JPH1162602A - 可変容量型ターボチャージャの制御装置 - Google Patents

可変容量型ターボチャージャの制御装置

Info

Publication number
JPH1162602A
JPH1162602A JP9227415A JP22741597A JPH1162602A JP H1162602 A JPH1162602 A JP H1162602A JP 9227415 A JP9227415 A JP 9227415A JP 22741597 A JP22741597 A JP 22741597A JP H1162602 A JPH1162602 A JP H1162602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
exhaust gas
variable displacement
engine
turbocharger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9227415A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Kamoshita
伸治 鴨下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP9227415A priority Critical patent/JPH1162602A/ja
Publication of JPH1162602A publication Critical patent/JPH1162602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Supercharger (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば、ディーゼルエンジンにあって低回転・
低負荷で運転される頻度の高くなる場合、排気ガス中の
煤が触媒表面に付着し、触媒浄化率や排気効率が低下す
る。こうした触媒の詰まり状態を解消することの可能な
可変容量型ターボチャージャの制御装置を提供する。 【解決手段】ターボチャージャ35と触媒コンバータ100
とを接続する排気通路46に圧力センサ(背圧センサ)45
を設ける。エンジンの所定運転条件における同センサ45
の出力が所定値以上である場合、ECU92は触媒に詰ま
りが発生したものと判断する。ECU92はこの判断に基
づき過給圧を増加させるようターボチャージャ35のノズ
ルベーン74の開度を調整する。過給圧の増加に伴い高
温、高圧となった排気ガスにより、触媒表面の付着物を
除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の過給シ
ステムに用いられるターボチャージャの制御装置に係
り、詳しくはターボチャージャに流入する排気ガスの容
量を可変とし、内燃機関の運転状態に応じてこれを制御
する可変容量型ターボチャージャの制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用ディーゼルエンジン等
の内燃機関においては、その出力向上のために燃焼室へ
充填される空気量を増加させることが望ましい。そこで
従来より、ピストンの移動に伴って燃焼室内に発生する
負圧で空気を燃焼室内に充填するだけでなく、その空気
を強制的に燃焼室内に送り込んで、同燃焼室への空気の
充填効率を高める過給システムが実用されている。こう
した過給システムの一例として、内燃機関の排気通路を
流れる排気ガスを利用して、同機関の吸気通路を流れる
空気を強制的に燃焼室へと送り込むターボチャージャが
知られている。
【0003】こうしたターボチャージャは、内燃機関の
排気通路を流れる排気ガスによって回転するタービンホ
イールと、同機関の吸気通路内の空気を強制的に燃焼室
へと送り込むコンプレッサホイールとを備えている。こ
れらタービンホイール及びコンプレッサホイールは、ロ
ータシャフトを介して一体回転可能に連結されている。
そして、タービンホイールに排気ガスが吹き付けられ同
ホイールが回転すると、その回転はロータシャフトを介
してコンプレッサホイールに伝達される。こうしてコン
プレッサホイールが回転することにより、吸気通路内の
空気が強制的に燃焼室に送り込まれるようになる。
【0004】さらに近年、タービンホイールに吹き付け
られる排気ガスの流量、流速等を可変制御することで、
内燃機関の運転状態に応じて過給圧を最適なものとする
可変容量型ターボチャージャが実用されるに至ってい
る。そして、このような可変容量型ターボチャージャと
して、例えば特開昭61−207828号公報に記載の
可変ノズル型ターボチャージャが知られている。
【0005】同公報に記載のターボチャージャは、ター
ビンホイールに吹き付けられる排気ガスが通過する排気
ガス流路を備えている。そして、排気ガス流路は、ター
ビンホイールの外周を囲うように同ホイールの回転方向
に沿って形成されている。したがって、排気ガス流路を
通過した排気ガスは、タービンホイールの軸線へ向かっ
て吹き付けられることになる。このような排気ガス流路
には、タービンホイールに吹き付けられる排気ガスの流
速を可変とするための複数のノズルベーンが設けられて
いる。これらノズルベーンは、タービンホイールの軸線
を中心とする等角度ごとに設置され、互いに同期した状
態で開閉動作する。
【0006】タービンホイールに吹き付けられる排気ガ
スの流速は、上記ノズルベーンを同期して開閉動作さ
せ、隣り合うノズルベーン間の隙間の大きさ、すなわち
ノズルベーンの開度を変化させることで調整される。こ
うしてノズルベーンを開閉させて上記排気ガスの流速調
整を行うことで、タービンホイールの回転速度が調整さ
れる。そして、タービンホイールの回転速度が調整され
ることにより、燃焼室に強制的に供給される空気の量、
すなわち内燃機関の過給圧が調整される。
【0007】また、上記ターボチャージャのノズルベー
ンは、内燃機関の実際の過給圧が同機関の運転状態に基
づき求められる過給圧目標値に追従するよう開閉動作さ
れる。すなわち、実際の過給圧が過給圧目標値よりも小
さい場合には、ノズルベーンの開度を小さくする。そし
て、ノズルベーンの開度を小さくすることで、実際の過
給圧を上昇させる。また、実際の過給圧が過給目標値よ
りも大きい場合には、ノズルベーンの開度を大きくす
る。そして、ノズルベーンの開度を大きくすることで、
実際の過給圧を低下させる。
【0008】なお、内燃機関の運転状態に基づき設定さ
れる上記目標過給圧は、例えば同機関の低回転高負荷運
転時には大きく設定される。これは低回転高負荷時に
は、内燃機関の過給圧を高めて出力向上を図るためであ
る。一方、高回転低負荷時には、上記目標過給圧を小さ
く設定する。そしてノズルベーン開度を大きくすること
で、排気ガスの排出抵抗を低減している。このように目
標過給圧を設定することにより、内燃機関の出力向上と
燃焼室や排気通路内の過剰圧防止との両立を図ることが
できる。
