JP2010195985A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法、硬化度評価シート、および硬化度評価システム - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法、硬化度評価シート、および硬化度評価システム Download PDF

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Abstract

【課題】活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を簡便且つ精度高く、定量的に評価する硬化度評価方法、当該硬化度評価方法に用いるための硬化度確認シート、および硬化度評価システムを提供する。
【解決手段】本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する方法であって、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色に基づき当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含み、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性エネルギー線照射によって硬化する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を、簡便且つ精度高く評価する方法、当該方法に用いるための硬化度評価シート、および活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価システムに関する。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線により硬化させることができ、透明性、速硬化性、固定性等の観点から、表面コート剤、接着剤、粘着剤、封止剤、塗料等として多くの産業分野において利用されている。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は透明もしくは半透明であり、目視による活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化状態や品質異常有無の判断は困難である。特に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が接着剤として用いられる場合、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化不良が原因とされる多くの商品クレーム事例が存在する。本来であれば、製品個々での活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を品質検査すべきであるが、有効で現実的な製品品質検査方法がないことが現実である。
このため、従来、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化の際に充分量以上の余分な活性エネルギー線を照射することにより硬化状態を担保してきた。
しかしながら、充分な活性エネルギー線を照射したとしても、塗布部分に活性エネルギー線が照射できているかを確認することはできない。また、活性エネルギー線照射用ランプの劣化、活性エネルギー線照射用ランプの焦点ずれ等の非定常の製造状況を検知することは不可能であった。それゆえに、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化反応状態を確認する方法が要望されている。これまでにも、フーリエ変換赤外分光分析法(以下、FT−IR法と称する)または硬度変化(例えば、ヤング率)を求める方法により樹脂組成物の硬化状態を確認する方法が知られている(「新UV・EB硬化技術と応用展開,p.55,株式会社シーエムシー」の記載を参照)。
FT−IR法は、赤外線を照射し、特定の官能基に基づく赤外線吸収量を測定し、その増減から官能基の転化率を求めることにより、硬化度を測定する分析方法である。
一方、ヤング率を求める方法によると、樹脂組成物のヤング率の変化から硬化度を求めることができる。
しかしながら、上述の確認方法では、精度が不十分であり、かつ、検査の手間やコストがかかるため、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化反応状態をより簡便に確認する方法が求められている。
特許文献1には、紫外線硬化型エポキシ樹脂の硬化の有無をロイコ色素の着色によって目視で確認する方法が開示されている。
特許文献2には、光の照射により粘接着シートの硬化が確実に進行しているか否かを、色変化により目視で容易に確認し得る硬化型粘接着シートについて開示されている。
これらの方法は、樹脂の硬化の有無を色の変化によって目視で確認することができる非常に簡便な方法である。
また、特許文献3には、感光性電着塗料にロイコ色素を含有させることを特徴とするプリント配線板の製造方法について開示されている。ロイコ色素を含有する感光性電着塗料を用いて感光性レジストを形成すれば、レジストを発色させることができるため、パターンマスクどおりにレジストが形成されたことを目視で確認することができ、電着レジストの感光性を損なうことなく製造工程における不良率を低下させることができることが開示されている。
WO2005/100472号パンフレット(2005年10月27日公開) 特開平11−140388号公報(1999年5月25日公開) 特開平2−249296号公報(1990年10月5日公開)
特許文献1から3に記載の確認方法では、樹脂組成物の色の変化を目視で確認しているにすぎない。特許文献3には、レジストがパターンマスクどおりに形成されたことを確認できることについては開示されているが、所望のパターンマスクが形成されているか否かということは硬化状態とは全く無関係であるため、レジストの硬化状態を評価することに関しては全く問題とされていない。
特許文献1または2に記載の目視による確認では、硬化の有無を確認することはできるが、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化反応性(以下、硬化度とも言う)自体を定量化することができないという問題を有している。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を定量的に評価することは、製品の品質を担保するのみならず、製品の製造工程の最適化を計る上で非常に重要である。
また、FT−IR法およびヤング率を求める方法は活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を定量的に評価することができるものの、評価精度が低く実用化に至っていないという問題を有している。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を簡便且つ精度高く、定量的に評価できる評価方法、当該評価方法に用いるための硬化度確認シート、および硬化度評価システムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を簡便且つ精度高く、定量的に評価できる評価方法について鋭意検討を行った。その結果、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物にロイコ染料を配合することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化を色の変化で確認することができることを見出した。また、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の表色値と硬化度とが相関することを発見し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の表色値を測定することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を簡便且つ精度高く、定量的に評価することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する方法であって、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色に基づき当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含み、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含むことを特徴としている。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法(以下、単に「硬化度評価方法」ともいう)では、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いるので、活性エネルギー線照射によってラジカル重合開始剤から発生するラジカルにより、ラジカル重合化合物の重合反応(主鎖反応や架橋反応など)を生じ、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は硬化する。
ロイコ染料を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線照射前には無色であるが、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線が照射され、ラジカル重合開始剤からラジカルが供給されると、含まれるロイコ染料においてイオン化反応が起こり、当該ロイコ染料が青色に着色する。かかる着色反応は不可逆的な反応であるので、活性エネルギー線照射履歴を記録しておくことができる。
発生したラジカルの量と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度とには相関関係がある。また、発生したラジカルの量とロイコ染料の着色度とは相関している。つまり、ロイコ染料の着色度を通じて、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含まれるラジカル重合化合物の重合度を直接的に確認することができる。
図1は、活性エネルギー線として紫外線を照射した場合の紫外線照射時間の長さ(秒)に対する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色度の変化を示す図である。図1に示すように、紫外線照射時間の長さに応じてロイコ染料を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色度は変化する。なお、図1に記載されている0.5s〜150sは紫外線照射時間(秒)を表す。また、紫外線照射時間の長さと活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度との間には相関がある。このため、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色度から活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが可能となる。
