JP2010192595A - 積層電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層体の主面の二重の窪みの発生を防止することによって、電子部品の外観不良や、変形に起因する内部のデラミネーションを防止することのできる積層電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】積層体の一方の主面と弾性シートとの間に易滑層が配置される位置関係とする。これによって、一方の主面には、滑りやすい易滑層を介して弾性シートから圧力が付与される。この状態でプレスを行うと、弾性シートに圧力が作用することによって、弾性シート部が凹部に入りこむ。このとき、積層体の一方の主面と弾性シートとの間に易滑層が配置されているため、弾性シートが凹部へ向かって収縮しても、主面、あるいは弾性シートのいずれかが易滑層で滑ることによって、弾性シートに引っ張られるような摩擦力を大幅に低減する。
【選択図】図7
【解決手段】積層体の一方の主面と弾性シートとの間に易滑層が配置される位置関係とする。これによって、一方の主面には、滑りやすい易滑層を介して弾性シートから圧力が付与される。この状態でプレスを行うと、弾性シートに圧力が作用することによって、弾性シート部が凹部に入りこむ。このとき、積層体の一方の主面と弾性シートとの間に易滑層が配置されているため、弾性シートが凹部へ向かって収縮しても、主面、あるいは弾性シートのいずれかが易滑層で滑ることによって、弾性シートに引っ張られるような摩擦力を大幅に低減する。
【選択図】図7
Description
本発明は、積層電子部品の製造方法に関する。
積層電子部品の製造方法として、例えば特許文献1のように、内部電極が表面に形成されたセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を積層してなる積層体(セラミック積層物)を二つの成形型(上ポンチ及びベース)との間に配置し、一方の成形型のみを移動させることにより積層体をプレスするものが知られている。特許文献1記載の方法では、積層体の一対の主面と二つの成形型との間に一対の弾性シート(上ラバー及び下ラバー)を挟んでいる。通常、プレスされた積層体は切断されて複数のグリーンチップとなる。
ここで、プレス前の積層体においては、積層時の吸着による圧力によって一方の主面に凹部が形成されるが、上述の製造方法においては、プレス時に凹部の中に更に凹部が形成されてしまうという問題が生じる。具体的には、積層体の凹部が形成される側の主面に弾性シートが直接配置されており、この状態でプレスを行うと、弾性シートの一部が圧力によって積層体の凹部に入り込む。このとき、凹部の周辺の弾性シート表面では、凹部の内側へ向かって収縮力が作用する。ここで、積層体の主面は弾性シートのラバー面と直接接触しているため、それらの面間の摩擦係数は非常に高く、主面の凹部周辺では、弾性シートの収縮に伴い凹部の内側へ向かって引っ張られるような摩擦力が発生する。従って、積層体の主面は凹部の中央部付近へ向かって収縮し、凹部内には更に凹部が形成される(図6参照)。これによって、プレス後においても凹部内に二重の窪みが残存し、積層電子部品の外観不良や、積層体内部のデラミネーションが発生するという問題が生じていた。
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、積層体の主面の二重の窪みの発生を防止することによって、電子部品の外観不良や、変形に起因する内部のデラミネーションを防止することのできる積層電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層電子部品の製造方法は、複数の電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層してなり、セラミックグリーンシートの積層方向で対向する一対の主面を有すると共に当該一対の主面のうち一方の主面に凹部が形成されている積層体を準備する積層体準備工程と、プレス面をそれぞれ有する第1及び第2の成形型を準備する成形型準備工程と、第1の成形型のプレス面と第2の成形型の前記プレス面との間に、第1の成形型のプレス面と積層体の一方の主面とが対向し且つ第2の成形型のプレス面と他方の主面とが対向するように積層体を配置し、静水圧プレスを行うプレス工程と、を有し、プレス工程では、積層体を配置する際に、第1の成形型のプレス面と一方の主面との間に弾性シートを挟むと共に、一方の主面と弾性シートとの間に易滑層を配置することを特徴とする。
