JP2010112715A - 電流検出用抵抗器と電流検出用抵抗器の実装構造 - Google Patents

電流検出用抵抗器と電流検出用抵抗器の実装構造 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗体の自己インダクタンスを小さくした電流検出用抵抗器を提供し、さらに、当該電流検出用抵抗器を電流検出回路が形成された基板上へ実装したとき、高速スイッチング電流に対する被測定電圧の測定精度を高めた電流検出用抵抗器の実装構造を提供する。
【解決手段】電流検出用抵抗器10は、平板状の金属抵抗体11を有している。該金属抵抗体の前面側面には、前面電極層12aと前面絶縁体層13aが積層され、さらに、該前面電極層及び該前面絶縁体層は前面導体14aで覆われている。また該金属抵抗体の後面側面には、後面電極層12bと後面絶縁体層13bが積層され、さらに、該後面電極層及び該後面絶縁体層は後面導体14aで覆われている。金属抵抗体11は、前面導体14aと後面導体14bでシールドされているので、インダクタンスを小さくすることができ、測定精度を高くすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流検出用抵抗器と、電流検出回路を設けた基板上へ当該電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造に関する。
近年、パワーエレクトロニクス分野の発展に伴い、例えば、モータ等は、クロック周波数がGHz単位で高速変化するパルス電流を用いてデジタル制御されている。当該パルス電流からなる制御電流は、電流センサで検出され、該電流センサは制御電流を瞬時に検出することが求められている。
当該電流センサの電流検出部には安価なうえに応答速度を速くすることができる電流検出用抵抗器が広く用いられている。該電流検出用抵抗器は、電力損失を抑えるために数ミリΩ乃至数十ミリΩの低抵抗値を有する抵抗体を備えている。該抵抗体に検出電流を流したときの該抵抗体の電圧降下を測定することにより、電流値を求めることができる。
しかしながら、当該抵抗体に検出電流を流したときの被測定電圧には、抵抗体自身の電圧に加えて、該検出電流の時間的変化と抵抗体のインダクタンスとから生じる電圧が含まれてしまう。
そのため、当該被測定電圧を波形表示した場合、当該被検出電流の定常応答時に対し、被検出電流の立ち上がり部分と立ち下り部分の過渡応答時に数十倍の電圧値の測定誤差が含まれることが知られている。
当該過渡応答時における測定誤差は、従来、フィルター等で除去していた。当該測定誤差は、抵抗体のインダクタンスによる誘導電圧であるので、被検出電流を単位時間内に大きく変化させたとき、より大きく現れる。したがって、上記の高速変化するパルス電流においては、測定対象の抵抗体電圧に大きな誤差が含まれていることになる。
特開2002−372550号公報に開示されている電流検出用抵抗器は、抵抗体と電気的に絶縁され、該抵抗体の面に接する電圧検出端子の被測定電流電極からの引出線を、前記抵抗体の被測定電流経路に沿って延長して形成されている。これにより、スイッチング電源回路の電流検出回路のように高い周波数成分まで含有する大電流を検出する場合に、その電流検出精度を向上させている。
特開2002−372550号公報
上記の電流検出用抵抗器の場合、抵抗体の自己インダクタンスによる誘導電圧を、該抵抗体と引出線との間の相互インダクタンスによる誘導電圧で打ち消すことができる。
しかし、該抵抗体に大電流を流したとき、自己インダクタンスを定数として該大電流に比例する磁界が、該抵抗体を中心に発生する。そのため、発生した誘導電圧を打ち消したとしても、インダクタンスが大きいままでは、大電流を抵抗体に流したときに発生する磁界が広くなるので、周辺の回路に影響を及ぼすおそれがある。
また、上記のように高速に変化する電流に対して、抵抗体自身の形状によるインダクタンスを小さくすることができれば、誘導電圧も小さくなるので、当然に測定誤差を小さくすることができる。
したがって、上記の課題を解決しようとする本発明は、抵抗体の自己インダクタンスを小さくした電流検出用抵抗器を提供し、さらに、当該電流検出用抵抗器を電流検出回路が形成された基板上へ実装したとき、高速スイッチング電流に対する被測定電圧の測定精度を高めた電流検出用抵抗器の実装構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の電流検出用抵抗器は、抵抗体層と、該抵抗体層の一端の表側に積層した表面電極層と、前記抵抗体層の他端の裏側に積層した裏面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記抵抗体層の表側の非表面電極層部分に表面絶縁体層を積層して、該表面絶縁体層と前記表面電極層を表面導体層で覆い、前記抵抗体層の裏側の非裏面電極層部分に裏面絶縁体層を積層して、該裏面絶縁体層と前記裏面電極層を裏面導体層で覆ったことを特徴とする。
請求項2に記載の電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の前面側に形成した前面電極層と、前記金属抵抗体の他端の後面側に形成した後面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記金属抵抗体前面の非前面電極層部分に前面絶縁体層を積層して、該前面絶縁体層と前記前面電極層を平板状の前面導体で覆い、該前面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成し、前記金属抵抗体後面の非後面電極層部分に後面絶縁体層を積層して、該後面絶縁体層と前記後面電極層を平板状の後面導体で覆い、該後面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成したことを特徴とする。
請求項3に記載の電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、前記上面電極層と前記上面絶縁体層を平板状の上面導体で覆い、前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、第1下面絶縁体層を積層して、前記下面電極層と前記第1下面絶縁体層を平板状の下面導体で覆い、該第1下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、平板状の導体からなるスペーサーを配設して、前記下面導体と前記スペーサーとの間へ、前記第1下面絶縁体層に連続する側面絶縁体層を形成し、前記下面導体の反第1下面絶縁体層側面へ、前記側面絶縁体層に連続する第2下面絶縁体層を形成し、該第2下面絶縁体層と隣り合う位置で前記下面導体の反下面電極層側面に、露出部を設けたことを特徴とする。
請求項4に記載の電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、該上面絶縁体層と前記上面電極層を平板状の上面導体で覆い、前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、下面絶縁体層を積層して、該下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、露出部を設けたことを特徴とする。
請求項5に記載の電流検出用抵抗器は、平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電極及び第2下面電極とからなる電流検出用抵抗器であって、
前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、前記第1下面電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電極を形成し、該第1側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上側面の略全面を覆う第1上面電極を形成して、該第1上面電極を平板状の上面導体で覆い、前記第2下面電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電極を形成し、該第2側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部を覆うと共に、前記第1上面電極とスリットを挟んで対向する第2上面電極を形成したことを特徴とする。
請求項6に記載の電流検出用抵抗器の実装構造は、電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
