JP2010198690A - ガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、情報記録媒体用基板の製造方法、および、情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

ガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、情報記録媒体用基板の製造方法、および、情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中心部に厚肉部を設けた場合でも、厚肉部以外の部分の薄肉化が容易で、且つ、プレス後にクラックが発生するのを抑制することができるガラスブランクを提供すること。
【解決手段】円板状の厚肉部10と、厚肉部10の周囲を囲むように設けられたリング状で、厚肉部10より肉厚が薄い薄肉部20と、を有し、厚肉部10が、薄肉部20の少なくとも一方の面に対して凸を成すように設けられたガラスブランク1において、薄肉部20と厚肉部10とが段差を成すように形成された側の面において、薄肉部20の平面部分22から厚肉部10の最頂部12へと続く傾斜面が、平面部分22と連続する面を成す曲面14を有することを特徴とするガラスブランク1。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、情報記録媒体用基板の製造方法、および、情報記録媒体の製造方法に関するものである。
磁気ディスクなどの情報記録媒体用基板の代表的な製造法としては、溶融ガラスを成形型によりプレスして作製されたガラス半製品(いわゆるガラスブランク)を作製し(ダイレクトプレス法)、このガラスブランクに対して研削・研磨等の後加工を行う方法が知られている。
しかし、磁気ディスクなどの情報記録媒体用基板に用いられるガラスブランクには、後工程での研削・研磨代を小さくするために、より薄肉にすることが求められる。さらに、平坦性や平滑性、平行性も重要である。これらの要求を満たすために、中央部に厚肉部分を設けたガラスブランクが提案されている(特許文献1参照)。この技術では、ガラスゴブ総量が形成される所要時間に、低温の下型面との接触で粘性流動困難な温度域まで冷却されたガラスゴブの一部については、ガラスブランクを基板に加工する際に中心穴開け加工により除去されプレス時に製品として必要な肉厚へ延伸する必要が無いため、中央部を肉厚とすることで、製品として必要な平面サイズのガラス塊の延伸が不十分となるのを抑制できる。このため、より薄肉化が可能となる。
また、中心穴加工の生産性向上や低コスト化を目的する場合にも、中央部に厚肉部分を設けたガラスブランクが用いられることが提案されている(特許文献2参照)。この技術では、高温に加熱したガラスブランクを急冷することで、厚肉部分と肉薄部分との段差部に沿って亀裂を発生させることで中心穴を形成する。
特許第4133309号(請求項1、段落番号0009、0014、0015等)
特許第4133091号(請求項1、段落番号0003、0004等)
一方、上述したような中心部に厚肉部を設けたガラスブランクとして、外径の大きさに比べ肉厚のより薄いガラスブランク、すなわち、外径をRとし肉厚をTとしたとき、R/Tが大きくなるガラスブランクを作製した場合、プレス後速やかにガラスブランク中央部近傍の肉厚が変化する部分に、中心穴加工を目的とする意図的な急冷処理を行わなくてもクラックが発生してしまう場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、中心部に厚肉部を設けた場合でも、厚肉部以外の部分の薄肉化が容易で、且つ、プレス後にクラックが発生するのを抑制することができるガラスブランク及びその製造方法、並びに、当該ガラスブランクを用いた情報記録媒体用基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
本発明のガラスブランクは、円板状の厚肉部と、その厚肉部の周囲を囲むように設けられたリング状で、厚肉部より肉厚が薄い薄肉部と、を有し、厚肉部が、薄肉部の少なくとも一方の面に対して凸を成すように設けられたガラスブランクにおいて、薄肉部と厚肉部とが段差を成すように形成された側の面において、薄肉部の平面部分から厚肉部の最頂部へと続く傾斜面が、平面部分と連続する面を成す曲面を有することを特徴とする。
本発明のガラスブランクの一実施態様は、曲面は、その断面の輪郭線が、真円状の曲線、楕円状の曲線、放物線および双曲線から選択されるいずれか1つの曲線の一部であり、平面部分は曲線の接線となり、かつ、平面部分と曲面との境界が、接線の接点であることが好ましい。
本発明のガラスブランクの一実施態様は、曲面は、その断面の輪郭線が、真円状の曲線の一部であり、曲面の曲率半径が、下式(1)を満たすことが好ましい。
・式(1) 0.5×Rb≦R≦Rb
