JP2010197469A - 回路基板及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不均一なピッチで配列されるビアホールを有する層間絶縁膜上に、均一なピッチで上部電極を形成した回路基板を提供する。
【解決手段】基板100上において、下部電極101は、上部電極102と、ビアホール103を有する絶縁膜104(絶縁膜104a,絶縁膜104b,絶縁膜104c)を介して接合される。絶縁膜104に形成されるビアホール103は、マトリクス状に下部電極101上に配置され、その中心線B1−B1’,B2−B2’間の距離は、互いに異なるピッチP1,ピッチP2である。絶縁膜104aの膜厚t1を絶縁膜104bおよび104cの膜厚(t3およびt2)よりも厚くし、上部電極102形成用のマスク110と絶縁膜104aとの密着性を確保することで、隣接する上部電極102間のショートを低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、微細配線を有する電子回路用の回路基板及び画像表示装置に関し、特にアクティブマトリクス方式の電気泳動ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイなどを駆動する背面板に用いられる、印刷技術により形成された回路基板及びこの回路基板を備えた画像表示装置に関する。
電極、配線、絶縁膜等のパターンを、印刷技術を用いて形成する技術がプリンタブルエレクトロニクスとして注目されている。印刷技術は、従来の半導体プロセス技術であるフォトリソグラフィと比較すると材料使用効率の高さ、設備の簡易さ、低負荷プロセスであることによる有機材料との適合性の高さから、半導体プロセスコストの低減を図ることが可能な技術として期待されている。
一方、印刷技術は電極・半導体・絶縁膜材料を溶液化(インクまたはペースト)し塗布するため、液体の表面張力、基板との濡れ性などにより解像性を高めるのが困難であり、高精細化が最大の課題となっている。
特許文献1は、パターン形成方法及び電子源及び画像形成装置に関するものであり、面積の異なる電極が混在するパターンを、スクリーン印刷を用いて形成する場合に、面積の広い電極を形成するスクリーンマスクの開口部に解像限界を超えた遮蔽領域を設けることで、狭い電極と広い電極を同時に印刷することを可能としている。しかし、特許文献1では、印刷条件の拡大を目的としており、積層する際に下地の形状を制御することについて言及がない。
特許文献2は、半導体素子の層間絶縁膜を挟む上層と下層の導電層を電気的に接続する貫通孔を有する層間絶縁膜を形成する方法と、当該層間絶縁膜に関する提案であり、2種類のパターンを組み合わせ、絶縁ペーストを用いたスクリーン印刷法を用いて50μm以下の貫通孔を形成できるとしている。
特願2008−139763号は、スクリーン印刷を用いた電極形成方法であって、マスク開口部を複数に分割することで電極膜厚を薄膜化する技術を開示している。
また、特願2009−000459号は、ビアホール間の絶縁膜断面形状を規定することにより上部電極の表面形状を制御し、電気泳動方式ディスプレイの表示品質の向上を図っている。
微細電極の印刷技術はインクジェット方や反転オフセット印刷法などを用いて高精細化することが特許文献3等により開示されており、5μm以下の微細配線技術が可能とされている。
上記印刷技術を用いてTFTアレイを形成し、ディスプレイ駆動用(液晶ディスプレイ駆動用,電気泳動ディスプレイ駆動用などの)アクティブマトリクスとすることが有望なアプリケーションとされているが、高精細化が課題となっている。ディスプレイ駆動用のアクティブマトリクスとするにはTFT電極と画素駆動電極とを、ビアホールを有する層間絶縁膜を介して接合し、表示体に電圧を印加する必要があり、この場合の画素駆動電極の配列周期は均一であることが要求される(不均一な場合は、線幅ムラやコントラストムラに影響する)。
一方、TFTアレイの高精細化には、半導体パターンや電極を隣接する2セル(2画素)で共有することが必要となる場合があり、その場合TFTの出力電極(P型TFTの場合、ドレイン電極)の配列周期が単一ピッチとならず、その結果、層間絶縁膜に形成されるビアホールの配列ピッチが均一でなくなる場合がある。さらに、TFTアレイと同様に、高精細なビアホールを有する層間絶縁膜を形成する手法が必要となる。
高精細なビアホールを有する層間絶縁膜の形成方法にスクリーン印刷を用いる技術が特許文献2にて開示されている。絶縁インクを異なる2種類以上のパターンを重ねて印刷することにより、微細なビアホールを有する層間絶縁膜をスクリーン印刷で形成することが可能であり、同じくスクリーン印刷を用いてビアホール上に導電材料を形成することで画素駆動用電極も形成できるとしている。特許文献2に記載されるような、単一ピッチで配列されるパターンはスクリーン印刷法に適しており、均一な膜厚やパターン形状が得られるとしている。
一方、ビアホールの配列ピッチが均一でない場合は、パターンの面積により層間絶縁膜の膜厚が変動してしまい、均一な絶縁膜を得ることができない。図1に配列ピッチが均一でないビアホールを有する層間絶縁膜の例を示す。下部電極の設計上の制約(例えばTFTのドレイン電極の配列周期の制約など)から、図1(a)に示す通りビアホール501のピッチがA−A’方向に2種類の異なるピッチP1、P2で配列している場合、その断面形状は図1(b)に示す通り、ビアホール配列ピッチが広い領域では膜厚が厚くなるため、層間絶縁膜502の厚みが均一ではなくなる。図1(b)のような断面形状の上に、均一な電極を積層形成することは困難であると考えられる。
これらの配列ピッチの広い(つまり、面積の広い)パターンをスクリーン印刷法で形成する場合に膜厚を減らす手法として、特願2008−139763号では、マスク開口部にスクリーン印刷の解像限界以下の微細な遮蔽パターンを設ける技術が開示されている。この手法を用いることで、インクの吐出量を制限でき、膜厚を減少させることができるとしているが、スクリーン印刷が苦手とする非均一ピッチパターンに対する課題および対策については開示されていない。