本発明に係る積層電子部品の製造方法では、積層体の一方の主面と弾性シートとの間に易滑層が配置される位置関係となる。これによって、一方の主面には、滑りやすい易滑層を介して弾性シートから圧力が付与される。この状態でプレスを行うと、弾性シートに圧力が作用することによって、弾性シートの一部が凹部に入りこむ。このとき、積層体の一方の主面と弾性シートとの間に易滑層が配置されているため、弾性シートが凹部へ向かって収縮しても、主面、あるいは弾性シートのいずれかが易滑層で滑ることによって、弾性シートに引っ張られるような摩擦力を大幅に低減することができる。これによって、プレス後において凹部内に二重の窪みが残存することを防止することができる。以上によって、積層体の一方の主面の二重の窪みの発生を防止することによって、積層電子部品の外観不良や、変形に起因する積層体内部のデラミネーションを防止することができる。
また、本発明に係る積層電子部品の製造方法において、プレス工程では、積層体を配置する際に、一方の主面と弾性シートとの間に、弾性シートと分離していると共に弾性シートの変形に追従して変形するフィルムを挟み、フィルムにおける積層体側の面に易滑層が形成されていることが好ましい。これによって、使用によって易滑層の滑らかさが低下したときは、フィルムを交換するだけの作業でメンテナンスを行うことが可能となる。
また、本発明に係る積層電子部品の製造方法において、プレス工程では、弾性シートにおける積層体側の面に易滑層が形成されていることが好ましい。フィルムなどを挟む必要がなくなるため、プレスの準備における工程数を減らすことが可能となる。
本発明によれば、積層体の主面の二重の窪みの発生を防止することによって、電子部品の外観不良や、変形に起因する内部のデラミネーションを防止することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態では、積層電子部品として積層コンデンサを製造する。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法のフローを示す図である。図2は、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法のうち、プレス工程を説明するための図であり、コンデンサ素体と第1及び第2の成形型と弾性シート及びフィルムとの位置関係を示す模式図である。図3は、プレス工程を模式的に示す工程断面図である。図4は、積層体準備工程においてグリーンシートを積層する様子を模式的に示す工程断面図である。
図1は、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法のフローを示す図である。図2は、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法のうち、プレス工程を説明するための図であり、コンデンサ素体と第1及び第2の成形型と弾性シート及びフィルムとの位置関係を示す模式図である。図3は、プレス工程を模式的に示す工程断面図である。図4は、積層体準備工程においてグリーンシートを積層する様子を模式的に示す工程断面図である。
まず、図2及び図4に示される積層体11を準備する(積層体準備工程、図1のステップS11)。積層体11を準備するにあたって、BaTiO3を主成分とする誘電体材料を用い、複数のセラミックグリーンシート6を作製する。次に、例えばNiを主成分とする導電ペーストをスクリーン印刷し、所定の乾燥工程を行うことにより、セラミックグリーンシート6上に電極パターン7を形成する。各セラミックグリーンシート6には、複数の電極パターン7が所定の間隔で形成される。複数の電極パターン7が形成されたセラミックグリーンシート6を順次積層し、更に電極パターン7が形成されていないセラミックグリーンシート6を積層する。これにより、複数のセラミックグリーンシート6からなる積層体11が得られる。
図2に示されるように、積層体11は、セラミックグリーンシート6の積層方向に対向する主面11a,11bと、主面11a,11bを連結する周面11cとを有している。積層体11の主面11a,11bは平坦面となっている。また、積層体11は、図4に示されるように、主面11a,11bの対向方向から見たときに、電極パターン7を含む領域8と電極パターン7を含まない領域9とを有している。
また、積層体11は、図4に示されるように、吸着孔21が設けられた基板20上に、セラミックグリーンシート6を吸着孔21で吸着しながら積層していく工程を経て製造される。セラミックグリーンシート6の積層方向から見て、セラミックグリーンシート6のうち電極パターン7を含まない領域9は、積層時に吸着孔21に吸い寄せられて撓む。これにより、積層体11の基板20に対向する面とは反対側の面に凹部23ができ、その結果この面は凹凸面となる。なお、積層体11の基板20に対向する面には吸着孔21に吸い寄せられることで凸部が形成されるが、吸着孔21の径が小さいため、この凸部は凹部23と比べて無視できる程度となっている。したがって、積層体11の基板20に対向する面は、実質的に平坦な面となっている。本実施形態では、基板20に対向する面、すなわち凹凸がない面を積層体11の主面(他方の主面)11bとし、基板20に対向する面とは反対側の面、すなわち凹凸面を積層体11の主面(一方の主面)11aとする。
