JP2010199373A - 熱電モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の熱電モジュール10は、裏面に複数の上電極13からなる熱電素子用電極パターンが形成された上基板11と、表面に複数の下電極14からなる熱電素子用電極パターンが形成された下基板12と、これらの両基板11,12の熱電素子用電極パターン間で直列接続されるように配置・固定された複数の熱電素子17とからなる。そして、上基板11あるいは下基板12のうち少なくとも一方の基板には上、下電極13,14に加えて当該基板11,12上に配置された熱源18からの熱を分散させるヒートスプレッダー15,16が形成されている。
【選択図】 図1
Description
そこで、金属板の表面を絶縁処理したものを熱電モジュールの基板(上基板と下基板とからなる一対の基板)として用いることが特許文献1(特開2002−280621号公報)にて提案されるようになった。この特許文献1にて提案された基板においては、基板自体の熱伝導率が高いため、熱を拡散させる効果があることとなる。
さらに、多段電子クーラー(多段熱電モジュール)において、熱電素子用電極パターンにおける各熱電素子用電極の周囲への熱伝導をよくするために、排熱側(放熱側)基板の各熱電素子用電極の周囲に金属層を配置するようにしたものが特許文献3(特開平2−10781号公報)にて提案されている。
上述した実施例1の熱電モジュール10においては、上基板11および下基板12の両方にヒートスプレッダー15,16を設ける例について説明したが、ヒートスプレッダーは上基板11および下基板12のどちらか一方のみに設けるようにしてもよい。ここで、本変形例1の熱電モジュール10においては、図2(a)(b)に示すように、上基板11のみにヒートスプレッダー15を設けたり、図2(c)(d)に示すように、下基板12のみにヒートスプレッダー16を設けるようにしてもよい。なお、図2において、図1と同一符号は同一名称を表すので、その説明は省略することとする。
上述した実施例1および変形例1においては、1列のヒートスプレッダー15(16)を上電極13(下電極14)の電極パターンの幅方向の中央部(幅方向の中央部の電極群の列間)に形成する例について説明したが、熱源の配置位置によっては、図3の変形例2のように、電極パターンの幅方向の端部側の両外周部に形成するようにしてもよい。本変形例2においては、図3に示すように、上基板21と、下基板22と、上基板21の裏面に形成された複数の上電極23からなる熱電素子用電極パターンと、下基板22の表面に形成された複数の下電極24からなる熱電素子用電極パターンと、上電極23の電極パターンの両端部の両外周部に形成された一対の上基板用ヒートスプレッダー25と、下電極24の電極パターンの両端部の両外周部に形成された一対の下基板用ヒートスプレッダー26と、これらの上電極23と下電極24との間で電気的に直列接続された多数の熱電素子27とからなる。
上述した変形例2においては、上基板21および下基板22の電極パターンの幅方向の両端部の外周部にそれぞれ上基板用ヒートスプレッダー25および下基板用ヒートスプレッダー26を形成する例について説明したが、熱源の配置位置によっては、図4の変形例3のように、電極パターンの各列間毎にそれぞれヒートスプレッダーを形成するようにしてもよい。本変形例3においては、図4に示すように、上基板31と、下基板32と、上基板31の裏面に形成された複数の上電極33からなる熱電素子用電極パターンと、下基板32の表面に形成された複数の下電極34からなる熱電素子用電極パターンと、上電極33の電極パターンの幅方向の各列間毎(上基板31の幅方向に複数列となるように形成された電極群の列間)に形成された複数の上基板用ヒートスプレッダー35と、下電極34の電極パターンの幅方向の各列間毎に形成された複数の下基板用ヒートスプレッダー36と、これらの上電極33と下電極34との間で電気的に直列接続された多数の熱電素子37とからなる。
