JP2010127736A - 多端子電流検出用抵抗器 - Google Patents

多端子電流検出用抵抗器 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗体の自己インダクタンスを小さくし、また、小さくした自己インダクタンスによる誘導電圧を相互インダクタンスによる誘導電圧で無効化して、被測定電圧の測定精度を高めた多端子電流検出用抵抗器を提供する。
【解決手段】多端子電流検出用抵抗器10は、平板状の金属抵抗体11を有している。該金属抵抗体の前面側には、前面電極層12aと前面絶縁体層13aが積層され、さらに、該前面電極層及び該前面絶縁体層は前面導体14aで覆われている。また該金属抵抗体の後面側には、後面電極層12bと後面絶縁体層13bが積層され、さらに、該後面電極層及び該後面絶縁体層は後面導体14aで覆われている。前面導体14aと後面導体14bでシールドされる金属抵抗体11は、インダクタンスが小さくなる。そして、前後両面導体14a,14bの下端に設けた電圧検出端子17a,17bによって当該インダクタンスを無効化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧検出用端子を有する電流検出用抵抗器に関する。
近年、パワーエレクトロニクス分野の発展に伴い、例えば、モータ等は、クロック周波数がGHz単位で高速変化するパルス電流を用いてデジタル制御されている。当該パルス電流からなる制御電流は、電流センサで検出され、該電流センサは制御電流を瞬時に検出することが求められている。
当該電流センサの電流検出部には安価なうえに応答速度を速くすることができる電流検出用抵抗器が広く用いられている。該電流検出用抵抗器は、電力損失を抑えるために数ミリΩ乃至数十ミリΩの低抵抗値を有する抵抗体を備えている。該抵抗体に検出電流を流したときの該抵抗体の電圧降下を測定することにより、電流値を求めることができる。
しかしながら、当該抵抗体に検出電流を流したときの被測定電圧には、抵抗体自身の電圧に加えて、該検出電流の時間的変化と抵抗体のインダクタンスとから生じる電圧が含まれてしまう。
そのため、当該被測定電圧を波形表示した場合、当該被検出電流の定常応答時に対し、被検出電流の立ち上がり部分と立ち下り部分の過渡応答時に数十倍の電圧値の測定誤差が含まれることが知られている。
当該過渡応答時における測定誤差は、従来、フィルター等で除去していた。当該測定誤差は、抵抗体のインダクタンスによる誘導電圧であるので、被検出電流を単位時間内に大きく変化させたとき、より大きく現れる。したがって、上記の高速変化するパルス電流においては、測定対象の抵抗体電圧に大きな誤差が含まれていることになる。
特開2002−372550号公報に開示されている電流検出用抵抗器は、抵抗体と電気的に絶縁され、該抵抗体の面に接する電圧検出端子の被測定電流電極からの引出線を、前記抵抗体の被測定電流経路に沿って延長して形成されている。これにより、スイッチング電源回路の電流検出回路のように高い周波数成分まで含有する大電流を検出する場合に、その電流検出精度を向上させている。
特開2002−372550号公報
上記の電流検出用抵抗器の場合、抵抗体の自己インダクタンスによる誘導電圧を、該抵抗体と引出線との間の相互インダクタンスによる誘導電圧で打ち消すことができる。
しかし、該抵抗体に大電流を流したとき、自己インダクタンスを定数として該大電流に比例する磁界が、該抵抗体を中心に発生する。そのため、発生した誘導電圧を打ち消したとしても、インダクタンスが大きいままでは、大電流を抵抗体に流したときに発生する磁界が広くなるので、周辺の回路に影響を及ぼすおそれがある。
また、上記のように高速に変化する電流に対して、抵抗体自身の形状によるインダクタンスを小さくすることができれば、誘導電圧も小さくなるので、当然に測定誤差を小さくすることができる。
したがって、上記の課題を解決しようとする本発明は、抵抗体の自己インダクタンスを小さくし、また、小さくした自己インダクタンスによる誘導電圧を相互インダクタンスによる誘導電圧で無効化して、被測定電圧の測定精度を高めた多端子電流検出用抵抗器を提供することを目的とする。
請求項1に記載の多端子電流検出用抵抗器は、抵抗体層と、該抵抗体層の一端の表側に積層した表面電極層と、前記抵抗体層の他端の裏側に積層した裏面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記抵抗体層の表側の非表面電極層部分に表面絶縁体層を積層して、該表面絶縁体層と前記表面電極層を表面導体層で覆い、該表面導体層に表面電圧検出端子を設け、前記抵抗体層の裏側の非裏面電極層部分に裏面絶縁体層を積層して、該裏面絶縁体層と前記裏面電極層を裏面導体層で覆い、該裏面導体層に裏面電圧検出端子を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項1に記載の発明において、前記表面電圧検出端子の始端を前記表面導体層の中央部近傍に設け、前記裏面電圧検出端子の始端を前記裏面導体層の中央部近傍に設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項1若しくは請求項2に記載の発明において、前記表面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する第1表面電圧検出端子と、下流側に位置する第2表面電圧検出端子とから構成し、前記第1表面電圧検出端子と前記第2表面電圧検出端子との間に、前記裏面電圧検出端子を配設したことを特徴とする。
請求項4に記載の多端子電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の前面側に形成した前面電極層と、前記金属抵抗体の他端の後面側に形成した後面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記金属抵抗体前面の非前面電極層部分に前面絶縁体層を積層して、該前面絶縁体層と前記前面電極層を平板状の前面導体で覆い、該前面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される前面側脚部を突出形成し、前記前面導体に前面電圧検出端子を設け、前記金属抵抗体後面の非後面電極層部分に後面絶縁体層を積層して、該後面絶縁体層と前記後面電極層を平板状の後面導体で覆い、該後面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される後面側脚部を突出形成し、前記後面導体に後面電圧検出端子を設け、前記前面側脚部と後面側脚部との間に、前記前面電圧検出端子と前記後面電圧検出端子を配設したことを特徴とする。
請求項5に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項4に記載の発明において、前記前面電圧検出端子の始端を前記前面導体の中央部近傍に設け、前記後面電圧検出端子の始端を前記後面導体の中央部近傍に設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項4若しくは請求項5に記載の発明において、前記前面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する第1前面電圧検出端子と、下流側に位置する第2前面電圧検出端子とから構成し、前記第1前面電圧検出端子と前記第2前面電圧検出端子の間に、前記後面電圧検出端子を配設したことを特徴とする。
請求項7に記載の多端子電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、前記上面電極層と前記上面絶縁体層を平板状の上面導体で覆い、該上面導体に上面電圧検出端子を設け、前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、第1下面絶縁体層を積層して、前記下面電極層と前記第1下面絶縁体層を平板状の下面導体で覆い、該下面導体に下面電圧検出端子を設け、前記第1下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、平板状の導体からなるスペーサーを配設して、前記下面導体と前記スペーサーとの間へ、前記第1下面絶縁体層に連続する側面絶縁体層を形成し、前記下面導体の反第1下面絶縁体層側面へ、前記側面絶縁体層に連続する第2下面絶縁体層を形成し、該第2下面絶縁体層と隣り合う位置で前記下面導体の反下面電極層側面に、露出部を設けたことを特徴とする。
請求項8に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項7に記載の発明において、前記上面電圧検出端子の始端を前記上面導体の中央部近傍に設け、前記下面電圧検出端子の始端を前記下面導体の中央部近傍に設けたことを特徴とする。
請求項9に記載の多端子電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層し、該上面絶縁体層と前記上面電極層を平板状の上面導体で覆い、前記金属抵抗体の電流経路に対して、当該上面導体の最上流側の端部近傍に上面電圧検出端子を設け、前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、下面絶縁体層を積層し、該下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、露出部を設け、前記金属抵抗体の電流経路に対して、前記上面電圧検出端子よりも下流側に、前記下面電極層と前記下面絶縁体層の境界付近の前記金属抵抗体側面に下面電圧検出端子を突出形成したことを特徴とする。
請求項10に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項9に記載の発明において、前記上面電圧検出端子の始端を、前記上面導体の反下面電極層側面で、電流経路に対して直角な前記上面導体の幅方向の中間部近傍に設け、前記下面電圧検出端子の始端を、前記下面電極層と前記下面絶縁体層の境界付近で、電流経路に対して直角な前記金属抵抗体の幅方向の中間部近傍に設けたことを特徴とする。
請求項11に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の発明において、前記上面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する第1上面電圧検出端子と、下流側に位置する第2上面電圧検出端子とから構成し、前記第1上面電圧検出端子と前記第2上面電圧検出端子との間に、前記下面電圧検出端子を配設したことを特徴とする。
請求項12に記載の多端子電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体上面の一端に形成した第1上面電極層と、前記金属抵抗体上面の他端に形成した第2上面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、前記第1上面電極層と前記第2上面電極層との間の領域に第1上面絶縁体層を積層して、前記第1上面電極層と前記第1上面絶縁体層を平板状の第1上面導体で覆い、該第1上面導体に第1上面電圧検出端子を設け、前記第1上面導体の第2上面電極層側に、前記第1上面絶縁体層に連続して側面絶縁体層を形成し、前記第1上面導体の上面側面に、前記側面絶縁体層に連続して第2上面絶縁体層を積層して、該第2上面絶縁体層を平板状の第2上面導体で覆い、該第2上面導体に第2上面電圧検出端子を設け、前記第2上面導体の他端下面側に平板状の導体からなるスペーサーを配設して、前記第2上面導体と前記第2上面電極層とを接続したことを特徴とする。
請求項13に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項12に記載の発明において、前記第1上面電圧検出端子の始端を前記第1上面導体の中央部近傍に設け、前記第2上面電圧検出端子の始端を前記第2上面導体の中央部近傍に設けたことを特徴とする。
請求項14に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項12若しくは請求項13に記載の発明において、前記第2上面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する上流側第2上面電圧検出端子と、下流側に位置する下流側第2上面電圧検出端子とから構成し、前記上流側第2上面電圧検出端子と前記下流側第2上面電圧検出端子の間に、前記第1上面電圧検出端子を配設したことを特徴とする。
請求項15に記載の多端子電流検出用抵抗器は、平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電流電極及び第2下面電流電極とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記絶縁体チップの電流経路に沿った長さ方向の一側面を所定形状に切り欠いて、一対の電圧電極を設け、前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、前記第1下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電流電極を形成し、該第1側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上側面の略全面を覆う第1上面電流電極を形成し、該第1上面電流電極を平板状の上面導体で覆い、前記電圧電極のうち、電流経路に沿って上流側に位置する第1電圧電極の上端部を前記第1上面電流電極の側面に当接させると共に、該第1電圧電極の下端部に、第1電圧検出端子を形成し、
前記第2下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電流電極を形成し、該第2側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部を覆うと共に、前記第1上面電流電極とスリットを挟んで対向する第2上面電流電極を形成し、前記電圧電極のうち、下流側に位置する第2電圧電極を前記第2下面電流電極と前記抵抗体層との境界近傍に当接させる共に、該第2電圧電極の下端部に、第2電圧検出端子を形成したことを特徴とする。
請求項16に記載の多端子電流検出用抵抗器は、平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電流電極及び第2下面電流電極とからなる電流検出用抵抗器であって、
電流経路に沿った長さ方向の前記絶縁体チップの一側面中間を所定形状に切り欠いて、一対の電圧電極を設け、前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、前記第1下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電流電極を形成し、該第1側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上面の略全面を覆う第1上面電流電極を形成し、該第1上面電流電極を平板状の上面導体で覆い、前記電圧電極のうち、電流経路に沿って上流側に位置する第1電圧電極の上端部を前記第1上面電流電極の側面に当接させると共に、該第1電圧電極の下端部に第1電圧検出端子を形成し、前記第2下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電流電極を形成し、該第2側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部から上面の略全面を覆うと共に、前記第1上面電流電極の下面側に上面絶縁体層を挟んで配される第2上面電流電極を形成し、前記電圧電極のうち、下流側に位置する第2電圧電極を前記第2下面電流電極の側面に当接させると共に、該第2電圧電極の下端部に第2電圧検出端子を形成したことを特徴とする。
請求項17に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項15若しくは請求項16に記載の発明において、電流経路に沿って前記第2電圧電極よりも下流側に前記絶縁体チップの側面を所定形状に切り欠いて形成した第3電圧電極を設け、該第3電圧電極の上端部を前記第1上面電流電極に当接させると共に、該第3電圧電極の下端部に第3電圧検出端子を形成したことを特徴とする。
