JP2010192820A - 液体回収システム、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

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博之 長坂
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Abstract

【課題】液体回収能力の低下を抑制できる液体回収システムを提供する。
【解決手段】液体回収システムは、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる。液体回収システムは、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と反対側の第2面、及び第1面と第2面とを連通する複数の孔を有する第1多孔部材と、第2面に面し、第2面の少なくとも一部と接触する第3面、第3面と反対側の第4面、及び複数の開気孔を有する第2多孔部材とを備える。第2多孔部材の平均孔径は、第1多孔部材の平均孔径より小さく、第1多孔部材を介して物体上の液体を回収する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体回収システム、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、特許文献1に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。液浸露光装置は、液体の供給動作及び回収動作を実行して、露光光の光路を液体で満たす。
米国特許出願公開第2006/0152697号明細書
液浸露光装置において、多孔部材を介して液体を回収する場合、その多孔部材の表面特性が変化すると、液体回収能力が変化する可能性がある。例えば、液体回収能力が低下して、液体が残留したり、流出したりすると、その液体の気化熱により、基板が熱変形したり、各種計測光等の光路の温度が変動したりする可能性がある。そのような不具合が生じると、基板上に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、液体回収能力の低下を抑制できる液体回収システムを提供することを目的とする。また本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と反対側の第2面、及び第1面と第2面とを連通する複数の孔を有する第1多孔部材と、第2面に面し、第2面の少なくとも一部と接触する第3面、第3面と反対側の第4面、及び複数の開気孔を有する第2多孔部材と、を備え、第2多孔部材の平均孔径は、第1多孔部材の平均孔径より小さく、第1多孔部材を介して物体上の液体を回収する液体回収システムが提供される。
本発明の第2の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と反対側の第2面、及び第1面と第2面とを連通する複数の孔を有する第1多孔部材と、第2面に面し、第2面の少なくとも一部と接触する第3面、第3面と反対側の第4面、及び複数の開気孔を有する第2多孔部材と、を備え、第2多孔部材の気孔率は、第1多孔部材の気孔率より大きく、第1多孔部材を介して物体上の液体を回収する液体回収システムが提供される。
本実施形態の第3の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、液体を回収するための回収流路と、回収流路に面する第1面、第1面と反対側の第2面、及び第1面と第2面とを連通する複数の孔を有する第1多孔部材と、第2面側に配置され、第2面の乾燥を抑制する乾燥抑制部材と、を備える液体回収システムが提供される。
本発明の第4の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、第1、第2、及び第3の態様の液体回収システムを備える露光装置が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第4の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光を射出する光学部材の射出面と、射出面と対向する基板との間の光路を液体で満たすことと、光学部材と液体とを介して基板に露光光を照射することと、第1、第2、及び第3の態様の液体回収システムを用いて、基板上の液体を回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、第6の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、液体回収能力の低下を抑制して、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