〔式(1)中、Rは、曲面の曲率半径を表す。また、Rbは、ガラスブランクを直径方向に切断した断面において、厚肉部の最頂部の最外周側の第1の点、および、薄肉部の平面部分と一致する面における厚肉部の最外周側の第2の点、を結ぶ直線を2等分するように直交する第1の直線と、第2の点を通り、且つ、平面部分に対して直交する第2の直線との交点から、第2の点までの最短距離を意味する。〕
本発明のガラスブランクの一実施態様は、厚肉部が、薄肉部の一方の面に対してのみ凸を成すように、薄肉部の中心部に設けられていることが好ましい。
本発明のガラスブランクの製造方法は、上型および下型の少なくとも一方の型として、プレス成形時に軟化状態のガラスと接触し、中央部に略円形状の凹部を有するプレス面を備え、少なくとも凹部外側の平面部分から凹部の底部へと続く傾斜面が、平面部分と連続する面を成す曲面を有する型を用い、軟化状態のガラスを下型の上に供給した後、上型と下型との間で軟化状態のガラスをプレス成形するプレス工程を少なくとも経て、ガラスブランクを作製することを特徴とする。
本発明の情報記録媒体用基板の製造方法は、本発明のガラスブランク、および、本発明のガラスブランクの製造方法により作製されたガラスブランク、から選択されるガラスブランクの中心部に設けられた厚肉部を含むように、ガラスブランクの中央部を切断して中心穴を形成する中心穴形成工程を少なくとも経て、情報記録媒体用基板を作製することを特徴とする。
本発明の情報記録媒体の製造方法は、本発明の情報記録媒体用基板の製造方法により作製された情報記録媒体用基板の少なくとも片面に情報記録層を形成する情報記録層形成工程を少なくとも経て、情報記録媒体を製造することを特徴とする。
本発明によれば、中心部に肉厚の厚い厚肉部を設けた場合でも、厚肉部以外の部分の薄肉化が容易で、かつ、プレス後にクラックが発生するのを抑制することができるガラスブランク及びその製造方法、並びに、当該ガラスブランクを用いた情報記録媒体用基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るガラスブランクに形成される曲面の曲率半径Rの数値範囲を定義するために用いられるパラメーターRbを説明するための説明図である。 本実施形態のガラスブランクの一例を示す模式断面図である。 本実施形態のガラスブランクの他の例を示す模式断面図であり、図3(A)は、傾斜面全面が曲面のみから構成される実施態様を示す図であり、図3(B)は、傾斜面が曲面と平面との組み合わせから構成される実施態様を示す図である。 本実施形態のガラスブランクの他の例を示す模式断面図である。
(ガラスブランクおよびその製造方法)
−ガラスブランク−
本実施形態のガラスブランクは、円板状の厚肉部と、その厚肉部の周囲を囲むように設けられたリング状で、厚肉部より肉厚が薄い薄肉部と、を有し、厚肉部が、薄肉部の少なくとも一方の面に対して凸を成すように設けられたガラスブランクにおいて、薄肉部と厚肉部とが段差を成すように形成された側の面において、薄肉部の平面部分から厚肉部の最頂部へと続く傾斜面が、平面部分と連続する面を成す曲面を有することを特徴とする。したがって、本実施形態のガラスブランクは、中心部に肉厚が厚い厚肉部を有していても、厚肉部以外の部分の薄肉化が容易で、かつ、プレス後にクラックが発生するのを抑制することができる。
なお、本実施形態のガラスブランクにおいて、上述した効果が得られる理由は以下の通りである。まず、ガラスブランクを作製する場合、プレス直後の高温状態のガラスブランクが冷却される過程で、薄肉部の熱収縮量よりも厚肉部の熱収縮量が大きくなることは避けられない。このような熱収縮量のアンバランスによってガラスブランク内部に生じた引張り応力は、薄肉部と厚肉部とが段差を有する側の面であって、薄肉部から厚肉部へと肉厚が変化する領域近傍(薄肉部の平面部分の最外周側と、厚肉部の最内周側との境界部分近傍)に集中し易い。そしてこのような応力集中は、プレス後に、ガラスブランクのクラックを引き起こすことになると考えられる。
このようなメカニズムを考慮すれば、クラック発生の抜本的な解決策は、肉厚の変化そのものを無くすことである。すなわち、ガラスブランクに肉厚が厚くなる厚肉部を設けないことである。しかし、ガラスブランクに厚肉部を設けなければ、プレス前に、下型表面と接することで熱が奪われて粘性流動の低下が著しくなっているガラスゴブの一部分が薄肉化の大きな妨げになる。そして、結果的に薄肉のガラスブランクが得られなくなる。
これらの点を考慮すれば、(1)薄肉部から厚肉部へと肉厚が変化する領域近傍の応力集中を緩和すると共に、(2)厚肉部の面積と厚みも十分に確保できることが必要であると考えられる。ここで、(1)応力集中を緩和する方法としては、薄肉部の平面部分から厚肉部の最頂部へと続く傾斜面の傾斜角をより小さくすることが挙げられる。しかし、この方法では、応力集中の緩和度合いが傾斜角に依存することになる。すなわち、クラックの発生を抑制しようとして傾斜角をより小さくすると、中心穴開け加工範囲内で確保できる厚肉部の厚みを十分に取ろうとすると厚肉部頂上の直径が厚みに比例して小さくなることになる。したがって、プレス前に下型面と長時間接触し冷却された接触面の影響を排除しきれず薄肉のガラスブランクが得られにくくなる。
