JP2010185398A - 可変ノズルターボ過給機の制御装置 - Google Patents

可変ノズルターボ過給機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】タービン下流圧Ptoutを検出するセンサを敢えて必要とすることなく、実ノズル開度rAvntを精度よく求め、目標ノズル開度tAvntと実ノズル開度rAvntとの乖離を抑制する。
【解決手段】ターボ過給機の排気タービンの入口側開口部に、指令値sAvntに応じてアクチュエータにより駆動されて、ターボ過給機の容量を調整する可変ノズルを設ける。上記の指令値sAvntは目標ノズル開度tAvntに基づいて算出される(S19)。但し、目標ノズル開度tAvntと実ノズル開度rAvntとの偏差ΔAvntが所定の判定値Δs以上の場合には、指令値sAvntを補正する(S15,S17)。上記の実ノズル開度rAvntを、タービン上流圧Ptinと、タービン下流圧Ptoutと、に基づいて算出する(S11〜S13)。タービン下流圧Ptoutは、エアフロメータにより検出される吸入空気量(吸気質量流量)を用いて算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、可変ノズルを備えた容量可変型の可変ノズルターボ過給機の制御装置に関する。
エンジンの排気エネルギーにより駆動されて吸気の過給を行うターボ過給機として、可変ノズルを備えた容量可変型のものが知られている。特許文献1には、実際のノズル開度と目標ノズル開度との乖離による運転性の低下を防止するために、実際のノズル開度を検出するノズルポジションセンサ(リフトセンサ)を設け、このセンサにより検出される実ノズル開度を目標ノズル開度にフィードバック制御する技術が記載されている。
特開2005−240673号公報
しかしながら、このような実際のノズル開度を検出するノズルポジションセンサは高価であり、このようなセンサを用いることなく、実ノズル開度を精度よく求めることが望ましい。
そこで、本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、吸気通路を介してエンジンが吸入する空気を過給するターボ過給機と、このターボ過給機の排気タービンの入口側開口部に設けられ、上記ターボ過給機の容量を調整する可変ノズルと、指令値に応じて可変ノズルを駆動するアクチュエータと、を有するシステムに適用される。そして、上記の指令値は、目標ノズル開度に基づいて算出され、かつ、目標ノズル開度と実ノズル開度との偏差に基づいて補正される。そして、この実ノズル開度を、タービン上流圧とタービン下流圧とに基づいて算出する。
本発明によれば、可変ノズルの実ノズル開度を検出するノズルポジションセンサを敢えて必要としない安価な構成で、可変ノズルの実ノズル開度を精度良く求めることができ、この実ノズル開度を利用して指令値を補正することで、目標ノズル開度に対する実ノズル開度の乖離による運転性の低下を抑制することができる。
本発明の一実施例に係る可変ノズルターボ過給機の制御装置を備えたディーゼルエンジンの全体的構成を示す構成説明図。 上記実施例に係る可変ノズルの制御の流れを示すフローチャート。 上記可変ノズルの引っかかり現象を示す説明図。
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の一実施例が適用されるディーゼルエンジン1の全体的構成を示している。排気通路2と吸気通路3のコレクタ部3aとを結ぶEGR通路4に、図外の圧力制御弁からの制御圧力に応動するダイヤフラム式のEGR弁6を備えている。上記EGR弁6は、上記圧力制御弁を介してコントロールユニット5によって制御され、運転条件に応じた所定のEGR率を得るようになっている。たとえば、低速低負荷域ではEGR率が最大となり、回転速度、負荷が高くなるに従い、EGR率が減少していく。上記吸気通路3の吸気ポート近傍には、吸入空気量(新気量)を調整する電制のスロットルバルブ9が設けられ、このスロットルバルブ9の開度はコントロールユニット5により制御される。
