JP2010190357A - シールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道溝の間に配置されたボールと、からなるボールねじの、前記ナットの軸方向両端に配置され、円環状の心金と、該心金の内周側に被覆され、前記ねじ軸の外周面及び螺旋溝に弾性変形状態で接触するリップ部とを有するリング状のシールの製造方法であって、前記心金の外周側を保持し、該心金の表面に対向する位置にゲートを設けた金型を用いて、前記ゲートに対向する前記心金の表面と反対側の面を支持しながら前記リップ部を成形可能な弾性を有する素材の射出成形で製造し、前記心金のリップ部外周領域の厚みのばらつきを、JIS G 3141に定められた許容差よりも小さくした。
【選択図】図4
Description
このようなボールねじのボールは、ねじ軸の回転運動に伴ってねじ溝を転動するため、ねじ軸に付着した塵埃や摩耗粉などの異物がナット内に入り込むと、ナット内に入り込んだ異物によってボールの転がり運動が阻害され、焼付きなどの損傷が生じることがある。そこで、ナット内への異物の侵入等を防ぐために、ナットの軸方向両端にリング状のシールが配置されている。
スプルー3dから金型3内に導入された熱可塑性エラストマーは、ランナー3cを通って、ゲート3aからキャビティ3bに入る。円環状の心金20には、金型3のゲート3aの位置に対応させたアンカー穴20aが形成されている。これにより、図8及び図9(図8のIX−IX断面図)に示すように、円環状の心金20にリップ部11を含むエラストマー成形体10が一体成形されたシール1が得られる。
また、シールの技術としては、特許文献2に記載の転がり軸受け用シールが開示されている。この特許文献2によれば、心金が金属材料、その周辺部が熱可塑性エラストマー材料からなり、両材料を一体に接合してあるシールが開示されている。
しかしながら、従来のボールねじ用シールにおいては、シールの材料として用いるエラストマーの耐油性や、耐水性に改善の余地があった。
しかし、従来の熱可塑性エラストマーでは、結合を高めるとゴム硬度も同時に増大してしまう。その結果、設計上必要なシールの締め代による締付け力の増大や、ボールねじのトルクの上昇や、シール起因による発熱の増大などのような問題が生じていた。
さらに、従来の技術では、シールの成形における精度を向上させる方策がなく、以下の(1)〜(3)のような問題があった。
(2)エラストマーの射出時に発生した心金の変形がスプリングバックすることによってリップ部の形状がくずれシール性が低下する。
(3)心金の板厚のばらつき(例えば板厚が大きい場合)によって、成形金型の上型と下型がきちんと閉じきらず、バリが大きくなり、シール性が低下する。
前記心金の外周側を保持し、該心金の表面に対向する位置にゲートを設けた金型を用いて、前記ゲートに対向する前記心金の表面と反対側の面を支持しながら前記リップ部を成形可能な弾性を有する素材の射出成形で製造し、
前記心金のリップ部外周領域の厚みのばらつきを、JIS G 3141に定められた許容差よりも小さくしたことを特徴としている。
図1は、本発明の実施形態で製造されるシールを示す図であり、(a)は正面図、(b)は、(a)のA−O−A’線に沿う断面図である。
本実施形態では、図1(a)及び図1(b)に示すシールを下記の方法で製造する。
図1に示すように、シール1は、リップ部11を含むエラストマー成形体10が、金属製の円環状の心金20に一体成形されたものである。シール1には、心金20をなす円環と同心の円Eに沿って、位置決め用ピン穴12、ゲート跡13、及びシール肉盗み部14が複数個形成されている。位置決め用ピン穴12は同心の円Eにおいて対向する位置に1対設けられている。シール肉盗み部14は、円Eに沿ってゲート跡13の両側に所定間隔をもって設けられる。これらの1つのゲート跡13及び1対のシール肉盗み部14からなる組合せは、例えば、円Eに沿って位置決め用ピン穴12,12間に2つずつ形成される。
図2は、この実施形態で使用する金型3を示す図であり、(a)は可動側型板31を示す正面図、(b)は固定側型板32を示す正面図である。図2(a)に示すように、可動側型板31には、図1に示すゲート跡13に対応する位置に、ゲート3aが形成されている。また、図2(b)に示すように、心金20をなす円環と同心の円Eに沿って、位置決め用ピン3e及び心金支持ピン3fが複数個形成されている。位置決め用ピン3e及び心金支持ピン3fは、それぞれシール1における位置決め用ピン穴12及びシール肉盗み部14に相当する位置に形成されている。
浸漬条件:25℃、75時間
試料形状:縦25mm、横10mm、厚さ1mmの短冊形状
(評価基準)
○:問題なし(寸法変化率が1%以下)
−×:収縮側の寸法変化率が1%超〜3%以下
+×:膨張側の寸法変化率が1%超〜3%以下
××:寸法変化率が3%超
図4は、円環状の心金20に対して、金型3を用いて熱可塑性エラストマーの射出成形によりエラストマー成形体10を一体成形する際の心金20の保持状態を示す図であり、(a)は図1(a)のA−O線に沿う断面図に相当する図であり、(b)は図1(a)のO−A’線に沿う断面図に相当する図である。
また、図4(b)に示すように、心金20の支持ピン当接領域22には、金型3の固定側型板32(図2参照)に設けられた心金支持ピン3fが当接された状態で、熱可塑性エラストマーの射出成形が行われる。したがって、エラストマー成形体10の支持ピン当接領域22に相当する位置にはシール肉盗み部14が形成されることとなる。
3 金型
3a ゲート
3b キャビティ
3c ランナー
3d スプルー
3e 心金支持ピン
10 エラストマー成形体
11 リップ部
12 位置合わせ用ピン穴
13 ゲート跡
14 シール肉盗み部
20 心金
20a アンカー穴
21 厚さ制御領域
22 心金支持ピン当接領域
31 可動側型板
32 固定側型板
40 ねじ軸
41,42 ねじ溝(螺旋溝)
50 ナット
60 ボール
Claims (2)
- 内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道溝の間に配置されたボールと、からなるボールねじの、前記ナットの軸方向両端に配置され、円環状の心金と、該心金の内周側に被覆され、前記ねじ軸の外周面及び螺旋溝に弾性変形状態で接触するリップ部とを有するリング状のシールの製造方法であって、
前記心金の外周側を保持し、該心金の表面に対向する位置にゲートを設けた金型を用いて、前記ゲートに対向する前記心金の表面と反対側の面を支持しながら前記リップ部を成形可能な弾性を有する素材の射出成形で製造し、
前記心金のリップ部外周領域の厚みのばらつきを、JIS G 3141に定められた許容差よりも小さくしたことを特徴とするシールの製造方法。 - 前記リップ部を動的架橋型エラストマーの射出成形で製造することを特徴とする請求項1に記載のシールの製造方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-02-19 JP JP2009036982A patent/JP5093145B2/ja active Active
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