JP2010196815A - ダイナミックダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた振動減衰効果を発現しつつも、衝突音の低減が図られたダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】ダイナミックダンパ100は、回転中心線Oを中心に回転可能に設けられたクランクシャフト200に連結されたケーシング110と、ケーシング110に対して相対的に回転可能にケーシング110に設けらると共に、内部に振子収容室131が形成された収容室規定部材130と、振子収容室131内に収容され、振子収容室131の内周面を転動可能な振子132と備える。
【選択図】図1
【解決手段】ダイナミックダンパ100は、回転中心線Oを中心に回転可能に設けられたクランクシャフト200に連結されたケーシング110と、ケーシング110に対して相対的に回転可能にケーシング110に設けらると共に、内部に振子収容室131が形成された収容室規定部材130と、振子収容室131内に収容され、振子収容室131の内周面を転動可能な振子132と備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイナミックダンパに関し、特に騒音の低減が図られたダイナミックダンパに関する。
従来からエンジン出力軸等のトルク変動を低減させるために、各種のダンパが提案されている。たとえば、特許文献1(特開平11−82633号公報)に記載された可変速度型ダンパは、フライホイールに形成された凹部内に嵌合固定された振子アセンブリを備えている。この振子アセンブリは、ケースと、軸部が軸受材により支持された振子と、蓋部材とを備えている。
特許文献2(特開平11−223247号公報)に記載されたトーショナルダンパは、エンジンのクランクシャフトに取り付けられた中空環状のハウジングと、このハウジング内に収容された環状の慣性体とを備え、ハウジングと慣性体との間の隙間に磁気感応性流体と粘性流体とが充填されている。
特許文献3(特開2007−182986号公報)に記載された振動低減ダンパは、回転軸にリング形状の環状体と、この環状体に周方向に均等間隔に形成された球形のダンパ室と、このダンパ室内に収容された球体とを備えている。そして、ダンパ室内には、上記球体と共に、粘性流体が封入されている。
しかし、特開平11−82633号公報に記載された可変速度型ダンパにおいては、各振子は軸受材に支持されている。振子と軸受材との間に摩擦が生じ、振子が正常に回転し難くなっている。このため、この可変速度型ダンパにおいては、十分な防振機能を発揮することが困難なものとなっている。
特開平11−223247号公報に記載さたトーショナルダンパにおいては、環状に形成された慣性体と、ハウジングとが接触し、衝突音が生じる場合がある。
特開2007−182986号公報に記載された衝撃低減ダンパは、球体が環状体と接触して、衝突音が生じる場合がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、優れた振動減衰効果を発現しつつも、衝突音の低減が図られたダイナミックダンパを提供することである。
本発明に係るダイナミックダンパは、回転中心線を中心に回転する回転軸に連結された連結部材と、連結部材に対して相対的に回転可能に連結部材に設けられると共に、内部に収容室が形成された収容室規定部材と、収容室内に収容され、収容室の内周面を転動可能な転動部材と備える。好ましくは、上記転動部材の動きによって、転動部材から収容室規定部材に加えられた力が、所定荷重よりも大きいときに、収容室規定部材は連結部材に対して相対的に回転する。
好ましくは、上記収容室規定部材と連結部材とは互いに接触し、収容室規定部材と連結部材とが接触する接触部に生じる摩擦力によって、連結部材と収容室規定部材とが一体的に回転する。好ましくは、上記連結部材には、収容室規定部材を受け入れる受入部が形成され、受入部の内表面の少なくとも一部と、収容室規定部材の外表面の少なくとも一部とが互いに接触させられる。
好ましくは、上記受入部は、回転軸の回転中心線方向の一方に向けて開口する凹部とされ、収容室規定部材は、凹部内に嵌め込まれる。好ましくは、上記収容室規定部材には、回転軸の回転中心線方向に延びる挿入孔が形成される。そして、収容室規定部材は、回転軸の回転中心軸方向に配列された第1側面および第2側面を含み、第1分割連結部材は、第1側壁部と、該第1側壁部から突出する第1突出部とを含む。そして、上記第2分割連結部材は、第2側壁部と、該第2側壁部から突出する第2突出部とを含み、第1突出部は、挿入孔に挿入されると共に、第1側壁部は第1側面に押圧され、第2突出部は、挿入孔に挿入されると共に、第2側壁部は第2側面に押圧される。好ましくは、上記連結部材の外周面に、収容室規定部材が設けられる。