【0009】一方、内燃機関の排気通路には、触媒コン
バータが設けられている。この触媒コンバータは、触媒
内に排気ガスを通過させることで排気ガス中の有害成分
の低減を図るものである。
【0010】これら触媒コンバータに使用される触媒と
しては一般に、三元触媒と酸化触媒とが使用されてい
る。三元触媒は排気ガス中の有害な成分である一酸化炭
素,炭化水素,窒素酸化物を酸化あるいは還元し、二酸
化炭素・水・窒素に変換するものである。こうした三元
触媒物質として、白金とロジウムとが使用されている。
一方、酸化触媒は排ガス中の有害な一酸化炭素や炭化水
素を酸化してそれぞれ二酸化炭素と水に変換するもので
ある。こうした酸化触媒物質としては、白金や白金パラ
ジウムが使用される。これらいずれの触媒物質も触媒作
用を活性化させるためには、ある程度触媒自体の温度を
高くする必要がある。
【0011】こうした触媒コンバータは、触媒作用の効
率化のため、触媒と排気ガスとの接触面積を増大させる
構造となっている。このような構造の一例として、図9
(a)に示すような楕円形状や円形状のモノリス型触媒
コンバータが知られている。このモノリス型触媒コンバ
ータ100は、断面略楕円形状や円形状のケース101
に収容されている。このケース101内部は、担体10
2によって格子状に仕切られている。図9(b)の拡大
図に示すように、この担体102の表面は前述の触媒物
質103によって被覆されている。また、この担体10
2仕切られた空間は、排気ガスの流れ方向に貫通する多
数の貫通孔104となっている。この貫通孔104は、
一般にセルとよばれている。
【0012】内燃機関より送られてきた排気ガスは、こ
の貫通孔104内を通過する。このとき、前記担体10
2表面に被覆された触媒物質103の触媒作用によっ
て、排気ガス中の有害成分が清浄化される。
【0013】この他にも、ペレット型触媒コンバータや
メタル型触媒コンバータが広く使用されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディーゼル
エンジン等、排気ガス中に含まれる煤等が無視できない
内燃機関に搭載される触媒コンバータにあっては、同機
関が低回転あるいは低負荷で運転される頻度が高い場合
に、上記排気ガス中の煤等によってそのセルの挿通孔が
詰まるなどの不都合を生じることがある。
【0015】すなわち、低回転、低負荷で運転する頻度
が高い場合、排気温度が低下した状態にあることが多い
ことから、排気ガス中に含まれる微粒子物質(以下PM
と表記する)成分の内、未燃オイルや未燃燃料(以下S
OFと表記する)の含有率が高くなる傾向にある。しか
も、排気温度が低いとSOFは完全に気化されずに排気
ガス中に霧状となって存在し、この霧状のSOFが触媒
表面に付着すると、同付着したSOFをバインダとして
排気ガス中の煤が触媒表面に付着しやすくなる。このよ
うな現象の繰り返しによって触媒表面に大量の煤が付着
すると、前記セルの挿通孔が塞がれ、上述した触媒の詰
まりが発生するようになる。
【0016】そして、このような触媒の詰まりが発生す
ると、触媒の浄化率の低下によりエミッションが悪化す
るばかりでなく、排気ガスの流れが阻害されて排気効率
も低下するため、それに伴ってエンジン性能の低下も招
くようになる。
【0017】なお、従来、例えば特開平4−37032
7号公報に記載の「可変容量型ターボチャージャの制御
方法」などのように、可変容量型ターボチャージャの制
御により触媒の活性化を図る技術は知られているが、こ
うして発生する触媒の詰まりについては何らの対策も施
されていなかった。
【0018】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、触媒の詰まりを自動的に解消
することの可能な可変容量型ターボチャージャの制御装
置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するた
め、請求項1記載の発明では、内燃機関の排気系に設け
られる触媒コンバータの上流にあって同機関からの排気
ガス流に基づき作動することにより同機関の燃焼室に吸
入される空気の過給を行うとともに、前記排気ガスの流
入量を可変とする容量可変機構の操作を通じてその作動
量が制御される可変容量型ターボチャージャの制御装置
であって、前記触媒コンバータを構成する触媒の詰まり
状態を検出する詰まり状態検出手段と、前記検出される
触媒の詰まり状態に基づいて前記容量可変機構の操作量
を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするもの
である。
【0020】同構成によれば、前記詰まり状態検出手段
により検出される触媒の詰まり状態に応じて可変容量型
ターボチャージャの作動量が適宜制御される。このた
め、触媒の詰まりによる不具合を好適に回避あるいは解
消するよう前記ターボチャージャが制御される。すなわ
ち、触媒の詰まりを回避あるいは解消する上で好適な排
気ガス量、排気ガス温度が正確に確保される。
【0021】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
可変容量型ターボチャージャの制御装置において、前記
詰まり状態検出手段は、前記触媒コンバータ上流の圧力
を検出する圧力センサであり、前記制御手段は、内燃機
関の所定の運転状態における前記圧力センサの出力が所
定値以上となることに基づいて前記燃焼室に吸入される
空気の過給圧が増加する方向に前記容量可変機構の操作
量を制御するものであることを特徴とするものである。
【0022】同構成によれば、触媒コンバータ上流の圧
力により触媒の詰まり状態が把握される。すなわち、触
媒の詰まりが発生すると、排気ガスの流れが阻害され、
排気通路内の排気ガスの圧力が高くなる。そのため、制
御手段は、内燃機関の所定運転状態における触媒コンバ
ータ上流の圧力が所定値以上の場合には触媒の詰まりが
発生したものと判断して、その定められた制御を実行す
る。
【0023】請求項3記載の発明によれば、請求項2に
記載の可変容量型ターボチャージャの制御装置におい
て、前記制御手段は、前記圧力センサの出力が所定値以
上となることに基づく前記容量可変機構の操作量制御を
内燃機関の中回転数及び中負荷運転域において実行する
ことを特徴とするものである。
【0024】同構成によれば、内燃機関の十分な排気ガ
ス量及び排気ガス温度が確保できて且つ、過給圧が過剰
とならない好適な運転域において上記制御が実行され
る。したがって、機関の信頼耐久性を損なうことなく、
安定した状態で触媒の詰まりを回避あるいは解消が実行
される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車用のディー
ゼルエンジンに適用した一実施の形態を説明する。
【0026】図1は、本実施の形態に係る可変容量型タ
ーボチャージャの制御装置が適用されたディーゼルエン
ジン及びその吸気・排気系の構成が示している。ディー
ゼルエンジン11のシリンダブロック11aには、ピス
