JP2010197155A - 磁束検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誤差を含まずに適切に磁束を検出可能な磁束検出装置を提供する。
【解決手段】磁束検出装置100は、周方向の所定の位置にコアギャップ21を含み、磁性材料を用いて環状に形成された環状コア20と、基準端子と、電源端子と、出力端子と、を少なくとも有するリードフレームに実装され、コアギャップ21に挿入されて環状コア20に生じる磁束Φを検出する磁束検出部10と、コアギャップ21に挿入された磁束検出部10と環状コア20との間に生じる2つの隙間のうち少なくともいずれか一方の隙間に配設されると共に、出力端子に接続され、電源端子を含むリードフレームと、基準端子を含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設された導電性ループ40と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】磁束検出装置100は、周方向の所定の位置にコアギャップ21を含み、磁性材料を用いて環状に形成された環状コア20と、基準端子と、電源端子と、出力端子と、を少なくとも有するリードフレームに実装され、コアギャップ21に挿入されて環状コア20に生じる磁束Φを検出する磁束検出部10と、コアギャップ21に挿入された磁束検出部10と環状コア20との間に生じる2つの隙間のうち少なくともいずれか一方の隙間に配設されると共に、出力端子に接続され、電源端子を含むリードフレームと、基準端子を含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設された導電性ループ40と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁性材料を用いて環状に形成された環状コアに生じる磁束を検出する磁束検出装置に関する。
従来、ホール効果を用いて磁束を検出し、当該磁束に基づいて電流を測定する電流センサが利用されている(例えば特許文献1など)。この種の電流センサを用いて電流を測定する際、特に測定対象の電流が流れる電流通路にホール素子、又は当該ホール素子と信号処理部(信号処理回路部)とが集積化されたホールICが近接すると電流通路を流れる電流によりノイズが発生することが知られている。このようなノイズは、測定対象である真の電流値に対して誤差を含ませる原因となるため、適切に電流測定を行うことができない。そこで、このような測定対象の電流に基づくノイズの発生を防止する技術がある(例えば、特許文献2)。
特許文献2に記載の半導体装置は、ホール素子や当該ホール素子以外の能動素子が構成された領域を絶縁層で覆い、当該絶縁層を更に覆うようにシールド層を配置している。そして、当該シールド層上に更に絶縁層を配置し、当該絶縁層上に測定対象となる電流が流れる導体層が形成される。この導体層は、ホール素子の鉛直方向上方に形成される。
特許文献2に記載の半導体装置は、絶縁層上に配置されるシールド層により導体層と半導体層との間における電磁誘導の発生を防止している。しかしながら、ホール素子や当該ホール素子以外の能動素子が構成するセンサ回路に付随するリードフレームと、当該半導体装置がアセンブリされるプリント基板等の間でループ回路が形成されることになる。このため、半導体装置をコア等のギャップに挿入して磁束を検出する使用形態の場合においては、測定対象の電流が急峻に変化するとこのループ回路にも漏れ磁束が鎖交しているので、当該ループ回路に起因して誘導起電力が発生し、測定結果に誤差が含まれる可能性がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、測定結果に誤差を含むことなく適切に磁束を検出することが可能な磁束検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る磁束検出装置の特徴構成は、
周方向の所定の位置にコアギャップを含み、磁性材料を用いて環状に形成された環状コアと、
基準電位を設定する基準端子と、磁束を検出可能に電源電圧が印加される電源端子と、前記検出された磁束に応じた出力信号を出力する出力端子と、を少なくとも有するリードフレームに実装され、前記コアギャップに挿入されて前記環状コアに生じる磁束を検出する磁束検出部と、
前記コアギャップに挿入された磁束検出部と前記環状コアとの間に生じる2つの隙間のうち少なくともいずれか一方の隙間に配設されると共に、前記出力端子に接続され、前記電源端子を含むリードフレームと、前記基準端子を含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設された導電性ループと、
を備える点にある。