前記電流検出用抵抗器は、抵抗体層と、該抵抗体層の一端の表側に積層した表面電極層と、前記抵抗体層の他端の裏側に積層した裏面電極層とを備えると共に、前記抵抗体層の表側の非表面電極層部分に表面絶縁体層を積層して、該表面絶縁体層と前記表面電極層を表面導体層で覆い、前記抵抗体層の裏側の非裏面電極層部分に裏面絶縁体層を積層して、該裏面絶縁体層と前記裏面電極層を裏面導体層で覆った構成を有し、前記基板上に、前記表面導体層を介して、前記表面電極と電気的に接続される第1プリントパターンを形成し、前記基板上に、前記裏面導体層を介して、前記裏面電極と電気的に接続される第2プリントパターンを形成し、前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成し、前記基板上へ実装した前記電流検出用抵抗器の前記抵抗体層の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置したことを特徴とする。
請求項7に記載の電流検出用抵抗器の実装構造は、電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
前記電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の前面側に形成した前面電極層と、前記金属抵抗体の他端の後面側に形成した後面電極層とを備えると共に、前記金属抵抗体前面の非前面電極層部分に前面絶縁体層を積層して、該前面絶縁体層と前記前面電極層を平板状の前面導体で覆い、該前面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成し、前記金属抵抗体後面の非後面電極層部分に後面絶縁体層を積層して、該後面絶縁体層と前記後面電極層を平板状の後面導体で覆い、該後面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成した構成を有し、
前記基板上に、前記前面導体に形成した前記脚部が挿通される貫通孔を備え、前記前面電極と電気的に接続される第1プリントパターンを形成し、前記基板上に、前記後面導体に形成した前記脚部が挿通される貫通孔を備え、前記後面電極と電気的に接続される第2プリントパターンを形成し、前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成し、一対の前記脚部を第1プリントパターンの貫通孔と第2プリントパターンの貫通孔にそれぞれ挿通して、前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ立設し、前記金属抵抗体の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置したことを特徴とする。
請求項8に記載の電流検出用抵抗器の実装構造は、電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
前記電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とを備えると共に、前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、前記上面電極層と前記上面絶縁体層を平板状の上面導体で覆い、前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、第1下面絶縁体層を積層して、前記下面電極層と前記第1下面絶縁体層を平板状の下面導体で覆い、該第1下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、平板状の導体からなるスペーサーを配設して、前記下面導体と前記スペーサーとの間へ、前記第1下面絶縁体層に連続する側面絶縁体層を形成し、前記下面導体の反第1下面絶縁体層側面へ、前記側面絶縁体層に連続する第2下面絶縁体層を形成し、該第2下面絶縁体層と隣り合う位置で前記下面導体の反下面電極層側面に、露出部を設けた構成を有し、
前記基板上に、前記露出部に当接し、前記下面電極層と電気的に接続される第1プリントパターンを形成し、前記基板上に、前記スペーサーと当接し、前記上面電極層と電気的に接続される第2プリントパターンを形成し、前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成して、前記露出部と前記第1プリントパターンをハンダで接続すると共に、前記スペーサー、前記金属抵抗体一端側及び前記上面電極層と前記第2プリントパターンをハンダで接続して、前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ面実装し、前記金属抵抗体の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置したことを特徴とする。
請求項9に記載の電流検出用抵抗器の実装構造は、電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
前記電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とを備えると共に、前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、該上面絶縁体層と前記上面電極層を平板状の上面導体で覆い、前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、下面絶縁体層を積層して、該下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、露出部を設けた構成を有し、
前記基板上に、前記下面電極層に当接し、前記下面電極層と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第1プリントパターンを形成し、前記基板上に、前記露出部に当接すると共に前記上面導体を介して、前記上面電極と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第2プリントパターンを形成し、前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成して、前記下面電極層をハンダで前記第1プリントパターンに接続し、前記露出部、前記金属抵抗体一端側及び前記上面電極層をハンダで前記第2プリントパターンに接続して、前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ面実装したとき、前記金属抵抗体の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置し、前記第1プリントパターンと前記第2プリントパターンが、前記下面絶縁体層の略全面を覆ったことを特徴とする。
請求項10に記載の電流検出用抵抗器の実装構造は、電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
前記電流検出用抵抗器は、平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電極及び第2下面電極とを備えると共に、前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、前記第1下面電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電極を形成し、該第1側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上側面の略全面を覆う第1上面電極を形成して、該第1上面電極を平板状の上面導体で覆い、前記第2下面電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電極を形成し、該第2側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部を覆うと共に、前記第1上面電極とスリットを挟んで対向する第2上面電極を形成した構成を有し、
前記基板上に、前記第1下面電極と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第1プリントパターンを形成し、前記基板上に、前記第2下面電極と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第2プリントパターンを形成し、前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成して、前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ面実装したとき、前記絶縁体層の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置し、前記第1プリントパターンと前記第2プリントパターンが、前記絶縁体層の略全面を覆ったことを特徴とする。
請求項1に記載の電流検出用抵抗器によれば、該電流検出用抵抗器の抵抗体層は、表裏両面に絶縁体層が積層され、さらに表面導体層と裏面導体層で覆われている。
