JP2010194568A - ヘミング装置およびヘミング加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボットハンドに装着したローラヘッドの可動部には、支持ブラケットのスライド孔に挿入することなく、ロードセルを不要にし、部品点数が少なくてコンパクトなヘミング装置を提供する。
【解決手段】ロボット1に取り付けた加圧ローラ2をアンビル8に載置したワークWに押圧しながらヘミング加工するヘミング装置10であって、先端部で加圧ローラ2を回転自在に支持する支持アーム3と、この支持アーム3の基端部に軸支され、前記基端部の回りに前記支持アーム3を回転させるモータ4と、このモータ4をロボット1に固定する支持ヘッド5と、を備え、モータ4の回転トルクで加圧ローラ2の押圧力を制御するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、加圧ローラでワークに押圧しながら加工するヘミング装置およびヘミング加工方法に関する。
図11は、従来のローラ式ヘミング装置の全体図である。図11に示すように、従来のローラ式ヘミング装置70は、予め所定の軌跡がティーチングされて多軸制御が可能なロボットハンド72と、このロボットハンド72の先端部に装着されたヘムローラ支持部73と、このヘムローラ支持部73に変位可能に支持されてワークWに押圧されるヘムローラ74とを有している。なお、ワークWは例えば、アウタパネルWo とインナパネルWi とによって構成される車両用ドア等である。
ロボットハンド72は、多関節ロボットの上腕部であり、従来より公知であるので詳細な説明は省略し、以下ヘムローラ支持部73とヘムローラ74について説明する。
図12の(a)は、従来のヘムローラ支持部の従来例1を示す縦断面図である。
図12の(a)に示すように、ロボットハンド72の先端部には支持ブラケット11がボルト12…によって固定されている。この支持ブラケット11は、所定形状のブロック体にスライド孔11c,スプリング孔11bが同心状にして形成されている。スライド孔11cの断面は、例えば、正方形の角孔である。
スプリング10aは、スプリング孔11bとスライドブロック13の間に介在されており、スライドブロック13を下方に押圧する押圧手段になっている。スライドブロック13は、スライド孔11c内を変位可能に移動するようになっている。
図12の(b)は、従来のヘムローラ支持部の従来例2を示す縦断面図である。
図12の(b)に示すように、この従来例2は、サーボモータ方式である。
支持ブラケット51の上面には、ロータリエンコーダ52を有するサーボモータ50が取り付けられている。このサーボモータ50の出力軸50aには、カップリング53を介してボールネジのネジ軸54aが連結されている。スライドブロック55の上面から下面に亘って摺動孔55aが形成され、この摺動孔55aにはナット54bが軸方向に摺動可能に嵌め込まれている。また、このナット54bは、キー57によってスライドブロック55に対して回り止めがなされている。
このようにして、ナット54bは支持孔55a内を摺動可能であり、この摺動可能な範囲は、ナット54bの鍔54cが保持孔55bの底面とリテーナ56との間であり、この範囲でスライドブロック55が変位可能に構成されている。
さらに、ナット54bの下端と支持孔55aの底面との間には、荷重測定用のロードセル58が取り付けられている。このロードセル58は、サーボ増幅器を介して外部制御装置に継電接続されている。
エンコーダ52およびロードセル58は、サーボ増幅器を経て、例えば、シーケンサ等の外部制御装置に継電接続され、サーボモータ50はモータドライバに接続され、このモータドライバも外部制御装置に接続されている。
そして、実際のヘミング加工時においては、サーボモータ50を所定回転数だけ回転してスライドブロック55をティーチングレベルLT から距離δだけ上方に変位して、ヘムローラ74をヘミングレベルLH に変位させる。
ここで、距離δは、アウタパネルWoの板厚×2+インナパネルWi(図11参照)の板厚をいう。
このような状態にした後、ヘムローラ74がワークWの折曲げ部に転圧されてヘミング加工が行われる。実際のヘミング加工において、ロボットハンド72がたわむと、ヘムローラ74の押圧力は不十分なものとなる。この時、ロードセル58が所定の押圧力を検知するまでモータ50が回転されてヘムローラ74の位置が修正され、これによりヘムローラ74の適正な押圧力が常時確保される。
このようにして、ロボットハンド72のたわみは吸収され、ヘムローラ74は常にヘミングレベルLH に保持されて良好なヘミング加工を行うことができる。この従来例においては、モータ50、ボールネジ54およびナット54bがヘムローラ74を押圧するための押圧手段に相当し、かつティーチングレベルLT に変位させるための変位手段に相当する。
さらに、ヘムローラ支持部73のスライドブロック55は、ロボットハンド72のヘムローラ移動手段に対してヘムローラ74を変位可能に構成して、このヘムローラ74の位置を位置制御装置によって制御すればよく、これによってロボットハンド72のティーチングを簡便に行うことができるとともに、ヘミング加工時にはこのヘムローラ74の位置を常時ヘミングレベルLH に保持することができ、よって常時良好なヘミング加工を行うことができる、と開示されている。