周方向の所定の位置にコアギャップを含み、磁性材料を用いて環状に形成された環状コアと、
基準電位を設定する基準端子と、磁束を検出可能に電源電圧が印加される電源端子と、前記検出された磁束に応じた出力信号を出力する出力端子と、を少なくとも有するリードフレームに実装され、前記コアギャップに挿入されて前記環状コアに生じる磁束を検出する磁束検出部と、
前記コアギャップに挿入された磁束検出部と前記環状コアとの間に生じる2つの隙間のうち少なくともいずれか一方の隙間に配設されると共に、前記出力端子に接続され、前記電源端子を含むリードフレームと、前記基準端子を含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設された導電性ループと、
を備える点にある。
このような特徴構成とすれば、磁束検出装置の検出対象である磁束の磁束密度が急激に変化した場合であっても(例えば40mT/μs以上)、磁束検出部の出力端子及び基準端子に発生する誘導起電力が、導電性ループにも発生する誘導起電力により打ち消すことができる。したがって、磁束検出装置が誤差を含むことなく適切に磁束の検出を行うことが可能となる。
また、前記コアギャップに現れる前記環状コアの断面領域を示すギャップ断面領域に前記導電性ループを投影した場合に、前記ギャップ断面領域の外郭と前記導電性ループとにより囲まれた第1領域が形成され、前記導電性ループは、前記電源端子を含むリードフレームと前記基準端子を含むリードフレームとで構成される面が受ける鎖交磁束の方向と、前記第1領域が受ける鎖交磁束の方向とが対向するように配設されてあると好適である。
このような構成とすれば、電源端子を含むリードフレームと、基準端子を含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力を、第1領域で導電性ループに生じる逆位相の起電力で打ち消すことができる。したがって、磁束の検出を誤差なく行うことが可能となる。
また、前記ギャップ断面領域に前記リードフレームを投影した場合に、前記ギャップ断面領域の外郭と、前記電源端子を有するリードフレームと、前記基準端子を有するリードフレームとにより囲まれた第2領域が形成され、前記導電性ループは、前記第1領域の面積と前記第2領域の面積とが等しくなるように形成されてあると好適である。
このような構成とすれば、第1領域から生じる磁束と、第2領域から生じる磁束とを等しくすることができるので、磁束の検出段階において、誤差を含むことなく適切に磁束の検出を行うことが可能となる。
また、前記磁束検出部と前記リードフレームとの間でワイヤボンディングが行われる場合には、前記第2領域が、前記ギャップ断面領域の外郭と、前記電源端子と、前記電源端子と前記磁束検出部とを接続する第1接続線と、前記磁束検出部が実装されたリードフレームと、前記磁束検出部と前記基準端子とを接続する第2接続線と、前記基準端子と、で囲まれた領域であると好適である。
このような構成とすれば、ワイヤボンディングが行われた磁束検出部においても、適切に第2領域を定めることができる。このため、適切に第1領域の面積と第2領域の面積とを等しくすることが可能となる。
また、前記導電性ループが、環状を形成する線材であると好適である。
このような構成とすれば、出力端子から出力される出力信号を他の制御手段に伝達する線材で、導電性ループを構成することが可能となる。したがって、新たに導電性ループのための部材を必要としないので、低コストで導電性ループを構成することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明に係る磁束検出装置100の概略構成を示す図である。本磁束検出装置100によれば、磁性材料を用いて環状に形成された環状コア20に生じる磁束Φを検出することが可能である。このような磁束検出装置100は、例えば、環状コア20の周囲に配設された電路に所定の電流を流し、当該電流に起因した磁界により生じた磁束を検出することにより、前記所定の電流の電流値を測定するといった用途に好適に利用することが可能である。このような磁束検出装置100は、環状コア20、磁束検出部10、導電性ループ40を備えて構成される。
以下、磁束検出装置100の実施例1について説明する。環状コア20は、周方向の所定の位置にコアギャップ21を含み、磁性材料を用いて環状に形成される。コアギャップ21のギャップ長は、詳細は後述するが、少なくとも磁束検出部10と導電性ループ40とが挿入可能な長さであれば良い。また、コアギャップ21が形成される位置は、特に限定されるわけではないが、環状コア20を支持する支持部材(図示せず)と干渉しない位置であれば好適である。また、環状コア20に用いられる磁性材料は、特に、磁束Φが環状コア20を通過する際に生じる損失を少なくすることが可能な材料であると好適である。