請求項18に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の発明において、前記電圧検出端子或いは前記電圧検出補助端子からなる電圧検出経路は、前記抵抗体層或いは前記金属抵抗体からなる電流経路に対して直角を成していることを特徴とする。
請求項1に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、該多端子電流検出用抵抗器の抵抗体層は、表裏両面に絶縁体層が積層され、さらに表面導体層と裏面導体層で覆われている。
ここで、抵抗体層に電流を流すと該抵抗体層の周囲に磁界が発生する。また、インダクタンスは該抵抗体層の形状と周囲の磁束から決定される。さらに該抵抗体層に電流を流したとき、表裏面の各電極層に接する表裏面の各導体層に渦電流が生じる。該渦電流によって磁束が導体層を通り抜けることを遮ることができ、表裏面の各導体層は抵抗体層をシールドすることができる。そのため、磁束が導体層の外側に漏れないので、多端子電流検出用抵抗器の周囲に磁界が発生しないようにすることができる。
したがって、抵抗体層を貫く磁束を少なくすることができるので、該抵抗体層のインダクタンスを小さくすることができる。
また、薄膜状の絶縁体層を抵抗体層に積層することによって、抵抗体層と導体層とを接近させることができる。これにより、抵抗体層の周囲に発生する磁界の発生源により接近してシールドすることができるので、インダクタンスをより小さくすることができる。
さらに、当該多端子電流検出用抵抗器は、表裏面の各導体に一対の電圧検出端子が設けられている。電流経路に沿って上流側の電極に接する導体に配された一方の電圧検出端子は、下流側の電極に接する導体に配された他方の電圧検出端子の下流側に配設されている。
そのため、当該電圧検出端子間には、抵抗体層の自己インダクタンスによる電圧に対して、逆方向の相互誘導電圧を印加することができる。これにより、自己インダクタンスによる電圧を相互誘導電圧で無効化することができるので、被測定電圧から自己インダクタンスの電圧成分を除去した電圧を検出することができる。
一方、多端子電流検出用抵抗器の抵抗体層は表裏両面の各導体でシールドされていることから、プリント基板上に形成された他の回路や、該プリント基板に実装された他のデバイスで発生した電磁界から、当該多端子電流検出用抵抗器が受ける影響を小さくすることができる。
請求項2に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、導体の中央部近傍に電圧検出端子の始端が設けられている。多端子電流検出用抵抗器に電流を流したとき、導体の中央部は、最も安定した電流が流れるので、均一な磁界が発生する。当該中央部近傍から該電圧検出端子を導体と絶縁して引き出すことにより、安定した電流と均一に発生した磁界に基づくノイズの少ない誘導電圧と、安定した被測定電流とから、被測定電圧の測定精度を高くすることができる。
したがって、被測定電圧を波形表示した場合、正確で綺麗な波形を表示することができる。
また、請求項2に記載した発明に対応する請求項5、請求項8、請求項10、請求項13に記載した多端子電流検出用抵抗器も同様に、それぞれ最も電流が安定して流れ、均一な磁界が発生する位置で被測定電圧を検出することができるので、測定精度を高くすることができる。
さらに、平板状の導体の中央部近傍に電圧検出端子をピンポイントで接続させることができる。そのため、製造工程で発生した当該多端子電流検出用抵抗器の抵抗値或いは自己インダクタンスの誤差の修正を容易にすることができる。
請求項3に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、表面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する第1表面電圧検出端子と、下流側に位置する第2表面電圧検出端子とから構成し、第1表面電圧検出端子と第2表面電圧検出端子との間に、裏面電圧検出端子を配した。
ここで、上記の請求項1及び請求項2に記載した4端子型の電流検出用抵抗器は、導体で抵抗体層をシールドした結果、発生する自己インダクタンスが小さくなるので、相互インダクタンスが印加される電圧検出端子間の距離が短くなる。電圧検出端子間の距離が短くなることは、実装するプリント基板のプリントパターンの幅を狭くすることができるので、基板上の省スペース化にはメリットがある。しかし、プリントパターンの幅を狭くすることや、電圧検出端子の端子幅を細くすること、端子間距離を縮めること等は、製造の際に高度な技術を要する。
一方、請求項3に記載した5端子型の電流検出用抵抗器は、自己インダクタンスによる誘導電圧と同一方向の相互インダクタンスによる誘導電圧を印加し、合成された当該電圧に対して、逆方向の相互インダクタンスによる誘導電圧を印加することにより、電圧検出端子間の距離を長くすることができる。また、上記裏面電圧検出端子を基準として、第1表面電圧検出端子と第2表面電圧検出端子の距離は任意に設定することができる。そのため、電圧検出端子の端子幅を太くすることが可能となる。端子幅を太くすることができると、電圧検出端子の強度を上げることができ、製造が容易にできる。また、プリントパターンの幅を広くできるので、プリント基板の設計がしやすくなる。
さらに、第1表面電圧検出端子と第2表面電圧検出端子の位置調整が容易にできるので、製造工程で発生した当該多端子電流検出用抵抗器の抵抗値或いは自己インダクタンスの誤差の修正を容易にすることができる。
また、請求項3に記載した発明に対応する請求項6、請求項11、請求項14、請求項17に記載した多端子電流検出用抵抗器も、上記と同様の効果を得ることができる。
請求項4に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、該多端子電流検出用抵抗器の下端に、基板に設けた貫通孔に挿通する脚部を突出形成したので、該多端子電流検出用抵抗器を立設保持することができる。
また、該多端子電流検出用抵抗器は、取り付けるプリントパターンを細くすることができるので、基板上に設けた一の回路と他の回路の隙間等に配置することができる。そのため、回路を省スペース化することができる。
さらに、立設することにより、多端子電流検出用抵抗器の両面を空気が流れやすい。そのため、多端子電流検出用抵抗器の放熱性を高くすることができる。
請求項7に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、該多端子電流検出用抵抗器の下面導体の露出部と、導体からなるスペーサーの下面側を、基板に形成したプリントパターンに面接続させることにより、多端子電流検出用抵抗器を基板へ面実装することができる。面実装することにより、多端子電流検出用抵抗器には面電流が流れるので、大電流を流し易くすることができる。
また、基板のプリントパターンと多端子電流検出用抵抗器の接触面が広いので、金属抵抗体に発生した熱を可及的に基板へ逃がすことができる。
そして、請求項8に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、第1及び第2上面導体の中央部近傍に電圧検出端子の始端を設けることができるので、安定した電流と均一な磁界によって、被測定電圧の測定精度を高くすることができる。
さらに、請求項11に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、5端子型の電流検出用抵抗器を容易に構成することができる。
請求項9に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、該多端子電流検出用抵抗器は基板上へ実装して初めて、上面導体と金属抵抗体の下面側に展開するプリントパターンによって抵抗体層が覆われるので、上記のようなインダクタンスを小さくする効果を得ることができる。
しかし、上記に記載した下面導体を省くことができることから、多端子電流検出用抵抗器の製造工程の一部を省略することができ、また製造コストを抑えることができる。
一方、下面導体が省略された構造を有する当該多端子電流検出用抵抗器は、導体中央部に電圧検出端子の始端を配設することができない。そこで、当該多端子電流検出用抵抗器を基板に面実装し、電流を流したとき、電流経路の上流側に位置する電極と金属抵抗体との境界の電極側に一方の電圧検出端子を設け、電流経路の下流側に位置する電極と接し、金属抵抗体と絶縁される上面導体であって、前記一方の電圧検出端子よりも上流側に他方の電圧検出端子を設けた。これにより、金属抵抗体に発生する磁界の影響を最小限に抑え、金属抵抗体の自己インダクタンスによる誘導電圧を打ち消すように相互インダクタンスによる誘導電圧を多端子電流検出用抵抗器に印加することができる。
したがって、被測定電圧から自己インダクタンスの電圧成分を除去した電圧を検出することができる。
また、請求項10に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、電流検出端子を電流経路に対して多端子電流検出用抵抗器の幅方向の中間に設けたので、安定した電流と均一な磁界によって、被測定電圧の測定精度を高くすることができる。
さらに、請求項11に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、5端子型の電流検出用抵抗器を容易に構成することができる。
請求項12に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、請求項9に記載の多端子電流検出用抵抗器と同様に、基板上へ実装して初めて、上面導体と金属抵抗体の下面側に展開するプリントパターンによって抵抗体層が覆われる。これにより、インダクタンスを小さくすることができる。
一方、請求項9に記載の多端子電流検出用抵抗器と異なり、金属抵抗体の上面側の略全面を覆うように、第1上面導体と第2上面導体を絶縁体層を介して配した。これにより、電圧検出端子の始端を任意の位置に設けることができる。
そのため、さらに、請求項13に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、第1及び第2上面導体の中央部近傍に電圧検出端子の始端を設けることができるので、安定した電流と均一な磁界によって、被測定電圧の測定精度を高くすることができる。そして、請求項14に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、5端子型の電流検出用抵抗器を容易に構成することができる。
請求項15に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、請求項9に記載の多端子電流検出用抵抗器と同様に、基板上へ実装して初めて、抵抗体層の下面側に展開するプリントパターンによって抵抗体層が覆われる。これにより、インダクタンスを小さくすることができる。
ここで、多端子電流検出用抵抗器は、絶縁体チップの下面側の中央部分に積層した抵抗体層を備えたチップ抵抗器から構成されている。そのため、平板状の金属抵抗体を用いた上記の電流検出用抵抗器と比べて、製造コストを抑えることができる。
また、抵抗体層をトリミングすることにより、抵抗値を正確に調整することができる。
さらに、絶縁体チップを薄く形成すれば、上面導体を抵抗体層により接近させることができるので、インダクタンスをより小さくすることができる。
そして、絶縁体チップを耐熱性及び熱伝導性に優れたセラミックから形成すれば、温度によって抵抗値が変化し難い電流検出用抵抗器を得ることができる。
一方、請求項15に記載の多端子電流検出用抵抗器は、請求項9と同様に、下面導体が省略された構造を有する。そのため、導体中央部に電圧検出端子の始端を配設することができない。そこで、一方の電圧検出端子を、当該多端子電流検出用抵抗器を基板に面実装して電流を流したとき、電流経路の上流側に位置する第2下面電流電極と抵抗体層との境界近傍の電極側に設けると共に、他方の電圧検出端子を、電流経路の下流側に位置する第1下面電流電極から第1側面電流電極を介して絶縁体チップ上面側の略全面を覆う第1上面電流導体であって、前記一方の電圧検出端子よりも上流側に設けた。
これにより、抵抗体層に発生する磁界の影響を最小限に抑え、抵抗体層の自己インダクタンスによる誘導電圧を打ち消すように相互インダクタンスによる誘導電圧を多端子電流検出用抵抗器に印加することができる。したがって、被測定電圧から自己インダクタンスの電圧成分を除去した電圧を検出することができる。
また、請求項17に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、電流検出端子を電流経路に対して多端子電流検出用抵抗器の幅方向の中間に設けたので、安定した電流と均一な磁界によって、被測定電圧の測定精度を高くすることができる。
さらに、請求項11に記載の多端子電流検出用抵抗器のように、5端子型の電流検出用抵抗器を容易に構成することができる。
また、請求項15に記載の多端子電流検出用抵抗器は、金属抵抗体の代わりに心材として絶縁体チップを備えている。該絶縁体チップは、ハンダとの親和性が全くないので、電圧検出端子の始端を設ける位置を所定形状に切り欠いて、ハンダが溜まりハンダフィレットが形成されやすい電圧電極を設けた。これにより、電圧検出端子と導体との接続部分の信頼性を高くすることができる。
請求項16に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、請求項9又は請求項15に記載の多端子電流検出用抵抗器と同様に、基板上へ実装して初めて、抵抗体層の下面側に展開するプリントパターンによって抵抗体層が覆われる。これにより、インダクタンスを小さくすることができる。
また、当該多端子電流検出用抵抗器は、請求項15に記載の多端子電流検出用抵抗器と同様に、絶縁体チップの下面側の中央部分に積層した抵抗体層を備えたチップ抵抗器から構成されている。そのため、平板状の金属抵抗体を用いた上記の電流検出用抵抗器と比べて、製造コストを抑えることができる。
また、抵抗体層をトリミングすることにより、抵抗値を正確に調整することができる。
さらに、絶縁体チップを薄く形成すれば、上面導体を抵抗体層により接近させることができるので、インダクタンスをより小さくすることができる。
そして、絶縁体チップを耐熱性及び熱伝導性に優れたセラミックから形成すれば、温度によって抵抗値が変化し難い電流検出用抵抗器を得ることができる。
ここで、請求項16に記載の多端子電流検出用抵抗器と、請求項15に記載した多端子用電流検出用抵抗器とは、絶縁体チップの上面側の構成が相違する。請求項15に記載の多端子用電流検出用抵抗器は、第1上面電流電極が絶縁体チップ上面の略全面を覆い、スリットが該他端角部側へ偏った位置に設けられている。そのため、電圧検出端子の位置を設ける範囲が制限される。
対して、請求項16に記載の多端子電流演出用抵抗器は、第1上面電流電極と第2上面電流電極とを上面絶縁体層を介して重ね合わせたので、電圧検出端子の位置を任意の位置に設けることができる。
なお、請求項17に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、5端子型の電流検出用抵抗器を容易に構成することができる。
請求項18に記載の多端子電流検出用抵抗器によれば、抵抗体層或いは金属抵抗体に電流を流したとき、被測定電圧を検出する電圧検出端子からなる電圧検出経路を、抵抗体層或いは金属抵抗体からなる電流経路に対して直角をなすように形成した。これにより、磁束が時間的変化をしないので、電圧検出経路に誘導電圧を発生させないようにすることができる。そのため、誘導電圧による誤差が電圧検出経路に生じないことから、測定精度を高くすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器と、該多端子電流検出用抵抗器の実装構造の実施例を、添付した図面にしたがって説明する。図1に多端子電流検出用抵抗器10の概略構成の底面図を示し、図2に多端子電流検出用抵抗器10の概略構成の正面図を示す。
多端子電流検出用抵抗器10は、平板状の金属抵抗体11を中心にして、金属抵抗体11の前面側面に、前面電極層12aと前面絶縁体層13aが積層され、さらに前面電極層12aと前面絶縁体層13aを平板状の前面導体14aが覆っている。前面導体14aの下端には脚部15aが下方へ突出形成されている。脚部15aの基部には、係止突片16aが形成されている。係止突片16aに並設して、電圧検出端子17aが下方へ突出形成されている。
一方、金属抵抗体11の後面側面には、後面電極層12bと後面絶縁体層13bが積層され、該後面電極層12bと後面絶縁体層13bを平板状の後面導体14bが覆っている。後面導体14bの下端にも脚部15bが下方へ突出形成されている。また、脚部15bの基部には、係止突片16bが形成され、係止突片16bに並設して電圧検出端子17bが下方に突出形成されている。
