JP4925774B2 - 表示パネルシートの書込み装置 - Google Patents
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Description
また、専用の画像表示装置も大型のものであるため、画像表示装置を手元に置いて書換え表示するような作業に用いるには不便があった。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。また、図1(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図1(c)に示す例では、基板1に導電部材6を設け、基板2に導電部材5を設けた構成とした以外は、図1(b)に示した構成と同じである。
図2(a)は、書込み表示用の表示パネルシートを書込み装置に装着した様子を示す概略図である。表示パネルシート21は取り外し可能であり、書込みを行う際に書込み装置に挿入し、書き込みが終了すると取り外して使用する。書込み装置は、書込み装置前面パネルと、表示パネルシート21と、書込み装置背面パネルとから構成され、書込み装置前面パネルと書込み装置背面パネルとの間は、表示パネルシート挿入空間となっており、表示パネルシート21挿入後も、書込み装置前面パネルと表示パネルシート21の間は空間が開いている。書込み装置前面パネルは、前面側可とう性透明基板11と、前面側透明電極(導電膜)12とを構成し、書込み装置背面パネルは、背面側電極(導電膜)17と、背面側基板18とを構成する。
図2(b)は、書込み装置に表示パネルシートを差し込み装着する様子を示し、図2(c)は、書込み装置に表示パネルシートを差し込み装着し終わった様子を示す。書込み表示用の表示パネルシート21は、電界駆動可能なカラー粒子で構成された表示媒体を、少なくとも一方が透明な基板と、もう一方の対向する基板間に封入した構成のものとし、この表示媒体に電界を付与して移動(駆動)させることによって手書き書込みした情報を表示する。
保護層は、書込み装置のパネルに形成された電極(導電膜)を、表示パネルシート着脱時の摩擦損傷から守るために設けるもので、前面側透明電極(導電膜)12を有する書込み装置前面パネルには設けることが好ましく、さらに透明である必要がある。書込み装置背面パネルの背面側電極(導電膜)17は不透明でも良いので、金属のように摩擦損傷が少ないものを選べば、保護層はなくてもよい。
書込み装置前面パネルの下面と書込み装置背面パネルの上面との間のギャップが、表示パネルシート挿入空間となる。この表示パネルシート挿入空間は、表示パネルシート厚に対して、1.2〜2倍の間隔を、好ましくは1.5〜2倍の間隔を有するようにする。間隔が1.2倍未満であると、書込み装置前面パネルの電極(導電膜)の変形量が十分にとれず駆動閾値以上の電界が得られないことがあり、間隔が2倍より広いと、書込み装置前面パネルの電極(導電膜)の変形量が大きくなりすぎ、電極(導電膜)が割れたり、パネル基板から剥がれたりして電極(導電膜)として機能しなくなることがある。
書込み装置のパネル水平方向の大きさは、対導電膜(対電極)配置エリアに表示パネルシートが挿入装着できるようになっていればよい。
図3(b)〜(d)はそれぞれ、書込み器20を書込み装置前面パネルに押し付け、表示パネルシート内の表示媒体を移動させる様子を示し、図3(b)は書込み前、図3(c)は書込み中、図3(d)は書込み後の様子を示す。
前面側透明電極(導電膜)12と背面側電極(導電膜)17との間(対電極間)には、予め、表示媒体が駆動する電界強度となる閾値よりも小さな電界が付与される電位差(電圧)を与えておく。ペン等の書込み器20を書込み装置前面パネルに押し付けると、書込み装置前面パネルの変形により対電極間距離が小さくなり、対電極間に形成される電界が大きくなり表示媒体が駆動する閾値以上の電界になり、表示媒体が駆動され、表示がなされる。
図3(c)に示すように、書込み器20を書込み装置前面パネルに押し付けることで、表示パネルシートの方向に変形させて、対電極間距離が小さくなり、正帯電黒色表示媒体が表示装置前面パネル側に移動する。書込みが終了した後、表示パネルシートを書込み装置から取り出すと、電界付与状態から開放されることになるが、一旦移動した表示媒体はパネル基板内側に付着した状態を保つ(表示メモリー性)ので、書込んだ情報はそのまま表示され続ける。
書込み表示するポイントの大きさ(連続書込みの場合には線の太さになる)は書込み器20のペン先の大きさによって決まる。書込み時には、ペン先を書込み装置前面パネルに押し付けるので、パネルへのダメージを低減できるように、ペン先は丸みを付けておくことが好ましい。
電極(導電膜)材料としては、酸化インジウム錫(ITO)のほか、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類のほか、銅、アルミニウム、金、銀等、導電性のある一般的な金属材料が例示され、前面パネル側には透明なものを適宜選択して用いる。背面パネルに形成する電極(導電膜)材料としては、酸化インジウム錫(ITO)のほか、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類のほか、銅、アルミニウム、金、銀等、導電性のある一般的な金属材料を用いることができる。
電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
電極は、全面を導電膜とした、いわゆるベタ電極で構成してもよいし、画素に対応する対電極をマトリックス状に対向させて構成してもよい。対電極を互いにマトリックス状に配置する場合のマトリックス状配置は、ライン電極を互いに直交させて構成してもよいし、個別電極を対向させて構成してもよい。