本発明にかかる硬化度評価方法によれば、製品の硬化品質を簡便に評価することができる。また、活性エネルギー線を照射するランプの劣化や照射位置の変動などの通常確認し難い製造変動をリアルタイムで検知できる。さらに、効率のよい活性エネルギー線照射方法の検討等の、製造工程の最適化が容易になる。
また、従来の確認方法は、評価精度が低いという問題を有していたが、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法によれば、後述する実施例に示すように硬化度の評価精度が高いため、評価結果の信頼性が高い。
また、特許文献2に記載の硬化型粘接着シートでは、シートの硬化の程度をシートの透過率で示しているが、例えば、白濁した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物やフィラー混合した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物では透過率が低くなるため、評価精度が大きく低下する。一方、本発明にかかる硬化度評価方法では、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色、一例として、反射光を利用した表色値から硬化度を評価するため、白濁した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物やフィラー混合した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物においても評価精度が低下する虞がない。従って、本発明にかかる硬化度評価方法は、表色値から硬化度を評価する点で特許文献2に記載の透過率で評価する方法とは異なっており、得られる効果も非常に優れている。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記ロイコ染料は、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマカライトグリーン、ロイコクリスタルバイオレットラクトン、ロイコキニザリン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2’−(2−クロロアニリノ)−6’−(ジブチルアミノ)フルオラン、および3’6’−ビス(ジメチルアミノ)−2−(4−ニトロフェニル)スピロ[イソインドール−1,9’−キサンテン]−3−オンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
上記構成によれば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色変化が大きいため硬化度を精度よく評価することができる。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記ラジカル重合化合物は、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、およびアリルエーテルからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
上記構成によれば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化反応性が高いため、硬化時間を短くすることができる。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色と基準色とを比較することにより当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色と基準色との比較を行い、硬化度を目視で判断することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が一定以上の硬化度であるかについて簡便に評価することができる。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の表色値を測定することにより当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。
表色値とは、色を定量的に表したものであり、例えば、色差計を用いて測定することができる。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の表色値を測定し、得られた表色値と硬化状態との相関関係から硬化度を求めることにより、硬化の有無のみならず、硬化の程度を定量的に把握することが可能となる。また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の表色値を測定するだけで、硬化度を数値化できるため、製品の品質評価を容易に行うことができる。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価部分が、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布対象部分以外に設けてあることが好ましい。
実際の製品においては、塗布対象部分が不定形で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を評価することが困難な場合がある。そこで、例えば、塗布対象部分以外の場所に、引き込み部分、つまり、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布対象部分以外の場所に塗布した部分を作製し、検査しやすい部分を設けることにより、不定形なサンプルであっても容易に硬化度を評価することができる。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、さらに無機充填剤を含むことが好ましい。
無機充填剤をさらに含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は全体的に白濁するため、透明な樹脂組成物のみの場合より活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色の変化を目視で確認し易くなり、硬化度の評価を容易に行うことができる。また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の剛性が向上するという効果もある。さらに、硬化後の樹脂の収縮が軽減されるという効果もある。
本発明にかかる硬化度評価システム(以下、単に「硬化度評価システム」とも言う)は、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する硬化度評価システムであって、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段と、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位における色を測定し、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する硬化状態確認手段とを備えることを特徴としている。
本発明にかかる硬化度評価システムは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させつつ自動的に硬化度を評価することができる。従って、硬化不良品を少なくすることができる。
本発明にかかる硬化度確認シート(以下、単に「硬化度確認シート」とも言う)は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するための硬化度確認シートであって、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む薬液が、シート状に成形された透明樹脂材料に塗布されてなることを特徴としている。
本発明にかかる硬化度確認シートは、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む薬液が、シート状に成形された透明樹脂材料に塗布されてなる。上記構成によれば、活性エネルギー線照射により発生したラジカルの量によって硬化度確認シートが着色されるため、上記硬化度確認シートの着色の程度を調べれば、同時に活性エネルギー線照射された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を間接的にではあるが、簡便かつ迅速に評価するための手段となりうる。
本発明にかかる硬化度確認シートは、さらに、塗布された上記薬液を半硬化させてなるものであってもよい。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する方法であって、請求項9または10に記載の硬化度確認シートと活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布部分とに同時に活性エネルギー線照射を行う工程と、上記硬化度確認シートの色に基づき上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含むことを特徴としている。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記硬化度確認シートの色と基準色とを比較することにより上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。
また、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法では、上記硬化度確認シートの表色値を測定することにより上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。
上記構成によれば、硬化度確認シートの着色の程度を調べれば、同時に活性エネルギー線照射された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を間接的にではあるが、簡便かつ迅速に評価することができる。また、上記硬化度確認シートの表色値の測定が容易であるため、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価が容易である。従って、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価を行う際に、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布する部位の形状の制約を受け難い。
また、酸素存在下で活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させた場合、発生したラジカルが酸素によって捕捉されるため、外気に触れている表層のみ、樹脂組成物の硬化が進まず、樹脂組成物の未硬化による表面タックが発生する場合がある。一実施形態において、上記硬化度確認シートを樹脂組成物表面に乗せた状態で樹脂組成物を硬化させれば、樹脂組成物が酸素と接触する部分がなくなる。これにより、酸素による樹脂組成物の硬化阻害を低減し、樹脂表面の未硬化による表面タックを低減させることができる。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法は、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色に基づき当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含み、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含むことを特徴としている。そのため、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を簡便且つ精度高く、定量的に評価することができるという効果を奏する。
