JP2010195632A - 単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法 - Google Patents

単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな面積及び厚さを有する単結晶窒化アルミニウム板状体が、大きな速度で形成できる製造方法を提供する。
【解決手段】希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料又は複合酸化物或いは複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除く)と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料を準備し、原料の近傍に、突起24、26が形成された無機単結晶基板22を配置する準備工程、及び10〜10000Paの非酸化性ガス雰囲気中で、原料及び無機単結晶基板22を加熱し、原料の温度を1600〜2000℃とすると共に無機単結晶基板22の温度を1580℃以上であって原料より低い温度として、突起24、26の上に単結晶窒化アルミニウムからなる板状体28を形成する単結晶窒化アルミニウム形成工程からなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、特定の原料を特定の雰囲気中で昇華させる単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法に関する。
単結晶窒化アルミニウムは、半導体デバイスの基板などへの応用が期待されている。この単結晶窒化アルミニウムの製造方法として、非特許文献1には、窒化アルミニウムセラミックスプレートと炭化珪素基板とを用いたPVT法(Physical Vapor Transport Method、物理蒸気輸送法)が開示されている。この方法では、まず、加熱により炭化珪素基板上にエッチピットが生成し、該ピットで窒化アルミニウムの成長が始まる。次いで、上記ピットが窒化アルミニウムで埋まり、その上に窒化アルミニウムの六角錐が生成する。さらに、上記六角錐上に窒化アルミニウムのマイクロロッドが生成し、その後、マイクロロッドのラテラル成長によりマイクロロッドが結合して、窒化アルミニウムの板状体となる。このように、最終的には、炭化珪素基板上に、窒化アルミニウムの六角錐を介して窒化アルミニウムの板状体が形成される。ここで、マイクロロッドの形成は、1700℃又は1750℃、400〜850mbの窒素雰囲気中で行われ、板状体の形成は、1800℃、300mbの窒素雰囲気中で行われている。また、得られた板状体の直径は10mmであり、厚さは120μmである。
G.R. Yazdi, et al., Journal of Crystal Growth, "Fabrication of free-standing AlN crystals by controlled microrod growth", doi:10.1016/j.jcrysgro.2007.11.124
しかしながら、上記の製造方法では、単結晶窒化アルミニウム板状体の成長速度に改善の余地がある。また、製造できる窒化アルミニウム板状体の径及び厚さも十分ではない。従って、本発明の目的は、大きな面積及び厚さを有する単結晶窒化アルミニウム板状体が、大きな速度で形成できる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、特定の原料を特定の雰囲気中で昇華させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法は、〔C〕(1)希土類元
素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料又は(2)該複合
酸化物或いは該複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除く)と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料を準備し、該原料の近傍に、突起が形成された無機単結晶基板を配置する準備工程;及び〔D〕10〜10000Paの非酸化性ガス雰囲気中で、上記原料及び上記無機単結晶基板を加熱し、上記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に上記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度として、上記突起上に単結晶窒化アルミニウムからなる板状体を形成する単結晶窒化アルミニウム形成工程を含んでなることを特徴とする。
上記単結晶窒化アルミニウムからなる板状体の製造方法は、〔A〕(1)希土類元素及び
アルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料又は(2)該複合酸化物
或いは該複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除く)と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料を準備し、該原料の近傍に、無機単結晶基板を配置する準備工程;及び〔B〕6670Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、上記原料及び上記無機単結晶基板を加熱し、上記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に上記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度として、上記無機単結晶基板上に突起を形成する突起形成工程をさらに含み、上記突起形成工程〔B〕により形成される突起が、上記無機単結晶基板上に形成された該無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台と、該多角錐又は多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱とからなり、上記準備工程〔C〕が、上記突起形成工程〔B〕により得られた突起が形成された無機単結晶基板を、上記突起が形成された無機単結晶基板として配置する準備工程であることが好ましい。
上記原料は、希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物からなる焼結助剤を用いて、酸化アルミニウムを含む窒化アルミニウム原料粉末を焼結した焼結体であることが好ましい。
上記非酸化性ガスは、窒素ガス、又は窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガスであることが好ましい。
上記無機単結晶基板は、炭化珪素単結晶基板であることが好ましい。
本発明に係る積層体は、突起が形成された無機単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる板状体とからなり、上記突起が、上記無機単結晶基板上に形成された該無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台と、該多角錐又は多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱とからなることを特徴とする。