好ましくは、上記収容室規定部材には回転軸の回転中心線方向に延びる貫通孔が形成され、連結部材は貫通孔内に圧入される。好ましくは、上記連結部材には、収容室規定部材を収容する規定部材収容室が形成され、収容室規定部材は、規定部材収容室内に収容され、規定部材収容室の内表面と収容室規定部材との間には、流動体が充填される。
好ましくは、上記連結部材は、回転軸の回転中心線方向に配列された第1分割連結部材および第2分割連結部材を含み、第1分割連結部材と第2分割連結部材とは、回転軸の回転中心線に垂直な仮想平面を基準として対称となるように形成される。
本発明に係るダイナミックダンパによれば、優れた振動減衰効果を得ることができると共に、衝突音の低減を図ることができる。
本実施の形態に係るダイナミックダンパ100について、図1から図11を用いて説明する。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るダイナミックダンパ100の断面図である。図2は、上記図1に示すダイナミックダンパ100の分解斜視図である。この図1に示すように、回転中心線Oを中心に回転するクランクシャフト200に連結されたケーシング(連結部材)110と、ケーシング110に設けられると共に、内部に振子収容室131が形成された収容室規定部材130と、振子収容室131内に収容された振子(転動部材)132とを備えてる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るダイナミックダンパ100の断面図である。図2は、上記図1に示すダイナミックダンパ100の分解斜視図である。この図1に示すように、回転中心線Oを中心に回転するクランクシャフト200に連結されたケーシング(連結部材)110と、ケーシング110に設けられると共に、内部に振子収容室131が形成された収容室規定部材130と、振子収容室131内に収容された振子(転動部材)132とを備えてる。
収容室規定部材130は、略円柱状に形成されており、外周面137と、回転中心線O方向に配列する側面140,141とを備えている。そして、振子収容室131は、収容室規定部材130を回転中心線O方向に貫通している。このため、各側面140,141には、振子収容室131の開口部が形成されている。
ケーシング110は、有底円筒状に形成されたケース本体部111と、このケース本体部111の開口部を閉塞するように配置された蓋部材112とを備えている。そして、蓋部材112がケース本体部111の開口部を閉塞することで、ケーシング110の内部に収容部147が形成されている。この収容部147内に、収容室規定部材130が収容されている。収容部147の内周面は、略円筒状とされている。
ケース本体部111は、円板状に形成された底壁部146と、底壁部146の外周縁部から回転中心線O方向に延びる周壁部145とを備えている。周壁部145の内周面は、回転中心線Oを中心とする円筒面とされている。
収容室規定部材130が、収容部147内に収容された状態では、収容室規定部材130の外周面137は、収容部147(周壁部145)の内周面に近接または接触している。
そして、収容部147内に収容された収容室規定部材130の側面140は、蓋部材112によって押圧されており、側面141は底壁部146によって押圧されている。
このように、収容室規定部材130の一部である側面140,141と、ケーシング110の一部である振子収容室131の内周面とが圧接している。
このため、通常の状態では、ケーシング110が回転することで、収容室規定部材130にはケーシング110から摩擦力(外力)が加えられる。そして、収容室規定部材130は、収容室規定部材130とケーシング110との間に生じる摩擦力(外力)によって、収容室規定部材130は収容部147と一体的に回転可能となっている。
その一方で、収容室規定部材130に上記摩擦力以上の衝撃力が加えられると、収容室規定部材130は、外周面137の内周面に沿って回転する。ここで、収容室規定部材130の外周面137と、収容部147の内周面とは、略全面が一致しており、収容室規定部材130は、回転中心線Oを中心に回転する。このように、収容室規定部材130は、ケーシング110に対して相対的に回転可能とされている。
振子132は振子収容室131の内表面上を転動可能とされている。なお、振子収容室131の内周面は円筒面状とされている。
そして、振子収容室131の内周面の中心軸線は、回転中心線Oと平行または回転中心線Oと実質的に平行なものとなっている。
そして、クランクシャフト200に、トルク変動等に起因する捻り振動が発生すると、各振子132は、振子収容室131内において、振子収容室131の内周面上を転動する。振子132は、振子回転中心線Pを中心として回転する。すなわち、振子132は、振子回転中心線Pを中心として振子運動する。そして、振子132が振子運動することで、上記トルク変動が低減されている。