本発明にかかる硬化度評価システム(以下、単に「硬化度評価システム」とも言う)は、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段と、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位における色を測定し、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する硬化状態確認手段とを備えることを特徴とすることを特徴としている。本発明にかかる硬化度評価システムは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させつつ自動的に硬化を評価することができる。従って、硬化不良品を少なくすることができるという効果を奏する。
本発明にかかる硬化度確認シートは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するための硬化度確認シートであって、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む薬液が、シート状に成形された透明樹脂材料に塗布されてなることを特徴としている。そのため、上記硬化度確認シートの着色の程度を調べれば、同時に活性エネルギー線照射された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を間接的にではあるが、簡便かつ迅速に評価するための手段となりうるという効果を奏する。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において、紫外線照射時間の長さ(秒)に対する着色度の変化を示す図である。 紫外線照射時間とX、Y、およびZの各表色値から算出した硬化度との関係を示すグラフである。 紫外線照射時間とFT−IR法を用いて測定した硬化度の関係を示すグラフである。 各紫外線照射時間における活性エネルギー線硬化型樹脂組成物硬化物の硬化度を示すグラフである。 本発明にかかる硬化度確認シートを用いた活性エネルギー線硬化度評価方法の概略を示す図である。 本発明の実施形態を示す図であり、硬化度評価システムの概略を示す図である。 本発明の実施形態を示す図であり、(a)は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するために、塗布対象部分以外の場所に引き込み部を設けた部材を模式的に示す図である。(b)は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するために、内部の塗布対象部分の着色の程度を確認できるように、部材の一部にのぞき窓を設けた部材を模式的に示す図である。 実施例2から7で得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において、紫外線照射時間と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を示す図である。
本発明の実施の形態について説明すれば以下のとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、本明細書中において範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。
〔1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法〕
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することを目的としている。かかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線照射前においては主に液体である一方、活性エネルギー線照射後においては固体に硬化する。本明細書において、「活性エネルギー線硬化型樹脂組成物」とは、その状態(活性エネルギー線照射前の液体状態、もしくは活性エネルギー線照射後における固体状態)にかかわらず総称的な意味で用いる。また、本発明にかかる硬化度評価方法の評価対象となる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、例えば、表面コート剤、接着剤、粘着剤、封止剤、塗料等として用いることができるが、本発明の評価対象はこれらに限定されない。
また、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。中でも、常圧で使用できるという理由から、活性エネルギー線として紫外線を用いることがより好ましい。
一実施形態において、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法(以下、単に「硬化度評価方法」とも言う)は、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色に基づき当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含み、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む。
別の一実施形態において、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法は、本発明にかかる硬化度確認シートと活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布部分とに同時に活性エネルギー線照射を行う工程と、上記硬化度確認シートの色に基づき上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含む。
そこで、以下に、「活性エネルギー線硬化型樹脂組成物」、「硬化度確認シート」、および「活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法」について詳細を説明する。
(1−1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物)
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法で用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む。
なお、本明細書において「ラジカル重合化合物」とは、活性エネルギー線照射によってラジカル重合開始剤から発生したラジカルと反応して付加重合しうる化合物をいい、モノマーであってもよいし、オリゴマーやポリマーであってもよい。なお、モノマーは、単量体とも呼ばれ、重合反応によってポリマー(重合体)を合成する場合の原料となる状態を指す。一方、オリゴマーは、低重合体とも呼ばれ、重合度が2〜20程度の比較的重合度の低い状態を指す。
上記ラジカル重合化合物としては、特に限定されるものではないが、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、およびアリルエーテルからなる群より選ばれることが好ましい。
上記「アクリレート」としては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタリレート、ωカルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタリレート、ペンタエリスリトールテトラメタリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート等を挙げることができる。
上記「メタクリレート」としては、例えば、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、ωカルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルメタクリレート、ヘキサヒドロフタル酸モノヒドロキシエチルメタクリレート、ビスフェノールAEO変性ジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタリレート、ペンタエリスリトールテトラメタリレート、ジメチロールプロパンテトラメタクリレート等を挙げることができる。
上記「ビニルエーテル」としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル等を挙げることができる。
上記「アクリルエーテル」としては、例えば、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等を挙げることができる。
上述したラジカル重合化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ラジカル重合化合物の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して、10重量%〜99.5重量%であることが好ましく、20重量%〜99.5重量%であることがさらに好ましい。ラジカル重合化合物の含有量が10重量%以上であることにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を充分に硬化させることができる。
上記「ロイコ染料」としては、通常は無色または淡色であり、活性エネルギー線照射によってラジカル重合開始剤から発生したラジカルと反応して着色される物質であれば特に限定されるものではなく、着色される色に関しても特に限定されるものではないが、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマカライトグリーン、ロイコクリスタルバイオレットラクトン、ロイコキニザリン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2’−(2−クロロアニリノ)−6’−(ジブチルアミノ)フルオラン、および3’6’−ビス(ジメチルアミノ)−2−(4−ニトロフェニル)スピロ[イソインドール−1,9’−キサンテン]−3−オンからなる群より選ばれることが好ましい。
上述したロイコ染料は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ロイコ染料の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して、0.001重量%〜10重量%であることが好ましく、0.01重量%〜3重量%であることがさらに好ましい。ロイコ染料の含有量が0.001重量%以上であることにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色を容易に確認することができる。また、含有量が10重量%以下であることにより、色の変化を確認しやすくすることができるため好ましい。