環状コア20は、その環状の内側に、電流が流れる導電部材30が位置するように配設される。図1においては、導電部材30には、紙面手前側から奥側に向かって電流が流れるように配設されている状態を示している。係る場合には、導電部材30に流れる電流に応じて導電部材30を中心とする時計回りに沿った磁界が発生し、環状コア20にも図1において破線で示すような磁束Φが生じる。
磁束検出部10は、コアギャップ21に挿入されて環状コア20に生じる磁束Φを検出する。環状コア20に生じる磁束Φとは、上述のように導電部材30に流れる電流により発生する磁界に起因する磁束Φである。本磁束検出装置100により検出された磁束Φは、図示しない演算手段により導電部材30に流れる電流の電流値を演算するのに利用される。即ち、導電部材30に流れる電流を検出する電流センサに好適に利用される。
ここで、磁束検出部10が磁束Φを検出する際、導電部材30に流れる電流が急激に変化した場合には、当該急激な変化により生じるノイズ等に起因して誤差が含まれ、実際に導電部材30に流れる電流と、磁束検出部10により検出された磁束Φに基づいて演算された電流との間に差が生じる場合がある。本磁束検出装置100は、このようなノイズ等を減衰させるために導電性ループ40(後述する)を備えて構成される。
ここで、磁束検出部10は、ホール効果により磁束を検出するホール素子、又は当該ホール素子と増幅回路等の信号処理回路部とを含んで構成されるICを示し、これらを樹脂モールドで封入して構成すると好適である。以下の説明において磁束検出部10は、信号処理回路部の有無に拘らずホール素子10と定義し、リードフレームを備えて樹脂モールドで封入されたものをホールIC11と定義して説明する。
また、ホール素子10は、基準電位を設定する基準端子tbと、磁束Φを検出可能に電源電圧が印加される電源端子tdと、検出された磁束Φに応じた出力信号を出力する出力端子toと、を少なくとも有するリードフレームに実装されて構成される。本実施例では基準電位とは、ホール素子10の電気的な基準となる電位であり、本実施例ではGND電位であるとして説明する。したがって、基準端子tbは図示しないGNDラインに接続される。また、電源端子tdはホール素子10がホール効果を生じさせるのに要する電源電圧を印加するために電源ラインに接続される。また、ホール素子10は検出した磁束Φに応じた出力信号を出力する。この出力信号は出力端子toから出力される。したがって、出力端子toは例えば上述の演算手段に出力信号を伝達可能な信号ラインに接続される。ホール素子10は、このような端子を有するリードフレームに実装されて構成される。なお、リードフレームには、基準端子tbや電源端子tdや出力端子toの他の端子を備えていても良い。
本実施例に係るホールIC11は、上述の各端子が基板50に挿入してアセンブリすることが可能なリードで形成された、所謂リードタイプのものが用いられる。図2は、このようなリードタイプのホールIC11をアセンブリすることが可能なランド51a−51dが形成された基板50を模式的に示した図である。また、図3は、このような基板50にホールIC11をアセンブリした概略図を模式的に示した図である。なお、図3には理解を容易とするために、環状コア20や導電部材30も示している。図3に示されるように、本実施例においては4つの端子を備えたホールIC11が用いられる。この4つの端子は、夫々基準端子tb、電源端子td、出力端子to、非接続端子tnである。ここで、非接続端子tnは出力ノイズ調整等に用いられることもある端子であるが、本実施形態とは関わりがないのでホール素子10との配線図の記述を省略している。基準端子tbはランド51dに挿入され、非接続端子tnはランド51cに挿入され、出力端子toはランド51bに挿入され、電源端子tdはランド51aに挿入される。そして、夫々の端子は、各ランド51a−51dに挿入された状態で半田により固着される。
また、基板50には、外部に接続可能に接続端子52a−52cが備えられる。図2及び図3に示されるように、接続端子52aは電源端子tdが挿入されるランド51aと接続され、接続端子52cは基準端子tbが挿入されるランド51dと接続される。ここで、接続端子52bは出力端子toが挿入されるランド51bとは直接接続されていない。即ち、ランド51bはスルーホール53aと接続され、接続端子52bはスルーホール53bと接続される。そして、スルーホール53aとスルーホール53bとはオープン状態で形成される。このスルーホール53aとスルーホール53bとには、図3に示されるように、導電性ループ40が配設される。ここで、導電性ループ40は、環状を形成する線材で構成される。したがって、ランド51bと接続端子52bとは、導電性ループ40を介して導通状態に保持することが可能となる。
