JP2010189443A - 揮散防止型固形製剤およびその製造方法 - Google Patents

揮散防止型固形製剤およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の技術よりも簡便に、それ自体が揮散性であるか、その分解物が揮散性である薬剤を含有する固形製剤のウイスカーの発生や不快な臭いの発生を低減することのできる技術を提供すること。
【解決手段】 少なくとも、それ自体が揮散性であるか、その分解物が揮散性である薬剤と揮散防止薬剤としてのカルボキシメチルセルロースまたはその塩とを含有することを特徴とする揮散防止型固形製剤およびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、揮散防止型固形製剤に関し、更に詳細には、それ自体が揮散性であるか、その分解物が揮散性である薬剤を含有しながら、当該薬剤が昇華することにより生じる薬剤収納容器内でのウイスカーや、製剤からの不快な臭いの発生を抑制した揮散防止型固形製剤およびその製造方法に関する。
一般に、固形製剤はガラス瓶等の薬剤収納容器内に密閉保存する。しかしながら、固形製剤に含まれる薬剤の性質によっては製品の保存時に製品価値の低下を引き起こすことが知られている。
例えば、イブプロフェン等の昇華性薬剤では、ガラス瓶等の密閉容器に保存すると経時的にガラス瓶の内壁に曇り(ウイスカー)が生じ、商品価値を下げる問題があった。このイブプロフェンのウイスカー防止方法としては、イブプロフェン含有固形製剤とポリビニルピロリドン、酸化マグネシウムおよび炭酸水素ナトリウムより一種、または二種以上の物質を密閉系で保存する方法(特許文献1)、イブプロフェン含有固形製剤と乾燥剤を密閉系で保存する方法(特許文献2)、糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣液を用いて、素錠重量の5〜60%の糖衣を被覆する方法(特許文献3)、糖類による下掛けを施す方法(特許文献4)が報告されている。
また、カフェイン等は保存中にヒゲ結晶(ウイスカー)が成長し、商品価値を下げる問題があった。このカフェイン等のウイスカー防止方法としては、カフェイン含有製剤、ヒゲ結晶生成性薬剤含有製剤と炭、無水ケイ酸または(および)モンモリロナイトとを共存させる方法(特許文献5および6)、昇華性薬物とシクロデキストリン類とを含有する被覆剤で被覆する方法(特許文献7)、ウイスカーを発生しやすい製剤処方中に、特定の大きさ及び比表面積のβ−1,4グルカン粉末を含有させる方法(特許文献8)、カフェイン類に制酸剤を配合する方法(特許文献9)が報告されている。さらに、カフェイン(水和物)に活性炭あるいはベントナイトを添加する方法(非特許文献1)、および無水カフェインにホワイトアランダムあるいは軽質無水ケイ酸(Aerosil 200)を混合する方法(非特許文献2)が報告されている。またさらに、昇華性薬剤とポリビニルピロリドン類を配合する方法(特許文献10)が報告されている。
一方、システイン類等では、これらから不快な臭いを発生するという問題があった。システイン類等の臭いを発生する薬剤の臭いを防止する方法としては、糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣液を用いて、素錠重量の5〜60%の糖衣を被覆する方法(特許文献11)、L−システインを乾式で配合してなる不快な臭いを低減する方法(特許文献12)が報告されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも効果が不十分であったり、製造工程が複雑になるという問題があった。
特開平8−193027号 特開平8−333247号 特開2002−179559 特開2002−241275 特公昭56−37970号 特公昭56−53525号 特開昭61−129138号 特開昭63−267733号 特開平2−85214号 特開2000−247870 特開2002−179559 特開2002−179559
山田ら、薬学雑誌、96(10), 1223-1228, (1976) 湯浅ら、薬剤学、41(3), 161-171, (1981)
従って、従来の技術よりも簡便に、それ自体が揮散性であるか、その分解物が揮散性である薬剤(以下、これらを「揮散性薬剤」という)を含有する固形製剤において、その揮散性に起因するウイスカーの発生や不快な臭いの発生を低減することのできる技術の提供が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、揮散性薬剤によるウイスカーの発生や不快な臭いの発生を低減するには、少なくとも揮散性薬剤を含有する固形製剤に、揮散防止薬剤としてカルボキシメチルセルロース類またはその塩を含有せしめればよいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくとも、それ自体が揮散性であるか、その分解物が揮散性である薬剤と揮散防止薬剤としてのカルボキシメチルセルロースまたはその塩とを含有することを特徴とする揮散防止型固形製剤を提供するものである。