上述した実施例1の変形例3においては、電極パターンの各列間にそれぞれヒートスプレッダーを形成するようにしたが、電極パターンの各列毎に囲うようにヒートスプレッダーを形成てもよい。本変形例4においては、図5に示すように、上基板41と、下基板42と、上基板41の裏面に形成された複数の上電極43からなる熱電素子用電極パターンと、下基板42の表面に形成された複数の下電極44からなる熱電素子用電極パターンと、上電極43の電極パターンの幅方向に各列毎に囲う複数の上基板用ヒートスプレッダー45と、下電極44の電極パターンの幅方向の各列間に形成された複数の下基板用ヒートスプレッダー46と、これらの上電極43と下電極44との間で電気的に直列接続された多数の熱電素子47とからなる。この場合、上電極43の電極パターンを各列毎(基板41の幅方向に1列となるように形成された電極群毎)に囲うようにヒートスプレッダー45には全てのヒートスプレッダー45が集合し、その上部の上基板41の上に熱源47が配置される集合部45aが形成されている。
なお、上、下電極43,44は、実施例1と同様に、例えば、厚みが60μmになるように形成されており、上、下基板用ヒートスプレッダー45,46および集合部45aは、例えば、厚みが60μmになるように形成されている。この場合も、これらの上、下電極43,44および上、下基板用ヒートスプレッダー45,46および集合部45aの上にニッケルめっき層や金めっき層を設けるようにしてもよい。
上述した変形例4においては、吸熱側となる上基板41の上電極43の電極パターンを各列毎(基板41の幅方向に1列となるように形成された電極群を1列毎)に囲うようにヒートスプレッダー45を形成する例について説明したが、熱源の配置位置に関係なく熱交換効率を向上させためには、図6の変形例5のように、吸熱側となる上基板51の上電極53の電極パターンの各電極の外周部を個別に囲うようにヒートスプレッダー55を形成するようにしてもよい。
上述した実施例2においては、上基板61の幅方向中央で長さ方向端部側に位置する上電極63にヒートスプレッダー65が束ねられてヒートスプレッダーの機能を有する兼用電極63a,63bとする例について説明したが、このようなヒートスプレッダーの機能を有する兼用電極を上基板の中央部(幅方向中央で長さ方向中央)に設けるようにしてもよい。この場合、上電極73の中心部に形成された一部の電極は、ヒートスプレッダー75の一部に接続されてヒートスプレッダーの機能を兼用する兼用電極75a,75b,75c,75dとなされている。
ついで、上述した各実施例の熱電モジュール10,50,70,80,70’および比較例の熱電モジュール90を用いて、これらの各熱電モジュール10,50,70,80,70’,90の消費電力を以下のような駆動条件により測定すると、下記の表1に示すような結果が得られた。なお、熱電モジュール70’は、熱電モジュール70の上基板71の表面および下基板の裏面のそれぞれ全面に、熱電モジュール80と同様に、表面用ヒートスプレッダーと裏面用ヒートスプレッダーを形成して作製されたものである。この場合、熱源として熱負荷が1Wで、サイズが2mm×2mmのハイパワーLSIを用い、これを各熱電モジュール10,50,70,80,70’,90の上基板(11,51,71,81,71,91)の中央部に配置した。
Claims (12)
- 裏面に複数の上電極からなる熱電素子用電極パターンが形成された上基板と、表面に複数の下電極からなる熱電素子用電極パターンが形成された下基板と、これらの両基板の前記熱電素子用電極パターン間で直列接続されるように配置・固定された複数の熱電素子とからなる熱電モジュールであって、
前記上基板あるいは前記下基板のうち少なくとも一方の基板には前記上、下電極に加えて当該基板上に配置された熱源からの熱を分散させるヒートスプレッダーが形成されていることを特徴とする熱電モジュール。 - 前記熱電素子用電極パターンと前記ヒートスプレッダーとは独立したパターンであることを特徴とする請求項1に記載の熱電モジュール。
- 前記一方の基板に形成された熱電素子用電極パターンは前記基板の長さ方向に配置された複数の電極からなる1列の電極群が幅方向に複数列となるように形成されたパターンであるとともに、
前記一方の基板に形成されたヒートスプレッダーは前記複数列の電極群からなる熱電素子用電極パターンの中央部の列間に当該基板の長さ方向の一方の端部から他方の端部に向けて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱電モジュール。 - 前記一方の基板に形成された熱電素子用電極パターンは前記基板の長さ方向に配置された複数の電極からなる1列の電極群が幅方向に複数列となるように形成されたパターンであるとともに、