しかし、本実施形態のガラスブランクでは、薄肉部の平面部分から厚肉部の最頂部へと続く傾斜面が、平面部分と連続する面を成す曲面を有する。ここで、「傾斜面が、平面部分と連続する面を成す」とは、より正確には、直径方向の中央部に厚肉部を有する略円盤形状のガラスブランクの中心軸を含むようにガラスブランクを切断した切断面において、薄肉部の平面部分から傾斜面へと続く輪郭線の傾きが、薄肉部の平面部分から傾斜面にかけて連続的に変化することを意味する。このため、平面部分と傾斜面とを各々延長した面同士が交差した部分の成す角度は実質的に0°と考えて良く、平面部分に対して傾斜面を単に斜めにより傾けた変曲点を持つ場合とは、傾斜角度が小さくても効果は大きく異なり、本実施形態のガラスブランクの方が局所的な応力集中をより分散して緩和することができる。このため、クラックの抑制効果は飛躍的に向上する。また、本実施形態のガラスブランクでは、平面部分と傾斜面との境界部分が曲面を成すように連続するため、平面部分に対する傾斜面(平面部分側の曲面となっている領域を除く)の角度は、45°以下の範囲で任意に設定でき、より好ましくは20°以下の範囲で任意に設定することができる。このため、クラック抑制のために限られた中心穴開け加工範囲内での厚肉部の面積を最大限に確保でき、結果として薄肉化も容易である。このように、本実施形態のガラスブランクでは、プレス後のクラック発生の改善効果が非常に大きく、これに加えて厚肉部以外の部分の薄肉化も達成することができる。
なお、平面部分から傾斜面へと連続するように設けられる曲面は、その断面の輪郭線が、公知の曲線、たとえば、真円状の曲線、楕円状の曲線、放物線および双曲線から選択されるいずれか1つの曲線の一部であり、平面部分は曲線の接線となり、かつ、平面部分と曲面との境界が、接線の接点であることが好ましい。これらの中でも、曲率変化がより緩やかでクラック抑制効果をより高くできる点からは、曲面の断面の輪郭線は、放物線または双曲線の一部であることが好ましい。なお、本明細書において、「曲面や、曲面を一部に含む傾斜面の断面」とは、略円盤形状のガラスブランクの中心軸を含むように切断した切断面のことを意味する。
なお、曲面の断面の輪郭線が、真円状の曲線の一部である場合、曲面の曲率半径は、下式(1)を満たすことが好ましい。
・式(1) 0.5×Rb≦R≦Rb
ここで、式(1)中、Rは、曲面の曲率半径を表す。また、Rbは、ガラスブランクを直径方向に切断した断面において、厚肉部の最頂部の最外周側の第1の点、および、薄肉部の平面部分と一致する面における厚肉部の最外周側の第2の点、を結ぶ直線を2等分するように直交する第1の直線と、第2の点を通り、かつ、平面部分に対して直交する第2の直線との交点から、第2の点までの最短距離を意味する。
ここで、曲面の曲率半径Rの数値範囲を定義するために用いられるパラメーターRbを、図面により説明する。図1は、曲面の曲率半径Rの数値範囲を定義するために用いられるパラメーターRbを説明するための説明図であり、具体的には、ガラスブランクを直径方向に切断した場合の厚肉部近傍の断面図について示したものである。ここで、図1中、第1の点P1は、厚肉部10の最頂部12の最外周側の点であり、第2の点P2は、薄肉部20の平面部分22と一致する面における厚肉部10の最外周側の点であり、第1の直線L1は、第1の点P1と第2の点P2とを結ぶ直線L3を2等分するように直交する直線であり、第2の直線L2は、第2の点P2を通り、かつ、平面部分22に対して直交する直線であり、交点Cは、第1の直線L1と第2の直線L2とが交差する点である。そして、Rbは、交点Cから第2の点P2までの最短距離を意味する。ここで、厚肉部10が直線L3よりも内側の領域に設けられていると仮定した場合に、交点Cを起点として、半径Rbの範囲内にある厚肉部10を除去することで、平面部分22と連続する曲面14が形成されることになる。
なお、曲面の曲率半径Rが式(1)を満たす場合、クラック抑制効果と薄肉化とをバランスよく両立させることが容易である。なお、曲率半径Rは、0.7×Rb以上がより好ましく、曲率半径R=Rbが最も好ましい。また、いずれの場合も、曲面14を形成するための真円の中心は第2の直線L2上に位置することとなる。また、第1の点P1と第2の点P2を結ぶ直線L3は、薄肉部20の平面部分22に対し、45°以下の角度を成すように交差することが好ましく、20°以下の角度を成すように交差することがより好ましい。これにより、クラック抑制効果を確実に得ることができる。なお、R=Rbの場合、厚肉部12の傾斜面は曲面14のみからなり、曲面14の断面の輪郭線は真円状の曲線の一部を成す(すなわち、曲率半径Rの円弧を成す)。また、R<Rbの場合は、厚肉部12の傾斜面は、その断面の輪郭線が第2の点P2を含む曲面14と、その断面の輪郭線が第1の点P1を含む平面(図1中、不図示)とから構成される。ここで、当該平面の断面の輪郭線(直線)の傾きは、曲面14と平面とが交差する点(すなわち、第2の点P2をその一端に有する曲率半径Rbの円弧の他端)における接線の傾きと一致する。