また、本発明はそれ自体が揮散性であるか、その分解物が揮散性である薬剤と揮散防止薬剤としてのカルボキシメチルセルロースまたはその塩とを含有する固形製剤の製造方法において、カルボキシメチルセルロースまたはその塩を、練合工程、造粒工程またはコーティング工程において使用することを特徴とする揮散防止型固形製剤の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、揮散性薬剤を含有する固形製剤のウイスカーの発生や不快な臭いの発生を低減することができる。
本発明の揮散防止型固形製剤(以下、「本発明製剤」という)は、少なくとも、揮散性薬剤と揮散防止薬剤としてのカルボキシメチルセルロースまたはその塩で構成される。
このうち、揮散性薬剤とは、薬剤自体が揮散性であるか、薬剤の一部が分解し、この分解物が揮散するものであり、例えば、これらの薬剤を含有する固形製剤を保存した際に、薬剤が昇華する昇華性薬剤や不快な臭いを発生する臭気性薬剤をいう。より具体的な、昇華性薬剤の例としてはイブプロフェン、カフェイン(無水物、水和物等)、L−メントール等のメントール類、安息香酸等の安息香酸類、サリチル酸メチル等のサリチル酸類、D-カンフル等のカンフル類、イソプロピルアンチピリン、エテンザミド、カルバマゼピン等が挙げられる。また、不快な臭いを発生する臭気性薬剤の例としてはL-システイン等のシステイン類、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、ビスベンチアミン、オクトチアミン、塩酸フルスルチアミン等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等のビタミンC類、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、酢酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類、イブプロフェン等が挙げられる。これらの昇華性薬剤または不快な臭いを発生する薬剤は1種またはそれ以上を使用することができる。
また、本発明製剤で使用される揮散防止薬剤としてのカルボキシメチルセルロースまたはその塩(以下、これらを「カルボキシメチルセルロース類」という)は、揮散性薬剤の揮散を防止または低減することができるものであれば特に制限されない。具体的なカルボキシメチルセルロース類としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられ、これらは1種またはそれ以上を使用することができる。
これらのカルボキシメチルセルロース類の中でも、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。このカルボキシメチルセルロースナトリウムには様々なグレードのものがあるが、特にコーティング剤として使用する場合には低粘度のグレードのものが好ましい。このような低粘度のグレードの粘度の範囲としてはカルボキシメチルセルロースナトリウムの1%水溶液を調製してB型粘度計(25℃、60回転)で測定した際に1〜2,000cps、より好ましくは1〜1,000cps、特に好ましくは1〜500cpsのものが挙げられる。具体的な製品名としては、CMCダイセル<品番1105>、CMCダイセル<品番1107>、CMCダイセル<品番1110>、日本薬局方CMCダイセル<品番1120>、CMCダイセル<品番1205>、CMCダイセル<品番1207>、CMCダイセル<品番1210>、CMC日本薬局方CMCダイセル<品番1220>(いずれもダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、前記カルボキシメチルセルロース類はそのまま使用しても良いが、これらを溶媒に溶解または(および)懸濁した溶液(以下、これを「CMC液」という)を使用しても良い。このCMC液に使用される溶媒としては、カルボキシメチルセルロース類を溶解または(および)懸濁できる溶媒であれば特に限定されないが、例えば、水、アルコール、またはこれらの混液等が挙げられる。このCMC液は、温度、pHの変化、イオンの添加等によって溶解性や粘度を変えることが可能である。また、このCMC液には必要に応じて後記の賦型剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を添加しても良い。
本発明製剤は、上記揮散性薬剤と揮散防止薬剤としてのカルボキシメチルセルロース類とを必須成分とする他は、常用の細粒、顆粒、錠剤、カプセル剤等の固形製剤の製造方法により製造することができる。この場合、カルボキシメチルセルロース類を、練合工程、造粒工程またはコーティング工程において使用することが好ましく、特にコーティング工程において使用すると得られる固形製剤が艶を有するため好ましい。