特許2693282号公報(段落0014〜0028、図2、図12)
しかしながら、図12の(a)に示すような従来例1では、支持ブラケット11のスライド孔11cの形状は、正方形の角孔であるため、内面を高精度に仕上げることは困難であるという問題があった。
また、図12の(b)に示すような従来例2では、支持ブラケット51のスライド孔51aをスライドブロック55が摺動する際、ヘムローラ74が押圧すると、その反力を受けて偏荷重を受けるため、正方形の角孔の壁面のこすりによる摺動抵抗が発生し、追従性に問題があった。
さらに、従来例2では、ボールネジ54の下部に荷重測定用のロードセル58が取り付けられ、このロードセル58の電線が引き回されており、加工中、ワークのエッジと電線が干渉し、破断する恐れがあった。さらに、ローラ式のヘミング加工の予備曲げ工程においては、コーナー部の縮みフランジの部分が均等に予備曲げできないため、本曲げ後、コーナー部に飛び出しが発生し、コーナー部の仕上がりが悪く、ヘム品質を低下させるという問題があった。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み創案されたものであり、ロボットハンドに装着したローラヘッドの可動部は、シンプルな構成とし、追従性がよく、部品点数が少なくてコンパクトなヘミング装置およびヘミング加工方法を提供することを課題とする。さらに、ヘミング加工のコーナー部の予備曲げ工程においては、本曲げ後、不具合の飛び出しの発生がなく、ヘム品質を向上させることを課題とする。
前記課題を解決した請求項1に記載されたヘミング装置(10)の発明は、ロボット(1)に取り付けた加圧ローラ(2)をアンビル(8)に載置したワーク(W)に押圧しながら加工するヘミング装置(10)であって、先端部で前記加圧ローラ(2)を回転自在に支持する支持アーム(3)と、この支持アーム(3)の基端部に軸支され、前記基端部の回りに前記支持アーム(3)を回転させるモータ(4)と、前記モータ(4)を前記ロボット(1)に固定する支持ヘッド(5)と、を備え、前記モータ(4)の回転トルクで前記加圧ローラ(2)の押圧力を制御するようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたヘミング装置(10)であって、前記支持アーム(3)は、前記モータ(4)のモータ出力フランジ(4c)を中心として放射状に配設された複数の加圧ローラ(2a,2b,2c)を回転自在に支持したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたヘミング装置(10)であって、前記モータ(4)はサーボモータ(4a)であり、割り出し制御して前記複数の加圧ローラ(2a,2b,2c)を、ヘミング加工位置に割り出すことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたヘミング装置(10)であって、前記モータ(4)のモータ出力フランジ(4c)の中心から前記複数の加圧ローラ(2a,2b,2c)にそれぞれ押圧される前記ワーク(W)の押圧点までの距離は、等距離であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載されたヘミング装置(10)であって、前記アンビル(8)のコーナー部には、予備曲げ加工をするためにアクチュエータ(9a)で動作する予備曲げパンチ(9d)を備えたことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載されたヘミング装置(10)であって、前記予備曲げパンチ(9d)の加工面は、予備曲げ加工をするときアウターパネル(Wo)の外周フランジに波型形状を加工するために、波型(9e)に形成したことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、ロボット(1)に取り付けた予備曲げ用加圧ローラ(2a)と、小径用加圧ローラ(2b)と、本曲げ用加圧ローラ(2c)と、極小径用加圧ローラ(2k)からなる加圧ローラ(2)をアンビル(8)に載置したワーク(W)に押圧しながら加工するヘミング加工方法であって、前記ワーク(W)に、前記加圧ローラ(2)をモータ(4)の回転トルクで押圧力を制御し、揺動させながら押圧して波型形状に予備曲げ加工する第1工程と、前記モータ(4)の回転トルクで前記本曲げ用加圧ローラ(2c)の押圧力を制御し、押圧して波型形状を解消させて均等な本曲げ加工する第2工程と、を含むことを特徴とする。
請求項1に係るヘミング装置の発明によれば、先端部で前記加圧ローラを回転自在に支持する支持アームと、この支持アームの基端部に軸支され、前記基端部の回りに前記支持アームを回転させるモータと、前記モータを前記ロボットに固定する支持ヘッドと、を備え、前記モータの回転トルクで前記加圧ローラの押圧力を制御するようにしたことにより、シンプルな構成となり、追従性がよく、しかも、部品点数が少なくてコンパクトなヘミング装置を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、支持アームは、モータのモータ出力フランジを中心として放射状に配設された複数の加圧ローラを回転自在に支持することにより、例えば、複数の加圧ローラの一つは予備曲げ用ローラ、ドアのキャラクターライン等用の小径ローラ、そして、主ヘム用ローラを支持できるため、必要とするローラへの入れ替えがスピーディにできる。