導電性ループ40は、コアギャップ21に挿入されたホール素子10と環状コア20との間に生じる2つの隙間のうち少なくともいずれか一方の隙間に配設されると共に、出力端子toに接続され、電源端子tdと基準端子tbとの間で生じる誘導起電力を打ち消す働きがある。ここで、上述のようにホール素子10は、コアギャップ21に挿入した状態で配設される。したがって、ホール素子10をコアギャップ21に挿入した状態においては、ホール素子10と環状コア20との間には、2つの隙間(ホール素子10の一方の面と環状コア20との隙間と、ホール素子10の他方の面と環状コア20との隙間)が生じることになる。導電性ループ40は、このような2つの隙間のうち少なくともいずれか一方の隙間に配設される。本実施形態では、本発明を理解し易くするために、2つの隙間のうち一方の隙間に配設されるとして説明する。
ここで、上述のように導電部材30に流れる電流が急激に変化した場合には、当該急激な変化により生じるノイズ等に起因して誤差が含まれ、実際に導電部材30に流れる電流と、ホール素子10により検出された磁束Φに基づいて演算された電流との間に差が生じる場合がある。このような誤差は、ホールIC11が備える電源端子tdを含むリードフレームと、基準端子tbを含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力に起因する。即ち、電源端子tdや基準端子tbを有するリードフレームと、ホールIC11がアセンブリされる基板50との間でループ回路が形成され、導電部材30を流れる電流が急激に変化した場合にループ回路内にも加わる鎖交磁束の変化により当該ループ回路に誘導起電力が発生することによる。導電性ループ40は、このようなループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設され、ループ回路内に生じる誘導起電力を打ち消すように機能する(詳細は後述する)。
上述のように環状コア20には、導電部材30に流れる電流に応じた磁束Φが発生する。この磁束Φは、コアギャップ21にも同様に生じる。図3においては、導電部材30に流れる電流が、紙面左下側から右上側に向かって流れているため、コアギャップ21に生じる磁束Φは、紙面左上側から右下側に向かう方向で生じる。
ここで、コアギャップ21に現れる環状コア20の断面領域を示すギャップ断面領域G1に導電性ループ40を投影した場合に、ギャップ断面領域G1の外郭GLと導電性ループ40とにより囲まれた第1領域S1が形成される。ギャップ断面領域G1は、環状コア20の断面を示す領域である。このギャップ断面領域G1に導電性ループ40を投影した投影図が、図4に示されるものに相当する。なお、図4は図3において磁束Φの流れの下流側からホールIC11を見た場合の概略図を示している。このような投影図において、ギャップ断面領域G1の外郭GLと、導電性ループ40とにより囲まれた領域が、第1領域S1に相当する。
導電性ループ40は、電源端子tdを含むリードフレームと基準端子tbを含むリードフレームとで構成される面が受ける鎖交磁束の方向と、第1領域S1が受ける鎖交磁束の方向とが対向するように配設される。ここで、電源端子tdにはホール素子10に供給する電源電流が流れ、基準端子tbにはホール素子10から流れ出す所謂アース電流が流れる。このように、電源端子tdと基準端子tbと基板50とにより、ループ回路が形成されている。このため、導電部材30に流れる電流が変化した場合、このループ回路の鎖交磁束が変化し誘導起電力が生じる。一方、第1領域S1に生じる磁束Φは導電性ループ40を伝達する出力信号に応じて生じる。例えば図3に示されるように、コアギャップ21に生じる磁束Φが紙面左上側から右下側に向かう方向である場合には、電源端子tdと基準端子tbとの間にも同方向の磁束Φが生じる。このため、基準端子tbから電源端子tdに向かう方向(図3においては反時計周りの方向)の誘導起電力が生じる。したがって、導電性ループ40は、電源端子tdを含むリードフレームと、基準端子tbを含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設される(図3参照)。
ここで、ギャップ断面領域G1にリードフレームを投影した場合に、ギャップ断面領域G1の外郭GLと、電源端子tdを有するリードフレームと、基準端子tbを有するリードフレームとにより囲まれた第2領域S2が形成される。ギャップ断面領域G1は、上述のように環状コア20の断面を示す領域である。このギャップ断面領域G1に電源端子tdを有するリードフレームと、基準端子tbを有するリードフレームとを投影した投影図が、図5に示されるものに相当する。なお、図5は図3において磁束Φの流れの上流側からホールIC11を見た場合の概略図を示している。このような投影図において、ギャップ断面領域G1の外郭GLと、電源端子tdを有するリードフレームと、基準端子tbを有するリードフレームとにより囲まれた領域が、第2領域S2に相当する。