本発明において練合工程とは、常用の固形製剤の製造工程において、攪拌造粒機、押出造粒機等で造粒する前に、薬物と賦形剤等(結合剤、崩壊剤等を含む)を練合する工程をいう。この練合工程において、カルボキシメチルセルロース類はそのまま、あるいは(および)CMC液として薬物と賦形剤等に添加されるか、CMC液を噴霧することにより添加される。この場合のカルボキシメチルセルロース類の添加量は、薬物と賦形剤等の合計量に対して0.1〜50質量%が好ましく、更に0.2〜30質量%が好ましく、特に0.5〜20質量%が好ましい。また、揮散性薬剤に対して、カルボキシメチルセルロース類の添加量は0.4〜60質量%が好ましく、更に1〜40質量%が好ましく、特に2〜30質量%が好ましい。
また、本発明において造粒工程とは、常用の固形製剤の製造工程において、流動層造粒機等で薬物と賦形剤等(結合剤、崩壊剤等を含む)を造粒する工程をいう。この造粒工程において、カルボキシメチルセルロース類はそのまま、あるいは(および)CMC液として薬物と賦形剤等に添加されるか、CMC液を噴霧することにより添加される。この場合のカルボキシメチルセルロース類の添加量は、薬物と賦形剤等の合計量に対して0.1〜50質量%が好ましく、更に0.2〜30質量%が好ましく、特に0.5〜20質量%が好ましい。また、揮散性薬剤に対して、カルボキシメチルセルロース類の添加量は0.4〜60質量%が好ましく、更に1〜40質量%が好ましく、特に2〜30質量%が好ましい。
更に、本発明においてコーティング工程とは、常用の固形製剤の製造工程において、製された顆粒あるいは錠剤に流動層造粒機あるいは糖衣機等でコーティングをする工程をいう。このコーティング工程において、カルボキシメチルセルロース類はそのまま、あるいは(および)CMC液として顆粒あるいは錠剤に噴霧され、顆粒あるいは錠剤をコーティングする。この場合のカルボキシメチルセルロース類の添加量は、薬物と賦形剤等の合計量に対して0.1〜50質量%が好ましく、更に0.2〜30質量%が好ましく、特に0.5〜20質量%が好ましい。また、揮散性薬剤に対して、カルボキシメチルセルロース類の添加量は0.4〜60質量%が好ましく、更に1〜40質量%が好ましく、特に2〜30質量%が好ましい。
なお、必要があれば、上記カルボキシメチルセルロース類のコーティングの内側または外側または両側に別のコーティング剤等で被覆することもできる。例えば、錠剤にカルボキシメチルセルロース類のコーティングを施し、更に糖衣を施す等である。また、糖衣の処方中にカルボキシメチルセルロース類を配合しても本発明製剤の効果を得ることはできるが、顆粒あるいは錠剤等の表面にカルボキシメチルセルロース類のみのコーティングを施すことが好ましい。このようにコーティングされた本発明製剤は従来のヒドロキシメチルセルロース(HPMC)等のコーティング剤によりコーティングされた固形製剤よりも優れた艶を有するものとなる。
また、本発明製剤には本発明の効果に支障のない限り、製剤分野で一般的に使用され得る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の添加剤を加えても良い。
賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、糖アルコール類、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの賦形剤は1種またはそれ以上を使用することができる。
結合剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、(メタクリル酸コポリマー等の)アクリル酸誘導体、セラック、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等が挙げられる。これらの結合剤は1種またはそれ以上を使用することができる。
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、クロスリンクドインソルブルポイビニルピロリドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、バレイショデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン等が挙げられる。これらの崩壊剤は1種またはそれ以上を使用することができる。
滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの滑沢剤は1種またはそれ以上を使用することができる。
斯くして得られる本発明の揮散防止型固形製剤は、細粒、顆粒剤、錠剤等種々の形態とすることができる。これらの揮散防止型固形製剤は、常用のガラス瓶、PTP包装、アルミヒートシール包装等の薬剤収納容器で保存することができ、かつ、保存の際のウイスカーの発生や不快な臭いの発生を低減することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
固形製剤の製造(1):
