JP2010194825A - 無機質板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形体に粗化処理を施す際に成形体を十分に荒らすことでこの成形体から形成されるベース層と表層との密着性を十分に向上すると共に、この粗化処理を高い効率でおこなうことができる無機質板の製造方法を提供する。
【解決手段】窯業系の成形材料から形成された成形体1の表面を粗化する粗化処理工程と、成形体1の粗化面の上に窯業系の成形材料を堆積させて堆積層2を形成することで積層体3を得る堆積工程と、積層体3を加圧する加圧成形工程と、積層体3を養生硬化する養生工程とを含む。粗化処理粗化工程では、外周方向に突出する複数の柱状の突起7を有する粗化ローラ6を用い、成形体1を搬送しながら、粗化ローラ6を成形体1の搬送方向に対して順回転させると共に突起7の先端の周速が成形体1の搬送速度よりも速くなるようにして、突起7で成形体1の表面を掘り起こす。
【選択図】図1

Description

本発明は、外壁材等の建材として用いられる無機質板の製造方法に関する。
従来、セメントを主成分とする無機質板を建材として用いることがおこなわれている。このような無機質板としては、抄造法などの湿式法で形成されるベース層と乾式法で形成される表層とが積層しているものがある。すなわち、図7に示すように、水硬性のセメントと水とを主成分とするスラリー状の窯業系の成形材料を抄造法により抄き上げて成形体1(グリーンシート)を形成し、この抄造直後の成形体1の表面に、セメントを主成分とする含水率の小さい(約50%以下)表層材料を散布して堆積層2を形成し、この後、凹凸面を有するプレス型9を堆積層2側から押し付けて加圧成形することにより凹凸模様を形成し、この後、養生硬化することにより、成形体1からベース層を形成すると共に表層材料から表層を形成し、無機質板を製造することがおこなわれている(特許文献1参照)。
このように無機質板を製造するにあたり、ベース層と表層との間の密着性を高めるために、表層材料を散布する前の成形体1の表面に粗化処理が施されることがある。従来、この粗化処理にあたっては、図6に示すような粗化ローラ61が用いられている。この粗化ローラ61は帯状に連ねた多数の鋸刃状の突起71をローラ本体の外周面に螺旋状に巻き付けて形成される。そして、この粗化ローラ61を抄造直後で含水率80〜100%の状態の成形体1の表面に押し当てると共に抄造速度(成形体1の搬送速度)よりも幾分速い周速で回転させることにより、突起71で成形体1の上面を掘り起こして粗化する。この粗化ローラ61で粗化された成形体1の上面には、図7(a)に示すように切り起こし形状の突出部1aが突出長さ1〜2mmで形成されるのである。
しかし、鋸刃状の突起71を有する粗化ローラ61を用いる粗化処理では、成形体1の上面を十分に荒らすことは難しく、ベース層4と表層5との間の密着性を十分に向上することは難しかった。
また、このような粗化ローラ61で成形体1に粗化処理を施す際は、鋸刃状の突起71間に成形体1から脱離した成形材料が付着しやすいという問題もある。特に成形材料中に繊維が配合されている場合には繊維が鋸刃状の突起71に絡みついて、成形材料が突起71間に更に付着しやすくなる。この成形材料を粗化処理中に除去することは困難である。また粗化処理を中断して成形材料を除去する場合には、鋸刃状の突起71間の隙間は入り組んでいるため、成形材料の除去には煩雑な手間を要すると共に除去に要する作業時間が長時間に及んでしまう。そのため、粗化処理の効率が低くなってしまう。また、成形体1の掘り起こし深さを浅くすれば粗化ローラ61への成形材料の付着量を低減することができるが、この場合には、ベース層4と表層5との間の密着性を十分に向上することが難しくなってしまう。