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム自立基板の製造方法は、上記積層体を準備する工程、及び該積層体から上記板状体を分離する工程を含んでなることを特徴とする。
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法によれば、大きな面積及び厚さを有する単結晶窒化アルミニウム板状体が、大きな速度で形成できる。
図1は、本発明に係る単結晶窒化アルミニウムの製造方法(実施形態1)を説明するための図である。 図2は、本発明に係る単結晶窒化アルミニウムの製造方法(実施形態1)を説明するための図である。 図3は、本発明に係る単結晶窒化アルミニウムの製造方法(実施形態1)を説明するための図である。 図4は、本発明に係る単結晶窒化アルミニウムの製造方法(実施形態2)を説明するための図である。 図5は、本発明に係る実施例のSEM写真である。 図6は、本発明に係る実施例のSEM写真である。 図7は、本発明に係る実施例のSEM写真である。 図8は、本発明に係る実施例のSEM写真である。 図9は、本発明に係る実施例のSEM写真である。
〔単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法〕
<実施形態1>
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法(実施形態1)では、特定の圧力、雰囲気及び温度条件で、特定の原料と無機単結晶基板(単にベース基板ともいう。)とを加熱して突起が形成された無機単結晶基板(単に突起が形成されたベース基板ともいう。)を作製し、次いで、特定の圧力、雰囲気及び温度条件で、特定の原料と上記突起が形成されたベース基板とを加熱して単結晶窒化アルミニウム板状体を製造する。
図1に、上記単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法に用いる装置の一例を示す。装置10における炉本体12の中央には、原料及びベース基板を配置するための坩堝(るつぼ)14が設けられており、炉本体12の外側には、坩堝14を加熱するための高周波コイル16が設けられている。また、加熱の際に炉本体12内の圧力及び雰囲気を調整するため、ガスを排気するガス排気口18及びガスを導入するガス吸気口20が炉本体12に設けられている。なお、図示していないが坩堝14は外部と均圧をとれる構造となっている。
以下、本発明に用いる装置の一例を示す図を参照しながら、本発明について具体的に説明する。
(準備工程〔A〕)
準備工程〔A〕では、(1)希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウム(Al)とを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウム(AlN)と、を含んでなる原料(本明細書において原料(a1)ともいう)を準備し、該原料の近傍に無機単結晶基板を配置する。
ここで原料近傍とは、ベース基板が原料(a1)と直接接触せず、尚且つ工程〔B〕において原料から発生した蒸気がベース基板に十分に到達する距離を意味する。このときの原料とベース基板との距離(図1において原料(a1)の表面とベース基板22の表面との距離)は使用する原料の種類や加熱温度等によって若干変わるが、通常は0.5〜50mm、好ましくは1〜30mmである。この距離は、例えば図1に示すようにカーボン製などのスペーサー23によって調整する。上記範囲にあると、工程〔B〕において高さの変動分布が小さい単結晶AlNからなる多角柱が得られる。
無機単結晶基板(ベース基板)としては、六方晶単結晶基板が好適に使用される。中でも単結晶AlNとの格子定数のミスマッチが小さいばかりでなく、耐熱性が高く、しかも後述するように突起形成工程において突起が形成され易いため、その上に形成されたAlN単結晶板状体の分離が容易となるという理由から、炭化珪素(SiC)単結晶基板を使用することが好ましい。SiC単結晶基板としては、具体的には、6H−SiC単結晶基板、4H−SiC単結晶基板が挙げられる。単結晶AlNとの格子定数のミスマッチがより小さく、単結晶AlN板状体の歪みが抑えられることから、6H−SiC単結晶基板がより好適に用いられる。ベース基板の大きさは、通常25mm2〜10000mm2、好ましくは100mm2〜2500mm2であり、厚さは、通常100〜1000μm、好ましくは200〜800μmである。
原料(a1)は、複合酸化物又は複合酸窒化物及びAlNを含んでなる。この複合酸化物又は複合酸窒化物に用いられる希土類元素としては、Y、Ce、Ho、Yb、Gd、Nd、Sm、Dyが挙げられ、アルカリ土類金属元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、
Baが挙げられる。希土類元素及びアルカリ土類金属元素は、単独で用いても2種以上を用いてもよい。しかしながら、これらの中でも、AlN成長速度の観点から希土類元素、特にYを含むことが好ましい。この希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とAlとを含む複合酸化物及び複合酸窒化物として好適なものを例示すれば、2Y23・Al23、Y23・Al23、3Y23・5Al23、YAlONなどを挙げることができる。これら複合酸化物及び複合酸窒化物は、単独で存在していてもよいが、焼結時における高温の反応は複雑であるため、一般的には種類の異なる複数のものが混合して存在する。原料にAlNと共に上記複合酸化物又は複合酸窒化物が含まれていると、これら複合酸化物又は複合酸窒化物はそれ自体が昇華してAlN単結晶の原料となるばかりでなく、原料(a1)に含まれるAlNの昇華を促進する働きもあると考えられる。従って後述するように突起形成工程〔B〕では、比較的低温での加熱でも、好ましい大きさの単結晶AlNからなる多角柱を得ることが可能となる。また、単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕では、比較的低温での加熱でも、大きく厚い単結晶AlNの板状体が速く得られる。
原料(a1)中、希土類元素及びアルカリ土類金属元素の合計量が、0.076〜38.2質量%(上記元素がYのみであり、かつY23として存在しているとすると、Y23換算で0.1〜50質量%)であることが好ましく、0.76〜22.9質量%(上記元素がYのみであり、かつY23として存在しているとすると、Y23換算で1〜30質量%)であることがより好ましい。ここで、希土類元素及びアルカリ土類金属元素は、原料(a1)中で複合酸化物又は複合酸窒化物として存在している。また、希土類元素及びアルカリ土類金属元素の量は、後述する蛍光X線分析法によって求められ、複合酸化物又は複合酸窒化物の存在は、X線回折測定によって確認することができる。
一般に、AlN粉末を焼結する場合には希土類元素の酸化物やアルカリ土類金属元素の酸化物からなる焼結助剤が使用され、粒界においてAlNとこれら焼結助剤との高温反応により、Alの複合酸化物または複合酸窒化物が形成されることが知られている。また、このとき、僅かなAl23などのアルミニウム酸化物の存在により上記反応が起こりやすくなることも知られている。言い換えれば、原料(a1)は、より具体的には、希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物からなる焼結助剤を用いて、酸化アルミニウム(Al23)を含む窒化アルミニウム(AlN)原料粉末を焼結した焼結体である。そして、このようにして得られた焼結体には、粒子状のAlNと粒界に存在する複合酸化物及び複合酸窒化物とが含まれている。