前記少なくとも一方の基板に形成されたヒートスプレッダーは前記複数列の電極群からなる熱電素子用電極パターンの幅方向の両端部のそれぞれの外周部に当該基板の長さ方向の一方の端部から他方の端部に向けて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱電モジュール。 - 前記一方の基板に形成された熱電素子用電極パターンは前記基板の長さ方向に配置された複数の電極からなる1列の電極群が幅方向に複数列となるように形成されたパターンであるとともに、
前記少なくとも一方の基板に形成されたヒートスプレッダーは前記複数列の電極群からなる熱電素子用電極パターンの幅方向の両端部のそれぞれの外周部と各列間毎に当該基板の長さ方向の一方の端部から他方の端部に向けてそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱電モジュール。 - 前記一方の基板に形成された熱電素子用電極パターンは前記基板の長さ方向に配置された複数の電極からなる1列の電極群が幅方向に複数列となるように形成されたパターンであるとともに、
前記少なくとも一方の基板に形成されたヒートスプレッダーは前記複数列の電極群からなる熱電素子用電極パターンの外周部を囲うとともに、当該複数列の熱電素子用電極パターンの幅方向の各列間毎に当該基板の長さ方向の一方の端部から他方の端部に向けてそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱電モジュール。 - 前記一方の基板に形成された熱電素子用電極パターンは前記基板の長さ方向に配置された複数の電極からなる1列の電極群が幅方向に複数列となるように形成されたパターンであるとともに、
前記少なくとも一方の基板に形成されたヒートスプレッダーは前記複数列の電極群からなる熱電素子用電極パターンの外周部を囲うとともに、当該複数列の熱電素子用電極パターン内の各電極の外周部を囲うように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱電モジュール。 - 前記熱電素子用電極パターンの一部の電極が前記ヒートスプレッダーの一部を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の熱電モジュール。
- 前記一方の基板に形成された熱電素子用電極パターンは前記基板の長さ方向に配置された複数の電極からなる1列の電極群が幅方向に複数列となるように形成されたパターンであるとともに、
前記少なくとも一方の基板に形成されたヒートスプレッダーは前記複数列の電極群からなる熱電素子用電極パターンの外周部を囲うとともに、当該複数列の熱電素子用電極パターンの幅方向の各列間毎に当該基板の長さ方向の一方の端部から他方の端部に向けてそれぞれ形成されていて、これらのヒートスプレッダーが前記熱電素子用電極パターンを形成する2つの電極のいずれか一方に束ねられていることを特徴とする請求項8に記載の熱電モジュール。 - 前記一方の基板に形成された熱電素子用電極パターンは前記基板の長さ方向に配置された複数の電極からなる1列の電極群が幅方向に複数列となるように形成されたパターンであるとともに、
前記少なくとも一方の基板に形成されたヒートスプレッダーは前記複数列の電極群からなる熱電素子用電極パターンの外周部を囲うとともに、当該複数列の熱電素子用電極パターンの幅方向の各列間毎に当該基板の長さ方向の一方の端部から他方の端部に向けて形成されていて、これらのヒートスプレッダーが前記熱電素子用電極パターンを形成する4つの電極のいずれかに束ねられていることを特徴とする請求項8に記載の熱電モジュール。 - 前記熱電素子用電極パターン形成面の反対側の一面に前記ヒートスプレッダーが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の熱電モジュール。
- 前記熱電素子用電極パターンおよび前記ヒートスプレッダーは銅膜からなることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の熱電モジュール。
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