非均一なパターンを同時に形成する公知技術として、特許文献1が例示できる。特許文献1によると、面積の異なる電極が混在するパターンを同時形成するにはスクリーン印刷法は適さず、印刷条件の設定が困難であるとしている。この課題対して特許文献1では、面積の広いパターン内にスクリーン印刷の解像限界以下の微細なインク遮蔽領域を設けることで改善できるとしているが印刷膜厚の膜厚均一性については言及がない。
また、特願2009−000459号によると、層間絶縁膜の断面形状により、積層するパターン(この場合は電極)の解像性や均一性が影響を受け、ディスプレイの表示均一性を悪化させる課題も開示されているが、均一な配列周期のビアホール上の電極についてのみ言及されており、不均一な配列周期をもつビアホール上の電極についての課題認識および対策については、言及されていない。
従って、本発明の目的は、不均一なピッチで配列されるビアホールを有する層間絶縁膜上に、均一なピッチで上部電極を形成した回路基板を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の回路基板は、基板と、前記基板上に形成される複数の下部電極と、前記基板上に形成され、前記複数の下部電極に対応する複数の開口部が形成された絶縁膜と、前記複数の開口部を介して前記下部電極と電気的に接続された複数の上部電極と、を有する回路基板であって、
前記上部電極はピッチP0でマトリクス状に配置され、
前記開口部は、少なくとも1方向にピッチP1とピッチP2で交互に配置されており、
ピッチP1<ピッチP0<ピッチP2であり、かつピッチP1+ピッチP2=2P0の関係を満たすとともに、前記絶縁膜の膜厚が、配列周期がピッチP2である前記開口部間の略中間点で極小値をとることを特徴とする。
本発明の回路基板において、前記開口部のピッチがP1となる部分の前記絶縁膜の膜厚をt1、前記開口部のピッチがP2となる部分の前記絶縁膜の膜厚をt2とした場合、0.9≦t2/t1≦1.0とすることが好ましい。
本発明の回路基板において、前記絶縁膜が無機物からなる微粒子と樹脂からなるバインダを主成分とすることが好ましい。この場合、前記開口部を有する前記絶縁膜が、スクリーン印刷法で形成され、ストライプ状の絶縁膜と、離散的な矩形状の絶縁膜との積層により形成されることが好ましい。
本発明の回路基板において、上部電極が導電材料からなる微粒子と樹脂からなるバインダを主成分とすることが好ましい。この場合、前記上部電極がスクリーン印刷によって形成されたものであることが好ましい。
本発明の画像表示装置は、上記回路基板と、前記回路基板に対向配置される透明電極を備えた対向基板と、の間に表示部を備えてなるものである。
また、本発明の回路基板の製造方法は、基板と、前記基板上に形成される複数の下部電極と、前記基板上に形成され、前記複数の下部電極に対応する複数の開口部が形成された絶縁膜と、前記複数の開口部を介して前記下部電極と電気的に接続された複数の上部電極と、を有し、前記上部電極はピッチP0でマトリクス状に配置され、前記開口部は、少なくとも1方向にピッチP1とピッチP2で交互に配置されており、ピッチP1<ピッチP0<ピッチP2であり、かつピッチP1+ピッチP2=2P0の関係を満たすとともに、前記絶縁膜の膜厚が、配列周期がピッチP2である前記開口部間の略中間点で極小値をとるように構成された回路基板の製造方法であって、
前記開口部を有する前記絶縁膜を、ストライプ状の絶縁膜と、離散的な矩形状の絶縁膜とを積層させて形成するとともに、前記配列周期がピッチP2である前記開口部間の領域では、前記絶縁膜を、スクリーン印刷法により開口面積が同じであるマスクの開口部によって印刷された隣接するドットを一体化させることによって形成したことを特徴とする。
本発明の回路基板は、絶縁膜の断面形状を、上部電極を形成しやすい形状としているため、開口部(ビアホール)のピッチが不均一であるにもかかわらず、均一なピッチで上部電極が形成されている。
また、本発明の回路基板は、絶縁材料、導電材料および形成手法を最適化することで、プロセスコストの安価なスクリーン印刷法を用いて形成できると同時に、電極形状を均一に形成することが可能となる。
本発明の画像表示装置は、非均一なピッチで配列される開口部(ビアホール)を有する絶縁膜上に、均一ピッチの画素電極を形成した回路基板を備えているため、ディスプレイ上で線幅ムラやコントラストムラのない均一な表示を得ることができる。
配列ピッチが均一でないビアホールを有する層間絶縁膜の説明に供する図面。 本発明の一実施の形態にかかる回路基板の断面構造を示す図面。 ビアホールを有する絶縁膜の形成について説明する図面。 スクリーン印刷の概要について説明する図面。 ビアホールを有する絶縁膜の断面構造の説明に供する図面。 ビアホールを有する絶縁膜の形状を説明する図面。 実施例で作製した回路基板の概要を説明する図面。 スクリーン印刷用版の説明に供する図面。 スクリーン印刷用版のメッシュとラインパターンの配置の説明に供する図面。 実施例で使用したスクリーンの開口部の説明に供する図面。 比較例で使用したスクリーンの開口部の説明に供する図面。 電気泳動表示ディスプレイの構造を示す図面。
本発明の回路基板は、基板上に少なくとも下部電極、上部電極および開口部としてのビアホールを有する絶縁膜を有している。図2に本発明の一実施の形態にかかる回路基板の断面構造を示す。
基板100は、電極および絶縁膜を支持できる材質・形状であれば特に制限はなく、材質は任意のものを使用できる。基板100の材質としては、例えばガラス、シリコンウェーハなどの無機材料や、任意の樹脂材料を用いることができ、軽量性やロバスト性を考慮すると樹脂材料を用いることが好ましい。樹脂材料の例としては、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレンなどの任意のものを用いることができるが、積層するインク材料による溶解や熱処理による変形・変質等を考慮して選択する必要がある。