積層体11を準備した後、図2,3に示されるようなプレス装置12を準備する(成形型準備工程、図1のステップS12)。なお、プレス装置12の準備は積層体11の準備と平行して行なわれてもよい。
準備されるプレス装置12は、第1の成形型13と第2の成形型14と枠15とを備えている。枠15は、積層体11の周面11cを囲む部分であって、積層体11と後述する弾性シート17との位置決め精度を上げるためのものである。枠15は、貫通孔を有している。第2の成形型14は、積層体11を支持する部分であって、枠15の一端側に位置している。第2の成形型14は枠15の一端面と対向する面14aを有しており、第2の成形型14の面14aの略中央には枠15の貫通孔に嵌入可能な凸部14bが設けられている。凸部14bの頂面はプレス面となる面であって、平坦となっている。第2の成形型14は枠15に対して嵌合可能となっている。
第1の成形型13は、移動によって積層体11に圧をかける部分である。第1の成形型13は、枠15の貫通孔の他端側に内挿可能な形状を呈している。また、第1の成形型13は、枠15の貫通孔に対して摺動可能となっている。第1の成形型13の一端面はプレス面となる面であって、平坦となっている。
次に、弾性シート17を準備する。弾性シート17としては、例えばゴムシートを用いることができる。また、フィルム30を準備する。このフィルム30としては、弾性シート17と分離されると共に弾性シート17の変形に追従して変形することのできるPETフィルムから構成されており、その積層体11側の面には、シリコーンコートがなされることによって、易滑層34が形成されている(図5参照)。易滑層34は、弾性シート17よりも摩擦が小さく、且つ、弾性シート17の変形に追従することのできる特性を有している。
次に、図3に示されるように、プレス装置12と弾性シート17とフィルム30とを用いて、積層体11をプレスする(プレス工程、図1のステップS13)。本工程では、例えば静水圧プレス法を用いることができる。すなわち、プレス装置12、弾性シート17、フィルム30、積層体11を可撓性の袋32に真空包装して静水圧プレスを行う。
より具体的には、第2の成形型14の凸部14bを枠15の一端側から貫通孔に嵌入させ、第2の成形型14の面14aを枠15の一端面と当接させる。これにより、第2の成形型14は、プレス面が貫通孔内に位置した状態で枠15に固定されることになる。次に、積層体11を、枠15の他端側から貫通孔に入れて第2の成形型14のプレス面上に載置する。このとき、積層体11の主面11bが第2の成形型14のプレス面と対向し且つ当接するようにする。
次に、フィルム30を枠15の他端側から貫通孔に入れ、易滑層34側を積層体11の主面11a上に載置する。これにより、積層体11の主面11aはフィルム30に形成された易滑層34によって覆われることになる。次に、弾性シート17を、枠15の他端側から貫通孔に入れてフィルム30上に載置する。これにより、積層体11の主面11aはフィルム30を介して弾性シート17によって覆われることになる。積層体11の主面11aを弾性シート17で覆った後、第1の成形型13の一端部を、枠15の他端側から貫通孔に挿入する。そして、第1の成形型13のプレス面を弾性シート17に当接させる。これにより、積層体11が第1の成形型13のプレス面と第2の成形型14のプレス面との間に配置され、積層体11の主面11aと第1の成形型13のプレス面とが対向し、積層体11の主面11bと第2の成形型14のプレス面とが対向した状態となる。また、積層体11の主面11aと第1の成形型13のプレス面との間に弾性シート17が挟まれ、主面11aと弾性シート17との間に易滑層34が配置された状態となる。
次に、第1の成形型13を移動させて積層体11をプレスする。積層体11のプレスは、第2の成形型14及び枠15の位置を固定した状態で、第1の成形型13のみを移動させることで行われる。積層体11がプレスされることにより、セラミックグリーンシート6同士が圧着される。
プレス後、プレス装置12から積層体11を取り出す(図1のステップS14)。より具体的には、第1の成形型13を枠15から離れる方向に移動させ、第1の成形型13のプレス面を弾性シート17から離す。そして、第2の成形型14を枠15から離れる方向に移動させ、積層体11を枠15の外に露出させる。その後、積層体11を弾性シート17及びフィルム30から取り外す。