金属抵抗体11は、銅ニッケル系の合金若しくはマンガニンやニクロム等の金属抵抗体から形成されている。金属抵抗体11は、数mΩ乃至数十mΩの低抵抗値を有している。
また平板状に形成された金属抵抗体11は、電流経路に対して直角な横断面の断面積が広いので、被検出電流を流し易くすることができる。これにより、大電流を流した際に金属抵抗体11に発生するジュール熱は大きくなるが、金属抵抗体11の表面積を広く形成したので、積層された絶縁体層12a,12b、及び電極層13a,13bを介して金属抵抗体11から放熱させることができる。
金属抵抗体11の一端の前面側に積層されている前面電極層12a、及び該金属抵抗体11の他端の後面側に積層されている後面電極層12bは、融点を高くした高温ハンダ、又は銅又はアルミニウム等の金属、若しくは銅又はアルミニウム等の金属に微量の添加元素を加えた合金からなる。
該前後両面電極層12a,12bは、金属抵抗体11に溶融接着、又は厚膜印刷若しくは蒸着等されて形成されている。また、該前後両面電極層12a,12bで金属抵抗体11は被覆されていることから、金属抵抗体11の抵抗本体11aは、図2の点線による斜線で示した部分となる。
金属抵抗体11の非前面電極層12a部分に形成されている前面絶縁体層13a、及び該金属抵抗体11の非後面電極層12b部分に形成されている後面絶縁体層13bは、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、又はシリコン系等の接着剤からなり、耐熱性及び熱伝導性を備えている。またセラミック製の板材の両面にこれ等の耐熱接着剤を塗布して絶縁体層13a,13bを形成しても良い。
前後両面絶縁体層13a,13bの熱伝導性を高くすることにより、上記の金属抵抗体11に発生したジュール熱を前後両面導体14a,14bに伝導させ易くすることができる。そのため、金属抵抗体11の抵抗値が温度によって変化し難くすることができる。
金属抵抗体11の前面側に積層された前面電極層12aと前面絶縁体層13aを覆っている前面導体14a、及び該金属抵抗体11の後面側に積層された後面電極層12bと後面絶縁体層13bを覆っている後面導体14bは、平板状に形成した銅からなり、0.1mm乃至0.5mm厚に形成されている。
前後両面導体14a,14bの表面には、銀メッキ、又は金メッキを施しても良い。金又は銀は導電率が低いことから、銀メッキ等を施した導体14a,14bの表面には、後述するように、渦電流を発生し易くすることができる。そのため、電流検出用抵抗器10の自己インダクタンスを低くすることが出来る。
また、前後両面導体14a,14bは、金属抵抗体11で実質的な抵抗器として働く抵抗本体11aよりも一回り大きく形成されている。これにより、金属抵抗体11に電流を流したときに、該金属抵抗体11の抵抗本体11aの側面から発生する磁束の漏れを少なくすることができる。そのため、電流検出用抵抗器10の自己インダクタンスを小さくすることができる。
脚部15a,15bは、基板20に形成した貫通孔25a,25bに挿通され、電流検出用抵抗器10を立設保持することができる。基板20、及び貫通孔25a,25bについては後述する。
係止突片16a,16bは、脚部15a,15bを貫通孔に挿通したとき、基板上のプリントパターンに前後両面導体14a,14bの下端側面が接しないように、電流検出用抵抗器10を所定の高さで保持することができる。
電圧検出端子17aは、金属抵抗体11に図2の矢印で示した方向に電流Iを流したとき、電圧検出端子17bの下流側に位置するように配されている。電圧検出端子17aと電圧検出端子17bの間は、後述するように、インダクタンスによる誘導電圧が無効化されるように離されている。
また、電圧検出端子17a,17bは、基板20に形成した貫通孔26a,26bに挿通され、基板20の下面側で、後述する増幅回路40に接続される。また、係止突片16a,16bによって電流検出用抵抗器10の下端部と基板20との間に隙間が形成されているので、基板20の上面側で増幅回路40に接続させても良い。
ここで、上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10の自己インダクタンスは、以下のように小さくなる。本実施例及び後述する他の実施例に記載される多端子電流検出用抵抗器の絶縁体層を省略した図を図3及び図4に示し、以下当該図面にしたがって説明する。
図3に示すように、抵抗体層Rの一端の表面に表面電極層P1が積層され、該抵抗体層Rの他端の裏面に裏面電極層P2が積層されている。
そして、平板状の表面導体E1が、表面電極層P1と抵抗体層Rを覆っている。また、平板状の裏面導体E2が、該裏面電極層P2と抵抗体層Rを覆っている。
さらに、平板状の表面導体E1は表面電極層P1と電気的に接続され、平板状の裏面導体E2は、裏面電極層P2と電気的に接続されている。
ここで、抵抗体層Rと表面導体E1は、隙間g1で絶縁され、抵抗体層Rと裏面導体E2は隙間g2で絶縁されている。
なお、抵抗体層Rの抵抗値をrとし、自己インダクタンスをLとする。
抵抗体層Rに電流Iを矢印の方向に流すと、紙面奥から手前方向に向かって該抵抗体層Rの周囲に磁束Φが生じる。この磁束Φは自己インダクタンスLを定数として電流Iに比例する関係を有している。そして、電流Iが時間tの間に変化したとき、抵抗層Rは自己誘導される。このとき、起電力Veが、電流Iの変化を妨げるように発生すると以下の数式1のように示される。
ここで、抵抗層Rの自己インダクタンスLは、抵抗体層Rの形状と周りの磁束から決定され、透磁率をμとして、抵抗体層Rの電流経路に対して直角な断面の幅をW、厚さをtとし、抵抗体層R上の電流経路の長さをlとすると、Wがtに対して十分に大きい場合には自己インダクタンスLは長さlに比例し、断面の幅Wに反比例する。
Figure 2010127736
ここで、図3に示したように、抵抗体層Rは、抵抗値rと、インダクタンスLを有している。抵抗体層Rに流れた瞬時電流Iを微視的に見ると、起電力Veの誤差を排除した抵抗体層Rの電位差Vは、以下の数式2のように表される。
Figure 2010127736
一方、平板状の抵抗体層Rの周囲には図4(a)に示す矢印の向きに磁束が生じている。図4において、電流Iは、紙面奥から手前に向かって流れているものとする。
ここで、磁界内に導体E1,E2を配すると、磁束が導体E1,E2上で渦電流を発生させる。発生した当該渦電流は、抵抗体層Rを中心として発生していた磁束Φのうち、導体E1,E2よりも外側の磁束Φを遮断することができる。
そのため、図4(b)に示すように、抵抗体層Rは、表裏面の導体E1,E2によってシールドされるので、抵抗体層Rに鎖交する磁束Φは少なくなる。したがって、抵抗体層Rに流れる電流が同一であれば、磁束Φに比例する抵抗体層Rの自己インダクタンスLも小さくなる。そのため、数式1に示した抵抗体層Rの両端の電位差Vに対し、抵抗体層Rのインダクタンスによる起電力Veの誤差を小さくすることができる。
また、抵抗体層Rと表裏両面導体E1,E2との隙間g1,g2を狭くすることにより、導体E1,E2は、より磁界の発生源に近接させることができるので、抵抗体層Rの周囲に発生する磁界をより小さくすることができる。
次に、電圧検出端子17a,17bの位置関係について、図1に示した多端子電流検出用抵抗器10から絶縁体層13a,13bを省略し、端子等の位置関係を示した図5に基づいて説明する。
金属抵抗体11に電流Iが図2の矢印にしたがって流されたとき、上流側になる前面導体14aに設けた電圧検出端子17aは、下流側の後面導体14bに設けた電圧検出端子17bの下流側に配されている。
電圧検出端子17aと電極層12bの端縁部との距離をk1とし、電圧検出端子17bと電極層12bの端縁部からの距離をk2とする。
抵抗本体11aの電圧をVとし、抵抗本体11aの抵抗値による電圧をVR、自己インダクタンスによる誘導電圧をVLとすると、V=VR+VLの関係が成り立つ。
前後両面導体14a,14bの相互インダクタンスによる誘導電圧をVmとし、自己インダクタンスLと相互インダクタンスMの結合率をαとおくと、Vm=αVLの関係が成り立つ。
相互誘導電圧Vmは、通常結合率αに比例して自己誘導電圧VLよりも小さい。ここで、結合率αは、抵抗体11と導体14a,14bとの間隔や密着度で定まる。間隔を狭く、又は密着させると結合率αは高くなり、拡がると低くなる。本実施例においては、結合率αは、0.8乃至0.95程度が好ましい。
上記の関係から、電圧検出端子17aの位置における電圧Vaと電圧検出端子17bの位置における電圧Vbは、以下の数式3のように表される。
Figure 2010127736
そして、数式3に基づいてVaとVbの間の電位差からVLを除去すると、以下の数式4のように表される。
Figure 2010127736
したがって、電圧検出端子17a,17b間の距離を結合率αに基づいて数式4で定まる距離にすると、金属抵抗体11の自己インダクタンスLによる誘導電圧VLを無効化することができる。
ここで、例えば結合率αを0.9とすると、k2−k1は0.11となる。金属抵抗体11の抵抗本体11aの長さが9mmの場合、電圧検出端子17a,17b間の距離は0.99mmとなるから、電圧検出端子17a,17b間が略1mmであれば、自己インダクタンスによる誘導電圧を相互インダクタンスによる誘導電圧で無効化することができる。
また、k2−k1は、結合率αのみを有する定数であるので、該結合率αを求めて、電圧検出端子17bが電圧検出端子17aの上流側に位置していれば、電圧検出端子17a,17bの位置は、抵抗本体11aの任意の場所に設けることができる。本実施例では、電流Iが比較的安定して流れる抵抗本体11aの中間に設けたが、設計変更等によって、金属抵抗体11の上流側寄りとなっても、また下流側寄りとなっても良い。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10は、以下に説明するように、基板20に実装される。本実施例に係る多端子電流検出用抵抗器10と基板20の構成の概略を図2に示す。ここで基板20は2点鎖線で示す。
基板20には、銅等の導体からなる第1プリントパターンと、ギャップを挟んで対向する第2プリントパターンが印刷形成されている(図示略)。第1プリントパターンの所定の位置には、多端子電流検出用抵抗器10の脚部15aが挿通される貫通孔25aが形成されている。対向する第2プリントパターン22の所定の位置にも、多端子電流検出用抵抗器10の脚部15bが挿通される貫通孔25bが形成されている。貫通孔25aと貫通孔25bとの間には、多端子電流検出用抵抗器10の下方の所定位置に、電圧検出端子17aが挿通される貫通孔26aと、電圧検出端子17bが挿通される貫通孔26bが形成されている。
また、基板20の下面側又は上面側のいずれか一方に、電圧検出端子17a,17bの先端が接続し、後述する増幅回路40の入力端子41a,41bと接続する電圧検出プリントパターン(図示略)が形成されている。
電流検出用抵抗器10の脚部15a,15bをそれぞれ貫通孔25a,25bに挿通して、電流検出用抵抗器10を立設し、電流検出用抵抗器10の真下から電圧検出端子17a,17bで測定電圧を引き出したとき、当該金属抵抗体11の真下付近は、先に図3及び図4に基づいて説明したように、磁束の漏れが少ないので、インダクタンスを小さくすることができる。そして、該インダクタンスの影響を電圧検出端子17a,17bは、ほとんど受けないので、測定精度を高くすることができる。
また、電圧検出端子17a,17bが接続する電圧検出プリントパターンは、図2に示した矢印の方向に沿って流れる電流Iに対して直角に引き出すように形成されていることが好ましい。直角を成すように形成されていれば、該電圧検出プリントパターンに誘導電圧が発生しないからである。したがって、測定精度を高くすることができる。
電圧検出端子17a,17bと電圧検出プリントパターンを介して接続されている増幅回路40は、基板20上に形成されている。図2には、該増幅回路40の回路図を示したが、電圧検出端子17a,17bと入力端子41a,41bとの間の電圧検出プリントパターンの図示は省略してある。
増幅回路40は、OPアンプ42と、入力抵抗器43a,43bと、反転入力端子41a側に帰還する帰還抵抗器44と、非反転入力端子41b側で接地される接地抵抗器45と、出力端子46とから構成されている差動増幅回路である。
ここで、入力抵抗器43a,43bは等価の抵抗値R1を有し、また帰還抵抗器44と接地抵抗器45は等価の抵抗値R2を有する。
入力端子41aの端子電圧をVa、入力端子41bの端子電圧をVbとし、出力端子46における出力電圧をVとすると、該出力電圧Vは、以下の数式5のように表される。
Figure 2010127736
上記のように多端子電流検出用抵抗器10を基板20に実装し、該多端子電流検出用抵抗器10に図2に示した矢印の向きにしたがって被検出電流Iが流されたとき、金属抵抗体11の両端に電位差V(=−(Va−Vb))が生じる。この測定された電位差Vを所定の倍率で増幅することにより、出力電圧Vを得ることができる。多端子電流検出用抵抗器10は、上記のようにインダクタンスによる電圧誤差が無効化されている。
したがって、上記のように測定精度を高くした多端子電流検出用抵抗器10から検出される被測定電圧を直接利用した電流センサを構成することができる。このとき、多端子電流検出用抵抗器10から出力された電位差Vをコンデンサ等で平滑化することなく増幅することができるので、当該コンデンサ等のデバイスを省略して回路を構成することができ、電流センサのコストを抑えることができる。
さらに、当該電流センサは、多端子電流検出用抵抗器10に高速変化するパルス電流を流したとき、インダクタンスによる電圧誤差が含まれないので、増幅感度を高くすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第2実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Aの概略構成を示す底面図を図6に示し、正面図を図7に示す。
第1実施例に示した多端子電流検出用抵抗器10と、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Aは以下の点で相違する。
第1実施例では、電圧検出端子17a,17bが前面導体14aの下端部から突出形成されている。
対して、本実施例では、前面導体14aの中心部に電圧検出端子17cの始端が設けられ、後面導体14bの中心部に電圧検出端子17dの始端が設けられている。
その他の構成は第1実施例と同様であるので説明を省略する。
電圧検出端子17cは、金属抵抗体11に図7の矢印で示した方向に電流Iを流したとき、電圧検出端子17dの下流側に位置するように配されている。電圧検出端子17cと電圧検出端子17dの間は、第1実施例と同様に、自己インダクタンスが無効化されるように離されている。
また、電圧検出端子17cの後面と前面導体14aの前面との間は絶縁体層13aと同様に絶縁体を積層して電気的に絶縁され、電圧検出端子17dの前面と後面総体14bの後面との間も同様に電気的に絶縁されている。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Aは、図7に示したように、第1実施例と同様に基板20に実装されるので、説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Aによれば、電圧検出端子17c,17dは、製造工程で後付けすることができる。そのため、抵抗体の長さや、抵抗値を実測して位置決めをしてから取り付けることができるので、正確な位置に電圧検出端子17c,17dを取り付けることが容易にできる。
また、金属抵抗体11に電流Iを流したとき、抵抗本体11aの中心部は、最も安定した電流が流れ、均一な磁界が発生している。そのため、電流センサとして利用したとき、当該中心部に対応した位置に設けた電圧検出端子17c、17dで測定した電圧に上記のインダクタンスによる誘導電圧以外のノイズが含まれることを防ぐことができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第3実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Bの概略構成を示す底面図を図8に示し、正面図を図9に示す。