ここで、抵抗体層に電流を流すと該抵抗体層の周囲に磁界が発生する。また、インダクタンスは該抵抗体層の形状と周囲の磁束から決定される。このとき、表裏面の各電極層から電荷が与えられた表裏面の各導体層には渦電流が生じている。該渦電流によって磁束が導体層を通り抜けることが遮られるので、表裏面の各導体層は抵抗体層をシールドすることができる。そのため、磁束が導体層の外側に漏れないので、電流検出用抵抗器の周囲に磁界が発生しない。
したがって、抵抗体層を貫く磁束が少なくなるので、該抵抗体層の周囲の磁束は減少し、該抵抗体層のインダクタンスを小さくすることができる。
さらに、薄膜状の絶縁体層を抵抗体層に積層することによって、抵抗体層と導体層とを接近させることができる。これにより、抵抗体層の周囲に発生する磁界の発生源により接近してシールドすることができるので、インダクタンスをより小さくすることができる。
一方、プリント基板上に形成された他の回路や、該プリント基板に実装された他のデバイスで発生した電界や磁界に対し、電流検出用抵抗器の抵抗体層はシールドされているので、該電磁界から受ける影響を小さくすることができる。
請求項2に記載の電流検出用抵抗器によれば、該電流検出用抵抗器の下端に、基板に設けた貫通孔に挿通する脚部を突出形成したので、該電流検出用抵抗器を立設保持することができる。
また、該電流検出用抵抗器は、取り付けるプリントパターンを細くすることができるので、基板上に設けた一の回路と他の回路の隙間等に配置することができる。そのため、回路を省スペース化することができる。
さらに、立設することにより、電流検出用抵抗器の両面を空気が流れやすい。そのため、電流検出用抵抗器の放熱性を高くすることができる。
請求項3に記載の電流検出用抵抗器によれば、該電流検出用抵抗器の下面導体の露出部と、導体からなるスペーサーの下面側を、基板に形成したプリントパターンに面接続させることにより、電流検出用抵抗器を基板へ面実装することができる。面実装することにより、電流検出用抵抗器には面電流が流れるので、大電流を流し易くすることができる。
また、基板のプリントパターンと電流検出用抵抗器の接触面が広いので、金属抵抗体に発生した熱を可及的に基板へ逃がすことができる。
請求項4に記載の電流検出用抵抗器によれば、該電流検出用抵抗器は基板上へ実装して初めて、上面導体と金属抵抗体の下面側に展開するプリントパターンによって抵抗体層が覆われるので、上記のようなインダクタンスを小さくする効果を得ることができる。
しかし、上記に記載した下面導体を省くことができることから、電流検出用抵抗器の製造工程の一部を省略することができ、また製造コストを抑えることができる。
請求項5に記載の電流検出用抵抗器によれば、該電流検出用抵抗器も、請求項4に記載の電流検出用抵抗器の効果と同様に、基板上へ実装して初めて、インダクタンスを小さくする効果を得ることができる。
ここで、電流検出用抵抗器は、絶縁体チップの下面側の中央部分に積層した抵抗体層を備えたチップ抵抗器から構成されている。そのため、平板状の金属抵抗体を用いた上記の電流検出用抵抗器と比べて、製造コストを抑えることができる。
また、抵抗体層をトリミングすることにより、抵抗値を正確に調整することができる。
さらに、絶縁体チップを薄く形成すれば、上面導体を抵抗体層により接近させることができるので、インダクタンスをより小さくすることができる。
さらに、絶縁体チップを耐熱性のセラミックから形成すれば、温度によって抵抗値が変化し難い電流検出用抵抗器を得ることができる。
請求項6に記載の電流検出用抵抗器の実装構造によれば、請求項1に記載した電流検出用抵抗器を電流検出用回路が形成された基板に実装したとき、抵抗体層に発生したインダクタンスの影響を受け難い位置に、電圧検出用のプリントパターンを設けた。
基板に実装した抵抗体層はシールドされているので、基板上の当該位置である抵抗体層中間の下方は、抵抗体層に生じたインダクタンスの影響を受け難い。また、他の回路やデバイスからも離れているので、他の回路等の影響も受け難い。そのため、当該箇所に電圧検出用プリントパターンの始端を形成し、さらに、検出電流の流れる方向に対して直角に該電圧検出プリントパターンを形成したことにより、測定電圧の誤差を小さくすることができる。
請求項7に記載の電流検出用抵抗器の実装構造によれば、請求項2に記載した電流検出用抵抗器を電流検出回路が形成された基板に実装するとき、当該電流検出用抵抗器の脚部を基板に設けた貫通孔に挿通して、当該電流検出用抵抗器を立設させることができる。
ここで、当該電流検出用抵抗器は、平板状に形成されており、貫通孔を有するプリントパターンに沿って立設されるので、該プリントパターンを細くすることができる。そのため、電流検出用回路が設けられる基板上の省スペース化を図ることができる。
請求項8に記載の電流検出用抵抗器の実装構造によれば、請求項3に記載した電流検出用抵抗器を電流検出回路が形成された基板に実装するとき、当該電流検出用抵抗器の下面導体の下面側面に形成した露出部と、スペーサーの下面側面を基板のプリントパターンにハンダ付けして面実装することができる。ここで、電流検出用抵抗器とプリントパターンとは面接触するので、金属抵抗体に発生した熱を可及的に基板へ放熱することができる。
また、電流検出用抵抗器に流される被検出電流は、金属抵抗体の平板状に形成した中央部では時間的変化が縁部よりも小さいことから、該金属抵抗体の中央部は、インダクタンスが小さい。したがって、当該中央部の下方に電圧検出プリントパターンの始端を設け、さらに、検出電流の流れる方向に対して直角に電圧検出プリントパターンを形成することにより、該電圧検出プリントパターンの終端で測定精度の高い被測定電圧を得ることができる。
請求項9に記載の電流検出用抵抗器の実装構造によれば、請求項4に記載した電流検出用抵抗器を電流検出回路が形成された基板に実装するとき、当該電流検出用抵抗器を基板のプリントパターンに面実装することができる。該電流検出用抵抗器もプリントパターンと面接触するので、金属抵抗体に発生した熱を可及的に基板へ放熱することができる。
また、該電流検出用抵抗器は基板に実装したとき、金属抵抗体の下面側面が絶縁体層を介して、第1プリントパターンと第2プリントパターンに覆われる。すなわち、該電流検出用抵抗器は基板に実装されて初めて、金属抵抗体が上下両面を導体で覆われることになる。これにより金属抵抗体は、上面導体と下面側面の第1、第2プリントパターンによってシールドされるので、電流検出用抵抗器のインダクタンスを小さくすることができる。
請求項10に記載の電流検出用抵抗器の実装構造によれば、請求項5に記載した電流検出用抵抗器を電流検出回路が形成された基板に実装するとき、当該電流検出用抵抗器を基板のプリントパターンに面実装することができる。該電流検出用抵抗器もまたプリントパターンと面接触するので、抵抗体層に発生した熱を可及的に基板へ放熱することができる。
また、該電流検出用抵抗器は基板に実装したとき、平板状の絶縁体チップの下面側の中央部分に形成した抵抗体層が、第1プリントパターンと第2プリントパターンに覆われる。すなわち、該電流検出用抵抗器は基板に実装されて初めて、抵抗体層の下面側が導体で覆われることになる。これにより絶縁体チップの上面側が上面導体で覆われ、抵抗体層が下面側の第1、第2プリントパターンによって覆われるので、電流検出用抵抗器は、シールドされることとなる。そのため、電流検出用抵抗器のインダクタンスを小さくすることができる。
本発明の電流検出用抵抗器と、該電流検出用抵抗器の実装構造の実施例を、添付した図面にしたがって説明する。図1に電流検出用抵抗器10の概略構成の底面図を示し、図2に電流検出用抵抗器10の概略構成の正面図を示す。
電流検出用抵抗器10は、平板状の金属抵抗体11を中心にして、金属抵抗体11の前面側面に、前面電極層12aと前面絶縁体層13aが積層され、さらに前面電極層12aと前面絶縁体層13aを平板状の前面導体14aが覆っている。そして、金属抵抗体11の後面側面に、後面電極層12bと後面絶縁体層13bが積層され、該後面電極層12bと後面絶縁体層13bを平板状の後面導体14bが覆っている。
金属抵抗体11は、銅ニッケル系の合金若しくはマンガニンやニクロム等の金属抵抗体から形成されている。金属抵抗体11は、数mΩ乃至数十mΩの低抵抗値を有している。
また平板状に形成された金属抵抗体11は、電流経路に対して直角な横断面の断面積が広いので、被検出電流を流し易くすることができる。これにより、大電流を流した際に金属抵抗体11に発生するジュール熱は大きくなるが、金属抵抗体11の表面積を広く形成したので、積層された絶縁体層12a,12b、及び電極層13a,13bを介して金属抵抗体11から放熱させることができる。
前面電極層12aは、金属抵抗体11の一端の前面側に積層されている。後面電極層12bは、該金属抵抗体11の他端の後面側に積層されている。
該前後両面電極層12a,12bは、融点を高くした高温ハンダ、又は銅又はアルミニウム等の金属、若しくは銅又はアルミニウム等の金属に微量の添加元素を加えた合金からなる。該前後両面電極層12a,12bは、金属抵抗体11に溶融接着、又は厚膜印刷若しくは蒸着等されて形成されている。
金属抵抗体11の前後両面に形成した前後両面電極層12a,12bによって、金属抵抗体11の抵抗本体11aは、図2の点線による斜線で示した部分に形成されている。
