JP2010138012A - 単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[A]希土類及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物、並びに窒化アルミニウムを含んでなる原料、或いは該複合酸化物又は該複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除く)、並びに窒化アルミニウムを含む原料の近傍に無機単結晶基板を配置する工程;[B]0.9×105Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、前記原料温度を1600〜2000℃とすると共に前記無機単結晶基板の温度を1580℃以上で当該原料より低い温度とする工程;[C]0.9×105Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、前記原料温度を1600〜2000℃に維持すると共に、前記無機単結晶基板の温度を1580℃以上で該原料より低温度に維持し、前記無機単結晶基板上に単結晶窒化アルミニウムを形成する方法。
【選択図】図4
Description
G.R. Yazdi, et al., Journal of Crystal Growth, "Fabrication of free-standing AlN crystals by controlled microrod growth", doi:10.1016/j.jcrysgro.2007.11.124
即ち、本発明に係る単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法は、[A](1)希土類元
素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料又は(2)該複合
酸化物或いは該複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除く)と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料を準備し、該原料の近傍に無機単結晶基板を配置する準備工程;[B]0.9×105Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、上記原料及び上記無機
単結晶基板を加熱して、上記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に上記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度とする昇温工程;並びに[C]0.9×105Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、上記原料の温度を1600〜
2000℃に維持すると共に、上記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度に維持して、上記無機単結晶基板上に単結晶窒化アルミニウム板状体を形成する単結晶窒化アルミニウム形成工程を含んでなることを特徴とする。
粉末を焼結した焼結体であることが好ましい。
上記昇温工程及び上記単結晶窒化アルミニウム形成工程において、前記無機単結晶基板の表面に該無機単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起が形成され、次いで、該突起上に単結晶窒化アルミニウムの板状体が形成されることが好ましい。
本発明に係る積層体は、炭化珪素単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起が表面に形成された炭化珪素単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる板状体とからなることを特徴とする。
<実施形態1>
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法(実施形態1)では、特定の圧力、雰囲気及び温度条件で、特定の原料及び無機単結晶基板(単にベース基板ともいう。)を加熱して単結晶窒化アルミニウム板状体を製造する。図1に、上記単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法に用いる装置の一例を示す。装置10における炉本体12の中央には、原料及びベース基板を配置するための坩堝(るつぼ)14が設けられており、炉本体12の外側には、坩堝14を加熱するための高周波コイル16が設けられている。また、加熱の際に炉本体12内の圧力及び雰囲気を調整するため、ガスを排気するガス排気口18及びガスを導入するガス吸気口20が炉本体12に設けられている。なお、図示していないが坩堝14は外部と均圧をとれる構造となっている。