第1実施例に示した多端子電流検出用抵抗器10及び第2実施例に示した多端子電流検出用抵抗器10Aと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Bとは、以下の点で相違する。
第1実施例の多端子電流検出用抵抗器10又は第2実施例の多端子電流検出用抵抗器10Aは、一対の電極層12a.12bと、電圧検出端子17a,17b又は電圧検出端子17c,17dとからなる4端子で構成されている。
対して、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Bは、電圧検出端子17c,17dに加えてさらに、電圧検出端子17eを設けた5端子で構成されている。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Bでは、金属抵抗体11に図9の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、上流側から、前面導体14aに配される電圧検出端子17d、後面導体14bに配される電圧検出端子17c、前面導体14aに配される電圧検出端子17eと並設されている。
そして、電圧検出端子17cと電圧検出端子17dは、第2実施例と同様に、電気的に絶縁され、電圧検出端子17eの後面と前面導体14aの前面との間も同様に電気的に絶縁されている。
その他の構成は第1実施例、第2実施例と同様であるので説明を省略する。
ここで、電圧検出端子17c,17d,17eの位置関係について、図8に示した多端子電流検出用抵抗器10から絶縁体層13a,13bを省略し、端子等の位置関係と、増幅回路40Aを示した図10に基づいて説明する。
電圧検出端子17cと電極層12bの端縁部との距離をk1とし、電圧検出端子17dと電極層12bの端縁部からの距離をk3とし、電圧検出端子17eと電極層12bの端縁部からの距離をk4とする。
抵抗本体11aの電圧をVとし、抵抗本体11aの抵抗値による電圧をV、自己インダクタンスによる誘導電圧をVとすると、V=V+Vの関係が成り立つ。
前後両面導体14a,14bの相互インダクタンスによる誘導電圧をVとし、自己インダクタンスLと相互インダクタンスMの結合率をαとおくと、V=αVの関係が成り立つ。
本実施例の結合率αは、第1実施例と同様に、0.8乃至0.95程度が好ましい。
上記の関係から、電圧検出端子17cの位置における電圧Vc、電圧検出端子17dの位置における電圧Vd、及び電圧検出端子17eの位置における電圧Veは、以下の数式6のように表される。
Figure 2010127736
本実施例の増幅回路40Aは、差動増幅回路であって、図9及び図10に示したように、OPアンプ42と、入力抵抗器43a,43b,43cと、反転入力端子41a側に帰還する帰還抵抗器44と、非反転入力端子41b,41c側に接続される接地抵抗器45と、出力端子46とから構成されている。差動増幅回路の動作は第1実施例と同様であるので説明を省略する。
増幅回路40Aを正常に動作させるため、入力抵抗器43aの抵抗値R1と、入力抵抗器43bの抵抗値R3及び入力抵抗器43cの抵抗値R4の合成抵抗値を等価とし、かつ帰還抵抗器44の抵抗値R2と接地抵抗器45の抵抗値R5を等価とする。このとき、出力電圧をVとすると、以下の数式7のように表される。
Figure 2010127736
数式4と同様に、数式7の右辺から自己インダクタンスの誘導電圧Vに依拠する係数がゼロとなるようにすると、抵抗値R1,R3,R4が残る。また、R1に対して、R3とR4の合成抵抗値は等価となる。
したがって、数式8のように、入力抵抗器43bの抵抗値R3と、入力抵抗器43cの抵抗値R4を求めることができる。
Figure 2010127736
抵抗値R3,R4は、任意の位置に配した電圧検出端子17c,17d,17dの位置k1,k3,k4と、前後両面導体14a,14bと金属抵抗体11との結合率αと、入力抵抗器43aの抵抗値R1とから求めることができる。そして、求めた抵抗値R3,R4に入力抵抗器43b,43cの抵抗値を調整すれば、出力電圧Vから、自己インダクタンスによる誘導電圧Vを除去することができる。
したがって、第1実施例及び第2実施例と同様に、電流検出用抵抗器10Bの測定精度を高くすることができ、増幅感度を高くしてもノイズが出ない電流センサを構成することができる。
ここで、第1実施例と同様に、多端子電流検出用抵抗器10Bの抵抗本体11aの長さが9mmであって結合率αを0.9とし、電圧検出端子17cを中心に配し(k1=0.5)、電圧検出端子17dと電圧検出端子17eを電圧検出端子17cから2.54mmの間隔を空けて配したとき(k3=0.782,k4=0.218)、増幅回路40Aの入力抵抗器43aの抵抗値R1を100Ω、帰還抵抗器44の抵抗値R2を1000Ω、接地抵抗器45の抵抗値R5を1000Ωとすると、入力抵抗器43bの抵抗値R3は330Ω、入力抵抗器43cの抵抗値R4は143.47Ωとなる。そして、抵抗値R1と抵抗値R2の比から、10倍の増幅率を有する増幅回路40Aが構成される。
第1実施例及び第2実施例で示した4端子構成の場合、電圧検出端子17a,17b又は電圧検出端子17c,17d間の距離は、第1実施例で説明したように、電圧検出端子の位置k1,k2と関係なく結合率αから定まる。
対して、本実施例の場合、電圧検出端子17c,17d,17eの位置k1,k3,k4を任意に設定することができる。そのため、電圧検出端子17c,17d,17eの端子幅を太くして強度を上げることができる。また、各電圧検出端子17c,17d,17e間の距離を広くとることができるので、製造を容易にすることができ、基板20のプリントパターンについても余裕を持った設計をすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第4実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Cの概略構成を示す側面図を図11に示し、平面図を図12に示す。
電流検出用抵抗器10Cは、第1実施例と同様の平板状の金属抵抗体11を有している。そして、該金属抵抗体11を中心にして、金属抵抗体11の上面には、上面電極層52aと上面絶縁体層53aが積層され、さらに上面電極層52aと上面絶縁体層53aを平板状の上面導体54aが覆っている。上面導体54aの側面中間からは電圧検出端子57aが突出形成されている。
一方、金属抵抗体11の下面には、下面電極層52bと第1下面絶縁体層53bが積層され、該下面電極層52bと第1下面絶縁体層53bを平板状の下面導体54bが覆っている。下面導体54bの下面側であって、反下面電極層52b側の第2下面絶縁体層53b端縁部には、露出部55が形成されている。そして、金属抵抗体11の下面側であって、反上面電極層52a側面には、スペーサー56が配されている。さらに、下面導体54bの側面中間からは、電圧検出端子57aと対をなす電圧検出端子57bが突出形成されている。
金属抵抗体11の一端の上面側に積層されている上面電極層52a、及び該金属抵抗体11の他端の下面側に積層されている下面電極層52bは、第1実施例と同様に形成されている。
金属抵抗体11の非上面電極層52a部分に形成されている上面絶縁体層53a、及び金属抵抗体11の非下面電極層52b部分に形成されている下面絶縁体層53bもまた、第1実施例と同様に形成されている。
そして、第1下面絶縁体層53bに連続して、下面電極層52bの反対側に、側面絶縁体層53cが形成されている。
該側面絶縁体層53cに連続して、下面導体54bの下面側に、第2下面絶縁体層53dが形成されている。下面導体54bの下面側であって、反下面電極層52b側の第2下面絶縁体層53b端縁部には、露出部55が形成されている。該露出部55は、多端子電流検出用抵抗器10Cを面実装したとき、電極を兼ね、また、露出部55と基板20Aとの間にはスペーサー56が配されている。
下面導体54bは、第1下面絶縁体層53b、側面絶縁体層53c、及び第2下面絶縁体層53dで保護されている。そのため、多端子電流検出用抵抗器10Cを面実装したとき、下面導体54bと上面電極層52a側とが短絡されることを防ぐことができ、また、下面導体54bを介して、基板20に形成したプリントパターン61,62が短絡されることを防ぐことができる。
金属抵抗体11の上面側に積層された上面電極層52aと上面絶縁体層53aを覆っている上面導体54a、及び金属抵抗体11の下面側に積層された下面電極層52bと下面絶縁体層53bを覆っている下面導体54bは、第1実施例と同様に形成されている。
したがって、図12に示すように、金属抵抗体11の抵抗本体11aよりも一回り大きく形成されている上下両面導体54a,54bは、金属抵抗体11に電流を流したときに、該金属抵抗体11の抵抗本体11aの側面から発生する磁束の漏れを少なくすることができる。そのため、電流検出用抵抗器10Cの自己インダクタンスを小さくすることができる。
金属抵抗体11の下側面であって、反上面電極層52a側面に配されているスペーサー56は、銅板からなり、少なくとも下面導体54bと同厚に形成されている。スペーサー56により、上面電極側52a側の金属抵抗体11の高さを調整することができ、また、ハンダ付けの際の接触ムラを無くすことができる。さらに、スペーサー56を露出部55と基板20との間に配することにより、露出部55と基板20とが密着し、上面電極層52a側の電位を安定させることができる。
スペーサー56は銅板に替えて、金属抵抗体11の当該部分を厚くして一体成形するか、若しくは、当該部分に銅メッキを厚膜形成しても良い。
電圧検出端子57aは、金属抵抗体11に図12の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、電圧検出端子57bの上流側に位置するように配されている。電圧検出端子57aと電圧検出端子57bの間は、第1実施例で説明したように、インダクタンスが無効化されるように離されている。
上記構成を有する電流検出用抵抗器10Cは、基板20Aに面実装されている。
図12に示すように、基板20Aには、銅等の導体からなる第1プリントパターン61及び第2プリントパターン62がギャップ63を挟んで印刷形成されている。第1プリントパターン61と、該第1プリントパターン61に対向する第2プリントパターン62は、同幅に形成されている。第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の幅は、電流検出用抵抗器10Cの幅よりも広く形成されている。
電流検出用抵抗器10Cを面実装したとき、電圧検出端子57aは、増幅回路40の入力端子41bに接続され、電圧検出端子57bは、増幅回路40の入力端子41aに接続される。
電圧検出端子57a,57bと入力端子41b,41aとの間は、図12では図示を省略したプリントパターンで接続されている。また、プリントパターンに替えて電圧検出端子57a,57bと入力端子41a,41bとの間をリード線等で接続しても良い。
ここで、図12の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、該電流Iと直角をなす向きに電圧検出用のプリントパターンが形成されていることが好ましい。電流Iと直角をなす向きに被測定電圧を引き出すことにより、多端子電流検出用抵抗器10Cの自己インダクタンスによって発生する磁界の影響を無くすことができる。
図12に示した増幅回路40については、第1実施例と同様であるから説明を省略する。さらに、多端子電流検出用抵抗器10Cと当該増幅回路40から構成される電流センサについても第1実施例と同様であるから説明を省略する。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第5実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Dの概略構成を示す側面図を図13に示し、平面図を図14に示す。
第4実施例に示した多端子電流検出用抵抗器10Cと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Dとは以下の点で相違する。
第4実施例では、電圧検出端子57a,57bが上面導体54aの側面中間から突出形成されている。
対して、本実施例では、上面導体54aの中心部に電圧検出端子57cの始端が設けられ、下面導体54bの中心部に電圧検出端子57dの始端が設けられている。
その他の構成は第4実施例と同様であるので説明を省略する。
電圧検出端子57cは、金属抵抗体11に図14の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、電圧検出端子57dの上流側に位置するように配されている。電圧検出端子57cと電圧検出端子57dの間は、第1実施例で説明したように、自己インダクタンスが無効化されるように離されている。
また、電圧検出端子57cの下面と上面導体54aの上面との間は絶縁体層53aと同様に絶縁体を積層して電気的に絶縁され、電圧検出端子57dの上面と下面導体54bの下面との間も同様に電気的に絶縁されている。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Dは、図14に示したように、第4実施例と同様に基板20Aに実装されるので、説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Dによれば、第2実施例と同様に、電圧検出端子57c,57dは、製造工程で後付けすることができる。そのため、抵抗体の長さや、抵抗値を実測して位置決めをしてから取り付けることができるので、正確な位置に電圧検出端子57c,57dを取り付けることが容易にできる。
また、金属抵抗体11に電流Iを流したとき、抵抗本体11aの中心部は、最も安定した電流が流れ、均一な磁界が発生している。そのため、当該中心部に対応した位置に設けた電圧検出端子57c、57dで測定した電圧に、電流センサとして利用したとき、インダクタンスの誘導電圧以外のノイズが含まれることを防ぐことができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第6実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Eの概略構成を示す側面図を図15に示し、平面図を図16に示す。
第4実施例の多端子電流検出用抵抗器10C、及び第5実施例の多端子電流検出用抵抗器10Dと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Eとは以下の点で相違する。
第4実施例の多端子電流検出用抵抗器10C又は第5実施例の多端子電流検出用抵抗器10Dは、一対の電極層52a,52bと、電圧検出端子57a,57b又は電圧検出端子57c,57dとからなる4端子で構成されている。
対して、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Eは、電圧検出端子57c,57dに加えてさらに、電圧検出端子57eを設けた5端子で構成されている。
金属抵抗体11に図16の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、上流側から、上面導体54aの上面に配される電圧検出端子57c、下面導体54bに配される電圧検出端子57d、上面導体54aに配される電圧検出端子57eの順に並設されている。
また、電圧検出端子57cと電圧検出端子57dは、第5実施例と同様に、絶縁体を積層して電気的に絶縁されている。そして、電圧検出端子57eの下面と上面導体54aの上面との間も同様に電気的に絶縁されている。
その他の構成は第4実施例、第5実施例と同様であるので説明を省略する。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Eは、図16に示したように、第4実施例及び第5実施例と同様に基板20Aに面実装されるので、説明を省略する。
電圧検出端子57c,57d,57eの位置関係は、第3実施例と同様であるので、説明を省略する。このとき、図16に示した増幅回路40Aは、図9に示した第3実施例の増幅回路40Aと同様の構成を有するので、説明を省略する。
第6実施例の多端子電流検出用抵抗器10Eによれば、第4実施例及び第5実施例と同様に、測定精度を高くすることができ、感度を高くしてもノイズが出ない電流センサを構成することができる。
第4実施例及び第5実施例で示した4端子構成の場合、電圧検出端子57a,57b又は電圧検出端子57c,57d間の距離は、第1実施例で説明したように、電圧検出端子の位置k1,k2と関係なく結合率αから定まる。