振子回転中心線Pは、回転中心線Oと平行または回転中心線Oと実質的に平行な仮想軸線であり、振子収容室131の中心線と実質的に一致している。
振子132の固有振動数と、トルク変動のピークの振動数とが一致するように、振子回転中心線Pと回転中心線Oとの間の距離等が設定されている。そこで、振子回転中心線Pと回転中心線Oとの間の距離等をどのように設定しているかについて説明する。
トルク変動のピークは、該トルク変動の次数を示す。振子132の固有振動数およびトルク変動の振動数は、クランクシャフト200の角速度ωに比例する。
具体的には、トルク変動がピークとなるトルク変動の周波数は、クランクシャフト200の単位時間あたりの回転数(ω/2π)と、エンジンの気筒数Nとの積によって決まる。ここで、次数がnの振動とは、ピークがn番目に大きなピークにおける振動を意味する。このため、次数がnにおける振動の周波数は、n×(ω/2π)×Nと表すことができる。
その一方で、振子132の固有振動数は、(ω/2π)×(R/r)1/2と表すことができる。ここで、Rは、回転中心線Oと振子回転中心線Pとの間の距離である。rは、振子132の重心と、振子回転中心線Pとの間の距離である。そして、(R/r)1/2と、n×mとが等しくなるように設定することで、トルク変動により生じる振動のうち、次数がnの振動を抑制することができる。なお、気筒数m=1の場合には、(R/r)1/2と、nとが等しくなるように設定する。
図3は、収容室規定部材130の断面である。この図3に示すように、本実施の形態に係るダイナミックダンパ100においては、収容室規定部材130に振子収容室131が周方向に4つ等間隔に形成されている。そして、各振子収容室131には、振子132が転動する領域を規定するストッパ133が設けられている。ストッパ133は、振子132の動きを規制することで、振子132が過剰に回転することを抑制している。
図4は、振子収容室131およびその周囲に位置する構成を示す断面図である。この図4に示すように、振子収容室131の内周面のうち、振子回転中心線Pより回転中心線O側に位置する部分に、ストッパ133が間隔をあけて2つ設けられている。
このストッパ133は、転動する振子132と接触することで、振子132が転動する領域を規定している。
ここで、車両の過減速時には、クランクシャフト200にトルク変動が発生する。これに伴い、振子132が外周面137内を転動する。
この際、トルク変動が大きい場合には、振子132が大きく振れて、振子132がストッパ133と接触する場合がある。そして、振子132が勢いよく振れ、振子132がストッパ133に衝突する場合がある。
振子132がストッパ133に衝突すると、振子132から収容室規定部材130に衝撃力が加えられる。
そして、振子132から収容室規定部材130に、収容室規定部材130とケーシング110との間に生じている摩擦力よりも大きな衝撃力が加えられると、収容室規定部材130は、回転中心線Oを中心に回転する。その一方で、ケーシング110は、クランクシャフト200に固定されているので、収容室規定部材130は、ケーシング110に対して相対的に回転する。
このように、収容室規定部材130が回転することで、振子132が収容室規定部材130に加える衝撃力が緩和される。そして、振子132が収容室規定部材130に衝突することで生じる衝突音を低減することができる。
さらに、振子132の動きによっては、振子132が振子収容室131内の内壁面と衝突する場合もあるが、この場合においても、収容室規定部材130が回転することで、発生する衝突音を低減することができる。
なお、上記図1から図4に示す例においては、振子収容室131は円筒形状の場合について説明したが、振子収容室131の形状として、他の形状を採用することができる。
図5は、振子収容室131および収容室規定部材130の第1変形例を示す断面図である。この図5に示す例においては、振子収容室131の内周面は、円弧状の湾曲面138と、膨出部134とを含む。
湾曲面138は、仮想円筒面の一部とされており、膨出部134は、振子収容室131内に向けて膨出するように形成されている。
この図5に示す例においては、膨出部134を形成することで、振子収容室131の容積が低減されており、収容室規定部材130自体のコンパクト化が図られている。
このように形成された収容室規定部材130においては、クランクシャフト200に大きなトルク変動が生じると、振子132が膨出部134と衝突する場合がある。
このような場合においても、収容室規定部材130が回転することで、衝突音の低減が図られている。
