JP2010197731A - 情報表示用パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】対向する電極間に同じ電圧を印加しても、セル内に配置された表示媒体の組み合せに適した電界を付与してエリアカラー表示できる情報表示用パネルを提供する。
【解決手段】少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した、少なくとも2種類の表示媒体を、パネル基板間に隔壁で囲んで形成した複数のセルのそれぞれに配置し、2枚のパネル基板の双方に設けた電極が互いに対向して形成する対電極間に形成した電界で反転駆動させて情報を表示するようにした情報表示用パネルにおいて、表示画面に、表示色を変えて情報を表示する表示エリアが2エリア以上形成してあり、前記表示エリアごとに、対向する電極の一方の電極厚を調整することによって電極間の間隔が設定してある。
【選択図】図5

Description

本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、異なる表示色の表示媒体を構成するカラー粒子を封入してカラー表示する情報表示用パネルに関し、特に表示画面(全表示エリア)を複数の表示エリアに区分し、この表示エリア毎に表示色を変化させて画像等の情報を表示可能に構成してある、いわゆるエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルに関するものである。特に、パッシブ駆動でドットマトリックス表示やセグメント表示を行う情報表示用パネルに関する。
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として駆動させる帯電粒子移動型表示パネルとして、パネル基板間を隔壁で仕切って構成し、その隔壁で囲まれた小部屋(セル)内に、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した、少なくとも光学的反射率および帯電特性が互いに異なる、少なくとも2種類の表示媒体を封入し、基板に設けた対電極間に電界を形成して表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する表示パネルが知られている。
少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した、少なくとも光学的反射率および帯電特性が互いに異なる、少なくとも2種類の表示媒体として、色と帯電極性とが異なる2種類の表示媒体(2種類の粒子群)の組み合せを1つのセル内に配置し、また、色と帯電極性とが異なる別の2種類の表示媒体である粒子群の組み合せを別の1つのセル内に封入し、互いに別の表示媒体である粒子群の組み合せが配置されてなるセルは別々のセル群として集めて、表示画面を複数に分割した領域(エリア)ごとに配置してエリア別カラー表示を行う方式の情報表示用パネルも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−301030号公報
少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した、少なくとも光学的反射率および帯電特性が互いに異なる、少なくとも2種類の表示媒体として、色と帯電極性とが異なる2種類の表示媒体である粒子群の組み合せを1つのセル内に封入し、また、色と帯電極性とが異なる別の2種類の表示媒体である粒子群の組み合せを別の1つのセル内に配置し、互いに別の表示媒体である粒子群の組み合せが配置されてなるセルは別々のセル群として集めて、表示画面を複数に分割した表示エリアごとに配置してエリアカラー表示を行う方式の情報表示用パネルでは、一般に観察側基板の電極厚さはすべて同じであり、背面側基板の電極厚さもすべて同じであり、2枚の基板を対向させたときに形成される電極間距離は表示エリアの何処においても同じ間隔(ギャップ)となるため、対向対電極に電圧を印加することによって形成する電界は、印加電圧が同じ大きさであれば同じ大きさとなる。従って、これまでのエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルでは、どのセルどの表示エリアに対しても同じ大きさの電界を付与して表示媒体が駆動されていた。
図8(a)、(b)は、それぞれ従来のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。図8(a)に示す例では、黒/白表示エリアと赤/白表示エリアとを用いてエリア別にカラー表示を行い、図8(b)に示す例では、黒/黄表示エリアと黒/白表示エリアとを用いてエリア別にカラー表示を行っている。また、この図8はライン電極を対向直交交差させて形成した対電極を用いてパッシブ駆動でドットマトリックス表示を行うものとして示している。図8(a)、(b)に示す例では、表示エリアが異なっていても、パネル基板51と52との間隔、言い換えると、パネル基板51に設けた電極55とパネル基板52に設けた電極56との電極間ギャップ(対向する電極の間隔)は、隔壁54に基づいて等間隔となっており、封入した粒子に同じ大きさの電界を作用させるような設計となっている。
しかるに、色と帯電性とを有する粒子を含んだ粒子群(言い換えれば表示媒体)ごとにその駆動性は異なり、さらに、互いに色と帯電極性とが異なる表示媒体の組み合せごとにも異なる。つまり、ある組み合せにおいては駆動しやすい電界の大きさであっても、別の表示媒体の組み合せにおいては駆動しやすい電界の大きさではないことがあり、全てのセルに同じ大きさの電界を付与する方法では、粒子群(言い換えれば表示媒体)が駆動し難い領域が出来てしまう不具合があった。