基板100上には、少なくとも下部電極101が形成されている必要がある。下部電極101の形状・材質は任意のものを使用できる。また、絶縁膜、半導体を積層・パターニングしてTFTを構成する場合、下部電極101をソースまたはドレイン電極とすることもできる。下部電極101の材料としては、任意の導電性材料を用いることができ、例えば金属、合金、導電性化合物、半金属などの材料から、必要な抵抗、耐久性、成膜性などを兼ね備えた材料を選ぶことができる。下部電極101のパターニング法は、任意の手法を用いることができ、例えばフォトリソグラフィ法や印刷法などの公知のパターニング技術を用いることが可能である。
下部電極101は、上部電極102と、ビアホール103を有する絶縁膜104(絶縁膜104a,絶縁膜104b,絶縁膜104c・・・の集合体である)を介して接合される。絶縁膜104に形成されるビアホール103は、マトリクス状に下部電極101上に配置され、その中心線B1−B1’,B2−B2’間の距離は、互いに異なるピッチP1,ピッチP2の2種類あることが必要である。
それに対して、上部電極102の中心線A1−A1’、A2−A2’は、それぞれ等しくP0であることが必要である。さらに、P1+P2=2×P0とすることが必要である。これにより、上部電極102は均一ピッチのマトリクス状の電極となることで、例えばディスプレイ用のアクティブマトリクスの出力電極(画素駆動電極)とすることができるとともに、ビアホール103のピッチを非均一とすることで、下部電極101に接続する回路(たとえば、TFT)の設計自由度を高めることができる。本発明の効果は、高精細なビアホール103の配列ピッチ(P1,P2)と高精細な上部電極102を形成する場合に発揮される。ビアホール103の配列ピッチPとしては400μm以下が好ましく、さらに好ましくは80〜180μmである。配列ピッチが小さすぎる場合は、スクリーン印刷の解像限界以下となり、パターニングが困難になる。配列ピッチが広すぎる場合は、ディスプレイ用途として解像度が低くなり、十分な性能を得ることができない。
また、ビアホール103間の絶縁膜の断面形状は、ビアホール103の配列ピッチPに応じて変える必要があり、P=P1の場合は、上に凸の曲面形状(図2の絶縁膜104a)とし、P=P2の場合は、ビアホール103の配列ピッチP2の略中点で極小値を持つ断面形状(絶縁膜104bと絶縁膜104c)とする必要がある。これにより、後に詳細に説明する通り、上部電極102の均一性を高めることができる。絶縁膜の形成には任意の手法を用いることができるが、本発明の絶縁膜形状を得るためには、液相の絶縁インクを用いた印刷法をもちいることが好ましい。液相インクを用いた手法では、インクの表面張力や基板100・下部電極101との濡れ性から、上に凸の曲面形状を容易に得ることができる。また、印刷法は前述の通り、材料利用効率の高さや、プラスチック基板との適合性などから、コスト的メリットが高い。特にスクリーン印刷法は特許文献2に記載される通り、50μm以下の比較的厚い(他の成膜法と比較して)膜を得ることができるため、高絶縁・低静電容量の絶縁膜を得ることができる。膜厚の適切な範囲は、電気的特性(静電容量など)や機械的・化学的特性(パッシベーションなど)などから設定されるが、例えば4μmから20μmの範囲であることが好ましい。
また、特許文献2に記載の手法(後述)を用いれば200μm以下の配列ピッチPのビアホール103を形成することが可能である。
絶縁インクは、無機物フィラーと樹脂バインダを適切な溶媒で溶解・分散したものを用いることができる。無機物フィラーは、絶縁体であることが必要であり、一般的な酸化物,窒化物等を用いるのが好ましい。フィラー径(粒子径)は、所望の膜厚や解像性によって最適なものを用いるが、1μm以下が好ましく、配列ピッチP=200μmより微細なパターンを形成する場合はサブミクロン以下(500nm以下)とすることが好ましい。また、粒子径の異なるフィラーを混合することでインクにチキソトロピック性を持たせ、パターンや使用するスクリーンメッシュの仕様に応じて最適化することができる。樹脂バインダはフィラーを支持する機能を担い、必要な特性やインク化するための溶剤の可溶性から適切な樹脂を選定することができる。樹脂バインダの例としては、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。フィラー、バインダ、溶剤の混合比率は、印刷性や必要な膜厚に合わせて最適化することができる。また、インクの粘度は、解像性に合わせて最適化できるが、例えば50Pa・s〜300Pa・sとすることが好ましい。粘度が低すぎる場合は転写不良や転写後の流動によるパターニング不良となり、粘度が高すぎる場合はスクリーンと基板100の剥離不良が発生する。
上記の絶縁膜104に形成されるビアホール103を介して上部電極102が形成される。上部電極102の配列ピッチは、均一であることがディスプレイ用アクティブマトリクスとするために必要となる。上部電極102の形成には任意の手法を用いることができるが、絶縁膜と同様に印刷法を用いることがコスト的メリットから好ましい。特に、スクリーン印刷法が適しており、後述の絶縁膜の断面形状による制御で均一なパターンを得ることが可能となる。印刷法を用いる例では、上部電極102を形成するためのインク材料は任意のものを用いることができるが、例えば導電体フィラーと樹脂バインダを溶剤に溶解・分散したものを用いるのが良い。導電体フィラーとしては、例えば、金属、合金、半金属、導電性化合物などの微粒子を用いる。その粒子径は、絶縁インクと同様に印刷性能やパターン形状に合わせて最適化することができるが、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは500nm以下である。樹脂バインダも、絶縁インクと同様に任意の樹脂材料を用いることができるが、溶剤の乾燥後にフィラー同士の接触による導電性が発揮する材料を用いることが必要である。また、上部電極102を形成するための導電性インクは、乾燥だけでなく熱処理を行うことでバインダを収縮させることも可能であるため、高温で収縮する材料(例えば、熱硬化樹脂など)を用いることができる。また、インクの粘度は、解像性に合わせて最適化できるが、50Pa・s〜300Pa・sとすることが好ましい。粘度が低すぎる場合は、転写不良や転写後の流動によるパターニング不良となり、粘度が高すぎる場合は、スクリーンマスクと基板100の剥離不良が発生する。上部電極102の膜厚は電気的特性から最適化する必要があるが、パターニング可能な適切な範囲は、2μmから20μmの範囲が好ましい。