対して、本実施例の場合、第3実施例で説明したように、電圧検出端子57c,57d,57eの位置k1,k3,k4を任意に設定することができる。そのため、電圧検出端子57c,57d,57eの端子幅を太くして強度を上げることができる。また、各電圧検出端子57c,57d,57e間の距離を広くとることができるので、製造を容易にすることができ、基板20Aのプリントパターンについても余裕を持った設計をすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第6実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Fの概略構成を示す側面図を図17に示し、平面図を図18に示す。
多端子電流検出用抵抗器10Fは、第1実施例と同様の平板状の金属抵抗体11を有している。該金属抵抗体11の上面側面に、上面電極層52aと上面絶縁体層53aが積層され、さらに上面電極層52aと上面絶縁体層53aを平板状の上面導体54aが覆っている。そして、金属抵抗体11の下面側面に、下面電極層52bと下面絶縁体層53bが積層されている。下面絶縁体層53bを挟んで下面電極層52bと対向する反対側面には、露出部80が形成されている。
下面電極層52bと下面絶縁体層53bの境界近傍で下面電極層52b側には、電圧検出端子57gが金属抵抗体11の側面から突出形成されている。また図18の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、電圧検出端子57gよりも上流側の位置には、電圧検出端子57fが上面導体54aの側面から突出形成されている。
第4実施例乃至第6実施例のいずれかに記載した多端子電流検出用抵抗器10C,10D,10Eと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Fとは以下の点で相違する。
多端子電流検出用抵抗器10C,10D,10Eは、下面導体54bが下面電極層52b及び下面絶縁体53bを覆っている。
対して、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Fは、当該下面導体54bを省いて構成されている。そのため、多端子電流検出用抵抗器10Fは、後述するように、基板20Aに面実装して初めて、多端子電流検出用抵抗器10C,10D,10Eと同様の自己インダクタンスの抑制効果を得ることができる。
また、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Fは、金属抵抗体11が、第1実施例と同様であるから以下説明を省略する。第4実施例の多端子電流検出用抵抗器10Cから、下面導体54bを省いた構成を有している。そのため、本実施例の金属抵抗体11の上面側に配した、上面電極層52a、上面絶縁体層53a、上面導体54a、及び金属抵抗体11の下面側に配した、下面電極層52b、下面絶縁体層53bは、第4実施例と同様であるから以下説明を省略する。
電圧検出端子57fと電圧検出端子57gとの位置関係は、第1実施例と同様であるので説明を省略する。ただし、本実施例では、上記第4実施例乃至第6実施例のいずれかに示した下面導体54bが省略されている。したがって、被測定電圧を測定するために、電圧検出端子57fの位置は、金属抵抗体11の下面電極52bが積層されている長さの範囲内に制限される。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Fは、基板20Aに面実装される。基板20Aは、第4実施例と同様であるから説明を省略する。
多端子電流検出用抵抗器10Fの下面電極層52bを第1プリントパターン61上に配し、金属抵抗体11の下面に形成した露出部80を第2プリントパターン62に配して、多端子電流検出用抵抗器10Fを基板20Aにハンダ75で固定して面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、下面電極層52bと下面絶縁体層53bを覆う。
第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、第4実施例乃至第6実施例のいずれかに示した下面導体54bと同様に、銅等からなる導体であるから、第4実施例乃至第6実施例のいずれかに示した下面導体54bに代わって、電流Iを金属抵抗体11に流したときに生じる磁束を遮ることができる。
したがって、上面導体54aとプリントパターン61,62に覆われた多端子電流検出用抵抗器10Fは、金属抵抗体11のインダクタンスを小さくすることができる。
ここで、ギャップ63からは磁束が漏れる。そのため、当該ギャップ63の幅は狭いほうが良い。また、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の幅を多端子電流検出用抵抗器10Fの幅よりも広くすることにより、金属抵抗体11の側面から漏れる漏れ磁束を小さくすることができる。
本実施例の電流検出用抵抗器10Fによれば、基板20Aに面実装して初めて、金属抵抗体11をシールドして、インダクタンスを小さくすることができるように構成されている。そのため、多端子電流検出用抵抗器10Fの位置決めにおいて、プリントパターン61,62の幅方向中心と電流検出用抵抗器10Fの中心を一致させることが好ましい。
一方、多端子電流検出用抵抗器10Fは、下面導体54bが省略されていることから、製造コストを抑えることができ、また、容易に表裏の区別をつけることができる。
なお、図18に示した増幅回路40と、当該増幅回路40及び多端子電流検出用抵抗器10Fから構成される電流センサは、第1実施例と同様であるから説明を省略する。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第8実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Gの概略構成を示す側面図を図19に示し、平面図を図20に示す。
第7実施例に記載した多端子電流検出用抵抗器10Fと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Gとは以下の点で相違する。
第7実施例では、電圧検出端子57f,57gが上面導体54aと金属抵抗体11の側面から突出形成されている。
対して、本実施例では、電圧検出端子57h,57iが設けられている。
図20の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、電圧検出端子57hは、その始端が、電圧検出端子57iよりも上流側の位置であって、上面導体54aの幅方向中心に設けられている。また、電圧検出端子57iは、その始端が下面電極層52bと下面絶縁体層53bの境界近傍で、上面絶縁体層53aの反対側面に形成された下面電極層52b側端部の幅方向中心に設けられている。
電圧検出端子57hの下面と上面導体54aの上面との間は、第2実施例と同様に、電気的に絶縁されている。また、電圧検出端子57iの上面と下面電極層52bの下面との間も同様に電気的に絶縁されている。
その他の構成は、第7実施例と同様であるので、説明を省略する。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Fは、図20に示したように、第7実施例と同様に基板20Aに実装されるので、説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Fによれば、第2実施例で説明したように、電圧検出端子57h,57iは、製造工程で後付けすることができる。そのため、抵抗体の長さや、抵抗値を実測して位置決めをしてから取り付けることができるので、正確な位置に電圧検出端子57h,57iを容易に取り付けることができる。
また、図20の矢印の向きにしたがって金属抵抗体11に電流Iを流したとき、電流Iの流れに直角な抵抗本体11aの幅方向中間部は、安定した電流が流れ、均一な磁界が発生している。そのため、当該中間部に対応した位置に設けた電圧検出端子57h,57iで測定した電圧に、電流センサとして利用したとき、インダクタンスによる誘導電圧以外のノイズが含まれることを防ぐことができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第9実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Hの概略構成を示す側面図を図21に示し、平面図を図22に示す。
第7実施例又は第8実施例に記載した多端子電流検出用抵抗器10F又は多端子電流検出用抵抗器10Gと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Hとは以下の点で相違する。
第7実施例及び第8実施例に示した多端子電流検出用抵抗器10F又は多端子電流検出用抵抗器10Gは、一対の電極層52a,52bと、電圧検出端子57f,57g又は電圧検出端子57h,57iとからなる4端子で構成されている。
対して、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Hは、電圧検出端子57h,57iに加えてさらに、電圧検出端子57jを設けた5端子で構成されている。
図22に示したように、電圧検出端子57iの下流側に、上面導体54aの上面に配される電圧検出端子57jが形成されている。電圧検出端子57jの下面と上面導体54aの上面は第8実施例と同様に、電気的に絶縁されている。電圧検出端子57h,57i,57jの始端は、多端子電流検出用抵抗器10Hの幅方向中心に沿って、同一直線上に設けられている。
電圧検出端子57h,57i,57jの位置関係は、第3実施例と同様であるので説明を省略する。
ここで、電圧検出端子57h,57i,57jの位置は、第3実施例で説明したように、原則として任意に設定することができる。ただし、電圧検出端子57iの位置は、第4実施例と同様に、金属抵抗体11に積層された下面電極層52bの範囲内に制限され、該電圧検出端子57iよりも上流側に配される電圧検出端子57hの位置も制限される。そのため、図22に示したように金属抵抗体11の上流側寄りに、電圧検出端子57iを中心に電圧検出端子57hと電圧検出端子57jが配されている。
その他の構成は、第7実施例及び第8実施例と同様であるので説明を省略する。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Hは、図22に示したように、第7実施例と同様に基板20Aに実装されるので、説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Hによれば、第3実施例で説明したように、電圧検出端子57h,57i,57jの端子幅を太くして強度を上げることができる。また、各端子間の距離を広くとることができるので、製造を容易にすることができ、基板20Aのプリントパターンについても余裕を持った設計をすることができる。
また、第3実施例と同様に、増幅回路40Aに接続され、電流センサを構成することができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第10実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Iの概略構成を示す側面図を図23に示す。平面図は、第4実施例で示した図12を用いて説明する。
多端子電流検出用抵抗器10Iは、第1実施例と同様の平板状の金属抵抗体11を有している。
図23に示すように、該金属抵抗体11の上面側には、第1上面電極層52cと第1上面絶縁体層53dを挟んで対向する第2上面電極層52dが積層されている。第1上面電極層52cの上面側にはスペーサー85が配設されている。スペーサー85の第1上面絶縁体層53d側では、第2上面導体54dが第1上面絶縁体層53dと第2上面電極層52dを覆っている。第2上面導体54dとスペーサー85の間には、第1上面絶縁体層53dと連続する側面絶縁体層53eが配されている。側面絶縁体層53eに連続し、第2上面導体54dの上面側には、第2上面絶縁体層53c(図12で示す上面絶縁体層53a)が積層されている。第2上面絶縁体層53cは、第1上面導体54c(図12で示す上面導体54a)で覆われ、該第1上面導体54cと第1上面電極層52cは、スペーサー85を介して通電可能に接している。
そのため、金属抵抗体11の上面で、金属抵抗体11の一端側に配した第1上面導体54cと、該金属抵抗体11の他端側から配した第2上面導体54dとによって、間に第2絶縁体層53cを畳み込んだように構成されている。
第1上面導体54cの側面中間からは電圧検出端子57aが突出形成されている。また、図23に示した矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、電圧検出端子57aの下流側に位置するように、電圧検出端子57bが、第2上面導体54dの側面中間から突出形成されている。
電圧検出端子57aと電圧検出端子57bの間は、第1実施例で説明したように、インダクタンスが無効化されるように離されている。
金属抵抗体11の下面側の反第1絶縁体層53c側面には、下面絶縁体層53fが積層されている。該下面絶縁体層53fを挟んで、反第1上面電極層52c側面には露出部86が形成され、反第2上面電極層52d側面には露出部87が形成されている。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Iは、第4実施例と同様に、基板20Aに面実装されているので、説明を省略する。また、第7実施例と同様に、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Iは、基板20Aに面実装して初めて、金属抵抗体11の上下両面が導体で覆われることになり、インダクタンスを小さくすることができる。
平面図で示した場合、基板20Aに面実装した多端子電流検出用抵抗器10Iと第4実施例で示した多端子電流検出用抵抗器10Cは略同様の構成を備える。したがって、増幅回路40と、当該増幅回路40及び多端子電流検出用抵抗器10Iから構成される電流センサは、第4実施例と同様であるから説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Iによれば、金属抵抗体11の上面側にまとめて導体54c,54dを配したので、基板20Aへ容易に実装することができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第11実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Jの概略構成を示す側面図を図24に示す。平面図は、第5実施例で示した図14を用いて説明する。
第10実施例に示した多端子電流検出用抵抗器10Iと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Jとは以下の点において相違する。
第10実施例では、電圧検出端子57aが第1上面導体54cの側面中間から突出形成され、電圧検出端子57bが第2上面導体54dの側面中間から突出形成されている。
対して、本実施例では、電圧検出端子57cの始端が第1上面導体54c(図14に示す上面導体54a)の上面の中央部近傍に設けられ、電圧検出端子57dの始端が第2上面導体54dの下側面の中央部近傍に設けられている。
電圧検出端子57cの下面と第1上面導体54cの上面との間は、絶縁体によって電気的に絶縁され、電圧検出端子57dの上面と第2上面導体54dの下面との間も同様に電気的に絶縁されている。
その他の構成は、第10実施例と同様であるので説明を省略する。
また、上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Jは、第10実施例と同様に、基板20Aへ面実装されるので、説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Jによれば、第2実施例と同様に、図24に示した矢印の向きにしたがって金属抵抗体11に電流Iを流したとき、抵抗本体11aの中心部(図14に図示)は、最も安定した電流が流れ、均一な磁界が発生している。そのため、電流センサとして利用したとき、当該中心部に対応した位置に設けた電圧検出端子57c、57dで測定した電圧に上記のインダクタンスによる誘導電圧以外のノイズが含まれることを防ぐことができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第12実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Kの概略構成を示す側面図を図25に示す。平面図は、第6実施例で示した図16を用いて説明する。