請求項3に係る発明によれば、モータは、サーボモータであり、このサーボモータによる割り出し制御により、複数の加圧ローラを、それぞれのヘミング加工位置に割り出すことにより、追従性がよく、また、加圧ローラの押圧力を制御し、ヘミング加工場所によって押圧力を変えることができるため、ヘミング品質の向上を図ることが可能である。しかも、部品点数が少なくてコンパクトなヘミング装置を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、モータのモータ出力フランジの中心から複数の加圧ローラのワークの押圧点までの距離を等距離にしたことにより、ティーチング作業が簡素であり、無駄な動作を解消することができるため、効率のよいヘム加工ができる。
請求項5に係る発明によれば、これまで、コーナー部のヘミング加工は何度も往復して徐々に加工しなければならなかったが、アンビルのコーナー部には、予備曲げ加工をするためにアクチュエータで動作する予備曲げパンチを備えたことにより、徐々に加工することを解消することができたため、ヘミング加工時間の短縮が図れる。
請求項6に係る発明によれば、予備曲げパンチは波型形状に加工するために波型形状をした予備曲げパンチとしたことにより、ダレ、シャクレ及びコーナー部の飛び出しのない、良質のヘム加工を行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、ワークに押圧しながら加工するヘミング加工方法は、第1工程において、モータの回転トルクで加圧ローラの押圧力を制御して、コーナー部であっても、湾曲部であっても波型形状に加工し、均等なしわを形成することにより、第2工程で、本曲げ用加圧ローラの押圧力を制御して連続に押圧することにより、波型形状のしわを解消させ、均等な折り曲げ加工することが容易にできる。
本発明のヘミング装置の全体を示す斜視図である。 本発明のヘミング装置のローラヘッドを示し、(a)は正面図、(b)は(a)に示すA−A線の断面図である。 本発明のヘミング装置のローラヘッドの変形例を示す斜視図である。 本発明のヘミング装置のローラヘッドを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は支持アームの変形例を説明する説明図である。 各種加圧ローラによるヘム加工を示し、(a)は予備曲げ用加圧ローラの正面図、(b)は予備曲げ用加圧ローラの断面図、(c)は小段差用加圧ローラの正面図、(d)は小段差用加圧ローラの断面図、(e)は本曲げ用加圧ローラの正面図、(f)は本曲げ用加圧ローラの断面図である。 予備曲げ用加圧ローラと本曲げ用加圧ローラとを比較した比較図である。 アンビルのコーナー部の予備曲げ装置を示し、(a)は側面から見た断面図、(b)は(a)に示すC矢視図である。 予備曲げパンチの波型形状を示す3面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図である。 予備曲げ加工後の波型形状のヘムフランジを示し、(a)は伸びフランジ部を示す斜視図、(b)は縮みフランジ部を示す斜視図である。 ヘミング加工方法を説明する図であり、(a)は支持アームの断面図、(b)は(a)の背面図である。また、(c)は工具の断面図、(d)は(c)の背面図である。(e)はワークの一例を示す平面図、(f)は(e)に示すB部の波型の加工方法の説明する斜視図である。さらに、(g)は予備曲げ用加圧ローラによる波型の加工方法を説明図、(h)は(e)に示すC部の波型の加工方法を説明する斜視図である。 従来のヘミング装置の全体図である。 従来のローラ支持部の構成を示し、(a)はスプリング方式の断面図、(b)はサーボモータ方式を示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、ヘミング装置10は、多関節のロボット1と、このロボット1のロボットハンド部1aの先端部に装着されたローラヘッド6と、ワークWを載置するアンビル8とによって構成されている。
<ロボットの構成>
図1に示すように、ロボット1は、多関節ロボットであり、ここでは、基本3軸と手首3軸の計6軸が制御されている。基本3軸は、ロボット1の本体をベース1f上で旋回させるS軸と、下腕1dを動かすL軸、上腕1cを回転させるU軸があり、ロボットハンド1a(エンドエフェクタ)の位置を定めている。手首3軸は、上腕を旋回するR軸、手首を振るB軸、手首回転するT軸を有している。
このロボットハンド部1aは、上腕1cの先端部に設けられた屈曲自在の関節部1bを介してフランジ状の接続部が形成されている。ロボットハンド部1aは、位置制御されている。
なお、ロボット1は例えば、MOTOMAN(登録商標)ES165Nが好適である。
<アンビルの構成>
図1に示すように、アンビル8は、ロボット1の近傍に配置されている。アンビル8は、ヘミング加工の金床であり、横幅は、例えば、1.1mであり、ワークWの形状に合わせて形成されている。また、ロット番号の変更やメンテナンスの際には、アンビル8が交換される。アンビル8の本体は、例えば、車両のドアのアウタパネルの外形に合わせた曲面を有するフレーム8a(図7参照)から形成されている。