次に、従来技術との対比で、本発明の回路基板の特徴を明らかにする。
[絶縁膜の断面形状と上部電極102のパターニング性についての従来技術の課題]
前述した通り、ビアホール103を有する絶縁膜の形成には、絶縁インクを用いたスクリーン印刷法が適しているため、以下の説明はスクリーン印刷法に基づいて説明する。本発明のように目的とするビアホール103の配列ピッチが200μm以下の場合は、2層以上の組み合わせにより形成する公知技術(特許文献2)が利用できる。図1(a)に示すように、ビアホール103の配列ピッチP1とP2が混在する場合を考える。このようなビアホール103を特許文献2の手法に従い形成する場合について図3を用いて説明する。
最初に図3(a)に示す通り、絶縁膜ライン105を形成する。この絶縁膜ライン105のラインパターン間のストライプ上の開口部の直下に下部電極101を配する必要がある。この絶縁膜ライン105のパターン上に図3(b−1)に示すマスクを用いてスクリーン印刷を行い、絶縁膜ドットD1、D2を図3(c−1)に示すように配置する。このとき、絶縁膜ドットD1、D2はマスク開口部205のサイズに従い、2種類の大きさ(絶縁膜ドットD1、D2)とすることで、2種類のビアホール103のピッチを混在させることが可能である。このようにして形成したビアホール103は図3(d)に示すような形状となる。
スクリーン印刷を用いて、200μm以下のパターンを形成する場合は、パターン面積(マスク開口面積)と膜厚が比例関係にあることに注意する必要がある。図4にパターン面積が異なる場合のスクリーン印刷について模式的に示した。図4(a)に示す通り、スクリーン固定枠200に形成したスクリーン201上に、インク(ペースト202)を載せ、その上をゴム製のスキージ203で下方向に圧力をかけつつ走査することで印刷を行う。スキージ203に印加する下方向の圧力(スキージ圧)は、スクリーン201と基板100が適切に接触するように設定される必要がある。スクリーン201上には、図4(b)に示す通り、スクリーンメッシュ201aによって支持された乳剤204によりマスキングされているため、乳剤204の開口部(マスク開口部205A,205B)からのみインク(ペースト202)が基板100上に吐出されることになる。スキージ203が通過すると、図4(c)に示す通り、インク(ペースト202)と基板100は、マスク開口部205A,205Bでのみ接触しているが、スキージ203が通過したことにより下方向の圧力が開放されるために、図4(d)に示す通り、マスク開口部205A,205Bにあるインク(ペースト202)が残った状態でスクリーン201は上方向に移動する。この際、マスク開口部205A,205Bの面積により、基板100上に残るインク(ペースト202A,202B)の体積が異なってくる。開口面積の小さいマスク開口部205Aと面積の大きいマスク開口部205Bでは、マスク開口部205Aの方が、膜厚が薄くなる傾向がある。
さらに、インクの表面張力と弾性により、ペースト202A,202Bの断面形状は上に凸の滑らかな曲面となる。この際、基板100との濡れ性によりペースト202A,202Bのパターンが伸縮する場合がある(図4(e))。
従って、図3(b−1)の形状のマスクを用いた場合、ペースト202Aの絶縁膜ドットD1とペースト202Bの絶縁膜ドットD2では、開口面積が異なるため、膜厚が異なることが分かる。図5(a−1)にその断面形状を模式的に示した。パターン面積の大きい絶縁膜104eの膜厚をt2とし、パターン面積の小さい絶縁膜104dの膜厚をt1とするとt1<t2の関係が成立し、その膜厚差t2−t1は、パターン面積差が大きいほど顕著になる。
このように形成したビアホール103を有する絶縁膜上に、等間隔に配列する上部電極102を形成する場合を考える。図3(d)に示すビアホール103のピッチが2種類存在する場合に、均一ピッチの上部電極102を形成するには、P1+P2=2×P0とする必要がある(図2参照)。この関係を維持することでビアホール103および上部電極102がそれぞれ2個で併進対称となり、マトリクス状の配列が可能になる。このようなマスク110を絶縁膜上に重ねると図3(e)の状態となる。その断面図が図5(a−1)に相当する。図5(a−1)ではA1−A1’,A2−A2’は、上部電極102の中心を示し、B1−B1’,B2−B2’がビアホール103中心を示している。このようなマスク110の上に、導電インクを用いたスクリーン印刷等の液相法でパターニングを行うと上部電極102の断面形状は,図5(a−2)に示すような形状となり、上面からの形状は図3(f−1)に示すような形状となる。すなわち、隣接する上部電極102が接触してしまいマスク110通りのパターンが形成されない。これは、図5(a−1)に示すとおり、絶縁膜104eの膜厚t2が大きく、絶縁膜104dの膜厚t1が小さいために、上部電極102用のマスク110と絶縁膜104dとの間に空間ができてしまうことに起因する。マスク開口部205から吐出されたインクは流動性があるため、マスク110と絶縁膜104dに生じる空間を流動するために生じる。この現象はインク物性を低流動性になるように調整することや、スキージ走査速度の高速化などによる印刷条件の最適化などにより隣接電極間のショートを回避できる程度に抑制することは可能であるが、その場合でも上部電極102の形状が非対称となるためディスプレイ駆動用のアクティブマトリクスとするためには好ましくない。