また、エリア別カラー表示のため分割した表示エリア毎に配置したセルに印加する電圧の大きさを変えて、セルごとに電界の大きさを適正にする方法も考えられる。しかし、この方法は、個別の画素ごとに駆動させる方式の情報表示用パネルやアクティブ駆動方式の情報表示用パネルには適用できるが、パッシブマトリックス駆動方式の情報表示用パネルには適用できない。また、この方法を個別の画素ごとに駆動させる方式やアクティブ駆動方式の情報表示用パネルに適用した場合にも、印加する電圧の大きさをセルごとに調整する特別な装置を付加しなければならずパネルの製造コストが上昇してしまう。
本発明の目的は、上述した問題点を解消して、対向する電極間に同じ大きさの電圧を印加しても、セル内に配置された表示媒体の組み合せに適した大きさの電界を付与可能として、表示画面全体で表示媒体の駆動性が良好で、表示書換えをスムーズに行えるエリア別カラー表示をするパッシブ駆動方式の情報表示用パネルを提供するものである。
上記目的は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した、少なくとも2種類の表示媒体を、パネル基板間に隔壁で囲んで形成した複数のセルのそれぞれに配置し、2枚のパネル基板の双方に設けた電極が互いに対向して形成する対電極間に形成した電界で反転駆動させて情報を表示するようにした情報表示用パネルにおいて、
表示画面に、表示色を変えて情報を表示する表示エリアが2エリア以上形成してあり、前記表示エリアごとに、対向する電極の一方の電極厚を調整することによって電極間の間隔(ギャップ)を設定してある、ことを特徴とする情報表示用パネルにより達成できる。
また、前記対向する電極は、観察側の透明なパネル基板の表示画面領域に形成されたライン電極と、背面側のパネル基板の表示画面領域に形成されたライン電極とを、互いに直交させて形成したものであって、背面側パネル基板の表示画面領域に形成されたライン電極厚を調整して、前記対向する電極間の間隔を前記表示エリアごとに設定することができる。
また、前記対向する電極は、観察側の透明なパネル基板の表示画面領域に形成されたセグメント電極と、背面側のパネル基板の表示画面領域に形成されたセグメント電極とを、対向させて形成したものであって、背面側パネル基板の表示画面領域に形成されたセグメント電極厚を調整して、前記対向する電極間の間隔を前記表示エリアごとに設定することができる。
そして、前記表示媒体とする粒子群を収納するセルを形成するための隔壁を、対向する電極の位置および形状に合せて形成するのが望ましい。ドット画素によるドットマトリックス表示をパッシブ駆動で行う場合に、またセグメント画素によるセグメント表示をパッシブ駆動で行う場合に、それぞれドット画素とセルとが1対1対応しなくても、またセグメント画素とセルが1対1に対応しなくても、ドット画素やセグメント画素に基づいて情報を表示できる。しかし、ドット画素とセルとが1対1に対応し、またセグメント画素とセルが1対1に対応させた構造とした方が、画素内に隔壁が配置されることによる非表示領域ができないので良好な情報の表示を行える点で好ましい。
本発明によれば、一方のパネル基板の電極厚を調整することにより対向する電極間の間隔(ギャップ)を適宜に最適なものに設定し、組み合せて配置された表示媒体を反転駆動させるのに適正な大きさの電界を、表示エリアごとに付与できるように構成したので、表示画面全体に配置された電極間に同じ大きさの電圧を印加しても、表示エリア毎に表示媒体の組み合せに適した電界を付与できる。これにより、表示色が異なる表示エリアが組み合わされて構成した、エリア別カラー表示を採用する情報表示用パネルの表示画面全体で表示媒体駆動性が良好となり、表示書換えがスムーズに行える。パネル基板に設ける電極の厚さを適宜に調整する構造であるので、表示エリア別に電圧制御を行う場合と比較してコスト上昇を抑えることができる。
また、表示画面全体に配置されたそれぞれの対向電極間に同じ大きさの電圧を印加して、同じ表示エリアにある画素に配置された表示媒体の組み合せに適した大きさの電界が付与できるので、パッシブ駆動でドットマトリックス表示を行うエリア別カラー表示方式ディスプレイパネルや、セグメント表示方式のディスプレイパネルにおいて異なる表示エリアが組み合わされて構成される表示画面全体で表示媒体駆動性を良好にすることができ、表示エリア内の表示むらがなくなり、表示エリア内および表示画面全体での表示品質が向上する。
(a)、(b)は本発明の対象となる情報表示用パネルの原理的構成を説明するために示した図である。 (a)、(b)は本発明の対象となる情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。 (a)及び(b)は本発明の対象となるエリア別カラー表示方式を採用する情報表示用パネルでの電極配置を説明するための図である。 図3(b)におけるA−A矢視方向での情報表示用パネルの構成を模式的に示した図である。 (a)、(b)は、それぞれ本発明にかかるエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。 (a)、(b)は、それぞれ本発明にかかるエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。 情報表示用パネルの使用例を説明するための図であり、(a)及び(b)は情報表示用パネルを電子棚札として採用した場合、(c)は情報表示用パネルを電子POPとして採用した場合について示している図である。 従来の情報表示用パネルにおける問題点を説明するための図である。