また、このディーゼルエンジン1は、コモンレール式の燃料噴射装置10を備えている。このコモンレール式の燃料噴射装置10においては、サプライポンプ11により加圧された燃料が高圧燃料供給通路12を介して蓄圧室(コモンレール)13にいったん蓄えられたあと、この蓄圧室13から各気筒の燃料噴射ノズル14に分配され、各燃料噴射ノズル14の開閉に応じてそれぞれ噴射される。上記蓄圧室13内の燃料圧力は、図示せぬプレッシャレギュレータによって可変的に調整されるようになっており、蓄圧室13には、燃料圧力を検出するために燃料圧力センサ15が設けられている。
更に、このディーゼルエンジン1は、排気タービン22とコンプレッサ23とを同軸上に備えた可変ノズルターボ過給機21を有している。上記排気タービン22は、排気通路2のEGR通路4分岐点より下流側に位置し、かつこの排気タービン22の入口側開口部つまりスクロール入口に、ターボ過給機の容量を調整する可変ノズル24を備えた容量可変型の構成となっている。すなわち、可変ノズル24の開度を小さくした状態では、低速域のような排気流量の少ない条件に適した小容量の特性となり、可変ノズル24の開度を大きくした状態では、高速域のような排気流量の多い条件に適した大容量の特性となる。上記可変ノズル24は、制御圧力(制御負圧)に応動するダイヤフラム式のアクチュエータ25によって駆動され、かつ上記制御圧力は、デューティ制御される圧力制御弁26を介して生成される。
排気タービン22の下流側の排気通路2には、排気ガスを浄化する触媒として、上流側より順に、酸化触媒27と、排気中のNOxを吸着及び脱離・浄化するNOx浄化触媒28と、排気中の排気微粒子(PM)をトラップし、堆積したPMを燃焼などの方法により定期的に除去すなわち再生する排気後処理装置としての微粒子捕捉フィルタすなわちDPF29と、が設けられている。
また、吸気通路3に介装された上記コンプレッサ23の上流側には、吸入空気量つまり新気量を検出するエアフロメータ31が配設され、さらにその上流に、エアクリーナ32が位置している。上記コンプレッサ23とコレクタ部3aとの間には、過給された高温の空気を冷却するインタークーラ33が設けられている。
上記の圧力制御弁26などを制御するコントロールユニット5には、上述のエアフロメータ31の検出信号のほかに、過給圧を検出する過給圧センサ41、冷却水温を検出する水温センサ42、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ43、吸気温度を検出する吸気温度センサ44、エンジン回転数を検出する回転数センサ45、排気通路2における排気タービン22の上流側のタービン上流圧Ptinを検出するタービン上流圧センサ46、排気通路2における酸化触媒27の上流側の酸素濃度を検出する第1酸素センサ47、排気通路2におけるNOx浄化触媒28とDPF29との間の酸素温度を検出する第2酸素センサ48、DPF29の入口温度を検出する入口温度センサ49、DPF29の出口温度を検出する出口温度センサ50、DPF29の前後の差圧を検出するDPF差圧センサ51などのセンサ類の検出信号が入力されている。
次に、図2は、上記コントロールユニット5により記憶及び実行されるターボ過給機21の可変ノズル24の制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS11では、排気通路2における排気タービン22の上流側のタービン上流圧Ptinと、排気通路2における排気タービン22の下流側のタービン下流圧Ptoutと、などを読み込む。タービン上流圧Ptinは、上述したタービン上流圧センサ46により直接的に検出される。タービン下流圧Ptoutは、タービン下流に圧力センサを設けて直接検出しても良いし、DPF差圧センサ51の検出値を用いて大気圧を基準としてDPF29の上流の圧力を算出しても良い。また、後述するように、エアフロメータ31の検出信号に基づいて算出しても良い。
ステップS12では、タービン上流圧Ptinとタービン下流圧Ptoutとに基づいて、排気タービン22の前後の差圧ΔP=Ptin−Pttoutを算出する。
ステップS13では、下記の(3)’式により可変ノズル24の実際の開度である実ノズル開度rAvntを算出する。