積層体11を取り出した後、積層体11を切断ラインに沿って切断する。切断ラインは、電極パターン7を含まない領域9上に位置している。積層体11を切断ラインに沿って切断することにより、複数のグリーンチップが得られる。次に、得られた複数のグリーンチップを所定の温度で焼成する。これにより、コンデンサ素体が完成する。その後、コンデンサ素体に導体ペーストを塗布・焼付けして端子電極を形成し、端子電極にめっき層を形成すると、積層コンデンサが完成する。
次に、本実施形態の積層電子部品の製造方法の作用・効果について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、(a)はプレス前の様子を示し、(b)はプレス中の様子を示し、(c)はプレス後の様子を示した図である。図6は、従来の積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、(a)はプレス前の様子を示し、(b)はプレス中の様子を示し、(c)はプレス後の様子を示した図である。
図6(a)に示すように、従来の積層電子部品の製造方法では、積層体11の主面11aに弾性シート17が直接配置されていた。この状態でプレスを行うと、図6(b)に示すように、弾性シート17の一部が圧力によって積層体11の凹部23に入り込む。このとき、凹部23の周辺の弾性シート17表面では、凹部23の内側へ向かって収縮力が作用する。ここで、積層体11の主面11aは弾性シート17のラバー面と直接接触しているため、それらの面間の摩擦係数は非常に高く、主面11aの凹部23周辺では、弾性シート17の収縮に伴い凹部23の内側へ向かって引っ張られるような摩擦力が発生する。従って、積層体11の主面11aは凹部23の中央部付近へ向かって収縮し、凹部23内には更に凹部23aが形成される。これによって、図6(c)に示すようにプレス後においても凹部23内に二重の窪みが残存し、積層電子部品の外観不良や、積層体11内部のデラミネーションが発生するという問題が生じていた。
一方、本実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、図5(a)に示すように、積層体11の主面11aと弾性シート17との間に、弾性シート17と分離されると共に当該弾性シート17の変形に追従するフィルム30が挟まれており、フィルム30と主面11aとの間には易滑層34が配置される位置関係となる。これによって、主面11aには、弾性シート17よりも摩擦力が低いと共に当該弾性シート17の変形に追従する易滑層34と直接接触しながら弾性シート17から圧力が付与される。この状態でプレスを行うと、図5(b)に示すように、弾性シート17に圧力が作用することによって、弾性シート17の一部が凹部23に入りこみ、その変形に追従してフィルム30及び易滑層34も凹部23に入り込む。このとき、積層体11の主面11aと易滑層34が直接接触しているため、それらの面間の摩擦係数は低く、弾性シート17が凹部23へ向かって収縮しても、主面11aが易滑層34で滑ることによって、弾性シート17に引っ張られるような摩擦力を大幅に低減することができる。これによって、図5(c)に示すようにプレス後において凹部23内に二重の窪みが残存することを防止することができる。以上によって、積層体11の主面11aの二重の窪みの発生を防止することによって、積層電子部品の外観不良や、変形に起因する積層体11内部のデラミネーションを防止することができる。
また、本実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、プレス工程において、積層体11を配置する際に、主面11aと弾性シート17との間に、弾性シート17と分離されると共に弾性シート17の変形に追従するフィルム30を挟み、フィルム30における積層体11側の面に易滑層34が形成されているため、使用によって易滑層34の滑らかさが低下したときは、フィルム30を交換するだけの作業でメンテナンスを行うことが可能となる。
(第二実施形態)
次に、図7を参照して本発明の第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法について説明する。図7は、本発明の第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、(a)はプレス前の様子を示し、(b)はプレス中の様子を示し、(c)はプレス後の様子を示した図である。第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、弾性シート17と積層体11との間にフィルム30を配置することなく、弾性シート17に易滑層を形成した点で、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法と主に相違している。