上記「ラジカル重合開始剤」としては、光重合開始剤および熱重合開始剤が挙げられるが、本発明においては、光重合(光硬化)反応に用いられる光重合開始剤を用いるものとする。
当該「光重合開始剤」としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(例えば、商品名:ルシリンTPO、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロペン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロペン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、トリフェニルスルホニルトリフレート、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルーフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン等を挙げることができる。
上述したラジカル重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ラジカル重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して、0.01重量%〜10重量%であることが好ましく、0.1重量%〜5重量%であることがさらに好ましい。ラジカル重合開始剤の含有量が0.01重量%以上であることにより、ラジカル重合反応を充分に起こさせることができる。また、含有量が10重量%以下であることにより、活性エネルギー線の透過率が低下することによるラジカル発生量の低下を抑制することができるため好ましい。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、上述したラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤以外に、さらに無機充填剤を含むことが好ましい。無機充填剤をさらに含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は白濁するため、かかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いれば、色の変化を確認しやすくなる。また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の剛性が向上するという効果もある。さらに、硬化後の樹脂の収縮が軽減されるという効果もある。
上記「無機充填剤」としては、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、ガラスビーズ等を挙げることができる。
上述した無機充填剤は、1種類を単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記無機充填剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量に対して、5重量%〜90重量%であることが好ましく、30重量%〜85重量%であることがさらに好ましい。無機充填剤の含有量が5重量%以上であることにより、得られる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が白濁し、ロイコ染料の着色を確認することが容易になる。また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の剛性が向上する。さらに、硬化後の樹脂の収縮が軽減される。一方、含有量が90重量%以下であれば、色の変化を確認しやすくすることができるため好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、上述したラジカル重合化合物、ロイコ染料、ラジカル重合開始剤、および無機充填剤以外に有機溶媒やシランカップリング剤等を含んでいてもよい。
(1−2.硬化度確認シート)
本発明にかかる硬化度確認シートは、活性エネルギー線照射によって硬化する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するために用いられるシートである。当該硬化度確認シートは、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む薬液が、シート状に成形された透明樹脂材料に塗布されてなる。
上記「ラジカル重合化合物」、上記「ロイコ染料」、および上記「ラジカル重合開始剤」については、「1−1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物」で説明したとおりである。
上記硬化度確認シート作製のために用いられる上記薬液は、上述したラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤以外に有機溶媒、ポリマー、無機充填剤、シランカップリング剤等を含んでいてもよい。硬化度確認シートを半硬化させて用いる場合に、硬化度確認シート作製のために用いられる上記薬液にポリマーと有機溶媒とが含まれていれば、硬化度確認シートを容易に半硬化させることができる。
上記「シート状」とは、薄膜状のことをいい、「フィルム状」と同義である。上記「透明樹脂材料」とは、透明樹脂からなる材料であれば特に限定されるものではない。例えば、PET、PP、ポリエステル、ナイロン等を挙げることができる。上記「シート状に成形された透明樹脂材料」とは、上述した透明樹脂が薄膜状に成形された材料を指す。
上記「シート状に成形された透明樹脂材料」としては、活性エネルギー線を透過できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、PETシート、PPシート、ポリエステルシート、ナイロンシート等を用いることができる。これらのPETシート、PPシート、ポリエステルシート、またはナイロンシート等は、市販のものを用いることができる。また、上記透明樹脂材料の厚みも特に限定されるものでない。例えば、10μm〜5mmの厚みを有する透明樹脂材料を用いることができる。なお、上記透明樹脂材料の厚みはできるだけ均一であることが好ましい。
上記薬液の塗布方法としては、上記シート上に均一な厚みで塗布できる限り特に限定されるものではなく、例えば、従来公知のスクリーン印刷、グラビア印刷、スプレーコートディッピング等を用いて均一な厚みで塗布することができる。
塗布される薬液の厚みとしては、1〜300μmであることが好ましく、10〜150μmであることがさらに好ましい。この範疇であれば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化を阻害することなく、硬化度確認シートの色の変化を確認することができる。
上記硬化度確認シートは、さらに、塗布された上記薬液を半硬化させてもよい。なお、本明細書中において、「半硬化」とは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、さらなる活性エネルギー線照射に反応し、且つ硬化する余地を残しながらも、樹脂組成物の流動性はほとんどない状態を指す。
上記「半硬化」の方法としては、例えば、薬液が塗布されたシートを加熱する方法がある。加熱温度としては、40〜150℃であることが好ましく、40〜80℃であることがさらに好ましい。また、その他の半硬化の方法として、極微量の活性エネルギー線を照射してもよい。例えば、活性エネルギー線として紫外線を照射する場合、紫外線の照度は0.5〜20mWであることが好ましく、照射時間は0.1〜20sであることが好ましい。紫外線以外の活性エネルギー線が用いられる場合も、半硬化に適した照射条件を適宜検討の上、採用すればよい。
(1−3.硬化度評価方法)
本発明にかかる硬化度評価方法では、上述した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、または本発明にかかる硬化度確認シートを用いて活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価を行う。以下に、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた硬化度評価方法、および硬化度確認シートを用いた硬化度評価方法について詳細を説明する。
(i)活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた硬化度評価方法
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた硬化度評価方法は、「1−1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物」で説明した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用い、当該樹脂組成物の色に基づき硬化度を評価する方法である。本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、例えば、紫外線照射により着色される。よって、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を調べれば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化の程度を簡便、且つ迅速に評価することができる。
一実施形態において、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色と基準色とを比較することにより活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。ここで、基準色とは、様々な硬化度について予め作製した色見本のことを指す。図1に示すように、紫外線の照射時間、すなわち活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色との間には相関関係があるため、色見本と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色とを目視で比較することにより、樹脂組成物の硬化度を簡便に評価することができる。
なお、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の組成、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化条件等によって、硬化度と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色との相関が異なる可能性があるため、硬化度の評価が求められている活性エネルギー線硬化型樹脂組成物についての色見本を作製し、当該色見本との比較を行うことにより、より正確な硬化度を評価することができる。
別の一実施形態において、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の表色値を測定することにより当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。ここで、表色値を測定される表色系については特に限定されるものではなく、例えば、La*b*表色系、Lu*v*表色系、xyY表色系、RGB表色系等を挙げることができる。
