JP5046660B2 - 情報表示装置 - Google Patents
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Description
さらに、情報表示用パネルを利用して手書き書込み可能な情報表示装置を考えた場合、視認側に配置する電極をいわゆるベタ電極(導電膜)とすると、書込み時にベタ電極が変形することとなり、電極(導電膜)が割れるという問題が起こりうる。
H1/10≦H2≦H1/2
とすることを特徴とするものである。
図5(a)において、情報表示装置は、表示装置前面パネルと、表示パネルと、表示装置前面パネルおよび表示パネル間ギャップ(間隔:H2)とから構成される。表示装置前面パネルは、可とう性透明基板11と、前面パネル透明導電膜12(金属製細線23付き)とを構成し、透明で可とう性である。表示パネルは、表示パネル前面基板13と、表示媒体の封入部分と、表示装置背面パネルとを構成する。表示パネル前面基板13は、透明であり、可とう性はあってもなくても良い。表示装置背面パネルは、背面パネル導電膜14と、背面パネル基板15とを構成する。表示装置背面パネルは、透明であってもなくてもよく、また、可とう性もあってもなくてもよい。
前面パネル透明導電膜12と背面パネル導電膜14との間隔をギャップH1とし、前面パネル透明導電膜12と表示パネル前面基板13との間隔をギャップH2とする。ギャップH2は、ギャップH1に対して、H1/10≦H2≦H1/2とすることが好ましい。H2<H1/10の場合は、表示装置前面パネルの変形量が不十分となり、背面側導電膜との間に形成される電界が駆動閾値にならないという不都合がある。H1/2<H2の場合は、書込み器で変形させる表示装置前面パネルの変形量が大きくなりすぎ、表示装置前面パネルに設けた透明導電膜が割れたり、基板から剥がれたり、金属製細線23に断線が発生したりして、導電膜(ベタ電極または小面積電極群)としての機能を果たさなくなることが発生する不都合がある。
図5(b)〜(d)は、書込み器20を表示装置前面パネルに押し付け、表示パネル内の表示媒体を移動させる様子を示し、図5(b)は書込み前、図5(c)は書込み中、図5(d)は書込み後の様子を示す。
前面パネル透明導電膜12と背面パネル導電膜14との間(対電極間)には、予め、表示媒体が駆動する電界強度となる閾値よりも小さな電界が付与される電位差(電圧)を与えておく。ペン等の書込み器20を表示装置前面パネルに押し付けると、表示装置前面パネルの変形により対向する導電膜間距離が小さくなり、対向する導電膜間に形成される電界が大きくなり表示媒体駆動電界閾値以上になり、表示媒体が駆動され、表示がなされる。
図5(c)に示すように、書込み器20を表示装置前面パネルに押し付けることで、表示パネル前面基板13の方向に変形させて、対向する導電膜間距離が小さくなり、正帯電黒色表示媒体が表示装置前面パネル側に移動する。ベタ電極に割れが発生しても金属製細線により直には導通しているため、機能低下は起こらない。
金属材料は、導電性、可とう性には優れているが透明ではないので前面パネル側に配置するには問題があったが、50μm以下(好ましくは、1μm〜50μm、より好ましくは、1μm〜20μm、さらに好ましくは、1μm〜10μm)の幅の細線とすることで、視認性に問題がないことが分かった。
金属製細線の厚み、ベタ電極(小面積電極の場合も含む)の厚みは、10nm〜1000nm(好ましくは10nm〜400nm)の範囲で形成され、互いに同じ厚みでも異なた厚みでもよいが、導電性、可とう性の観点から、金属製細線の厚みを透明電極の厚みよりも大きくすることが好ましい。
金属製細線をマトリックス状に配置する間隔は、視認性の妨げにならないように、50μm〜500μm(好ましくは100μm〜500μm)の範囲で形成される。干渉による視認性の妨げにならないように厳密な等間隔にはしないことが好ましい。
これらのうち、多角形電極や円形電極を組合せて全面配置して網目状金属製細線で繋いだ構成とするのが、前面パネル全体の可とう性を増す上で好ましい。
図10(a)〜(d)の構成は、表示装置前面パネルを変形させたときに電極群が割れたり、剥がれたりすることを防止する上で好ましい。三角形は図形の基本構造でもあるためか、剛直な電極材料においても可とう性平面の変形追従性が高く、パネルを繰り返し押し込むような使い方を続けた場合の耐久性において有利になる。これは、表示装置前面パネルを変形させたときに電極群が受ける応力を効果的に分散させているためと、推察される。
書込み表示するポイントの大きさ(連続書込みの場合には線の太さになる)は書込み器20のペン先の大きさによって決まる。書込み時には、ペン先を表示装置前面パネルに押し付けるので、パネルへのダメージを低減できるように、ペン先は丸みを付けておくことが好ましい。
背面側パネルを構成する基板18としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリル等の他、ガラスシート、金属シート、石英シートを用いることができる。
表示装置前面パネルの可とう性透明基板11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリル等の可とう性を有する材料のうち透明なものを用いる。可とう性透明基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、可とう性が得にくくなり十分に変形できない場合があるという不都合がある。
表示装置前面パネルに形成する透明ベタ電極(小面積電極の場合も含む)とともに設ける網目状金属製細線の材料としては、銅、アルミニウム、金、銀等、導電性があり可とう変形性のあるの金属材料を用いることができ、幅の範囲を50μm以下(好ましくは、1μm〜50μm、より好ましくは、1μm〜20μm、さらに好ましくは、1μm〜10μm)とし、厚みの範囲を10nm〜1000nm(好ましくは10nm〜400nm)として用いる。
表示装置背面パネルに形成するベタ電極材料としては、酸化インジウム錫(ITO)のほか、酸化亜鉛、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類のほか、銅、アルミニウム、金、銀等、導電性のある一般的な金属材料を用いることができる。