特開平11−58344号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形体に粗化処理を施す際に成形体を十分に荒らすことでこの成形体から形成されるベース層と表層との密着性を十分に向上することができると共に、この粗化処理を高い効率でおこなうことができる無機質板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無機質板Aの製造方法は、窯業系の成形材料からなるベース材料から形成された成形体1の表面を粗化する粗化処理工程と、前記成形体1の粗化面の上に窯業系の成形材料からなる表層材料を堆積させて堆積層2を形成することで、前記成形体1と堆積層2とが積層した積層体3を得る堆積工程と、この積層体3を積層方向に加圧する加圧成形工程と、この積層体3を養生硬化することで前記成形体1が硬化してなるベース層4と前記堆積層2が硬化してなる表層5とを形成する養生工程とを含む。前記粗化処理粗化工程では、外周方向に突出する複数の柱状の突起7を有する粗化ローラ6を用い、前記成形体1を搬送しながら、前記粗化ローラ6を前記成形体1の搬送方向に対して順回転させると共に前記突起7の先端の周速が前記成形体1の搬送速度よりも速くなるようにして、前記突起7で前記成形体1の表面を掘り起こすことで、前記成形体1の表面を粗化する。
これにより、本発明では、ベース層4と表層5とが積層した構造を有する無機質板Aを得ることができる。この無機質板Aの製造時の粗化処理工程においては、粗化ローラ6の突起7が柱状に形成されていることから、この突起7を成形体1の表面に深く押し込むことが容易になる。このため、粗化ローラ6を用いて成形体1の表面を柱状の突起7で深く掘り起こして成形体1を十分に荒らすことができ、これにより無機質板Aのベース層4と表層5との密着性を向上することができる。また、突起7が柱状に形成されていることから、この突起7の隙間には成形材料から脱落したベース材料が付着しにくくなり、たとえ突起7の間にベース材料が付着したとしても、柱状の突起7の隙間からはベース材料を容易に除去することができるようになる。
本発明においては、上記複数の柱状の突起7が、上記粗化ローラ6の周方向に沿って千鳥状に配列していることが好ましい。
この場合、粗化ローラ6における柱状の突起7の隙間が規則正しく配列するようになって、柱状の突起7の隙間からのベース材料の除去が更に容易になり、また粗化処理後の成形体1において掘り起こしにより厚みが薄くなった部分が連続して並ばないようにすることができて、ベース層4の強度低下を抑制することができるようになる。
本発明においては、上記粗化処理工程での上記成形体1における突起7で掘り起こされる領域の面積が、上記成形体1の粗化処理が施される面の10〜20%の範囲となるようにすることも好ましい。
この場合、成形体1の表面を適度に荒らしてベース層4と表層5との密着性を十分に向上すると共に、加圧成形工程で加圧された後の堆積層2の表面に、粗化されたベース層4の表面形状が浮き上がることを抑制することができ、無機質板Aの外観を向上することができる。
本発明においては、上記柱状の突起7が角柱状に形成されていることも好ましい。
この場合、成形体1を突起7で掘り起こす際に突起7からのベース材料の逃げが生じにくくなり、成形体1を更に深く掘り起こすことが容易となる。
本発明によれば、成形体に粗化処理を施す際に成形体を深く掘り返すことでこの成形体の表面を十分に荒らすことができ、成形体から形成されるベース層と表層との密着性を十分に向上することができるものであり、しかも粗化処理に使用する粗化ローラに付着したベース材料を除去する手間を削減することができて粗化処理を高い効率でおこなうことができるようになる。
本発明の実施の形態の一例における粗化処理工程を示す概略図である。 同上の実施の形態における粗化ローラを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 同上の実施の形態における粗化処理後の成形体を示す断面図である。 (a)乃至(c)は同上の実施の形態における粗化処理後の無機質板の製造工程を示す断面図である。 (a)及び(b)は実施例における平面引っ張り試験を示す概略の正面図である。 従来技術における粗化ローラの一例を示す斜視図である。 (a)乃至(c)は従来技術における無機質板の製造工程の一例を示す断面
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(成形体の作製)
