JP2010194378A - 炭酸ガス吸収剤及び炭酸ガス回収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)式に記載の含窒素化合物を繰り返し単位として有する、水溶性高分子化合物を含有する炭酸ガス吸収剤
【化1】
R1:−CsHt− (1≦s≦10、t=2s−1)(直鎖、分岐含む)
R2:−H, −CsHtOuNv (1≦s≦5、2s≦t≦2s+2、0≦u≦3、0≦v≦3) (直鎖、分岐含む)を含む水溶性高分子含有水溶液に対して炭酸ガスを含有する気体を接触させて前記炭酸ガスを吸収させ、その後、前記水溶性高分子含有水溶液を、疎水性の第1相と親水性の第2相とに分離する。次いで、前記水溶性高分子含有水溶液の、前記第1相から前記炭酸ガスを放出する。
【選択図】なし
Description
R2:−H, −CsHtOuNv (1≦s≦5、2s≦t≦2s+2、0≦u≦3、0≦v≦3) (直鎖、分岐含む)に関する。
また、本発明の一態様は、(1)式に記載の含窒素化合物を繰り返し単位として有する、水溶性高分子化合物を含有する炭酸ガス吸収剤
R2:−H, −CsHtOuNv (1≦s≦5、2s≦t≦2s+2、0≦u≦3、0≦v≦3) (直鎖、分岐含む)と、水とを混合して、水溶性高分子含有水溶液を調整するステップと、前記水溶性高分子含有水溶液に対して炭酸ガスを含有する気体を接触させ、前記炭酸ガスを吸収させるステップと、前記水溶性高分子含有水溶液を、疎水性の第1相と親水性の第2相とに分離するステップと、前記水溶性高分子含有水溶液の、前記第1相から前記炭酸ガスを放出するステップと、を具えることを特徴とする、炭酸ガス回収方法に関する。
最初に、本態様における炭酸ガス吸収剤について説明する。本態様における炭酸ガス吸収剤は、(1)式で示される含窒素化合物を繰り返し単位として有する水溶性高分子化合物である。R1は高分子の主鎖に相当し、−CsHt− (1≦s≦10、t=2s−1)の条件を満たした炭化水素より構成される。なお、その形態は直鎖状、分岐状のいずれの形態でも構わない。
次に、本態様の炭酸ガスの回収方法について説明する。
最初に、(1)式に記載の含窒素化合物を繰り返し単位として有する、水溶性高分子化合物を含有する炭酸ガス吸収剤と、水とを混合して、水溶性高分子含有水溶液を調整する。この際、前記水溶性高分子化合物と前記水との混合比は、上述のように、前記水溶性高分子化合物の1重量部から80重量部に対して、水を20重量部から99重量部とすることが好ましい。
化合物8に示すポリアミン(分子量約5000)20重量部を水80重量部に溶解させ、100mlの水溶液とした。水溶液のpHは11であった。得られた水溶液を40℃に加熱し、炭酸ガスを約10%含有するガスを流速1L/minで通気した。約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.28molであった。炭酸ガス吸収後のポリアリルアミン水溶液は2相に分離した。これをデカンテーションによって分離を行い、ポリアリルアミンを含む疎水性相を回収した。回収したポリアリルアミン含有疎水性相を約20分間90℃に加熱した。放出は飽和し、約0.25molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.21molであった。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.17molの炭酸ガスが回収された。
化合物23に示すポリアルカノールアミン(分子量約5000)を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.14molであった。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.11molの炭酸ガスが回収された。
化合物24に示すポリ環状アミン(分子量約5000)を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.11molであった。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.08molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)1重量部に対して、水を99重量部添加し、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.02molであった。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.017molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)を80重量部に対して水20重量部添加し、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.85molであった。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.75molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約500)を用いて、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.21molであった。炭酸ガス吸収後、ポリアリルアミン水溶液は2相に分離した。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.15molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約20000)を用いて、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.21molであった。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.18molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約100,000)を用いて、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.21molであった。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.18molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)を用いて、溶液のpHが7となるように調整し、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.14molであった。炭酸ガス吸収後、ポリアリルアミン水溶液は2相に分離した。