導電膜(電極)や網目状金属細線の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成後、パターニングする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布した後、パターニングしたりする方法が用いられる。背面側パネル基板1に設ける導電膜(電極)は透明である必要はない。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、導電膜(電極)の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側パネル基板1に設ける導電膜(電極)の材質や厚みなどは上述した表示装置前面パネルに設ける導電膜(電極)と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の表示パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明が用いる表示パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態を容易に作り出せる表示媒体として用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組合せて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して所望の色の表示用粒子を作製できる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、表示媒体としての均一な移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
この空隙部分とは、例えば図1(a)において、表示パネルの対向する背面側パネル基板15、表示パネル前面側基板13に挟まれる部分から、電極あるいは導電膜(電極あるいは導電膜を基板内側に設けた場合)、表示媒体3(粒子群あるいは粉流体)の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、表示パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように表示パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、表示パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
乾式の表示パネルとする場合、対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3Wa 表示用白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 表示用黒色粒子
3Ya 表示用黄色粒子
4 隔壁
5、6 電極
7 黒色板
8 絶縁液体
9 マイクロカプセル
10 回転ボール
11 可とう性透明基板
12 前面パネル透明導電膜
13 表示パネル前面基板
14 背面パネル導電膜
15 背面パネル基板
20 書込み器
21 表示装置前面パネル
22 情報表示装置
23 金属製細線
24 ベタ電極
25 小面積電極
Claims (9)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の空間に、少なくとも1種類以上の粒子からなり光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上配置し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する表示パネルを用いた情報表示装置において、
前記表示パネルの視認側に、前記表示パネルと空間を隔てて、可とう性の表示装置前面パネルを設け、
前記表示装置前面パネルに、前面側透明導電膜を配置し、
前記前面側透明導電膜を、ベタ電極とこのベタ電極の上下面に接するかもしくはこのベタ電極内部に埋め込まれて接する網目状金属製細線とにより構成し、
前記表示パネルの視認側とは反対側に、背面側導電膜を配置し、
前記前面側透明導電膜と前記背面側導電膜との間に、前記表示媒体が駆動する電界の駆動閾値よりも小さな電界を形成する電圧を印加し、
書込み器を押し当てることによって前記表示装置前面パネルをたわませ、
前記前面側透明導電膜と前記背面側導電膜との間の距離を小さくすることで、両導電膜間に形成される電界が前記駆動閾値以上になり、
前記表示媒体が移動し、書込みが行える
ことを特徴とする情報表示装置。 - 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の空間に、少なくとも1種類以上の粒子からなり光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上配置し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する表示パネルを用いた情報表示装置において、
前記表示パネルの視認側に、前記表示パネルと空間を隔てて、可とう性の表示装置前面パネルを設け、
前記表示装置前面パネルに、前面側透明導電膜を配置し、
前記前面側透明導電膜を、小面積電極群とこの小面積電極群の全てと接する網目状金属製細線とにより構成し、
前記表示パネルの視認側とは反対側に、背面側導電膜を配置し、
前記前面側透明導電膜と前記背面側導電膜との間に、前記表示媒体が駆動する電界の駆動閾値よりも小さな電界を形成する電圧を印加し、
書込み器を押し当てることによって前記表示装置前面パネルをたわませ、
前記前面側透明導電膜と前記背面側導電膜との間の距離を小さくすることで、両導電膜間に形成される電界が前記駆動閾値以上になり、
前記表示媒体が移動し、書込みが行える
ことを特徴とする情報表示装置。 - 前記ベタ電極あるいは前記小面積電極群が、前記網目状金属製細線を覆う形で形成されることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の情報表示装置。
- 前記小面積電極群が、前記網目状金属製細線によって繋がれるように配置されることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
- 前記小面積電極群が、三角形、四角形、円形、六角形、あるいはライン形状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
- 前記網目状金属製細線の網目形状が、四角形、あるいは三角形であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の情報表示装置。
- 前記前面側透明導電膜と前記背面側導電膜との間の距離H1が、前記前面側透明導電膜と表示パネル前面基板との間の距離H2に対して、
H1/10≦H2≦H1/2
とすることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の情報表示装置。 - 書込んで表示した内容を書込み途中に消去する時には、前記両導電膜間に印加している電圧を電位差が逆になるように切り替えて電界方向を逆にし、消去したい部分に書込み器を押し当てることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の情報表示装置。
- 表示された情報を消去してから新たに情報を書込む時には、前記両導電膜間に前記電界の駆動閾値以上の電界を形成する電圧を印加して全面消去を行い、前記電界の駆動閾値よりも小さな電界を形成する印加電圧にしてから新規手書き書込みを行うことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の情報表示装置。
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