また、アンビル8の4箇所のコーナー部には、予備曲げ加工をするために予備曲げ装置9が設けられている。この予備曲げ装置9は、予備曲げパンチ9dと、この予備曲げパンチ9dを動作させるエア用アクチュエータ9aと、から構成されている。
また、アンビル8の略四辺形の各辺には、ワークWを固定するクランパ9d,9e,9f…が各辺に1個、または、2個ずつ配置されている。これらのクランパ9d,9e,9f…にもエア用アクチュエータが配置されている。
≪ローラヘッドの構成≫
ローラヘッド6は、図2(b)に示すように、先端部に本曲げ用の加圧ローラ2を回転自在に支持する支持アーム3と、この支持アーム3の基端部に軸支され、基端部の回りに支持アーム3を回転させるモータ4と、モータ4をロボット1に固定する支持ヘッド5と、を備えた部材である。ローラヘッド6は、ロボットハンド1aの接続部に一つのユニットとして接続される。
<支持ヘッドの構成>
支持ヘッド5は、図2(b)に示すように、断面視ではT字状に形成された部材である。支持ヘッド5は、板状の垂直部に開口部が設けられ、その開口部にモータ4を通して支持するモータ支持部5aと、モータ4をロボット1に固定する円盤状のフランジ部5bとから構成されている。
<モータ支持部>
モータ支持部5aは、モータ4の外径の寸法に合わせた穴5cが形成されており、この穴5cにモータ4の本体が挿入された後、モータ4のフランジ部4bに設けられた12本のボルトによってモータ支持部5aの側面に固定されている。
<フランジ部の構成>
フランジ部5bは、ロボットハンド1aの接続部と同類のフランジが形成されている。支持ヘッド5のフランジ部5dは、フランジ部5dの中央に設けられた凸状のインロー部とロボットハンド1aの接続部との穴によって芯出しが行われ、6本のボルトによってロボットハンド1aの接続部に固定されている。
<モータの構成>
モータ4は、サーボモータ4aである。このサーボモータ4aには、減速比が1/90
の減速機が内蔵されている。定格回転速度は、3.37min-1である。また、このサーボモータ4aには、ロータリエンコーダと電磁ブレーキが内蔵されている。このロータリエンコーダは、回転の機械的変位量を電気信号に変換し、この電気信号を処理して回転角度(位置)・回転速度などを検出する。電磁ブレーキは位置を保持するために機能する。また、サーボモータ4aは、電流を制御してモータの発生トルクを制御することができる。回転トルクは、このトルク制御に相当する。
≪サーボモータの働き≫
サーボモータ4aの働きには、トルク制御と、速度制御と、位置制御との3つの制御がある。
<トルク制御>
・トルク制御とは、モータ4に流す電流を制御してモータ4の発生トルクを制御する。
つまり、トルク指令によりモータ4の発生トルクをコントロールできる。トルク制御モード(モード1)では、速度に関係なく一定のトルクでモータ4を駆動する。
<速度制御>
・速度制御とは、速度指令電圧に応じて無断階にモータ4の回転速度を変える。
つまり、速度の指令によりモータ4の回転速度をコントロールできる。速度制御モード(モード2)では、負荷に関係なく一定の速度でモータ4を回転させる。
<位置制御>
・位置制御とは、位置指令により、モータ4の回転角度(位置)と回転速度(移動速度)を制御する。つまり、位置指令により、複数の加圧ローラを、それぞれヘミング加工位置に割り出すことができる。
位置制御モード(モード3)はサーボモータの最も一般的な動作であり、指令された位置にモータ4を動かし、その位置に保持する。別の位置が指令されればすぐにその位置へ移動できる。
したがって、サーボモータ4aの回転トルクで加圧ローラ2の押圧力を制御するように構成されているため、たとえ、ロボットハンド系のたわみがあったとしても、前記したティーチングレベルLTとヘミングレベルLHとの差である距離δを吸収することができることから、従来の加圧センサであるロードセルが不要にできる。
<支持アームの構成>
図2(a)、(b)に示すように、支持アーム3は、正面視で両端部がRに形成された「腕」である。支持アーム3は、前記したモータ4の出力軸に12本のボルトによって固定されている。
図3は、本発明の変形例を示すヘミング装置の斜視図である。
図1と図3の相違点は、プログラムの他に、支持アーム3と支持アーム3aの形状にある。図4は、図3に示すヘッドローラ6a′を拡大した拡大図であり、ロボットハンドに装着されたローラヘッドを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は請求項4に係る支持アームの変形例を説明する説明図である。
図4の(a)に示すように、支持アーム3aは、略3等分にしたベルクランク状に形成され、モータ4のモータ出力フランジ4cを中心として放射状に配設された複数の加圧ローラ2a,2b,2cが回転自在に支持されている。モータ出力フランジ4cの中心から加圧ローラ2a,2b,2cまでの距離は寸法a,a,aで同じになっている。小径加圧ローラ2cの直径が異なるため、モータ出力フランジ4cの中心から押圧点Pまでの距離Hが異なる。したがって、ロボット1へのティーチングは、各種加圧ローラごとにティーチングしなければならず、多大な工数が必要である。
これを改善したのが、図4の(c)である。