また、厚肉部は、薄肉部の両側の面に対して凸を成すように薄肉部の中心部に設けられていてもよいが、薄肉部の一方の面に対してのみ凸を成すように、薄肉部の中心部に設けられていることが好ましい。すなわち、ガラスブランクの片面側のみに厚肉部が凸を成すように設けられている場合、クラックに起因する割れの発生をより確実に抑制することができる。
本実施形態のガラスブランクの各部の寸法は特に限定されず、ガラスブランクを加工して作製する情報記録媒体用基板の各部の寸法に応じて適宜選択することができる。しかしながら、ガラスブランクを研磨等の後加工することで基板を作製する際の研磨代をより小さくするためには、薄肉部の厚みは、0.9mm以下であることが好ましく、0.8mm以下であることがより好ましい。本実施形態のガラスブランクは、中央部に厚肉部を有するために、薄肉部の厚みを上記範囲内とすることが容易である。
なお、ガラスブランクを用いて最終的に作製する基板の直径を考慮すると、いわゆる2.5インチ基板(直径=65mm)用のガラスブランクでは、薄肉部の厚みは、0.9mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましい。1.8インチ基板(直径=48mm)用のガラスブランクでは、薄肉部の厚みは、0.77 mm以下が好ましく、0.67mm以下がより好ましい。1.0インチ基板(直径=27.4mm)用のガラスブランクでは、薄肉部の厚みは、0.65mm以下が好ましく、0.55mm以下がより好ましい。0.85インチ基板(直径=21.6mm)用のガラスブランクでは、薄肉部の厚みは、0.65mm以下が好ましく、0.55mm以下がより好ましい。なお、薄肉部の厚みの下限は、目的とする基板のサイズに係わらず特に限定されるものではないが、実用上は0.55mm以上とすることが好適である。
また、厚肉部は、溶融ガラスゴブが下型面に接触してから、プレスが行われるまでの時間が長ければ長いほど、低温の下型に接触して高粘度化したガラス層が厚くなる。このため、厚肉部の厚みをある程度確保する必要がある。しかし、厚肉部の厚みが増加すると、薄肉部に比べて厚肉部の冷却が遅れることにもなる。このため、厚肉部を過剰に厚くすると、冷却時の内部応力の増大を招く可能性もある。従って、厚肉部の厚みはこれらの点を考慮して適宜調整される。
厚肉部を、薄肉部の平面部分と同じ面で切断したと仮定した断面における直径(以下、「厚肉部の基底部の直径」と略す場合がある)は、ガラスブランクを用いて最終的に作製する基板に設けられる中心穴の直径と同一またはこれよりも小さければ特に限定されない。しかし、ガラスブランクの中心部に中心穴を形成する場合に、スクライビングにより切断加工することを考慮すると、カッターの厚みを考慮する必要がある。この場合、厚肉部の基底部の直径は、基板に設けられる中心穴の直径−2mm以下であることが好ましく、基板に設けられる中心穴の直径−3mm以下であることがより好ましい。たとえば、2.5インチ基板(中心穴の直径=20.0mm)用のガラスブランクであれば、厚肉部の基底部の直径は、18mm以下とすることが好ましいと言える。なお、厚肉部の基底部の直径の下限値は特に限定されないが、溶融ガラスゴブが下型面に接触して粘性流動困難な温度域になっている範囲の面積が確保できる程度の直径を有する必要がある。
−ガラスブランクの具体例−
次に本実施形態のガラスブランクの具体例について図面により説明する。図2は、本実施形態のガラスブランクの一例を示す模式断面図であり、具体的には、ガラスブランクを、その直径方向で切断した際の断面図である。なお、図2に示す断面図は、ガラスブランク1のどの方向の直径で切断しても同じものとなる。図2に示すガラスブランク1は、円板状の厚肉部10と、厚肉部10の周囲を囲むリング状(円輪状)の薄肉部20と、を有している。厚肉部10は薄肉部20より肉厚が厚くされ、薄肉部20の中心部に、薄肉部20の一方の面に対して凸を成すように設けられている。なお、他方の面は、全て面一となっている。そして、薄肉部20の平面部分22から厚肉部10の最頂部12へと続く傾斜面が、平面部分22と連続する面を成す曲面14を有している。なお、平面部分22から厚肉部10の最頂部12へと続く傾斜面は、図3(A)に示すように全面が曲面14のみから構成されていてもよいが、図3(B)に示すように、平面部分22側のみが曲面16Aから構成され、厚肉部10の最頂部12側は平面16Bから構成されていてもよい。
なお、本実施形態のガラスブランクは、ガラスブランク1の中央部に厚肉部10が設けられるが、周縁部に沿って第二の厚肉部を設けてもよい。これにより、ガラスブランクをプレスにより作製する際に、プレスにより延伸する軟化状態のガラス塊の延伸先端部の熱容量を十分に確保できるため、軟化状態のガラス塊をより薄くプレスすることが容易となる。この場合、図4に示すように、薄肉部20の平面部分22から第二の厚肉部30の最頂部32へと続く傾斜面も、平面部分22と連続する面を成す曲面34を有するものとすることが好ましい。これにより、ガラスブランクの周縁部に沿って第二の厚肉部を設けても、クラックの発生を抑制できる。
−ガラスブランクの製造方法−