上記焼結体の形成に使用される焼結助剤において、希土類元素及びアルカリ土類金属元素としては、上述の元素が挙げられる。これら元素を含む化合物からなる焼結助剤としては、Y23、CeO2、Ho23、Yb23、Gd23、Nd23、Sm23、Dy23
、CaOが用いられるが、結晶成長速度の観点から希土類元素の酸化物、特に酸化イットリウムが好適に用いられる。上記焼結助剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
また、焼結助剤の比表面積(BET比表面積)は、焼結性の観点から1〜50m2/g
であることが好ましい。
AlNと上記焼結助剤とを高温で反応させて複合酸化物又は複合酸窒化物を形成する場合、焼結助剤に含まれる酸素原子がAlNの酸化にも使用されるため、Al23などのアルミニウム酸化物は必ずしも必要ではないが、上記したように反応の促進効果があるため存在することが好ましい。AlN粉末は、通常空気中で酸化され、粒子の表面から約100nmの範囲がAl23となり、AlN粉末中0.1〜1質量%の酸素を含むため、通常入手可能なAlN粉末は、特にAl23を添加しなくても該酸化物を含んでいる。従って
、上記AlN粉末を、Al23を含むAlN原料粉末として好適に使用できる。
この場合、該粉末に含まれる表面酸化によって形成される酸化アルミニウム含量が粉末質量の0.1質量%未満である場合には、焼結性をより向上させ、更に上記複合酸化物又は複合酸窒化物の形成を容易にすることを目的として、Al23を添加して焼結することが好ましい。Al23の添加量はAlN粉末とAl23粉末との混合粉末の質量を基準として酸素含量が0.1〜1質量%となる量であればよいが、炭素を含む窒素雰囲気中で工程〔B〕を行う場合には、この範囲を越えて添加してもよい。このような雰囲気中で焼成を行う場合には、Al23は還元窒化されてAlN単結晶の原料ともなるからである。
原料(a1)のより具体的な態様となる上記焼結体は、例えば以下のようにして製造される。まず、AlN原料粉末100質量部に対して焼結助剤を通常0.1〜30質量部の量で混合する。焼結助剤とAlN原料粉末との混合は、公知の方法によって行うことができる。例えば、ボールミル等の混合機によって、乾式又は湿式により混合する方法が好適に用いられる。また、湿式混合では、アルコール類、炭化水素類等の分散媒を使用するが、分散性の点でアルコール類、炭化水素類を用いることが好ましい。なお、この混合にあたっては、焼結助剤の水分吸着又は凝集を生じないように、ドライエア中で保存され、必要により真空乾燥された焼結助剤を、AlN原料粉末と直ちに混合することが好ましい。
次に、得られた混合粉末を、所望の原料(a1)が得られるような形状に成形する。上記成形は公知の方法で行うことができるが、強度の高い成形体とし、歩留まりを高めるためには、有機バインダーを用いて成形を行うことが好ましい。
例えば、上記混合粉末を有機バインダー及び必要により分散剤、可塑剤、溶媒などと混合して成形用スラリー又はペーストを調製し、押出成形法、射出成形法、鋳込み成形法などによってこの成形用スラリー又はペーストから成形体を作製する。また、成形用スラリーから顆粒を得てから圧縮成形法により成形体を作製してもよい。
有機バインダーとしては、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等のアクリル樹脂等が挙げられる。このような有機バインダーは、AlN原料粉末100質量部当り、通常0.1〜30質量部、好ましくは1〜15質量部の量で使用される。また、分散剤としては、グリセリン化合物類などが挙げられ、可塑剤としては、フタル酸エステル類などが挙げられる。溶媒には、イソプロピルアルコールや炭化水素類などが使用される。
最後に、成形体を脱脂(脱バインダー)した後焼成する。脱脂は、空気中、窒素中、水素中等の雰囲気で加熱して行うことができる。また、脱脂温度は、有機バインダーの種類によって異なるが、通常300〜900℃、好ましくは300〜700℃である。
焼成は、複合酸化物又は複合酸窒化物を形成させるために、N2ガスなどの不活性ガス
雰囲気中、1650〜1950℃で、1〜10時間実施することが好ましい。
なお、成形体の作製において、有機バインダーを用いずに圧縮成形法により混合粉末を成形してもよい。例えば、上記混合粉末を一軸成形機にて仮成形してグリーン体を製造し、これをCIP(冷間等方圧)成形機にて1〜4t/cm2で加圧成形することにより、
上記成形体を作製してもよい。この場合、成形体は脱脂を行わずに焼成される。
上記工程を経て、原料(a1)として用いられる焼結体が得られる。
(突起形成工程〔B〕)
突起形成工程〔B〕では、6670Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、上記原料及び上記無機単結晶基板を加熱し、上記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に上記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度として、上記無機単結晶基板上に突起を形成する。
突起形成工程〔B〕により形成される突起は、具体的には、無機単結晶基板22上に形成された該無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台24と、該多角錐又は多角錐台24上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱26とからなる(図2参照)。なお、通常多角錐及び多角錐台が形成されるが、図2では、例として多角錐のみ表している。また、図1と図2とでは、基板の上下は逆である。即ち、図1では原料に対向する面は下であるが、図2では、原料に対向する面は上である。
非酸化性ガス雰囲気の圧力は、6670Pa以上、好ましくは0.9×105〜2×1
5Pa、より好ましくは1.0×105〜1.5×105Paである。
突起形成工程〔B〕に用いる非酸化性ガスとしては、不活性ガスが使用できるが、AlN単結晶成長速度の観点から、「窒素ガス」又は「窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガス」を使用することが好ましい。「窒素ガス」又は「窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガス」中で加熱することにより、上記複合酸化物や複合酸窒化物が窒化アルミニウムに転化し易くなり、効率よく単結晶窒化アルミニウムを形成することが可能となる。また、上記転化がより起こり易く、比較的低温での加熱でも好ましい大きさの突起が得られると言う理由から、「窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガス」を使用することがより好ましい。窒素ガスは、純度99.9999%以上であることが好ましい。炭素ガスとしては、カーボンの発生源を共存させ、これを加熱することで発生する炭素ガスが好適に用いられる。カーボンの発生源としては、カーボン製のるつぼ、カーボン製の原料容器、カーボン製の炉本体が挙げられる。また、発生源として、るつぼ中に無定形炭素や黒鉛等のカーボンを共存させてもよい。言い換えると、非酸化性ガスとして窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガスを使用する場合には、窒素を使用するとともに、系内に加熱により炭素ガスを発生するカーボン源を存在させておけばよい。