まず、本発明のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルの基本構成の一例について説明する。本発明のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルの基本構成の一例では、対向する2枚の基板間の空間に封入した光学的反射率を有する帯電性粒子を含んだ粒子群として構成された表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルの基本構成の例を、図1(a)、(b)〜図7に基づき説明する。まず、本発明の理解を容易とするため、図1(a)、(b)及び図2(a)、(b)を参照して、情報表示用パネルの原理的構成を説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差して形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示(白色3ドット)を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示(黒色3ドット)を行っている。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。なお、ここでは画素とセルを1対1に対応させているが、画素とセルとを1対1に対応させなくてもよい。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(セグメント電極)と基板2に設けた電極6(セグメント電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色セグメント表示を行い、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色セグメント表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。なお、ここでセグメント画素に複数のセルを対応させているが、セグメント画素1個に対してセル1個を設けるようにしてもよい。
次に、本発明の対象となるエリア別カラー表示をマトリックス配置した画素(ドットともいう)をパッシブ駆動させる情報表示用パネルでの電極配置について、図3(a)、(b)に基づき説明する。
図3(a)、(b)で示す例は、観察面側パネル基板および背面側パネル基板の表示画面領域に互いに直交するライン電極5、6を形成し、対向電極対で1画素(1ドットといったり、1ピクセルといったいりする)を構成するドットマトリックスパッシブ駆動方式の例を示している。図3(a)、(b)に示す例では、1画素ごとに2種類の表示媒体の色の表示を可能とする。図3(a)に示す画素(ドットまたはピクセル)の配置において、図3(b)に示すように、別種のカラー表示部分となる表示エリア1と表示エリア2とを規定し、異なる2種類の色の表示媒体を組み合せて表示エリア1と表示エリア2とにそれぞれ配置する。これにより、表示エリア1と表示エリア2とに別色のカラー表示を可能とさせることで、パッシブ駆動でドットマトリックス表示方式のエリア別カラー表示を行っている。例えば、表示エリア1に白色表示媒体と赤色表示媒体との組を配置して白赤ドットマトリックス表示を行い、表示エリア2に白色表示媒体と黒色表示媒体との組を配置して白黒ドットマトリックス表示を行うことができる。
図3は、複数のドット(画素)のうち同じ2種類の表示媒体が配置されたドットを集めて第1の表示エリア(表示エリア1)を形成し、別の同じ2種類の表示媒体が配置されたドットを集めて第2の表示エリア(表示エリア2)を形成し、表示領域全体に対して、同じ2種類の表示媒体が組み合わされて配置されたドットを集めた、互いに異なる表示を行う表示エリアを2エリア以上形成し、組み合せて配置された2種類の表示媒体を反転駆動させるのに適正な大きさの電界を、表示エリアごとに付与できるように構成し、エリア別カラー表示方式の情報表示用パネルする場合を示したものである。
なお、更に他の図を示しての説明は省略するが、この点はセグメント表示型の情報表示用パネルも同様である。すなわち、セグメント表示方式の場合は、表示したい形状の画素(セグメント画素)に対向した電極が互いに対向して形成されていて、このセグメント画素(いいかえればセグメント電極)を囲むように隔壁を形成して、セグメント画素の形状に合わせたセルを配置し、このセルの中に2種類の表示媒体を配置する構成がとられる。同じ構成のセグメント画素を同じ表示エリアに集めて1表示エリアを形成し、前記とは別の2種類の表示媒体を配置する構成がとられたセグメント画素を同じ表示エリアに集めて別の1表示エリアを形成し、表示領域全体に対して、同じ2種類の表示媒体が組み合わされて配置されたセグメント画素を集めた、互いに異なる表示を行う表示エリアを2エリア以上形成し、組み合せて配置された2種類の表示媒体を反転駆動させるのに適正な大きさの電界を、表示エリアごとに付与できるように構成すればよい。
表示したい形状の画素(セグメント画素)を囲むようにパネル基板間ギャップ確保用の隔壁を形成し、さらにその内側、すなわち、セグメント画素内にセグメント画素よりも小さなセルを形成するようにセル形成用隔壁を設けて配置したセルの中に2種類の表示媒体を配置する構成をとってもよい。