背面パネルを構成する基板18としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリル等の他、ガラスシート、金属シート、石英シートを用いることができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
表示パネルシートの前面基板および背面基板の内側(表示媒体と接する側)には、導電性部材5又は6が設けられていることが好ましく、この導電部材としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電性セラミック系の他、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子が好ましく、前面パネル側には透明なものを適宜選択して用いる。
本発明の書込み装置で用いる表示パネルシートの総厚は、40〜1000μmが好ましい。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明が用いる情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態を容易に作り出せる表示媒体として用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して所望の色の表示用粒子を作製できる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、表示媒体としての均一な移動が可能となる。
ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)、(c)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、表示媒体3(粒子群あるいは粉流体)の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
乾式の情報表示用パネルとする場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
また、本発明の書込み装置は、表示メモリー性を有する帯電粒子駆動型の表示パネルシートに対して、画像等の情報を手書き書込みして表示することができるものであり、表示させる表示パネルシートにあわせて設計する。表示パネルシートとして、A4サイズ以下の小型のものを対象にした場合には、本発明の書込み装置もA4サイズ以下の小型のものとできるため、携帯性に優れた書込み装置とすることができる。前面パネル電極、背面パネル電極に電圧を印加するための表示媒体駆動用電源として、小型電池や薄型電池を用いることによって、書込みを行う場所を選ばない書込み装置とすることができる。本発明の書込み装置に、1枚の表示パネルシートを挿入したままの状態で、情報の手書き書込み表示装置として使用することもできる。
3 表示媒体
3W 白色表示媒体
3Wa 表示用白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 表示用黒色粒子
3Y 黄色表示媒体
3Ya 表示用黄色粒子
3R 赤色表示媒体
3Ra 表示用赤色粒子
4 隔壁
5、6 導電部材
11 書込み装置前面側可とう性透明基板
12 書込み装置前面側透明電極(導電膜)
13 書込み装置前面側保護層
14 表示パネルシートの前面側基板
15 表示パネルシートの背面側基板
16 書込み装置背面側保護層
17 書込み装置背面側電極(導電膜)
18 書込み装置背面側基板
20 書込み器
21 表示パネルシート
22 書込み装置
30 絶縁性液体
31 マイクロカプセル
Claims (4)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種以上配置し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する表示パネルシートに書込み表示を行う書込み装置において、
前記表示パネルシートは、書込み装置に着脱可能であり、
書込み装置の視認側に、書込み装置前面透明パネルを設け、
前記書込み装置前面透明パネルに、前面側透明電極を配置し、
書込み装置の視認側とは反対側に、書込み装置背面パネルを設け、
前記書込み装置背面パネルに、背面側電極を配置し、
前記書込み装置前面パネルと前記書込み装置背面パネルとの空間に前記表示パネルシートを挿入し、
前記書込み装置前面パネルと、挿入した前記表示パネルシートの間には空間を設け、
前記前面側透明電極と前記背面側電極との間に、前記表示媒体が駆動する電界の駆動閾値よりも小さな電界を形成する電圧を印加し、
前記書込み装置前面パネルに書込み器を押し当てて、たわませ、
前記前面側透明電極と前記背面側電極との間の距離を小さくすることで、両電極間に形成される電界が前記駆動閾値以上になり、
前記表示媒体が移動し、書込み表示が行える
ことを特徴とする表示パネルシートの書込み装置。 - 前記書込み装置前面パネルと前記書込み装置背面パネルとによって形成される表示パネルシート挿入空間のギャップ厚が、表示パネルシート厚に対して、1.2〜2倍の間隔を有することを特徴とする請求項1に記載の表示パネルシートの書込み装置。
- 書込んで表示した内容を書込み途中に消去する時には、前記前面側透明電極と前記背面側電極との間に印加している電圧を電位差が逆になるように切り替えて電界方向を逆にし、消去したい部分に書込み器を押し当てることを特徴とする請求項1に記載の表示パネルシートの書込み装置。
- 表示された情報を消去してから新たに情報を書込む時には、前記表示パネルシートを書込み装置に挿入し、前記前面側透明電極と前記背面側電極との間に前記電界の駆動閾値以上の電界を形成する電圧を印加して全面消去を行い、印加電圧を前記電界の駆動閾値電界を形成する電圧よりも小さくした状態にしてから新規書込みを行うことを特徴とする請求項1に記載の表示パネルシートの書込み装置。
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