トン12が往復移動可能に設けられている。このピスト
ン12は、コンロッド13を介してディーゼルエンジン
11の下部に設けられたクランクシャフト(出力軸)1
4に連結されている。そして、ピストン12の往復運動
は、そのコンロッド13によりクランクシャフト14の
回転運動へと変換されるようになる。
【0027】クランクシャフト14にはシグナルロータ
15が取り付けられている。このシグナルロータ15の
外周面には、クランクシャフト14の軸線を中心として
等角度ごとに複数の突起が設けられている。また、シグ
ナルロータ15の側方には、この突起を検出して検出信
号を出力するクランクポジションセンサ16が設けられ
ている。クランクシャフト14が回転すると、シグナル
ロータ15の各突起が順次クランクポジションセンサ1
6の側方を通過する。このとき同センサ16からは、各
突起に対応したパルス状の検出信号が出力される。
【0028】また、上記シリンダブロック11aの上端
にはシリンダヘッド17が設けられている。このシリン
ダヘッド17の内周側面とピストン12の上端面とによ
って囲まれた空間により燃焼室18が形成されている。
シリンダヘッド17には、この燃焼室18内に燃料を噴
射するための燃料噴射ノズル18aが設けられている。
さらに、このシリンダヘッド17には、吸気ポート19
及び排気ポート20が燃焼室18と連通するよう形成さ
れている。そして、これら吸気ポート19及び排気ポー
ト20には、それぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ2
2が設けられている。
【0029】また、シリンダヘッド17上部には、吸気
バルブ21及び排気バルブ22を開閉駆動させるための
吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が設け
られている。これら吸気・排気カムシャフト23,24
は、図示しないタイミングベルトによってクランクシャ
フト14に駆動連結されている。クランクシャフト14
の回転はタイミングベルトによって伝達され、吸気・排
気カムシャフト23,24も回転する。吸気カムシャフ
ト23の回転により吸気バルブ21が開閉駆動されるこ
とで、吸気ポート19と燃焼室18とが連通・遮断され
るようになる。同様に、排気カムシャフト24の回転に
より排気バルブ22が開閉駆動されることで、排気ポー
ト20と燃焼室18とが連通・遮断されるようになる。
【0030】上記吸気ポート19及び排気ポート20に
は、それぞれ吸気管30及び排気管31が接続されてい
る。この吸気ポート19及び排気管30内は吸気通路3
2となっている。同様に排気ポート20及び排気管31
は排気通路33となっている。そして、吸気通路32の
上流部及び排気通路33の下流部は、それぞれターボチ
ャージャ35に接続されている。このターボチャージャ
35は、吸気通路32の下流側へと空気を加圧吐出する
ためのコンプレッサホイール36と、排気通路33を通
過する排気ガスの吹き付けにより回転するタービンホイ
ール37が備えられている。これらコンプレッサホイー
ル36及びタービンホイール37は、ロータシャフト3
8により連結されており、これら両ホイール36,37
が一体回転するよう構成されている。
【0031】吸気通路32においてコンプレッサホイー
ル36の上流側はエアクリーナ25を介して外気へと開
口している。また、コンプレッサホイール36の下流側
には、吸気通路を流れる空気を冷却するインタークーラ
26が設けられている。さらに、このインタークーラ2
6の下流側には、スロットルバルブ34が設けられてい
る。このスロットバルブ34はアクセルペダル34aの
踏み込み操作に応じてその開度が調整される。この開度
調整により、燃焼室18内に吸引される空気の量が調整
される。
【0032】一方、ディーゼルエンジン11のクランク
シャフト14は、燃料噴射ポンプ41のドライブシャフ
ト41aと駆動連結されている。この燃料噴射ポンプ4
1は、燃料ライン42を介して前述の燃料噴射ノズル1
8aに接続されている。また、燃料噴射ポンプ41は、
クランクシャフト14の回転がドライブシャフト41a
に伝達されることで駆動される。燃料ポンプ41は、図
示しない燃料タンクより燃料を吸引し、この燃料を燃料
噴射ノズル18aに向けて加圧吐出する。燃料噴射ノズ
ル18aは、燃料噴射ポンプ41から送り込まれた燃料
の圧力により作動し、その燃料を燃焼室18内に噴射す
る。
【0033】さらに、燃料噴射ポンプ41は、噴射ノズ
ル18aに向けて吐出される燃料の量を調整する電磁ス
ピル弁43とその燃料の吐出開始時期を調整するタイマ
装置44とを備えている。これら電磁スピル弁43とタ
イマ装置44とを調整することによって、燃焼室18に
噴射される燃料の量とその噴射時期とを調整することが
できる。
【0034】こうしたディーゼルエンジン11にあって
は、その吸気行程においてピストン12が下降すること
に伴い燃焼室18内に負圧が発生する。この負圧により
燃焼室18内には、吸気通路32を通じて空気が吸入さ
れる。そして、燃料噴射ノズル18aより所定量の燃料
が燃焼室18内に噴射される。その結果、燃焼室18内
には、空気及び燃料が充填される。
【0035】その後、ディーゼルエンジン11の圧縮行
程において、ピストン12が上昇することに伴い燃焼室
18内の空気及び燃料が圧縮される。この圧縮により、
燃料が自然着火する。着火した燃料の爆発力により、ピ
ストン12が下降する。このピストン12の下降によ
り、エンジン11は駆動力を得ることとなる。この燃料
の燃焼によって生じた排気ガスは、その後ピストン12
の上昇に伴い排気通路33へと排出される。
【0036】こうして排気通路33に排出された排気ガ
スは、ターボチャージャ35のタービンホイール37に
吹き付けられる。この排気ガスの吹き付けによりタービ
ンホイール37は回転させられる。このタービンホイー
ル37の回転は、ロータシャフト38を介してコンプレ
ッサホイール36に伝達され、同コンプレッサホイール
36も回転させられる。こうしてコンプレッサホイール
36が回転すると、空気が加圧され、吸気通路32の下
流に向かって強制的に送り出される。このことで、燃焼
室18内に吸入される空気の量が増加する。燃焼室18
内の空気の量が増加すると、同燃焼室18内で燃焼可能
な燃料の量も増加する。そのため、燃焼噴射ノズル18
aから噴射される燃料の量を多くするよう調整すること
ができるようになる。こうして燃焼室18内の燃料の充
填効率が上昇し、その結果エンジン11の出力を向上せ
しめることができる。
【0037】ところで、コンプレッサホイール36によ
って加圧された空気は、圧縮されるためその温度が上昇
している。加えて、吸気通路32を流れる際、吸気管3
0内壁との摩擦により該空気の温度はさらに上昇する。
この温度上昇により該空気は熱膨張するため、燃焼室1
8内に吸引される空気の量は実質的に減少してしまう。
こうして燃焼室18内の燃料の充填効率が低下すること
を回避するため、コンプレッサホイル36によって送り