そして、本発明のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルにおける特徴は、上述した構成のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルにおいて、表示エリアごとに、組み合せて配置された表示媒体をパッシブ駆動するのに適正な大きさの電界が付与できるよう構成した点にある。
図4を参照して説明する。この図4は、図3(b)におけるA−A矢視方向での情報表示用パネルの構成を模式的に示した図である。
ドットマトリックス表示方式をパッシブ駆動で行う場合には、ロウ側ライン電極6とカラム側ライン電極5とを対向直交交差させて形成したマトリックスドット(画素)で構成される表示画面を複数に分割して表示色を変えて情報表示を行う表示エリアごとに、その対向する電極間ギャップを、その表示エリアに配置された同じ2種類の表示媒体の組み合せに適正な大きさの電界が付与されるような適正ギャップとする。なお、ここでは観察側のパネル基板2と背面側のパネル基板1とは、共に電極が配置される内側面は平坦に形成され、一定距離をもって平行に配置されている。
またセグメント表示方式とする場合も上記と同様で、背面側セグメント電極と観察側セグメント電極とを対向させて形成したセグメント画素で構成される表示画面を複数に分割した表示エリア(領域)ごとに、その対向する電極間ギャップを、その表示エリアに配置された同じ2種類の表示媒体の組み合せに適正な大きさの電界が付与されるような適正ギャップとする。
パネル基板に設けた電極が対向して形成する対電極に電圧を印加することによって形成する電界の大きさは、印加する電圧の大きさが同じであっても、電極間ギャップを変えることによって変えることができる。
これによって、表示画面全体に同じ大きさの電圧を印加しても、表示エリアごとに、その領域に配置された2種類の表示媒体の組み合せに対して適正な大きさの電界を付与できる。
上記の観点を踏まえ、本発明では2枚のパネル基板に配置され、互いに対向配置される電極(対向対電極)の一方の厚さを、表示エリアごとに調整することで電極間ギャップを適宜に変更する。
ここで、表示画面を複数に分割した表示エリアごとに対向する電極間のギャップ(間隔)を適正ギャップとするためにパネル基板に設けた電極において、表示エリアに対応して電極の厚さを変更する。これにより、2枚のパネル基板間を貼り合わせて形成するセル空間における対向する電極間のギャップ(間隔)が、それぞれのセルにおいて適正なギャップとなるように簡単に調整できる。
例えば、情報表示用パネルについて第1の表示エリアに最適な電界が得られえる電圧を特定する。このときに、他方の第2の表示エリアにおける電界の状態を確認して、この表示エリアで使用される表示媒体に最適な電界が得られる電極間のギャップとなるように電極厚みが調整される。その際には、パネル基板に設けた一方の電極の厚みを適宜に調整して、最適な電極間ギャップを設定するので効率良く実行できる。
なお、パネル基板上に電極を形成し、形成した電極面が内側になるように向かい合わせて2枚のパネル基板を重ね合わせる。電極は基板の内側に、電極の厚さ分出ている構造となるので、厚さの大きな電極が対向して形成する対向電極対間の距離は小さくなる。
ドットマトリックス表示方式の情報表示用パネルでは、ドットマトリックス画素に合せて、表示媒体を収納するセルを隔壁で囲んで形成し、そのセル形状は正方形ないし長方形とするのが好ましい。この場合、これらのドットを複数集めて所望のカラーを表示する表示エリアを構成する、異なるカラー表示を行う2以上の表示エリアはそれぞれ四角形状の領域となる。パネル基板に設ける電極をライン状電極として、パッシブ駆動でドットマトリックス表示を行うことができる。
セグメント表示方式の情報表示用パネルも同様であり、セグメント画素となるセグメント電極の形状に合せて配置するセルの形状はセグメント電極と同じ大きさで同じ形状としたり、セグメント電極形状を分割した形状となるように、表示媒体を収納するセルを隔壁で囲んで形成しセグメント表示を行うことができる。
本発明は、前述したように表示エリア毎に電極の厚さを変えるものであるが、図4で示すように背面側のパネル基板1の電極5において行うのが好ましい。観察側のパネル基板2の電極6は透明電極とする必要があり、光透過性の観点から厚くすることは好ましくなく、厚さの調整は、光透過性を考慮する必要がない背面側パネル基板1に配置する電極5において行うのが好ましい。
なお、パネル基板間に設ける隔壁には、パネル基板間ギャップ確保機能を担う基板間ギャップ確保用隔壁と、表示媒体である粒子群がパネル基板と平行な方向に移動することを抑制する機能を担うセル形成用隔壁などがあり、基板間ギャップ確保用隔壁の幅は、20μm〜100μmの範囲が好ましく、セル形成用隔壁の幅は、5μm〜30μmの範囲で、できるだけ細くすることが好ましい。また、セル形成用隔壁は基板間ギャップ確保用隔壁の高さよりも低くしてもよく、表示媒体である粒子群がパネル基板と平行な方向に移動することを抑制する機能を損なわない範囲とする。さらにまた、セル形成用隔壁は双方のパネル基板の対向位置に形成し、パネル基板を貼り合わせたときに対向する構成としてもよく、この場合、対向部分を接合してもよいし接合しなくてもよい。