図6、振子収容室131および収容室規定部材130の第2変形例を示す断面図である。この図6に示す例においては、周方向に隣り合う振子収容室131同士が互いに連通している。
そして、収容室規定部材130は、隣り合う振子収容室131の境界部分に設けられたストッパ136を備えている。そして、各振子収容室131内に収容された振子132が、ストッパ136に衝突することで、振子132が隣りの振子収容室131内に入り込むことが抑制されている。
このように、振子132がストッパ136に加える衝撃力が大きいときには、収容室規定部材130が回転することで、衝突音の低減が図られている。
(実施の形態2)
図7を用いて、本発明の実施の形態2に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図7に示す構成のうち、上記図1から図6に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図7を用いて、本発明の実施の形態2に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図7に示す構成のうち、上記図1から図6に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図7は、本発明の実施の形態2に係るダイナミックダンパ100の断面図である。この図7に示すように、ダイナミックダンパ100は、クランクシャフト200に固定されたケーシング110と、ケーシング110内に収容された収容室規定部材130とを備えている。
収容室規定部材130の外周面と、ケーシング110の内周面との間には、隙間が形成されており、この隙間には、粘性を有する流動体(粘性体)150が充填されている。
この図7に示す収容室規定部材130においては、振子収容室131の開口部を閉塞する閉塞部143が設けられており、振子収容室131は密封されている。これにより、振子収容室131内に流動体150が入り込むことは防止されている。
そして、クランクシャフト200が回転することで、ケーシング110も回転する。流動体150は、粘性を有しているため、ケーシング110が回転することで、ケーシング110の動きに合わせて、流動体150も回転する。
流動体150は、粘性を有しているので、流動体150に覆われた収容室規定部材130は、流動体150から粘性抵抗(外力)を受け、ケーシング110の動きに合わせて収容室規定部材130も回転する。
このように、収容室規定部材130とケーシング110との間に充填された流動体150によって、収容室規定部材130はケーシング110と一体的に回転している。その一方で、収容室規定部材130のみに大きな荷重が加えられた場合には、収容室規定部材130は流動体150から受ける粘性抵抗に打ち勝って、ケーシング110に対して相対的に回転することになる。
そして、クランクシャフト200にトルク変動が生じると、収容室規定部材130内に収容された振子132が振子収容室131内を転動して、捩り振動を低減する。
振子132が振子収容室131内を転動する過程において、振子132が収容室規定部材130の内周面や図示されないストッパ等に衝突する場合がある。
振子132が収容室規定部材130に衝突したり、収容室規定部材130に設けられたストッパに衝突すると、収容室規定部材130には、振子132から衝撃力が加えられる。この加えられた衝撃力が収容室規定部材130と流動体150との間の粘性抵抗よりも大きい場合には、収容室規定部材130は、当該衝撃力により回転する。
これにより、収容室規定部材130に加えられる衝撃力を低減させることができ、収容室規定部材130またはストッパと、振子132とが衝突することで生じる衝突音を低減することができる。
(実施の形態3)
図8を用いて、本発明の実施の形態3に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図8に示す構成のうち、上記図1から図7に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。図8は、本発明の実施の形態3に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
図8を用いて、本発明の実施の形態3に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図8に示す構成のうち、上記図1から図7に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。図8は、本発明の実施の形態3に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
