JP2010197456A - マイクロレンズ構造を有するレンズシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板の表面に凸形状レンズ1が離間して複数配置されている。本実施の形態においては、モアレなどを発生しにくくするために凸形状レンズ1を略デルタ位置に配置している。そして、凸形状レンズ1が形成されていない光学シート表面の全域に複数の凸条2を隙間無く施している。この複数の凸条2は、図面縦方向と横方向に互いに交差して2方向に配列されている。このように透明基板の平滑な下地部分を除去することで、ムラの低減が可能となる。
【選択図】図1
Description
例えば、マイクロレンズアレイやプリズムアレイ、レンチキュラーレンズ、光導波路、導光路などの光学作用を目的とした光学構造を有した光学シートであり、液晶表示装置(LCD)に用いる輝度向上シートなどに用いる光学部品に関する。
光源で消費する電力が装置全体で消費する電力の相当部分を占めており、総電力の低減が強く要望される昨今においては、光源効率の向上が必須となっている。
光源効率の向上策として電力-発光変換効率を高めたり、周辺の明るさに応じて必要な分だけ発行するように調光する手段があるが、発した光線の利用効率を高める手法がある。
このBEFに代表される輝度向上フィルムにより、ディスプレイ設計者は、電力消費を低減しながら所望の正面輝度の達成が可能となった。
プリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイに採用することは、多数の特許文献に開示されている(たとえば特許文献1乃至3参照)。
この光学フィルムではレンズが形成された面の裏面側に、レンズの焦点面近傍が開口部としたストライプ状の反射層パターンが設けられている。
また、この様な複雑な多層構造を有するレンズシートとは別の、単純なシート構造のレンズシートとしてマイクロレンズシートも提案されている(たとえば特許文献5参照)。
マイクロレンズ形状を持つレンズシートを用いることで部品数の削減を図る方式があり、その際には、生産性の側面からレンズ間が離間したマイクロレンズアレイ形状を製造するのが最も効率がよい。
しかしながら、この様に製造されるマイクロレンズ形状のレンズフィルムは、マイクロレンズ形状作成時に発生するマクロ的なムラが発生しやすく、外観上の問題として発現する為、製品としては望ましくなかった。
このムラは、主としてレンズ版の製造時、及び、レンズシートの成形加工時の厚みムラに起因している。
レンズ版製造時のムラについては、描画するパターン自身のバラツキや、エッチング処理時におけるエッチング液の流動性や局所的な濃度のムラにより発生するため、抜本的なプロセスの入れ替えが必要であり、望ましくない。
下地部分は平滑面であるので、そのムラは非常に視認しやすく、製品においてもムラが目立ってしまい望ましくない。
本発明ではムラの原因となっている、この下地部分に微細な形状を施すことで光線の拡散を起こし、ムラの低減を図った。
加えて、凸条のピッチ、形状を適宜調整する事により光学特性の調整も可能である。
具体的には凸条の断面形状として、頂角90°のプリズム形状とした場合、正面輝度の向上が可能である。
同様に凸条の断面形状を曲率をもつレンチキュラーレンズ形状とすれば広視野角化が可能である。
例えば頂角90°のプリズムを、ディスプレイの縦方向と横方向に沿った90°で直交するストライプパターンとする事で、ディスプレイの上下左右方向の特性を変えたり、ディスプレイの対角方向にストライプパターンをそれぞれ配置することで斜め方法からの輝度分布の改善を行う事が出来る。
結果として、レンズ成形時に厳密な厚み管理が容易になり、ムラの低減につながる。
図1において、透明基板の表面に凸形状レンズ1が離間して複数配置されている。本実施の形態においては、モアレなどを発生しにくくするために凸形状レンズ1を略デルタ位置に配置している。そして、凸形状レンズ1が形成されていない光学シート表面の全域に複数の凸条2を隙間無く施している。
この複数の凸条2は、図面縦方向と横方向に互いに交差して2方向に配列されている。
なお、レンズ1の高さは図1(D)に示すように、凸条2より高くてもよく、あるいは凸条2の高さと同一、あるいは、凸条2よりも低くてもよい。
このように透明基板の平滑な下地部分を除去することで、ムラの低減が可能となる。
また凸条形状を交差パターンとすることで、それぞれの方向への光線をコントロールする事が可能となる効果が得られる。
図2は本発明の光学シートの他の例を示す説明図で、(A)は平面図、(B)は(A)のBB断面図、(C)は(A)のCC断面図である。
図1においては、図面縦方向と横方向に配列した凸条2の高さと幅を表面全域にわたって、同一としたが、図2(B)、(C)に示すように、凸条2の高さ又は幅を、互いに異なるように施しても良い。凸条2の配列方向をディスプレイの上下又は左右方向に合わせた場合にディスプレイの上下左右方向の特性を変えることができる。
また、凸条形状のプリズムの頂角を調整することにより、ムラ低減の効果を得つつ、その光学特性の調整が可能である。例えばプリズムの頂角を広げれば(例えば100°)プリズム起因のサイドローブを減らす事が出来るし、プリズム頂角を狭めれば(例えば80°)より輝度を向上させる事が可能である。
このように、凸条2のピッチ、形状を適宜調整する事により光学特性の調整も可能となる。
すなわち、曲率をもつレンチキュラーレンズ形状を一方向に施した構成である。
この構成の光学シートを用いることにより、ディスプレイの広視野角化が可能となり、観察方向の変化に伴う輝度変化を減じた、より自然な表示品位のディスプレイを得ることが出来る。
たとえば、交差角度が58.8°として、液晶TVの対角線に沿って配置しても良い。
まず、本発明に係る光学部品を成形するための型を用意する。
型材としては円筒状の金型を用いれば連続シート状の成型が可能であり、平板状の金型とすればプレス法やインジェクション法などによる板やシートの形成が可能となる。