原料の温度は、1600〜2000℃、好ましくは1800〜1990℃とし、ベース基板温度は、1580℃以上であって当該原料より低い温度、好ましくは1790〜1980℃であって当該原料より10〜100℃、特に20〜70℃低い温度とすることが望ましい。
上記雰囲気、圧力範囲及び温度範囲にあると、良好な突起が形成され、単結晶AlN板状体とベース基板との分離が容易となる。また、ベース基板温度が上記範囲より低すぎると、多角錐又は多角錐台の形成と単結晶AlNの成長が競争的に起こるようになることが原因であると思われるが、好ましい大きさの多角錐又は多角錐台が形成され難くなる傾向がある。なお、原料及びベース基板の温度差が上記範囲にあると、良好な突起(無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台と、該多角錐又は多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱)が形成されやすい。
突起形成工程〔B〕における雰囲気及び圧力の制御は、例えば系内の雰囲気ガスをガス排気口18から排気した後に、ガス吸気口20から窒素ガスを上記圧力になるように導入すればよい(図1)。上記圧力は、例えば炉本体に取り付けられた圧力計により測定される。なお、系内の圧力を調整する場合には調圧弁或いは所定の圧力に達したときに自動的に開くダンパー等を用いればよい。突起形成工程〔B〕の間、圧力は上記範囲にあれば一定であっても、変化させてもよく、圧力は上記調圧弁或いはダンパーで調整することができる。
突起形成工程〔B〕における加熱は、具体的には以下のように行われる。即ち、高周波コイル16を作動させ、るつぼ14中に配置された上記原料及び上記ベース基板を上記温度まで加熱する(図1)。上記原料及び上記ベース基板の温度は、それ自体を直接計測することは極めて困難なため、両者が収められているカーボン製のるつぼを赤外放射温度計により間接的に計測する。突起形成工程〔B〕において、上記温度まで加熱した後は、温度は上記範囲にあれば一定であっても、変化させてもよい。
上記原料及び上記ベース基板の温度差は、上記原料及び上記ベース基板の距離を変えることにより調整できる。また、制御系統が独立した2以上のヒーターを用いて調整してもよいし、ヒーターと坩堝との位置関係を調整することにより制御することもできる。
昇温速度は、1〜30℃/minであることが好ましい。このような速度で昇温することにより、突起が効率よく得られる。なお、良質な突起を得るためには雰囲気を非酸化性ガス雰囲気としてから加熱(昇温)を開始することが好ましい。
また、上記雰囲気及び圧力中で、上記原料及び上記ベース基板を上記温度としてから、該温度に3分〜3時間維持することが好ましい。これにより、好ましい大きさの突起が得られる。
突起形成工程〔B〕において、まず、ベース基板表面の状態が変化し、ベース基板22の表面にベース基板と同種材料の単結晶からなる複数の多角錐又は多角錐台24が形成される(図2参照)。このような多角錐又は多角錐台の形成はベース基板の昇華(或いはエッチング)・再析出によるものと考えられる。上記した非特許文献1では、ベース基板のエッチングのみが起こりピットが形成されるとされているが、実施形態1では上記雰囲気、圧力及び温度範囲で上記原料を加熱するため、一旦昇華したものが再析出して突起が形成されると考えられる。次に、この多角錐又は多角錐台24上にさらに単結晶AlNが成長し柱状体(単結晶AlNの多角柱26)が形成される(図2参照)。ここで、隣り合う多角錐又は多角錐台上に形成された柱状体同士は、径方向に成長して太くなり結合している場合もある。多角錐又は多角錐台上への単結晶AlNのデポジットとしては、加熱により昇華した複合酸化物及び複合酸窒化物の還元窒化により形成された前駆体によるAlNのデポジットが優勢であると考えられる。また、アルミニウム複合酸化物及び複合酸窒化物の昇華によりAlNの昇華が促進され、昇華したAlNのデポジットも同時に起こっていると考えられる。
また、工程〔B〕でベース基板上に形成される多角錐又は多角錐台は、通常底面積が25μm2〜4000μm2であり、高さが5μm〜60μmである。柱状体は、その断面積は通常10〜2×105μm2であり、厚さ(長さ)は、通常5μm〜3mmである。多角錐又は多角錐台および柱状体について、底面積及び高さがこの範囲にあると、工程〔D〕で作製される単結晶AlN板状体をベース基板から切り離しやすい。
ベース基板上に形成される突起の密度は、16〜10000個/mm2であることが好
ましい。密度がこの範囲にあると、工程〔D〕で作製される板状体をベース基板から分離しやすい。なお、突起の数は、走査型電子顕微鏡(SEM)像から突起物の数を直接数えることにより確認できる。
(準備工程〔C〕)
準備工程〔C〕では、(1)希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウム(Al)とを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウム(AlN)と、を含んでなる原料(原料(a1))を準備し、該原料の近傍に
突起が形成された無機単結晶基板を配置する。ここで、突起形成工程〔B〕により得られた突起が形成された無機単結晶基板を、上記突起が形成された無機単結晶基板として配置する。原料近傍については、準備工程〔A〕で説明したのと同様である。また、原料(a1)は、準備工程〔A〕で説明した原料(a1)と同様である。
具体的には、突起形成工程〔B〕が終了した状態で準備工程〔C〕も終了する。
(単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕)
単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕では、10〜10000Paの非酸化性ガス雰囲気中で、上記原料及び上記無機単結晶基板を加熱し、上記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に上記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度として、上記突起上に単結晶窒化アルミニウムからなる板状体を形成する。
単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕により形成される板状体は、具体的には、単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱26上に形成される(図3参照)。
非酸化性ガス雰囲気の圧力は、10〜10000Pa、好ましくは100〜8000Paである。単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕に用いる非酸化性ガスについては突起形成工程〔B〕に用いる非酸化性ガスと同様である。
原料の温度は、1600〜2000℃、好ましくは1800〜1990℃とし、ベース基板温度は、1580℃以上であって当該原料より低い温度、好ましくは1790〜1980℃であって当該原料より10〜100℃、特に20〜70℃低い温度とすることが望ましい。
上記雰囲気、圧力範囲及び温度範囲にあると、大きく厚い単結晶AlN板状体が速く形成される。