この図8に示すように、ダイナミックダンパ100は、凹部148が形成されたケース本体部111と、凹部148内に圧入された収容室規定部材130とを備えている。ケース本体部111は、クランクシャフト200に連結されている。この図8に示す例においては、振子収容室131の側面140側の開口部は、閉塞部143によって閉塞されている。
収容室規定部材130は、凹部148内に圧入されており、収容室規定部材130の外周面137とケーシング110の内周面とは互いに接触しており、外周面137とケーシング110の内周面との間には大きな面圧が生じている。
このため、収容室規定部材130の外周面137には大きな摩擦力が加えられており、この摩擦力により、収容室規定部材130はケース本体部111と一体的に回転可能となっている。
そして、クランクシャフト200にトルク変動が生じると、収容室規定部材130内に収容された振子132が振子収容室131内を転動して、所定の振動数の振動を低減する。このように、振子132が振子収容室131内を転動することで、振子132が収容室規定部材130の内表面やストッパと衝突する場合がある。
そして、振子132から収容室規定部材130に加えられた衝撃力が、収容室規定部材130とケース本体部111との間の摩擦力よりも大きい場合には、収容室規定部材130が回転する。これにより、振子132から収容室規定部材130またはストッパに加えられる衝撃力が軽減され、収容室規定部材130またはストッパと、振子132との衝突によって生じる衝突音を低減することができる。
さらに、この図8に示す例においては、ケーシング110の構成を簡素化されており、ダイナミックダンパ100の製造コストの低廉が図られている。
(実施の形態4)
図9を用いて、本発明の実施の形態4に係るダイナミックダンパ100ついて説明する。なお、図9に示す構成のうち、上記図1から図8に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。図9は、本発明の実施の形態4に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
図9を用いて、本発明の実施の形態4に係るダイナミックダンパ100ついて説明する。なお、図9に示す構成のうち、上記図1から図8に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。図9は、本発明の実施の形態4に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
この図9に示すように、ダイナミックダンパ100は、2つの分割筐体(分割連結部材)115によって形成されている。分割筐体115は、クランクシャフト200に連結される底壁部120と、この底壁部120の外周縁部から回転中心線O方向に向けて延びる周壁部121とを備えている。そして、底壁部120および周壁部121によって、凹部139が規定されている。
そして、各凹部139の開口縁部同士が当接するように、各分割筐体115同士が連結されている。これにより、2つの分割筐体115によって、収容室規定部材130を収容する収容部147が形成されている。
このように、ケーシング110は、回転中心線Oに垂直な仮想平面Sを基準として、対称に形成された分割筐体115によって形成されており、ケーシング110の製造コストの低減が図られている。
収容室規定部材130の側面は、各分割筐体115の底壁部120によって押圧されており、収容室規定部材130と各底壁部120との間には大きな面圧が生じている。これにより、収容室規定部材130とケーシング110との間には摩擦力が生じており、ケーシング110と収容室規定部材130とは一体的に回転する。
そして、振子132が振子収容室131内を転動して、収容室規定部材130に所定以上の衝撃力を加えると、収容室規定部材130がケーシング110に対して相対的に回転し、収容室規定部材130に加えられる衝撃力が低減される。これに伴い、収容室規定部材130と振子132とが衝突することにより生じる衝突音を低減することができる。
(実施の形態5)
図10を用いて、本発明の実施の形態5に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図10に示す構成のうち、上記図1から図9に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。図10は、本発明の実施の形態5に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
図10を用いて、本発明の実施の形態5に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図10に示す構成のうち、上記図1から図9に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。図10は、本発明の実施の形態5に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