[絶縁膜の断面形状と上部電極102のパターニング性についての改善策]
上記の課題に対して、本発明では絶縁膜の形状を最適化することで、上部電極102の形状異常が発生する確率を低減するこができる。以下に本発明の方法について詳述する。
ビアホール103を有する絶縁膜の形成は前述と同じく図3に示す手法で行う。ストライプ状の絶縁膜ライン105を形成した後に離散的な矩形状の絶縁膜ドットを重ねて形成するが、使用するマスクは図3(b−2)に示す形状のものを用いる。すなわち、前述の例(図3(b−1))では、開口面積の大きく異なるマスク(スクリーン201)を使用したが、本発明の手法では、図3(b−2)に示す形状のマスク(スクリーン201)を用いるのが良い。すなわち、図3(b−2)のマスク(スクリーン201)では、マスク開口面積が概ね同一となるようにマスク開口部205の大きい部分を分割することとする。その結果、形成される絶縁膜ドットは、絶縁膜ドットD1〜D3の3種類となるが、ビアホール103の配列ピッチは図3(b−1)のマスク(スクリーン201)で形成したものと同一となると同時に、図4(e)で示したインクの流動性により、絶縁膜ドットD2とD3の間に生じる隙間は無視できるレベルとすることが可能である。ドットD2とドットD3に生じる隙間が無視できる場合は、図3(d)に示す通り、ビアホール103を有する絶縁膜104を得ることができる。しかし、前述の従来例(図3(b−1)のマスクを用いた場合)と比較すると、断面形状が大きく異なる。
図3(b−2)のマスク(スクリーン201)で形成した絶縁膜の断面形状を図5(b−1)に示す。従来の形状と異なり、ビアホール103間のピッチが広い領域(図2のピッチP2)では、絶縁膜104bと絶縁膜104cに分割されて印刷されているため、隣接するビアホール103間の絶縁膜厚t1,t2,t3が略同じ厚さとなる。そのため、上部電極102のマスク110との空隙が大幅に低減される。このように、配列ピッチが均一である上部電極102を形成すると、図5(b−2)に示す通り、隣接電極間でのショート等の発生を防止することができる。上面からの模式図は、図3(f−2)に示す通りとなり、配列ピッチの変動するビアホール103上に均一な配列ピッチの上部電極102を形成することが可能となる。
さらに、図5(b−1)に示す上部電極102形成用のマスク110と絶縁膜104aとの密着性を確保することで、隣接する上部電極102間のショートを低減することができる。従って絶縁膜104aの膜厚t1を絶縁膜104bおよび104cの膜厚(t3およびt2)と同等以上(好ましくはt3およびt2よりも厚くする)ことで効果を確実にすることができる。適切な範囲としては、0.8×t1≦t2≦t1,0.8×t1≦t3≦t1である。また特に、0.9≦t2/t1≦1.0または、0.9≦t3/t1≦1.0であることがより好ましい。t2,t3が上記範囲よりも厚い場合は、隣接する上部電極102間のショートが多発することとなり、薄すぎる場合は、絶縁膜104b,104c上で隣接する上部電極102間でショートの要因となる。上記に示したとおり、絶縁膜の断面形状により上部電極102のパターン精度が向上できる点が本発明の特徴である。
本発明の絶縁膜形状をスクリーン印刷で形成する手法の例を図6に示す。図6の(b−1),(b−2)は従来方法で使用するラインパターン105a,105bであり、同図(c−1),(c−2)は本発明方法で使用するラインパターン105c,105dである。図6(c−1)は、縦方向にラインパターンを形成するが、従来の手法で使用する図6(b−1)に対して、幅の広いラインパターンを2分割としている。それにより、前述の例(図6(c−2)に相当)と同等の効果が得られ、図6(c)に示すような膜厚均一性を得ることが可能となる。
さらに、本発明は以下のような効果も奏する。上記の通り、上部電極102の形成にスクリーン印刷を用いた手法を例示したが、シャドウマスクを用いて真空成膜法(例えばスパッタリング法や蒸着法)を用いて上部電極102を形成する場合でも同様の効果が得られる。図5(a−1)の場合は絶縁膜104dとマスク110(ここではシャドウマスク)との間に空間が発生するために、真空成膜法を用いた場合でも膜の周りこみが発生し、上部電極102の形状が悪化してしまう。一方、本発明の場合(図5(b−1))では、マスク110と絶縁膜104a表面が接触しており、上記のような周りこみは発生しづらくなる。その結果、シャドウマスクを用いた真空成膜法でも電極形状の安定化ができる。
さらに、スクリーン印刷やシャドウマスクを用いた真空成膜によるパターニングのいずれにおいても、本発明では絶縁膜104bと絶縁膜104cの間の部分に膜厚が極小となる点を有することから、マスク110との接触面積を減少させることができ、マスク110とサンプルの剥離不良(マスク110がサンプルに貼りついてしまう不具合や剥離帯電と放電による不具合)を防止することができる。従って、生産上の不具合を低減できる安定した工程とすることが可能である。
また、膜厚が概ね等しく、断面形状が類似した絶縁膜104a,104b,104cを配置しているため、基板100と絶縁膜の熱膨張係数に差異が発生し、熱処理や温湿度変化により界面に応力がかかる場合にも、均一な応力がかかるため環境変化に対する信頼性を向上させることが可能となる。
次に、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ガラス基板上に図7(a)に示すような互いに対向した櫛歯状の下部電極101a,101bをパターニングした。電極材料はAu蒸着膜とし、パターニングは既存のフォトリソグラフィを用いて行った。図7(a)には3組の櫛歯からなる下部電極101a,101bを図示したが、実際には100組の櫛歯からなる電極つき基板を作成した。
