JP2010198673A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コロージョンの発生を回避しつつ、磁気記録媒体の主表面の平坦化を容易に行うことができ、且つ磁気記録媒体の製造効率を向上することが可能な磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる磁気記録媒体の構成は、面内方向に所定のパターンで形成された磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体100において、非記録部は、非磁性材料または非硬磁性材料からなる充填材(充填層140)と、充填材と磁性記録部との界面に配置された非磁性膜(DLC膜138)と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、HDD(ハードディスクドライブ)などに搭載される磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法に関する。
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDDの面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径の磁気記録媒体にして、1枚あたり200GByteを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような要請にこたえるためには1平方インチあたり400GBitを超える情報記録密度を実現することが求められる。
HDD等に用いられる磁気記録媒体において高記録密度を達成するために、近年、垂直磁気記録方式が提案されている。垂直磁気記録方式に用いられる垂直磁気記録媒体は、磁気記録層の磁化容易軸が基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は従来の面内記録方式に比べて、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、いわゆる熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。
さらに記録密度および熱揺らぎ耐性を向上させた技術として、記録用の磁性トラックの間に非磁性トラックを平行させるようにパターニングして隣接した記録トラックの干渉を防ぐディスクリートトラックメディアや、任意のパターンを人工的に規則正しく並べたビットパターンメディアと呼ばれる磁気記録媒体が提案されている。
上述したディスクリートトラックメディアやビットパターンメディアといったパターンドメディアは、非磁性基体の上に磁気記録層を形成した後、部分的にイオンを注入し、非磁性化もしくは非晶質化することにより磁気的に分離した磁性パターンを形成する技術(例えば特許文献1)や、非磁性基体の上に磁気記録層を形成した後、部分的に当該磁気記録層をミリングすることにより凹凸を形成し、物理的に磁気記録層を分離させ、磁性パターンを形成する技術(例えば特許文献2)が提案されている。
具体的には、まず、磁気記録層の上にレジストを成膜し所望する凹凸パターンが形成されたスタンパをインプリントしてレジストに凹凸パターンを転写したり、磁気記録層の上にフォトレジストを成膜しフォトリソグラフィ技術により所望する凹凸パターンをフォトレジストに形成したりする。そして、形成された凹部を介して、磁気記録層にイオンを注入したり、凹部の表面に露出した磁気記録層をエッチングによってミリングしたりすることにより、磁気記録層を分離する。
一方、磁気記録技術の高密度化に伴い、磁気ヘッドも薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきており、磁気ヘッドの基板からの浮上量が5nm程度にまで狭くなってきている。このような磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドは、固有の障害としてヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。
サーマルアスペリティ障害とは、磁気ディスク面上の微小な凸形状あるいは凹形状上を磁気ヘッドが浮上飛行しながら通過するときに、空気の断熱圧縮または接触により磁気抵抗効果型素子が加熱されることにより、読み出しエラーを生じる障害である。したがって磁気抵抗型素子を搭載した磁気ヘッドに対しては、磁気ディスク表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。
特開2007−226862号公報 特開2007−157311号公報
上述したパターンドメディアにおいてミリングにより磁気記録層に凹凸を形成した場合、形成された凹部を埋めるために充填層を成膜する。このとき、充填層をスパッタリングにより成膜すると、凹部には充填層が成膜されるが、当然にして凸部上にも同様に皮膜(充填層)が成膜される。このため、磁気記録媒体の主表面にはかかる皮膜による凸部が形成されてしまう。したがって、主表面を平坦化するために、凸部上に成膜された皮膜を除去する必要が生じ、従来ではエッチングにより凸部上に成膜された皮膜を削り、平坦化を行っていた。
しかし、凸部上に成膜された皮膜は、充填層の厚み、すなわち凹部の深さとほぼ同じ厚みを有する。したがって、かかる皮膜のエッチングに多大な時間および大量の電力を要するため、磁気記録媒体の製造効率が著しく低下してしまう。故に、主表面の平坦化を容易に行うことが可能な技術の開発が望まれていた。
上述した平坦化を容易に行うための手法として、充填層を、スパッタリングではなくスピンコート法を用いて形成(成膜)する方法が考えられる。これによれば、充填層は凹部に優先的に充填されていくため、凸部上に成膜される皮膜の厚みを低減することができる。したがって、かかる皮膜のエッチングに要する時間を短縮し、且つ消費電力を低減することが可能となる。
しかし、スピンコート法では、充填材料として、充填材(溶質)を溶剤に溶解させた液状質を用いるため、エッチングにより形成された凹部を構成する面、すなわち凸部の側面となる露出した磁気記録層に溶剤が接触してしまう。これにより、磁気記録層を構成するCo等の金属の溶剤への溶出を招いてしまう。その結果、溶出した金属がコロージョンとして当該磁気記録媒体の表面に析出し、その位置に記録されたデータが消失してしまうおそれがある。また、コロージョンは、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害の原因ともなる。
したがって、上記の手法であると、主表面の平坦化に要する時間や電力を削減し、磁気記録媒体の製造効率を向上することは可能であるが、コロージョンが生じるおそれがあるため、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害等の問題が再度浮上してしまう。故に、かかる手法を適用しての磁気記録媒体の製造は、現状においては困難であった。
本発明は、このような問題に鑑み、コロージョンの発生を回避しつつ、磁気記録媒体の主表面の平坦化を容易に行うことができ、且つ磁気記録媒体の製造効率を向上することが可能な磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の代表的な構成は、面内方向に所定のパターンで形成された磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体において、非記録部は、非磁性材料または非硬磁性材料からなる充填材と、充填材と磁性記録部との界面に配置された非磁性膜と、を含むことを特徴とする。