第10実施例の多端子電流検出用抵抗器10I及び第11実施例の多端子電流検出用抵抗器10Jと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Kとは以下の点で相違する。
第10実施例及び第11実施例に示した多端子電流検出用抵抗器10I又は多端子電流検出用抵抗器10Jは、一対の電極層52c,52dと、電圧検出端子57a,57b又は電圧検出端子57c,57dとからなる4端子で構成されている。
対して、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Kは、一対の電極層52c,52d及び電圧検出端子57c,57dに加えてさらに、電圧検出端子57eを設けた5端子で構成されている。
電圧検出端子57c,57d,57eは、金属抵抗体11に図25に示した矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、上流側から、第1上面導体54cの上面に配される電圧検出端子57c、第2上面導体54dの下面に配される電圧検出端子57d、第1上面導体54cの上面に配される電圧検出端子57eの順に並設されている。
また、電圧検出端子57c,57dは、第11実施例と同様に、電気的に絶縁されている。電圧検出端子57eの下面と第2上面導体54dの上面との間も同様に、電気的に絶縁されている。
電圧検出端子57c,57d,57eの位置関係は、第3実施例と同様であるので、説明を省略する。また、電圧検出端子57c,57d,57eは、図16に示した第6実施例と同様に配設され、増幅回路40Aに接続されている。
第12実施例の多端子電流検出用抵抗器10Kによれば、第10実施例及び第11実施例と同様に、測定精度を高くすることができ、増幅感度を高くしてもノイズが出ない電流センサを構成することができる。
また、本実施例では、第3実施例と同様に、電圧検出端子57c,57d,57eの位置を任意に設定することができる。そのため、電圧検出端子57c,57d,57eの端子幅を太くして強度を上げることができる。また、各端子間の距離を広くとることができるので、製造を容易にすることができ、基板20Aのプリントパターンについても余裕を持った設計をすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第13実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Lの概略構成を示す側面図を図26に示し、平面図を図27に示す。
多端子電流検出用抵抗器10Lは、平板状の絶縁体チップ101と、該絶縁体チップ101の下面側の中央部分に積層された抵抗体層102と、該抵抗体層102を挟んで対向する第1下面電流電極104a及び第2下面電流電極105aとからなる。
絶縁体チップ101は、セラミック等からなる。図27の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、該電流Iの経路に沿った絶縁体チップ101の長さ方向の一側面には、上流側から順に第1電圧電極108aと第2電圧電極108bが並設されている。
抵抗体層102は、絶縁体チップ101上に金属抵抗体11と同じ銅ニッケル系の合金を厚膜印刷、又は蒸着して形成されている。また、抵抗体層102は、トリミング等によって、所定の抵抗値に調整されている。抵抗体層102は、さらに絶縁体層106で被覆されている。絶縁体層106によって、多端子電流検出用抵抗器10Lを基板20Aに面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62が短絡されることを防ぐことができる。
第1下面電流電極104aは、絶縁体チップ101の一端側下面に形成されている。また絶縁体チップ101の他端側下面には第2下面電流電極105aが形成されている。
第1下面電流電極104aと第2下面電流電極105aの間には抵抗体層102及び絶縁体層106が配されている。
第1下面電流電極104aに連続して、絶縁体チップ101の一端側側面には、第1側面電流電極104bが形成されている。そして、第1側面電流電極104bに連続して、絶縁体チップ101の一端側上面には、第1上面電流電極104cが形成されている。第1上面電流電極104cの上面は上面導体120で覆われている。
一方、第2下面電流電極105aに連続して、絶縁体チップ101の他端側側面には、第2側面電流電極105bが形成されている。そして、第2側面電流電極105bに連続して、絶縁体チップ101の他端側上面には、第2上面電流電極105cが形成されている。
第1上面電流電極104cと第2上面電流電極105cとの間には、底面部に絶縁体チップ101が露出するスリット107が形成されている。スリット107は、絶縁体チップ101の中心よりも他端側に配されている。
そのため、絶縁体チップ101の一端側上面を覆う第1上面電流電極104cは、絶縁体チップ101の上面の略全面を覆っている。対して、絶縁体チップ101の他端側上面を覆う第2上面電流電極105cは、絶縁体チップ101の他端側の上面角部を覆っている。
また、第1電流電極104a,104b,104cと、第2電流電極105a,105b,105cは抵抗体層102よりも幅広に形成されている。
第1電流電極104a,104b,104cと、第2電流電極105a,105b,105cは、金、銀、銅等の電気伝導度の低い金属を、絶縁体チップ101にメッキして形成されている。なお、銅板等を絶縁体チップ101に貼着して、電流電極104a,104b,104c,105a,105b,105cを形成しても良い。その際には銅板に金、銀等をメッキすることもできる。
第1上面電流電極104cは、絶縁体チップ101の下面側に積層させた抵抗体層102に電流を流したときに生じる磁束を遮ることができる。したがって、絶縁体チップ101の上面側に発生するインダクタンスを小さくすることができる。また、絶縁体チップ101は薄く形成したほうが、抵抗体層102と第2上面電流電極105cとの距離が狭くなり、第1実施例で説明したように結合率αが高くなるので、インダクタンスを小さくすることができる。
第1電圧電極108aは、上端部が第1上面電流電極104cに当接され、下端部に電圧検出端子110aが形成されている。該電圧検出端子110aと第1上面電流電極104cとは、第1電圧電極108aに形成されたハンダフィレット76によって接続されている。
また、第1電圧電極108aよりも電流経路の下流側に位置する第2電圧電極108bは、第2下面電流電極105aと抵抗体層102との境界近傍の第2下面電流電極105a側に当接され、下端部に電圧検出端子110bが設けられている。第2電圧電極108bと第1上面電流電極104cは、絶縁体チップ101により絶縁されている。
ここで、絶縁体チップ101は、薄板状のセラミック板を所定の大きさに分割して形成される。そのため、第1電圧電極108aと第2電圧電極1008bは、当該セラミック板の分割時に、割り線となる同一線上に形成した貫通孔が分割されることにより形成される。
第1電圧電極108aと第2電圧電極108bの位置関係については、第1実施例と同様であるので、説明を省略する。ただし、第7実施例と同様に、第2電圧電極108bは、当接する第2下面電流電極105aの範囲が制限され、また、第1電圧電極108aは第2電圧電極108bよりも上流側に配されることから、電圧検出端子110a,110bは、多端子電流検出用抵抗器10Lの電流経路上流側に偏った位置に形成されている。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Lは、電流検出用回路が形成された基板20Bに面実装される。上記第4実施例等で用いた基板20Aに対し、本実施例の基板20Bには、図30に示すように、基板20B上のプリントパターンに電圧検出端子101a,101bと係合する電圧検出用プリントパターン71a,71bが形成されている。
多端子電流検出用抵抗器10Lの第1下面電流電極104aを第1プリントパターン61上に配し、第2下面電流電極105aを第2プリントパターン62に配して、電流検出用抵抗器10Cを基板20Bにハンダ75で固定して面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、絶縁体チップ101の下面側に形成した抵抗体層102と、該抵抗体層102を保護する絶縁体層103を覆う。
このとき、第1電圧電極108aの下端部に形成され、第1上面電流電極104cの電位を測定する電圧検出端子110aは、基板20B上の電圧検出用プリントパターン71aに接続され、第2電圧電極108bの下端部に形成され、第2下面電流電極105aの電位を測定する電圧検出端子110bは、基板20B上の電圧検出用プリントパターン71bに接続される。
第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、銅等からなる導体であるから、第7実施例で説明したように、電流Iを抵抗体層102に流したときに生じる磁束を遮ることができる。
そして、絶縁体チップ101の上面に配した第2上面電流電極105cと、第1プリントパターン61及び第2プリントパターン62が、抵抗体層102の上下面を覆うので、抵抗体層102のインダクタンスを小さくすることができる。
ここで、ギャップ63からは磁束が漏れる。そのため、当該ギャップ63の幅は狭いほうが良い。また、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の幅を多端子電流検出用抵抗器10Lの幅よりも広くすることにより、金属抵抗体11の側面から漏れる漏れ磁束を小さくすることができる。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Lによれば、基板20Bに面実装して初めて、抵抗体層102をシールドして、インダクタンスを小さくすることができるように構成される。そのため、多端子電流検出用抵抗器10Lの位置決めにおいて、プリントパターン61,62の幅方向中心と多端子電流検出用抵抗器10Lの中心を一致させることが好ましい。
一方、多端子電流検出用抵抗器10Lは、金属抵抗体11を用いていないことから、製造コストを抑えることができ、また、絶縁体チップ101のいずれか一方の面に導体が配されているので、表裏の区別をわかりやすくすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第14実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Mの概略構成を示す側面図を図28に示し、平面図を図29に示す。
第13実施例の多端子電流検出用抵抗器10Lと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Mとは、以下の点で相違する。
第13実施例では、第1電圧電極108aの上端部は、第1上面電流電極104cの側面に当接され、第2電圧電極108bは、第2下面電流電極105aの側面に当接している。そのため、電圧検出端子110a,110bは、電極の側面で被測定電圧を測定している。
対して、本実施例では、上面導体120の幅方向中心に始端を有し、第1電圧電極108aの上端部に終端を有する短冊状の第1プレート112aが第1上面電流電極104cの上面側に電気的に絶縁されて配されている。また、第2下面電極105aの幅方向中心に始端を有し、第2電圧電極108bに終端を有する第2プレート112bが、第2下面電流電極105aの下面側に電気的に絶縁されて配されている。
第1プレート112aの下面と上面導体120の上面との間は、絶縁体によって電気的に絶縁されている。また、第2プレート112bの上面と第2下面電流電極105aの下面との間も同様に電気的に絶縁されている。
その他の構成は第13実施例と同様であるから、説明を省略する。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Lは、基板20Bに、第13実施例と同様に面実装される。そのため説明は省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Lによれば、第2実施例と同様に、第1プレート112a及び第2プレート112bを製造工程で後付けすることができる。そのため、正確な位置に第1プレート112a及び第2プレート112bを取り付けることが容易にできる。
また、図30に示した矢印の向きにしたがって抵抗体層102に電流Iを流したとき、抵抗体層102の中心部は、最も安定した電流が流れ、均一な磁界が発生している。そのため、電流センサとして利用したとき、被測定電圧に上記のインダクタンスによる誘導電圧以外のノイズが含まれることを防ぐことができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第15実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Nの概略構成を示す側面図を図30に示し、平面図を図31に示す。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Nは、第13実施例及び第14実施例と異なり、第3電圧電極108cが、第2電圧電極108bの下流側に設けられている。第3電圧電極108cの上端部は、第14実施例の第1電圧電極108aと同様に、上面導体120の幅方向中心部に始端を有し、第3電圧電極108cの上端部に終端を有する第3プレート112cが設けられている。第3プレート112cの下面と上面導体120の上面は電気的に絶縁されている。
その他の構成は、第13実施例及び第14実施例と同様であるので、説明を省略する。
第1電圧電極108a、第2電圧電極108b、第3電圧電極108cの位置関係は、第3実施例で説明したように増幅回路40Aに接続されている。そのため、説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Nによれば、第3実施例と同様に、第1プレート112a、第2プレート112b、第3プレート112cの幅を太くして強度を上げることができる。また、第1プレート112a、第2プレート112b、第3プレート112cの間の距離を広くとることができるので、製造を容易にすることができ、基板20Bのプリントパターンについても余裕を持った設計をすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第15実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Pの概略構成を示す側面図を図32に示し、平面図を図33に示す。
多端子電流検出用抵抗器10Pは、平板状の絶縁体チップ101と、該絶縁体チップ101の下面側の中央部分に積層された抵抗体層102と、該抵抗体層102を挟んで対向する第1下面電流電極104a及び第2下面電流電極105aとからなる。
絶縁体チップ101は、セラミック等からなる。図33の矢印の向きにしたがって電流Iを流したとき、該電流Iの経路に沿った絶縁体チップ101の長さ方向の一側面の中間部には、上流側から順に第1電圧電極108aと第2電圧電極108bが並設されている。
抵抗体層102は、絶縁体チップ101上に金属抵抗体11と同じ銅ニッケル系の合金を厚膜印刷、又は蒸着して形成されている。また、抵抗体層102は、トリミング等によって、所定の抵抗値に調整されている。抵抗体層102は、さらに絶縁体層106で被覆されている。絶縁体層106によって、多端子電流検出用抵抗器10Pを基板20Cに面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62が短絡されることを防ぐことができる。
第1下面電流電極104aは、絶縁体チップ101の一端側下面に形成されている。また絶縁体チップ101の他端側下面には第2下面電流電極105aが形成されている。
第1下面電流電極104aと第2下面電流電極105aの間には抵抗体層102及び絶縁体層106が配されている。
第1下面電流電極104aに連続して、絶縁体チップ101の一端側側面には、第1側面電流電極104bが形成されている。そして、第1側面電流電極104bに連続して、絶縁体チップ101の一端側上面には、第1上面電流電極104cが形成されている。第1上面電流電極104cの上面は、上面導体120で覆われている。