パネル基板間ギャップ確保用隔壁の形状や配置は画素形状および画素配置に合せた形状とするが、セル形成用隔壁の形状や配置は自由に設計できる。配置としては、格子状、ハニカム状、網目状などがあり、セルの横断面形状としては、四角形、三角形、六角形、階段型六角形、階段型八角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形等いずれでも良いし、複数の形状を組み合せても良い。表示部の開口率を大きくできる点からは四角形や六角形や階段型六角形、階段型八角形が好ましく、表示媒体を構成する粒子を移動しやすくできる点からは角部に丸みを有する形状が好ましい。前記二つの点から角丸付きの四角形や角丸付きの六角形や階段型六角形、階段型八角形が好ましく用いられる。
また、各表示エリアの境界には、セル形成とパネル基板間ギャップ確保との両機能を担う隔壁として境界隔壁を形成し、各表示エリアの内側には、セル形成とパネル基板間ギャップ確保との両機能を担う基板間ギャップ確保用隔壁およびセル形成の機能のみを担うセル形成用隔壁を形成するとともに、各隔壁の幅の関係が、境界隔壁の幅>基板間ギャップ確保用隔壁の幅>セル形成用隔壁の幅、とするのが好ましい。境界隔壁の幅を50μm〜200μmの範囲で太くすることで、表示エリアの境界が明確になるとともに、パネル基板との貼り合わせに用いる接着剤を幅広く配置してしっかりと接合できるようになる。また、各表示エリアの内側に配置する基板間ギャップ確保用隔壁の幅を20μm〜100μmの範囲とし、各表示エリアの内側に配置するセル形成用隔壁の幅を5μm〜30μmの範囲とすることも好ましい。隔壁部分は非表示部分となるためできるだけ隔壁の幅は狭くしたいが、パネル基板間ギャップを確保するために基板を支えるだけの強度が必要であり、それに応えられるのが前記範囲となる。セル形成用隔壁には基板を支える機能を持たせなくてもよいので細くすることができ、実際に作製できる幅の範囲が前記範囲となる。
更に、図を参照して、本発明のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルにおけるパネル構造について説明する。図5(a)、(b)および図6(a)、(b)は、それぞれ本発明にかかるエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
図5(a)、(b)に示す例では、観察側の透明パネル基板2上の表示画面に設けた透明ライン電極6と背面側のパネル基板1上の表示画面領域に設けたライン電極5とから構成される、パッシブ駆動でドットマトリックス表示方式の情報表示用パネルを示している。この情報表示用パネルはパネル基板1、2間のギャップを保持するための基板間ギャップ確保用隔壁4−1、表示媒体の基板に平行な方向への移動を抑制するためのセル形成用隔壁4−2が設けられている。さらに、中央の隔壁4−3(4−1)を境界として左右で表示色が異なる表示エリアが設定されている。このように表示エリア間に位置する境界隔壁4−3の幅を厚く形成することが好ましく、これによって表示画面を見たときに表示エリア間の境界を明確化することができる。
図5(a)に示す例では、正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bと、正帯電性赤色粒子3Raを含んだ粒子群として構成した赤色表示媒体3Rと、負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wとを使用し、黒/白表示エリアと赤/白表示エリアとを用いてエリア別カラー表示を行い、表示エリアごとに対向する電極間のギャップ(対電極間距離)を異ならした例を示している。
本例では、白色表示媒体3Wおよび黒色表示媒体3Bの組み合せと白色表示媒体3Wおよび赤色表示媒体3Rの組み合せとの各組み合せにおいて、粒子群としての移動性の差を予め求めることで、求めた結果に応じて、赤/白表示エリアの電極間ギャップの方が黒/白表示エリアの電極間ギャップよりも狭くなるように構成している。
具体的には、電極厚さが、白表示エリアにおける電極5Bよりも赤/白表示エリアにおける電極5Aの方を厚く形成してある。これにより、同じ電圧で表示媒体を駆動させたとき、それぞれのエリアでの駆動に最適な電界を得るために最適な電極間のギャップを設定する。よって、それぞれの表示エリアで最適な電界を発生させることができる。
また、図5(b)に示す例では、正帯電性黒色粒子3Baを含んだ黒色表示媒体3Bと、負帯電性黄色粒子3Yaを含んだ粒子群として構成した黄色表示媒体3Yと、負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wとを使用し、黒/黄表示エリアと黒/白表示エリアとを用いてエリアカラー表示を行っている。本例では、黒色表示媒体3Bおよび黄色表示媒体3Yの組み合せと黒色表示媒体3Bおよび白色表示媒体3Wの組み合せとの各組み合せにおいて、粒子群としての移動性の差を予め求めることで、求めた結果に応じて、黒/白表示エリアの電極間ギャップが黒/黄表示エリアの電極間ギャップよりも狭くなるように電極5Aを厚く構成している。その点以外の構成および動作は図5(a)に示す例と同じである。
図6(a)、(b)に示す例は、観察側の透明パネル基板2上の表示画面領域に設けた透明セグメント電極6と背面側のパネル基板1上の表示画面領域に設けたセグメント電極5とから構成される、セグメント駆動方式の情報表示用パネルを示している。この情報表示用パネルについてもパネル基板1、2間のギャップを保持するための基板間ギャップ確保用隔壁4−1、表示媒体の基板に平行な方向への移動を抑制するためのセル形成用隔壁4−2、表示エリア間に位置する境界隔壁4−3が設けられている。