rAvnt=Cep×(Ptout/(Ptin−Ptout))1/2 …(3)’
ここで「Cep」は排気システムの圧損係数(固定値)である。従って、実ノズル開度rAvntは、実質的にタービン上流圧Ptinとタービン下流圧Ptoutのみにより求められ、言い換えると、タービン上流圧Ptinとタービン前後の差圧Ptin−Ptoutとにより求められる。
ステップS14では、可変ノズル24のノズル開度の目標値である目標ノズル開度tAvntを算出する。目標ノズル開度tAvntは、燃費,効率,部品保護等を考慮して、エンジン回転速度や負荷に相当する燃料噴射量等に基づいて求められ、より具体的には、エンジン回転速度や燃料噴射量等により目標新気量と目標EGR率とを求め、目標新気量と燃料噴射量とから目標排気ガス流量を求め、目標排気ガス流量,目標EGR率および実過給圧等に基づいて、目標ノズル開度tAvntを求める。
ステップS15では、実ノズル開度rAvntと目標ノズル開度tAvntとの偏差ΔAvntが所定の判定値Δs未満であるかを判定する。この判定値は、0又は0近傍の小さな値に設定されるもので、簡易的に固定値としてもよく、あるいはエンジン運転状態、例えば加速時や減速時に応じて変化させるようにしてもよい。
偏差ΔAvntが判定値Δs未満であれば、ステップS16へ進み、後述するディザ補正値を0とする。つまり、指令値sAvntの補正を行わない。次いでステップS19へ進み、目標ノズル開度tAvntに基づいて、可変ノズル24を駆動するアクチュエータ25への指令値dAvntを算出する。具体的な指令値dAvntの算出手法については後述する。
一方、偏差ΔAvntが判定値Δs以上であれば、ステップS17において、指令値dAvntを補正するための補正値であるディザ補正値を算出する。具体的には、ディザ補正値により後述するディザ信号(振動信号)の周期又は振幅を大きくする。
ステップS18では、このように偏差ΔAvntが判定値Δs以上となる運転状況、つまり後述するように目標ノズル開度と実ノズル開度とが過渡的に乖離する、いわゆる引っかかり現象を生じる運転状況として、このときの目標ノズル開度tAvnt,タービン上流圧Ptinや偏差ΔAvntを、コントロールユニット5に設けられた所定の記憶領域すなわち学習格納領域に格納・記憶し、次回以降の指令値dAvntの算出に設定に反映させる(学習手段)。つまり、引っかかり現象を生じる運転状況となった場合には、ディザ補正値によりディザ信号の周期又は振幅を大きくする。
そしてステップS19へ進み、可変ノズル24を駆動するアクチュエータ25への指令値dAvntを算出する。つまり、目標ノズル開度tAvntを用いて基本の指令値dAvntを算出し、かつ、上述したようにディザ補正値を用いて指令値dAvnt(ディザ信号)を補正する。
上記指令値dAvntの算出について説明すると、上記の可変ノズル24のように、負圧を駆動源として利用したアクチュエータ25によって駆動・制御されるものでは、その動作方向によって特性が異なるというヒステリシスが存在することが良く知られている。つまり、ノズル開度が大きくなる方向に可変ノズルを動かす(つまり可変ノズルを開いていく)ときには、ノズルに作用する排気反力に抗して動かさなければならないので、ある所望のノズル開度を目標として駆動するときに、ノズル開度の大きな位置からノズル開度が小さくなる方向に可変ノズルを動かすときと同じ値の指令値を与えたのでは、目標ノズル開度まで可変ノズルを動かすことができず、実際のノズル開度が目標ノズル開度より小さくなってしまう。このように、ノズル開度が大きくなる方向に可変ノズルを動かすときと、逆にノズル開度が小さくなる方向に可変ノズルを動かすときとで、同じ目標ノズル開度を得るために必要な指令値が異なってしまうという現象が、このアクチュエータにおけるヒステリシスである。一般に、ヒステリシスは履歴現象ともいい、ある物の状態が現在置かれている条件だけで決まらず、過去にその物が経てきた状態の履歴によって左右される現象をいう。