前面絶縁体層13aは、金属抵抗体11の非前面電極層12a部分に形成されている。後面絶縁体層13bは、金属抵抗体11の非後面電極層12b部分に形成されている。
該前後両面絶縁体層13a,13bは、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、又はシリコン系等の接着剤からなり、耐熱性及び熱伝導性を備えている。或いはセラミック製の板材の両面にこれ等の耐熱接着剤を塗布して絶縁体層を形成しても良い。
前後両面絶縁体層13a,13bの熱伝導性が高いので、上記の金属抵抗体11に発生したジュール熱を前後両面導体14a,14bに伝導させ易くすることができる。そのため、金属抵抗体11の抵抗値を変化し難くすることができる。
前面導体14aは、金属抵抗体11に積層された前面電極層12aと前面絶縁体層13aを覆っている。前面導体14aの下端には脚部15aが下方へ突出形成されている。
後面導体14bは、金属抵抗体11の後面側に積層された後面電極層12bと後面絶縁体層13bを覆っている。後面導体14bの下端にも脚部15bが下方へ突出形成されている。
前後両面導体14a,14bは、平板状に形成した銅からなり、0.1mm乃至0.5mm厚に形成されている。
さらに、前後両面導体14a,14bの表面に銀メッキ、或いは金メッキを施しても良い。金又は銀は導電率が低いことから、後述するように、導体14a,14bに銀メッキ等を施すことによって該導体14a,14b表面に渦電流を発生し易くすることができる。そのため、電流検出用抵抗器10のインダクタンスを低くすることが出来る。
また、前後両面導体14a,14bは、金属抵抗体11の実質的抵抗部分11aよりも一回り大きく形成されている。これにより、金属抵抗体11に電流を流したときに、該金属抵抗体11の実質的抵抗部分11aの側面から発生する磁束の漏れを少なくすることができる。そのため、電流検出用抵抗器10の自己インダクタンスを小さくすることができる。
脚部15a,15bは、基板20に形成した貫通孔25a,25bに挿通され、電流検出用抵抗器10を立設保持することができる。基板20、及び貫通孔25a,25bについては後述する。
また、脚部15aの基部には、係止突片16aが形成され、脚部15bの基部には、係止突片16bが形成されている。係止突片16a,16bは脚部15a,15bを貫通孔に挿通したとき、基板上のプリントパターンに前後両面導体14a,14bの下端側面が接しないように、電流検出用抵抗器10を所定の高さで保持することができる。
ここで、上記構成を有する電流検出用抵抗器10の自己インダクタンスは、以下のように小さくなる。本実施例及び後述する他の実施例に記載される電流検出用抵抗器の絶縁体層を省略した図を図3及び図4に示し、以下当該図面にしたがって説明する。
図3に示すように、抵抗体層Rの一端の表面に表面電極層P1が積層され、該抵抗体層Rの他端の裏面に裏面電極層P2が積層されている。
そして、平板状の表面導体E1が、表面電極層P1と抵抗体層Rを覆っている。また、平板状の裏面導体E2が、該裏面電極層P2と抵抗体層Rを覆っている。
さらに、平板状の表面導体E1は表面電極層P1と電気的に接続され、平板状の裏面導体E2は、裏面電極層P2と電気的に接続されている。
ここで、抵抗体層Rと表面導体E1は、隙間g1で絶縁され、抵抗体層Rと裏面導体E2は隙間g2で絶縁されている。
なお、抵抗体層Rの抵抗値をrとし、自己インダクタンスをLとする。
抵抗体層Rに電流Iを矢印の方向に流すと、紙面奥から手前方向に向かって該抵抗体層Rの周囲に磁束Φが生じる。この磁束Φは自己インダクタンスLを定数として電流Iに比例する関係を有している。そして、電流Iが時間tの間に変化したとき、抵抗層Rは自己誘導される。このとき、起電力Veが、電流Iの変化を妨げるように発生すると以下の数式1のように示される。
ここで、抵抗層Rの自己インダクタンスLは、抵抗体層Rの形状と周りの磁束から決定され、透磁率をμとして、抵抗体層Rの電流経路に対して直角な断面の幅をW、厚さをtとし、抵抗体層R上の電流経路の長さをlとすると、Wがtに対して十分に大きい場合には自己インダクタンスLは長さlに比例し、断面の幅Wに反比例する。
Figure 2010112715
ここで、図3に示したように、抵抗体層Rは、抵抗値rと、インダクタンスLを有している。抵抗体層Rに流れた瞬時電流Iを微視的に見ると、起電力Veの誤差を排除した抵抗体層Rの電位差Vは、以下の数式2のように表される。
Figure 2010112715
一方、平板状の抵抗体層Rの周囲には図4(a)に示す矢印の向きに磁束が生じている。図4において、電流Iは、紙面奥から手前に向かって流れているものとする。
ここで、磁界内に導体E1,E2を配すると、磁束が導体E1,E2上で渦電流を発生させる。発生した当該渦電流は、抵抗体層Rを中心として発生していた磁束Φのうち、導体E1,E2よりも外側の磁束Φを遮断することができる。
そのため、図4(b)に示すように、抵抗体層Rは、表裏面の導体E1,E2によってシールドされるので、抵抗体層Rに鎖交する磁束Φは少なくなる。したがって、抵抗体層Rに流れる電流が同一であれば、磁束Φに比例する抵抗体層Rの自己インダクタンスLも小さくなる。そのため、数式1に示した抵抗体層Rの両端の電位差Vに対し、抵抗体層Rのインダクタンスによる起電力Veの誤差を小さくすることができる。
また、抵抗体層Rと表裏両面導体E1,E2との隙間g1,g2を狭くすることにより、導体E1,E2は、より磁界の発生源に近接させることができるので、抵抗体層Rの周囲に発生する磁界をより小さくすることができる。
以上の構成を備え、インダクタンスを小さくした電流検出用抵抗器10は、電流検出用回路が形成された基板20に実装される。本実施例に係る電流検出用抵抗器10を実装した基板20の平面側から見た概略の構成を図5に示す。ここで基板20を構成する絶縁体の図示は省略し、基板20上に形成されたプリントパターンは2点鎖線で示す。
基板20には、銅等の導体からなる第1プリントパターン21及び第2プリントパターン22がギャップ23を挟んで印刷形成されている。第1プリントパターン21の所定の位置には、電流検出用抵抗器10の脚部15aが挿通される貫通孔25aが形成されている。そして対向する第2プリントパターン22の所定の位置にも、電流検出用抵抗器10の脚部15bが挿通される貫通孔25bが形成されている。
第1プリントパターン21とギャップ23との境界部分には、電圧検出プリントパターン30aが形成されている。同様に、第2プリントパターン22とギャップ23との境界部分にも、対向する電圧検出プリントパターン30bが形成されている。
電圧検出プリントパターン30aと第1プリントパターン21との間には、スリット31aが形成されている。スリット31aは、第1プリントパターン21の幅方向に沿って中心付近まで形成されている。
また、電圧検出パターン30bと第2プリントパターン22との間にも、スリット31bが形成されている。スリット31bも、第2プリントパターン22の幅方向に沿った中心付近まで形成されている。
これにより、電圧検出プリントパターン30a,30bの始端は、第1プリントパターン21及び第2プリントパターン22の幅方向に沿った中心付近に配されている。そして、電圧検出プリントパターン30a,30bは、互いに平行を成し、同一方向に向かって引き出されている。
電圧検出プリントパターン30aの終端32aには、増幅回路40の入力端子41aが接続され、電圧検出プリントパターン30bの終端32bには、増幅回路40の入力端子41bが接続されている。
電流検出用抵抗器10の脚部15a,15bをそれぞれ貫通孔25a,25bに挿通して、電流検出用抵抗器10を立設させた場合、電流検出用抵抗器10の下方に、電圧検出プリントパターン30a,30bの始端が位置する。そのため、電圧検出プリントパターン30a,30bによって、金属抵抗体11の中心近傍の真下から測定電圧が引き出される。ここで、当該金属抵抗体11の真下付近は、先に図3及び図4に基づいて説明したように、磁束の漏れが少ない。したがって、電圧検出プリントパターン30a,30bに影響を及ぼすインダクタンスを小さくすることができ、測定精度を高くすることができる。
また、電圧検出プリントパターン30a,30bは、図5に示した矢印の方向に沿って流れる電流Iに対して直角に引き出されている。そのため、電圧検出プリントパターン30a,30bに誘導電圧は発生しない。
電圧検出プリントパターン30a,30bの終端32a,32bに入力端子41a,41bが接続されている増幅回路40は、基板20上に形成されている。該増幅回路40の回路図を図5に示す。
増幅回路40は、OPアンプ42と、入力抵抗器43a,43bと、反転入力端子41aに帰還する帰還抵抗器44と、非反転入力端子41bに接続される接地抵抗器45と、出力端子46とから構成されている差動増幅回路である。
ここで、入力抵抗器43a,43bは等価の抵抗値R1を有し、また帰還抵抗器44と接地抵抗器45は等価の抵抗値R2を有する。