図6(a)に示す例では、正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bと、正帯電性赤色粒子3Raを含んだ粒子群として構成した赤色表示媒体3Rと、負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wとを使用し、黒/白表示エリアと赤/白表示エリアとを用いてエリア別カラー表示を行い、表示エリアごと配置する対向セグメント電極間のギャップを異ならした例を示している。
本例では、白色表示媒体3Wおよび黒色表示媒体3Bの組み合せと白色表示媒体3Wおよび赤色表示媒体3Rの組み合せとの各組み合せにおいて、粒子群としての移動性の差を予め求めることで、求めた結果に応じて、赤/白表示エリアのセグメント電極間ギャップを黒/白表示エリアのセグメント電極間ギャップよりも狭くなるように構成している。
具体的には、セグメント電極の厚さが、黒/白表示エリアにおける電極5Bよりも、赤/白表示エリアにおけるセグメント電極5Aの方が厚く形成してある。これにより各表示エリアで最適なセグメント電極間のギャップを設定し、同じ電圧で表示媒体を駆動させたとき、それぞれの表示エリアに適した電界を発生させることができる。
また、図6(b)に示す例では、正帯電性黒色粒子3Baを含んだ黒色表示媒体3Bと、負帯電性黄色粒子3Yaを含んだ粒子群として構成した黄色表示媒体3Yと、負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wとを使用し、黒/黄表示エリアと黒/白表示エリアとを用いてエリア別カラー表示を行っている。本例では、黒色表示媒体3Bおよび黄色表示媒体3Yの組み合せと黒色表示媒体3Bおよび白色表示媒体3Wの組み合せとの各組み合せにおいて、粒子群としての移動性の差を予め求めることで、求めた結果に応じて、黒/白表示エリアのセグメント電極間ギャップが黒/黄表示エリアのセグメント電極間ギャップよりも狭くなるようにセグメント電極5Aを厚く構成している。その点以外の構成および動作は図6(a)に示す例と同じである。
ここではセグメント画素を囲むようにパネル基板間ギャップギャップ確保用の隔壁を形成し、さらにその内側、すわわち、セグメント画素内にセグメント画素よりも小さいセルを形成するようにセル形成用隔壁を設けて配置したセルの中に2種類の表示媒体を配置する構成とっている。つまり、図6(a)、(b)の左側に1セグメント画素を示し、図6(a)、(b)の右側に別1セグメント画素を示し、それぞれのセグメント画素が、隔壁4−3によって、分けられた左右別の表示エリアに配置されるようにしている。
図7は、上述した情報表示用パネルの使用例として好適な電子棚札および電子POPについて示した図である。図7は(a)及び(b)は情報表示用パネルを電子棚札として採用した場合、(c)は情報表示用パネルを電子POPとして採用した場合について例示している。いずれの情報表示用パネルも、表示画面領域にライン電極をストライプ状に形成したパネル基板を、ストライプ電極が直交交差するように対向させて形成した四角形画素(ドット)が表示画面領域にマトリックス配置された構成であり、各表示エリアに形成したセルの中にそれぞれ2種類の表示媒体を配置してパッシブ駆動でドットマトリックス表示する構成をとっている。(a)の電子棚札は、「1本140円」の文字を赤白表示で行う赤白表示エリア22RWと、「沖縄県産 ゴーヤ・・・」の文字を黒白表示で行う黒白表示エリア22BWとから構成されている。そして、これら赤白表示エリア22RWと黒白表示エリア22BWとの間はエリア境界隔壁23が形成されている。なお、上記エリア境界隔壁23の幅23Wについては特に限定しないが、例えば、2枚の基板間に隔壁により形成されたセルの幅の1〜5個分に対応する幅であることが好ましい。このエリア境界隔壁を太くし、その部分に対応する観察側パネル基板面のいずれかの面に有色のエリア境界ラインを設けた例を、図7(a)、(b)に示している。図7(a)では観察側パネル基板の外側の面に赤色のエリア境界ラインを設けている。
また、(b)の電子棚札は、「1本140円 5本600円」の文字を赤白表示で行う赤白表示エリア22RWと、「沖縄県のOOさんが・・・」の文字を黒白表示で行う黒白表示エリア22BW、そして「沖縄県産 ゴーヤ」の文字を青白表示で行う青白表示エリア22BuWとの3つの表示エリアで構成されている。そして、これら赤白表示エリア22RW、黒白表示エリア22BW、青白表示エリア22BuWとの間はそれぞれエリア境界隔壁23が形成されている。このエリア境界隔壁を太くし、その部分に対応する観察側パネル基板面のいずれかの面に有色のエリア境界ラインを設けた例を、図7(b)に示している。図7(b)では観察側パネル基板の内側の基板とエリア境界隔壁との間に黒色のエリア境界ラインを設けている。
また、図7(c)は情報表示用パネル21により電子POPを形成した場合である。赤白表示エリア22RWを間に間に挟んで、その上下に黒白表示エリア22BWを設定してある。この3エリアの境界に位置する2境界隔壁を太くした例を、図7(c)に示している。
以下、本発明のエリア別カラー表示方式の情報表示用パネルにおける各特徴部分について詳細に説明する。