単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕においては、具体的には、突起形成工程〔B〕での雰囲気及び圧力から、単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕での雰囲気及び圧力に変更する。単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕の間、圧力は上記範囲にあれば一定であっても、変化させてもよく、圧力は上記調圧弁或いはダンパーで調整することができる。
単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕における加熱は、突起形成工程〔B〕での上記原料及び上記ベース基板の温度から、単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕での上記原料及び上記ベース基板の温度に変更して行う。即ち、高周波コイル16を作動させ、るつぼ14中に配置された上記原料及び上記ベース基板を上記温度に加熱する(図1参照)。単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕において、上記温度まで加熱した後は、温度は上記範囲にあれば一定であっても、変化させてもよい。
上記原料及び上記ベース基板の温度差は、上記原料及び上記ベース基板の距離を変えることにより調整できる。また、制御系統が独立した2以上のヒーターを用いて調整してもよいし、ヒーターと坩堝との位置関係を調整することにより制御することもできる。
また、上記雰囲気及び圧力中で、上記原料及び上記ベース基板を上記温度としてから、該温度に10分〜50時間維持することが好ましい。これにより、好ましい大きさの板状体が得られる。
単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕において、単結晶AlNの多角柱26上に単結
晶窒化アルミニウムからなる板状体28が形成される(図3参照)。単結晶AlNの多角柱上への単結晶AlNのデポジットとしては、加熱により昇華した複合酸化物及び複合酸窒化物の還元窒化により形成された前駆体によるAlNのデポジットが優勢であると考えられる。また、アルミニウム複合酸化物及び複合酸窒化物の昇華によりAlNの昇華が促進され、昇華したAlNのデポジットも同時に起こっていると考えられる。
実施形態1によれば、上記雰囲気、圧力及び温度範囲で上記原料を加熱するため、大きな面積及び厚さを有する単結晶窒化アルミニウム板状体が、大きな速度で形成できる。即ち、ベース基板の大きさと同程度の大きさを有し、厚さが40μm〜1cmである単結晶窒化アルミニウム板状体が、10分〜40時間で形成できる。
また、上記単結晶AlNの板状体について、X線回折における(002)面のロッキングカーブ半値全幅は通常50〜3000arcsecである。ロッキングカーブの半値全幅とは、試料がブラックの回折条件を満たす角度にX線発生装置と検出器とのなす角度を固定して、X線入射角ωを変化させて得られる回折チャートにおいて、最大検出カウント数の50%以上の値をとるωの範囲であり、この値が小さいほど単結晶の品質が高いことを意味する。本発明では、先に多角錐又は多角錐台と多角柱とからなる突起を育成し、その表面に単結晶AlNの板状体を形成しているため、下地結晶との不整合による影響を受け難い。言い換えると、貫通転位や格子歪みの無い高品質の単結晶AlNの板状体が得られる。
<実施形態2>
準備工程〔A〕および準備工程〔C〕において、実施形態1で用いた原料(a1)の代わりに、(2)上記複合酸化物又は上記複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウム(AlN)を除く)と、窒化アルミニウムとを含んでなる原料(本明細書において原料(a2)ともいう)を用いてもよい。ここで、上記原料物質とは、例えば、上記焼結体において粒界に存在する複合酸化物又は複合酸窒化物の原料物質、即ち、焼結助剤、Al2
3及びAlNを意味する。酸素の供給源がある場合には昇温中にAlNはAl23に容
易に転化するので、Al23に代えて他の酸化物あるいは水酸化アルミニウムを使用することもできる。
なお、原料(a2)において、AlNは、昇温時に形成される複合酸化物又は複合酸窒化物の原料として必要とされる量以上含まれていることが好ましいことから、原料(a2)は、「原料物質(但し、窒化アルミニウム(AlN)を除く)と、窒化アルミニウムとを含んでなる原料」としている。「AlNを過剰量含んでいてもよい原料物質」と表現することもできる。上記原料物質(この場合AlNを含む)は昇温工程において反応し、昇華し易い複合酸化物又は複合酸窒化物が形成される。この複合酸化物又は複合酸窒化物はそれ自体が昇華してAlN単結晶の原料となるばかりでなく、原料(a2)に過剰量含まれるAlNの昇華を促進する働きもあると考えられる。従って、突起形成工程〔B〕では、原料(a1)を用いたときと同様に低温での加熱でも、好ましい大きさの単結晶AlNからなる多角柱を得ることが可能となる。また、単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕では、原料(a1)を用いたときと同様に低温での加熱でも、大きく厚い単結晶AlNの板状体が得られる。
言い換えれば、原料(a2)は、より具体的には、希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物と、Al23を含むAlN原料粉末との混合物である。
上記化合物は、原料(a1)で焼結助剤に用いられる化合物と同様であり、Al23を含むAlN原料粉末も、原料(a1)で用いられるAlN原料粉末と同様である。
原料(a2)中、焼結助剤に用いられる化合物は合計で0.1〜50質量%、特に1〜30質量%の量で含まれ、Al23を含むAlN原料粉末は50〜99.9質量%、特に70〜99質量%の量で含まれることが好ましい(ここで、焼結助剤に用いられる化合物およびAlN原料粉末の合計は100質量%である。)。これにより、結晶性の良い単結晶窒化アルミニウムが大きい速度で効率よく安定して得られる。
準備工程〔A〕において、混合粉末である原料(a2)を用いるときは、原料(a2)をカーボン製容器30などに入れて配置してもよい(図4参照)。
実施形態2においても、実施形態1と同様に、工程〔B〕において、ベース基板22の表面にベース基板と同種材料の単結晶からなる複数の多角錐又は多角錐台24が形成される。次いで、上記多角錐又は多角錐台24上に単結晶AlNの多角柱26が形成される(図2参照)。しかしながら、原料(a1)及び原料(a2)を比較すると、原料(a1)を用いた方が、単結晶AlNの多角柱がより高い再現性で製造できる。これは、AlN単結晶の比較的低温での成長には「希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物」が重要な役割を果たしていると考えられるところ、原料(a1)ではこれら複合酸化物又は複合酸窒化物が確実に形成されているのに対し、混合粉末である原料(a2)を用いたときには工程〔B〕において、条件によっては上記複合酸化物又は複合酸窒化物が形成され難いことが原因と思われる。また、実施形態2においても、実施形態1と同様に、工程〔D〕において、単結晶AlNの多角柱26上に単結晶AlNの板状体が形成される(図3参照)。工程〔D〕においても、上記と同様の理由により、原料(a2)よりも原料(a1)を用いた方が、単結晶AlNの板状体がより高い再現性で製造できる。