入力端子41aの端子電圧をVa、入力端子41bの端子電圧をVbとし、出力端子46における出力電圧をVとすると、該出力電圧Vは、以下の数式3のように表される。
Figure 2010112715
上記のように電流検出用抵抗器10を基板20に実装した場合、該電流検出用抵抗器に図5に示した矢印の向きに沿って被検出電流Iが流されたとき、金属抵抗体11の両端に電位差V(=−(Va−Vb))が生じる。この測定された電位差Vを所定の倍率で増幅することにより、出力電圧Vを得ることができる。したがって、電流検出用抵抗器10を用いて電流センサが構成される。
電流検出用抵抗器10のインダクタンスは小さくすることができるので、高速変化するパルス電流を検出したとき、当該電流センサの測定精度を高くすることができる。
本発明の電流検出用抵抗器と、該電流検出用抵抗器の実装構造の第2実施例を、添付した図面にしたがって説明する。図6は電流検出用抵抗器10Aを基板20Aに面実装したときの概略構成を示す側面図であって、図7は電流検出用抵抗器10Aを基板20Aに面実装したときの概略構成を示す平面図である。
電流検出用抵抗器10Aは、平板状の金属抵抗体11を中心にして、金属抵抗体11の上面側面に、上面電極層52aと上面絶縁体層53aが積層され、さらに上面電極層52aと上面絶縁体層53aを平板状の上面導体54aが覆っている。そして、金属抵抗体11の下面側面に、下面電極層52bと第1下面絶縁体層53bが積層され、該下面電極層52bと第1下面絶縁体層53bを平板状の下面導体54bが覆っている。
金属抵抗体11は、第1実施例と同様であるから説明を省略する。
上面電極層52aは、金属抵抗体11の一端の上面側に積層されている。下面電極層52bは、該金属抵抗体11の他端の下面側に積層されている。
該上下両面電極層52a,52bは、融点を高くした高温ハンダ、又は銅又はアルミニウム等の金属、若しくは銅又はアルミニウム等の金属に微量の添加元素を加えた合金からなる。該上下両面電極層52a,52bは、金属抵抗体11に溶融接着または厚膜印刷若しくは蒸着等されて形成されている。
金属抵抗体11の上下両面に形成した上下両面電極層12a,12bによって、金属抵抗体11の抵抗本体11aは、図7の点線による斜線で示した部分に形成されている。
上面絶縁体層53aは、金属抵抗体11の非上面電極層52a部分に形成されている。下面絶縁体層53bは、金属抵抗体11の非下面電極層52b部分に形成されている。
該上下両面絶縁体層53a,53bは、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、又はシリコン系等の接着剤からなり、耐熱性及び熱伝導性を備えている。また、セラミック製の板材の両面にこれ等の耐熱性接着剤を塗布して絶縁体層を形成しても良い。
上下両面絶縁体層53a,53bの熱伝導性が高いので、上記の金属抵抗体11に発生したジュール熱を上下両面導体54a,54bに伝導させ易くすることができる。そのため、金属抵抗体11の抵抗値を変化し難くすることができる。
そして、第1下面絶縁体層53bに連続して、下面電極層52bの反対側に、側面絶縁体層53cが形成されている。
該側面絶縁体層53cに連続して、下面導体54bの下面側に、第2下面絶縁体層53bが形成されている。下面導体54bの下面側であって、反下面電極層52b側の第2下面絶縁体層53b端縁部には、露出部55が形成されている。該露出部55は、電流検出用抵抗器10Aを面実装したとき、電極を兼ねる。
第1下面絶縁体層53bと、側面絶縁体層53cと、第2下面絶縁体層53dとで下面導体54bを保護することにより、電流検出用抵抗器10Aを面実装したとき、下面導体54bと上面電極層52a側とが短絡することを防ぐことができ、下面導体54bを介して、第1プリントパターン21と第2プリントパターン22が短絡されることを防ぐことができる。
上面導体54aは、金属抵抗体11の上面側に積層された上面電極層52aと上面絶縁体層53aを覆っている。また、下面導体54bは、金属抵抗体11の下面側に積層された下面電極層52bと下面絶縁体層53bを覆っている。
上下両面導体54a,54bは、平板状に形成した銅からなり、0.1mm乃至0.5mm厚に形成されている。さらに、上下両面導体54a,54bの表面に銀メッキや、金メッキを施しても良い。
また、上下両面導体54a,54bは、図7に示すように、金属抵抗体11の実質的抵抗部分11aよりも一回り大きく形成されている。これにより、金属抵抗体11に電流を流したときに、該金属抵抗体11の実質的抵抗部分11aの側面から発生する磁束の漏れを少なくすることができる。そのため、電流検出用抵抗器10Aの自己インダクタンスを小さくすることができる。
金属抵抗体11の下側面であって、反上面電極層52a側面には、スペーサー56が配されている。
スペーサー56は、銅板からなり、少なくとも下面導体54bと同厚に形成されている。スペーサー56により、上面電極側52a側の金属抵抗体11の高さを調整することができ、また、ハンダ付けの際の接触ムラを無くすことができる。さらに、スペーサー56で隙間を埋めることにより、上面電極層52a側の電位を安定させることができる。
スペーサー56は銅板に替えて、金属抵抗体11を厚くしたり、或いは銅メッキを施しても良い。
上記構成を有する電流検出用抵抗器10Aは、電流検出用回路が形成された基板20Aに実装されている。ここで基板20Aを構成する絶縁体の図示は省略し、基板20A上に形成されたプリントパターンは2点鎖線で示す。
図7に示すように、基板20Aには、銅等の導体からなる第1プリントパターン61及び第2プリントパターン62がギャップ63を挟んで印刷形成されている。第1プリントパターン61と、該第1プリントパターン61に対向する第2プリントパターン62は、同幅に形成されている。第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の幅は、電流検出用抵抗器10Aの幅よりも広く形成されている。
第1プリントパターン61とギャップ63との境界部分には、電圧検出プリントパターン70aが形成されている。同様に、第2プリントパターン62とギャップ63との境界部分にも、対向する電圧検出プリントパターン70bが形成されている。
電圧検出プリントパターン70aと第1プリントパターン61との間には、スリット71aが形成されている。スリット71aは、第1プリントパターン61の幅方向に沿って中心付近まで形成されている。
また、電圧検出パターン70bと第2プリントパターン62との間にも、スリット71bが形成されている。スリット71bも、第2プリントパターン62の幅方向に沿った中心付近まで形成されている。
これにより、電圧検出プリントパターン70a,70bの始端は、第1プリントパターン61及び第2プリントパターン62の幅方向に沿った中心付近に配されている。そして、電圧検出プリントパターン70a,70bは、互いに平行であって、同一方向に向かって引き出されている。
電圧検出プリントパターン70aの終端72aには、増幅回路40の入力端子41aが接続され、電圧検出プリントパターン70bの終端72bには、増幅回路40の入力端子41bが接続されている。
第1プリントパターン61上に露出部55を配し、第2プリントパターン62上にスペーサー56を配して、電流検出用抵抗器10Aを基板20にハンダ75で固定して面実装したとき、電流検出用抵抗器10Aの下方に、電圧検出プリントパターン70a,70bの始端が位置する。そのため、電圧検出プリントパターン70a,70bによって、金属抵抗体11の中心近傍の真下から測定電圧が引き出される。ここで、当該金属抵抗体11の真下付近は、磁束の漏れが少ない。したがって、電圧検出プリントパターン70a,70bに影響を及ぼすインダクタンスを小さくすることができ、測定精度を高くすることができる。
また、電圧検出プリントパターン70a,70bは、図7に示した矢印の方向に沿って流れる電流Iに対して直角に引き出されている。これにより、電圧検出プリントパターン70a,70bに誘導電圧は発生しない。
図7に示した増幅回路40については、第1実施例と同様であるから説明を省略する。さらに、電流検出用抵抗器10Aと当該増幅回路40から構成される電流センサについても第1実施例と同様であるから説明を省略する。
本発明の電流検出用抵抗器と、該電流検出用抵抗器の実装構造の第3実施例を、添付した図面にしたがって説明する。図8は電流検出用抵抗器10Bを基板20Aに実装したときの概略構成の側面図であって、図9は電流検出用抵抗器10Bを基板20Aに実装したときの概略構成の平面図である。
電流検出用抵抗器10Bは、平板状の金属抵抗体11を中心にして、金属抵抗体11の上面側面に、上面電極層52aと上面絶縁体層53aが積層され、さらに上面電極層52aと上面絶縁体層53aを平板状の上面導体54aが覆っている。そして、金属抵抗体11の下面側面に、下面電極層52bと下面絶縁体層53bが積層されている。