上述した本実施形態のガラスブランクは、上型および下型の少なくとも一方の型として、プレス成形時に軟化状態のガラスと接触し、中央部に略円形状の凹部を有するプレス面を備え、少なくとも凹部外側の平面部分から凹部の底部へと続く傾斜面が、平面部分と連続する面を成す曲面を有する型を用い、軟化状態のガラスを下型の上に供給した後、上型と下型との間で軟化状態のガラスをプレス成形するプレス工程を少なくとも経て、作製することができる。
なお、ダイレクトプレス法では、プレス工程に用いられる成形型として、ガラスブランクの両面を形成するために用いる上型および下型の他に、プレス時に軟化状態のガラス塊のプレス面方向への延伸を規制するために胴型を組み合わせて用いる場合がある。本実施形態のガラスブランクの作製においても、軟化状態のガラス塊のプレス面方向への自由な延伸を規制する胴型等の規制部材を用いたプレス方式(非サイドフリープレス方式)を採用することも可能であるが、胴型等の規制部材を用いないプレス方式(サイドフリープレス方式)を採用することがより好ましい。この理由は、サイドフリープレス方式では、プレス時に軟化状態のガラス塊のプレス面方向への自由な延伸が規制されないためである。それゆえ、下型のプレス面上に供給される軟化状態のガラス塊の容量が多少変動したとしても、プレス時に上型および下型のプレス面間の距離を一定に保ちつつ、ガラス塊の容量変動を、ガラスブランクの外径変動として吸収させることができる。したがって、サイドフリープレス方式を採用した場合、非サイドフリープレス方式を採用した場合よりもガラスブランク間の厚みのばらつきを小さくすることができ、結果として後工程である研磨工程の負荷をより小さくすることができる。
次に、プレス工程も含めた本実施形態のガラスブランクの製造方法の典型例について以下に説明する。まず、溶解、清澄、攪拌均一化されたこれらガラス材料からなる溶融ガラスを、流出ノズルから一定の流出速度で連続して排出させ、この溶融ガラス流をシアと呼ばれる切断機によって、常に一定質量の軟化状態のガラス塊が得られるように周期的に切断する。切断された軟化状態のガラス塊は流出ノズル直下で待機している下型のプレス面上に供給(キャスト)される。流出ノズルから排出される溶融ガラスは、軟化した状態であり、その粘度は0.3〜100Pa・s程度である。なお、下型の温度はガラス塊の温度よりも低温ではあるが、ガラス塊の温度が急降下してプレス不能とならない温度に調温される。なお、下型のプレス面には、キャストされる溶融ガラスのプレス面に対する潤滑性を向上させるために、必要に応じて予め窒化ホウ素(BN)粉末などの固体潤滑剤を付着させておいてもよい。
上記キャストが終わって軟化状態のガラスをそのプレス面上に載置した下型は、上型が待機しているプレス位置に移送されて、上型及び下型によりプレス成形される。この際の上型および下型の温度、プレス圧力、プレス時間は、ガラス転移温度等のガラスの熱物性や、作製するガラスブランクの直径・厚み、サイドフリープレス方式か否か等を考慮して適宜設定する。たとえば、上型の温度を250〜400℃、下型の温度を420〜470℃に設定することができる。プレス時の推力については3〜7トン程度を目安にできるが、特にこの範囲に限定されるものではなく、適宜調整することができる。
プレス成形を終えると、成形品上面が上型から離型され、成形品を載置した下型はテイクアウトを行う位置に移送される。なお、プレス位置とテイクアウト位置との間で下型を停留させて、下型上の成形品の上面を押し型で押圧し、成形品の反りを修正してからテイクアウト位置に下型ごとを移送してもよい。成形品はテイクアウト位置に移送されるまでの間にガラス転移温度付近あるいはガラス転移温度より低い温度にまで冷却される。これはテイクアウトの際に加わる力によって、成形品が変形してしまうのを防ぐためである。テイクアウトは成形品の上面を吸着手段で吸着保持して行われる。テイクアウトされた成形品は、大気中で急冷されたのち、除歪するためにアニール炉に入れられてアニールされる。そして、このような一連の工程を経ることで本実施形態のガラスブランクを得ることができる。
−ガラス組成−
本実施形態のガラスブランクのガラス組成としては、これを用いて作製される基板や情報記録媒体に応じて適宜選択できるが、たとえば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラスなどを挙げることができる。また、これらのガラスは加熱処理により結晶化する結晶化ガラスであってもよい。
なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiOが58質量%以上75質量%以下、Alが5質量%以上23質量%以下、LiOが3質量%以上10質量%以下、NaOが4質量%以上13質量%以下を主成分として含有するアルミノシリケートガラス(ただし、リン酸化物を含まないアルミノシリケートガラス)を用いてよい。たとえば、SiOが62質量%以上75質量%以下、Alが5質量%以上15質量%以下、LiOが4質量%以上10質量%以下、NaOが4質量%以上12質量%以下、ZrOが5.5質量%以上15質量%以下を主成分として含有するとともに、NaO/ZrOの質量比が0.5以上2.0以下、Al/ZrOの質量比が0.4以上2.5以下であるリン酸化物を含まないアモルファスのアルミノシリケートガラスとしてよい。なお、CaOやMgOといったアルカリ土類金属酸化物を含まないガラスであることが望ましい。このようなガラスとしては、HOYA株式会社製のN5ガラス(商品名)を挙げることができる。