本実施の形態では、まず、ベース層4を形成するための成形体1(グリーンシート)を作製する。この成形体1は窯業系の成形材料(以下、ベース材料という)を用いて抄造法で形成することができる。この場合、成形体1は例えばセメント、珪石粉、フライアッシュ、パルプ繊維などの固形分を水に分散させてスラリー状のベース材料を調製し、このベース材料を長網や丸網で抄き上げることにより形成することができる。成形体1は高い含水率を有することが好ましく、例えば含水率が200%程度であることが好ましい。このように含水率を高くすると、成形体1が軟らかくなり、後述の粗化処理により成形体1を容易に深く掘り起こすことができる。また、含水率の高いベース材料は後述する粗化処理時に粗化ローラ6の突起7に付着しにくくなるため、粗化ローラ6の洗浄の手間を削減することもできる。
湿式の抄造法によって、高含水率の成形体1を作製するためには、例えば水硬性セメントを主成分として含有すると共に、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、珪石粉、パルプ、ビニロン繊維、ロックウール等の補強繊維等を含有し、固形分が例えば30%程度に調整されたスラリー状のベース材料を用いることができる。具体的なベース材料の組成としては、セメント100質量部に対してフライアッシュの含有量が20〜60質量部、補強繊維の含有量が5〜20質量部程度の割合のものを例示することができる。
(粗化処理工程)
上記成形体1の上面に粗化処理を施す。この粗化処理は図2に示す粗化ローラ6を用いておこなう。粗化ローラ6は、円柱状のローラ部8と、このローラ部8の周面から突出する複数の柱状の突起7とを備える。柱状の突起7はローラ部8の周面の全体に亘って形成されている。この突起7は粗化ローラ6の外周側に向けて、この粗化ローラ6の径方向に突出するように形成されている。突起7の形状は柱状であれば、円柱状、角柱状等の適宜の形状であってよいが、特に角柱状であることが好ましく、本実施の形態では突起7は四角柱状に形成されている。この粗化ローラ6はモータ等の適宜の駆動源からの駆動力の供給を受けて、ローラ部8の中心軸を中心にして回転駆動する。
また、成形体1を均一に粗化するためには、突起7はローラ部8の周面上に均一に分散して形成されていることが好ましい。本実施の形態では突起7はローラ部8の周面上に千鳥状に均一に配列するように形成されている。
このような粗化ローラ6を用いた成形体1の粗化処理は、次のようにしておこなわれる。まず、抄造法により形成された直後の成形体1を、図1に示すように搬送する。成形体1は、その粗化処理が施される面を上面に配置して、この上面と平行な方向(水平方向)に搬送する。成形体1の搬送はベルトコンベア等の適宜の搬送手段によっておこなわれる。成形体1の搬送速度は一定であることが好ましく、またこの搬送速度は成形体1の抄造速度と同じにすることができる。
粗化ローラ6は上記搬送される成形体1の上方に配置する。また、粗化ローラ6は、その回転軸が成形体1の搬送方向に対して直交するように配置される。この粗化ローラ6は成形体1の搬送方向に対して順方向に回転させる。すなわち、粗化ローラ6の中心軸に対する成形体1側の周面は成形体1の搬送方向に向けて移動し、中心軸に対する成形体1とは反対側の周面は成形体1の搬送方向とは反対方向に向けて移動するようにして、粗化ローラ6を回転させる。この粗化ローラ6の回転速度は、突起7の先端の周速が成形体1の搬送速度よりも速くなるように設定する。
この粗化処理では、突起7は周回軌道に沿って成形体1の上方を移動しながら、この成形体1の上面に押し込まれた後、成形体1から引き抜かれる。このとき、突起7の先端の周速は上記のとおり成形体1の搬送速度よりも速いため、突起7は成形体1に押し込まれた状態で成形体1に対してその搬送方向側に移動する。このため、図3に示すように成形体1の上面は突起7によって掘り起こされ、この上面の突起7が押し込まれた箇所が陥没して窪み部1bが形成されると共に、この窪み部1bの搬送方向側が隆起して突出部1aが形成される。成形体1はその搬送方向に移動しながら、その上面が順次突起7によって掘り起こされるため、成形体1の上面にはその全面に亘って窪み部1bと突出部1aが形成される。
このようにして成形体1に粗化処理を施すと、突起7が柱状に形成されていることから、成形体1を突起7で深く掘り起こすことができ、深さ寸法の大きい窪み部1bと高さ寸法の大きい突出部1aを連続的に形成することができる。このため、粗化処理を効率良くおこなうことができると共に、粗化処理によって成形体1の上面を十分に荒らすことができるようになる。