特に、図5には、ホール素子10とリードフレームとの間でワイヤボンディングが行われる場合の例を示している。係る場合には、第2領域S2が、ギャップ断面領域G1の外郭GLと、電源端子tdと、電源端子tdとホール素子10とを接続する第1接続線W1と、ホール素子10が実装されたリードフレームと、ホール素子10と基準端子tbとを接続する第2接続線W2と、基準端子tbと、で囲まれた領域が相当する。したがって、ギャップ断面領域G1と端子間領域T1とが重複する部分S2は、図5に示される領域が相当する。また、当該導電性ループ40は、第1領域S1の面積と第2領域S2の面積とが等しくなるように形成される。このように形成することにより、電源端子tdを含むリードフレームと、基準端子tbを含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設され、ループ回路内に生じる誘導起電力を打ち消すことが可能となる。
このように導電性ループ40を有するホール素子10の出力信号と、当該導電性ループ40を有さないホール素子10の出力信号とを図6に示す。図6(a)に当該導電性ループ40を有さない場合の出力信号を示し、図6(b)に当該導電性ループ40を有する場合の出力信号を示す。夫々の図において、上側の波形は当該導電性ループ40の効果を示すために導電部材30に流した入力(電流の電流波形)である。図6(a)及び(b)に示されるように、導電部材30に流した電流はパルス入力で行われている。また、当該導電性ループ40を有する場合と有さない場合とで同じ電流が入力されている。
夫々の図において、下側の波形が出力(ホール素子10の出力信号の電圧波形)である。図6(a)の出力信号の電圧波形から明らかなように、入力パルスの立ち上がりと立ち下がりとにピークが発生している。これは、電流の変化により上述のループ回路に起電力が生じたことに起因するものである。一方、図6(b)の出力信号の電圧波形においては、入力パルスの立ち上がりと立ち下がりとにピークが図6(a)の場合と比べて小さくなっている。このように当該導電性ループ40を適切に接続することにより、入力パルスの立ち上がりと立ち下がりとに生じるピークを小さくすることができる。したがって、磁束Φを精度良く検出することが可能となる。
次に、磁束検出装置100の実施例2について説明する。図7は、実施例2に係る磁束検出装置100の概略構成を示す図である。本実施例の磁束検出装置100は、面実装タイプのホールIC11が利用される点で上述の実施例1と異なる。図7(a)には、基板50にアセンブリされた面実装タイプのホールIC11をコアギャップ21に挿入した場合の断面を示している。また、環状コア20の環状内側に配設される導電部材30には、紙面手前から奥側に向かって電流が流れている状態を示している。したがって、環状コア20には、紙面左手側から右手側に向かう磁束Φが生じる。
図7(b)は図7(a)におけるVIIb−VIIb線断面図である。また、図7(c)は図7(a)におけるVIIc−VIIc線断面図である。また、説明の便宜上、図7(b)及び図7(c)において、環状コア20のギャップ断面領域G1を示している。なお、図7(b)及び図7(c)に示されるように、ホールIC11が備える各端子以外の部分(ホールIC11のボディ(樹脂モールド))下の基板50を孔状にくり抜いて構成することも可能である。このようにアセンブリされた面実装タイプのホールIC11においても、出力端子toに導電性ループ40を接続し、第1領域S1の面積と、第2領域S2の面積とが等しくなるように導電性ループ40が形成される。
図7(b)において、ギャップ断面領域G1は二点鎖線で囲まれた四角形状の領域である。このようなギャップ断面領域G1に導電性ループ40を投影した投影図に示されるように、第1領域S1はギャップ断面領域G1の外郭GLと、導電性ループ40とにより囲まれて形成される。このように形成される第1領域S1には、紙面奥側から手前側に向かう磁束Φが生じる。
一方、図7(c)において、ギャップ断面領域G1は二点差線で囲まれた四角形状の領域である。このようなギャップ断面領域G1に電源端子tdを有するリードフレームと、基準端子tbを有するリードフレームとを投影した投影図に示されるように、第2領域S2は、ギャップ断面領域G1の外郭GLと、電源端子tdと、電源端子tdとホール素子10とを接続する第1接続線W1と、ホール素子10が実装されたリードフレームと、ホール素子10と基準端子tbとを接続する第2接続線W2と、基準端子tbと、で囲まれて形成される。このように形成される第2領域S2には、紙面奥側から手前側に向かう磁束Φが生じる。