本実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る液浸部材の近傍を示す側断面図である。 本実施形態に係る第1多孔部材及び第2多孔部材の近傍を示す側断面図である。 本実施形態に係る第1多孔部材を示す平面図である。 第1多孔部材及び第2多孔部材を介して液体が回収される様子を示す模式図である。 第1多孔部材及び第2多孔部材を介して液体が回収される様子を示す模式図である。 第1多孔部材の一例を示す側断面図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2それぞれの位置情報を計測可能な干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成された透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えばシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材に感光膜が形成されたものを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜と別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。露光装置EXは、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材6を備えている。液浸空間LSは、液体LQで満たされた空間である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
本実施形態において、液浸空間LSは、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子5から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように形成される。終端光学素子5は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面9を有する。液浸空間LSは、終端光学素子5と、その終端光学素子5の射出面9と対向する物体との間の光路が液体LQで満たされるように形成される。射出面9と対向する位置は、射出面9から射出される露光光ELの照射位置を含む。
液浸部材6は、終端光学素子5の近傍に配置されている。液浸部材6は、下面7を有する。本実施形態において、射出面9と対向可能な物体は、下面7と対向可能である。物体の表面が射出面9と対向する位置に配置されたとき、下面7の少なくとも一部と物体の表面とが対向する。射出面9と物体の表面とが対向しているとき、終端光学素子5は、射出面9と物体の表面との間に液体LQを保持できる。また、下面7と物体の表面とが対向しているとき、液浸部材6は、下面7と物体の表面との間に液体LQを保持できる。射出面9及び下面7と物体の表面との間に保持された液体LQによって、液浸空間LSが形成される。
本実施形態において、射出面9及び下面7と対向可能な物体は、終端光学素子5の射出側(像面側)で移動可能な物体を含み、射出面9及び下面7と対向する位置に移動可能な物体を含む。本実施形態においては、射出面9及び下面7と対向可能な物体は、基板ステージ2、及びその基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。なお、以下においては、説明を簡単にするために、主に、射出面9及び下面7と基板Pとが対向している状態を例にして説明する。
本実施形態においては、射出面9及び下面7と対向する位置に配置された基板Pの表面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成され、その基板Pの表面と下面7との間に液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGが形成される。すなわち、本実施形態においては、露光装置EXは、基板Pの露光時に、投影光学系PLの投影領域PRを含む基板P上の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSを形成する局所液浸方式を採用する。
照明系ILは、所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部1Hを有する。本実施形態において、マスク保持部1Hは、マスクMのパターン形成面(下面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。マスクステージ1は、リニアモータ等のアクチュエータを含む第1駆動システム1Dの作動により、マスクMを保持してXY平面内を移動可能である。本実施形態においては、マスクステージ1は、マスク保持部1HでマスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒PKで保持される。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXは、Z軸とほぼ平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、ベース部材8のガイド面8G上を移動可能である。本実施形態においては、ガイド面8Gは、XY平面とほぼ平行である。基板ステージ2は、基板Pを保持して、ガイド面8Gに沿って、XY平面内を移動可能である。基板ステージ2は、終端光学素子5の射出面9と対向する位置に移動可能である。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部2Hを有する。