図4の(c)に示す支持アーム3a’は、モータ4のモータ出力フランジ4cの中心から複数の加圧ローラ2a,2b,2cのワークWの押圧点Pからモータ4の軸心までの高さHの距離は、それぞれが等距離になるように、加圧ローラ2a,2b,2cの大きさ(直径)に合わせてアーム3aの長さを変えている。例えば、加圧ローラ2cの位置は寸法bと角度αに変えている。
なお、厚みTは、アウタパネルWoの板厚to×2+インナパネルWiの板厚tiをいう。
<加圧ローラの構成>
加圧ローラ2は、図2の(b)に示すように、転動しながらワークWを押圧し、へム加工を施すローラである。加圧ローラ2の外周は、熱処理が施されており、耐摩耗性を高めた部材から構成されている。
加圧ローラ2は、図2の(b)に示すように、中心に設けた貫通穴の内周面にベアリング2eが装着され、スナップリング2fによって保持されている。また、このベアリング2eの内輪の穴にはシャフト2dが挿通され、シャフト2dはカラー2gを介してアーム3に装着され、スリーブ2hを介してナット2nによってアーム3に固定されている。
図2の(b)に示す加圧ローラ2の交換は、シャフト2dの頭部に設けられた六角穴に六角棒レンチを装着し、ナット回し工具でナット2nのゆるめ作業を行い、アーム3からに一体になったシャフト2dを抜き取る抜き取り作業が随時必要になる。
図5は、各種加圧ローラによるヘム加工を示し、(a)は予備曲げ用加圧ローラの正面図、(b)は予備曲げ用加圧ローラの断面図、(c)は小段差用加圧ローラの正面図、(d)は小段差用加圧ローラの断面図、(e)は本曲げ用加圧ローラの正面図、(f)は本曲げ用加圧ローラの断面図である。
加圧ローラ2は、ここでは3種類用意されている。図4の(b)に示すように、加圧ローラ2は、例えば、予備曲げ用ローラ2aと、本曲げ用ローラ2bと、小径の小段差用加圧ローラ2c等であり、これらの加圧ローラ2を取り外すことなく瞬時に入れ替えることができる。
<予備曲げ用加圧ローラの構成>
図5の(b)に示すように、予備曲げ用加圧ローラ2aは、45度の折り曲げ加工用であり、45度面取りをした90度テーパ面を有するローラが好適である。
なお、押圧点Pのずれがないように、その誤差分の位置補正を不要にしたのが、図4の(c)に示す支持アーム3a’である。図4の(c)に示すように、モータ出力フランジ4cの中心から加圧ローラ2a,2bまでの距離は寸法a,aで同じになっている。それであっても、加圧ローラ2a,2bのワークWの押圧点Pからモータ4の軸心までの高さHの距離を同じにすることができる。その理由を説明したのが、図6である。
図6は、予備曲げ用加圧ローラと本曲げ用加圧ローラとを比較した比較図である。
図6に示すように、予備曲げ用加圧ローラ2aのローラ半径は、本曲げ用加圧ローラ2bのローラ半径よりもワークWの板厚to+tiの2枚分大きくなっているのが判る。このように、予備曲げ用加圧ローラ2aのローラ半径をto+ti分大きくすることにより、本曲げ用加圧ローラ2bの押圧位置と同じ位置で、予備曲げ用ローラ加圧2aによって45度傾斜加工ができる。
なお、もう一つの方法は、予備曲げ用加圧ローラ2aのローラ半径がもっと大きくして、予備曲げ用加圧ローラ2aと干渉しないようにアンビル8の角部に面取りを施すことにより、予備曲げ用加圧ローラ2aの回転芯を同じにすることができる。
<本曲げ用加圧ローラの構成>
本曲げ用加圧ローラ2bは、図5の(f)に示すように、予備曲げ用加圧ローラ2aの後を受けて仕上げ加工を施す本曲げ用の加圧ローラである。
<小段差用加圧ローラの構成>
小段差用加圧ローラ2cは、図5の(d)に示すように、ドアのキャラクターライン等の小段差用のヘム加工用であり、先端が小径のローラである。
同様に、ローラ径が縮小しても押圧点Pのずれがないようにしたのが、図4の(c)に示す支持アーム3a’である。小段差用加圧ローラ2cの場合は、図4の(c)に示すように、角度α分だけ位置を変え、アームの長さも長さaから長さbに延長されている。このようにして、本曲げ用加圧ローラ2bの押圧点Pと、小段差用加圧ローラ2cの押圧点Pを一致させている。
つまり、モータ4の中心から本曲げ用加圧ローラ2bと小段差用加圧ローラ2cのワークWの押圧点Pからモータ4の軸心までの高さHの距離は、等距離になっている。
このようにすることにより、本曲げ用加圧ローラ2bから小段差用加圧ローラ2cに代えても、押圧点Pからモータ4の軸心までの高さHの距離がずれないため、その誤差分の位置補正を行う必要がないため、ティーチングが容易になる。
図7は、アンビルのコーナー部の予備曲げ装置を示し、(a)は側面から見た断面図である。図7の(a)に示すように、コーナー部の予備曲げ装置9は、アンビル8のフレーム8aの下面にはステー8bがボルトによって固定され、そのステー8bの下面には、L形のプレート8cがボルトによって固定されている。
さらに、L形のプレート8cの側面には、くの字状に屈曲したサポート9fが固定されている。このサポート9fの下端部にはピンP1が設けられ、また、屈曲したコーナー部にもピンP2が設けられている。一方、タンブラ9gはL字状に形成され、中間部の左側には、前記したピンP2によって、回動自在に保持されており、その上端部には、予備曲げパンチ9dがボルトによって固定されている。
アクチュエータ9aは、エアシリンダ9bとシリンダロッド9cから構成されたロッド側トラニオン形になっており、このロッド側トラニオン形のエアシリンダ9bのピンが前記したピンP1である。また、シリンダロッド9cの端部は2山クレビス形になっており、前記したタンブラ9gの端部とはピンP3によって回動自在に支持されている。