このような可変ノズルのアクチュエータにおけるヒステリシスを解消する方法として、特開2001−132463号公報に第3実施例として開示されているようなディザ制御の技術がある。簡単に説明すると、目標ノズル開度tAvntから基本指令値を求め、所定の振幅および所定の周期を有する振動信号をこの基本指令値に重ね合わせることで、基本指令値の変化を反映しつつ常に所定の振幅および周期で振動する信号を生成し、これを指令値dAvntとしてアクチュエータ25を駆動するのである。なお、実際には、この指令値dAvntは、制御圧力(負圧)を生成する圧力制御弁26を駆動するパルス信号のONデューティ比の形で与えられ、これに対応した圧力信号つまり制御圧力がアクチュエータへ出力されることになる。
次に、本発明の特徴的な構成及び作用効果について、上記実施例を参照して説明する。
[1]図1に示すように、吸気通路3を介してエンジン1が吸入する空気を過給するターボ過給機21と、このターボ過給機21の排気タービン22の入口側開口部に設けられ、上記ターボ過給機21の容量を調整する可変ノズル24と、指令値sAvntに応じて可変ノズル24を駆動するアクチュエータ25と、を有している。また、図2に示すように、エンジン運転状態等に基づいて可変ノズル24の目標ノズル開度tAvntを設定する目標ノズル開度設定手段(S14)と、可変ノズル24の実ノズル開度rAvntを検出する実ノズル開度検出手段(S13)と、上記目標ノズル開度tAvntに基づいて、上記指令値sAvntを算出する指令値算出手段(S19)と、上記目標ノズル開度tAvntと実ノズル開度rAvntとの偏差ΔAvntに基づいて、上記指令値sAvntを補正する指令値補正手段(S15〜S17)と、を有する。そして、タービン上流圧Ptinを検出するタービン上流圧センサ46のようなタービン上流圧検出手段と、タービン下流圧Ptoutを取得するタービン下流圧取得手段と、を有し、上記実ノズル開度設定手段が、上記タービン上流圧Ptinとタービン下流圧Ptoutとに基づいて、上記実ノズル開度rAvntを算出する。
このような構成により、可変ノズル24の実ノズル開度rAvntを検出するための高価なセンサを用いることなく、タービン上流圧Ptinとタービン下流圧Ptoutとに基づいて実ノズル開度rAvntを良好に算出することができ、この実ノズル開度rAvntに基づいて指令値sAvntを補正することによって、実ノズル開度rAvntと目標ノズル開度tAvntとの乖離を抑制し、ノズル開度制御の精度を向上することができる。
このようにタービン上流圧Ptinとタービン下流圧Ptoutとに基づいて実ノズル開度rAvntを良好に算出できる理由について、ベルヌーイの定理を利用した以下の数式を用いて説明する。
・排気管の管摩擦損失
ΔP=λ×(l/d)×ρ×(U2/2)
P:圧力
λ:オイラー数
l:管長さ
d:管内径
ρ:密度
U:流速
・ベルヌーイの式
Qexh=ρ×A×U
=ρ×A×(2×ΔP/ρ)1/2
=A×(2×ρ×ΔP)1/2
Qexh:排気量(排気質量流量)
A:面積

・タービン下流圧を上記ベルヌーイの式に適用
Ptout=λ×(l/d)×ρ×(U2/2)
Uep=(2×Ptout/(λ/(l/d)/ρ))1/2
Qexh=ρ×Aep×Uep
=Aep/(λ/(l/d))1/2×(2×ρ×Ptout)1/2
=Cep×(2×ρ×Ptout)1/2 …(1)
Cep:排気システムで決まる圧損係数
Ptout:タービン下流圧
Uep:排気流速
・タービン上流圧・下流圧を上記ベルヌーイの式に適用
Qexh=Avnt×(2×ρ×(Ptin−Ptout))1/2 …(2)
Avnt:可変ノズル開口面積
Ptin:タービン上流圧

ベルヌーイの式を変形することで可変ノズル開口面積Avntを求めるための(2)式が得られる。この式では、可変ノズル開口面積Avntを演算するために排気流量と密度ρが必要となる。通常、排気流量を求めるためにはエアフロメータの検出値に基いて演算するのが一般的であるが、エアフロメータは搭載位置がエアクリーナの直後であるために排気タービン22までの距離が長く応答遅れが大きくなる。このため、過渡時に可変ノズル開口面積Avntを求めようとしてもその精度は低いものとなる。また、密度ρは温度・圧力の影響により変化するためこれも誤差要因となる。
そこで、本件発明者は、このような誤差を排除するために(2)式に対して(1)式を適用することを検討した。
・(1),(2)式より