導電性ループ40は、第1領域S1の面積と第2領域S2との面積とが等しくなるように形成される。即ち、第1領域S1の面積と第2領域S2との面積とが等しくなるように引き回される。また、電源端子tdを含むリードフレームと、基準端子tbを含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力を、第1領域で導電性ループに生じる逆位相の起電力で打ち消すように導電性ループ40は引き回される。本実施例で示したように、第1領域S1と第2領域S2とは同一面内に形成しなくても、上述の効果を得ることは当然に可能である。
次に、磁束検出装置100の実施例3について説明する。図8は、実施例3に係る磁束検出装置100の概略構成を示す図である。本実施例の磁束検出装置100は、リードタイプのホールIC11が用いられる点で上述の実施例1と同じであるが、導電性ループ40を基板50の配線で行う点で実施例1と異なる。図8(a)には、基板50にアセンブリされたリードタイプのホールIC11を、当該ホールIC11が有するリードが折り曲げた状態でコアギャップ21に挿入した場合の断面を示している。また、環状コア20の環状内側に配設される導電部材30には、紙面奥側から手前側に向かって電流が流れている状態を示している。したがって、環状コア20には、紙面右手側から左手側に向かう磁束Φが生じる。
図8(b)は図8(a)におけるVIIIb−VIIIb線断面図である。また、図8(c)は図8(a)におけるVIIIc−VIIIc線断面図である。また、説明の便宜上、図8(b)及び図8(c)において、環状コア20のギャップ断面領域G1を示している。このようにアセンブリされたホールIC11においても、出力端子toに導電性ループ40を接続し、第1領域S1の面積と、第2領域S2の面積とが等しくなるように導電性ループ40が形成される。
図8(b)において、ギャップ断面領域G1は二点鎖線で囲まれた四角形状の領域である。このようなギャップ断面領域G1に導電性ループ40を投影した投影図に示されるように、第1領域S1はギャップ断面領域G1の外郭GLと、導電性ループ40とにより囲まれて形成される。このように形成される第1領域S1には、紙面手前側から奥側に向かう磁束Φが生じる。
一方、図8(c)において、ギャップ断面領域G1は二点鎖線で囲まれた四角形状の領域である。このようなギャップ断面領域G1に電源端子tdを有するリードフレームと、基準端子tbを有するリードフレームとを投影した投影図に示されるように、第2領域S2は、ギャップ断面領域G1の外郭GLと、電源端子tdと、電源端子tdとホール素子10とを接続する第1接続線W1と、ホール素子10が実装されたリードフレームと、ホール素子10と基準端子tbとを接続する第2接続線W2と、基準端子tbと、で囲まれて形成される。このように形成される第2領域S2には、紙面手前側から奥側に向かう磁束Φが生じる。
導電性ループ40は、第1領域S1の面積と第2領域S2との面積とが等しくなるように形成される。即ち、第1領域S1と第2領域S2との面積とが等しくなるように配線が引き回される。また、電源端子を含むリードフレームと、基準端子を含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力を、第1領域で導電性ループに生じる逆位相の起電力で打ち消すように導電性ループ40は引き回される。このように第1領域S1と第2領域S2とは同一面内に形成しなくても、上述の効果を得ることは当然に可能である。
〔その他の実施例〕
上記実施形態では、導電性ループ40が、コアギャップ21に挿入されたホール素子10と環状コア20との間に生じる2つの隙間のうち一方の隙間に配設されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。即ち、導電性ループ40をコアギャップ21に挿入されたホール素子10と環状コア20との間に生じる2つの隙間に配設することも当然に可能である。このような構成とする場合であっても、第1領域S1の面積と第2領域S2の面積とを等しくするように、且つ電源端子tdを含むリードフレームと、基準端子tbを含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力を、第1領域で導電性ループに生じる逆位相の起電力で打ち消すように導電性ループ40を形成することにより上述の効果を得ることは当然に可能である。