出された空気は、インタークーラ25にて冷却される。
【0038】一方、タービンホイール37に吹き付けら
れた排気ガスは、排気通路46に送られる。この排気通
路46には、同通路46内の排気ガスの圧力、すなわち
背圧を検出する圧力センサ45が設けられている。ま
た、同排気通路46は触媒コンバータ100に接続され
ている。
【0039】この触媒コンバータ100内部は、前述し
たように触媒が被覆された担体によって格子状に仕切ら
れている。排気ガスは、この担体表面に被覆された触媒
により有害成分を取り除かれた後、大気中に放出され
る。
【0040】次に、上記ターボチャージャ35の具体的
構成について詳細に説明する。図2は、ターボチャージ
ャ35の側面断面構造を示している。このターボチャー
ジャ35は、センタハウジング61、コンプレッサハウ
ジング62及びタービンハウジング63を備えている。
センタハウジング61には、上記ロータシャフト38が
その軸心を中心に回転可能に支持されている。このロー
タシャフト38の一端(図中右側端)には、複数の羽3
6aを備えた上記コンプレッサホイール36が取り付け
られている。一方、もう一方の端(図中左側端)には、
同様に複数の羽37aを備えた上記タービンホイール3
7が取り付けられている。
【0041】センタハウジング61の一端側には、コン
プレッサホイール36の外周を囲うようにコンプレッサ
ハウジング62が取り付けられている。このコンプレッ
サハウジング62において、センタハウジング61の反
対側には、ロータシャフト38の軸線を中心とした断面
円形状の吸気入口62aが開口している。空気は、この
吸気入口62aを通じてコンプレッサハウジング62内
に導入される。また、同ハウジング62内部には、コン
プレッサホイール36の外周を渦巻き状に延びるコンプ
レッサ通路64が形成されている。このコンプレッサ通
路64は前述の吸気通路32と連通している。吸気入口
62aより導入された空気は、コンプレッサホイール3
6が回転することで、同通路32を介して燃焼室18側
へと強制的に送り出される。
【0042】一方、センタハウジング61のもう一方の
端には、タービンホイール37の外周を囲むように上記
のタービンハウジング63が取り付けられている。この
タービンハウジング63内には、タービンホイール37
の外周を渦巻き状に延びるスクロール通路66が形成さ
れている。このスクロール通路66は、排気通路33と
連通している。燃焼室18から送り出された排気ガス
は、排気通路33を介してスクロール通路66に導入さ
れる。
【0043】また、スクロール通路66内周には、同通
路66内の排気ガスをタービンホイール37に送るため
の排気ガス流路67が設けられている。この排気ガス流
路67から送られた排気ガスがタービンホイール37の
羽37aに吹き付けられることにより、同ホイール37
はロータシャフト38の軸線を中心として回転するよう
になる。なお、タービンホイール37に吹き付けられた
排気ガスは、タービンハウジング63においてセンタハ
ウジング61の反対側に設けられた排気出口63aから
前記触媒通路46を介して触媒コンバータ100へ送り
出される。
【0044】次に、上記排気ガス流路67を介してター
ビンホイール37に吹き付けられる排気ガスの流速を可
変とする可変ノズル機構71について説明する。図3
(a)は同機構71の側断面構造を、図3(b)は同機
構71の正面構造を示している。この可変ノズル機構7
1は、センタハウジング61とタービンハウジング63
との間に挟み込まれるように設けられている。図3
(a)に示されるように、可変ノズル機構71はリング
形状をしたノズルバックプレート72を備えている。こ
のノズルバックプレート72には、複数の軸73が同プ
レート72の円心を中心とした等角度ごとに設けられて
いる。これらの軸73は、ノズルバックプレート72を
その厚さ方向に貫通して回動可能に支持されている。ま
た、これら軸73の一端(図3(a)中の左側端)に
は、ノズルベーン74が固定されている。また、軸73
の他端には、同軸と直交してノズルバックプレート72
外縁方向に延びる開閉レバー75が設けられている。こ
の開閉レバー75の先端は、二股に分岐した一対の狭持
部75aが形成されている。
【0045】各開閉レバー75とノズルバックプレート
72との間に狭持されるように、環状のリングプレート
76が設けられている。このリングプレート76は、円
心を中心として回転可能となっている。また、リングプ
レート76にはその円心を中心として等角度ごとに複数
のピン77が設けられている。これらピン77は、上記
開閉レバー75の狭持部75aの間に挟み込まれてお
り、同開閉レバー75を回動可能に支持している。
【0046】このリングプレート76が円心を中心とし
て回動されると、各ピン77は狭持部75aをその回動
方向へ押す。その結果、開閉レバー75は軸73を回動
させることとなる。この軸73の回動に伴い各ノズルベ
ーン74も同軸73の軸線を中心として回動する。こう
した機構により、各ノズルベーン74をそれぞれ同期し
た状態で回動させることができる。また、こうしたノズ
ルベーン74の回動によって、隣り合うノズルベーン7
4間の隙間の大きさが調整される。
【0047】以上説明した可変ノズル機構71は、図示
しないボルトによりノズルバックプレート72とタービ
ンハウジング63とを締結することにより、図2に示さ
れる態様で固定される。こうして固定することで、前記
排気ガス流路67内にノズルベーン74が配置される。
【0048】一方、前記リングプレート76の外縁に
は、同プレート76の回動中心軸と平行に延びる駆動ピ
ン86が設けられている。この駆動ピン86には、可変
ノズル機構71を駆動するための駆動機構82が図2に
示される態様で連結されている。
【0049】図2に示すように、この駆動機構82は、
センタハウジング61に回動可能に支持された支軸83
を備えている。この支軸83の一端(図中左側端)に
は、駆動レバー84が固定されている。この駆動レバー
84の先端は、前記駆動ピン86が回動可能に連結され
ている。
【0050】さらに、支軸83の他端(図中右側端)に
は、アクチュエータ87に連結された操作片85が固定
されている。アクチュエータ87の駆動により操作片8
5が操作されると、支軸83が回動する。この支軸83
の回動に伴い、駆動レバー84も支軸83を中心として
回動する。その結果、駆動レバー84によってピン86
が押され、リングプレート76がその回動軸心を中心と
して回動することとなる。こうしてリングプレート76
が回動することで、前記ノズルベーン74が開閉駆動さ
れる。
【0051】ノズルベーン74の開閉駆動によりタービ
ンホイール37に吹き付けられる排気ガスの流速が変化
し、タービンホイール37、ロータシャフト38及びコ
ンプレッサホイール36の回転速度が変化する。この回
転速度の変化により、コンプレッサホイール36が送り
出す空気の量が変化する。したがって、ノズルベーン7
4の開閉を制御することにより燃焼室18内に送り込ま