準備工程[A]では、(1)希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウム(Al)とを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウム(AlN)と、を含んでなる原料(本明細書において原料(a1)ともいう)の近傍に炭化珪素(SiC)単結晶基板を配置する。
料の種類や加熱温度等によって若干変わるが、通常は0.5〜50mm、好ましくは1〜30mmである。この距離は、例えば図1に示すようにカーボン製などのスペーサー23によって調整する。
、CaOが用いられるが、結晶成長速度の観点から希土類元素の酸化物、特に酸化イットリウムが好適に用いられる。上記焼結助剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
であることが好ましい。
AlNと前記焼結助剤を高温で反応させて複合酸化物又は複合酸窒化物を形成する場合、焼結助剤に含まれる酸素原子がAlNの酸化にも使用されるため、Al2O3などのアル
ミニウム酸化物は必ずしも必要ではないが、前記したように反応の促進効果があるため存在することが好ましい。AlN粉末は、通常空気中で酸化され、粒子の表面から約100nmの範囲がAl2O3となり、AlN粉末に対して0.1〜1質量%の酸素を含むため、通常入手可能なAlN粉末は、特にAl2O3を添加しなくても該酸化物を含んでいる。従って、上記AlN粉末を、Al2O3を含むAlN原料粉末として好適に使用できる。
雰囲気中、1650〜1950℃で、1〜10時間実施することが好ましい。
なお、成形体の作製において、有機バインダーを用いずに圧縮成形法により混合粉末を成形してもよい。例えば、上記混合粉末を一軸成形機にて仮成形してグリーン体を製造し、これをCIP(冷間等方圧)成形機にて1〜4t/cm2で加圧成形することにより、
上記成形体を作製してもよい。この場合、成形体は脱脂を行わずに焼成される。
実施形態1に用いるSiC単結晶基板としては、6H−SiC単結晶基板、4H−SiC単結晶基板が挙げられる。単結晶AlNとの格子定数のミスマッチがより小さく、単結晶AlNの板状体の歪みが抑えられることから6H−SiC単結晶基板がより好適に用いられる。SiC単結晶基板の大きさは、通常25mm2〜10000mm2、好ましくは100mm2〜2500mm2であり、厚さは、通常100〜1000μm、好ましくは200〜800μmである。
昇温工程[B]では、0.9×105Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、上記原料及
び上記SiC単結晶基板を加熱して、上記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に上記SiC単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度とする。これにより、SiC単結晶基板22の表面にSiC単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起24が形成される(図2参照)。なお、所定の温度に達してからも、条件によってはAlN単結晶の形成が直ぐに始まらず前記突起24の形成が継続する場合がある。このような場合、所定の温度に達してから時間が経過しても、AlN単結晶の形成が始まるまでの期間は該昇温工程〔B〕に含まれるものとする。
の表面に炭化珪素単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起が形成され難く、単結晶AlN板状体を形成した場合、該板状体とベース基板との分離が困難となる場合がある。また、ベース基板の温度範囲が上記範囲から外れる場合には、上記突起が形成されにくくなるばかりでなく、引き続き行われる工程[C]における単結晶AlNの成長速度が低下する場合がある。また、ベース基板温度が低いと、突起の形成と単結晶AlNの成長が競争的に起こるようになることが原因であると思われるが、大きな突起が形成され難くなる傾向がある。良好な上記突起が形成され、単結晶AlN板状体とベース基板との分離が容易となるという観点からは、非酸化性ガス雰囲気の圧力を0.9×105〜2×1
05Pa、特に1×105〜1.5×105Paとし、原料の温度を1800〜1990℃
とし、ベース基板温度を1790〜1980℃であって当該原料より10〜100℃、特に20〜70℃低い温度とすることが好ましい。