この図10に示すように、ダイナミックダンパ100は、回転中心線O方向中央部に環状凹部149が形成されたケーシング110と、環状凹部149内に嵌め込まれた収容室規定部材130とを備えている。
収容室規定部材130には、回転中心線O方向に貫通する挿入孔125が形成されている。
ケーシング110は、仮想平面Sを基準として対称に形成された2つの分割筐体(分割連結部材)116によって形成されている。
各分割筐体116は、回転中心線Oに対して垂直に配置される側壁部122と、側壁部122の中央部から回転中心線O方向に向けて突出する円柱状の突出部123とを備えている。
そして、一方の分割筐体116は、収容室規定部材130の側面141上に配置され、他方の分割筐体116は、収容室規定部材130の側面140上に配置される。
側面141上に配置された分割筐体116の突出部123は、側面141側から挿入孔125内に挿入されており、この分割筐体116の側壁部122は、収容室規定部材130の側面141と当接している。側面140上に配置された分割筐体116の突出部123は、側面140側から挿入孔125内に挿入されており、この分割筐体116の側壁部122は収容室規定部材130の側面140と当接している。そして、各分割筐体116の突出部123の先端部は、挿入孔125の回転中心線O方向中央部で、互いに当接している。
そして、収容室規定部材130の側面140,141は、各分割筐体116の側壁部122によって押圧されており、各側面140,141と側壁部122との間には大きな面圧が生じている。このため、収容室規定部材130とケーシング110との間には摩擦力が生じており、ケーシング110と収容室規定部材130とは一体的に回転可能となっている。
その一方で、振子132から収容室規定部材130に所定以上の衝撃力が加えられると、収容室規定部材130はケーシング110との間に生じる摩擦力に打ち勝って、収容室規定部材130がケーシング110に対して相対的に回転する。
これにより、収容室規定部材130と振子132とが衝突することで生じる衝突音を低減することができる。
さらに、この図10に示す例においても、ケーシング110は、仮想平面Sを基準として対称に形成された2つの分割筐体116によって形成されており、ケーシング110およびダイナミックダンパ100の製造コストの低減が図られている。
(実施の形態6)
図11を用いて、本発明の実施の形態6に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図11に示す構成のうち、上記図1から図10に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。図11は、本発明の実施の形態6に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
図11を用いて、本発明の実施の形態6に係るダイナミックダンパ100について説明する。なお、図11に示す構成のうち、上記図1から図10に示す構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。図11は、本発明の実施の形態6に係るダイナミックダンパ100の断面図である。
この図6に示すように、ダイナミックダンパ100は、軸部状に形成された連結部材160と、この連結部材160の外周面に装着された収容室規定部材130とを備えている。
収容室規定部材130には、回転中心線O方向に貫通する貫通孔126が形成されている。そして、クランクシャフト200に連結固定された連結部材160は、貫通孔126内に圧入されている。
このため、連結部材160の外周面と、収容室規定部材130の内表面との間には大きな面圧が生じており、連結部材160と収容室規定部材130との間には大きな摩擦力が生じている。
クランクシャフト200が回転することで連結部材160が回転し、収容室規定部材130も一体的に回転する。そして、収容室規定部材130内に収容された振子132が振子収容室131内を転動することで、捩り振動を低減する。そして、振子132と収容室規定部材130またはストッパ等とが衝突し、収容室規定部材130に所定以上の衝撃力が加えられると、収容室規定部材130が連結部材160に対して相対的に回転して、衝撃力および衝突音が低減される。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態6においては、ダイナミックダンパ100は、車両のクランクシャフトに装着されているが、車両のドライブシャフト等にも装着することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