この結果、アクチュエータ9aのエアシリンダ9bの一方に高圧エアが供給され、シリンダロッド9cが短縮すると、アクチュエータ9aはピンP1を支点にして2点鎖線に示すように右の位置へ回動する。また、タンブラ9gはピンP3を中心にして回動して離間し、待機位置に移動する。
一度、駆動指令が出ると、エアシリンダ9bの他方に高圧エアが供給され、シリンダロッド9cが伸張し、予備曲げパンチ9dは実線に示す位置にすばやく移動し、波型形状の予備曲げ加工を行う。
図7の(b)は、(a)に示すC矢視図である。図7の(b)に示すように、アンビルに載置されたワークWのコーナー部にあって、予備曲げパンチ9dにより波型形状の予備曲げ加工を行う様子が判る。
図8は、予備曲げパンチの波型形状を示す3面図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図である。図8の(b)、(c)に示すように、予備曲げパンチ9dの先端部は、下面が切りかかれ、波型形状を成形するための突起9eが設けられている。
図9は、予備曲げパンチによる波型形状(アウターパネル(Wo)の外周フランジ)の加工例を示し、図9の(a)は、伸びフランジ部を示す斜視図、(b)は縮みフランジ部を示す斜視図である。図9の(b)に示すように、コーナー部の縮みフランジ部の場合、アウタパネルWoは、特に、本曲げパンチによる加工の前に、波型形状をした予備曲げパンチ9dにより、均等な波型形状の均等に収縮した形状に加工ができるため、その後の仕上がりに特に効果がある。
つまり、コーナー部は、予備曲げパンチにより最適な、波型のしわ形状を統制して形成する。これにより、その後工程である本曲げ用加圧ローラ2bの加圧により、このしわ形状が塑性変形によって縮む箇所が均等に分散されるので、容易に平らにできる。
また、図9の(a)に示すように、コーナー部以外の箇所であっても構わない。アウタパネルWoは、タイヤアーチ部の伸びフランジ部であっても、通常の予備曲げローラ2aにより波型形状にすることができる。
このように、つぎの工程の本曲げ加工をする際、縮む箇所や伸びる箇所を均等に分散することができるため、結果として本曲げ加工においては、きれいな仕上がりのヘミング加工ができる。
ここで、本発明のヘミング装置10の動作について、図3、図4を参照して説明する。
ロボット1のティーチングとは、リモコン操作でプログラムを作成する方法をいう。
ロボット1のような多関節ロボットに代表される産業用ロボットは、NC工作機械と同様にプログラムにより動作する。したがって、多関節ロボットを動作させて作業させるにはNC工作機械と同様にプログラムを作成する必要がある。しかしながら、多関節ロボットは、6軸(B,L,R,S,T,U軸)の制御軸を有するため、プログラムの作成は複雑で難解になるため、多関節ロボットのロボットバンド1aに固定された加圧ローラ2で押付けながら機体をリモコンで操作し、その姿勢を記憶させる方法が採用されている。つまり、所定の軌跡を加圧ローラ2でなぞり、その動作を記憶させることでプログラムを作成する方法である。
ロボット1にティーチング作業は終了したものとし、その後の動作を説明する。
<第1工程>
起動釦を押すと、ヘミング装置10の動作が開始する。
図3に示すように、第1工程は段取り工程である。ロボット1のロボットハンド1aは図示しない後方の待機位置に移動している。図示しない隣接されたワーク搬送ロボットがアウタパネルWi(図6参照)をアンビル3の上面に載置する。つづいて、同じワーク搬送ロボットがアウタパネルWiの上面にインナパネルWo(図6参照)を載置する。
そうすると、ワーク固定用のクランパ 11a,11b…11hが一斉に駆動し、ワークWをアンビル3の上面に固定する。
<第2工程>
図3に示すように、第2工程は、アンビル3の4隅のコーナー部の予備曲げパンチ9d,9d…が一斉に駆動する。図8の(b)、(c)に示すように、予備曲げパンチ9d,9d…の形状はブロック状であり、この端面に波型9e…を有する成形面が形成されている。予備曲げパンチ9d,9d…は、この波型9e…の成形面を使用してワークWを波型に形成する予備曲げ加工をする。
<第3工程>
第3工程は、予備曲げヘム加工である。ロボット1の上腕1cと、下腕1dの体勢がワークWの上方に移動し、各関節が回動し、ロボット1の姿勢を変え、図3に2点鎖線で示すローラヘッド6a’をワークWの加工箇所の上部に移動する。
加圧ローラ2の最初のローラである予備曲げ用加圧ローラ2aは、図4の(c)に示すように、支持アーム3aをサーボモータ4aの回転位置制御の割り出し制御により120度回動すると、予備曲げ用加圧ローラ2aに入れ替わる。この入れ替えがあっても、サーボモータ4aの中心と押圧点Pまでの高さHは同じになっているため、ロボットハンド1aの余分な動作は一切必要ない。
第3工程において、予備曲げ用加圧ローラ2aと第1工程でワークWを固定したクランパ11a,11b,11c…とが順番に干渉するため、この干渉を回避するために、予備曲げ用加圧ローラ2aが接近してきたら、干渉する前に事前に各アクチュエータ9bが作動して固定位置から開放され、予備曲げ用加圧ローラ2aとの干渉が回避される。