イブプロフェン450g、リン酸ジヒドロコデイン24g、dl−塩酸メチルエフェドリン60g、ヨウ化イソプロパミド6g、ノスカピン48g、マレイン酸クロルフェニラミン7.5g、アスコルビン酸300g、硝酸チアミン24g、無水カフェイン75gに結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース等からなる賦形剤1408.5gを加え、粉体混合物を得た。これに精製水を加えて湿式造粒した後、乾燥し、顆粒を作製した。この顆粒をコーミル(パウレック製)で整粒した後、タルク15gおよびステアリン酸マグネシウム12gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて270mg/錠の素錠を製した。
この素錠にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、酸化チタン、水、エタノール(7:3:20:70)からなるフィルムコーティング剤(以下、これを「白色HPMC液」という)をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、280mg/錠のフィルムコーティング錠(製造品1)を得た。このコーティング錠に、更にカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル<品番1110>:ダイセル化学工業(株)製)と水からなるフィルムコーティング剤(2.5%水溶液)を噴霧し、282.5mg/錠、285mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。それぞれを本発明品1および本発明品2と称する。
比 較 例 1
比較固形製剤の製造(1):
実施例1で得たフィルムコーティング錠(製造品1)にHPMCと水からなるフィルムコーティング剤(2.5%水溶液)を噴霧し、282.5mg/錠、285mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。それぞれを比較品1および比較品2と称する。
実 施 例 2
固形製剤の製造(2):
イブプロフェン450gおよび無水カフェイン240gに結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖等からなる賦形剤536gを加え、粉体混合物を得た。これにカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル<品番1120>:ダイセル化学工業(株)製)の5%水溶液200gを練合液(のり状)として加えて湿式造粒した後、乾燥し、顆粒を作製した。この顆粒をコーミル(パウレック製)で整粒した後、タルク18gおよびステアリン酸マグネシウム6gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて210mg/錠の素錠を製した。
この素錠に白色HPMC液をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、220mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。これを本発明品3と称する。
比 較 例 2
比較固形製剤の製造(2):
イブプロフェン450gおよび無水カフェイン240gに結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖等からなる賦形剤536gを加え、粉体混合物を得た。これにヒドロキシプロピルセルロースの5%水溶液200gを練合液として加えて湿式造粒した後、乾燥し、顆粒を作製した。この顆粒をコーミル(パウレック製)で整粒した後、タルク18gおよびステアリン酸マグネシウム6gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて210mg/錠の素錠を製した。
この素錠に白色HPMC液をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、220mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。これを比較品3と称する。
実 施 例 3
固形製剤の製造(3):
イブプロフェン450g、リン酸ジヒドロコデイン24g、dl−塩酸メチルエフェドリン60g、ヨウ化イソプロパミド6g、ノスカピン48g、マレイン酸クロルフェニラミン7.5g、アスコルビン酸300g、硝酸チアミン24g、無水カフェイン75g、に結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、乳糖等からなる賦形剤1396gを加え、粉体混合物を得た。これにカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル<品番1120>:ダイセル化学工業(株)製)の2.5%水溶液500gを造粒液として噴霧し、造粒した後、乾燥し、顆粒を作製した。この顆粒をコーミル(パウレック製)で整粒した後、タルク15gおよびステアリン酸マグネシウム12gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて270mg/錠の素錠を製した。