本実施形態において、基板保持部2Hは、基板Pの露光面(表面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ2は、リニアモータ等のアクチュエータを含む第2駆動システム2Dの作動により、基板Pを保持してXY平面内を移動可能である。本実施形態においては、基板ステージ2は、基板保持部2Hで基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部2Hの周囲に配置された上面2Tを有する。本実施形態において、上面2Tは、平坦であり、XY平面とほぼ平行である。また、基板ステージ2は、凹部2Cを有する。基板保持部2Hは、凹部2Cの内側に配置される。本実施形態において、上面2Tと、基板保持部2Hに保持された基板Pの表面とは、ほぼ同一平面内に配置される(面一となる)。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1及び基板ステージ2のそれぞれの位置情報を計測する。干渉計システム3は、マスクステージ1の位置情報を計測するレーザ干渉計3Aと、基板ステージ2の位置情報を計測するレーザ干渉計3Bとを備えている。レーザ干渉計3Aは、マスクステージ1に配置された反射面1Rに計測光を照射し、その反射面1Rを介した計測光を用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関するマスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測する。レーザ干渉計3Bは、基板ステージ2に配置された反射面2Rに計測光を照射し、その反射面2Rを介した計測光を用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関する基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測する。
また、本実施形態においては、基板ステージ2に保持された基板Pの表面の位置情報を検出するフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が配置されている。フォーカス・レベリング検出システムは、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置情報を検出する。
基板Pの露光時、マスクステージ1の位置情報がレーザ干渉計3Aで計測され、基板ステージ2の位置情報がレーザ干渉計3Bで計測され、基板Pの表面の位置情報がフォーカス・レベリング検出システムで検出される。制御装置4は、レーザ干渉計3Aの計測結果に基づいて、第1駆動システム1Dを作動し、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を実行する。また、制御装置4は、レーザ干渉計3Bの計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、第2駆動システム2Dを作動し、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を実行する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置4は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、露光光ELの光路(光軸AX)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置4は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
次に、液浸部材6について説明する。図2は、液浸部材6の近傍を示す側断面図である。なお、以下の説明においては、終端光学素子5の射出面9及び液浸部材6の下面7と対向する位置に基板Pが配置されている場合を例にして説明するが、上述のように、終端光学素子5の射出面9及び液浸部材6の下面7と対向する位置には、基板ステージ2等、基板P以外の物体も配置可能である。
液浸部材6は、終端光学素子5と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。本実施形態において、液浸部材6は、環状の部材であって、露光光ELの光路の周囲に配置されている。本実施形態において、液浸部材6の一部は、終端光学素子5の周囲に配置されている。本実施形態においては、液浸部材6は、終端光学素子5の周囲に配置される側板部11と、Z軸方向に関して少なくとも一部が終端光学素子5の射出面9と基板Pの表面との間に配置される下板部12とを有する。
下板部12は、射出面9と対向する位置に開口10を有する。射出面9から射出された露光光ELは、開口10を通過可能である。例えば、基板Pの露光中、射出面9から射出された露光光ELは、開口10を通過し、液体LQを介して基板Pの表面に照射される。
下板部12は、射出面9の一部と対向する上面13と、基板Pの表面と対向可能な下面14とを有する。上面13及び下面14のそれぞれは、開口10(露光光ELの光路)の周囲に配置されている。