上記構成では、非記録部が充填材と磁性記録部との界面に配置された非磁性膜を備える。換言すれば、非記録部と磁性記録部との界面に非磁性膜を備えることとなる。したがって、エッチングにて形成された凹部に充填層を成膜する際、すなわち非記録部を形成する際に、充填材料として、充填材(溶質)を溶剤に溶解させた液状質を用いても、非磁性膜により、凸部の側面となり露出した磁気記録層(磁性記録部となる磁気記録層)への溶剤の接触を防止し、コロージョンの発生を回避することができる。これにより、スピンコート法を用いて凹部に充填層を成膜し、充填層成膜時に凸部上に成膜される皮膜の厚みを低減することが可能となる。その結果、かかる皮膜のエッチングに要する時間および電力を低減することができ、磁気記録媒体の製造効率を向上することが可能となる。
また、非記録部を非磁性材料または非硬磁性材料からなる充填材を用いて構成することで、かかる非記録部を非磁性または硬磁性とすることができる。これにより、磁性記録部の磁気的な分離を好適に行い、磁気記録層に、磁性記録部と非記録部とからなる所定のパターンを形成することができ、当該磁気記録媒体をパターンドメディアとすることが可能となる。
上記の非磁性膜は、C系材料からなるとよい。C(炭素)は溶剤による酸化が生じにくい。したがって、上記構成のように非磁性膜にC系材料を用いることにより、かかる非磁性膜を耐溶剤性に優れる膜とすることができる。
上記の非磁性材料は、C、Si、Crの群から選択された1または複数の元素を含むとよい。これらの元素が含まれた非磁性材料を用いることで、非記録部を確実に非磁性とすることができ、磁性記録部を好適に分離することが可能となる。
当該磁気記録媒体は、磁性記録部を主表面に点在させたビットパターンメディアであるとよい。また、当該磁気記録媒体は、線状に形成した磁性記録部と非記録部とを半径方向に交互に配置したディスクリートトラックメディアであるとよい。これにより、当該磁気記録媒体をパターンドメディアとし、熱揺らぎ耐性を向上し、高記録密度化を促進することが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の代表的な構成は、基体上に少なくとも磁気記録層と保護層とを備え、磁気記録層が面内方向に磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体の製造方法であって、磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、レジスト層を加工することでレジスト層の厚さを部分的に変化させ所定のパターンを形成するパターニング工程と、磁気記録層をエッチングすることで磁気記録層に所定のパターンに基づいて凸部と凹部を形成する磁気記録層エッチング工程と、レジスト層を除去するレジスト除去工程と、CVD法により凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜を成膜するDLC膜成膜工程と、スピンコート法により凹部に非磁性または非硬磁性の充填層を成膜する充填層成膜工程と、当該磁気記録媒体の主表面を平坦化する平坦化工程と、を含むことを特徴とする。
上記構成では、DLC膜成膜工程において、CVD法により凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜が成膜される。すなわち、非記録部と磁性記録部との界面に非磁性膜が成膜される。したがって、上述したように、スピンコート法により凹部に非磁性または非硬磁性の充填層を成膜することが可能となるため、充填層成膜工程において凸部上に成膜される皮膜の厚みを低減することができる。これにより、凸部上に成膜された皮膜のエッチングに要する時間および電力を削減し、磁気記録媒体の製造効率を向上することが可能となる。
上記の充填層はSi系材料からなり、レジスト除去工程後に、当該垂直磁気記録媒体を加熱することで充填層を焼結する焼結工程を更に含み、平坦化工程では、当該磁気記録媒体の主表面を溶剤を用いて平坦化するとよい。
上述したように、当該磁気記録媒体には、磁気記録層にエッチングにより凸部と凹部が形成された後に、かかる凸部と凹部上(磁気記録層上)にC系材料からなる薄膜が成膜される。したがって、薄膜(非磁性膜)により磁気記録層が防護されるため、溶剤を用いて磁気記録媒体の主表面を平坦化することが可能となる。これにより、磁気記録層への溶剤の接触を防止し、コロージョンの発生を回避しつつ、磁気記録媒体の主表面を容易に平坦化することができる。
上記のSi系材料としては、例えばSOG(Spin On Glass)を好適に用いることができる。SOGは溶剤に溶解するため、これによる皮膜が凸部上に形成されたとしてもかかる皮膜を溶剤を用いて容易に除去することができる。したがって、平坦化を容易に行うことが可能となる。
ここで、SOGが溶剤に溶解するため、凹部に充填されたSOG、すなわち充填層となったSOGも平坦化工程において溶剤に溶解してしまうことが危惧される。したがって、それを防ぐために、溶剤を用いた平坦化工程を行う前に焼結工程を行う。これにより、凹部に充填された充填層は凹部内において焼結されて凝固するため、平坦化工程において溶剤を用いたとしても、溶剤に溶け出すことがない。
上記の充填層はSi系材料からなり、平坦化工程では、当該磁気記録媒体の主表面をRIEにより平坦化するとよい。
上述したように、当該磁気記録媒体の充填層はスピンコート法により成膜されるので、充填層成膜の際に凸部上に成膜される皮膜の厚みは、充填層をスパッタリングにより成膜した場合よりも薄くなる。したがって、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)、すなわちエッチングによりかかる皮膜を除去するとしても、それに要する時間および電力は、充填層をスパッタリングにより成膜した場合よりも低減される。したがって、平坦化が容易になり、当該磁気記録媒体の製造効率を向上することが可能となる。
なお、RIEにより主表面を平坦化する場合には、製造工程に焼結工程を含まない。これは、RIEにより充填層の温度が上昇することで、焼結工程を含む場合と同様に、凹部に充填された充填層を凹部内において凝固させることができるからである。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の他の構成は、基体上に少なくとも磁気記録層と保護層とを備え、磁気記録層が面内方向に磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体の製造方法であって、磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、レジスト層を加工することでレジスト層の厚さを部分的に変化させ所定のパターンを形成するパターニング工程と、磁気記録層をエッチングすることで磁気記録層に所定のパターンに基づいて凸部と凹部を形成する磁気記録層エッチング工程と、レジスト層を除去するレジスト除去工程と、CVD法により凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜を成膜するDLC膜成膜工程と、スパッタリングにより凹部に非磁性または非硬磁性の充填層を成膜する充填層成膜工程と、当該磁気記録媒体の主表面を溶剤を用いて平坦化する平坦化工程を含むことを特徴とする。
上述したように、当該垂直磁気記録媒体にはCVD法により凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜が成膜されるため、溶剤を用いて主表面の平坦化を行うことが可能となる。したがって、従来のようにスパッタリングにより凹部に充填層を成膜したとしても、凸部に成膜された皮膜を溶剤を用いて容易に除去することができるため、平坦化に要する時間および電力を削減し、磁気記録媒体の製造効率の向上を図ることができる。