金属抵抗体11は、第1実施例及び第2実施例と同様であるから説明を省略する。また、金属抵抗体11の上面側面の上面電極層52a、上面絶縁体層53a、上面導体54a、及び金属抵抗体11の下面側面の下面電極層52b、下面絶縁体層53bは、第2実施例と同様であるから説明を省略する。
金属抵抗体11の下面側であって、下面電極層52bの下面絶縁体層53bを挟んだ反対側には、露出部80が形成されている。
上記構成を有する電流検出用抵抗器10Bは、電流検出用回路が形成された基板20Aに実装される。基板20Aは、第2実施例と同様であるから説明を省略する。
電流検出用抵抗器10Bの下面電極層52bを第1プリントパターン61上に配し、金属抵抗体11の下面に形成した露出部80を第2プリントパターン62に配して、電流検出用抵抗器10Bを基板20Aにハンダ75で固定して面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、下面電極層52bと下面絶縁体層53bを覆う。
第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、第2実施例に示した下面導体54bと同様に、銅等からなる導体であるから、第2実施例に示した下面導体54bに代わって、電流Iを金属抵抗体11に流したときに生じる磁束を遮ることができる。
したがって、金属抵抗体11のインダクタンスを小さくすることができる。
ここで、ギャップ63からは磁束が漏れる。そのため、当該ギャップ63の幅は狭いほうが良い。また、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の幅を電流検出用抵抗器10Bの幅よりも広くすることにより、金属抵抗体11の側面から漏れる漏れ磁束を小さくすることができる。
本実施例の電流検出用抵抗器10Bによれば、基板20Aに面実装して初めて、金属抵抗体11をシールドして、インダクタンスを小さくすることができるように構成されている。そのため、電流検出用抵抗器10Bの位置決めにおいて、プリントパターン61,62の幅方向中心と電流検出用抵抗器10Bの中心を一致させることが好ましい。
一方、電流検出用抵抗器10Bは、下面導体54bがないので、製造コストを抑えることができ、また、表裏の区別をつけることが容易にすることができる。
なお、図9に示した増幅回路40については、第1実施例と同様であるから説明を省略する。さらに、電流検出用抵抗器10Bと当該増幅回路40から構成される電流センサについても第1実施例と同様であるから説明を省略する。
本発明の電流検出用抵抗器と、該電流検出用抵抗器の実装構造の実施例を、添付した図面にしたがって説明する。図10は電流検出用抵抗器10Cを基板20Aに面実装したときの概略構成を示す側面図であって、図11は電流検出用抵抗器10Cを基板20Aに面実装したときの概略構成を示す平面図である。
電流検出用抵抗器10Cは、平板状の絶縁体チップ101と、該絶縁体チップ101の下面側の中央部分に積層された抵抗体層102と、該抵抗体層102を挟んで対向する第1下面電極104a及び第2下面電極105aとからなる。
絶縁体チップ101は、セラミック等からなる。
抵抗体層102は、絶縁体チップ101上に金属抵抗体11と同じ銅ニッケル系の合金を厚膜印刷、又は蒸着して形成されている。また、抵抗体層102は、トリミング等によって、所定の抵抗値に調整されている。抵抗体層102は、さらに絶縁体層106で被覆されている。絶縁体層106によって、電流検出用抵抗器10Cを基板20Aに面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62が短絡されることを防ぐことができる。
第1下面電極104aは、絶縁体チップ101の一端側下面に形成されている。また絶縁体チップ101の他端側下面には第2下面電極105aが形成されている。
第1下面電極104aと第2下面電極105aの間には抵抗体層102及び絶縁体層106が配されている。
第1下面電極104aに連続して、絶縁体チップ101の一端側側面には、第1側面電極104bが形成されている。そして、第1側面電極104bに連続して、絶縁体チップ101の一端側上面には、第1上面電極104cが形成されている。
一方、第2下面電極105aに連続して、絶縁体チップ101の一端側側面には、第2側面電極105bが形成されている。そして、第2側面電極105bに連続して、絶縁体チップ101の一端側上面には、第2上面電極105cが形成されている。
第1上面電極104cと第2上面電極105cとの間には、底面部に絶縁体チップ101が露出する凹溝107が形成されている。凹溝107は、絶縁体チップ101の中心よりも一端側に配されている。そのため、絶縁体チップ101の一端側の上面角部を覆う第1上面電極104cに対して、第2上面電極105cは絶縁体チップ101の上面側面の略全面を覆っている。
また、第1電極104a,104b,104cと、第2電極105a,105b,105cは絶縁体チップ101よりも幅広に形成されている。
第1電極104a,104b,104cと、第2電極105a,105b,105cは、金、銀、銅等の電気伝導度の低い金属を、絶縁体チップ101にメッキして形成されている。なお、銅板等を絶縁体チップ101に貼着して、電極104a,104b,104c,105a,105b,105cを形成しても良い。その際には銅板に金、銀等をメッキすることもできる。
第2上面電極105cは、絶縁体チップ101の下面側に積層させた抵抗体層102に電流を流したときに生じる磁束を遮ることができる。したがって、絶縁体チップ101の上面側に発生するインダクタンスを小さくすることができる。また、絶縁体チップ101は薄く形成したほうが、抵抗体層102と第2上面電極105cとの距離を小さくすることができるので、インダクタンスを小さくすることができる。さらに、凹溝107の幅もできるだけ狭くしたほうが、漏れ磁束を減らすことができる。
上記構成を有する電流検出用抵抗器10Cは、電流検出用回路が形成された基板20Aに実装される。基板20Aは、第2実施例及び第3実施例と同様であるから説明を省略する。
電流検出用抵抗器10Cの第1下面電極104aを第1プリントパターン61上に配し、第2下面電極105aを第2プリントパターン62に配して、電流検出用抵抗器10Cを基板20Aにハンダ75で固定して面実装したとき、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、絶縁体チップ101の下面側に形成した抵抗体層102と、該抵抗体層102を保護する絶縁体層103を覆う。
第1プリントパターン61と第2プリントパターン62は、銅等からなる導体であるから、上記の各実施例で説明したように、電流Iを抵抗体層102に流したときに生じる磁束を遮ることができる。
そして、絶縁体チップ101の上面に配した第2上面電極105cと、第1プリントパターン61及び第2プリントパターン62が、抵抗体層102の上下面を覆うので、抵抗体層102のインダクタンスを小さくすることができる。
ここで、ギャップ63からは磁束が漏れる。そのため、当該ギャップ63の幅は狭いほうが良い。また、第1プリントパターン61と第2プリントパターン62の幅を電流検出用抵抗器10Bの幅よりも広くすることにより、金属抵抗体11の側面から漏れる漏れ磁束を小さくすることができる。
本実施例の電流検出用抵抗器10Cによれば、基板20Aに面実装して初めて、抵抗体層102をシールドして、インダクタンスを小さくすることができるように構成される。そのため、電流検出用抵抗器10Cの位置決めにおいて、プリントパターン61,62の幅方向中心と電流検出用抵抗器10Cの中心を一致させることが好ましい。
一方、電流検出用抵抗器10Cは、第1実施例や第2実施例に記載したように抵抗体を両面から導体で覆っていないので、製造コストを抑えることができ、また、抵抗体のいずれか一方の面に導体が配されているので、表裏の区別をわかりやすくすることができる。
上記の実施例に記載した電流検出用抵抗器10,10A,10B,10Cによれば、検出電流が流される抵抗体を、該抵抗体から絶縁された導体で覆ったことにより、該抵抗体をシールドすることができる。
当該シールドの結果、電流検出用抵抗器10,10A,10B,10Cの外側に漏れてくる漏れ磁束を少なくすることができるので、電流を一定としたとき、磁束に比例する自己インダクタンスを小さくすることができる。そのため、電流検出用抵抗器10,10A,10B,10Cに大電流を流したとき、誤差となる誘導電圧を小さくすることができるので、測定電圧の測定精度を高くすることができる。