れる空気の過給量を調整することができる。
【0052】次に、上記駆動機構82を駆動するアクチ
ュエータ87及びその駆動装置について説明する。図4
には、上記アクチュエータ87及びその駆動装置の構成
が示されている。このアクチュエータ87の内部は、ダ
イヤフラム88によって負圧室87aと大気室87bと
に区画されている。負圧室87a内には、ダイヤフラム
88と直交する方向に伸縮するコイルスプリング88a
が設けられている。また、同負圧室87aは負圧通路8
9に接続されている。一方、大気室87bの内部は、ア
クチュエータ87の外部と連通して大気圧となってい
る。
【0053】ダイヤフラム88には、コイルスプリング
88aの伸縮方向へ延びてアクチュエータ87の外部に
突出するロッド88bが設けられている。このロッド8
8bは、上記ノズルベーン74を開閉動作させるための
駆動機構82に設けられた操作片85(図2)に連結さ
れている。
【0054】また、上記負圧通路89は、バキュームポ
ンプ91に接続されている。このバキュームポンプ91
は、エンジン11のクランクシャフト14に駆動連結さ
れており、負圧通路89内の負圧が一定値となるよう同
通路89内の空気を吸引する。
【0055】また、負圧通路89の途中にはエレクトリ
ック・バキューム・レギュレーティング・バルブ(EV
RV)90が設けられている。このEVRV90は、図
示しない電磁ソレノイドを備えている。この電磁ソレノ
イドに供給される電流は、デューティ制御されており、
これによってEVRV90の開度が調整されるようにな
っている。
【0056】EVRV90の開度が調整されると、負圧
室87aからバキュームポンプ91へ向けて吸引される
空気の量が調節される。このことで負圧室87a内の圧
力と大気室87b内の圧力との間に差が生じる。ダイヤ
フラム88は、両室87a,87b間の圧力差とコイル
スプリング88aとがつり合う位置に変位する。この変
位により、ダイヤフラム88に設けられたロッド88b
の突出位置が適宜に変更される。そして、ターボチャー
ジャ35におけるノズルベーン74の開度が適宜に調整
される。さらに、このようにノズルベーン74の開度が
調節されることで、ターボチャージャ35により燃焼室
18(図1)へ強制的に送り込まれる空気の量、すなわ
ち燃焼室18への空気の過給圧が調節されるようにな
る。
【0057】次に、本実施の形態における制御装置の電
気的構成について、図5に基づいて説明する。この制御
装置は、燃料噴射時期、燃料噴射量及びアイドル回転数
など、エンジン11の運転状態を制御するための電子制
御ユニット(以下「ECU」という)92を備えてい
る。このECU92は、ROM93、CPU94、RA
M95及びバックアップRAM96等を備える論理演算
回路として構成されている。
【0058】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、その各種制御プログラムを実行する際に参照される
マップ等が記憶されるメモリである。CPU94はRO
M93に記憶された各種制御プログラムやマップに基づ
いて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU9
4での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一
時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM96
はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶する
不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CPU
94、RAM95及びバックアップRAM96は、バス
97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路
98及び外部出力回路99と接続されている。
【0059】外部入力回路98には、クランクポジショ
ンセンサ16、圧力センサ45等のエンジンの運転状態
を検出する検出装置が接続されている。一方、外部出力
回路99には、電磁スピル弁43、タイマ装置44及び
EVRV90等が接続されている。
【0060】このように構成されたECU92は燃焼室
18へ吸入される空気の量を求め、その吸入空気量に対
応した噴射量指令値を算出する。また、ECU92は、
クランクポジションセンサ16及び図示しないカムポジ
ションセンサからの検出信号に基づきエンジン回転数N
Eやクランク角度を求め、そのエンジン回転数NEやク
ランク角度から噴射時期目標値を算出する。そして、E
CU92は、上記求めた噴射量指令値及び噴射時期目標
値に基づき電磁スピル弁43及びタイマ装置44を駆動
制御する。このことで、上記噴射量指令値に対応した燃
料量を噴射させるとともに、燃料の噴射時期を上記噴射
時期目標値に近づける。このように燃料噴射量及び燃料
噴射時期を制御することで、ディーゼルエンジン11の
運転状態を良好に保つことができるようになる。
【0061】次に、上記ノズルベーン74の開度制御方
法について説明する。図6は、ノズルベーン74の開度
を制御するためのノズルデューティ比指令値を決定する
ノズルデューティ比指令値決定ルーチンを示すフローチ
ャートである。この処理は、ECU92を通じて所定時
間ごとの時間割り込みにて実行される。
【0062】同ルーチンにおいてECU92は、ステッ
プS101の処理として、クランクポジションセンサ1
6からの検出信号に基づき求められるエンジン回転数N
Eを取得する。さらに次のステップS102においてE
CU92は、上記噴射量指令値等によって求められる燃
料噴射量QFINを取得する。
【0063】次のステップS103においてECU92
は、これらエンジン回転数NE及び燃料噴射量QFIN
から仮のノズルディーティ比指令値DNTMPを算出す
る。この仮のノズルデューティ比指令値DNTMPを算
出する際には、例えば図7に示されるようなエンジン回
転数と燃料噴射量との2次元マップが使用される。ここ
で算出される仮のノズルデューティ指令値DNTMP
は、エンジン回転数が高いほど、あるいは燃料噴射量が
多いほど、大きなデューティ比となるように設定されて
いる。
【0064】そして、以下のステップS104,S10
5で触媒詰まりの状態にあるか否かを判断する。ECU
92は、ステップS104の処理として、エンジン回転
数NEが1200rpm以下であるか否かを判断する。
このとき、エンジン回転数NEが1200rpmを越え
る場合には、ECU92は触媒の詰まり状態の判断を行
わず、ステップS108に移行する。一方、1200r
pm以下であれば、次のステップS105で触媒詰まり
状態の判断を行う。
【0065】触媒の詰まりが発生すると触媒コンバータ
100を通過する排気ガスの通路が狭められるため、こ
こで排気ガスの流れが制限され、ターボチャージャ35
と触媒コンバータ100を連通する排気通路46内の圧