なお、実施形態2においても、基板上への単結晶AlNのデポジットとしては、加熱により昇華した複合酸化物及び複合酸窒化物の還元窒化により形成された前駆体によるAlNのデポジットが優勢であると考えられる。また、アルミニウム複合酸化物及び複合酸窒化物の昇華によりAlNの昇華が促進され、昇華したAlNのデポジットも同時に起こっていると考えられる。
<その他の実施形態>
実施形態1又は2において、突起形成工程〔B〕の終了後、準備工程〔C〕で、一度真空にしてもよい。この場合は、単結晶窒化アルミニウム形成工程〔D〕では、実施形態1の工程〔B〕で説明したのと同様に所望の雰囲気及び圧力を達成すればよい。また、突起形成工程〔B〕の終了後、準備工程〔C〕で、原料及び基板を一度冷却し大気圧に開放してもよい。この場合は、単結晶窒化アルミニウム形成〔D〕では、実施形態1の工程〔B〕で説明したのと同様に所望の雰囲気、圧力及び加熱温度を達成すればよい。なお、一度冷却し大気圧に開放したときに、原料とベース基板との距離を調整してもよい。
また、準備工程〔A〕と工程〔C〕とで、使用する原料を変えてもよい。例えば、工程〔A〕で原料(a1)を用いたときは、工程〔B〕の終了後、工程〔C〕で一度冷却し大気圧に開放し、原料(a2)に取り替えてもよい。或いは工程〔A〕で原料(a2)を用いたときは、工程〔B〕の終了後、工程〔C〕で一度冷却し大気圧に開放し、原料(a1)に取り替えてもよい。
さらに、突起が形成されている限り、工程〔A〕および〔B〕で作製した突起が形成された無機単結晶基板以外の無機単結晶基板を用いてもよい。例えば、工程〔B〕を無機単結晶基板上に該無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台を形成した状態で終了し、この多角錐又は多角錐台が形成された無機単結晶基板を、工程〔C〕において突起が形成された
無機単結晶基板として用いてもよい。
〔単結晶窒化アルミニウム自立基板の製造方法〕
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム自立基板では、まず、上述した実施形態1又は2のような方法により「突起が形成された無機単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる板状体とからなり、上記突起が、上記無機単結晶基板上に形成された該無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台と、該多角錐又は多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱とからなる積層体」を準備する。次に、該積層体から単結晶窒化アルミニウム(AlN)からなる板状体を分離する。このとき、ベース基板と単結晶窒化AlNからなる板状体との間には、多角錐又は多角錐台と多角柱とからなる突起が形成されていることにより、大きな空間が存在する。このため、単結晶AlNの板状体は容易に分離され、大きく厚い高品質の自立基板が得られる。
なお、上述したその他の実施形態のような方法により「突起が形成された無機単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる板状体とからなることを特徴とする積層体」を準備し、次に、該積層体から単結晶窒化アルミニウム(AlN)からなる板状体を分離してもよい。
上記自立基板は、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy、ハイドライド気相エピタキシャル)法により単結晶AlNの厚膜を作製する際の基板としても好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔評価方法〕
<原料(a1)及び原料(a2)に用いた原料粉末中の酸素の量>
原料粉末について波長分散型蛍光X線分析装置により酸素の量を求めた。なお、ここで含有量が求められる酸素は、原料粉末ではAl23として存在していると考えられる。
<原料(a1)における複合酸化物中の希土類元素の量>
原料を乳鉢により粉砕した後、波長分散型蛍光X線分析装置により希土類元素の量を求めた。また濃度が100ppm以下の微量不純物については、原料を粉砕後、硝酸及びリン酸を加え加熱分解し溶液を作製し、島津製作所製「ICPS−7510」を使用してICP発光分析を行った。なお、希土類元素の濃度は、予め準備した検量線を元に定量した。
<形状及び大きさ>
走査型電子顕微鏡(SEM)により、大きさが分かるように任意の倍率に拡大して評価した。
<柱状体の材質の同定及び単結晶AlNの結晶性>
柱状体の材質の同定は、エネルギー分散型X線分析装置を使用して行った。板状体の結晶性は、X線回折装置を使用して、評価対象について面方位のピークの半値幅から評価した。
<多角錐及び多角柱の材質の同定>
エネルギー分散型X線分析装置を用いて、多角錐及び多角柱にビームを絞り評価した。
〔実施例1〕
実施例1には、図4に示す装置10を使用した。
工程〔A〕:まず、AlN原料粉末(酸素含有量:0.8mass%、Al以外の不純物含有量:35ppm)100質量部に対して、Y23粉末10質量部を自動乳鉢にて約30分混合して、混合粉末である原料(a2)を得た。次いで、原料(a2)をカーボン製容器30の中に、原料表面が坩堝の底面と同じ高さになるように(すり切りいっぱいに)入れた。6H−SiC単結晶基板22(10mm×10mm×0.3mmt)とカーボン製容器30との距離(原料からの距離でもある)が約1mmとなるように、るつぼ14中に配置した。
工程〔B〕:次に、炉本体12内を1.1×105Paの窒素ガス雰囲気とした。具体
的にはガス排気口18から排気を行った後、ガス吸気口20から上記圧力となるように窒素ガス(純度99.9999%)を導入した。炉本体12内が上記雰囲気になった後、炉本体12の外側に設けられた高周波加熱コイル16を作動して、るつぼ14、即ちカーボン製容器30及び6H−SiC単結晶基板22の加熱を開始した。カーボン容器の温度(この温度を原料(a2)の温度とみなせる。)が1900℃、6H−SiC単結晶基板の温度が1800℃に達するまで加熱した。それぞれの温度が所望の値に収まったことを確認してから60分間温度を維持し、その後自然冷却した。炉の温度上昇とともに、炉内圧力は上昇するが、炉内圧力が設定値(1.3×105Pa)を超えると排気ダンパーが開
く機構を炉に設けることで炉内圧力を一定に保った。
なお、この工程〔B〕で終了したサンプルも作製したが、このサンプルは、SiC単結晶基板上に突起が形成されており、突起は、SiC単結晶基板上に形成されたSiC単結晶からなる多角錐及び多角柱と、該多角錐及び多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱からなっていた(図5のSEM写真参照)。多角錐及び多角錐台は、底面積が100〜900μm2であり、高さが5〜40μmであった。柱状体は、その
断面積は150〜1000μm2であり、厚さ(長さ)は10〜20μmであった。
工程〔C〕:工程〔B〕により得られた突起が形成されたSiC基板をそのまま用いた。また、ガス排気口18から排気を行って炉本体12内を真空(500Pa以下)とした。
工程〔D〕:さらに、炉本体12内を3333Paの窒素ガス雰囲気とした。具体的には、ガス吸気口20から上記圧力となるように窒素ガス(純度99.9999%)を導入した。炉本体12内が上記雰囲気になった後、炉本体12の外側に設けられた高周波加熱コイル16を作動して、カーボン容器の温度(この温度を原料(a2)の温度とみなせる。)が1900℃、6H−SiC単結晶基板の温度が1850℃になるよう加熱した。