上記の充填層はCr系材料からなるとよい。これにより、凸上に形成された皮膜(充填層)を溶剤により容易に除去することが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法の更に他の構成は、基体上に少なくとも磁気記録層と保護層とを備え、磁気記録層が面内方向に磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体の製造方法であって、磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、レジスト層を加工することでレジスト層の厚さを部分的に変化させ所定のパターンを形成するパターニング工程と、磁気記録層をエッチングすることで磁気記録層に所定のパターンに基づいて凸部と凹部を形成する磁気記録層エッチング工程と、レジスト層を除去するレジスト除去工程と、CVD法により凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜を成膜するDLC膜成膜工程と、を含み、非磁性材料または非硬磁性材料を溶剤に溶解した液状質を用いて凹部に非磁性または非硬磁性の充填層を成膜する湿式充填層成膜工程、もしくは当該磁気記録媒体の主表面を溶剤を用いて平坦化する湿式平坦化工程のいずれか一方または両方を更に含むことを特徴とする。
上述した磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該磁気記録媒体の製造方法にも適用可能である。
本発明によれば、コロージョンの発生を回避しつつ、磁気記録媒体の主表面の平坦化を容易に行うことでき、且つ磁気記録媒体の製造効率を向上することが可能となる。
第1実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の構成を説明する図である。 第1実施形態にかかる磁気パターン形成工程について説明するための図である。 DLC膜成膜工程以降の工程を説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
本発明にかかる磁気記録媒体の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態にかかる磁気記録媒体としての垂直磁気記録媒体100の構成を説明する図である。本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100は、パターンドメディアである。これにより、当該垂直磁気記録媒体100の熱揺らぎ耐性を向上し、高記録密度化を促進することが可能となる。
図1に示す垂直磁気記録媒体100は、ディスク基体110、付着層112、第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114c、前下地層116、第1下地層118a、第2下地層118b、非磁性グラニュラー層120、第1磁気記録層122a、第2磁気記録層122b、補助記録層124、保護層126、潤滑層128で構成されている。なお第1軟磁性層114a、スペーサ層114b、第2軟磁性層114cは、あわせて軟磁性層114を構成する。第1下地層118aと第2下地層118bはあわせて下地層118を構成する。第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bとはあわせて磁気記録層122を構成する。
(ディスク基体製造工程)
ディスク基体110は、アモルファス(非晶質)のアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円板状に成型したガラスディスクを用いることができる。なおガラスディスクの種類、サイズ、厚さ等は特に制限されない。ガラスディスクの材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は、結晶化ガラス等のガラスセラミックなどが挙げられる。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体110を得ることができる。
(成膜工程)
ディスク基体110上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて付着層112から補助記録層124まで順次成膜を行い、保護層126はCVD法により成膜することができる。この後、潤滑層128をディップコート法により形成することができる。なお、生産性が高いという点で、インライン型成膜方法を用いることも好ましい。
以下、各層の構成および第1実施形態の特徴である、レジスト層成膜工程、パターニング工程、磁気記録層エッチング工程、レジスト層除去工程、DLC膜成膜工程、充填層成膜工程、焼結工程、平坦化工程を行う磁気パターン形成工程について説明する。
付着層112はディスク基体110に接して形成され、この上に成膜される軟磁性層114とディスク基体110との剥離強度を高める機能と、この上に成膜される各層の結晶グレインを微細化及び均一化させる機能を備えている。付着層112は、ディスク基体110がアモルファスガラスからなる場合、そのアモルファスガラス表面に対応させる為にアモルファスの合金膜とすることが好ましい。
付着層112としては、例えばCrTi系非晶質層、CoW系非晶質層、CrW系非晶質層、CrTa系非晶質層、CrNb系非晶質層から選択することができる。中でもCoW系合金膜は、微結晶を含むアモルファス金属膜を形成するので特に好ましい。付着層112は単一材料からなる単層でも良いが、複数層を積層して形成してもよい。例えばCrTi層の上にCoW層またはCrW層を形成してもよい。またこれらの付着層112は、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、又は酸素を含む材料によってスパッタを行うか、もしくは表面層をこれらのガスで暴露したものであることが好ましい。
軟磁性層114は、垂直磁気記録方式において記録層に垂直方向に磁束を通過させるために、記録時に一時的に磁路を形成する層である。軟磁性層114は第1軟磁性層114aと第2軟磁性層114cの間に非磁性のスペーサ層114bを介在させることによって、AFCカップリングを備えるように構成することができる。これにより軟磁性層114の磁化方向を高い精度で磁路(磁気回路)に沿って整列させることができ、磁化方向の垂直成分が極めて少なくなるため、軟磁性層114から生じるノイズを低減することができる。第1軟磁性層114a、第2軟磁性層114cの組成としては、CoTaZrなどのコバルト系合金、CoCrFeB、CoFeTaZrなどのCo−Fe系合金などを用いることができる。
前下地層116は非磁性の合金層であり、軟磁性層114を防護する作用と、この上に成膜される下地層118に含まれる六方最密充填構造(hcp構造)の磁化容易軸をディスク垂直方向に配向させる機能を備える。前下地層116は面心立方構造(fcc構造)の(111)面がディスク基体110の主表面と平行となっていることが好ましい。また前下地層116は、これらの結晶構造とアモルファスとが混在した構成としてもよい。前下地層116の材質としては、Ni、Cu、Pt、Pd、Zr、Hf、Nb、Taから選択することができる。さらにこれらの金属を主成分とし、Ti、V、Cr、Mo、Wのいずれか1つ以上の添加元素を含む合金としてもよい。例えばfcc構造を取る合金としてはNiW、CuW、CuCrを好適に選択することができる。
下地層118はhcp構造であって、磁気記録層122のCoのhcp構造の結晶をグラニュラー構造として成長させる作用を有している。したがって、下地層118の結晶配向性が高いほど、すなわち下地層118の結晶の(0001)面がディスク基体110の主表面と平行になっているほど、磁気記録層122の配向性を向上させることができる。下地層118の材質としてはRuが代表的であるが、その他に、RuCr、RuCoから選択することができる。Ruはhcp構造をとり、また結晶の格子間隔がCoと近いため、Coを主成分とする磁気記録層122を良好に配向させることができる。
下地層118をRuとした場合において、スパッタ時のガス圧を変更することによりRuからなる2層構造とすることができる。具体的には、下層側の第1下地層118aを形成する際にはArのガス圧を所定圧力、すなわち低圧にし、上層側の第2下地層118bを形成する際には、下層側の第1下地層118aを形成するときよりもArのガス圧を高くする、すなわち高圧にする。これにより、第1下地層118aによる磁気記録層122の結晶配向性の向上、および第2下地層118bによる磁気記録層122の磁性粒子の粒径の微細化が可能となる。