力、すなわち背圧が上昇する。
【0066】そこでECU92は、上記圧力センサ45
の検出信号に基づき、ターボチャージャ35と触媒コン
バータ100とを連通する排気通路46内の圧力(背
圧)Pexを取得し、この背圧Pexが所定値α以上で
あるか否かを判断する。ここで背圧Pexがα以上であ
れば、ECU92は触媒の詰まりが発生しているものと
判断し、ステップS107においてデューティ比上乗せ
実行フラグDAをセットする。一方、背圧Pexが所定
値α未満であれば、ECU92は触媒の詰まりが発生し
ていないものと判断して、ステップS106において上
記デューティ比上乗せ実行フラグDAをリセットする。
【0067】なお、触媒の詰まり発生の判断の実行をエ
ンジン回転数NEが1200rpm以下の場合に限るの
は、排気ガスの温度の低い低回転運転時ほど触媒の詰ま
りが発生しやすいことによる。
【0068】上記各ステップS106,S107のいず
れかを経てステップS112に進むと、ECU92はE
VRV92の駆動用の最終ノズルデューティ比指令値D
NFINに上記仮のノズルデューティ比指令値DNTM
Pを代入する。その後ECU92は、この最終ノズルデ
ューティ比指令値DNFINに基づきEVRV90を駆
動し、ターボチャージャ35におけるノズルベーン74
の開度を調整する。こうして、燃焼室18に供給される
空気の過給圧が調整される。
【0069】なお、本実施の形態におけるEVRV90
では、この最終ノズルデューティ比指令値DNFINが
大きくなる程その開度も大きくなり、アクチュエータ8
7の負圧室87aの負圧が増加するよう構成されてい
る。したがって、このアクチュエータ87によって駆動
される各ノズルベーン74間の隙間の大きさ、すなわち
ノズルベーン74の開度は小さくなり、燃焼室18に供
給される空気の過給圧が増加する。この過給圧とノズル
デューティ比指令値との関係は、図8のグラフに示され
ている。
【0070】この段階では触媒の詰まりが発生している
か否かに関わらず、先の図7に例示した2次元マップよ
り求められた仮のノズルデューティ比指令値DNTMP
がそのまま最終ノズルデューティ比指令値DNFINと
なる。すなわち、ECU92は触媒の詰まりの判定とそ
の判定結果の記憶を実行するだけであり、この段階では
触媒の詰まりに対する具体的なリアクションは行わな
い。
【0071】一方、上記ステップS104においてエン
ジン回転数NEが1200rpmを越えると判断された
場合、ECU92は以下のステップS108〜S110
において最終ノズルデューティ比指令値DNFINの上
乗せを行うか否かを判断する。
【0072】すなわち、ECU92は、まずステップS
108において、先のステップS101において取得し
たエンジン回転数NEが2400rpm以下であるか否
かを判断する。また、ECU92は、次のステップS1
09で、先のステップS102において取得した燃料噴
射量QFINが1ストローク当たり40立法ミリメート
ル以下であるか否かを判断する。さらにECU92は、
ステップS110で、上記ステップS105における触
媒詰まりの判定結果により設定されたデューティ比上乗
せ実行フラグDAがセットされているか否かを判断す
る。
【0073】そして、これらステップS108〜S11
0で判断される条件のいずれかが否である場合、ECU
92はそのままステップS112の処理に移行し、上記
ステップS103において算出された仮のノズルデュー
ティ比指令値DNTMPをそのまま最終ノズルデューテ
ィ比指令値DNFINとする。すなわちこの場合には、
最終ノズルデューティ比指令値DNFINの上乗せ処理
は行われない。
【0074】他方、上記ステップS108〜S110の
条件の全てを満たしている場合、ECU92は次のステ
ップS111の処理に移行し、最終ノズルデューティ比
指令値DNFINの上乗せ処理を実行する。このステッ
プS111において、ECU92は仮のノズルデューテ
ィ比指令値DNTMPに補正値βを加算している。そし
て次のステップS112において、ECU92は、この
補正値βを加算した仮のノズルデューティ比指令値DN
TMPを最終ノズルデューティ比指令値DNFINとす
る。なお、この補正値βは、例えば図8に示される態様
で前記過給圧を高めるべく予め設定された所定の値であ
る。
【0075】その後ECU92は、前述したようにこの
最終ノズルデューティ比指令値DNFINに基づきノズ
ルベーン74の開度を調整する。このとき、補正値βが
加算されていれば、最終ノズルデューティ比指令値DN
FINは通常運転時よりも大きく設定され、図8に示す
ように、燃焼室18に供給される空気の過給圧は通常運
転時よりも確実に上昇する。その結果、燃焼室18内に
おける燃料の燃焼が促進され、同室18から出される排
気ガスの量が増加し、また同排気ガスの温度も上昇す
る。
【0076】こうして増加した排気ガスが触媒コンバー
タ100内に流入すると、その吹き付けにより煤やSO
F等の付着物の前記触媒103(図9)表面からの剥離
が促進される。また、触媒コンバータ101内に流入す
る排気ガスの温度が高くなると、これら煤やSOF等の
燃焼も促進される。その結果、触媒103表面の付着物
が除去され、触媒の詰まり状態も解消されるようにな
る。
【0077】なお、本実施の形態にあって、上記の最終
ノズルデューティ比指令値DNFINの上乗せ処理の実
行は、エンジン回転数NEが1200rpmを越え、且
つ2400rpm以下であり、さらに1ストローク当た
りの燃料噴射量が40立方ミリメータ以下の場合に限定
するようになっている。
【0078】これは、本実施の形態に係るディーゼルエ
ンジン11の場合、エンジン回転数NEが1200rp
mの低回転運転時には過給圧を上昇させたとしても、触
媒の詰まり状態を解消させるほど十分な排気ガス量の増
加及び排気ガス温度の上昇が図れないためである。一
方、エンジン回転数NEが2400rpmを越える高回
転運転時、あるいは1ストローク当たりの燃料噴射量Q
FINが40立方ミリメータを越える高負荷運転時にノ
ズルベーン74の開度を閉じ側に作用させると、過給圧
が大幅に上昇し、それに伴い燃焼室18内の圧力も大き
く増加し、エンジン11の信頼耐久性を損なうおそれが
あるためである。したがって、ある程度排気ガス量が多
く、排気ガス温度も高い上記のような運転条件のときに
限って、触媒の詰まり状態を解消するための最終ノズル
デューティー比指令値DNFINの上乗せ処理を実行す
ることとしている。
【0079】以上詳述した本実施の形態に係る可変容量
型ターボチャージャの制御装置によって得られる効果に
ついて、以下に列挙する。 ・ノズルベーン74の開度を適宜制御することで、排気
ガス量の増加、排気ガス温度の上昇を図り、それによっ
て触媒の詰まりを解消することができる。
【0080】・触媒の詰まりの解消時には排気ガスの温
度を上昇させているため、触媒自体の温度も上昇してい
る。これにより触媒が活性化され、排気浄化効果を促進
することができる。
【0081】・本実施の形態に係るディーゼルエンジン