(情報記録媒体用基板の製造方法)
上述した工程を経て得られたガラスブランクを、その中心部に設けられた厚肉部を含むように、ガラスブランクの中央部を切断して中心穴を形成する中心穴形成工程(以下、「コアリング」と称す場合がある)を少なくとも経て、情報記録媒体用基板を作製することができる。なお、厚肉部は、ダイヤモンドカッタを用いて切断することができる。なお、通常は、中心穴形成工程の他に、端面加工等の形状加工や両面の研磨加工等の後工程を実施することにより情報記録媒体用基板を得ることができる。情報記録媒体用基板は、具体的には、たとえば、(1)第1ラッピング工程、(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)、(3)端面研削工程、(4)第2ラッピング工程、(5)端面研磨工程、(6)主表面研磨工程、(7)化学強化工程および冷却工程、(8)精密洗浄工程、をこの順に実施することできる。以下、これら8つの工程についてより具体的に説明する。なお、基板の直径よりも十分大きな直径を有する円盤状ガラスをプレス成形し、スクライビング加工により円盤状ガラスから同心円状の円盤状ガラスを取り出し、取り出した円盤状ガラスを上記(1)から(8)に至る工程によって情報記録媒体用基板を作製することもできる。
(1)第1ラッピング工程
第1ラッピング工程では、厚肉部を切断された後のガラスブランクの両主表面をラッピング加工することで、ディスク状のガラス素板を得る。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行うことができる。具体的には、ガラス素板の両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液をガラス素板の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行うことができる。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス素板が得られる。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス素板を切断し、このガラス素板から、円盤状のガラス基板を切り出す。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に円孔を形成し、ドーナツ状のガラス基板を得る(コアリング)。
(3)端面研削工程
そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(フォーミング)。
(4)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行う。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができる。
(5)端面研磨工程
次に、ガラス基板の端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面から、パーティクル等の発塵を防止できる。
(6)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を実施する。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨液としては、たとえば、酸化セリウム砥粒を用いることができる。そして、この第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄する。
次に、主表面研磨工程の一部として、第2研磨工程を実施する。この第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行う。研磨液としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いることができる。この第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄する。なお、各洗浄槽には、超音波を印加する。
(7)化学強化工程および冷却工程
情報記録媒体用基板の作製に用いるガラスブランクが、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属を含むガラスからなる場合は、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施すのが好ましい。化学強化工程を行うことにより、情報記録媒体用基板の表層部に高い圧縮応力を生じさせることができる。このため、情報記録媒体用基板の表面の耐衝撃性を向上させることができる。このような化学強化処理は、情報を記録再生するヘッドが、機械的に情報記録媒体表面に接触する可能性のある磁気記録媒体を作製する上で非常に好適である。