本実施形態において、液浸部材6の下面7は、下板部12の下面14を含む。下面14は、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能である。本実施形態において、下面14は、平坦であり、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。
また、液浸部材6は、液体LQを供給するための供給口15及びその供給口15に接続された供給流路16と、液体LQを回収するための回収口17及びその回収口17に接続された回収流路18とを備えている。
供給口15は、露光光ELの光路の近傍において、その光路に面する液浸部材6の所定位置に配置されている。本実施形態においては、供給口15は、光路に対してY軸方向両側のそれぞれに設けられている。本実施形態においては、供給口15は、射出面9と上面13との間の空間に液体LQを供給する。供給口15は、液浸空間LSを形成するために、露光光ELの光路に液体LQを供給する。
本実施形態において、回収口17は、基板Pの表面と対向する液浸部材6の所定位置に配置されている。本実施形態においては、回収口17は、下面14(露光光ELの光路)の周囲に配置されている。回収口17は、液浸部材6の下面7と対向する物体上の液体LQを回収する。
供給流路16は、液浸部材6の内部に形成されている。供給口15は、供給流路16、及び供給管19Pの流路19を介して、液体供給装置20と接続されている。液体供給装置20は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。液体供給装置20から送出された液体LQは、流路19、及び供給流路16を介して、供給口15に供給される。供給口15は、液体供給装置20からの液体LQを露光光ELの光路に供給する。
回収流路18は、液浸部材6の内部に形成されている。回収口17は、回収流路18、及び回収管21Pの流路21を介して、液体回収装置22と接続されている。液体回収装置22は、真空システムを含み、流路21及び回収流路18を所定の負圧に調整可能である。液体回収装置22は、流路21及び回収流路18を負圧にして、液体LQを吸引して回収可能である。回収口17から回収された液体LQは、回収流路18、及び流路21を介して、液体回収装置22に回収される。
図3は、回収口17の近傍を示す拡大図である。本実施形態において、回収口17には、第1多孔部材31と第2多孔部材32とが配置されている。第1多孔部材31は、回収流路18に面する第1面41と、第1面41と反対側の第2面42と、第1面41と第2面42とを連通する複数の孔45とを有する。第2多孔部材32は、第2面42に面し、第2面42の少なくとも一部と接触する第3面43と、第3面43と反対側の第4面44と、複数の孔46とを有する。
第1多孔部材31は、複数の小さい孔45が形成された薄いプレート部材である。第1多孔部材31は、薄いプレート部材を加工して、複数の孔45を形成した部材であり、メッシュプレートとも呼ばれる。本実施形態において、第1多孔部材31は、チタンで形成されている。なお、第1多孔部材31が、ステンレスで形成されてもよい。
本実施形態において、第1面41と第2面42とは、ほぼ平行である。本実施形態において、第1面41と第2面42とは、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。
孔45は、第1面41と第2面42との間に形成され、第1面41と第2面42とを貫通するように形成されている。本実施形態において、孔45は、第1面41と第2面42との間を、Z軸方向とほぼ平行に貫通する。液体LQは、孔45を流通可能である。第1面41及び第2面42の一方に配置された孔45の開口に流入した液体LQは、他方に配置された孔45の開口より流出可能である。
図4は、第1多孔部材31の一部を拡大した平面図である。本実施形態において、XY平面内における孔(開口)45の形状は、円形である。また、第1面41における孔(開口)45の大きさと、第2面42における孔(開口)45の大きさとはほぼ等しい。また、複数の孔45それぞれの大きさは、ほぼ等しい。また、複数の孔45は、XY平面内において、ほぼ等間隔に配置されている。なお、XY平面内における孔45の形状は、円形以外の形状、例えば5角形、6角形等の多角形でもよい。
図3に示すように、第2多孔部材32は、複数の小さい孔46が形成された薄いフィルム部材である。すなわち、本実施形態において、第2多孔部材32は、多孔膜を含む。本実施形態において、第2多孔部材32は、スポンジ状の部材である。例えば、第2多孔部材32は、合成樹脂製のスポンジである。
なお、第2多孔部材32が、不織布等、繊維を含むものでもよい。また、第2多孔部材32が、複数の孔(pore)が形成された焼結部材(例えば、焼結金属)、発泡部材(例えば、発泡金属)等でもよい。焼結部材、発泡部材の材料として、例えばセラミックスを用いることができる。また焼結部材、発泡部材(焼結金属、発泡金属)の材料として、例えばチタン、銅、ニッケル、及びステンレス等を用いることができる。
本実施形態において、第2多孔部材32の孔46は、開気孔(open pore)を含む。開気孔は、外気と接続された気孔(pore)である。開気孔は、流入した液体LQを、保持可能である。なお、第2多孔部材32が、閉気孔(closed pore)を含んでもよい。