a、特に1×105〜1.5×105Paの非酸化性ガス雰囲気中で行われる。雰囲気及び圧力の制御は、例えば系内の雰囲気ガスをガス排気口18から排気した後に、ガス吸気口20から窒素ガスを上記圧力になるように導入すればよい(図1)。上記圧力は、例えば炉本体に取り付けられた圧力計により測定される。なお、系内の圧力を大気圧とするときはガス排気口を大気開放すればよく、それ以外の圧力に調整する場合には調圧弁或いは所定の圧力に達したときに自動的に開くダンパー等を介して大気開放すればよい。昇温工程[B]の間、圧力は上記範囲にあれば一定であっても、変化させてもよく、圧力は上記調圧弁或いはダンパーで調整することができる。なお、非酸化性ガスとして窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガスを使用する場合には、窒素を使用するとともに、系内に加熱により炭素ガスを発生するカーボン源を存在させておけばよい。
上記原料及び上記SiC単結晶基板の温度差は、上記原料及び上記SiC単結晶基板の距離を変えることにより調整できる。また、制御系統が独立した2以上のヒーターを用いて調整してもよいし、ヒーターと坩堝との位置関係を調整することにより制御することもできる。
あることが好ましい。密度がこの範囲にあると、板状体をSiC単結晶基板から分離しやすい。なお、突起の数は、走査型電子顕微鏡(SEM)像から突起物の数を直接数えることにより確認できる。
単結晶窒化アルミニウム形成工程[C]では、0.9×105Pa以上の非酸化性ガス
雰囲気中で、上記原料の温度を1600〜2000℃に維持すると共に、上記SiC単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度に維持して、上記SiC単結晶基板上に単結晶窒化アルミニウム(AlN)を形成する。より具体的には、上記突起24上に単結晶AlNの多角柱26が形成され、最終的に、多角柱がラテラル成長して結合して、単結晶AlNの板状体28が形成される(図3、4参照)。
上記温度に維持する時間は、原料及びベース基板の温度、並びに得ようとする板状体の厚さに応じて適宜決定すればよいが、好ましくは30分〜10時間である。
を育成し、その表面に単結晶AlNの板状体を形成しているため、下地結晶との不整合による影響を受け難い。言い換えると、貫通転位や格子歪みの無い高品質の単結晶AlNの板状体が得られる。
実施形態1において用いた原料(a1)の変わりに、(2)上記複合酸化物又は上記複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウム(AlN)を除く)と、窒化アルミニウムとを含んでなる原料(本明細書において原料(a2)ともいう)を用いてもよい。ここで、上記原料物質とは、例えば、上記焼結体において粒界に存在する複合酸化物又は複合酸窒化物の原料物質、即ち、焼結助剤、Al2O3及びAlNを意味する。酸素の供給源がある場合には昇温中にAlNはAl2O3に容易に転化するので、Al2O3に代えて他の酸化物あるいは水酸化アルミニウムを使用することもできる。
)は、「原料物質(但し、窒化アルミニウム(AlN)を除く)と、窒化アルミニウムとを含んでなる原料」としている。「AlNを過剰量含んでいてもよい原料物質」と表現することもできる。上記原料物質(この場合AlNを含む)は昇温工程において反応し、昇華し易い複合酸化物又は複合酸窒化物が形成される。この複合酸化物又は複合酸窒化物はそれ自体が昇華してAlN単結晶の原料となるばかりでなく、原料(a2)に過剰量含まれるAlNの昇華を促進する働きもあると考えられる。したがって、原料(a1)を用いたときと同様に低温での加熱でも、大きく厚い単結晶AlNの板状体が得られる。
原料(a2)中、焼結助剤に用いられる化合物は合計で0.1〜50質量%、特に1〜30質量%の量で含まれ、Al2O3を含むAlN原料粉末は50〜99.9質量%、特に70〜99質量%の量で含まれることが好ましい(ここで、焼結助剤に用いられる化合物およびAlN原料粉末の合計は100質量%である。)。これにより、結晶性の良い単結晶窒化アルミニウムが速い速度で効率よく安定して得られる。
実施形態2においても、実施形態1と同様に、工程[B]および[C]において、SiC単結晶基板22の表面にSiC単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起24が形成される(図2参照)。次いで、上記突起24上に単結晶AlNの多角柱26が形成され、最終的に、多角柱がラテラル成長して結合して、単結晶AlNの板状体28が形成される(図3、4参照)。即ち、最終的には、SiC単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起が表面に形成されたSiC単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶AlNからなる板状体とからなる積層体が得られる。しかしながら、原料(a1)及び原料(a2)を比較すると、原料(a1)を用いた方が、単結晶AlNの板状体がより高い再現性で製造できる。これは、AlN単結晶の比較的低温での成長には「希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とアルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物」が重要な役割を果たしていると考えられるところ、原料(a1)ではこれら複合酸化物又は複合酸窒化物が確実に形成されているのに対し、混合粉末である原料(a2)を用いたときには昇温工程[B]において、条件によっては上記複合酸化物又は複合酸窒化物が形成され難いことが原因と思われる。