次に、図7を参照して本発明の第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法について説明する。図7は、本発明の第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、(a)はプレス前の様子を示し、(b)はプレス中の様子を示し、(c)はプレス後の様子を示した図である。第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、弾性シート17と積層体11との間にフィルム30を配置することなく、弾性シート17に易滑層を形成した点で、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法と主に相違している。
具体的には、図7(a)に示すように、弾性シート17における主面11aと対向する面をシリコーンコートすることによって易滑層34が形成されている。これによって、主面11aには、弾性シート17よりも摩擦力が低いと共に当該弾性シート17の変形に追従して変形する易滑層34と直接接触しながら弾性シート17から圧力が付与される。この状態でプレスを行うと、図7(b)に示すように、弾性シート17に圧力が作用することによって、弾性シート17の一部が凹部23に入りこみ、その変形に追従して易滑層34も凹部23に入り込む。このとき、積層体11の主面11aと易滑層34が直接接触しているため、それらの面間の摩擦係数は低く、弾性シート17が凹部23へ向かって収縮しても、主面11aが易滑層34で滑ることによって、弾性シート17に引っ張られるような摩擦力を大幅に低減することができる。これによって、図7(c)に示すようにプレス後において凹部23内に二重の窪みが残存することを防止することができる。以上によって、積層体11の主面11aの二重の窪みの発生を防止することによって、積層電子部品の外観不良や、変形に起因する積層体11内部のデラミネーションを防止することができる。
また、第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、弾性シート17に易滑層34が直接形成されているため、フィルム30などを挟む必要がなくなるため、プレスの準備における工程数を減らすことが可能となる。
(第三実施形態)
次に、図8(a)を参照して本発明の第三実施形態に係る積層電子部品の製造方法について説明する。図8(a)は、本発明の第三実施形態に係る積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、プレス前の様子を示す図である。第三実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、弾性シート17と積層体11との間に挟まれたフィルム30には、積層体11側の面ではなく弾性シート17側の面に易滑層34を形成した点で、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法と主に相違している。
次に、図8(a)を参照して本発明の第三実施形態に係る積層電子部品の製造方法について説明する。図8(a)は、本発明の第三実施形態に係る積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、プレス前の様子を示す図である。第三実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、弾性シート17と積層体11との間に挟まれたフィルム30には、積層体11側の面ではなく弾性シート17側の面に易滑層34を形成した点で、第一実施形態に係る積層電子部品の製造方法と主に相違している。
具体的には、図8(a)に示すように、弾性シート17における主面11aと対向する面をシリコーンコートすることによって易滑層34が形成されている。これによって、弾性シート17は、当該弾性シート17と分離されると共に摩擦係数が低くされた易滑層34と直接接触する。この状態でプレスを行うと、弾性シート17に圧力が作用することによって、弾性シート17の一部が凹部23に入りこみ、その変形に追従して易滑層34及びフィルム30も凹部23に入り込む。このとき、弾性シート17と易滑層34が直接接触しているため、弾性シート17が凹部23へ向かって収縮しても易滑層34の表面で滑ることによって、凹部23へ向かって引っ張られるような摩擦力が積層体11の主面11aに作用することを大幅に抑制することができる。これによって、プレス後において凹部23内に二重の窪みが残存することを防止することができる。以上によって、積層体11の主面11aの二重の窪みの発生を防止することによって、積層電子部品の外観不良や、変形に起因する積層体11内部のデラミネーションを防止することができる。