また、ガス圧を高くするとスパッタリングされるプラズマイオンの平均自由行程が短くなるため、成膜速度が遅くなり、皮膜が粗になるため、Ruの結晶粒子の分離微細化を促進することができ、Coの結晶粒子の微細化も可能となる。
さらに、下地層118のRuに酸素を微少量含有させてもよい。これによりさらにRuの結晶粒子の分離微細化を促進することができ、磁気記録層122の磁性粒のさらなる孤立化と微細化を図ることができる。なお酸素はリアクティブスパッタによって含有させてもよいが、スパッタリング成膜する際に酸素を含有するターゲットを用いることが好ましい。
非磁性グラニュラー層120はグラニュラー構造を有する非磁性の層である。下地層118のhcp結晶構造の上に非磁性グラニュラー層120を形成し、この上に第1磁気記録層122a(または磁気記録層122)のグラニュラー層を成長させることにより、磁性のグラニュラー層を初期成長の段階(立ち上がり)から分離させる作用を有している。これにより、磁気記録層122の磁性粒子の孤立化を促進することができる。非磁性グラニュラー層120の組成は、Co系合金からなる非磁性の結晶粒子の間に、非磁性物質を偏析させて粒界を形成することにより、グラニュラー構造とすることができる。
本実施形態においては、かかる非磁性グラニュラー層120にCoCr−SiOを用いる。これにより、Co系合金(非磁性の結晶粒子)の間にSiO(非磁性物質)が偏析して粒界を形成し、非磁性グラニュラー層120がグラニュラー構造となる。なお、CoCr−SiOは一例であり、これに限定されるものではない。他には、CoCrRu−SiOを好適に用いることができ、さらにRuに代えてRh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Au(金)も利用することができる。また非磁性物質とは、磁性粒(磁性グレイン)間の交換相互作用が抑制、または、遮断されるように、磁性粒の周囲に粒界部を形成しうる物質であって、コバルト(Co)と固溶しない非磁性物質であればよい。例えば酸化珪素(SiOx)、クロム(Cr)、酸化クロム(CrO、Cr23)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコン(ZrO)、酸化タンタル(Ta)を例示できる。
なお本実施形態では、下地層118(第2下地層118b)の上に非磁性グラニュラー層120を設けているが、これに限定されるものではなく、非磁性グラニュラー層120を設けずに当該垂直磁気記録媒体100を構成することも可能である。
磁気記録層122は、Co系合金、Fe系合金、Ni系合金から選択される硬磁性体の磁性粒の周囲に非磁性物質を偏析させて粒界を形成した柱状のグラニュラー構造を有した強磁性の層である。この磁性粒は、非磁性グラニュラー層120を設けることにより、そのグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長することができる。本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100をディスクリートトラックメディアとする場合、磁気記録層122がグラニュラー構造をとる構成によりSNR(Signal to Noise Ratio:シグナルノイズ比)を向上させることが可能となる。
磁気記録層122は、本実施形態では組成および膜厚の異なる第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bとから構成されている。これにより、第1磁気記録層122aの結晶粒子から継続して第2磁気記録層122bの小さな結晶粒子が成長し、主記録層たる第2磁気記録層122bの微細化を図ることができ、SNRの向上が可能となる。
また、磁気記録層122を構成する第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bには、後述する磁気パターン形成工程を施すことにより、磁性記録部と非記録部とが所定のパターンで形成される。これにより、当該垂直磁気記録媒体100をパターンドメディアとし、熱揺らぎ耐性を向上し、高記録密度化を促進することが可能となる。かかるパターンドメディアとしては、当該垂直磁気記録媒体100を、磁性記録部を主表面に点在させたビットパターンメディアとしてもよいし、線状に形成した磁性記録部と非記録部とを主表面の半径方向に交互に配置したディスクリートトラックメディアとしてもよい。
非記録部に存在する第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bの比透磁率は、2〜100程度とすることが好ましい。すなわち、第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bの磁性が、硬磁性と軟磁性との間程度の磁性(非硬磁性)となるとい。これにより、高SNRを確保しつつ、磁性記録部のリードライト特性を向上させることが可能となる。
本実施形態では、第1磁気記録層122aにCoCrPt−Crを用いる。CoCrPt−Crは、CoCrPtからなる磁性粒(グレイン)の周囲に、非磁性物質であるCrおよびCr(酸化物)が偏析して粒界を形成し、磁性粒が柱状に成長したグラニュラー構造を形成した。この磁性粒は、非磁性グラニュラー層のグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長した。
第2磁気記録層122bには、CoCrPt−SiO−TiOを用いる。第2磁気記録層122bにおいても、CoCrPtからなる磁性粒(グレイン)の周囲に非磁性物質であるCrおよびSiO、TiO(複合酸化物)が偏析して粒界を形成し、磁性粒が柱状に成長したグラニュラー構造を形成した。
なお、上記に示した第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bに用いた物質は一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施形態では、第1磁気記録層122aと第2磁気記録層122bで異なる材料(ターゲット)であるが、これに限定されず組成や種類が同じ材料であってもよい。非磁性領域を形成するための非磁性物質としては、例えば酸化珪素(SiO)、クロム(Cr)、酸化クロム(Cr)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコン(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化鉄(Fe)、酸化ボロン(B)等の酸化物を例示できる。また、BN等の窒化物、B等の炭化物も好適に用いることができる。
さらに本実施形態では、第1磁気記録層122aにおいて1種類の、第2磁気記録層122bにおいて2種類の非磁性物質(酸化物)を用いているが、これに限定されるものではなく、第1磁気記録層122aまたは第2磁気記録層122bのいずれかまたは両方において2種類以上の非磁性物質を複合して用いることも可能である。このとき含有する非磁性物質の種類には限定がないが、本実施形態の如く特にSiOおよびTiOを含むことが好ましい。したがって、本実施形態とは異なり、磁気記録層122が1層のみで構成される場合、かかる磁気記録層122はCoCrPt−SiO−TiOからなることが好ましい。
また、本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100をビットパターンメディアとする場合には、各記録ビットが分離独立していることから、必ずしも磁気記録層122をグラニュラー構造とする必要はない。しかし、磁気記録層122がグラニュラー構造をとる構成により、SNRを向上させることが可能となる。