一方、第2下面電流電極105aに連続して、絶縁体チップ101の他端側側面には、第2側面電流電極105bが形成されている。そして、第2側面電流電極105bに連続して、絶縁体チップ101の他端側上面には、第2上面電流電極105cが形成されている。
絶縁体チップ101の一端側上面を覆う第1上面電流電極104cは、絶縁体チップ101の上面一端側から略全面を覆っている。絶縁体チップ101の他端側上面を覆う第2上面電流電極105cは、絶縁体チップ101の上面の他端側から略全面を覆っている。第1上面電流電極104cと第2上面電流電極105cとの間には上面絶縁体層113が配設されている。上面絶縁体層113により、第1上面電流電極104cと第2上面電流電極105cは電気的に絶縁されている。上面絶縁体層113は、絶縁体チップ101の下面側に配した絶縁体層106と同様に熱伝導性の高いものを用いることが好ましい。
また、第1電流電極104a,104b,104cと、第2電流電極105a,105b,105cは抵抗体層102よりも幅広に形成されている。
第1電流電極104a,104b,104cと、第2電流電極105a,105b,105cは、金、銀、銅等の電気伝導度の低い金属を、絶縁体チップ101にメッキして形成されている。なお、銅板等を絶縁体チップ101に貼着して、電流電極104a,104b,104c,105a,105b,105cを形成しても良い。その際には銅板に金、銀等をメッキすることもできる。
第1上面電流電極104c、第2上面電流電極105cは、絶縁体チップ101の下面側に積層させた抵抗体層102に電流を流したときに生じる磁束を遮ることができる。したがって、絶縁体チップ101の上面側に発生するインダクタンスを小さくすることができる。また、絶縁体チップ101は薄く形成したほうが、抵抗体層102と第2上面電流電極105cとの距離が狭くなり、第1実施例で説明したように結合率αが高くなるので、インダクタンスを小さくすることができる。
第1電圧電極108aは、上端部が第1上面電流電極104cの側面に当接され、下端部に電圧検出端子110aが形成されている。該電圧検出端子110aと第1上面電流電極とは、電圧電極108aに形成されたハンダフィレット76によって接続されている。
また、第1電圧電極108aよりも電流経路の下流側に位置する第2電圧電極108bは、第2下面電流電極105aの側面に当接され、下端部に電圧検出端子110bが設けられている。第2電圧電極108bと第1上面電流電極104cは、絶縁体チップ101により絶縁されている。
ここで、絶縁体チップ101は、薄板状のセラミック板を所定の大きさに分割して形成される。そのため、第1電圧電極108aと第2電圧電極1008bは、当該セラミック板の分割時に、割り線となる同一線上に形成した貫通孔が分割されることにより形成される。
第1電圧電極108aと第2電圧電極108bの位置関係は、第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Pは、電流検出用回路が形成された基板20Cに面実装される。上記第4実施例等で用いた基板20Aに対し、本実施例の基板20Cには、図35に示すように、基板20C上の第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の中間に電圧検出端子101a,101bと係合する電圧検出用プリントパターン71c,71dが形成されている。
多端子電流検出用抵抗器10Pの第1下面電流電極104aを第1プリントパターン61上に配し、第2下面電流電極105aを第2プリントパターン62に配して、多端子電流検出用抵抗器10Pを基板20Bにハンダ75で固定して面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、絶縁体チップ101の下面側に形成した抵抗体層102と、該抵抗体層102を保護する絶縁体層103を覆う。
このとき、第1電圧電極108aの下端部に形成され、第1上面電流電極104cの電位を測定する電圧検出端子110aは、基板20C上の電圧検出用プリントパターン71cに接続され、第2電圧電極108bの下端部に形成され、第2下面電流電極105aの電位を測定する電圧検出端子110bは、基板20B上の電圧検出用プリントパターン71dに接続される。
第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、銅等からなる導体であるから、上記の各実施例で説明したように、電流Iを抵抗体層102に流したときに生じる磁束を遮ることができる。
そして、絶縁体チップ101の上面に配した第2上面電流電極105cと、第1プリントパターン61及び第2プリントパターン62が、抵抗体層102の上下面を覆うので、抵抗体層102のインダクタンスを小さくすることができる。
ここで、ギャップ63からは磁束が漏れる。そのため、当該ギャップ63の幅は狭いほうが良い。また、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の幅を多端子電流検出用抵抗器10Pの幅よりも広くすることにより、金属抵抗体11の側面から漏れる漏れ磁束を小さくすることができる。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Pによれば、基板20Cに面実装して初めて、抵抗体層102をシールドして、インダクタンスを小さくすることができるように構成される。そのため、多端子電流検出用抵抗器10Pの位置決めにおいて、プリントパターン61,62の幅方向中心と多端子電流検出用抵抗器10Lの中心を一致させることが好ましい。
一方、多端子電流検出用抵抗器10Pは、金属抵抗体11を用いていないことから、製造コストを抑えることができ、また、絶縁体チップ101のいずれか一方の面に導体が配されているので、表裏の区別をわかりやすくすることができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第17実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Qの概略構成を示す側面図を図34に示し、平面図を図35に示す。
第16実施例の多端子電流検出用抵抗器10Pと、本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Qとは、以下の点で相違する。
第16実施例では、第1電圧電極108aの上端部は、第1上面電流電極104cの側面に当接され、第2電圧電極108bは、第2下面電流電極105aに当接されている。そのため、電圧検出端子110a,110bは、電極の側面で被測定電圧を測定している。
対して、本実施例では、上面導体120の中心近傍に始端を有し、第1電圧電極108aの上端部に終端を有する短冊状の第1プレート112aが上面導体120の上面側に電気的に絶縁されて配されている。また、第2下面電流電極105aの中心近傍に始端を有し、第2電圧電極108bに終端を有する第2プレート112bが、第2下面電流電極105aの下面側に電気的に絶縁されて配されている。
その他の構成は、第16実施例と同様であるので説明を省略する。
上記構成を有する多端子電流検出用抵抗器10Qは、基板20Cに、第16実施例と同様に面実装される。そのため説明は省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Qによれば、第2実施例で説明した電流検出用抵抗器10Aと同様に、第1プレート112a及び第2プレート112bを製造工程で後付けすることができる。そのため、正確な位置に第1プレート112a及び第2プレート112bを取り付けることが容易にできる。
また、図30に示した矢印の向きにしたがって抵抗体層102に電流Iを流したとき、抵抗体層102の中心部は、最も安定した電流が流れ、均一な磁界が発生している。そのため、電流センサとして利用したとき、被測定電圧に上記のインダクタンスによる誘導電圧以外のノイズが含まれることを防ぐことができる。
本発明の多端子電流検出用抵抗器の第18実施例を、添付した図面にしたがって説明する。多端子電流検出用抵抗器10Sの概略構成を示す側面図を図36に示し、平面図を図37に示す。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Sは、第16実施例及び第17実施例と異なり、第3電圧電極108cが、第2電圧電極108bの下流側に設けられている。第3電圧電極108cの上端部は、第17実施例の第1電圧電極108aと同様に、上面導体120の中心近傍に始端を有し、第3電圧電極108cの上端部に終端を有する第3プレート112cが設けられている。第3プレート112cの下面と上面導体120の上面は電気的に絶縁されている。
その他の構成は、第16実施例及び第17実施例と同様であるので、説明を省略する。
第1電圧電極108a、第2電圧電極108b、第3電圧電極108cの間隔は、第3実施例で説明したように構成されている。そのため、説明を省略する。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器10Sによれば、第3実施例と同様に、第1プレート112a、第2プレート112b、第3プレート112cの幅を太くして強度を上げることができる。また、第1プレート112a、第2プレート112b、第3プレート112cの間の距離を広くとることができるので、製造を容易にすることができ、基板20Cのプリントパターンについても余裕を持った設計をすることができる。
上記の各実施例に記載した多端子電流検出用抵抗器10,10A,10B,10C,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10N,10P,10Q,10Sによれば、金属抵抗体又は抵抗体層を、当該抵抗体と電気的に絶縁され、電極と等電位の導体で覆ったことにより、当該抵抗体をシールドすることができる。したがって、多端子電流検出用抵抗器の外側に漏れてくる漏れ磁束を略全部無くすことができるので、磁束に比例する自己インダクタンスを小さくすることができる。そして、自己インダクタンスを小さくすることができるので、多端子電流検出用抵抗器に大電流を流したとき、自己インダクタンスによる誘導電圧を小さくすることができる。
また、当該多端子電流検出用抵抗器上に電圧検出端子を設けている。ここで、多端子電流検出用抵抗器の外側に磁束が漏れず、自己インダクタンスが小さいので、該電圧検出端子は磁束の影響を受けない。また、自己インダクタンスによる誘導電圧と逆向きの相互インダクタンスによる誘導電圧を電圧検出端子間に印加して、自己インダクタンスによる誘導電圧を無効化するようにした。自己誘導電圧を無効化することにより、被測定電圧から自己誘導電圧に係る誤差を除くことができ、測定精度の高い多端子電流検出用抵抗器を得ることができる。
さらに、第1実施例或いは第2実施例等に示したように、電流が流される一対の電極と被測定電圧を測定する一対の電圧検出端子とから構成される4端子型の多端子電流検出用抵抗器によれば、電圧検出端子間の距離が、導体と抵抗体とのインダクタンスに係る結合率αによって定まる数式4を満たしていれば、当該電圧検出端子を導体表面の任意の位置に設けることができる。そのため、回路や、プリントパターンに合せて、電圧検出端子の位置を自由に変更することができる。
一方、第3実施例等に示したように、電流が流される一対の電極と、被測定電圧を測定する3本の電圧検出端子とから構成される5端子型の多端子電流検出用抵抗器によれば、各端子の位置と結合率αから定まる抵抗値に、増幅回路の抵抗値を合わせることにより、電圧検出端子間の距離に関わらず、電圧検出端子を配置することができる。そのため、各電圧検出端子間を十分に広く空けることができるので、多端子電流検出用抵抗器を小型化することができる。
上記の本実施例による多端子電流検出用抵抗器によれば、従来のホール素子型電流センサに比べて遥かに小型、低価格の電流センサを提供することができる。
また、時間的に電流が変化している場合の電流値を正確に検出することができる。そのため、従来、被検出電流の立ち上がり部分と立ち下り部分の過渡応答時に数十倍の電圧値の測定誤差が含まれるため、被検出電流の定常応答時にのみ制御を行っていた制御装置も、被検出電流の立ち上がりから遅れることなく制御することができる。したがって、例えば、モータ等をデジタル制御するために利用されている、クロック周波数がGHz単位で高速変化するパルス電流のさらなる高速化を図り、高度な瞬時制御を行うことができる。
ここで、近年、パワーエレクトロニクス分野の応用として、高度なモジュールが作られている。当該モジュールには、ハイブリッド自動車、電気自動車等のドライブユニットや、コンバータ、整流器、インバータ等の半導体素子と併せて、制御回路が組み込まれ、小型軽量化が図られている。
本実施例の多端子電流検出用抵抗器から構成される電流センサは、上記モジュール内の制御回路に実装される。このとき、当該電流センサは、検出部である多端子電流検出用抵抗器がシールドされていることから、インダクタンスによるノイズの影響を防ぐことができる。また、上記のドライブユニット等からの漏れ磁束の影響も防ぐことができる。
したがって、本実施例の多端子電流検出用抵抗器は、高度の制御を可能にし、パワーエレクトロニクス分野の飛躍的発展と大きな技術的貢献をもたらすものである。
第1実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す底面図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す正面図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器の作用を説明する説明図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器の作用を説明する説明図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器の作用を説明する説明図である 第2実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第2実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第3実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第3実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第3実施例に係る電流検出用抵抗きの作用を説明する説明図である。 第4実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第4実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第5実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第5実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第6実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第6実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第7実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第7実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第8実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第8実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第9実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第9実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第10実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第11実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第12実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第13実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第13実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第14実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第14実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第15実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第15実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第16実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第16実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第17実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第17実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。 第18実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第18実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す平面図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C…電流検出用抵抗器、11…金属抵抗体、11a…抵抗本体、