また、予備曲げ用加圧ローラ2aが予備曲げ加工を完了させて、不干渉領域に移動すると順番に各アクチュエータ9b…が作動して固定位置に戻る。
第4工程は、本曲げヘム加工である。図3に示すように、予備曲げ用加圧ローラ2aによる予備曲げ加工が終わると、ロボットハンド1aが上昇し、予備曲げ用加圧ローラ2aから本曲げ用加圧ローラ2bへ入れ替えを行う。
そして、予備曲げ用加圧ローラ2aが転動した奇跡と同様に本曲げ用加圧ローラ2bが転動する。とくに、ワークWのコーナー部の4隅は、図9に示すように、ワークWが波型形状にヘム加工された後を受けて、本曲げ用加圧ローラ2bによって複数回の往復転動による押圧を経て、仕上げられる。
コーナー部からコーナー部までは、より回数の少ない往復転動による押圧を経て、仕上げられる。
このように、ヘミング装置10は、従来のローラ式ヘミング装置とは比較にならないほど簡素な構成と、サーボモータ4aのトルク制御、回転位置制御により、従来のロードワッシャの機能を補完することができることから、シンプルな構成となり、追従性がよく、しかも、部品点数が少なくてコンパクトなヘミング装置を提供することができる。かつ、仕上がり精度、と見栄えに遜色ないヘミング装置10を提供することができる。
請求項7に係るヘミング加工方法について説明する。
このヘミング加工方法は、コーナー部においては、ロボット1に取り付けた予備曲げ用加圧ローラ2aにてアンビル8に載置したワークWに、積極的にしわを加工し、本曲げ用加圧ローラ2cにて仕上げ加工をする方法である。
第1工程は、ワークWのヘムフランジの縮みフランジ部のコーナー部B(図10(e)参照)や伸びフランジ部のタイヤアーチ部Cと(図10(e)参照)は、加圧ローラ2をモータ4の回転トルクで押圧力を制御し、揺動させながら押圧して波型形状に予備曲げ加工する。
第2工程は、モータ4の回転トルクで前記本曲げ用加圧ローラ2cの押圧力を制御して押圧し、波型形状を解消させて均等な本曲げ加工する。
図10の(e)に示すように、例えば、リヤードアの場合、ドアにはストレート部Aと、コーナー部Bと、タイヤアーチ部Cと、湾曲部Dとから構成されているが、波型形状の予備曲げ加工は、コーナー部Bとタイヤアーチ部Cが好適である。
コーナー部Bは極小径用加圧ローラ2kをモータ4の回転トルクで押圧力を制御し、揺動させながら押圧して波型形状に予備曲げ加工する。
タイヤアーチ部Cは予備曲げ用加圧ローラ2a、または、本曲げ用加圧ローラ2cをモータ4の回転トルクで押圧力を制御し、揺動させながら押圧して波型形状に予備曲げ加工するのが第1工程である。
第2工程は、モータ4の回転トルクで本曲げ用加圧ローラ2cの押圧力を制御し、押圧して波型形状を解消させて均等な本曲げ加工する。この第1、第2工程を含むことを特徴とするヘミング加工方法である。
このように、ワークWの予備曲げ加工で波型形状にする部位は、曲げ加工したときにヘム品質に悪影響を及ぼす縮みフランジになるコーナー部Bと、伸びフランジになるタイヤアーチ部Cである。図10の(f)、(h)に示すように、加圧ローラ2を揺動させながら押圧して波型形状に予備曲げ加工する部位は、ワークWのアウタパネルWoの外周フランジ(ヘムフランジとも言う)である。
図10の(a)、(b)に示すように、支持アーム3に装着された本曲げ用加圧ローラ2cの反対側には、極小径用加圧ローラ2kが固定されている。この極小径用加圧ローラ2kを使用して、(e)に示すコーナー部Bを、(f)に示す斜視図のように、揺動させながら押圧して木目細かに波型形状のしわを加工する。このように、極小径用加圧ローラ2kの軸線を絶えず変更して押圧する制御は、6軸制御の多関節ロボットであれば、容易にティーチングができる。なお、極小径用加圧ローラ2kは、他の予備曲げ用加圧ローラ2aや小径用加圧ローラ2bの反対側に設けても構わない。
図10の(g)に示すように、アウタパネルWoを45度に傾斜させるのは、予備曲げ用加圧ローラ2aであるが、その45度よりもさらに深く押圧し、揺動させながら押圧して波型形状に加工する。(h)に示すように、湾曲部Cは、この予備曲げ用加圧ローラ2aの揺動と押圧により、波型形状のしわを加工する。このように、予備曲げ用加圧ローラ2aの軸線を絶えず変更して押圧する制御は、6軸制御の多関節ロボットであれば、容易にティーチングができる。
図10の(e)に示すように、特に自動車用リヤードアのタイヤアーチ部のヘミング加工においては、アウタパネルWoの外周フランジ(以下、ヘムフランジ)が、約90度直立している状態から、予備曲げ加工で約45度の曲げ加工をして、本曲げ加工で0度の曲げ加工をするとき、この部位のヘムフランジには、先端部行くほど材料の伸ばし加工の量が多くなりへミング加工時、材料を伸ばした反発として縮もうとする力が発生して、アウター側に歪が発生しヘミング品質上好ましくないという問題がある。
そこで、この部位のヘムフランジにおいては、予備曲げ加工時にヘムローラの角度を変えずに、または、ヘムローラの角度を変えながら押圧して波型形状に成形することにより、あらかじめ、ヘムフランジの先端部領域を伸ばしておいて、本曲げ加工をすることにより、アウター側に歪が発生することなく、良好なヘミング品質を得ることができる。