11の構成は、既存のターボチャージャ搭載のディーゼ
ルエンジンに圧力センサ45を増設し、その制御用のプ
ログラムの一部を変更したものである。したがって、本
実施の形態に係る制御方法を容易に既存のエンジンにも
適用することができる。
【0082】・本実施の形態では、触媒の詰まり状態を
解消するため過給圧の増加処理を、ある程度排気ガス量
が多く、排気ガス温度もある程度高くなる中程度の回転
数及び負荷での運転時に実行している。その結果、触媒
の詰まりの解消を最適な運転条件で実行することができ
る。
【0083】・本実施の形態では、触媒の詰まりの解消
時に通常運転時よりも過給圧を増加させるようターボチ
ャージャ35を制御している。したがって、触媒の詰ま
りの解消時といえども、エンジンの出力は低下しない。
【0084】なお、本実施の形態は例えば以下のように
変更することもできる。 ・最終ノズルデューティ比指令値DNFINの上乗せ処
理を実行すると同時に、燃焼室18内への燃料噴射時期
を遅角するよう制御する。燃料噴射時期は、通常、燃費
や出力等のエンジン性能が最大となるよう調整されてい
る。これをエンジン性能がさほど低下しない範囲で遅角
とし、排気ガス温度が上昇するよう調整する。燃料噴射
時期を遅角とすると、エンジンの爆発工程がこの燃料噴
射時期の遅角による排気ガス温度上昇と、上記上乗せ処
理による過給圧の増加に伴う排気ガス温度上昇とが相ま
って、さらに排気ガス温度を高温とすることができる。
したがって、触媒の活性化及び付着物の燃焼がさらに促
進される。
【0085】・本実施の形態では、上記上乗せ処理実行
時にノズルデューティ比指令値に加算される補正値βを
一定値としたが、エンジンの運転条件によりその値が適
宜に変更される変数としてもよい。例えば、比較的高負
荷・高回転での運転時にはその値を小さくし、低負荷・
低回転での運転時にはその値を大きくする。このように
することによりノズルデューティ比指令値の上乗せ処理
を実行できる条件の範囲を拡大することができる。
【0086】・本実施の形態では、圧力センサ45が検
出した背圧Pexに基づいて触媒詰まり状態の判定を行
っていたが、これをその他の検出手段の検出結果に基づ
いて行うよう変更してもよい。例えば、触媒コンバータ
100の下流側の排気通路内に流速検出装置を設け、こ
れによって検出される上記排気通路内を流れる排気ガス
の流速に基づき触媒の詰まり状態の判定を行う構成とし
てもよい。触媒に詰まりが発生すれば、触媒コンバータ
100下流を流れる排気ガスの流速は遅くなるため、こ
うした手法によっても触媒詰まり状態を把握することが
可能となる。あるいは、触媒コンバータ100の担体1
02表面に正・負の電極を設け、担体102表面を流れ
る電流の変化により触媒詰まり状態を判定するようにし
てもよい。触媒104の表面に煤等が付着すると、電極
間の抵抗値が変化する。これにより触媒表面の状態を常
時把握することが可能となる。
【0087】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、詰まり状
態検出手段により検出される触媒の詰まり状態に応じて
可変容量型ターボチャージャの作動量が適宜制御するこ
とで、触媒の詰まりによる不具合を好適に回避あるいは
解消することができる。
【0088】特に、請求項2記載の発明では、触媒コン
バータ上流の圧力により触媒の詰まり状態を把握するこ
とができる。また、請求項3記載の発明によれば、内燃
機関の十分な排気ガス量及び排気ガス温度が確保できて
且つ、過給圧が過剰とならない好適な運転域において上
記制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態が適用されるディーゼルエン
ジンシステムを示す概略図。
【図2】同エンジンの可変容量型ターボチャージャの構
造を示す断面図。
【図3】同ターボチャージャの可変ノズル機構を示す断
面図及び平面図。
【図4】上記可変ノズル機構の駆動系を示す概略図。
【図5】上記可変ノズル機構のノズル開度制御装置の電
気的構成を示すプロック図。
【図6】ノズルベーンの開度制御手順を示すフローチャ
ート。
【図7】エンジン回転数及び噴射量に伴うEVRV駆動
用のデューティ比指令値の推移を示すグラフ図。
【図8】EVRV駆動用のデューティ比指令値と過給圧
との関係を示すグラフ。
【図9】触媒コンバータの内部構造を示す断面図。
【符号の説明】
11…ディーゼルエンジン、35…ターボチャージャ、
45…圧力センサ、46…排気通路、71…可変ノズル
機構、82…駆動機構、87…アクチュエータ、90…
EVRV、91…バキュームポンプ、92…ECU、1
00…触媒コンバータ、103…触媒。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気系に設けられる触媒コンバ
    ータの上流にあって同機関からの排気ガス流に基づき作
    動することにより同機関の燃焼室に吸入される空気の過
    給を行うとともに、前記排気ガスの流入量を可変とする
    容量可変機構の操作を通じてその作動量が制御される可
    変容量型ターボチャージャの制御装置であって、 前記触媒コンバータを構成する触媒の詰まり状態を検出
    する詰まり状態検出手段と、 前記検出される触媒の詰まり状態に基づいて前記容量可
    変機構の操作量を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする可変容量型ターボチャージャ
    の制御装置。
  2. 【請求項2】前記詰まり状態検出手段は、前記触媒コン
    バータ上流の圧力を検出する圧力センサであり、 前記制御手段は、内燃機関の所定の運転状態における前
    記圧力センサの出力が所定値以上となることに基づいて
    前記燃焼室に吸入される空気の過給圧が増加する方向に
    前記容量可変機構の操作量を制御するものである請求項
    1記載の可変容量型ターボチャージャの制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の可変容量型ターボチャー
    ジャの制御装置において、 前記制御手段は、前記圧力センサの出力が所定値以上と
    なることに基づく前記容量可変機構の操作量制御を内燃
    機関の中回転数及び中負荷運転域において実行すること
    を特徴とする可変容量型ターボチャージャの制御装置。
JP9227415A 1997-08-09 1997-08-09 可変容量型ターボチャージャの制御装置 Pending JPH1162602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9227415A JPH1162602A (ja) 1997-08-09 1997-08-09 可変容量型ターボチャージャの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9227415A JPH1162602A (ja) 1997-08-09 1997-08-09 可変容量型ターボチャージャの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1162602A true JPH1162602A (ja) 1999-03-05