下部電極101a、101bの水平方向の配列ピッチは2種類あり、P1=90μm,P2=164μmと設定し、電極幅は40μmに設定した。図7(b)に示したように、相対する下部電極101aと下部電極101bに電源供給および電流測定が可能なマルチメータ(電源/電流計測ユニット300)を接続することで、櫛歯電極間のショートを検出することができる。
下部電極101a,101b上にビアホール103を有する絶縁膜104をスクリーン印刷法で形成した。絶縁インクはフェノール樹脂をエチレングリコールに溶解した樹脂溶液中にシリカ微粒子を均一分散することで作成した。シリカ微粒子の直径は200nmとし、分散には3本ロールミルを用いて混練することで行った。その後、エチレングリコールを添加することで、粘度を80Pa・sに調整し、絶縁インクとした。作成したインクの樹脂バインダ、シリカ微粒子、溶媒の質量比率を分析したところ、バインダ:シリカ:溶媒=30:40:30であった。
絶縁膜104を形成するスクリーン(スクリーン印刷用のマスク)は、前述の「絶縁膜ライン」と「絶縁膜ドット」を積層する手法を用いることとした(図3参照)。従ってライン用、ドット用それぞれ1種類ずつスクリーン201を作成した。外寸550mm四方のアルミダイキャスト製の版枠200(内寸450mm)にポリエステルメッシュ201bを張力36N/cmで貼り合せ、その後ステンレスメッシュ201cを400mm四方で張り合わせた後、ステンレスメッシュ201c上のポリエステルメッシュ201bを取り除くことでスクリーン印刷用の版を作成した(図8)。すなわち、中央部のステンレスメッシュ201cの周囲をポリエステルメッシュ201bで取り囲むような構造のスクリーン201を作成した。
ポリエステルメッシュ201bは印加される応力の範囲内で弾性変形することが必要であると同時に、高い張力に耐える仕様とすることが好ましい。さらに、伸縮性を有し、繰り返しの伸縮による塑性変形を生じない材質(印加される応力の範囲内で弾性変形する材質)を用いる必要があるが、市販のスクリーン印刷用360メッシュ(1インチあたり360本)を用いることができる。
形成したポリエステルメッシュ201b上にステンレスメッシュ201cを貼り付ける。ステンレスメッシュ201cは張力による弾性変形が極めて少ないため、ポリエステルメッシュ201bと異なり張力によるパターンの伸縮がなく安定した寸法精度得られるメリットがある。その反面、限界以上の応力が印加されると、塑性変形してしまい、パターン形状を著しく悪化させることになるため高張力に対応できるステンレス線材(材質・太さ)を用いることが必要である。本実施例ではアサダメッシュ株式会社製ステンレスメッシュ201cを用いて判を作成した。線径は19μmとし、メッシュ密度は500本/インチのものを用いた。その際、メッシュの縦糸方向を版枠(スクリーン固定枠)に対して30度傾けて貼りあわせた(図9(a))。これは、印刷するパターンの周期とメッシュ周期とのモアレを防止して、より均一なパターンを得るために一般的に行われる手法である。例えば、ラインパターンを上記の30度傾斜させたメッシュ上に形成する場合は、図9(b)となるが、メッシュの交点の分布が分散しているのがわかる。メッシュを傾斜させない場合は、メッシュの交点が図9(b)の乳剤開口部に局在することが容易に想像され、パターンの均一性を悪化させることがわかる。
上記のスクリーンメッシュ上に感光性乳剤を塗布し、遮蔽部分を紫外線露光した後に未露光部分を洗い流すことでスクリーンマスクを得ることができる。ライン版(絶縁膜ライン105を形成するためのスクリーン201)は図10(a)に示すとおりストライプ状に乳剤204が残る形状とし、その配列ピッチをP0、乳剤残留部分(マスキング部分)の幅をS,開口部(実際にインクが吐出する部分400)の幅Lを以下の設定とした。
P0=127μm
L=85μm
S=42μm
また、乳剤の厚さは20μmと設定した。
ドット版(絶縁膜ドットDを形成するためのスクリーン201)は図10(b)に示すとおり、矩形の開口部(図10(b)に示すとおり、3種類の大きさの開口部401,402,403を有する)を配列した形状とした。縦方向の配列ピッチをライン版と同じくP0とし、水平方向の配列ピッチP1,P2を、前述の下部電極(櫛歯状電極)の配列ピッチに合わせて設定し、開口部の各寸法(D1x,D2x,D3x,S1x,S2x)を以下の設定とした。なお、図10(b)の点線部の拡大図を図10(c)に示す。
PO=127μm(ライン版と同一)
P1=90μm(下部電極と整合)
P2=164μm(下部電極と整合)
P1+P2=254μm(=2×P0)
D1x=60μm
D2x=D3x=60μm
Dy=52μm
S1x=30μm
S2x=14μm
すなわち、開口部401〜403の大きさは全て同一の設定とし、その配列位置だけを下部電極101a,101bに合わせて設定した。乳剤204の厚さはライン版と同じく20μmとした。
上記スクリーンと絶縁インクを用いてビアホールを有する絶縁膜104を、下部電極上にスクリーン印刷法を用いて形成した。印刷機にはマイクロテック製スクリーン印刷機MT−550を用いた。スキージ203は、ウレタンゴム製の平型スキージを用い、スクリーン201とスキージ203の角度を70°に設定した。基板とスクリーン下面との距離(クリアランス)は1.5mmに設定し、スキージ走査速度は40mm/sに設定し印刷を行った。絶縁膜ライン105を印刷後に100℃の熱処理を行い、溶媒成分を揮発させた後、絶縁膜ドットDを印刷した。その後、100℃にて120分間熱処理を行うことで、ビアホール103を持つ絶縁膜104を得ることができた。ビアホール103の形状はほぼ矩形となっており、25×35μmの大きさとなった。
形成された絶縁膜104の膜厚を、レーザー顕微鏡を用いて計測したところ、開口部401で形成された絶縁膜ドットDの膜厚をt1,開口部402で形成された絶縁膜ドットDの膜厚をt2,開口部403で形成された絶縁膜ドットDの膜厚をt3とすると以下の通りとなった。いずれも開口部の中心部の膜厚を採用している。
t1=9.2μm
t2=8.5μm