ロール型を採用した場合に連続的な生産が可能であり、パターンの継ぎ目がない型材とする事で、連続パターンのフィルムを得ることが出来るため、切り出しの寸法を調整するだけで多くの画面サイズへの対応が可能となるため生産性が良い。
また、平型とした場合には枚葉となるものの、板材への形状転写が容易であり、小ロット多品種への対応に向いている。
金型の下地素材は、耐久性やハンドリングを加味し、鉄やSUS、アルミなどを下地とし、形状を形成する表面層として銅や真鍮をメッキするのが一般的である。
耐擦性を考慮し、形状を形成した銅や真鍮の表面にCrメッキやNiメッキを施しても良い。
耐エッチング層は型材の表面に一様に形成するが、コーティング技術を用いて一様な厚さで形成するのが望ましい。具体的にはスプレー方式や転写方式、ディップコートなどが費用対効果の面で採用しやすい。
耐エッチング層はエッチング液による腐食に強いのは当然として、照射するレーザーの波長において吸光する物質を含有している事が望ましい。
前記吸光材としては特にカーボンブラックが費用対効果に優れており、ほぼ全ての波長域での光線吸収を有するため扱いやすい。
エッチング液は金型の下地材との相性によって適宜選定される。
また銅材にエッチングを行う場合にはエッチング液に硫酸や塩酸などを添加することで、より良い平滑面を得る事が出来る。
形状の転写方法にはUV樹脂成型法を用いると形状の転写性が良いため望ましい。具体的には、未硬化状態の樹脂を、型とフィルムなどの基材との間に充填した状態で、紫外線などの放射線を照射、樹脂を硬化させた後に型から剥離して形状転写を行えば良い。
もちろん、樹脂は紫外線など放射線で硬化しなければならないが、硬化後に透明とならなければならない。
金型には凹部形状が設けられており、この凹部を略デルタ配置とすることで、モアレなどが発生しにくく、また発生したとしても軽微となるため、使用に当たっての制約が最小限ですむ。
一方で厚みムラを低減するため、厳密な厚み管理によるUV硬化処理が必要であり、金型―ニップロール間の密着度を、圧力や弾性材料を用いて向上させる事が可能である。
通常のエッチングでは連続的に腐食されるため、その断面形状も連続的に変化するが、スプレーでエッチング液を噴霧するなどしてエッチング液の流れをコントロールすることで直線部を有する断面形状を得られる。
加えて、一度エッチングを途中で停止した後に再度耐エッチング膜を形成、先にエッチングした凹部の一部だけにレーザーによりパターンを形成後、2度目のエッチングを施すことで、凸部の傾斜部分に変極点を有し、頂部に突起部を形成できる。
この形状調整は光学部材の用途に応じて任意に調整する事が可能であり、幅広く製品に対応する事が可能である。
上記円筒型はグラビア印刷用の製版プロセスを使用し、銅メッキ上にパターンを製作した。
この際に、切削の深さを精密に調整してレンズ部との高さ合せを行う。
この切削加工の際に使用するバイトの断面形状をV形状やレンズ形状など適宜選定することで、所望の凸条断面形状を得ることができる。
円筒型の円周方向に切削を行った後に、円筒型の長手方向への切削を行ない、下地部分の完全な除去を実施する。
UV光は1.5KWの高圧水銀灯を使用し、成型速度は2.0m/分にて行った。
ロール成型法となるため連続成型が可能であり、その場合フィルム上の光学部材を得る事ができる。
然る後にフィルムを必要な大きさ、形状に切り出して光学部品として完成する。
2…凸条
Claims (11)
- 透明基板の表面に凸形状レンズが離間して複数配置され、かつ、前記凸形状レンズが形成されていない前記表面の全域に複数の凸条が隙間無く施されたレンズシートであって、
前記複数の凸条のうち、一部の凸条は第1の方向に沿って施され、
前記複数の凸条のうち、残りの凸条は前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って施されている、
ことを特徴とする光学シート。 - 前記複数の凸条の断面形状は逆V字状であることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
- 前記第1の方向に施された凸条の高さ又は幅と、前記第2の方向に施された凸条の高さ又は幅は、互いに異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学シート。
- 前記第1の方向に施された凸条の逆V形状の頂角と、前記第2の方向に施された凸条の逆V形状の頂角の角度は、互いに異なることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学シート。
- 前記第1の方向に施された凸条と前記第2の方向に施された凸条のうち少なくとも一方の断面形状は半円もしくは半楕円形状であることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
- 前記第1の方向に施された凸条と前記第2の方向に施された凸条のうち少なくとも一方の形状がレンチキュラーレンズ形状であることを特徴とする請求項5に記載の光学シート。
- 前記第1の方向と前記第2の方向の交差角度が90°であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の光学シート。
- 前記第1の方向と前記第2の方向の交差角度が58.8°であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の光学シート。
- 前記請求項7に記載の光学シートを、前記第1の方向を表示装置の上下方向又は左右方向に揃えて配置した事を特徴とするディスプレイ。
- 前記請求項7に記載の光学シートを、前記第1の方向を表示装置の上下方向に対し45°回転して配置した事を特徴とするディスプレイ。
- 前記請求項8に記載の光学シートを、前記第1の方向及び前記第2の方向を表示装置の対角線に沿って配置した事を特徴とするディスプレイ。
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