本発明に係る単結晶窒化アルミニウム自立基板では、まず、実施形態1又は2のような方法により「炭化珪素単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起が表面に形成された炭化珪素単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる板状体とからなることを特徴とする積層体」を準備する。次に、該積層体から単結晶窒化アルミニウム(AlN)からなる板状体を分離する。このとき、無機単結晶(例えばSiC単結晶)からなる多角錐状又は多角錐台状の突起の頂点部分で分離するため、接合面積
が小さいことにより、及び両者が異質材料であることにより、単結晶AlNの板状体は容易に分離され、大きく厚い高品質の自立基板が得られる。
[評価方法]
<原料(a1)及び原料(a2)に用いた原料粉末中のAl2O3の量>
原料粉末について波長分散型蛍光X線分析装置によりAl2O3の量を求めた。
原料を乳鉢により粉砕した後、波長分散型蛍光X線分析装置により希土類元素の量を求めた。具体的には、原料を粉砕後、硝酸及びリン酸を加え加熱分解し溶液を作製し、島津製作所製「ICPS−7510」を使用してICP発光分析を行った。なお、希土類元素の濃度は、予め準備した検量線を元に定量した。
走査型電子(SEM)顕微鏡により、大きさが分かるように任意の倍率に拡大して評価した。
板状体、多角柱の結晶性は、X線回折装置を使用して、評価対象の面方位のピークの半値幅から評価した。
エネルギー分散型X線分析装置を用いて、突起物にビームを絞り評価した。
[実施例1]
実施例1には、図5に示す装置10を使用した。
工程〔A〕: まず、AlN原料粉末(酸素含有量:0.8mass%、Al以外の不純物含有量:35ppm)100質量部に対して、Y2O3粉末10質量部を自動乳鉢にて約30分混合して、混合粉末である原料(a2)を得た。次いで、原料(a2)をカーボン製容器30の中に、原料表面が坩堝の底面と同じ高さになるように(すり切りいっぱいに)入れた。6H−SiC単結晶基板22(10mm×10mm×0.3mmt)とカーボン製容器30との距離(原料からの距離でもある)が約3mmとなるように、るつぼ14中に配置した。
体的にはガス排気口18から排気を行った後、ガス吸気口20から上記圧力となるように窒素ガス(純度99.9999%)を導入した。炉本体10内が上記雰囲気になった後、炉本体10の外側に設けられた高周波加熱コイル16を作動して、るつぼ14、即ちカーボン製容器30及び6H−SiC単結晶基板22の加熱を開始した。カーボン容器の温度(この温度を原料(a2)の温度とみなせる。)が1900℃、6H−SiC単結晶基板の温度が1850℃に達するまで加熱した。
定に保った。
、高さが5〜40μmであった。また、上記突起はSiCからなることが分かった。
上記分析用試料の作成とは別に、上記した方法と同様にして工程[A]および[B]を行った後に次のようにして工程〔C〕を行った。
気ダンパーが開く機構を炉に設けることで炉内圧力を一定に保った。
(実施例2−1)
図5に示す装置10の変わりに図1に示す装置10を用いたこと、及び原料(a2)の代わりに原料(a1)を用いた以外は実施例1−1と同様に工程[A]〜[B]を行った。このとき、原料とベース基板(6H−SiC単結晶基板22)との距離も実施例1−1と同じ3mmに設定した。
った。
実施例2−1とは別に、実施例2−1と同様にして工程[A]および[B]を行い、更に引き続き実施例1−2と同様にして工程[C]を行った結果、実施例1−2と同様にベース基板の突起上に単結晶AlNからなる厚さ約200μmの板状体が形成されていた。
ヒーター加熱条件を若干変更し、カーボン製容器の温度を1900℃、6H−SiC単結晶基板の温度を1800℃とした以外は実施例1−1と同様に昇温を行い、所定の温度に達してから60分保持した後に冷却し、ベース基板を取り出した。
5〜40μmであった。多角柱は、単結晶AlNからなり、X線回折による002面のピークの半値幅は、300arcsecであった。
昇温完了後の保持時間を90分とした以外は実施例3と同様に行った。
上記工程を得た基板を電子顕微鏡で観察した結果、図8に示すように、SiC単結晶からなる多角錐又は多角錐台状の複数の突起が表面に形成されたSiC単結晶基板と、当該突起上に形成された結晶AlNの板状体とからなる積層体が得られた。該板状体は、SiC単結晶基板とほぼ同じ形状を有しており、その厚さは150〜200μmであった。また、該板状体を構成する単結晶AlNのX線回折による002面のピークの半値幅は、500arcsecであった。
[実施例5]