第1実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す底面図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成を示す側面図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器の作用を説明する説明図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器の作用を説明する説明図である。 第1実施例に係る電流検出用抵抗器を増幅回路が形成された基板に実装したときの電流検出用抵抗器の実装構造の概略を示す説明図である。 第2実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成、及び該電流検出用抵抗器の実装構造の概略を示す側面図である。 第2実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成、及び該電流検出用抵抗器の実装構造の概略を示す底面図である。 第3実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成、及び該電流検出用抵抗器の実装構造の概略を示す側面図である。 第3実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成、及び該電流検出用抵抗器の実装構造の概略を示す底面図である。 第4実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成、及び該電流検出用抵抗器の実装構造の概略を示す側面図である。 第4実施例に係る電流検出用抵抗器の概略構成、及び該電流検出用抵抗器の実装構造の概略を示す底面図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C…電流検出用抵抗器、11…金属抵抗体、11a…抵抗本体、
12a…前面電極層、12b…後面電極層、13a…前面絶縁体層、13b…後面絶縁体層、14a…前面導体、14b…後面導体、15a,15b…脚部、16a,16b…係止突片、
20,20A…基板、21,61…第1プリントパターン、22,62…第2プリントパターン、23,63…ギャップ、25a,25b…貫通孔、
30a,30b,70a,70b…電圧検出プリントパターン、31a,31b,71a,71b…スリット、32a,32b,72a,72b…電圧検出プリントパターンの終端、
40…増幅回路、41a,41b…入力端子、42…OPアンプ、43a,43b…入力抵抗器、44…帰還抵抗器、45…接地抵抗器、46…出力端子、
52a…上面電極層、52b…下面電極層、53a…上面絶縁体層、53b…第1下面絶縁体層、53c…側面絶縁体層、53d…第2下面絶縁体層、54a…上面導体、54b…下面導体、55,80…露出部、56…スペーサー、
75…ハンダ、
101…絶縁体チップ、102…抵抗体層、104a…第1下面電極、104b…第1側面電極、104c…第1上面電極、105a…第2下面電極、105b…第2側面電極、105c…第2上面電極、106…絶縁体層、107…凹溝。

Claims (10)

  1. 抵抗体層と、該抵抗体層の一端の表側に積層した表面電極層と、前記抵抗体層の他端の裏側に積層した裏面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記抵抗体層の表側の非表面電極層部分に表面絶縁体層を積層して、該表面絶縁体層と前記表面電極層を表面導体層で覆い、
    前記抵抗体層の裏側の非裏面電極層部分に裏面絶縁体層を積層して、該裏面絶縁体層と前記裏面電極層を裏面導体層で覆ったことを特徴とする電流検出用抵抗器。
  2. 平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の前面側に形成した前面電極層と、前記金属抵抗体の他端の後面側に形成した後面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記金属抵抗体前面の非前面電極層部分に前面絶縁体層を積層して、該前面絶縁体層と前記前面電極層を平板状の前面導体で覆い、
    該前面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成し、
    前記金属抵抗体後面の非後面電極層部分に後面絶縁体層を積層して、該後面絶縁体層と前記後面電極層を平板状の後面導体で覆い、
    該後面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成したことを特徴とする電流検出用抵抗器。
  3. 平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、前記上面電極層と前記上面絶縁体層を平板状の上面導体で覆い、
    前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、第1下面絶縁体層を積層して、前記下面電極層と前記第1下面絶縁体層を平板状の下面導体で覆い、
    該第1下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、平板状の導体からなるスペーサーを配設して、
    前記下面導体と前記スペーサーとの間へ、前記第1下面絶縁体層に連続する側面絶縁体層を形成し、
    前記下面導体の反第1下面絶縁体層側面へ、前記側面絶縁体層に連続する第2下面絶縁体層を形成し、該第2下面絶縁体層と隣り合う位置で前記下面導体の反下面電極層側面に、露出部を設けたことを特徴とする電流検出用抵抗器。
  4. 平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、
    前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、該上面絶縁体層と前記上面電極層を平板状の上面導体で覆い、
    前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、下面絶縁体層を積層して、該下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、露出部を設けたことを特徴とする電流検出用抵抗器。
  5. 平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、
    該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電極及び第2下面電極とからなる電流検出用抵抗器であって、
    前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、
    前記第1下面電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電極を形成し、
    該第1側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上側面の略全面を覆う第1上面電極を形成して、
    該第1上面電極を平板状の上面導体で覆い、
    前記第2下面電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電極を形成し、
    該第2側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部を覆うと共に、前記第1上面電極とスリットを挟んで対向する第2上面電極を形成したことを特徴とする電流検出用抵抗器。
  6. 電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
    前記電流検出用抵抗器は、抵抗体層と、該抵抗体層の一端の表側に積層した表面電極層と、前記抵抗体層の他端の裏側に積層した裏面電極層とを備えると共に、
    前記抵抗体層の表側の非表面電極層部分に表面絶縁体層を積層して、該表面絶縁体層と前記表面電極層を表面導体層で覆い、
    前記抵抗体層の裏側の非裏面電極層部分に裏面絶縁体層を積層して、該裏面絶縁体層と前記裏面電極層を裏面導体層で覆った構成を有し、
    前記基板上に、前記表面導体層を介して、前記表面電極と電気的に接続される第1プリントパターンを形成し、
    前記基板上に、前記裏面導体層を介して、前記裏面電極と電気的に接続される第2プリントパターンを形成し、
    前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、
    前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成し、
    前記基板上へ実装した前記電流検出用抵抗器の前記抵抗体層の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、
    前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置したことを特徴とする電流検出用抵抗器の実装構造。
  7. 電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
    前記電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の前面側に形成した前面電極層と、前記金属抵抗体の他端の後面側に形成した後面電極層とを備えると共に、