この素錠に白色HPMC液をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、280mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。これを本発明品4と称する。
比 較 例 3
比較固形製剤の製造(3):
イブプロフェン450g、リン酸ジヒドロコデイン24g、dl−塩酸メチルエフェドリン60g、ヨウ化イソプロパミド6g、ノスカピン48g、マレイン酸クロルフェニラミン7.5g、アスコルビン酸300g、硝酸チアミン24g、無水カフェイン75g、に結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、乳糖等からなる賦形剤1396gを加え、粉体混合物を得た。これにヒドロキシプロピルセルロースの2.5%水溶液500gを造粒液として噴霧し、造粒した後、乾燥し、顆粒を作製した。この顆粒をコーミル(パウレック製)で整粒した後、タルク15gおよびステアリン酸マグネシウム12gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて270mg/錠の素錠を製した。
この素錠に白色HPMC液をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、280mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。これを比較品4と称する。
実 施 例 4
固形製剤の製造(4):
イブプロフェン450gに結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等からなる賦形剤190gを加え、粉末混合物を得た。これにカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCダイセル<品番1120>:ダイセル化学工業(株)製)の2.5%水溶液400gを造粒液として噴霧し、造粒した後、乾燥し、顆粒Aを作製した。別にリン酸ジヒドロコデイン24g、dl−塩酸メチルエフェドリン60g、ヨウ化イソプロパミド6g、ノスカピン48g、マレイン酸クロルフェニラミン7.5g、アスコルビン酸300g、硝酸チアミン24g、無水カフェイン75g、に結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖等からなる賦形剤1198.5gを加え、粉体混合物を得た。これにヒドロキシプロピルセルロースの2.5%水溶液400gを造粒液として噴霧し、造粒した後、乾燥し、顆粒Bを作製した。これらの顆粒Aおよび顆粒Bをそれぞれコーミル(パウレック製)で整粒した後、混合し、更にタルク15gおよびステアリン酸マグネシウム12gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて、270mg/錠の素錠を製した。
この素錠に白色HPMC液をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、280mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。これを本発明品5と称する。
実 施 例 5
固形製剤の製造(5):
L−システイン240gおよびアスコルビン酸300gに結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、ヒドロキシプロピルセルロース等からなる賦形剤740gを加え、粉体混合物を得た。これにタルク25g、ステアリン酸マグネシウム15gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて、220mg/錠の素錠を製した。
この素錠に白色HPMC液をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、230mg/錠のフィルムコーティング錠(製造品2)を得た。このコーティング錠に、更にカルボキシメチルセルロースナトリウム(日本薬局方CMCダイセル<品番1120>:ダイセル化学工業(株)製)と水からなるフィルムコーティング剤(2.5%水溶液)を噴霧し、235mg/錠、240mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。それぞれを本発明品6および本発明品7と称する。
比 較 例 4
比較固形製剤の製造(4):