実施例2−1において、カーボン製容器の温度を1900℃、6H−SiC単結晶基板の温度を1800℃に変更する以外は同様にして昇温し、60分間所定の温度で保持した後に冷却してベース基板を取り出した。その結果、実施例3と同様に、炭化珪素単結晶からなる多角錐又は多角錐台状の突起を有するSiC基板の当該突起上に単結晶AlN柱状体が形成されていた。
昇温完了後の保持時間を90分とした以外は実施例5と同様に行った。
冷却後に得られたベース基板を電子顕微鏡で観察した結果、SiC単結晶からなる多角錐又は多角錐台状の複数の突起が表面に形成されたSiC単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶AlNの板状体とからなる積層体が得られた。該板状体は、SiC単結晶
基板とほぼ同じ形状を有しており、その厚さは170〜200μmであった。また、該板状体を構成する単結晶AlNのX線回折による002面のピークの半値幅は、450arcsecであった。
12: 炉本体
14: 坩堝(るつぼ)
16: 高周波コイル
18: ガス排気口
20: ガス吸気口
22: 炭化珪素単結晶基板
23: スペーサー
24: 突起
26: 単結晶窒化アルミニウムの多角柱
28: 単結晶窒化アルミニウムの板状体
30: カーボン製容器
Claims (7)
- 単結晶窒化アルミニウム板状体を製造する方法であって、
[A](1)希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素と
アルミニウムとを含む複合酸化物又は複合酸窒化物と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料又は
(2)該複合酸化物或いは該複合酸窒化物の原料物質(但し、窒化アルミニウムを除
く)と、窒化アルミニウムと、を含んでなる原料を準備し、該原料の近傍に無機単結晶基板を配置する準備工程;
[B]0.9×105Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、前記原料及び前記無機単結
晶基板を加熱して、前記原料の温度を1600〜2000℃とすると共に前記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度とする昇温工程;並びに
[C]0.9×105Pa以上の非酸化性ガス雰囲気中で、前記原料の温度を1600
〜2000℃に維持すると共に、前記無機単結晶基板の温度を1580℃以上であって当該原料より低い温度に維持して、前記無機単結晶基板上に単結晶窒化アルミニウム板状体を形成する単結晶窒化アルミニウム形成工程
を含んでなることを特徴とする単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法。 - 前記原料が、希土類元素及びアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物からなる焼結助剤を用いて、酸化アルミニウムを含む窒化アルミニウム原料粉末を焼結した焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法。
- 前記非酸化性ガスが、窒素ガス、又は窒素ガス及び炭素ガスを含む混合ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法。
- 前記昇温工程及び前記単結晶窒化アルミニウム形成工程において、前記無機単結晶基板の表面に該無機単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起が形成され、次いで、該突起上に単結晶窒化アルミニウムの板状体が形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法。
- 前記無機単結晶基板が、炭化珪素単結晶基板であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の単結晶窒化アルミニウム板状体の製造方法。
- 炭化珪素単結晶からなる複数の多角錐状又は多角錐台状の突起が表面に形成された炭化珪素単結晶基板と、当該突起上に形成された単結晶窒化アルミニウムからなる板状体とからなることを特徴とする積層体。
- 請求項6に記載の積層体を準備する工程、及び該積層体から前記板状体を分離する工程を含んでなることを特徴とする単結晶窒化アルミニウム自立基板の製造方法。
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JP6002038B2 (ja) * | 2010-08-10 | 2016-10-05 | 株式会社東芝 | GaNベース半導体結晶成長用多結晶窒化アルミニウム基材およびそれを用いたGaNベース半導体の製造方法 |
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