算を再開する。
このため、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達開始後、応答の良く振動を抑えたF/B演算を再開することができる。
(4) 前記制振制御手段(制振制御部10b)は、駆動モータ(モータ/ジェネレータMG)のみを動力源とするEV走行時、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第1トルク目標値算出手段101による第1トルク目標値Tm*1のF/F演算を実行し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると同時に、ゼロ初期化した前記F/Fフィルタを用いたF/F演算に変更する。
このため、駆動軸へのトルク伝達開始時に伝達トルクの挙動(0Nm⇒トルク設定値)に合わせたF/F演算とすることで、(0Nm⇒トルク設定値)のトルク伝達が外乱トルクとならず、指令トルクであった場合と同等に、Gm(s)なる理想応答に準じた応答を実現し、F/Fフィルタのゼロ初期化を実施しない場合に比べ、F/Bトルク指令の早い収束応答を実現することができる。
(5) 前記制振制御手段(制振制御部10b)は、駆動モータ(モータ/ジェネレータMG)のみを動力源とするEV走行時、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第1トルク目標値算出手段101による第1トルク目標値Tm*1のF/F演算を停止し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると、ゼロ初期化値による前記F/Fフィルタを用いてF/F演算を再開する。
このため、電動モータ(モータ/ジェネレータMG)がフリーで回転上昇する区間において、F/Fフィルタによるモータトルクの遅れを無くすことで、電動モータがフリーで回転上昇から駆動軸へのトルク伝達開始までの時間を短縮することができると共に、駆動軸へのトルク伝達開始時、F/F演算のゼロ初期化によって、駆動軸へのトルク伝達が外乱トルクとならず、F/Fフィルタのゼロ初期化を実施しない場合に比べ、F/Bトルク指令の早い収束応答を実現することができる。
(6) 前記制振制御手段(制振制御部10b)は、エンジンEngと駆動モータ(モータ/ジェネレータMG)を動力源とするHEV走行時、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、第1トルク目標値算出手段101による第1トルク目標値Tm*1のF/F演算を停止し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると、前記エンジンEngと前記駆動モータのトータルトルクに対応する初期化値による前記F/Fフィルタを用いてF/F演算を再開する。
このため、モータトルク+エンジントルクでのHEV走行時においても、駆動軸へのトルク伝達開始時に駆動軸への伝達トルクに合致したF/F演算を実施することで、EV走行時と同等にトルク伝達が外乱トルクとならず制振効果を高めることができる。
(7) 前記制振制御手段(制振制御部10b)は、駆動軸(プロペラシャフトPS)へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定に基づいてF/F演算を開始する際、前記F/Fフィルタの初期化値とモータトルク指令値Tm*の差分(F/F演算初期化幅Δ)を、ドライバー要求に応じて任意に設定可能とした。
このため、アクセル開度が大きく、レスポンス要求が強いときにはF/F演算初期化幅Δを小さくすることで振動よりも、レスポンスを重視するなど、可変することによってショックとレスポンスのバランスを任意に設定することを可能とすることができる。
以上、本発明の電動車両の制振制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、本発明の制振制御装置をFRハイブリッド車両に適用した例を示したが、例えば、FFハイブリッド車両、電気自動車、燃料電池車、等に対しても本発明の制振制御装置を適用することができる。要するに、動力源に電動モータを有する電動車両の制振制御装置であれば適用できる。
Eng エンジン
CL1 第1クラッチ
MG モータ/ジェネレータ(駆動モータ)
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
PS プロペラシャフト(駆動軸)
RL 左後輪
RR 右後輪
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ
10a モータトルク指令値設定部
10b 制振制御部(トルク伝達途切れ判定手段、制振制御手段)
13 レゾルバ
16 アクセル開度センサ
17 車速センサ
101 第1トルク目標値算出手段
102 第2トルク目標値算出手段
103 モータトルク指令値設定手段
APO アクセル開度
VSP 車速
ωm モータ回転数
Nd 駆動軸回転数
Tms* 定常トルク目標値
Tm* モータトルク指令値
Tm*1 第1トルク目標値
Tm*2 第2トルク目標値
Tm*2_2 モータ回転数演算値
Tm*2_1 モータ回転数推定値
Gm(s)/Gp(s) F/Fフィルタ
H(s)/Gp(s) F/Bフィルタ
Gp(s) トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデル
Gm(s) トルク入力−モータ回転数の伝達特性の理想応答を表すモデル
H(s) バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性