化学強化は、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムを混合した化学強化溶液を準備し、この化学強化溶液を加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板を予熱し、化学強化溶液中に浸漬することによって行う。このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
続いて、化学強化工程を終えたガラス基板を、水槽に浸漬して冷却し、しばらくの間維持する。そして、冷却を終えたガラス基板を、加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行う。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板を、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄する。なお、各洗浄槽には超音波を印加する。
(8)精密洗浄工程
次に、研磨剤残渣や外来の鉄系コンタミなどを除去し、ガラス基板の表面をより平滑かつ清浄にするために、精密洗浄工程を実施するのが好ましい。このような精密洗浄工程の実施は、情報を記録再生するヘッドが、機械的に情報記録媒体表面に接触する可能性のある磁気記録媒体を作製する上で非常に好適である。精密洗浄の実施によりヘッドクラッシュやサーマルアスペリティの発生を抑制できるためである。なお、精密洗浄工程としては、アルカリ性水溶液による洗浄の後に、水リンス洗浄、IPA洗浄工程を行うようにしてもよい。
これらの一連の工程を経て作製された情報記録媒体の表面粗さは、Raでサブナノメーターのオーダーとすることができる。なお、表面粗さは、主表面研磨条件や洗浄条件を選択することにより適宜調整することができる。なお、以上、8つの工程を経て得られた情報記録媒体用基板は、公知の磁気記録、光記録、光磁気記録等の公知の各種記録方式を採用した情報記録媒体の作製に用いることができるが、特に磁気記録媒体の作製に用いることが好適である。また、磁気記録媒体用基板ほどに、情報記録媒体用基板表面の清浄性、平滑性、耐衝撃性が要求されない用途の情報記録媒体用基板の場合は、必要に応じて上記8つの工程の一部を実施しなくてもよいし、また、各工程をより簡略化したり、よりラフな条件で実施してもよい。
(情報記録媒体の製造方法)
このようにして得られた情報記録媒体用基板の少なくとも片面に、情報記録層を形成する情報記録層形成工程を少なくとも経ることで、情報記録媒体を製造することができる。なお、磁気記録媒体を作製する場合は、情報記録層として磁気記録層が設けられる。この磁気記録媒体は、水平磁気記録方式および垂直磁気記録方式のいずれであってもよいが、垂直磁気記録方式であることが好ましい。垂直磁気記録方式の磁気記録媒体を作製する場合は、たとえば、情報記録媒体用基板の両面に、Cr合金からなる付着層、FeCoCrB合金からなる軟磁性層、Ruからなる下地層、CoCrPt−TiO合金からなる垂直磁気記録層、水素化炭素からなる保護層、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を、この順に順次成膜することができる。なお、付着層、軟磁性層、下地層、垂直磁気記録層は、スパッタリング法により成膜することができ、保護層は、スパッタリング法やCVD法(Chemical Vapor Deposition法)により成膜することができ、潤滑層は浸漬塗布法により成膜することができる。また、付着層から保護層までの成膜は、各層の連続成膜が可能なインライン型または枚葉型のスパッタリング装置を用いることができ、潤滑層の成膜は浸漬塗布装置を用いることができる。
以下に、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
アルミノシリケートガラスを溶融した溶融ガラスを、下型のプレス面上に供給した後、上型と下型とによりサイドフリー方式でプレスすることにより断面形状が図2に示す形状を有するガラスブランクを1000枚作製した。得られたガラスブランクの各部の寸法を表1に示す。なお、このガラスブランクの作製に際しては、下型として、プレス面の中央部に、表1に示すガラスブランクの厚肉部の寸法形状に対応する形状を有する凹部を備えた下型を用いた。ガラスブランクを作製する際の主要な製造条件は以下の通りである。
・ガラス転移温度Tg:485℃
・ガラスの平均線膨張係数:95×10−7/K(100〜300℃)、98×10−7/K(300〜Tg℃)、37×10−6/K(Tg〜530℃)、
・溶融ガラスを下型のプレス面上に供給する際のプレス面の温度:500℃
・プレス時の上型プレス面の温度:450℃
・下型上に投入される溶融ガラスの粘度:40Pa・s