Avnt=Cep×(Ptout/(Ptin−Ptout))1/2 …(3)
この(3)式から明らかなように、Cepは排気システムにより定まる固定値であるため、実質的にタービン下流圧Ptoutとタービン上流圧Ptinのみによって、良好に実ノズル開度rAvntを算出・推定することができる。言い換えると、タービン下流圧Ptout(又はタービン上流圧Ptin)と、タービン前後の差圧(Ptin−Ptout)とによって、良好に実ノズル開度rAvntを算出・推定することができる。
[2]上記実施例のように排気タービン22の下流側に排気後処理装置29が設けられるものでは、この排気後処理装置29の閉塞割合に応じて実ノズル開度rAvntを補正する。これによって、排気後処理装置29の閉塞割合に見合う形で適切に実ノズル開度rAvntを求めることができる。
[3]より具体的には、排気後処理装置がDPF29であり、閉塞割合がDPF29のPM堆積量である。これによって、DPF29に堆積するPM堆積量に応じて適切に実ノズル開度rAvntを求めることができる。
[4]可変ノズル24が流体圧(負圧)を利用したアクチュエータ25によって駆動・制御されるものでは、ディザ制御の技術を利用して指令値dAvntを設定する。すなわち、上記指令値算出手段が、上記目標ノズル開度tAvntを基本指令値に変換する変換手段と、所定の振幅および所定の周期を有する振動信号(ディザ信号)を上記基本指令値に重ね合わせて上記指令値sAvntを生成する信号重合手段と、を有している。このように、ディザ制御の技術を利用して指令値sAvntを求めることで、上述したように、可変ノズル24のアクチュエータ25におけるヒステリシスを低減・解消することができる。
[5]図3を参照して、ノズル開度を排気圧力に抗して開いていく場合に、可変ノズル24の機械的な要因や高い排気圧力すなわちタービン上流圧Ptinなどに起因して、図3の時期T1に示すように、目標ノズル開度tAvntへ向けてノズル開度を動かすことができず、実ノズル開度rAvntと目標ノズル開度tAvntとの偏差(乖離)ΔAvntが大きくなる、いわゆる引っかかり現象を生じるおそれがある。
このような引っかかり現象の発生を抑制・回避するために、実ノズル開度rAvntと目標ノズル開度tAvntとの偏差ΔAvntに基づいて、ディザ信号としての振動信号の周期又は振幅を補正する。より具体的には、偏差ΔAvntが所定の判定値Δs以上の場合、振動信号の周期又は振幅を大きくする。このようにディザ信号の周期又は振幅を強めることによって、上記の引っかかり現象の発生を有効に抑制することができる。
[6]更に好ましくは、上記偏差ΔAvntが判定値Δs以上となる運転状況、つまり引っかかり現象が発生する上記時期T1の近傍の運転状況として、例えばそのときのタービン上流圧Ptin,目標ノズル開度tAvnt及び偏差ΔAvntを学習格納領域に格納・記憶し(S18)、次回以降の指令値sAvntの算出に反映させる(学習手段)。。つまり、上記の学習格納領域に格納された運転状況となった場合に、上述したようなディザ信号の補正を行うことによって、引っかかり現象の発生を未然に抑制・防止することができる。
[7]タービン下流圧取得手段として、吸入空気量(吸気質量流量)Qintを検出する吸気検出手段を利用し、下式(1)’によりタービン下流圧を算出しても良い。
Ptout=((Qint+Qf)/Cep)2/2ρ …(1)’
Ptout:タービン下流圧
Qint:吸気量(吸気質量流量)
Qf:燃料噴射量
Cep:排気システムの圧損係数
ρ:排気密度
上記の(1)’式は、上述したベルヌーイの定理を利用した(1)式と、下記の(4)式とから求められる。
Qexh=Qint+Qf …(4)
Qexh:排気量(排気質量流量)