これらの表色系の表色値は、硬化状態確認手段、例えば、色差計を用いて測定することができる。
硬化度と表色値との関係を示す検量線を作製すれば、当該検量線を元に、表色値から硬化度を定量的に算出することができる。かかる方法によれば、目視での色の確認よりもより精度が高く、定量的に硬化度を評価することができる。
例えば、活性エネルギー線照射0.5秒後のX、Y、およびZの各表色値をそれぞれ硬化度0%、活性エネルギー線照射150秒後のX、Y、およびZの各表色値をそれぞれ硬化度100%であると仮定すると、活性エネルギー線照射t秒後のXの表色値がXであった場合、活性エネルギー線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価式は下記式(1)で表すことができる。YおよびZに関しても同様に硬化度を求めることができる。
硬化度(%)=|(X−X0.5)/(X150−X0.5)|×100 ・・・ (1)
さらに別の一実施形態において、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価部分が、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布対象部分以外に設けてあることが好ましい。
ここで、上記「硬化度評価部分」とは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を色に基づき評価する部分を指す。また、「塗布対象部分」とは、目的を達成するために活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が塗布される部分のことを指す。例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が接着剤として用いられる場合は、上記「塗布対象部分」は、部材同士を接着する目的で活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が塗布される部分を指す。また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が封止剤として用いられる場合は、上記「塗布対象部分」は、部材の一部を封止する目的で活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が塗布される部分を指す。
なお、上記「目的」とは、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が接着剤として用いられる場合は、部材同士を接着することを指すが、本発明の硬化度評価方法では、上記「塗布対象部分」において上記「目的」が達成されているかどうかは問題とされない。すなわち、本発明は、硬化度を評価することを目的としているので、例えば活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を接着剤として用いる場合に、実際に所望の接着効果が得られているかどうかは問わない。
また、「活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価部分が、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布対象部分以外に設けてある」とは、目的以外の部分に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が塗布されている状態を指す。
図7を参照しながら一例を説明する。図7(a)は、本発明の一実施形態を示す図であり、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するために、塗布対象部分以外の場所に引き込み部を設けた部材を模式的に示す図である。塗布対象部分22以外の場所に上記「硬化度評価部分」として引き込み部21が設けられている。塗布対象部分が不定形で、硬化度を正確に評価することが困難な場合であっても、検査しやすい部分に引き込み部21を設けることにより活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価を容易に行うことができる。
図7(b)は、本発明の別の一実施形態を示す図であり、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するために、内部の塗布対象部分の着色の程度を確認できるように、部材の一部にのぞき窓を設けた部材を模式的に示す図である。図7(b)において、上記「塗布対象部分」とは、部材Aと部材Bとの接着部分を指す。図7(b)のような塗布対象部分の色を直接評価することは難しい。そこで、部材Aにのぞき窓23を作成することによって、内部の塗布対象部分の着色の程度を確認することができるため、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価を容易に行うことができる。
なお、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線照射により硬化させることが出来る。また、活性エネルギー線照射により着色される。それ故、例えば、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を接着剤として用いる場合、接着される部材の内の少なくとも1つは、上記石英や有機材料等の活性エネルギー線を透過することの出来る材質を有する材料(以下、「透過性材料」と称する)であることが好ましい。これにより、透過性材料を通して活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することができ、且つ活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を容易に確認することができる。図示しないが、例えば、透明の透過性材料を接着用の部材の一つとして用いれば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色を透明部材側から直接確認することができる。
上記透過性材料として、例えば、石英、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、透明ポリイミド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(ii)硬化度確認シートを用いた硬化度評価方法
硬化度確認シートを用いた硬化度評価方法は、「1−2.硬化度確認シート」で説明した硬化度確認シートと活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布部分とに同時に活性エネルギー線照射を行う工程と、上記硬化度確認シートの色に基づき上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含む方法である。
本発明にかかる硬化度確認シートは、活性エネルギー線照射により着色される。よって、上記硬化度確認シートの着色の程度を調べれば、同時に活性エネルギー線を照射されたロイコ染料を含有しない活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を間接的にではあるが、簡便、且つ迅速に評価することができる。
上記「活性エネルギー線照射を行う工程」において、硬化度確認シートを置く場所については、当該硬化度確認シートと評価対象となる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物塗布部分とに同時に活性エネルギー線照射を行うことができる限り特に限定されるものではない。例えば、硬化度確認シートを、評価対象となる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物塗布部分の上に置いてもよいし、下に置いてもよい。後述する実施例に示すように、活性エネルギー線照射により着色した硬化度確認シートは活性エネルギー線を透過することができるため、硬化度確認シートを活性エネルギー線ー線硬化型樹脂組成物の塗布部分の上に置いた場合であっても、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化阻害を起こす懸念は小さいと考えられる。
中でも、上記硬化度確認シートを樹脂組成物塗布部分の上に置いた状態で樹脂組成物を硬化させれば、樹脂組成物が酸素と接触する部分がなくなる。これにより、酸素による樹脂組成物の硬化阻害を低減し、樹脂表面の未硬化による表面タックを低減させることができるため好ましい。
硬化度確認シートの組成と硬化度の評価対象となるロイコ染料を含まない活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の組成が異なる場合、同じ条件で活性エネルギー線を照射したとしても、硬化反応の状態が異なることが考えられ、硬化度を正確に評価することが難しいため、かかる硬化度評価方法に用いられる硬化度確認シートとしては、ロイコ染料、有機溶媒、ポリマーを含有することを除いては、硬化度の評価対象となるロイコ染料を含まない活性エネルギー線硬化型樹脂組成物と同じ組成のものを用いることが好ましい。
一実施形態において、上記硬化度確認シートの色と基準色とを比較することにより上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。上記硬化度確認シートの色と基準色とを比較する方法、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価方法については、「1−3.硬化度評価方法」の「(i)活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた硬化度評価方法」で上述したとおりである。
別の一実施形態において、上記硬化度確認シートの表色値を測定することにより上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することが好ましい。測定される表色値の種類、測定方法、硬化度の評価方法については、「1−3.硬化度評価方法」の「(i)活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いた硬化度評価方法」で上述したとおりである。
〔2.硬化度評価システム〕
本発明にかかる硬化度評価システムは、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化を行いつつ、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を自動的に評価することができるシステムである。
よって、本発明にかかる硬化度評価システムは、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段と、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位における色を測定し、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する硬化状態確認手段とを備えている。