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.10molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)を用いて、溶液のpHが9となるように調整し、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.18molであった。炭酸ガス吸収後、ポリアリルアミン水溶液は2相に分離した。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.15molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)を用いて、溶液のpHが14となるように調整し、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.21molであった。炭酸ガス吸収後、ポリアリルアミン水溶液は2相に分離した。20分間90℃に加熱したところ、放出は飽和し、約0.18molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)20重量部を水80重量部に溶解させ、10Lの水溶液を調整した。水溶液のpHは11であった。得られた水溶液を用いて、10%炭酸ガスを流量10L/min、40℃の条件で充填材を充填した充填塔を用いて吸収させた。約30分間で21molの炭酸ガスを吸収した。炭酸ガス吸収後のポリアリルアミン水溶液は2相に分離した。これを比重差を利用して分離し、ポリアリルアミンを含む疎水性相を回収した。回収したポリアリルアミン含有疎水性相を約30分間90℃に加熱した。放出は飽和し、約17molの炭酸ガスが回収された。
化合物20に示すポリアリルアミン(分子量約5000)20重量部を水80重量部に溶解させ、10Lの水溶液を調整した。水溶液のpHは11であった。得られた水溶液を用いて、10%炭酸ガスを流量10L/min、40℃の条件でスプレー塔を用いて吸収させた。約30分間で21molの炭酸ガスを吸収した。炭酸ガス吸収後のポリアリルアミン水溶液は2相に分離した。これを比重差を利用して分離し、ポリアリルアミンを含む疎水性相を回収した。回収したポリアリルアミン含有疎水性相を約30分間90℃に加熱した。放出は飽和し、約16.5molの炭酸ガスが回収された。
化合物31に示す3級ポリアルカノールアミン(分子量約5000)を用いて、実施例1と同様の実験を行ったところ、約30分で吸収は飽和し、吸収量は約0.1molであった。しかし、炭酸ガス吸収後も2相分離は観察されなかった。吸収液全量を90℃に加熱し、炭酸ガスの放出を行った。放出の飽和に45分要し、約0.07molの炭酸ガスが回収された。
化合物32に示すポリエチレンオキサイド誘導ポリアミン(分子量約5000)を用いて、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.16molであった。しかし、炭酸ガス吸収後も2相分離は観察されなかった。吸収液全量を90℃に加熱し、炭酸ガスの放出を行った。放出の飽和に40分要し、約0.12molの炭酸ガスが回収された。
モノエタノールアミン20重量部に対して水80重量部添加し、実施例1と同様の実験を行ったところ、約20分で吸収は飽和し、吸収量は約0.2molであった。しかし、炭酸ガス吸収後も2相分離は観察されなかった。吸収液全量を90℃に加熱し、炭酸ガスの放出を行った。放出の飽和に40分要し、約0.11molの炭酸ガスが回収された。
化合物33に示す、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(分子量500000)を用いて実施例1と同様の実験を行った。水溶液のpHは5であった。その結果、炭酸ガスの吸収は観察されなかった。
Claims (14)
- 前記水溶性高分子化合物の1重量部から80重量部に対して、水を20重量部から99重量部含有し、水溶性高分子含有水溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の炭酸ガス吸収剤。
- 前記水溶性高分子化合物の分子量が、500から100,000であることを特徴とする、請求項1に記載の炭酸ガス吸収剤。
- 前記水溶性高分子化合物の分子量が、500から100,000であることを特徴とする、請求項2に記載の炭酸ガス吸収剤。
- 前記水溶性高分子含有水溶液のpHが、7以上14以下であることを特徴とする、請求項2又は4に記載の炭酸ガス吸収剤。
- 前記水溶性高分子化合物は、ポリアリルアミン、ポリアリールアミン、ポリビニルアミン、及びポリアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の炭酸ガス吸収剤。
- 前記ポリビニルアミンは、ポリビニルピペリジンであることを特徴とする、請求項6に記載の炭酸ガス吸収剤。
- (1)式に記載の含窒素化合物を繰り返し単位として有する、水溶性高分子化合物を含有する炭酸ガス吸収剤
R2:−H, −CsHtOuNv (1≦s≦5、2s≦t≦2s+2、0≦u≦3、0≦v≦3) (直鎖、分岐含む)と、水とを混合して、水溶性高分子含有水溶液を調整するステップと、
前記水溶性高分子含有水溶液に対して炭酸ガスを含有する気体を接触させ、前記炭酸ガスを吸収させるステップと、
前記水溶性高分子含有水溶液を、疎水性の第1相と親水性の第2相とに分離するステップと、
前記水溶性高分子含有水溶液の、前記第1相から前記炭酸ガスを放出するステップと、
を具えることを特徴とする、炭酸ガス回収方法。 - 前記炭酸ガスの放出は、前記水溶性高分子含有水溶液に対して加熱処理を施すことによって実施することを特徴とする、請求項8に記載の炭酸ガス回収方法。
- 前記水溶性高分子化合物の1重量部から80重量部に対して、前記水を20重量部から99重量部添加して、前記水溶性高分子含有水溶液を調整することを特徴とする、請求項8又は9に記載の炭酸ガス回収方法。
- 前記水溶性高分子化合物の分子量が、500から100,000であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一に記載の炭酸ガス回収方法。
- 前記水溶性高分子含有水溶液のpHが、7以上14以下であることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一に記載の炭酸ガス回収方法。
- 前記水溶性高分子化合物は、ポリアリルアミン、ポリアリールアミン、ポリビニルアミン、及びポリアルカノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一に記載の炭酸ガス回収方法。
- 前記ポリビニルアミンは、ポリビニルピペリジンであることを特徴とする、請求項13に記載の炭酸ガス回収方法。
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