    前記金属抵抗体前面の非前面電極層部分に前面絶縁体層を積層して、該前面絶縁体層と前記前面電極層を平板状の前面導体で覆い、
    該前面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成し、
    前記金属抵抗体後面の非後面電極層部分に後面絶縁体層を積層して、該後面絶縁体層と前記後面電極層を平板状の後面導体で覆い、
    該後面導体下端に、基板に形成された貫通孔に挿通される脚部を突出形成した構成を有し、
    前記基板上に、前記前面導体に形成した前記脚部が挿通される貫通孔を備え、前記前面電極と電気的に接続される第1プリントパターンを形成し、
    前記基板上に、前記後面導体に形成した前記脚部が挿通される貫通孔を備え、前記後面電極と電気的に接続される第2プリントパターンを形成し、
    前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、
    前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成し、
    一対の前記脚部を第1プリントパターンの貫通孔と第2プリントパターンの貫通孔にそれぞれ挿通して、前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ立設し、
    前記金属抵抗体の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、
    前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置したことを特徴とする電流検出用抵抗器の実装構造。
  8. 電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
    前記電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、
    該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とを備えると共に、
    前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、前記上面電極層と前記上面絶縁体層を平板状の上面導体で覆い、
    前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、第1下面絶縁体層を積層して、前記下面電極層と前記第1下面絶縁体層を平板状の下面導体で覆い、
    該第1下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、平板状の導体からなるスペーサーを配設して、
    前記下面導体と前記スペーサーとの間へ、前記第1下面絶縁体層に連続する側面絶縁体層を形成し、
    前記下面導体の反第1下面絶縁体層側面へ、前記側面絶縁体層に連続する第2下面絶縁体層を形成し、該第2下面絶縁体層と隣り合う位置で前記下面導体の反下面電極層側面に、露出部を設けた構成を有し、
    前記基板上に、前記露出部に当接し、前記下面電極層と電気的に接続される第1プリントパターンを形成し、
    前記基板上に、前記スペーサーと当接し、前記上面電極層と電気的に接続される第2プリントパターンを形成し、
    前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、
    前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成して、
    前記露出部と前記第1プリントパターンをハンダで接続すると共に、前記スペーサー、前記金属抵抗体一端側及び前記上面電極層と前記第2プリントパターンをハンダで接続して、前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ面実装し、
    前記金属抵抗体の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、
    前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置したことを特徴とする電流検出用抵抗器の実装構造。
  9. 電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
    前記電流検出用抵抗器は、平板状の金属抵抗体と、該金属抵抗体の一端の上面側に形成した上面電極層と、前記金属抵抗体の他端の下面側に形成した下面電極層とを備えると共に、
    前記金属抵抗体上面の非上面電極層部分に上面絶縁体層を積層して、該上面絶縁体層と前記上面電極層を平板状の上面導体で覆い、
    前記金属抵抗体下面の非下面電極層部分の前記下面電極層と隣り合う位置に、下面絶縁体層を積層して、該下面絶縁体層と隣り合う位置で前記金属抵抗体の反上面電極層側面に、露出部を設けた構成を有し、
    前記基板上に、前記下面電極層に当接し、前記下面電極層と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第1プリントパターンを形成し、
    前記基板上に、前記露出部に当接すると共に前記上面導体を介して、前記上面電極と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第2プリントパターンを形成し、
    前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、
    前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成して、
    前記下面電極層をハンダで前記第1プリントパターンに接続し、前記露出部、前記金属抵抗体一端側及び前記上面電極層をハンダで前記第2プリントパターンに接続して、前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ面実装したとき、
    前記金属抵抗体の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、
    前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置し、
    前記第1プリントパターンと前記第2プリントパターンが、前記下面絶縁体層の略全面を覆ったことを特徴とする電流検出用抵抗器の実装構造。
  10. 電流検出回路を設けた基板上へ、電流検出用抵抗器を実装する電流検出用抵抗器の実装構造であって、
    前記電流検出用抵抗器は、平板状の絶縁体チップと、該絶縁体チップの下面側の中央部分に積層された抵抗体層と、該抵抗体層を挟んで対向する第1下面電極及び第2下面電極とを備えると共に、
    前記抵抗体層に絶縁体層を積層し、
    前記第1下面電極に連続して前記絶縁体チップの一側面を覆う第1側面電極を形成し、
    該第1側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の一端角部から上側面の略全面を覆う第1上面電極を形成して、
    該第1上面電極を平板状の上面導体で覆い、
    前記第2下面電極に連続して前記絶縁体チップの他側面を覆う第2側面電極を形成し、
    該第2側面電極に連続して前記絶縁体チップの上面の他端角部を覆うと共に、前記第1上面電極とスリットを挟んで対向する第2上面電極を形成した構成を有し、
    前記基板上に、前記第1下面電極と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第1プリントパターンを形成し、
    前記基板上に、前記第2下面電極と電気的に接続され、前記電流検出用抵抗器よりも幅広の第2プリントパターンを形成し、
    前記第1プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角な第1電圧検出プリントパターンを形成し、
    前記第2プリントパターン側縁部に、被検出電流経路に対して直角であって、前記第1電圧検出プリントパターンと平行な第2電圧検出プリントパターンを形成して、
    前記電流検出用抵抗器を前記基板上へ面実装したとき、
    前記絶縁体層の中間下方に、前記第1電圧検出プリントパターンの始端及び前記第2電圧検出プリントパターンの始端を配置すると共に、
    前記第1電圧検出プリントパターンの終端及び前記第2電圧検出プリントパターンの終端を同一方向に配置し、
    前記第1プリントパターンと前記第2プリントパターンが、前記絶縁体層の略全面を覆ったことを特徴とする電流検出用抵抗器の実装構造。
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