また、上記とは逆にワークのコーナー部のヘミング加工においては、ヘムフランジが、約90度直立している状態から、予備曲げ加工で約45度の曲げ加工をして、本曲げ加工で0度の曲げ加工をするとき、この部位のヘムフランジには、先端部行くほど材料が圧縮(縮む)されなければならないが、実際は、材料が圧縮(縮む)することは困難であり、しわができてヘミング加工が完了するのであるが、そのしわの出来る箇所が偏ったり、1つの大きなしわになったりしてヘミング品質上好ましくないという問題がある。
そこで、この部位のヘムフランジにおいては、コーナー部のRが大きいときは、予備曲げ加工時にヘムローラの角度を変えながら押圧して波型形状に成形し、しわの出来る箇所を複数箇所に分散することにより、しわの出来る箇所が偏ったり、1つの大きなしわになることなく、良好なヘミング品質を得ることが可能になった。
本発明は、その技術思想の範囲内で種々の改造、変更が可能である。例えば、アームの変形例は、ローラ3個までに限定するものではなく、4個、5個と増やしてもよい。
なお、従来の技術との大きな相違点は、図12の(b)に示すように、ボールネジのネジ軸54aの転方向にヘムローラ74を加圧するのに対し、本発明は、支持アーム3の回動方向へ加圧するため、この加圧方向が90度相違して点にある。
さらに、方法の発明では、コーナー部Bの加工方法は、極小径用加圧ローラ2kを紹介したが、図10の(c)、(d)に示すように、ローラをなくした押圧工具としても構わない。
1 ロボット(多関節ロボット)
1a ロボットハンド(接続部)
1b 関節
1c 上腕
1d 下腕
1e バランサ
1f ベース
2 加圧ローラ(ローラ)
2a 予備曲げ用加圧ローラ
2b 小径用加圧ローラ
2c 本曲げ用加圧ローラ
2d シャフト
2e ベアリング
2f スナップリング
2g カラー
2h スリーブ
2k 極小径用加圧ローラ
2n ナット
2s 押付工具
3,3a, 支持アーム(アーム)
4 モータ(サーボモータ)
4a サーボモータ
4b フランジ部
4c モータ出力フランジ
5 支持ヘッド
5a モータ支持部
5b フランジ部
5c 穴
6,6a ローラヘッド
8 アンビル
8a フレーム
8b ステー
8c プレート
9 予備曲げ装置
9a アクチュエータ
9b エアシリンダ
9c シリンダロッド
9d 予備曲げパンチ
9e 波型
9f サポート
9g タンブラ
10 アームローラヘミング装置
11a,11b…11h クランパ
A ストレート部
B コーナー部
C タイヤアーチ部
D 湾曲部
P1,P2,P3 ピン
W ワーク
Wi インナパネル
Wo アウタパネル

Claims (7)

  1. ロボット(1)に取り付けた加圧ローラ(2)をアンビル(8)に載置したワーク(W)に押圧しながら加工するヘミング装置(10)であって、
    先端部で前記加圧ローラ(2)を回転自在に支持する支持アーム(3)と、
    この支持アーム(3)の基端部に軸支され、前記基端部の回りに前記支持アーム(3)を回転させるモータ(4)と、
    前記モータ(4)を前記ロボット(1)に固定する支持ヘッド(5)と、を備え、
    前記モータ(4)の回転トルクで前記加圧ローラ(2)の押圧力を制御するようにしたことを特徴とするヘミング装置(10)。
  2. 前記支持アーム(3)は、前記モータ(4)のモータ出力フランジ(4c)を中心として放射状に配設された複数の加圧ローラ(2a,2b,2c)を回転自在に支持したことを特徴とする請求項1に記載のヘミング装置(10)。
  3. 前記モータ(4)はサーボモータ(4a)であり、
    割り出し制御して前記複数の加圧ローラ(2a,2b,2c)を、ヘミング加工位置に割り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘミング装置(10)。
  4. 前記モータ(4)のモータ出力フランジ(4c)の中心から前記複数の加圧ローラ(2a,2b,2c)にそれぞれ押圧される前記ワーク(W)の押圧点までの距離は、等距離であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のヘミング装置(10)。
  5. 前記アンビル(8)のコーナー部には、前記コーナー部の予備曲げ加工をするためにアクチュエータ(9a)で動作する予備曲げパンチ(9d)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヘミング装置(10)。
  6. 前記予備曲げパンチ(9d)の加工面は、予備曲げ加工をするときアウターパネル(Wo)の外周フランジに波型形状を加工するために、波型(9e)に形成したことを特徴とする請求項5に記載のヘミング装置(10)。
  7. ロボット(1)に取り付けた予備曲げ用加圧ローラ(2a)と、小径用加圧ローラ(2b)と、本曲げ用加圧ローラ(2c)と、極小径用加圧ローラ(2k)からなる加圧ローラ(2)をアンビル(8)に載置したワーク(W)に押圧しながら加工するヘミング加工方法であって、
    前記ワーク(W)に、前記加圧ローラ(2)をモータ(4)の回転トルクで押圧力を制御して揺動させながら押圧して波型形状に予備曲げ加工する第1工程と、
    前記モータ(4)の回転トルクで前記本曲げ用加圧ローラ(2c)の押圧力を制御し、押圧して波型形状を解消させて均等な本曲げ加工する第2工程と、
    を含むことを特徴とするヘミング加工方法。
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