上記「照射手段」としては、活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性化エネルギー線を照射することができる限り特に限定されるものではない。上記「活性エネルギー線」としては、特に限定されるものではなく、例えば、紫外線、電子線等を挙げることができる。中でも、常圧で使用できるとの理由から、紫外線を用いることがより好ましい。
上記「硬化状態確認手段」としては、活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位における色を測定し、当該活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することができる限り特に限定されるものではない。上記「色」を測定する方法としては、例えば、色差計を用いて活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物の表色値を測定することができる。なお、上記「硬化状態確認手段」には、測定された色に基づき活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する評価手段を含んでいてもよい。
本発明にかかる硬化度評価システムは、上述した「照射手段」および「硬化状態確認手段」以外にも上記硬化状態確認手段からの光が当たるように位置を制御するための位置制御装置、硬化度を評価された活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物の合否を判定し、合格品または不合格品に分類するための表示装置や仕分け装置等がさらに備えられていてもよい。
以下に上記硬化度評価システムの一実施形態について、図6を参照しつつ説明する。図6は、本発明にかかる上記システム100の一例の概略を示す模式図である。上記システム100は、図6に示すように、光源(照射手段)10、位置制御装置(位置制御手段)11、色差計(硬化状態確認手段)12、検査ソフト(評価手段)13、仕分け装置(分別手段)14、ステージ15を備えており、ステージ15上には検査対象である評価サンプル16が載置されている。
本発明にかかる硬化度評価システムには、活性化エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性化エネルギー線を照射する光源(照射手段)10が備えられている。一実施形態において、活性化エネルギー線として紫外線が用いられる場合は、上記「光源」としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド灯、LED灯、カーボンアーク灯、キセノン灯等があるが、これらに限定されるものではない。
上記光源から照射される紫外線の照射量としては、モノマー組成物の成分構成によっても異なるが、通常、10〜10000mW/cmであることが好ましい。
また、照射される上記紫外線の波長範囲は、特に限定されるものではないが、100〜700nmであることが好ましく、200〜500nmであることがより好ましい。
また、他の一実施形態において、活性化エネルギー線として電子線が用いられてもよい。電子線が用いられる場合は、上記「光源」としては、例えば、コッククロフト型、コッククロフトワルトン型、パンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型、エレクトロンカーテン型等の各種の電子線加速器を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
位置制御装置(位置制御手段)11は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位に色差計(硬化状態確認手段)12からの光が当たるように位置を制御するための機器である。位置制御装置(位置制御手段)11は、図示しないが、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位を認識する画像認識装置と、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位に色差計12の光が当たるように、ステージ15にのせられた評価サンプル16を水平方向に移動させる移動手段とを備えている。
色差計(硬化状態確認手段)12は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位における表色値を測定するためのものである。色差計(硬化状態確認手段)12は、例えば、上部から入射した紫外線を評価サンプル16の評価対象部分に当て、その反射光から上記表色値を測定する。上記「硬化状態確認手段」としては、上記表色値を測定することができる限り、特に限定されるものではない。例えば、色差計の他、分光光度計、色彩輝度計等を好適に用いることができるが、これらに限定されるものではない。
検査ソフト(評価手段)13は、色差計12を用いて測定された表色値に基づき活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価し、結果を仕分け装置(分別手段)14に伝達するためのものである。上記「評価手段」としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色と基準色とに有意に差があるか表色値によって判別する、または活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の表色値が、樹脂組成物の硬化度と基準色との相関から予め定められた基準値内であることを判断するような機能を備えたソフトを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
仕分け装置(分別手段)14は、検査ソフト(評価手段)13によって硬化度を評価された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の合否を判断し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を合格品または不合格品に分類するためのものである。具体的には、合格品と不合格品を仕分けする機能を備えていることが好ましい。上記「分別手段」としては、合否品を仕分けするような機能があれば、特に限定されるものではない。
なお、本発明に係る硬化度評価システムにおいて評価される活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、本発明にかかる硬化度確認シートも含まれる。例えば、硬化度評価システムにおいて上記硬化度確認シートを用いる場合は、硬化状態確認手段によって硬化度確認シートの表色値を測定し、測定された表色値に基づき硬化度確認シートの硬化度を評価する。硬化度確認シートの評価結果から硬化度の合否を判定することで、かかる硬化度確認シートと同時に活性エネルギー線を照射されたロイコ染料を含まない活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の合否を間接的に判断することができる。
〔4.硬化度確認シート〕
本発明にかかる硬化度確認シートについては、上記「1−2.硬化度確認シート」で説明したとおりである。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
〔実施例1〕
<本発明にかかる硬化度測定法による硬化度の評価>
〔1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製〕
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として、表1に示す化合物を合計100重量%となるように混合した薬液を調製し、当該薬液をガラス基板上に適量を塗布した後に、50μmのシックネスゲージを介してスライドガラスを置き、水銀灯を用いて20mW/cmで60秒間、紫外線照射を行い、スライドガラス上にF.T.50μmの活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物を得た。
〔2.硬化度の評価〕
(2−1.硬化状態の目視確認)
(目視確認方法)
活性エネルギー線照射時間を、各5秒、40秒、60秒、80秒とした以外は、「1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製」と同様の方法で目視確認用の比較サンプルを作製した。
「1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製」で得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物(以下、「対象サンプル」と称する)と上述した各比較サンプルとについて、色の濃さを目視で判別した。結果を表2に示す。表2では、比較サンプルの色が対象物サンプルの色以上に濃い場合は○、比較サンプルの色が対象物サンプルの色より薄い場合は×と表した。
目視確認の結果、活性エネルギー線照射時間が短い5秒と40秒の比較サンプルでは、目視判断であっても、対象サンプルよりも活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度が低く、活性エネルギー線硬化性が劣ることが確認できた。つまり、活性エネルギー線照射時間の差が20秒程度であったとしても、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を比較することにより活性エネルギー線硬化状態の違いを目視で確認することが可能であった。この結果から、製造現場で起こる様々な要因による不良品を正確に判別できることが確認できた。実際の製造現場では活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化不足が不具合の主要因であるため、硬化状態の合格品見本の色との比較によって、商品個々での活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化状態を確認することが可能となった。
(2−2.表色値測定による硬化状態の評価)
(表色値測定方法)
〔1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製〕で得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物について、色差計(型番:分光測色計CM−3600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)を用い、反射測定モードでxyz表色系のX、Y、およびZの各表色値を測定した。表3に各紫外線照射時間における活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物のX、Y、およびZの各表色値を示す。
次に、得られたX、Y、およびZの各表色値から硬化度の評価を行った。〔発明を実施するための形態〕の(1−3.硬化度評価方法)において説明したように、紫外線照射0.5秒後のX、Y、およびZの各表色値をそれぞれ硬化度0%、紫外線照射150秒後のX、Y、およびZの各表色値をそれぞれ硬化度100%であると仮定する。例えば、紫外線照射t秒後のXの表色値がXであった場合、紫外線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化度の評価式は下記式(1)で表すことができる。YおよびZに関しても同様に硬化度を求めることができる。