基板間ギャップ確保用として設ける基板間ギャップ確保用隔壁や、セル形成専用のセル形成用隔壁の形成材料としては、ドライフィルムレジスト材が好適に用いられる。一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。形成したい隔壁部分の高さに合せた厚みのドライフィルムレジスト材をパネル基板に積層し、所定形状のフォトマスクを用いてフォトリソ法によってパターニングする。境界隔壁の幅は50μm〜200μmの範囲とし、基板間ギャップ確保用隔壁の幅は20μm〜100μmの範囲とし、セル形成用隔壁の幅は5μm〜30μmの範囲とし、図5及び図6で示した各隔壁4−1〜4−3の幅の関係を、表示エリア間の境界隔壁4−3の幅>基板間ギャップ確保用隔壁4−1の幅>セル形成用隔壁4−2の幅となるように設定しておくのが望ましい。
透明基板側の表示画面領域に設ける透明電極の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の透明導電性高分子類が挙げられる。
背面側基板や表示画面領域外に設ける電極の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子類や、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属や、これらの金属を主成分とする合金が挙げられる。背面側基板や表示画面領域外に設ける電極は透明であってもよいし、透明でなくても良い。
電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や金属箔(例えば圧延銅箔)をラミネートする方法、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。パターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、観察側基板の表示画面領域に設ける電極の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。また、背面側基板や表示画面領域外に設ける電極の厚みは、導電性が確保できれば良く、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。
観察側基板の表示画面領域に設ける電極をITO等の金属酸化物を主成分とした電極とする場合には、透明電極材中での断線防止のため、金属細線と併用することが好ましい。この金属細線の幅は、1μm〜10μmとすれば表示視認性の妨げとならないので好ましい。電極をライン状にする場合には、特に金属細線との併用による断線防止を図ることが好ましい。背面側電極は光透過性を考慮する必要がないので電気抵抗が小さい金属材料が好適に用いられる。また、背面側基板や表示画面領域外に設ける電極の厚みは電気抵抗および生産性、コストの観点から、0.01〜10μm程度に設計するのが好ましい。
なお、ライン状の電極を配置する場合に電極の厚さを大きくすると、隣接するライン電極間のスペース部分の表面と電極面との高さギャップが大きくなる。この高さギャップHが、表示媒体として用いる粒子群を構成する粒子の粒子径(平均粒子径)Dに対して大きくなり過ぎるとこのスペース部分に粒子が挟まって動かなくなる場合があるため、H<D/2となるようにする。このときスペースに絶縁材を配置するようにすれば前記関係を容易に構成できるので好ましい。
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体とする粒子群を構成する帯電性粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。帯電性粒子だけで粒子群を構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合せて粒子群を構成して表示媒体としたりして用いられる。粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合せて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の粒子を作製できる。
また、粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、表示媒体としての均一な移動が可能となる。
さらにまた、使用した帯電性粒子の内、最大径を有する帯電性粒子の平均粒子径d(0.5)に対する最小径を有する帯電性粒子の平均粒子径d(0.5)の比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度とし反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
さらに、表示媒体とする粒子群を気体中空間で駆動させる情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、例えば図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、表示媒体3W、3Bの占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに、さらに好ましくは10〜100μm、特に好ましくは10〜50μmの範囲で、表示媒体の組み合せに応じて調整される。
対向する基板間のセル内気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
本発明にかかる情報表示用パネルの実施例として下記のものを作製すると共に、比較例の情報表示用パネルも作製して評価した。
(共通事項)
白色表示媒体/黒色表示媒体の組み合せを配置した第1の表示エリア、白色表示媒体/赤色表示媒体の組み合せを配置した第2の表示エリア2との2表示エリアでエリア別カラー表示を行う左右にそれぞれA7サイズの表示画面領域を有する全表示画面領域がA6サイズの情報表示用パネルを作製した。