また、突起7が柱状に形成されていることから、粗化処理時に突起7間の隙間に成形体1から脱離したベース材料が付着しにくくなり、またベース材料中に繊維が配合されている場合でも柱状の突起7には繊維は絡みつきにくくなる。また、突起7の間にベース材料が付着したとしても、柱状の突起7は単純な形状を有することから、粗化ローラ6からベース材料を除去することが容易となり、例えば粗化ローラ6にノズルから高圧水を噴射することでベース材料を容易に除去することが可能となる。
粗化処理による成形体1の上面の粗化の度合い、すなわち窪み部1b及び突出部1aの平面視面積、窪み部1bの深さ、突出部1aの高さ、窪み部1b及び突出部1aの配列及び分布密度等は、成形体1の性状等に応じ、粗化処理の条件を調整することで、適宜調整することができる。粗化の度合いは、ベース層4と表層5との間の密着性が十分に高くなるように適宜調整される。
粗化の度合いの調整にあたっては、例えば粗化ローラ6における突起7の配列の仕方や密度を調整することで、成形体1における窪み部1b及び突出部1aの配列や分布密度等を調整することができる。特に本実施の形態のように突起7を千鳥状に配列して形成すると、成形体1の上面に窪み部1b及び突出部1aが千鳥状に分散して形成され、均一な粗化が可能になると共に、粗化処理後の成形体1において掘り起こしにより厚みが薄くなった部分が連続して並ばないようにすることができて、成形体1から形成されるベース層4の強度低下を抑制することができるようになる。また、粗化ローラ6における柱状の突起7の隙間が規則正しく配列するため、突起7の隙間に付着したベース材料を除去する際にこの柱状の突起7の隙間からのベース材料の除去が更に容易になるという利点もある。
また、突起7の形状を変更することで、突起7がベース材料を掘り起こす際の抵抗を調整して、掘り起こし量を調整することができる。特に本実施の形態のように突起7を四角柱状等の角柱状に形成すると、突起7が円柱状などの場合と較べて成形体1を突起7で掘り起こす際の抵抗が大きくなって突起7からのベース材料の逃げが生じにくくなり、突出部1aの高さが高くなって粗化処理の効率を高くすることができる。
また、突起7の断面積を大きくするとベース材料の掘り起こし量が多くなって窪み部1bの面積、突出部1aの高さ及び面積が大きくなる。成形体1を粗化処理により適度に荒らすためには、突起7の、その突出方向と直交する断面の面積が、16〜36mmの範囲であることが好ましい。前記面積を16mm以上とすることでベース層4と表層5との間で特に良好なアンカー効果が得られ、ベース層4と表層5との間の密着性が更に向上すると共に、この面積を36mm以下とすることで後述する加圧成形時に堆積層2(表層5)に粗化形状が浮き上がることを抑制して表面地合の悪化を十分に抑制することができるようになる。
また、成形体1の上面への突起7の押し込み深さを深くすると、窪み部1bの面積及び深さ、突出部1aの面積及び高さが大きくなる。成形体1を粗化処理により適度に荒らすためには、成形体1への突起7の押し込み深さは、突起7が成形体1に最も深く押し込まれた状態で4〜10mmの範囲となることが好ましい。前記押し込み深さを4mm以上とすることでベース層4と表層5との間で特に良好なアンカー効果が得られ、ベース層4と表層5との間の密着性が更に向上すると共に、この押し込み深さを10mm以下とすることで後述する加圧成形時に堆積層2(表層5)に粗化形状が浮き上がることを抑制して表面地合の悪化を十分に抑制することができるようになる。
また、成形体1の搬送速度と突起7の先端の周速との差を大きくすると、窪み部1bの面積、突出部1aの面積及び高さが大きくなる。成形体1を粗化処理により適度に荒らすためには、成形体1の搬送速度と突起7の先端の周速との差を1.0〜3.0m/minの範囲で調整することが好ましい。前記周速との差を1.0m/min以上とすることでベース層4と表層5との間で特に良好なアンカー効果が得られると共に、この周速の差を3.0m/min以下とすることで後述する加圧成形時に堆積層2(表層5)に粗化形状が浮き上がることを抑制して表面地合の悪化を十分に抑制することができるようになる。