12a…前面電極層、12b…後面電極層、13a…前面絶縁体層、13b…後面絶縁体層、14a…前面導体、14b…後面導体、15a,15b…脚部、16a,16b…係止突片、17a,17b,17c,17d,17e…電圧検出端子、
20,20A…基板、21,61…第1プリントパターン、22,62…第2プリントパターン、23,63…ギャップ、25a,25b…脚部用貫通孔、26a,26b…電圧検出端子用貫通孔、
71a,71b…電圧検出プリントパターン、
40…増幅回路、41a,41b…入力端子、42…OPアンプ、43a,43b…入力抵抗器、44…帰還抵抗器、45…接地抵抗器、46…出力端子、
52a…上面電極層、52b…下面電極層、53a…上面絶縁体層、53b…第1下面絶縁体層、53c…側面絶縁体層、53d…第2下面絶縁体層、54a…上面導体、54b…下面導体、55,80…露出部、56…スペーサー、57a,57b,57c,57d,57e…電圧検出端子、
75…ハンダ、76…ハンダフィレット
101…絶縁体チップ、102…抵抗体層、104a…第1下面電流電極、104b…第1側面電流電極、104c…第1上面電流電極、105a…第2下面電流電極、105b…第2側面電流電極、105c…第2上面電流電極、106…絶縁体層、107…スリット、108a…第1電圧電極、108b…第2電圧電極、108c…第3電圧電極、110a,110b,110c…電圧検出端子、112a…第1プレート、112b…第2プレート、112c…第3プレート、120…上面導体。

Claims (18)

  1. 抵抗体層と、該抵抗体層の一端の表側に積層した表面電極層と、前記抵抗体層の他端の裏側に積層した裏面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記抵抗体層の表側の非表面電極層部分に表面絶縁体層を積層して、該表面絶縁体層と前記表面電極層を表面導体層で覆い、
    該表面導体層に表面電圧検出端子を設け、
    前記抵抗体層の裏側の非裏面電極層部分に裏面絶縁体層を積層して、該裏面絶縁体層と前記裏面電極層を裏面導体層で覆い、
    該裏面導体層に裏面電圧検出端子を設けたことを特徴とする多端子電流検出用抵抗器。
  2. 前記表面電圧検出端子の始端を前記表面導体層の中央部近傍に設け、
    前記裏面電圧検出端子の始端を前記裏面導体層の中央部近傍に設けたことを特徴とする請求項1に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  3. 前記表面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する第1表面電圧検出端子と、下流側に位置する第2表面電圧検出端子とから構成し、
    前記第1表面電圧検出端子と前記第2表面電圧検出端子との間に、前記裏面電圧検出端子を配設したことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  4. 平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の前面側に形成した前面電極層と、前記金属抵抗体の他端の後面側に形成した後面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記金属抵抗体前面の非前面電極層部分に前面絶縁体層を積層して、該前面絶縁体層と前記前面電極層を平板状の前面導体で覆い、
    該前面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される前面側脚部を突出形成し、
    前記前面導体に前面電圧検出端子を設け、
    前記金属抵抗体後面の非後面電極層部分に後面絶縁体層を積層して、該後面絶縁体層と前記後面電極層を平板状の後面導体で覆い、
    該後面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される後面側脚部を突出形成し、
    前記後面導体に後面電圧検出端子を設け、
    前記前面側脚部と後面側脚部との間に、前記前面電圧検出端子と前記後面電圧検出端子を配設したことを特徴とする電流検出用抵抗器。
  5. 前記前面電圧検出端子の始端を前記前面導体の中央部近傍に設け、
    前記後面電圧検出端子の始端を前記後面導体の中央部近傍に設けたことを特徴とする請求項4に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  6. 前記前面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する第1前面電圧検出端子と、下流側に位置する第2前面電圧検出端子とから構成し、
    前記第1前面電圧検出端子と前記第2前面電圧検出端子の間に、前記後面電圧検出端子を配設したことを特徴とする請求項4若しくは請求項5に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  7. 平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、前記上面電極層と前記上面絶縁体層を平板状の上面導体で覆い、
    該上面導体に上面電圧検出端子を設け、
    前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、第1下面絶縁体層を積層して、前記下面電極層と前記第1下面絶縁体層を平板状の下面導体で覆い、
    該下面導体に下面電圧検出端子を設け、
    前記第1下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、平板状の導体からなるスペーサーを配設して、
    前記下面導体と前記スペーサーとの間へ、前記第1下面絶縁体層に連続する側面絶縁体層を形成し、
    前記下面導体の反第1下面絶縁体層側面へ、前記側面絶縁体層に連続する第2下面絶縁体層を形成し、該第2下面絶縁体層と隣り合う位置で前記下面導体の反下面電極層側面に、露出部を設けたことを特徴とする多端子電流検出用抵抗器。
  8. 前記上面電圧検出端子の始端を前記上面導体の中央部近傍に設け、
    前記下面電圧検出端子の始端を前記下面導体の中央部近傍に設けたことを特徴とする請求項7に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  9. 平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、
    前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層し、
    該上面絶縁体層と前記上面電極層を平板状の上面導体で覆い、
    前記金属抵抗体の電流経路に対して、当該上面導体の最上流側の端部近傍に上面電圧検出端子を設け、
    前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、下面絶縁体層を積層し、
    該下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、露出部を設け、
    前記金属抵抗体の電流経路に対して、前記上面電圧検出端子よりも下流側に、前記下面電極層と前記下面絶縁体層の境界付近の前記金属抵抗体側面に下面電圧検出端子を突出形成したことを特徴とする電流検出用抵抗器。
  10. 前記上面電圧検出端子の始端を、前記上面導体の反下面電極層側面で、電流経路に対して直角な前記上面導体の幅方向の中間部近傍に設け、
    前記下面電圧検出端子の始端を、前記下面電極層と前記下面絶縁体層の境界付近で、電流経路に対して直角な前記金属抵抗体の幅方向の中間部近傍に設けたことを特徴とする請求項9に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  11. 前記上面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する第1上面電圧検出端子と、下流側に位置する第2上面電圧検出端子とから構成し、
    前記第1上面電圧検出端子と前記第2上面電圧検出端子との間に、前記下面電圧検出端子を配設したことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の多端子電流検出用抵抗器。
  12. 平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体上面の一端に形成した第1上面電極層と、前記金属抵抗体上面の他端に形成した第2上面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記第1上面電極層と前記第2上面電極層との間の領域に第1上面絶縁体層を積層して、前記第1上面電極層と前記第1上面絶縁体層を平板状の第1上面導体で覆い、
    該第1上面導体に第1上面電圧検出端子を設け、
    前記第1上面導体の第2上面電極層側に、前記第1上面絶縁体層に連続して側面絶縁体層を形成し、
    前記第1上面導体の上面側面に、前記側面絶縁体層に連続して第2上面絶縁体層を積層して、該第2上面絶縁体層を平板状の第2上面導体で覆い、
    該第2上面導体に第2上面電圧検出端子を設け、
    前記第2上面導体の他端下面側に平板状の導体からなるスペーサーを配設して、前記第2上面導体と前記第2上面電極層とを接続したことを特徴とする多端子電流検出用抵抗器。
  13. 前記第1上面電圧検出端子の始端を前記第1上面導体の中央部近傍に設け、
    前記第2上面電圧検出端子の始端を前記第2上面導体の中央部近傍に設けたことを特徴とする請求項12に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  14. 前記第2上面電圧検出端子を、電流経路に沿って上流側に位置する上流側第2上面電圧検出端子と、下流側に位置する下流側第2上面電圧検出端子とから構成し、
    前記上流側第2上面電圧検出端子と前記下流側第2上面電圧検出端子の間に、前記第1上面電圧検出端子を配設したことを特徴とする請求項12若しくは請求項13に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  15. 平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、
    該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電流電極及び第2下面電流電極とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記絶縁体チップの電流経路に沿った長さ方向の一側面を所定形状に切り欠いて、一対の電圧電極を設け、
    前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、
    前記第1下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電流電極を形成し、
    該第1側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上側面の略全面を覆う第1上面電流電極を形成し、該第1上面電流電極を平板状の上面導体で覆い、
    前記電圧電極のうち、電流経路に沿って上流側に位置する第1電圧電極の上端部を前記第1上面電流電極の側面に当接させると共に、該第1電圧電極の下端部に、第1電圧検出端子を形成し、
    前記第2下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電流電極を形成し、
    該第2側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部を覆うと共に、前記第1上面電流電極とスリットを挟んで対向する第2上面電流電極を形成し、
    前記電圧電極のうち、下流側に位置する第2電圧電極を前記第2下面電流電極と前記抵抗体層との境界近傍に当接させる共に、該第2電圧電極の下端部に、第2電圧検出端子を形成したことを特徴とする多端子電流検出用抵抗器。
  16. 平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、
    該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電流電極及び第2下面電流電極とからなる電流検出用抵抗器であって、
    電流経路に沿った長さ方向の前記絶縁体チップの一側面中間を所定形状に切り欠いて、一対の電圧電極を設け、
    前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、
    前記第1下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電流電極を形成し、
    該第1側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上面の略全面を覆う第1上面電流電極を形成し、該第1上面電流電極を平板状の上面導体で覆い、
    前記電圧電極のうち、電流経路に沿って上流側に位置する第1電圧電極の上端部を前記第1上面電流電極の側面に当接させると共に、該第1電圧電極の下端部に第1電圧検出端子を形成し、
    前記第2下面電流電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電流電極を形成し、
    該第2側面電流電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部から上面の略全面を覆うと共に、前記第1上面電流電極の下面側に上面絶縁体層を挟んで配される第2上面電流電極を形成し、
    前記電圧電極のうち、下流側に位置する第2電圧電極を前記第2下面電流電極の側面に当接させると共に、該第2電圧電極の下端部に第2電圧検出端子を形成したことを特徴とする多端子電流検出用抵抗器。
  17. 電流経路に沿って前記第2電圧電極よりも下流側に前記絶縁体チップの側面を所定形状に切り欠いて形成した第3電圧電極を設け、
    該第3電圧電極の上端部を前記第1上面電流電極に当接させると共に、該第3電圧電極の下端部に第3電圧検出端子を形成したことを特徴とする請求項15若しくは請求項16に記載の多端子電流検出用抵抗器。
  18. 前記電圧検出端子或いは前記電圧検出補助端子からなる電圧検出経路は、前記抵抗体層或いは前記金属抵抗体からなる電流経路に対して直角を成していることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の多端子電流検出用抵抗器。
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