上記温度が所望の値に収まったことを確認してから10分間該温度を維持し、その後自然冷却した。なお、炉内圧力が設定値(5000Pa)を超えると排気ダンパーが開く機構を炉に設けることで炉内圧力を一定に保った。
上記工程を経た基板を電子顕微鏡で観察した結果、柱状体の上に、単結晶AlNからなる板状体が形成されていた。大きさはベース基板と同じであり、厚さは約50μmであった。該板状板は、外力を加えることにより容易にベース基板から分離でき、分離した基板の結晶性を評価したところ、X線回折による002面のピークの半値幅は、約400arcsecであった。
〔実施例2〕
図4に示す装置10の代わりに図1に示す装置10を用いたこと、及び原料(a2)の代わりに原料(a1)を用いた以外は実施例1と同様に行った。このとき、原料とベース基板(6H−SiC単結晶基板22)との距離も実施例1と同じ1mmに設定した。
なお、原料(a1)は以下のようにして作製した。まず、AlN原料粉末(酸素含有量:0.8mass%、Al以外の不純物含有量:35ppm)100質量部に対して、Y23粉末10質量部を自動乳鉢にて約30分混合して混合粉末を得た。そして、有機バインダー、可塑剤、および滑剤を添加して、混合し、顆粒を作製した後、一軸プレス成形法により、板状の成形体を作製した。得られた成形体を空気雰囲気中で保持温度550℃、保持時間4時間で脱脂した。次いで、この脱脂体を、窒素雰囲気中、保持温度1800℃、保持時間5時間で焼成した。これにより、φ30mm、厚み5mmの焼結体(A)が得られた。焼結体(A)の希土類元素の量は3.8質量%であった。
上記工程を経た基板を電子顕微鏡で観察した結果、柱状体の上に、単結晶AlNからなる板状体が形成されていた。大きさはベース基板と同じであり、厚さは約45μmであった。
なお、この工程〔B〕で終了したサンプルも作製したが、このサンプルは、SiC単結晶基板上に突起が形成されており、突起は、SiC単結晶基板上に形成されたSiC単結晶からなる多角錐及び多角柱と、該多角錐及び多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱からなっていた(図6のSEM写真参照)。多角錐及び多角錐台は、底面積が25〜500μm2であり、高さが5〜10μmであった。柱状体は、その断
面積は50〜800μm2であり、厚さ(長さ)は5〜15μmであった。
〔実施例3〕
実施例1において、工程〔D〕での炉内圧3333Pa(25Torr)を9330Paとする以外、全て実施例1と同じにした。なお、炉内圧力が設定値(9900Pa)を超えると排気ダンパーが開く機構を炉に設けることで炉内圧力を一定に保った。上記工程を経た基板を電子顕微鏡で観察した結果、柱状体の上に、単結晶AlNからなる板状体が形成されていた。大きさはベース基板と同じであり、厚さは約43μmであった。該板状態は、外力を加えることにより容易にベース基板から分離でき、分離した基板の結晶性を評価したところ、X線回折による002面のピークの半値幅は、約460arcsecであった。
なお、この工程〔B〕で終了したサンプルも作製したが、このサンプルは、SiC単結晶基板上に突起が形成されており、突起は、SiC単結晶基板上に形成されたSiC単結晶からなる多角錐及び多角柱と、該多角錐及び多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱からなっていた(図7のSEM写真参照)。多角錐及び多角錐台は、底面積が25〜400μm2であり、高さが5〜20μmであった。柱状体は、その断
面積は100〜900μm2であり、厚さ(長さ)は5〜20μmであった。
〔実施例4〕
実施例2において、工程〔D〕での炉内圧3333Pa(25Torr)を9330Paとする以外、全て実施例2と同じにした。なお、炉内圧力が設定値(9900Pa)を超えると排気ダンパーが開く機構を炉に設けることで炉内圧力を一定に保った。上記工程を経た基板を電子顕微鏡で観察した結果、柱状体の上に、単結晶AlNからなる板状体が形成されていた。大きさはベース基板と同じであり、厚さは約41μmであった。該板状態は、外力を加えることにより容易にベース基板から分離でき、分離した基板の結晶性を評価したところ、X線回折による002面のピークの半値幅は、約470arcsecであった。
なお、この工程〔B〕で終了したサンプルも作製したが、このサンプルは、SiC単結晶基板上に突起が形成されており、突起は、SiC単結晶基板上に形成されたSiC単結晶からなる多角錐及び多角柱と、該多角錐及び多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱からなっていた(図8のSEM写真参照)。多角錐及び多角錐台は、底面積が25〜1000μm2であり、高さが5〜30μmであった。柱状体は、その
断面積は通常100〜3000μm2であり、厚さ(長さ)は10〜30μmであった。
〔実施例5〕
実施例5には、図4に示す装置10を使用した。
工程〔A〕:まず、AlN原料粉末(酸素含有量:0.8mass%、Al以外の不純物含有量:35ppm)100質量部に対して、Y23粉末10質量部を自動乳鉢にて約30分混合して、混合粉末である原料(a2)を得た。次いで、原料(a2)をカーボン製容器30の中に、原料表面が坩堝の底面と同じ高さになるように(すり切りいっぱいに)入れた。6H−SiC単結晶基板22(10mm×10mm×0.3mmt)とカーボン製容器30との距離(原料からの距離でもある)が約1mmとなるように、るつぼ14中に配置した。
工程〔B〕:次に、炉本体12内を6900Paの窒素ガス雰囲気とした。具体的にはガス排気口18から排気を行った後、ガス吸気口20から上記圧力となるように窒素ガス(純度99.9999%)を導入した。炉本体12内が上記雰囲気になった後、炉本体12の外側に設けられた高周波加熱コイル16を作動して、るつぼ14、即ちカーボン製容器30及び6H−SiC単結晶基板22の加熱を開始した。カーボン容器の温度(この温度を原料(a2)の温度とみなせる。)が1900℃、6H−SiC単結晶基板の温度が1800℃に達するまで加熱した。それぞれの温度が所望の値に収まったことを確認してから温度を維持し、その後自然冷却した。炉の温度上昇とともに、炉内圧力は上昇するが、炉内圧力が設定値(8000Pa)を超えると排気ダンパーが開く機構を炉に設けることで炉内圧力を一定に保った。
なお、この工程〔B〕で終了したサンプルも作製したが、このサンプルは、SiC単結晶基板上に突起が形成されており、突起は、SiC単結晶基板上に形成されたSiC単結晶からなる多角錐及び多角柱と、該多角錐及び多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱からなっていた(図9のSEM写真参照)。多角錐及び多角錐台は、底面積が2000〜4000μm2であり、高さが40〜60μmであった。柱状体は
、その断面積は100〜7000μm2であり、厚さ(長さ)は10〜70μmであった
工程〔C〕:工程〔B〕により得られた突起が形成されたSiC基板をそのまま用いた。また、ガス排気口18から排気を行って炉本体12内を真空(500Pa以下)とした。
工程〔D〕:さらに、炉本体12内を3333Paの窒素ガス雰囲気とした。具体的には、ガス吸気口20から上記圧力となるように窒素ガス(純度99.9999%)を導入した。炉本体12内が上記雰囲気になった後、炉本体12の外側に設けられた高周波加熱コイル16を作動して、カーボン容器の温度(この温度を原料(a2)の温度とみなせる。)が1900℃、6H−SiC単結晶基板の温度が1850℃になるよう加熱した。