本実施形態において、第3面43と第4面44とは、ほぼ平行である。本実施形態において、第3面43と第4面44とは、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。第4面44は、基板Pの表面と対向する。
本実施形態において、液浸部材6の下面7は、第4面44を含む。また、本実施形態においては、下板部12の下面14と第4面44とは、ほぼ同一平面内に配置されている(ほぼ面一である)。
第1多孔部材31の第2面42と、第2多孔部材32の第3面43とは、接触している。本実施形態において、XY平面内における第1多孔部材31の大きさと、第2多孔部材32の大きさとはほぼ同じであり、第2面42のほぼ全域と、第3面43のほぼ全域とが接触している。
また、XY平面内における第1多孔部材31及び第2多孔部材32の形状は、回収口17に応じて、環状である。すなわち、第1多孔部材31及び第2多孔部材32は、露光光ELの光路(開口16)及び下面14の周囲に配置されている。
また、第2多孔部材32の孔46は、第3面43と第4面44とを連通する。本実施形態において、孔46は、第2多孔部材32の内部において互いに接続された複数の開気孔を含む。液体LQは、孔46を流通可能である。第3面43及び第4面44の一方に配置された孔(開気孔)46の開口に流入した液体LQは、他方に配置された孔(開気孔)46の開口より流出可能である。
したがって、基板P上の液体LQは、第2多孔部材32の孔46の少なくとも一部、及び第1多孔部材31の孔45を介して、回収流路18に流入可能である。回収流路18は、第4面44と対向する基板P上の液体LQを回収可能である。
本実施形態において、第2多孔部材32の平均孔径は、第1多孔部材31の平均孔径より小さい。本実施形態において、第2多孔部材32の平均孔径は、第1多孔部材31の平均孔径の、例えば1%〜25%程度である。
第1多孔部材31の平均孔径は、第1多孔部材31の所定の計測面における孔45(開口)の大きさの平均値である。本実施形態において、第1多孔部材31の計測面は、第1面41及び第2面42を含む。本実施形態においては、その計測面における複数の孔45(開口)の大きさがそれぞれ計測され、その計測結果に基づいて、第1多孔部材31の平均孔径が求められる。
第2多孔部材32の平均孔径は、第2多孔部材32の所定の計測面における孔(開気孔)46(開口)の大きさの平均値である。本実施形態において、第2多孔部材32の計測面は、第3面43、第4面44、及び第2多孔部材32の所定部位を切断したときの切断面を含む。本実施形態においては、その計測面における複数の孔46(開口)の大きさがそれぞれ計測され、その計測結果に基づいて、第2多孔部材32の平均孔径が求められる。
また、本実施形態において、第2多孔部材32の気孔率は、第1多孔部材31の気孔率より大きい。気孔率は、第1、第2多孔部材31、32の幾何学的(外形的)な容積に対する気孔の容積の割合である。換言すれば、気孔率は、単位体積当たりの気孔の含有率である。本実施形態において、気孔率は、開気孔の気孔率(開気孔率)である。開気孔率は、アルキメデス法、水銀ポロシメータ法等により求めることができる。
本実施形態においては、第2多孔部材32の平均孔径は、第1多孔部材31の平均孔径より小さく、計測面における単位面積当たりの第2多孔部材32の孔46の数は、第1多孔部材31の孔45の数より多い。また、計測面における単位面積当たりの第2多孔部材32の孔46の密度は、第1多孔部材31の孔45の密度より大きい。また、計測面における第2多孔部材32の開口率は、第1多孔部材31の開口率より大きい。開口率は、計測面の単位面積当たりの孔の割合、換言すれば、計測面の単位面積当たりの孔の総面積の割合である。開口率は、計測面における単位面積当たりの孔の数(計測面における孔の密度)を調整することによって、調整可能である。
第2多孔部材32の平均孔径が小さく、気孔率が大きいので、第2多孔部材32は、液体LQを良好に保持することができる。本実施形態においては、第2多孔部材32の平均孔径が第1多孔部材31の平均孔径より小さく、第2多孔部材32の気孔率が第1多孔部材31の気孔率より大きいので、第2多孔部材32は、第1多孔部材31より、液体LQを保持し続けることができる。したがって、液体LQとの接触後、第2多孔部材32のほうが、第1多孔部材31より、乾燥し難い。すなわち、第2多孔部材32のほうが、第1多孔部材31より、保湿力が高い。
また、本実施形態においては、第2多孔部材32は、第1多孔部材31より薄い。本実施形態において、第2多孔部材32の厚みD2は、第1多孔部材31の厚みD1の1/2〜1/10程度である。これにより、第1多孔部材31の強度を維持できるとともに、第1多孔部材31及び第2多孔部材32を介した液体回収動作を円滑に実行することができる。
また、第2多孔部材32は、第1多孔部材31より、吸水力(吸液力)が高い。吸水力(吸液力)は、吸水速度(吸液速度)を含む。第2多孔部材32は、毛管現象により、液体LQを素早く吸水(吸液)することができる。
本実施形態においては、基板Pの表面と対向する位置に、吸液速度が高い第2多孔部材32が配置されているので、第4面44と基板P上の液体LQとが接触したとき、高い応答速度で、その基板P上の液体LQを回収することができる。例えば、図5に示すように、第4面44と基板P上の液体LQとが接触することによって、基板P上の液体LQは、高い吸液速度で、第2多孔部材32に吸収され、保持される。その後、図6に示すように、第2多孔部材32に保持された液体LQは、第1多孔部材31の孔45を介して、回収流路18に回収される。