t3=8.3μm
また、その断面形状は図5(b−1)に示すように、絶縁膜104bと絶縁膜104cの略中間点で極小値をもつ断面形状となり、絶縁膜104a上では上に凸の形状となった。
上記で形成したビアホール付絶縁膜上に、画素駆動電極として上部電極102を形成した。絶縁膜104と同様にスクリーン印刷法を用いてパターンを形成した。スクリーン201は絶縁膜ライン・ドット用と同様の手法を用いて作成した。ただし、乳剤開口部の形状を図10(d)に示すような矩形の開口部404を有するものとした。開口部404の配列ピッチは、水平方向、垂直方向ともにP0=127μmの均一ピッチに設定し、その開口部404の形状Ex,Ey(図10(d)を参照)は以下の通りとした。
Ex=Ey=65μm
上部電極102用のインクは市販の熱効果タイプの銀ペーストを用いた。印刷方法は絶縁膜104と同様の条件で行い、熱処理条件は100℃、60分とした。作成した上部電極102はほぼ矩形の形状となり、その大きさはおおよそ80μm四方となった。また、電極の形成状況を光学顕微鏡で観察したところ、それぞれの電極は均一に形成されていると同時に、抜けや隣接電極との癒着などもないことが確認できた。
上部電極102と下部電極101a,101bにプローブを当て導通を確認したところ、各電極ともに電気的に接触していることが確認できた。さらに、下部電極101aと下部電極101b(図7参照)に40Vの電圧を印加し、電流値を測定したところ10pA以下の電流量となり、個別の電極間のリーク電流は十分に小さく、電気的に個別の上部電極102が分離されていることを確認した。以上により、本発明の手法で絶縁膜上に上部電極102を形成した場合、良好なパターニングが可能であることと、電気的な分離が可能であることを確認することができた。
[比較例1]
実施例1と同様の手法で下部電極101a,101b、絶縁膜104および上部電極102を形成した。ただし、絶縁膜104を形成するためのスクリーン201を図11に示す形状とした。ライン版の開口部405の形状は図11(a)に示すとおり、実施例1と同様の形状とした。ドット版の開口部の形状は図11(b)に示すとおり、開口部411と開口部412の2種類の開口部を配列ピッチP1,P2で配置したものとした。開口部の形状は図11(c)に示すD1x,D2x,Dy,S1xを用いて以下の設定とした。
P0=127μm(ライン版と同一)
P1=90μm(下部電極と整合)
P2=164μm(下部電極と整合)
P1+P2=254μm(=2×P0)
D1x=60μm
D2x=134μm
Dy=52μm
S1x=30μm
すなわち、実施例1で用いたドット版(図10(b))の開口部402と403をつなげた形状とした。絶縁膜104の印刷条件は実施例1とまったく同様の手法を用いて印刷することで、ビアホール103を有する絶縁膜104をえることができた。ビアホール103の形状は実施例1と比較すると小さくなっており、15μm×45μmとなった。これは、開口部412から吐出された絶縁インクの体積が大きいため、ペーストの流動が発生したためと考えられる。
絶縁膜の膜厚を、レーザー顕微鏡を用いて計測したところ、開口部411で形成された絶縁膜ドットD(絶縁膜104d)の膜厚t1と開口部412で形成された絶縁膜ドットD(絶縁膜104e)の膜厚t2は以下の通りとなった(図5(a−1)参照)。
t1=9.4μm
t2=12.2μm
また、断面形状は図5(a-1)に示すとおり絶縁膜104d,絶縁膜104eともに上に凸の形状となっていることを確認した。
形成したビアホール103を有する絶縁膜104(104d,104e)上に実施例1と同様の手法で画素駆動用電極として上部電極102を形成した。印刷条件・インク・スクリーン・熱処理条件は実施例1と同一のものを用いた。形成された上部電極102は絶縁膜104dを超えて隣接電極と接している箇所があることを確認した。
実施例1と同様に下部電極101aと下部電極101bに40Vを印加し、電流値を測定したところ100mA以上の電流値となり、電気的に分離されていないことを確認した。これは、図5(a-2)で示すとおり、絶縁膜厚が均一でないことから、マスク110と絶縁膜104dの間に空間ができ、上部電極インクが流動したことによると推定される。
[実施例2]
実施例1と同様の手法を用いて、下部電極101a,101b上に絶縁膜104、上部電極102をスクリーン印刷法で形成した。ただし、ドット版の開口部形状を以下の通りとした。
P0=127μm(ライン版と同一,実施例1と同一)
P1=90μm(下部電極と整合,実施例1と同一)
P2=164μm(下部電極と整合,実施例1と同一)
P1+P2=254μm(=2×P0,実施例1と同一)
D1x=60μm(実施例1と同一)
D2x=D3x=50μm
Dy=52μm
S1x=30μm
S2x=34μm
絶縁膜104の断面形状は実施例1と同等となったが、膜厚t1,t2,t3は以下の通りとなった。
t1=9.0μm
t2=6.8μm
t3=6.6μm
実施例1と同様の手法で上部電極102を形成し、下部電極101aと下部電極101bの導通を確認したところ、上部電極102の分離を確認することができた。ただし、光学顕微鏡で上部電極102の形状を確認したところ、電極間隔が一定でなく、絶縁膜104a上の電極間間隔が広く、絶縁膜104b,104c上の電極間間隔が狭くなっていることを確認した。絶縁膜厚差(膜厚t1と、t2またはt3との差)が大きくなりすぎると、電極間スペースの均一性が悪化することを確認した。
[実施例3]
実施例1と同様の手法を用いて、下部電極101a,101b上に絶縁膜104,上部電極102をスクリーン印刷法で形成した。ただし、ドット版の開口部形状を以下の通りとした。
P0=127μm(ライン版と同一、実施例1と同一)
P1=90μm(下部電極と整合、実施例1と同一)
P2=164μm(下部電極と整合,実施例1と同一)
P1+P2=254μm(=2×P0,実施例1と同一)
D1x=60μm(実施例1と同一)
D2x=D3x=65μm