硬化度(%)=|(X−X0.5)/(X150−X0.5)|×100 ・・・ (1)
表3に示す各紫外線照射時間におけるX、Y、およびZの硬化度を算出した。結果を図2に示す。図2は、紫外線照射時間とX、Y、およびZの各表色値から算出した硬化度との関係を示すグラフである。
X、Y、およびZの各表色値から算出した硬化度について、いずれも紫外線照射時間の長さに応じて硬化度がなだらかに上昇していることを確認することができた。
〔3.測定精度の評価〕
次に、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化度の測定方法の測定精度について評価を行った。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物として、表1に示す化合物を合計100重量%となるように混合した薬液を調製し、当該薬液をガラス基板上に適量を塗布した後に、50μmのシックネスゲージを介してスライドガラスを置いて、20mW/cmで紫外線照射を行った。10秒間または60秒間紫外線照射を行い、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させ、測定精度評価用のサンプル1を得た。同様にして測定精度評価用のサンプル2〜5を得た。得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物のサンプル1〜5について、X、Y、およびZの各表色値を測定した。なお、サンプル1〜5の標準偏差(3σ)は、サンプル1〜5についてのX,Y,Zそれぞれの測定結果の標準偏差を3倍することによって求めた。
サンプル1〜5についてそれぞれのX、Y、およびZの各表色値の3σの値から、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の測定方法を用いて得られた測定結果にはばらつきが少ないことが明らかになった。
さらに、表4のX、Y、およびZの各表色値について、上記式(1)を用いて上記表色値を硬化度に換算した結果を表5示す。
表5に示すように、得られたX、Y、およびZの各硬化度の測定精度を示す3σの値は、後述する比較例1(FT−IR法)および比較例2(ヤング率)を求める方法を用いて得られた硬化度の3σの値と比較して、いずれも非常に小さかった。よって、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の測定方法は、比較例1および比較例2の測定方法と比較して、精度高く硬化度を評価できることが証明された。これまで、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度については未評価であったことに対し、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度測定方法は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化工程の実用的な品質評価に十分な精度を有していることを確認することができた。
〔比較例1〕
<FT−IR法による硬化度の評価>
〔1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製〕
実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物を作製した。
〔2.硬化度の評価〕
(FT−IR法)
〔1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製〕で得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物について、FT−IR法を用いて活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価を行った。本実施例においては、紫外線照射0秒後の未硬化の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物および紫外線照射時間をそれぞれ変えて硬化させて得られた硬化物について、ゴールデンゲートダイヤモンドATRを付属したFT−IR(型番:system2000、パーキンエルマー社製)により、C=C基由来の吸光度ピーク(1630cm−1)とC=O基由来の吸光度ピーク(1730cm−1)とについて、ピーク面積を測定した。
紫外線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化反応の反応率(A)は、紫外線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物のC=O基に関するピーク面積(以下、t秒後のC=Oピーク面積と表す。)で規格化された紫外線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物のC=C基に関するピーク面積(以下、t秒後のC=Cピーク面積と表す)から算出した。つまり、下記式(2)を用いて求めた。
反応率(A)=t秒後のC=Cピーク面積/t秒後のC=Oピーク面積 ・・・ (2)
次に、紫外線照射0.5秒後の反応率(A0.5)の値を硬化度0%、紫外線照射150秒後の反応率(A150)の値を硬化度100%と仮定して、硬化度を評価した。つまり、FT−IR法を用いた場合、紫外線照射t秒後の反応率がAであった場合、紫外線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化度の評価式は、下記式(3)で表すことができる。
硬化度(%)=|{At−(A150−A0.5)}/(A150−A0.5)|×100 ・・・ (3)
上記式(3)を用いて得られた硬化度の結果を図3に示す。図3は、紫外線照射時間とFT−IR法を用いて測定した硬化度の関係を示すグラフである。
マクロな傾向として、紫外線照射時間に応じて硬化度が増加している様子が伺えるが、局所的に言えば、紫外線照射2秒後から5秒後、および紫外線照射10秒後から30秒後のように、グラフが右下がりになっている部分があり、全体として硬化度を正確に評価できていないことが明らかになった。
〔3.測定精度の評価〕
次に、実施例1と同様に評価精度の確認を行った。紫外線照射時間が10秒、または60秒の測定精度評価用のサンプル1〜5をそれぞれ作製し、上記式(3)を用いて硬化度の評価を行った。硬化度の算出のために必要なA150およびAは、硬化度評価のデータを用いた。サンプル1〜5の硬化度を表6にす。
これより、FT−IR法を用いて測定した硬化度の評価精度は非常に悪く、安定した品質管理が困難であることが明らかになった。これは、C=CおよびC=Oのピーク面積を測定する際に、吸光度のブロードなピークから面積を算出しなければならないため、測定誤差が大きい。また、FT−IR法の測定感度も硬化度を評価するには十分とは言えない。以上の点から、FT−IR法による硬化度の評価方法は、本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法と比較して大きく劣ると考えられる。
〔比較例2〕
<ヤング率測定による硬化度の評価>
比較例1で行ったFT−IR法と同様に一般的な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度の評価方法として、ヤング率の大きさによって硬化物の硬化度を評価した。
〔1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製〕
実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物を作製した。
〔2.硬化度の評価〕
(ヤング率測定法)
「1.活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の作製」で得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物について、ヤング率を測定した。当該ヤング率は、従来公知の方法を用いて測定することができる(「新UV・EB硬化技術と応用展開,p.55,株式会社シーエムシー」の記載を参照)。本実施例においては、フィッシャー硬度計(型番:WIN−HCU、株式会社フィッシャーインストルメンツ製)を用いて、ビッカース圧子にて、荷重増加モードで、速度1mN/sで針入および引き抜きを行うことにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物のヤング率の測定を行った。
硬化度の算出は、紫外線照射0.5秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物のヤング率(E0.5)を硬化度0%、紫外線照射150秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物のヤング率(E150)を硬化度100%と仮定する。紫外線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物のヤング率をEとすると、紫外線照射t秒後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化度は下記式(4)で表すことができる。
硬化度(%)=(E−E0.5)/(E150−E0.5)×100 ・・・ (4)
上記式(4)を用いて算出した結果を図4に示す。図4は、各紫外線照射時間における活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化度示すグラフである。
図4に示すように、紫外線照射時間に応じて硬化度が変化しているものの、局所的に矛盾する結果が得られた。これは硬度計の測定誤差によるもので改善は難しい。本発明にかかる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価方法の評価精度と比較すると、ヤング率を測定する方法も大きく精度が劣るものと考えられる。
〔3.測定精度の評価〕
次に、実施例1と同様に評価精度の確認を行った。紫外線照射時間が10秒、または60秒の測定精度評価用のサンプル1〜5をそれぞれ作製し、上記式(4)を用いて硬化度の評価を行った。硬化度の算出のために必要なE150およびEは、硬化度評価のデータを用いた。サンプル1〜5の硬化度を表7に示す。
これから、ヤング率を用いた硬化度評価の精度も十分ではなく、本発明にかかる樹脂組成物の硬化度測定方法の精度と比較して、精度が大きく劣ることを確認することができた。
〔実施例2〕
ロイコ染料として、ロイコマカライトグリーンを用い、紫外線照射時間を任意の照射時間とした以外は、実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を作製した。調製した薬液の組成を表8に示す。各紫外線照射時間における実施例2の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を図8に示す。
〔実施例3〕