図2に示すように、本実施形態においては、基板P上の液体LQを回収するとき、回収流路18が液体LQで満たされ、第1面41は、回収流路18に存在する液体LQと接触する。また、本実施形態において、制御装置4は、液体回収装置22を制御して、回収流路18を所定の負圧に調整する。本実施形態においては、露光装置EXは、チャンバ装置(不図示)の内部空間に配置されており、チャンバ装置は、その内部空間をほぼ大気圧に調整する。したがって、本実施形態において、第2面42と基板Pとの間の圧力は、ほぼ大気圧である。制御装置4は、回収流路18の圧力が、大気圧より低くなるように調整する。
制御装置4は、真空システムを含む液体回収装置22を作動して、回収流路18を負圧にして、第1面41と第2面42との間に圧力差を発生させることによって、基板P上の液体LQの少なくとも一部を、第2多孔部材32及び第1多孔部材31を介して回収する。第4面44と接触した基板P上の液体LQは、第2多孔部材32の孔46及び第1多孔部材31の孔45を介して、回収流路18に回収される。回収流路18に回収された液体LQは、流路21を介して、液体回収装置22に回収される。
本実施形態において、制御装置4は、第1多孔部材31を介して回収流路18に気体が流入しないように、すなわち、回収口17から液体LQのみが回収されるように、回収流路18の圧力を調整して、第1面41と第2面42との圧力差を調整する。
制御装置4は、液体LQ、及び第1多孔部材31に応じて、回収流路18の圧力を調整する。例えば、第1多孔部材31の孔径、第1多孔部材31(孔45の内側面)の液体LQとの接触角θ、及び液体LQの表面張力γ等に応じて、回収流路18の圧力を調整することによって、回収口17から、液体LQのみを回収することができる。なお、多孔部材を介して液体LQのみを回収する液体回収動作の原理の例が、例えば国際公開第2006/106907号パンフレット等に開示されている。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを液浸露光する方法について説明する。
液浸空間LSを形成するために、制御装置4は、供給口15を用いて、光路に液体LQを供給する。液体LQを供給するときには、制御装置4は、射出面9及び下面7と対向する位置に、基板P(基板ステージ2)等の物体を配置する。液体供給装置20から送出された液体LQは、流路19及び供給流路16を介して供給口15に供給される。供給口15は、射出面9と上面13との間の空間に液体LQを供給する。液体LQは、射出面9と上面13との間の空間を流れ、開口10を介して、液浸部材9の下面7と基板Pの表面との間の空間に流入し、その下面7と基板Pの表面との間に保持される。これにより、終端光学素子5の射出面9と基板Pの表面との間の光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
また、本実施形態においては、制御装置4は、供給口15による液体供給動作と並行して、回収口17による液体回収動作を実行することによって、液浸空間LSを形成する。回収口17に配置されている第2多孔部材32の第4面44と接触した液体LQの少なくとも一部は、第2多孔部材32の孔46及び第1多孔部材31の孔45を介して回収される。
液浸空間LSが形成され、第2多孔部材32と基板P上の液体LQとが接触することによって、毛管現象により、液体LQが第2多孔部材32の孔46に流入(浸入)し、孔46に保持される。これにより、第2多孔部材32は、液体LQを保持する。
液浸空間LSが形成された後、制御装置4は、基板Pの露光を開始する。制御装置4は、射出面9及び下面7と基板Pの表面との間に液体LQを保持して液浸空間LSを形成した状態で、終端光学素子5及び液浸部材6に対して、基板PをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液体LQとを介して露光光ELを基板Pに照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
また、制御装置4は、例えば基板P上の第1のショット領域の露光が終了した後、第2のショット領域の露光を開始するために、液浸空間LSを形成した状態で、基板PをX軸方向(あるいはXY平面内においてX軸方向に対して傾斜する方向)に移動するステッピング動作を実行する。
液浸空間LSが形成された状態で、終端光学素子5及び液浸部材6に対して基板PがXY方向に移動することによって、液浸空間LSの界面LGが移動する。これにより、第2多孔部材32の一部分は、液体LQと接触する第1状態と接触しない第2状態とで変化する。
上述のように、第2多孔部材32は、第1多孔部材31より保湿力が高く、第1状態の後、第2状態になった場合でも、液体LQを保持し続けることができる。本実施形態においては、回収口17から液体LQのみを回収するように調整されており、回収流路18が負圧になっても、第2多孔部材32の孔46に保持された液体LQが、回収流路18に流入することが抑制されている。これにより、第2多孔部材32は、液体LQを保持し続けることができる。