補助記録層124は基体主表面の面内方向に磁気的にほぼ連続した磁性層である。補助記録層124は磁気記録層122に対して磁気的相互作用を有するように、隣接または近接している必要がある。補助記録層124の材質としては、例えばCoCrPt、CoCrPtB、またはこれらに微少量の酸化物を含有させて構成することができる。補助記録層124は逆磁区核形成磁界Hnの調整、保磁力Hcの調整を行い、これにより耐熱揺らぎ特性、OW特性、およびSNRの改善を図ることを目的としている。この目的を達成するために、補助記録層124は垂直磁気異方性Kuおよび飽和磁化Msが高いことが望ましい。なお本実施形態において補助記録層124は磁気記録層122の上方に設けているが、下方に設けてもよい。
なお、「磁気的に連続している」とは磁性が連続していることを意味している。「ほぼ連続している」とは、補助記録層124全体で観察すれば一つの磁石ではなく、結晶粒子の粒界などによって磁性が不連続となっていてもよいことを意味している。粒界は結晶の不連続のみではなく、Crが偏析していてもよく、さらに微少量の酸化物を含有させて偏析させても良い。ただし補助記録層124に酸化物を含有する粒界を形成した場合であっても、磁気記録層122の粒界よりも面積が小さい(酸化物の含有量が少ない)ことが好ましい。補助記録層124の機能と作用については必ずしも明確ではないが、磁気記録層122のグラニュラー磁性粒と磁気的相互作用を有する(交換結合を行う)ことによってHnおよびHcを調整することができ、耐熱揺らぎ特性およびSNRを向上させていると考えられる。またグラニュラー磁性粒と接続する結晶粒子(磁気的相互作用を有する結晶粒子)がグラニュラー磁性粒の断面よりも広面積となるため磁気ヘッドから多くの磁束を受けて磁化反転しやすくなり、全体のOW特性を向上させるものと考えられる。
また本実施形態においては、垂直磁気記録媒体100は補助記録層124を備える構成をとっているが、垂直磁気記録媒体100をビットパターンメディアとする場合には、補助記録層124を備えなくてもよい。
(磁気パターン形成工程)
次に、本実施形態の磁気記録層122に、所定のパターンで磁性記録部と非記録部とを形成する磁気パターン形成工程について詳述する。ここで、磁気パターン形成工程は、上記磁気記録層122の成膜(磁気記録層成膜工程)直後に行ってもよいし、補助記録層124または保護層126を成膜した(補助記録層成膜工程または保護層成膜工程)後に行ってもよい。なお、本実施形態では、磁気パターン形成工程を、補助記録層124を成膜した後に行う。
図2は、第1実施形態にかかる磁気パターン形成工程について説明するための図である。図3は、DLC膜成膜工程以降の工程を説明するための図である。なお、図2および図3において、理解を容易にするために非磁性グラニュラー層120よりディスク基体110側の層の記載を省略する。磁気パターン形成工程は、レジスト層成膜工程、パターニング工程、磁気記録層エッチング工程、レジスト層除去工程、DLC膜成膜工程、充填層成膜工程、焼結工程、平坦化工程が含まれる。以下、磁気パターン形成工程の詳細について説明する。
<レジスト層成膜工程>
図2(a)に示すように、補助記録層124を介して、磁気記録層122の上に、スピンコート法を用いてレジスト層130を成膜する。レジスト層130としてシリカを主成分とするSOG(Spin On Glass)、一般的なノボラック系のフォトレジスト等を好適に利用できる。
<パターニング工程>
図2(b)に示すように、レジスト層130にスタンパ132を押し当てることによって、磁気パターンを転写する(インプリント法)。これにより、レジスト層130が加工され、かかるレジスト層130の厚さが部分的に変化する。スタンパ132は、転写しようとする磁性記録部と非記録部との所定のパターンに対応する凹凸パターンを有する。なお、スタンパには、磁性記録部および非記録部の所定パターン以外にも、プリアンブル、アドレス、およびバースト等のサーボ情報を記憶するためのサーボパターンに対応する凹凸パターンを設けることも可能である。
スタンパ132によってレジスト層130に磁気パターンを転写した後、スタンパ132をレジスト層130から取り除くことにより、レジスト層130に凹凸パターンが形成される。本実施形態では、スタンパ132の表面にフッ素系剥離剤を塗布している。これにより、レジスト層130から良好にスタンパ132を剥離することが可能となる。
なお本実施形態では、パターニングにおいてスタンパ132を用いたインプリント法を利用しているが、フォトリソグラフィ法も好適に利用することができる。ただし、フォトリソグラフィ法を利用する場合には、上述したレジスト層130成膜の際に、フォトレジストをレジスト層130として成膜し、成膜したフォトレジストをマスクを用いて露光・現像し、磁性記録部としての所定のパターンを転写する。
<磁気記録層エッチング工程>
図2(c)に示すように、パターニング工程により所定のパターンにパターニングされたレジスト層130の凹部から、補助記録層124を介して、第1磁気記録層122aおよび第2磁気記録層122bからなる磁気記録層122(図2中、ハッチングで示す。)をイオンミリング(エッチング)し、図2(d)に示すように、パターニングで転写された所定のパターンに基づいて凸部と凹部136を磁気記録層122に形成する。
上記の補助記録層124および磁気記録層122は、Arを用いたIBE(Ion Beam Etching:イオンビームエッチング)によりイオンミリングを行い除去する。本実施形態において、IBEのプラズマ源は、ECRプラズマを利用しているが、これに限定されず、低圧で高密度プラズマが生成可能なICPや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。ECRイオンガンを用いたイオンミリングでは、静止対向型(イオン入射角90°)でエッチングすることで、磁気記録層122に形成される凹部、凸部にテーパを設けず加工することが可能となる。
本実施形態にかかる磁気記録層エッチング工程では、マイクロ波パワー800W、加速電圧400から500V、イオン入射角度は30°から70°まで変化させて磁気記録層122をエッチングする。
上記のイオンミリングを行うことにより、パターニングで転写された凹部の下に存在するレジスト層130、補助記録層124および磁気記録層122(非記録部となる磁気記録層122)を除去することができ、凸部の下に存在する、すなわち磁性記録部となる部分の磁気記録層122を残存させることが可能となる。これにより、凸部の下の磁気記録層122(磁性記録部)を、凹部136を介して物理的に分離させることができる。
また、本実施形態では、磁気記録層122の直下の層である非磁性グラニュラー層120の表面に到達するまで、イオンミリングを行う。これにより、磁気記録層122の磁性記録部としての凸部を確実に分離させることができる。
なお、本実施形態においては補助記録層124成膜後に磁気パターン形成工程を行っているが、本実施形態とは異なり、保護層126成膜後に磁気パターン形成工程を行う場合には、保護層126を、酸素を用いたRIEにより除去する(酸素アッシング)。本実施形態においてRIEのプラズマ源は、低圧で高密度プラズマが生成可能なICPを利用しているが、これに限定されず、ECRプラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。
<レジスト層除去工程>
図2(e)に示すように、レジスト層130をフッ素系ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により除去する。本実施形態ではエッチングガスにSFを用いているが、これに限定されず、CF、CHF、Cからなる群から選択されたいずれか1種または複数の混合ガスも好適に利用することができる。
本実施形態では、レジスト層130としてSOGを用いているため、フッ素系ガスを用いて、エッチングを行っているが、レジスト層130の材質によってガスの種類を適宜変更することはいうまでもない。例えば、レジスト層130としてノボラック系フォトレジストを用いた場合、酸素ガスを用いたRIEが好適である。