観察側のパネル基板および背面側のパネル基板ともに700μm厚のガラス基板を用い、基板間ギャップは50μmとし、表示媒体を収納配置するセルは1ドット(画素)に対して1セルとなるように格子状隔壁で囲んで形成した。マトリックス配置された300μm□のドット(画素)を幅300μmのライン電極で形成して、帯電性粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体を駆動するようにした。2枚のガラス基板の表示画面領域に所定の厚さでライン電極を形成後、観察側パネル基板側で、ITOライン電極の上に厚さ50μmのドライフィルムレジスト材(ニチゴーモートン社製、アルフォNIT2)を積層後にフォトリソ法で格子状の隔壁を、1ドット(画素)に対してセルが1対1に対応するように形成したセル内に所定の表示媒体を配置後、背面側のガラス基板と、隔壁頂上を接合点としてエポキシ系の接着剤で貼り合わせて情報表示用パネルを作製した。
観察側基板のライン電極は、透明なITO導電膜で500nm厚で形成し、背面側基板のライン電極は、銅箔で厚さを調整して形成した。平均粒子径が9.1μmの負帯電性白色粒子を主成分とする白色粒子群を白色表示媒体とし、平均粒子径が8.8μmの正帯電性黒色粒子を主成分とする黒色粒子群を黒色表示媒体とし、平均粒子径が9.0μmの正帯電性赤色粒子を主成分とする赤色粒子群を赤色表示媒体として用いた。
(実施例)
第1の表示エリアに配置する背面側基板の銅箔は厚さを1μmで形成し、第2の表示エリアに配置する背面側基板の銅箔は厚さを3μmで形成した。それぞれの銅箔をエッチングして幅300μmの銅製ライン電極とした。隣接する銅製ライン電極間のスペースには背面側基板であるガラス基板面が露出した構成とした。
(比較例)
第1の表示エリアに配置する背面側基板の銅箔も、第2の表示エリアに配置する背面側基板の銅箔も、ともに厚さを1μmで形成した。隣接する銅製ライン電極間のスペースには背面側基板であるガラス基板面が露出した構成とした。
上記実施例の情報表示用パネルと比較例の情報表示用パネルとのそれぞれについて、同じ駆動条件でテスト画像を表示させ、表示状態を目視で評価した。実施例の情報表示用パネルでは、第1の表示エリアおよび第2の表示エリアのいずれにおいても表示むらのない表示が行え表示エリア全体でも良好な表示状態を得ることができた。これに対して、比較例の情報表示用パネルでは、第1の表示エリアにおいては表示むらのない表示が行えたが、第2の表示エリアにおいては表示むらが発生してしまい表示エリア全体では良好な表示状態を得ることができなかった。
本発明の情報表示用パネルは、表示画面領域を複数の表示画面に分割して、各表示画面(表示エリア)でエリア別にカラー表示ができるものであり、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、外部書換え手段を用いて表示を書き換えるいわゆるリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
1、2 パネル基板
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
3R 赤色表示媒体
3Y 黄色表示媒体
3Wa 負帯電性白色粒子
3Ba 正帯電性黒色粒子
3Ra 正帯電性赤色粒子
3Ya 負帯電性黄色粒子
4 隔壁
5、6 電極

Claims (4)

  1. 少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した、少なくとも2種類の表示媒体を、パネル基板間に隔壁で囲んで形成した複数のセルのそれぞれに配置し、2枚のパネル基板の双方に設けた電極が互いに対向して形成する対電極間に形成した電界で反転駆動させて情報を表示するようにした情報表示用パネルにおいて、
    表示画面に、表示色を変えて情報を表示する表示エリアが2エリア以上形成してあり、前記表示エリアごとに、対向する電極の一方の電極厚を調整することによって電極間の間隔を設定してある、ことを特徴とする情報表示用パネル。
  2. 前記対向する電極は、観察側の透明なパネル基板の表示画面領域に形成されたライン電極と、背面側のパネル基板の表示画面領域に形成されたライン電極とを、互いに直交させて形成したものであって、背面側パネル基板の表示画面領域に形成されたライン電極厚を調整して、前記対向する電極間の間隔を前記表示エリアごとに設定してある、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
  3. 前記対向する電極は、観察側の透明なパネル基板の表示画面領域に形成されたセグメント電極と、背面側のパネル基板の表示画面領域に形成されたセグメント電極とを、対向させて形成したものであって、背面側パネル基板の表示画面領域に形成されたセグメント電極厚を調整して、前記対向する電極間の間隔を前記表示エリアごとに設定してある、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
  4. 前記表示媒体とする粒子群を収納するセルを形成するための隔壁を、対向する電極の位置および形状に合せて形成してある、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
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