第2多孔部材32に保持された液体LQによって、第1多孔部材31の第2面42の乾燥が抑制される。第2多孔部材32は、第1状態の後、第2状態になった場合でも、第1多孔部材31の第2面42の乾燥を抑制することができる。また、第2多孔部材32は、液体LQを良好に保持できるので、第1状態の後、第2状態になった場合でも、第2多孔部材32から基板Pに液体LQが滴り落ちることが抑制されている。
例えば、第2多孔部材32が存在しない場合において、第1多孔部材31が第1状態から第2状態に変化すると、乾燥する確率が高くなる。第1多孔部材31が第1状態から第2状態に変化した後、乾燥すると、その第1多孔部材31の表面特性が変化する可能性がある。例えば、第2面42が第1状態から第2状態に変化した後、その第2状態の期間が長くなると、第2面42の液体LQに対する親和性が変化する現象が生じる可能性がある。例えば、第2面42の液体LQに対する親液性が低下し、撥液性になる現象が生じる可能性がある。すなわち、第1状態から第2状態に変化した後の第2面42を、第2状態のまま放置しておくと、その第2面42の液体LQに対する接触角が高くなる現象が生じる可能性がある。また、孔45の内側面の液体LQに対する接触角も変化する可能性がある。その結果、第1多孔部材31が基板Pとの間で液体LQを保持することが困難となったり、孔45を介して液体LQを円滑に回収することが困難となったりする等、第1多孔部材31が配置された回収口17の液体回収能力が低下する可能性がある。
本実施形態においては、第1多孔部材31の第2面42及び孔45の乾燥を抑制する乾燥抑制部材として機能する第2多孔部材32が第2面42側に配置されているので、第2面42及び孔45の内側面の乾燥に起因する液体回収能力の低下を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1多孔部材31を介して実行される液体回収能力の低下を抑制することができる。したがって、露光不良が発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
なお、上述の実施形態において、第2多孔部材32が、第1多孔部材31より薄いメッシュプレートでもよい。薄いプレート部材を加工して、複数の孔46を形成することによって、メッシュプレートからなる第2多孔部材32を形成することができる。第2多孔部材32は、第1多孔部材31より薄いので、孔径が小さい孔46を円滑に形成することができる。
なお、上述の実施形態において、第1多孔部材31としては、メッシュプレートに限られず、複数の孔が形成された部材を複数組み合わせて、網目状又はハニカム状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。また、第1多孔部材31として、多数の孔(pore)が形成された焼結部材(例えば、焼結金属)、発泡部材(例えば、発泡金属)等を用いてもよい。
なお、図7に示すように、第1多孔部材41Bの第2面42Bに凹凸部50を形成することによって、その第2面42Bの乾燥を抑制することができる。凹凸部50は、第2面42Bを粗面処理することで形成可能である。凹凸部50を形成することにより、第2面42Bの表面積が増大し、第2面42Bの液体保持能力を高めることができる。したがって、第1状態から第2状態に変化した後においても、凹凸部50によって、第2面42Bの乾燥を抑制することができる。このように、乾燥抑制部材として、凹凸部50を設けることによって、第2多孔部材32を省略することができる。
なお、上述の各実施形態において、投影光学系PLは、終端光学素子5の射出側(像面側)の光路を液体LQで満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子5の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系、あるいは基板の表面を形成する感光材(フォトレジスト)の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル、セダー油等を用いることも可能である。また、液体LQとして、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば対応米国特許第6897963号明細書等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。計測ステージが終端光学素子の射出面及び液浸部材の下面と対向する位置に配置されることによって、終端光学素子及び液浸部材は、計測ステージとの間で液浸空間を形成することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計3A、3Bを含む干渉計システム3を用いてマスクステージ1及び基板ステージ2の各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージ1、2に設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとしてもよい。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、4…制御装置、6…液浸部材、17…回収口、18…回収流路、22…液体回収装置、31…第1多孔部材、32…第2多孔部材、41…第1面、42…第2面、43…第3面、44…第4面、45…孔、46…孔、50…凹凸部、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LS…液浸空間、P…基板