このように、既存のエンジンに一般的に用いられるエアフロメータ31等の吸入空気量(吸気質量流量)Qintを検出する吸気検出手段を利用することで、タービン下流圧を直接的に検出するセンサを用いることのない簡素な構成で、タービン下流圧Ptoutを良好に推定し、実ノズル開度rAvntを求めることができる。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、上記実施例ではエアフロメータ31の検出信号を用いてタービン下流圧Ptoutを推定しているが、排気タービン22の下流圧を直接的に検出するタービン下流圧センサを設ける構成としてもよい。また、低負荷域や排気圧力(タービン上流圧Ptin)の低い運転領域では、タービン上流圧Ptinの検出精度が低いことから、このような領域では上述したような補正制御を禁止するようにしても良い。更に、可変ノズル24のアクチュエータとして、電動モータなどの電動式のアクチュエータを用いてもよい。このような場合には、指令値sAvntの補正として、ディザ信号の周期又は振幅を大きくすることに代えて、アクチュエータの駆動力を増加すればよい。また、上記の引っかかり現象を生じる排気圧力の上昇時、つまりノズル開度を閉じていくときにのみ、上記の補正制御を行うようにしてもよい。
1…ディーゼルエンジン
2…排気通路
5…コントロールユニット
21…ターボ過給機
24…可変ノズル
25…アクチュエータ
26…圧力制御弁
46…タービン上流圧センサ

Claims (8)

  1. 吸気通路を介してエンジンが吸入する空気を過給するターボ過給機であって、このターボ過給機の排気タービンの入口側開口部に設けられ、上記ターボ過給機の容量を調整する可変ノズルと、指令値に応じて上記可変ノズルを駆動するアクチュエータとを有する可変ノズルターボ過給機に適用され、目標ノズル開度と実ノズル開度とに基づいて、指令値算出手段によって目標ノズル開度に基いて設定された指令値を補正する指令値補正手段を備えた可変ノズルターボ過給機の制御装置において、
    タービン上流圧を検出するタービン上流圧検出手段と、
    タービン下流圧を取得するタービン下流圧取得手段と、を有し、
    上記実ノズル開度は、上記タービン上流圧とタービン下流圧とに基づいて算出されることを特徴とする可変ノズルターボ過給機の制御装置。
  2. 前記実ノズル開度は、上記タービン上流圧とタービン下流圧の偏差と、上記タービン上流圧とに基いて算出されることを特徴とする請求項1に記載の可変ノズルターボ過給機の制御装置。
  3. 上記排気タービンの下流側に排気後処理装置が設けられ、
    上記排気後処理装置の閉塞割合に応じて上記実ノズル開度を補正することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一方に記載の可変ノズルターボ過給機の制御装置。
  4. 上記排気後処理装置がDPFであり、
    上記閉塞割合が上記DPFのPM堆積量であることを特徴とする請求項3に記載の可変ノズルターボ過給機の制御装置。
  5. 上記指令値算出手段が、上記目標ノズル開度を基本指令値に変換する変換手段と、所定の振幅および所定の周期を有する振動信号を上記基本指令値に重ね合わせて上記指令値を生成する信号重合手段と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可変ノズルターボ過給機の制御装置。
  6. 上記指令値補正手段が、上記目標ノズル開度と実ノズル開度との偏差が所定の判定値以上の場合に、上記振動信号の周期又は振幅を大きくすることを特徴とする請求項5に記載の可変ノズルターボ過給機の制御装置。
  7. 上記偏差が所定の判定値以上となる場合、このときの運転状況を学習格納領域に格納して、上記指令値算出手段による指令値の算出に反映させる学習手段を有することを特徴とする請求項6に記載の可変ノズルターボ過給機の制御装置。
  8. 吸入空気量を検出する吸気検出手段を備え、
    Ptout=((Qint+Qf)/Cep)2/2ρ …(1)’
    Ptout:タービン下流圧
    Qint:吸入空気量
    Qf:燃料噴射量
    Cep:排気システムの圧損係数
    ρ:排気密度
    上記タービン下流圧取得手段は、上記の(1)’式により上記タービン下流圧を算出することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の可変ノズルターボ過給機の制御装置。
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