Dy=52μm
S1x=20μm
S2x=4μm
絶縁膜104の断面形状は実施例1と同様に、絶縁膜104bと絶縁膜104cの中間部で極小値を持つ断面形状となったが、実施例1と比較すると中間部での膜厚は8μm程度であり、厚くなっている。一方、絶縁膜104a,104b,104cの中心部の膜厚t1,t2,t3は以下の通りとなった。
t1=9.2μm
t2=9.8μm
t3=9.7μm
実施例1と同様の手法で上部電極102を形成し、下部電極101aと下部電極101bの導通を確認したところ、上部電極102の分離を確認することができた。しかし、上部電極102をスクリーン印刷する際にスクリーンとサンプルの剥離状態が悪く電極形状が一定にならない不具合が発生した。これは、絶縁膜104bと絶縁膜104cの極小膜厚が8μm程度であり、t2,t3と近い厚さとなったため、膜が平坦になり、スクリーンとの接触面積が増加したことに起因すると考えられる。したがって、上部電極を安定して形勢するためには、t2,t3の膜厚をt1以下とすることが好ましいと考えられる。
[実施例4]
実施例1で作成した回路基板100上に、図12に示すとおり電気泳動表示体601と透明電極(透明導電膜602)付の対向基板603を接着層604を介して貼りあわせることでディスプレイを作成した。電気泳動表示体601は正帯電の黒色粒子と負帯電白色粒子を分散液中に均一に分散したものを、マイクロカプセルに封入したものが一般的であり、入手可能である。対向基板603は市販のITO導電膜付PETフィルムを用いた。透明導電膜602と上部電極102間に電圧を印加することで、帯電粒子が電気泳動し表示体上面と下面に帯電粒子が局在するため観察方向から白黒の表示が観察できる。
透明導電膜602をアースに接続し、下部電極101aおよび下部電極101b(図7参照)それぞれに−20Vを印加すると、観察方向からは白色になることを確認し、下部電極101aおよび101bに+20Vを印加すると黒色になることを確認した。
さらに、下部電極101aを+20V,下部電極101bを-20Vとしたところ、ストライプ状の白黒パターンが表示され、表示が均一にされることが確認できた。
以上により、本発明の回路基板を電気泳動方式のディスプレイ駆動に適用可能であることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態を述べたが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
100 基板
101 下部電極
102 上部電極
103 ビアホール(開口部)
104a 絶縁膜
104b 絶縁膜
104c 絶縁膜
特開2000−190453号公報 特開2007−95783号公報 特開2008−87459号公報

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板上に形成される複数の下部電極と、前記基板上に形成され、前記複数の下部電極に対応する複数の開口部が形成された絶縁膜と、前記複数の開口部を介して前記下部電極と電気的に接続された複数の上部電極と、を有する回路基板であって、
    前記上部電極はピッチP0でマトリクス状に配置され、
    前記開口部は、少なくとも1方向にピッチP1とピッチP2で交互に配置されており、
    ピッチP1<ピッチP0<ピッチP2であり、かつピッチP1+ピッチP2=2P0の関係を満たすとともに、前記絶縁膜の膜厚が、配列周期がピッチP2である前記開口部間の略中間点で極小値をとることを特徴とする回路基板。
  2. 請求項1において、前記開口部のピッチがP1となる部分の前記絶縁膜の膜厚をt1、前記開口部のピッチがP2となる部分の前記絶縁膜の膜厚をt2とした場合、0.9≦t2/t1≦1.0としたことを特徴とする回路基板。
  3. 請求項1または2において、
    前記絶縁膜が無機物からなる微粒子と樹脂からなるバインダを主成分とすることを特徴とする回路基板。
  4. 請求項3において、
    前記開口部を有する前記絶縁膜が、スクリーン印刷法で形成され、ストライプ状の絶縁膜と、離散的な矩形状の絶縁膜との積層により形成されることを特徴とする回路基板。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、
    上部電極が導電材料からなる微粒子と樹脂からなるバインダを主成分とすることを特徴とする回路基板。
  6. 請求項5において、
    前記上部電極がスクリーン印刷によって形成されたものであることを特徴とする回路基板。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の回路基板と、前記回路基板に対向配置される透明電極を備えた対向基板と、の間に表示部を備えてなる画像表示装置。
  8. 基板と、前記基板上に形成される複数の下部電極と、前記基板上に形成され、前記複数の下部電極に対応する複数の開口部が形成された絶縁膜と、前記複数の開口部を介して前記下部電極と電気的に接続された複数の上部電極と、を有し、前記上部電極はピッチP0でマトリクス状に配置され、前記開口部は、少なくとも1方向にピッチP1とピッチP2で交互に配置されており、ピッチP1<ピッチP0<ピッチP2であり、かつピッチP1+ピッチP2=2P0の関係を満たすとともに、前記絶縁膜の膜厚が、配列周期がピッチP2である前記開口部間の略中間点で極小値をとるように構成された回路基板の製造方法であって、
    前記開口部を有する前記絶縁膜を、ストライプ状の絶縁膜と、離散的な矩形状の絶縁膜とを積層させて形成するとともに、前記配列周期がピッチP2である前記開口部間の領域では、前記絶縁膜を、スクリーン印刷法により開口面積が同じであるマスクの開口部によって印刷された隣接するドットを一体化させることによって形成したことを特徴とする回路基板の製造方法。
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