また、粗化の度合いを調整するにあたり、粗化処理により掘り起こされる領域の面積、すなわち窪み部1b及び突出部1aの平面視面積の総計が、成形体1の粗化処理が施される面全体の面積に対して10〜20%の範囲となるようにすることが好ましい。前記面積の割合を10%以上とすることで、窪み部1b及び突出部1aが適度な密度で分散して存在し、ベース層4と表層5との間で特に良好なアンカー効果が得られ、ベース層4と表層5との間の密着性が更に向上すると共に、この面積の割合を20%以下とすることで窪み部1b及び突出部1aの密度が過度に高くならないようにして、後述する加圧成形時に表層5の表面に窪み部1b及び突出部1aの形状が浮き上がることを抑制し、表面地合の悪化を十分に抑制することができるようになる。
(堆積工程)
上記のように成形体1の上面を粗化した後、図4(a)に示すように、成形体1の上面に窯業系の成形材料(以下、表層材料という)を散布して、成形体1の粗化処理が施された面に表層材料を堆積させて堆積層2を形成し、成形体1と堆積層2とが積層した構造を有する積層体3を形成する。表層材料としては、例えばセメント、珪石粉、フライアッシュ、パルプ繊維などの混合材料が挙げられ、またこの表層材料の組成は成形体1を形成するためのベース材料と固形分と同様の組成(スラリーの水以外の組成)とすることができる。また、表層材料は乾式材料あるいは半乾式材料であることが好ましく、その含水率は50%以下であることが好ましい。
乾式ないしは半乾式の表層材料の組成について更に詳しく説明すると、表層材料としては、水硬性セメントを主成分とし、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、珪石粉、パルプ、ビニロン繊維、ロックウール、パーミュキュライト等の補強繊維や骨材等を適宜に配合した組成とし、その含水率を例えば0〜50%に調整したものを用いることができる。具体的には、例えば、セメント100質量部に対して、フライアッシュを10〜70質量部、補強繊維を2〜10質量部、骨材を5〜70質量部の範囲で含有する表層材料が挙げられる。
このような表層材料を成形体1に散布して堆積させることにより、成形体1の上面全てが堆積層2で覆われるようにすることが好ましい。この場合、窪み部1bの内側に表層材料が充填されると共に、突出部1aの表面が全て表層材料で覆われる。
(加圧成形工程)
堆積層2の形成後、図4(b)に示すように積層体3をプレス型9で加圧成形する。プレス型9の下面は凹凸状に形成されており、すなわちこの下面には複数の成形凸部10、10…が突設されていると共にこの成形凸部10以外の部分が成形凹部11として形成されている。このプレス型9の下面を積層体3の堆積層2側に押し付けることにより、成形体1が加圧成形される。この加圧成形により成形体1及び堆積層2が圧縮されると共に、堆積層2の表面にプレス型9の下面の成形凸部10及び成形凹部11の形状が転写されて目地模様等の凹凸模様が形成される。
この加圧成形時においては、積層体3に凹凸模様を形成する場合、通常は成形凸部10による成形体1の圧縮率は成形凹部11による成形体1の圧縮率よりも高くなるため、全体として成形圧力が高くなってしまうが、本実施の形態のように深い窪み部1bが形成されていると、窪み部1bの形成位置で成形体1の厚みが薄くなっているため、成形凸部10による成形体1の圧縮率が平均的に低くなる。このため、加圧成形時の全体的な成形圧力が低減し、加圧成形の効率が向上する。また、それに伴い、複数の積層体3に順次加圧成形を施す場合の成形サイクルを短縮することができ、生産効率が高くなる。
(養生工程)
加圧成形後の積層体3を養生硬化することにより、図4(c)に示すような無機質板Aが得られる。この無機質板Aは、成形体1が硬化して形成されるベース層4と、堆積層2が硬化して形成される表層5とが積層した構造を有し、表層5の表面には凹凸模様が形成されている。この養生硬化は、蒸気養生、オートクレーブ養生等の適宜の手法で行われる。具体的には例えば積層体3を温度40〜80℃、湿度90〜100%の雰囲気で10〜30時間程度蒸気養生し、さらに140〜200℃で2〜10時間程度オートクレーブ養生して硬化させる等の操作が採用される。
この無機質板Aには、必要に応じて、表面仕上げのためシーラーや塗料を塗布するなど、従来外装材として用いられる無機質板Aと同様の処理を施してもよい。
(実施例)
水硬性セメント100質量部、フライアッシュ60質量部、補強繊維10質量部を含み、含水率200%に調整された窯業系のベース材料を抄造して、成形体1を作製した。