本発明は、ダイナミックダンパに適用することができ、特に、車両のクランクシャフト等に装着されるダイナミックダンパに好適である。
100 ダイナミックダンパ、110 ケーシング、111 ケース本体部、112 蓋部材、130 収容室規定部材、131 振子収容室、132 振子、200 クランクシャフト。
Claims (10)
- 回転中心線を中心に回転する回転軸に連結された連結部材と、
前記連結部材に対して相対的に回転可能に前記連結部材に設けられると共に、内部に収容室が形成された収容室規定部材と、
前記収容室内に収容され、前記収容室の内周面を転動可能な転動部材と、
備えたダイナミックダンパ。 - 前記転動部材の動きによって、前記転動部材から前記収容室規定部材に加えられた力が、所定荷重よりも大きいときに、前記収容室規定部材は前記連結部材に対して相対的に回転する、請求項1に記載のダイナミックダンパ。
- 前記収容室規定部材と前記連結部材とは互いに接触し、前記収容室規定部材と前記連結部材とが接触する接触部に生じる摩擦力によって、前記連結部材と前記収容室規定部材とが一体的に回転する、請求項1または請求項2に記載のダイナミックダンパ。
- 前記連結部材には、前記収容室規定部材を受け入れる受入部が形成され、
前記受入部の内表面の少なくとも一部と、前記収容室規定部材の外表面の少なくとも一部とが互いに接触させられた、請求項3に記載のダイナミックダンパ。 - 前記受入部は、前記回転軸の回転中心線方向の一方に向けて開口する凹部とされ、前記収容室規定部材は、前記凹部内に嵌め込まれた、請求項4に記載のダイナミックダンパ。
- 前記収容室規定部材には、前記回転軸の回転中心線方向に延びる挿入孔が形成され、
前記収容室規定部材は、前記回転軸の回転中心軸方向に配列された第1側面および第2側面を含み、
前記第1分割連結部材は、第1側壁部と、該第1側壁部から突出する第1突出部とを含み、
前記第2分割連結部材は、第2側壁部と、該第2側壁部から突出する第2突出部とを含み、
前記第1突出部は、前記挿入孔に挿入されると共に、前記第1側壁部は前記第1側面に押圧され、
前記第2突出部は、前記挿入孔に挿入されると共に、前記第2側壁部は前記第2側面に押圧された、請求項1から請求項3のいずれかに記載のダイナミックダンパ。 - 前記連結部材の外周面に、前記収容室規定部材が設けられた、請求項1から請求項3に記載のダイナミックダンパ。
- 前記収容室規定部材には前記回転軸の回転中心線方向に延びる貫通孔が形成され、
前記連結部材は前記貫通孔内に圧入された、請求項1から請求項3のいずれかに記載のダイナミックダンパ。 - 前記連結部材には、前記収容室規定部材を収容する規定部材収容室が形成され、
前記収容室規定部材は、前記規定部材収容室内に収容され、
前記規定部材収容室の内表面と前記収容室規定部材との間には、流動体が充填された、請求項1または請求項2に記載のダイナミックダンパ。 - 前記連結部材は、前記回転軸の回転中心線方向に配列された第1分割連結部材および第2分割連結部材を含み、
前記第1分割連結部材と前記第2分割連結部材とは、前記回転軸の回転中心線に垂直な仮想平面を基準として対称となるように形成された、請求項1から請求項9のいずれかに記載のダイナミックダンパ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009042810A JP2010196815A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | ダイナミックダンパ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2426580A2 (en) | 2010-09-02 | 2012-03-07 | Sony Corporation | Information processing apparatus, input control method of information processing apparatus, and program |
JP5348319B2 (ja) * | 2011-03-11 | 2013-11-20 | トヨタ自動車株式会社 | 振動減衰装置 |
WO2015041029A1 (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-26 | 株式会社エクセディ | 振り子式ダンパ装置及びトルクコンバータのロックアップ装置 |
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2009
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