また、本実施形態においてRIEのプラズマ源は、低圧で高密度プラズマが生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)を利用しているが、これに限定されず、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。
<DLC膜成膜工程>
レジスト層除去工程においてレジスト層130を除去した後、図3(a)に示すように、凸部および凹部136上に非磁性膜(薄膜)を成膜する。これにより、凸部(磁性記録部となる部分)と凹部136(非記録部となる部分)との界面に非磁性膜が配置されることとなる。したがって、凸部の側面となり露出した磁気記録層122(磁性記録部となる磁気記録層122)が非磁性膜により防護される。したがって、後述する充填層成膜工程において凹部136に充填層を成膜する、すなわち非記録部を形成する際に、充填材(溶質)を溶剤に溶解させた液状質を充填材料として用いても、露出した磁気記録層122への溶剤の接触を防止し、コロージョンの発生を回避することができる。その結果、充填層成膜工程においてスピンコート法により充填層を成膜することが可能となる。
上記の非磁性膜には非磁性材料を用いればよいが、かかる非磁性材料の中でも、C系材料を用いることが好ましい。C(炭素)は溶剤による酸化が生じにくいため、C系材料を用いることにより、非磁性膜を耐溶剤性に優れた膜とすることができるからである。したがって、本実施形態においては非磁性膜を構成する材料としてC系材料を用い、かかる非磁性膜をDLC膜138とした。
DLC(Diamond Like Carbon:ダイヤモンドライクカーボン)膜とは、C(炭素:カーボン)がダイヤモンドライク結合を有するよう、C原子を緻密に成膜した皮膜である。かかるDLC膜138は、CVD法により成膜する。これにより、DLC膜138の膜強度を、スパッタ法によって成膜したものよりも高くすることができる。
なお、本実施形態においては、DLC膜138は凸部および凹部136上のすべての面(凸部および凹部136を構成するすべての面)に成膜されているが、これに限定するものではない。エッチングにより露出した磁気記録層122(磁性記録部となる部分の側面)への溶剤の接触防止という目的を達成するためには、DLC膜138は少なくとも磁気記録層122(磁性記録部)の側面に設けられていればよい。
<充填層成膜工程>
DLC膜成膜後の凹部136に、図3(b)に示すように充填層140(図3中、クロスハッチングで示す。)を成膜する。これにより、凹部136が非記録部となり、磁気記録層122に面内方向に磁性記録部と非記録部とが形成される。したがって、当該垂直磁気記録媒体100をパターンドメディアとすることができる。
本実施形態では、上述したDLC膜成膜工程において凸部および凹部136上にDLC膜138が成膜されており、かかるDLC膜138により磁気記録層122(磁性記録部となる部分の側面)への溶剤の接触を防止できることから、充填層140の成膜にスピンコート法を用いる。これにより、スパッタリングを用いた場合と比較し、充填層成膜工程において凸部上に成膜される皮膜140aの厚みを低減することが可能となる。したがって、かかる皮膜140aのエッチングに要する時間および電力を低減することができ、当該垂直磁気記録媒体100の製造効率を向上することが可能となる。
充填層140には、非磁性材料または非硬磁性材料からなる充填材を用いるとよい。これにより、充填層140により形成される非記録部を非磁性または硬磁性とすることができ、磁性記録部の磁気的な分離を好適に行うことが可能となる。上記の非磁性材料としては、C、Si、Crの群から選択された1または複数の元素を含むとよく、これによれば、非記録部を確実に非磁性とすることができ、磁性記録部を更に好適に分離することが可能となる。
本実施形態においては、充填層140を構成する充填材として、上記の非磁性材料のうち、Si系材料であるSOGを用いる。SOGは、Si(ケイ素)化合物と、添加剤(拡散用不純物、ガラス質形成剤、有機バインダー等)とを有機溶剤(アルコール、エステル、ケトン等)に溶解した液状質であり、例えば、シリカガラス、水素化シルセスキオキサンポリマー(HSQ)、水素化アルキルシロキサンポリマー(HOSP)、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー(MSQ)等を例示することができる。
SOGは溶剤に溶解する。したがって、充填材としてSOGを用いることにより、これによる皮膜140aが凸部上に形成されたとしても、後述する平坦化工程においてかかる皮膜140aを溶剤を用いて容易に除去することができ、平坦化を容易に行うことが可能となる。また、DLC膜138の表面にSOGが残存したとしても、SOGは非磁性物質であるため、磁気記録層122の磁気特性に影響を与えることなく、SNRを維持することが可能となる。
上記説明したように、本実施形態にかかるDLC膜成膜工程および充填層成膜工程を行うことにより、垂直磁気記録媒体100の非記録部には、DLC膜138および充填層140が成膜される。したがって、かかる非記録部は、SOG(非磁性材料)からなる充填層140(充填材)と、充填層140と磁性記録部との界面に配置されたDLC膜138(非磁性膜)とを含むこととなる。なお、上述したように充填材は非硬磁性材料としてもよい。
また、本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100をディスクリートトラクメディアとする場合には、補助記録層124が凹部136によって分断されても、トラック方向に連続していることになる。このため補助記録層124はトラック方向に隣接する磁性粒子に亘って磁気的に連続することとなり、補助記録層124としての役割を発揮することができる。これに対し、垂直磁気記録媒体100をビットパターンメディアとする場合には、記録ビット単位で補助記録層124も分断されてしまう。このため、ビットパターン型である場合には、補助記録層124を設けなくてもよい。さらには、充填層140を成膜後に、隣接する凸部にある補助記録層124を接続するように、凹部136に補助記録層124を再成膜してもよい(補助記録層再成膜)。再成膜する補助記録層124の膜厚は、当然に凸部にある補助記録層124の膜厚と略等しくすることが好ましい。
<焼結工程>
充填層140を成膜した後に、当該垂直磁気記録媒体100を加熱し、充填層140を焼結する。これにより、凹部136に充填された充填層140は凹部136内において凝固する。したがって、後述する平坦化工程において溶剤を用いた際に、凹部136に充填された(充填層140となった)SOGの溶剤への再溶解を防止することができる。
<平坦化工程>
図3(c)に示すように、溶剤を用いて当該垂直磁気記録媒体100の主表面を平坦化する(凸部上の皮膜140aを除去する)。上述したように、垂直磁気記録媒体100では、磁気記録層エッチング工程において磁気記録層122に形成された凸部と凹部136上(磁気記録層122上)にDLC膜138が成膜されているため、かかるDLC膜138により磁気記録層122が防護される。したがって、本実施形態のように平坦化工程において溶剤を用いたとしても、コロージョンの発生を回避することができ、主表面の平坦化を容易に行うことが可能となる。これにより、平坦化に要する時間および電力を削減することができ、垂直磁気記録媒体100の製造効率を向上することが可能となる。なお、上記の溶剤としては、有機溶剤を好適に用いることができる。有機溶剤は安価であるため、製造コストの低下を図ることが可能となる。
(保護層成膜工程)