上記温度が所望の値に収まったことを確認してから10分間該温度を維持し、その後自然冷却した。なお、炉内圧力が設定値(5000Pa)を超えると排気ダンパーが開く機構を炉に設けることで炉内圧力を一定に保った。
上記工程を経た基板を電子顕微鏡で観察した結果、柱状体の上に、単結晶AlNからなる板状体が形成されていた。大きさはベース基板と同じであり、厚さは約80μmであった。該板状態は、外力を加えることにより容易にベース基板から分離でき、分離した基板の結晶性を評価したところ、X線回折による002面のピークの半値幅は、約430arcsecであった。
〔実施例6〕
図4に示す装置10の代わりに図1に示す装置10を用いたこと、及び原料(a2)の代わりに原料(a1)を用いた以外は実施例5と同様に行った。このとき、原料とベース基板(6H−SiC単結晶基板22)との距離も実施例1と同じ1mmに設定した。
なお、原料(a1)は以下のようにして作製した。まず、AlN原料粉末(酸素含有量:0.8mass%、Al以外の不純物含有量:35ppm)100質量部に対して、Y23粉末10質量部を自動乳鉢にて約30分混合して混合粉末を得た。そして、有機バインダー、可塑剤、および滑剤を添加して、混合し、顆粒を作製した後、一軸プレス成形法により、板状の成形体を作製した。得られた成形体を空気雰囲気中で保持温度550℃、保持時間4時間で脱脂した。次いで、この脱脂体を、窒素雰囲気中、保持温度1800℃、保持時間5時間で焼成した。これにより、φ30mm、厚み5mmの焼結体(A)が得られた。焼結体(A)の希土類元素の量は3.8質量%であった。
上記工程を経た基板を電子顕微鏡で観察した結果、単結晶AlNからなる板状体が形成されていた。大きさはベース基板と同じであり、厚さは約85μmであった。該板状態は、外力を加えることにより容易にベース基板から分離でき、分離した基板の結晶性を評価したところ、X線回折による002面のピークの半値幅は、約420arcsecであった。
10: 装置
12: 炉本体
14: 坩堝(るつぼ)
16: 高周波コイル
18: ガス排気口
20: ガス吸気口
22: 無機単結晶基板
23: スペーサー
24: 無機単結晶の多角錐
26: 単結晶窒化アルミニウムの多角柱
28: 単結晶窒化アルミニウムの板状体
30: カーボン製容器

Claims (7)

  1. 単結晶窒化アルミニウムからなる板状体を製造する方法であって、
    〔C〕(1)希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素と
    アルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料又は
    (2)該複合酸化物或いは該複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除
    く)と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料を準備し、該原料の近傍に、突起が形成された無機単結晶基板を配置する準備工程;及び
    〔D〕10〜10000Paの非酸化性ガス雰囲気中で、前記原料及び前記無機単結晶基板を加熱し、前記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に前記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度として、前記突起上に単結晶窒化アルミニウムからなる板状体を形成する単結晶窒化アルミニウム形成工程
    を含んでなることを特徴とする単結晶窒化アルミニウムからなる板状体の製造方法。
  2. 〔A〕(1)希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素と
    アルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料又は
    (2)該複合酸化物或いは該複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除
    く)と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料を準備し、該原料の近傍に、無機単結晶基板を配置する準備工程;及び
    〔B〕6670Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、前記原料及び前記無機単結晶基板を加熱し、前記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に前記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度として、前記無機単結晶基板上に突起を形成する突起形成工程をさらに含み、
    前記突起形成工程〔B〕により形成される突起が、前記無機単結晶基板上に形成された該無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台と、該多角錐又は多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱とからなり、
    前記準備工程〔C〕が、前記突起形成工程〔B〕により得られた突起が形成された無機単結晶基板を、前記突起が形成された無機単結晶基板として配置する準備工程であることを特徴とする請求項1に記載の単結晶窒化アルミニウムからなる板状体の製造方法。
  3. 前記原料が、希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物からなる焼結助剤を用いて、酸化アルミニウムを含む窒化アルミニウム原料粉末を焼結した焼結体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶窒化アルミニウムからなる板状体の製造方法。
  4. 前記非酸化性ガスが、窒素ガス、又は窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガスであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の単結晶窒化アルミニウムからなる板状体の製造方法。
  5. 前記無機単結晶基板が、炭化珪素単結晶基板であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の単結晶窒化アルミニウムからなる板状体の製造方法。
  6. 突起が形成された無機単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる板状体とからなり、
    前記突起が、前記無機単結晶基板上に形成された該無機単結晶からなる多角錐又は多角錐台と、該多角錐又は多角錐台上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる多角柱とからなることを特徴とする積層体。
  7. 請求項6に記載の積層体を準備する工程、及び該積層体から前記板状体を分離する工程を含んでなることを特徴とする単結晶窒化アルミニウム自立基板の製造方法。
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