ロイコ染料として、ロイコクリスタルバイオレットラクトンを、紫外線照射時間を任意の照射時間とした以外は、実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を作製した。調製した薬液の組成を表8に示す。各紫外線照射時間における実施例3の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を図8に示す。
〔実施例4〕
ロイコ染料として、ロイコキニザリンを、紫外線照射時間を任意の照射時間とした以外は、実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を作製した。調製した薬液の組成を表8に示す。紫外線照射時間における実施例4の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を図8に示す。
〔実施例5〕
ロイコ染料として、ベンゾイルロイコメチレンブルーを、紫外線照射時間を任意の照射時間とした以外は、実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を作製した。調製した薬液の組成を表8に示す。各紫外線照射時間における実施例5の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を図8に示す。
〔実施例6〕
ロイコ染料として、2’−(2−クロロアニリノ)−6’−(ジブチルアミノ)フルオランを用い、紫外線照射時間を任意の照射時間とした以外は、実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を作製した。調製した薬液の組成を表8に示す。各紫外線照射時間における実施例6の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を図8に示す。
〔実施例7〕
ロイコ染料として、3’6’−ビス(ジメチルアミノ)−2−(4−ニトロフェニル)スピロ[イソインドール−1,9’−キサンテン]−3−オンを用い、紫外線照射時間を任意の照射時間とした以外は、実施例1と同様の方法により活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を作製した。調製した薬液の組成を表8に示す。各紫外線照射時間における実施例7の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の着色の程度を図8に示す。なお、図8に記載されている0.5s〜150sは紫外線照射時間(秒)を表す。
図8に示すように、実施例2から7において、いずれのロイコ染料を用いた場合においても、紫外線照射時間に応じて色が変化することを確認することができた。これにより、特定の色の着色が好ましくない商品については、代わりに他の色のロイコ染料を用いることで対応することができる。また、濃度に応じて色の変化を調整することもできる。
〔実施例8〕
<樹脂組成物硬化度確認シートの利用>
〔1.硬化度確認シートの作製〕
硬化度確認シート作製用の樹脂として、表9に示す化合物を合計100重量%となるように混合した薬液を調製した。
厚み125μmのPETシート(型番:テトロンフィルムSLタイプ、帝人デュポンフィルム株式会社製)上に上記樹脂を厚みが50μmになるようにスクリーン印刷を行い、その後、60℃ベークを行うことで、シート状に成膜された硬化度確認シートを得た。その後、使いやすい大きさ(3cm×3cm)に切り取った。
〔2.硬化度の評価〕
硬化度確認シートを用いた活性エネルギー線硬化度評価方法の概略を図5に示す。図5は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に紫外線照射をする際の上記硬化度確認シートの配置を表す。
図5に示すように、表9に示す化合物を合計100重量%となるように混合した薬液1をPETシート2にスクリーン印刷し、且つ60℃ベークを行うことで得られた硬化度確認シート5をスライドガラス4上に滴下された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物3の上において紫外線照射を行った。その後、紫外線照射によって変色した硬化度確認シート5を取り外し、色差計(型番:分光測色計CM−3600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて表色値の測定を行った。
あらかじめ、紫外線照射量と、硬化度確認シートの表色値と、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化度との関係を把握しておけば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の硬化度を把握することができる。また、この方法によれば、製品を直接検査する必要が無いので、検査時のハンドリングおよびスループットの面で非常に有利な検査方法となる。また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布部分に色を付けたくない商品に適当な方法である。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の上に配置した硬化度確認シートの色の変化によって、紫外線の透過率が減少することが懸念された。しかしながら、20mW/cmで150秒間紫外線照射を行った後の硬化度確認シートでは、実施例1の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物と同様の色の変化が見られたが、この硬化度確認シートにおける365nmの波長の紫外線透過率は98.3%であった。この結果から、本発明にかかる硬化度確認シートを用いることにより、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化阻害を起こす懸念は小さいと考えられる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を簡便且つ精度高く、定量的に評価することができるため、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いる各種電子機器産業等の幅広い産業において、製品の品質評価を行うために利用することができる。
1 薬液
2 PETシート
3 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
5 硬化度確認シート
10 光源(照射手段)
11 位置制御装置(位置制御手段)
12 色差計(硬化状態確認手段)
13 検査ソフト(評価手段)
14 仕分け装置(分別手段)
21 引き込み部
22 塗布対象部分
23 のぞき窓
100 硬化度評価システム

Claims (13)

  1. 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する方法であって、
    上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、
    上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色に基づき当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含み、
    上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含むことを特徴とする方法。
  2. 上記ロイコ染料は、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマカライトグリーン、ロイコクリスタルバイオレットラクトン、ロイコキニザリン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2’−(2−クロロアニリノ)−6’−(ジブチルアミノ)フルオラン、および3’6’−ビス(ジメチルアミノ)−2−(4−ニトロフェニル)スピロ[イソインドール−1,9’−キサンテン]−3−オンからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 上記ラジカル重合化合物は、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、およびアリルエーテルからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の色と基準色とを比較することにより当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の表色値を測定することにより当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度評価部分が、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布対象部分以外に設けてあることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、さらに無機充填剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する硬化度評価システムであって、
    上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段と、
    上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する部位における色を測定し、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する硬化状態確認手段とを備えることを特徴とする硬化度評価システム。
  9. 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価するための硬化度確認シートであって、
    少なくとも、ラジカル重合化合物、ロイコ染料、およびラジカル重合開始剤を含む薬液が、シート状に成形された透明樹脂材料に塗布されてなることを特徴とする硬化度確認シート。
  10. さらに、塗布された上記薬液を半硬化させてなることを特徴とする請求項9に記載の硬化度確認シート。
  11. 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する方法であって、
    請求項9に記載の硬化度確認シートと活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布部分とに同時に活性エネルギー線照射を行う工程と、
    上記硬化度確認シートの色に基づき上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価する工程とを含むことを特徴とする方法。
  12. 上記硬化度確認シートの色と基準色とを比較することにより上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 上記硬化度確認シートの表色値を測定することにより上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化度を評価することを特徴とする請求項11に記載の方法。
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