図3(d)に示すように、上記説明した磁気パターン形成工程を施した垂直磁気記録媒体100上に、保護層126を成膜する。保護層126は、真空を保ったままカーボンをCVD法により成膜して形成することができる。保護層126は、磁気ヘッドの衝撃から垂直磁気記録媒体100を防護するための層である。一般にCVD法によって成膜されたカーボンはスパッタ法によって成膜したものと比べて膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対してより有効に垂直磁気記録媒体100を防護することができる。
なお、本実施形態においては行っていないが、保護層126を成膜した後に、再度主表面の平坦化を行ってもよい(再平坦化工程)。かかる再平坦化工程では、保護層126成膜後の垂直磁気記録媒体100の表面を、酸素を用いたRIEにより平坦化する(酸素アッシング)。RIEによって突出した部分から優先的にエッチングされるため、その表面を全体的に平坦にすることができる。これにより、垂直磁気記録媒体100の平坦度がさらに向上し、ヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害をさらに低減させることができる。なお、本実施形態においてRIEのプラズマ源は、低圧で高密度プラズマが生成可能なICPを利用しているが、これに限定されず、ECRプラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を利用することもできる。
(潤滑層成膜工程)
垂直磁気記録媒体100に潤滑層128を成膜する。潤滑層128は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜することができる。PFPEは長い鎖状の分子構造を有し、保護層126表面のN原子と高い親和性をもって結合する。この潤滑層128の作用により、垂直磁気記録媒体100の表面に磁気ヘッドが接触しても、保護層126の損傷や欠損を防止することができる。
以上説明したように、第1実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100には、DLC膜成膜工程において凸部および凹部136上にDLC膜138が成膜されるため、かかるDLC膜138により、磁気記録層122(磁性記録部となる部分の側面)への溶剤の接触を防止することができる。これにより、スピンコート法を用いて充填層140を成膜することが可能となり、スパッタリングを用いた場合と比較し、充填層140成膜時に凸部上に成膜される皮膜140aの厚みを低減することができる。したがって、かかる皮膜140aのエッチングに要する時間および電力を低減し、垂直磁気記録媒体100の製造効率を向上することが可能となる。
また、平坦化工程において溶剤を用いることも可能となるため、垂直磁気記録媒体100の主表面の平坦化を容易に行うことができる。これにより、凸部上に成膜される皮膜140aの除去するためにエッチングを行う必要がなくなり、平坦化に要する時間および電力を削減し、垂直磁気記録媒体100の製造効率を更に向上することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明にかかる磁気記録媒体の第2実施形態について説明する。第2実施形態にかかる磁気パターン形成工程は、レジスト層成膜工程、パターニング工程、磁気記録層エッチング工程、レジスト層除去工程、DLC膜成膜工程、充填層成膜工程、平坦化工程が含まれ、平坦化工程において、溶剤を用いた平坦化に替えてRIEによる平坦化を行う。したがって、第2実施形態にかかる磁気記録媒体としての垂直磁気記録媒体の各層の構成については、第1実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100と実質的に同一であり、第2実施形態にかかる磁気パターン形成工程も、充填層成膜工程までは第1実施形態と同一の手法である。このため、第1実施形態において既に述べた要素についての説明を省略し、以下の説明では、第1実施形態との差分、すなわち、平坦化工程についてのみ詳述する。
<平坦化工程>
DLC膜成膜後の凹部136に、図3(b)に示すように充填層140を成膜した後に、図3(c)に示すように、当該垂直磁気記録媒体100の主表面をRIEにより平坦化する。上述したように充填層140はスピンコート法を用いて成膜されるため、スパッタリングを用いた場合と比較し、充填層140成膜の際に凸部上に成膜される皮膜140aの厚みは薄くなる。したがって、RIE(エッチング)に要する時間および電力は、充填層140成膜にスパッタリングを用いた場合よりも低減されるため、当該垂直磁気記録媒体100の製造効率を向上することが可能となる。
なお、第2実施形態の如くRIEにより平坦化工程を行う場合には、焼結工程を行わない。これは、RIEにより充填層140の温度が上昇することで、焼結工程を含む場合と同様に、凹部136に充填された充填層140を凹部136内において凝固させることができるからである。
以上説明したように、第2実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法においても、スピンコート法を用いて充填層140を成膜することで、凸部上に成膜される皮膜140aの厚みを低下させることができるため、RIE(エッチング)に要する時間および電力を低減し、当該垂直磁気記録媒体100の製造効率を向上することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明にかかる磁気記録媒体の第3実施形態について説明する。第3実施形態にかかる磁気パターン形成工程は、レジスト層成膜工程、パターニング工程、磁気記録層エッチング工程、レジスト層除去工程、DLC膜成膜工程、充填層成膜工程、平坦化工程が含まれ、充填層成膜工程において、スピンコート法に替えてスパッタリングを用いる。したがって、第3実施形態にかかる磁気記録媒体としての垂直磁気記録媒体の各層の構成については、第1実施形態にかかる垂直磁気記録媒体100と実質的に同一であり、第3実施形態にかかる磁気パターン形成工程も、充填層成膜工程および焼結工程以外は第1実施形態と同一の手法である。このため、第1実施形態において既に述べた要素についての説明を省略し、以下の説明では、第1実施形態との差分、すなわち、充填層成膜工程についてのみ詳述する。
<充填層成膜工程>
DLC膜138成膜後の凹部136(図3(a)参照)に、充填層140を補助記録層124までの高さと略等しい高さとなるように成膜する。これにより、凹部136が非記録部となり、磁気記録層122に面内方向に磁性記録部と非記録部とが形成される。したがって、当該垂直磁気記録媒体100をパターンドメディアとすることができる。
充填層140には、非磁性材料または非硬磁性材料からなる充填材を用いるとよい。これにより、充填層140が形成される非記録部を非磁性または硬磁性とすることができ、磁性記録部の磁気的な分離を好適に行うことが可能となる。上記の非磁性材料としては、C、Si、Crの群から選択された1または複数の元素を含むとよく、これによれば、非記録部を確実に非磁性とすることができ、磁性記録部を更に好適に分離することが可能となる。
本実施形態においては、充填層140を構成する充填材として、上記の非磁性材料のうち、Cr系材料を用いる。Crは溶剤に溶解するため、充填材としてCrを用いることにより、これによる皮膜140aが凸部上に形成されたとしても、後述する平坦化工程においてかかる皮膜140aを溶剤を用いて容易に除去することができ、平坦化を容易に行うことが可能となる。
なお、充填層140は、バイアスをかけないスパッタ法で成膜する。ここで、ディスク基体110にバイアスをかけながらスパッタを行うバイアススパッタ法を利用すると、凹部136に容易に充填層140を成膜することができるが、バイアス電圧をかけることによるディスク基体110の温度上昇、およびこれに伴うディスク基体110の溶解が生じたり、スパッタダストが生じることによるディスク基体110表面の平坦化への妨げが発生したりするため、バイアスをかけないスパッタ法が好適である。