Gp'(s) 実プラント
Td トルク外乱要素
ωd 回転数外乱要素

Claims (7)

  1. 動力源に電動モータを有する電動車両の制振制御装置において、
    ドライバー要求に基づくフィードフォワード演算により第1トルク目標値を算出する第1トルク目標値算出手段と、
    トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルを用いたフィードバック演算により第2トルク目標値を算出する第2トルク目標値算出手段と、
    前記第1トルク目標値と前記第2トルク目標値に基づく演算によりモータトルク指令値とするモータトルク指令値設定手段と、
    駆動軸へのトルク伝達の途切れを判定するトルク伝達途切れ判定手段と、
    駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、前記第2トルク目標値算出手段による第2トルク目標値のフィードバック演算を停止する制振制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動車両の制振制御装置。
  2. 請求項1に記載された電動車両の制振制御装置において、
    前記第1トルク目標値算出手段は、アクセル開度に基づいて設定される定常トルク目標値を、トルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性の理想モデルGm(s)の比Gm(s)/Gp(s)によるF/Fフィルタ(=フィードフォワードフィルタ)を通すF/F演算(=フィードフォワード演算)により第1トルク目標値を算出し、
    前記第2トルク目標値算出手段は、モータトルク指令値とバンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)を用いてモータ回転数推定値を算出し、モータ回転数検出値とバンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)とトルク入力−モータ回転数の伝達特性のモデルGp(s)の比H(s)/Gp(s)によるF/Bフィルタ(=フィードバックフィルタ)によりモータ回転数演算値を算出し、前記モータ回転数推定値と前記モータ回転数演算値の偏差を求めるF/B演算(=フィードバック演算)により第2トルク目標値を算出することを特徴とする電動車両の制振制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された電動車両の制振制御装置において、
    前記制振制御手段は、駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、前記第2トルク目標値算出手段による第2トルク目標値のフィードバック演算を停止し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると同時に第2トルク目標値のフィードバック演算を再開することを特徴とする電動車両の制振制御装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載された電動車両の制振制御装置において、
    前記制振制御手段は、駆動モータのみを動力源とする走行時、駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、前記第1トルク目標値算出手段による第1トルク目標値のF/F演算を実行し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると同時に、ゼロ初期化した前記F/Fフィルタを用いたF/F演算に変更することを特徴とする電動車両の制振制御装置。
  5. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載された電動車両の制振制御装置において、
    前記制振制御手段は、駆動モータのみを動力源とする走行時、駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、前記第1トルク目標値算出手段による第1トルク目標値のF/F演算を停止し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると、ゼロ初期化値による前記F/Fフィルタを用いてF/F演算を再開することを特徴とする電動車両の制振制御装置。
  6. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載された電動車両の制振制御装置において、
    前記制振制御手段は、エンジンと駆動モータを動力源とする走行時、駆動軸へのトルク伝達の途切れ中と判定している間、前記第1トルク目標値算出手段による第1トルク目標値のF/F演算を停止し、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行を判定すると、前記エンジンと前記駆動モータのトータルトルクに対応する初期化値による前記F/Fフィルタを用いてF/F演算を再開することを特徴とする電動車両の制振制御装置。
  7. 請求項4から請求項6の何れか1項に記載された電動車両の制振制御装置において、
    前記制振制御手段は、駆動軸へのトルク伝達途切れからトルク伝達開始への移行判定に基づいてF/F演算を開始する際、前記F/Fフィルタの初期化値と前記モータトルク指令値の差分を、ドライバー要求に応じて任意に設定可能としたことを特徴とする電動車両の制振制御装置。
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