Claims (21)

  1. 液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、
    前記液体を回収するための回収流路と、
    前記回収流路に面する第1面、前記第1面と反対側の第2面、及び前記第1面と前記第2面とを連通する複数の孔を有する第1多孔部材と、
    前記第2面に面し、前記第2面の少なくとも一部と接触する第3面、前記第3面と反対側の第4面、及び複数の開気孔を有する第2多孔部材と、を備え、
    前記第2多孔部材の平均孔径は、前記第1多孔部材の平均孔径より小さく、
    前記第1多孔部材を介して物体上の液体を回収する液体回収システム。
  2. 前記第2多孔部材の気孔率は、前記第1多孔部材の気孔率より大きい請求項1記載の液体回収システム。
  3. 液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、
    前記液体を回収するための回収流路と、
    前記回収流路に面する第1面、前記第1面と反対側の第2面、及び前記第1面と前記第2面とを連通する複数の孔を有する第1多孔部材と、
    前記第2面に面し、前記第2面の少なくとも一部と接触する第3面、前記第3面と反対側の第4面、及び複数の開気孔を有する第2多孔部材と、を備え、
    前記第2多孔部材の気孔率は、前記第1多孔部材の気孔率より大きく、
    前記第1多孔部材を介して物体上の液体を回収する液体回収システム。
  4. 前記第2多孔部材は、多孔膜を含み、
    前記第2多孔部材は、前記第1多孔部材より薄い請求項1〜3のいずれか一項記載の液体回収システム。
  5. 前記第2多孔部材の孔は、前記第3面と前記第4面とを連通する請求項1〜4のいずれか一項記載の液体回収システム。
  6. 前記第1多孔部材の孔及び前記第2多孔部材の孔を介して、前記物体上の液体が回収される請求項1〜5のいずれか一項記載の液体回収システム。
  7. 前記第2多孔部材の前記第4面と対向する物体上の液体を回収する請求項6記載の液体回収システム。
  8. 前記第2多孔部材に保持された液体によって、前記第2面の乾燥を抑制する請求項1〜7のいずれか一項記載の液体回収システム。
  9. 液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光に用いられる液体回収システムであって、
    前記液体を回収するための回収流路と、
    前記回収流路に面する第1面、前記第1面と反対側の第2面、及び前記第1面と前記第2面とを連通する複数の孔を有する第1多孔部材と、
    前記第2面側に配置され、前記第2面の乾燥を抑制する乾燥抑制部材と、を備える液体回収システム。
  10. 前記乾燥抑制部材は、前記第2面の少なくとも一部と接触するように配置され、複数の開気孔を有する第2多孔部材を含む請求項9記載の液体回収システム。
  11. 前記第2多孔部材の平均孔径は、前記第1多孔部材の平均孔径より小さい請求項10記載の液体回収システム。
  12. 前記第2多孔部材の気孔率は、前記第1多孔部材の気孔率より大きい請求項10又は11記載の液体回収システム。
  13. 前記乾燥抑制部材は、前記第2面の少なくとも一部に形成された凹凸部を含む請求項9〜12のいずれか一項記載の液体回収システム。
  14. 前記第1面は、前記回収流路に存在する液体と接触する請求項1〜13のいずれか一項記載の液体回収システム。
  15. 前記回収流路を負圧を調整する圧力調整装置を備える請求項1〜14のいずれか一項記載の液体回収システム。
  16. 前記物体は、前記基板を含む請求項1〜15のいずれか一項記載の液体回収システム。
  17. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    請求項1〜16のいずれか一項記載の液体回収システムを備える露光装置。
  18. 前記第1多孔部材は、前記光路の周囲に配置される請求項17記載の露光装置。
  19. 請求項17又は18記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  20. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光を射出する光学部材の射出面と、前記射出面と対向する前記基板との間の光路を液体で満たすことと、
    前記光学部材と前記液体とを介して前記基板に露光光を照射することと、
    請求項1〜16のいずれか一項記載の液体回収システムを用いて、前記基板上の液体を回収することと、を含む露光方法。
  21. 請求項20記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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