以上説明したように、第3実施形態にかかる磁気記録媒体の製造方法においても、CVD法により凸部および凹部136上にDLC膜138が成膜されることで、溶剤を用いて主表面の平坦化を行うことが可能となる。したがって、従来のようにスパッタリングにより凹部136に充填層140を成膜したとしても、凸部上に成膜された皮膜140aを溶剤を用いて容易に除去することができるため、従来の平坦化(エッチング)に要する時間および電力を低減し、垂直磁気記録媒体100の製造効率の向上を図ることができる。
なお、上記の第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態において説明したように、磁気記録層エッチング工程において形成された凸部および凹部136上に、DLC膜成膜工程においてDLC膜138(非磁性膜)を成膜することにより、当該垂直磁気記録媒体100の製造工程に、溶剤を用いる工程を含めることが可能となる。したがって、当該垂直磁気記録媒体100の製造工程には、非磁性材料または非硬磁性材料を溶剤に溶解した液状質を用いて凹部136に非磁性または非硬磁性の充填層140を成膜する湿式充填層成膜工程、もしくは当該垂直磁気記録媒体100の主表面を溶剤を用いて平坦化する湿式平坦化工程のいずれか一方または両方を含むことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、上記実施形態では、磁気記録層122がグラニュラー構造を有する2層で構成しているが、これに限定されず、1層もしくは複数層で構成されてもよく、グラニュラー構造を有しなくてもよい。また、上述した実施形態において、本発明にかかる磁気記録媒体を垂直磁気記録媒体100として説明したが、これに限定するものではなく、本発明は面内磁気記録媒体においても好適に用いることができる。
本発明は、磁気記録方式のHDDなどに搭載される磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法として利用可能である。
100 …垂直磁気記録媒体
110 …ディスク基体
112 …付着層
114 …軟磁性層
114a …第1軟磁性層
114b …スペーサ層
114c …第2軟磁性層
116 …前下地層
118 …下地層
118a …第1下地層
118b …第2下地層
120 …非磁性グラニュラー層
122 …磁気記録層
122a …第1磁気記録層
122b …第2磁気記録層
124 …補助記録層
126 …保護層
128 …潤滑層
130 …レジスト層
136 …凹部
138 …DLC膜
140 …充填層
140a …皮膜

Claims (11)

  1. 面内方向に所定のパターンで形成された磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体において、
    前記非記録部は、
    非磁性材料または非硬磁性材料からなる充填材と、
    前記充填材と前記磁性記録部との界面に配置された非磁性膜と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記非磁性膜は、C系材料からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性材料は、C、Si、Crの群から選択された1または複数の元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 当該磁気記録媒体は、前記磁性記録部を主表面に点在させたビットパターンメディアであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 当該磁気記録媒体は、線状に形成した前記磁性記録部と前記非記録部とを半径方向に交互に配置したディスクリートトラックメディアであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 基体上に少なくとも磁気記録層と保護層とを備え、該磁気記録層が面内方向に磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、
    前記レジスト層を加工することで該レジスト層の厚さを部分的に変化させ所定のパターンを形成するパターニング工程と、
    前記磁気記録層をエッチングすることで該磁気記録層に前記所定のパターンに基づいて凸部と凹部を形成する磁気記録層エッチング工程と、
    前記レジスト層を除去するレジスト除去工程と、
    CVD法により前記凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜を成膜するDLC膜成膜工程と、
    スピンコート法により前記凹部に非磁性または非硬磁性の充填層を成膜する充填層成膜工程と、
    当該磁気記録媒体の主表面を平坦化する平坦化工程と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記充填層はSi系材料からなり、
    前記レジスト除去工程後に、当該垂直磁気記録媒体を加熱することで前記充填層を焼結する焼結工程を更に含み、
    前記平坦化工程では、当該磁気記録媒体の主表面を溶剤を用いて平坦化することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記充填層はSi系材料からなり、
    前記平坦化工程では、当該磁気記録媒体の主表面をRIEにより平坦化することを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
  9. 基体上に少なくとも磁気記録層と保護層とを備え、該磁気記録層が面内方向に磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、
    前記レジスト層を加工することで該レジスト層の厚さを部分的に変化させ所定のパターンを形成するパターニング工程と、
    前記磁気記録層をエッチングすることで該磁気記録層に前記所定のパターンに基づいて凸部と凹部を形成する磁気記録層エッチング工程と、
    前記レジスト層を除去するレジスト除去工程と、
    CVD法により前記凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜を成膜するDLC膜成膜工程と、
    スパッタリングにより前記凹部に非磁性または非硬磁性の充填層を成膜する充填層成膜工程と、
    当該磁気記録媒体の主表面を溶剤を用いて平坦化する平坦化工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記充填層はCr系材料からなることを特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体。
  11. 基体上に少なくとも磁気記録層と保護層とを備え、該磁気記録層が面内方向に磁性記録部と非記録部とを有する磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記磁気記録層の上にレジスト層を成膜するレジスト層成膜工程と、
    前記レジスト層を加工することで該レジスト層の厚さを部分的に変化させ所定のパターンを形成するパターニング工程と、
    前記磁気記録層をエッチングすることで該磁気記録層に前記所定のパターンに基づいて凸部と凹部を形成する磁気記録層エッチング工程と、
    前記レジスト層を除去するレジスト除去工程と、
    CVD法により前記凸部および凹部上にC系材料からなる薄膜を成膜するDLC膜成膜工程と、を含み、
    非磁性材料または非硬磁性材料を溶剤に溶解した液状質を用いて前記凹部に非磁性または非硬磁性の充填層を成膜する湿式充填層成膜工程、もしくは当該磁気記録媒体の主表面を溶剤を用いて平坦化する湿式平坦化工程のいずれか一方または両方を更に含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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