・プレス時間(ガラスに圧力を加える時間):1秒ないしそれ以下
・上型および下型のプレス面を構成する材料:鋳鉄
・下型からガラスブランクをテイクアウトする際のガラスブランクの温度:約520℃
・テイクアウト後のガラスブランクの放置環境:歪点温度前後に保持した徐冷炉に投入し、所定時間温度保持した後に室温まで徐冷
(比較例1)
厚肉部と薄肉部との段差部分の傾斜面を、曲面ではなく実質的に平面とした以外は、図2と同様の寸法形状を有するガラスブランクを作製した。具体的には、表1に示す寸法形状のガラスブランクが得られるようにプレス面中央部に凹部を設けた下型を用い、プレス時の圧力を実施例1のガラスブランクの薄肉部と同じ厚みのガラスブランクが得られるように調整した以外は、実施例1と同様にしてガラスブランクを200枚作製した。なお、本明細書において、「傾斜面が実質的に平面」とは、曲率半径Rが0.1mm以下を意味する。
(比較例2)
表1に示すように傾斜角θを変えた以外は比較例1と同様にしてガラスブランクを200枚作製した。
<評価>
各実施例、比較例において、各々200枚のガラスブランクを作製した際のクラック発生枚数(クラックにより割れが生じたものも含む)を評価した結果を表1に示す。また、これらの結果と共に、実施例1においてプレスする際のプレス推力を100とした際の比較例1および比較例2における相対的なプレス推力も示す。
Figure 2010198690
Figure 2010198690
1 ガラスブランク
10 厚肉部
12 最頂部
14 曲面
16A 曲面
16B 平面
20 薄肉部
22 平面部分
30 第二の厚肉部
32 最頂部
34 曲面

Claims (7)

  1. 円板状の厚肉部と、
    該厚肉部の周囲を囲むように設けられたリング状で、上記厚肉部より肉厚が薄い薄肉部と、を有し、
    上記厚肉部が、上記薄肉部の少なくとも一方の面に対して凸を成すように設けられたガラスブランクにおいて、
    上記薄肉部と上記厚肉部とが段差を成すように形成された側の面において、上記薄肉部の平面部分から上記厚肉部の最頂部へと続く傾斜面が、上記平面部分と連続する面を成す曲面を有することを特徴とするガラスブランク。
  2. 前記曲面は、その断面の輪郭線が、真円状の曲線、楕円状の曲線、放物線および双曲線から選択されるいずれか1つの曲線の一部であり、
    前記平面部分は上記曲線の接線となり、且つ、
    前記平面部分と前記曲面との境界が、上記接線の接点であることを特徴とする請求項1に記載のガラスブランク。
  3. 前記曲面は、その断面の輪郭線が、真円状の曲線の一部であり、
    前記曲面の曲率半径が、下式(1)を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラスブランク。
    ・式(1) 0.5×Rb≦R≦Rb
    〔式(1)中、Rは、前記曲面の曲率半径を表す。また、Rbは、ガラスブランクを直径方向に切断した断面において、前記厚肉部の最頂部の最外周側の第1の点、および、前記薄肉部の平面部分と一致する面における前記厚肉部の最外周側の第2の点、を結ぶ直線を2等分するように直交する第1の直線と、上記第2の点を通り、かつ、前記平面部分に対して直交する第2の直線との交点から、上記第2の点までの最短距離を意味する。〕
  4. 前記厚肉部が、前記薄肉部の一方の面に対してのみ凸を成すように、前記薄肉部の中心部に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のガラスブランク。
  5. 上型および下型の少なくとも一方の型として、プレス成形時に軟化状態のガラスと接触し、中央部に略円形状の凹部を有するプレス面を備え、少なくとも上記凹部外側の平面部分から上記凹部の底部へと続く傾斜面が、上記平面部分と連続する面を成す曲面を有する型を用い、
    軟化状態のガラスを下型の上に供給した後、上型と上記下型との間で上記軟化状態のガラスをプレス成形するプレス工程を少なくとも経て、ガラスブランクを作製することを特徴とするガラスブランクの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のガラスブランク、および、請求項5に記載のガラスブランクの製造方法により作製されたガラスブランク、から選択されるガラスブランクの中心部に設けられた厚肉部を含むように、上記ガラスブランクの中央部を切断して中心穴を形成する中心穴形成工程を少なくとも経て、情報記録媒体用基板を作製することを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法。
  7. 請求項6に記載の情報記録媒体用基板の製造方法により作製された情報記録媒体用基板
    の少なくとも片面に情報記録層を形成する情報記録層形成工程を少なくとも経て、情報記録媒体を製造することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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