イブプロフェン450gに結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等からなる賦形剤190gを加え、粉末混合物を得た。これにヒドロキシプロピルセルロースの2.5%水溶液400gを造粒液として噴霧し、造粒した後、乾燥し、顆粒Cを作製した。別にリン酸ジヒドロコデイン24g、dl−塩酸メチルエフェドリン60g、ヨウ化イソプロパミド6g、ノスカピン48g、マレイン酸クロルフェニラミン7.5g、アスコルビン酸300g、硝酸チアミン24g、無水カフェイン75g、に結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖等からなる賦形剤1198.5gを加え、粉体混合物を得た。これにヒドロキシプロピルセルロースの2.5%水溶液400gを造粒液として噴霧し、造粒した後、乾燥し、顆粒Dを作製した。これらの顆粒Cおよび顆粒Dをそれぞれコーミル(パウレック製)で整粒した後、混合し、更にタルク15gおよびステアリン酸マグネシウム12gを加えて混合し、ロータリー打錠機にて、270mg/錠の素錠を製した。
この素錠に白色HPMC液をハイコーター(フロイント産業製)にて噴霧し、280mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。これを比較品5と称する。
比 較 例 5
比較固形製剤の製造(5):
実施例5で得たフィルムコーティング錠(製造品2)にHPMCと水からなるフィルムコーティング剤(2.5%水溶液)を噴霧し、235mg/錠、240mg/錠のフィルムコーティング錠を得た。それぞれを比較品6および比較品7と称する。
試 験 例 1
固形製剤の保存試験:
本発明品1〜5および比較品1〜5の固形製剤を無色透明のガラス瓶に入れて密閉し、50℃で10日保管した後のガラス瓶内壁の曇りを観察した。なお、曇りの評価基準は下記に示した。
<曇りの評価基準>
( 評 価 ) ( 内 容 )
− : 曇りを全く認めない。
± : 曇りをほとんど認めない
+ : 曇りを認める
++ : 強く曇りを認める
+++ : 著しく強く曇りを認める
Figure 2010189443
試 験 例 2
固形製剤の艶の発生試験:
固形製剤の艶の比較を、本発明品1、2、6、7および比較品1、2、6、7について試験例1で保存を行う前と後に以下の基準で比較を行った。保存前後において固形製剤の艶に変化はなかった。なお、艶の評価基準は下記に示した。
<艶の評価基準>
( 評 価 ) ( 内 容 )
± : 艶をほとんど認めない
+ : 艶を認める
++ : 強く艶を認める
Figure 2010189443
試 験 例 3
固形製剤の臭いの発生試験:
本発明品6および7ならびに比較品6および7の検体を無色透明ガラス瓶に入れて密閉し、50℃で10日保管した後、ガラス瓶の蓋を開けた直後の臭いを評価した。なお、臭いの評価基準は下記に示した。
<臭いの評価基準>
( 評 価 ) ( 内 容 )
± : 不快な臭いをほとんど認めない
+ : 不快な臭いを認める
++ : 強く不快な臭いを認める
Figure 2010189443
本発明によれば、揮散性の薬剤を含有する固形製剤であっても、薬剤の揮散を防止ないし低減することができる。
従って、本発明製剤は薬剤収納容器に発生するウイスカーや不快な臭いの発生が防止されたものであるから製剤の商品的価値を高めることが可能となる。

以 上

Claims (5)

  1. 少なくとも、それ自体が揮散性であるか、その分解物が揮散性である次の薬剤(A)および/または(B)、
    (A)イブプロフェン、カフェイン類、メントール類、安息香酸類、サリチル酸類、
    イソプロピルアンチピリン、エテンザミド、カルバマゼピンからなる群から選ばれる1種またはそれ以上の昇華性薬剤
    (B)システイン類、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンE類、イブプロフェ
    ンからなる群から選ばれる1種またはそれ以上の臭気性薬剤、
    と、
    揮散防止薬剤としてのカルボキシメチルセルロースナトリウムとを含有し、かつ製造工程中においてカルボキシメチルセルロースナトリウムを溶液として使用することにより、薬剤収納容器内でのウイスカーの発生を低減および/または不快な臭いの発生を低減した揮散防止型固形製剤。
  2. カルボキシメチルセルロースナトリウムが、練合工程において使用されるものである請求項第1項項記載の揮散防止型固形製剤。
  3. カルボキシメチルセルロースナトリウムが、造粒工程において使用されるものである請求項第1項または第2項記載の揮散防止型固形製剤。
  4. カルボキシメチルセルロースナトリウムが、コーティング工程において使用されるものである請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の揮散防止型固形製剤。
  5. 請求項第1項記載の揮散防止型固形製剤の製造方法において、カルボキシメチルセルロースナトリウムを、練合工程、造粒工程またはコーティング工程において使用することにより、薬剤収納容器内でのウイスカーの発生を低減および/または不快な臭いの発生を低減した揮散防止型固形製剤の製造方法。
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