上記実施形態では、導電性ループ40が、コアギャップ21に挿入されたホール素子10と環状コア20との間に生じる2つの隙間のうち一方の隙間に配設されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。即ち、導電性ループ40をコアギャップ21に挿入されたホール素子10と環状コア20との間に生じる2つの隙間に配設することも当然に可能である。このような構成とする場合であっても、第1領域S1の面積と第2領域S2の面積とを等しくするように、且つ電源端子tdを含むリードフレームと、基準端子tbを含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力を、第1領域で導電性ループに生じる逆位相の起電力で打ち消すように導電性ループ40を形成することにより上述の効果を得ることは当然に可能である。
上記実施形態では、磁束検出部10がホール素子10であるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。ホール素子10に代えて磁束Φを検出する機能を備えた他の機能部を用いることも当然に可能である。
上記実施形態では、導電性ループ40は、第1領域S1の面積と第2領域S2の面積とが等しくなるように形成されてあるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されるものではない。第1領域S1の面積と第2領域S2の面積とは完全に等しいものに限定されるものではなく、略等しいものも含まれるものである。このように構成した場合であっても、適切に磁束Φを検出することが可能である。
本発明は、磁性材料を用いて環状に形成された環状コアに生じる磁束を検出する磁束検出装置に利用可能である。
10:磁束検出部(ホール素子)
20:環状コア
21:コアギャップ
30:導電部材
40:導電性ループ
50:基板
100:磁束検出装置
Φ:磁束
20:環状コア
21:コアギャップ
30:導電部材
40:導電性ループ
50:基板
100:磁束検出装置
Φ:磁束
Claims (5)
- 周方向の所定の位置にコアギャップを含み、磁性材料を用いて環状に形成された環状コアと、
基準電位を設定する基準端子と、磁束を検出可能に電源電圧が印加される電源端子と、前記検出された磁束に応じた出力信号を出力する出力端子と、を少なくとも有するリードフレームに実装され、前記コアギャップに挿入されて前記環状コアに生じる磁束を検出する磁束検出部と、
前記コアギャップに挿入された磁束検出部と前記環状コアとの間に生じる2つの隙間のうち少なくともいずれか一方の隙間に配設されると共に、前記出力端子に接続され、前記電源端子を含むリードフレームと、前記基準端子を含むリードフレームと、センサ回路と、を配線してなるループの内側に誘導される起電力とは逆位相となる起電力を発生可能に配設された導電性ループと、
を備える磁束検出装置。 - 前記コアギャップに現れる前記環状コアの断面領域を示すギャップ断面領域に前記導電性ループを投影した場合に、前記ギャップ断面領域の外郭と前記導電性ループとにより囲まれた第1領域が形成され、
前記導電性ループは、前記電源端子を含むリードフレームと前記基準端子を含むリードフレームとで構成される面が受ける鎖交磁束の方向と、前記第1領域が受ける鎖交磁束の方向とが対向するように配設されてある請求項1に記載の磁束検出装置。 - 前記ギャップ断面領域に前記リードフレームを投影した場合に、前記ギャップ断面領域の外郭と、前記電源端子を有するリードフレームと、前記基準端子を有するリードフレームとにより囲まれた第2領域が形成され、
前記導電性ループは、前記第1領域の面積と前記第2領域の面積とが等しくなるように形成されてある請求項2に記載の磁束検出装置。 - 前記磁束検出部と前記リードフレームとの間でワイヤボンディングが行われる場合には、
前記第2領域が、前記ギャップ断面領域の外郭と、前記電源端子と、前記電源端子と前記磁束検出部とを接続する第1接続線と、前記磁束検出部が実装されたリードフレームと、前記磁束検出部と前記基準端子とを接続する第2接続線と、前記基準端子と、で囲まれた領域である請求項3に記載の磁束検出装置。 - 前記導電性ループが、環状を形成する線材である請求項1から4のいずれか一項に記載の磁束検出装置。
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JP2009041082A JP2010197155A (ja) | 2009-02-24 | 2009-02-24 | 磁束検出装置 |
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2009
- 2009-02-24 JP JP2009041082A patent/JP2010197155A/ja active Pending
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