(第四実施形態)
次に、図8(b)を参照して本発明の第四実施形態に係る積層電子部品の製造方法について説明する。図8(b)は、本発明の第四実施形態に係る積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、プレス前の様子を示す図である。第四実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、弾性シート17ではなく積層体11の主面11aに易滑層34を直接形成した点で、第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法と主に相違している。
次に、図8(b)を参照して本発明の第四実施形態に係る積層電子部品の製造方法について説明する。図8(b)は、本発明の第四実施形態に係る積層電子部品の製造方法における積層体11の凹部23付近の拡大断面図であり、プレス前の様子を示す図である。第四実施形態に係る積層電子部品の製造方法では、弾性シート17ではなく積層体11の主面11aに易滑層34を直接形成した点で、第二実施形態に係る積層電子部品の製造方法と主に相違している。
具体的には、図8(b)に示すように、積層体11の主面11aをシリコーンコートすることによって易滑層34が形成されており、凹部23の表面にも易滑層34が形成されている。これによって、主面11aは、摩擦係数が低くされた易滑層34を介して弾性シート17と接触する。この状態でプレスを行うと、弾性シート17に圧力が作用することによって、弾性シート17の一部が凹部23に入りこむ。このとき、弾性シート17と易滑層34が直接接触しているため、弾性シート17が凹部23へ向かって収縮しても易滑層34の表面で滑ることによって、凹部23へ向かって引っ張られるような摩擦力が積層体11の主面11aに作用することを大幅に抑制することができる。これによって、プレス後において凹部23内に二重の窪みが残存することを防止することができる。以上によって、積層体11の主面11aの二重の窪みの発生を防止することによって、積層電子部品の外観不良や、変形に起因する積層体11内部のデラミネーションを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨が逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、セラミックグリーンシート6や電極パターン7の数等は、上記実施形態に示したものに限られない。
11…積層体、11a…主面(一方の主面)、11b…主面(他方の主面)、13…第1の成形型、14…第2の成形型、17…弾性シート、30…フィルム、34…易滑層。
Claims (3)
- 複数の電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層してなり、前記セラミックグリーンシートの積層方向で対向する一対の主面を有すると共に当該一対の主面のうち一方の主面に凹部が形成されている積層体を準備する積層体準備工程と、
プレス面をそれぞれ有する第1及び第2の成形型を準備する成形型準備工程と、
前記第1の成形型の前記プレス面と前記第2の成形型の前記プレス面との間に、前記第1の成形型の前記プレス面と前記積層体の前記一方の主面とが対向し且つ前記第2の成形型の前記プレス面と前記他方の主面とが対向するように前記積層体を配置し、静水圧プレスを行うプレス工程と、を有し、
前記プレス工程では、前記積層体を配置する際に、前記第1の成形型の前記プレス面と前記一方の主面との間に弾性シートを挟むと共に、前記一方の主面と前記弾性シートとの間に易滑層を配置することを特徴とする積層電子部品の製造方法。 - 前記プレス工程では、前記積層体を配置する際に、前記一方の主面と前記弾性シートとの間に、前記弾性シートと分離していると共に前記弾性シートの変形に追従して変形するフィルムを挟み、
前記フィルムにおける前記積層体側の面に前記易滑層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層電子部品の製造方法。 - 前記プレス工程では、前記弾性シートにおける前記積層体側の面に前記易滑層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層電子部品の製造方法。
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