この成形体1の上面に、図2に示すような柱状の突起7を有する粗化ローラ6を用いて粗化処理を施した。この粗化ローラ6としては、5mm×5mmの断面寸法を有する複数の四角柱状の突起7が千鳥状に配列して形成されているものを用いた。また、粗化処理時の突起7の先端の周速は、成形体1の搬送速度よりも1.5m/分だけ速くなるようにした。突起7の成形体1への押し込み深さは最大4mmとなるようにした。また、この粗化処理が施された領域の面積(窪み部1b及び突出部1aの平面視面積の総計)は、成形体1の上面全体の面積に対して10〜20%の範囲に収まるようにした。
この粗化処理においては、粗化ローラ6の突起7の隙間でのベース材料の付着量が少なく、またこの粗化ローラ6に高圧水を噴射するとベース材料が容易に除去された。
この粗化処理後の成形体1の上面に、水硬性セメント100質量部、フライアッシュ60質量部、補強繊維10質量部、骨材60質量部を含有し、含水率25%に調整された表層材料を散布して堆積層2を形成し、積層体3を得た。
この積層体3を、成形圧力6.9MPa(70kg/cm)の条件で加圧成形した。この加圧後の積層体3における堆積層2の表面には、成形体1の粗化形状の浮き上がりは認められなかった。この加圧後の積層体3を高温高圧蒸気養生することで、無機質板Aを得た。
(比較例)
上記実施例において、成形体1の粗化処理を、図6に示すような鋸刃状の突起71を有する粗化ローラ61を用いておこなった。それ以外の条件は上記実施例と同一にして、無機質板Aを得た。
この粗化処理においては、粗化ローラ6の突起7の隙間に多くのベース材料が付着し、また粗化ローラ61に高圧水を噴射してもベース材料は十分には除去されなかった。
(評価試験)
実施例及び比較例で得られた各無機質板Aについて、図5に示すようなベース層4と表層5の積層方向についての平面引っ張り試験をおこない、無機質板Aの破断位置を確認した。
その結果、比較例については150個のサンプルについて試験をおこなったところ、表層5内での破断が生じたサンプル数は13、図5(a)に示すようにベース層4内で破断が生じたサンプル数は110であり、残りの27個のサンプルは図5(b)に示すようにベース層4と表層5との層間で破断が生じた。
これに対して、実施例について147個のサンプルについて試験をおこなったところ、表層5内での破断が生じたサンプル数は8、図5(a)に示すようにベース層4内で破断が生じたサンプル数は139であり、図5(b)に示すように層間で破断が生じることはなかった。
この結果、実施例ではベース層4と表層5との密着性が比較例に較べて大きく向上していることを確認することができた。
1 成形体
2 堆積層
3 積層体
4 ベース層
5 表層
6 粗化ローラ
7 突起

Claims (4)

  1. 窯業系の成形材料からなるベース材料から形成された成形体の表面を粗化する粗化処理工程と、前記成形体の粗化面の上に窯業系の成形材料からなる表層材料を堆積させて堆積層を形成することで、前記成形体と堆積層とが積層した積層体を得る堆積工程と、この積層体を積層方向に加圧する加圧成形工程と、この積層体を養生硬化することで前記成形体が硬化してなるベース層と前記堆積層が硬化してなる表層とを形成する養生工程とを含み、
    前記粗化処理粗化工程では、外周方向に突出する複数の柱状の突起を有する粗化ローラを用い、前記成形体を搬送しながら、前記粗化ローラを前記成形体の搬送方向に対して順回転させると共に前記突起の先端の周速が前記成形体の搬送速度よりも速くなるようにして、前記突起で前記成形体の表面を掘り起こすことで、前記成形体の表面を粗化することを特徴とする無機質板の製造方法。
  2. 上記複数の柱状の突起が、上記粗化ローラの周方向に沿って千鳥状に配列していることを特徴とする請求項1に記載の無機質板の製造方法。
  3. 上記粗化処理工程での上記成形体における突起7で掘り起こされる領域の面積が、上記成形体の粗化処理が施される面の10〜20%の範囲となるようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機質板の製造方法。
  4. 上記柱状の突起が角柱状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無機質板の製造方法。
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