Family

ID=16860492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9227415A Pending JPH1162602A (ja) 1997-08-09 1997-08-09 可変容量型ターボチャージャの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1162602A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003041929A (ja) * 2001-08-01 2003-02-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP2003527520A (ja) * 2000-01-25 2003-09-16 インターナショナル エンジン インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー 排気圧の検出による可変形態ターボチャージャの制御
EP1394393A1 (en) * 2002-08-28 2004-03-03 Ford Global Technologies, Inc. Method for controlling combustion engine
EP1515021A1 (en) * 2003-09-09 2005-03-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus for variable capacity turbocharger
JP2010185398A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Nissan Motor Co Ltd 可変ノズルターボ過給機の制御装置
US8607565B2 (en) 2010-09-29 2013-12-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine with turbocharger
KR102083179B1 (ko) * 2018-12-20 2020-03-02 주식회사 현대케피코 람다 센서의 그을음 제거 방법 및 시스템

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527520A (ja) * 2000-01-25 2003-09-16 インターナショナル エンジン インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー 排気圧の検出による可変形態ターボチャージャの制御
JP2003041929A (ja) * 2001-08-01 2003-02-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
EP1394393A1 (en) * 2002-08-28 2004-03-03 Ford Global Technologies, Inc. Method for controlling combustion engine
EP1515021A1 (en) * 2003-09-09 2005-03-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus for variable capacity turbocharger
JP2010185398A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Nissan Motor Co Ltd 可変ノズルターボ過給機の制御装置
US8607565B2 (en) 2010-09-29 2013-12-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine with turbocharger
KR102083179B1 (ko) * 2018-12-20 2020-03-02 주식회사 현대케피코 람다 센서의 그을음 제거 방법 및 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2206904B1 (en) Internal combustion engine controller
US6941755B2 (en) Integrated bypass and variable geometry configuration for an exhaust gas turbocharger
KR100511699B1 (ko) 배기 정화 장치
US20070204674A1 (en) Device for detecting cetane value of fuel used by an engine
JP5370243B2 (ja) ターボ過給機付きディーゼルエンジンの制御装置
JP2001115822A (ja) ディーゼルエンジンのパティキュレートフィルタ再生装置
JP2005315163A (ja) 内燃機関用多段過給システム
WO2007004471A1 (ja) ディーゼルエンジンの制御装置
JP3751721B2 (ja) 可変容量型ターボチャージャの異常判定方法
JP4204420B2 (ja) 可変容量型ターボチャージャの制御装置
JP2009002275A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH1162602A (ja) 可変容量型ターボチャージャの制御装置
CN107725176B (zh) 具有双废气门阀的涡轮增压器
JP4209350B2 (ja) 過給機の制御装置
JP4069657B2 (ja) 過給機付き内燃機関
JP5494982B2 (ja) 内燃機関の制御装置
EP2161436B1 (en) Internal combustion engine with supercharger controller and exhaust choke valve controller
JP2005042604A (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP2018035679A (ja) エンジンの制御装置
KR101807020B1 (ko) 엔진 제어 장치 및 엔진의 제어 방법
JP6535246B2 (ja) エンジン制御装置
JP4032773B2 (ja) 内燃機関
JP6073644B2 (ja) 排圧調整バルブの制御装置
CN112105804B (zh) 内燃机的排气净化装置的温度控制方法以及内燃机的控制装置
JP4107017B2 (ja) エンジン制御装置