JP2010184920A - 血小板凝集抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、有効成分である抗血小板物質を効率的に摂取することができ、血小板凝集抑制効果に優れ、血栓症諸疾患の予防、治療薬として有用な血小板凝集抑制剤を提供することにある。
【解決手段】本発明の血小板凝集抑制剤は、γ−ラクタムの水素原子がフェニルエチル基に置換された構造を有する化合物を有効成分とし、具体的には、ヘリセノンBを有効成分とすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血小板凝集抑制剤に関し、更に詳しくは、血栓症諸疾患の予防、治療薬として有用な血小板凝集抑制剤に関する。
血小板は外傷の際に障害血管部位で凝集して止血機能を発揮する血球である。
他方、動脈硬化性疾患部位における血管壁障害が血小板凝集を引き起こして血栓の生成を誘発し、血栓症の原因となる。血栓症は、血栓形成箇所において血流の一部または全部を閉塞したり、形成箇所から剥がれた血栓が血管内を移動し他の部位において血流の一部または全部を閉塞したりすることにより起こる病態である。特に脳血管で起こる脳梗塞、脳卒中や、心臓血管で起こる心筋梗塞等は生死に関わる深刻な症状を引き起こす。
血栓の形成は、血小板凝集を抑制する抗血小板剤の投与により抑制され、これにより、血栓症の発症を有意に減少させることができる。抗血小板剤は、血栓症リスクが高い患者において特に有用である。
現在、臨床で最も多く使用されている抗血小板剤はアスピリン(アセチルサリチル酸)である。アスピリンはシクロオキシゲナーゼ(COX)の作用を阻害することで、強力な血小板凝集作用を示すトロンボキサンA2の血小板における産生を抑制して抗血小板作用を示す。
しかしながら、アスピリンには、出血や胃腸障害といった副作用が知られている。また、高濃度では、血管内皮細胞のプロスタグランジンI2 生産が減少することにより、血小板凝集が促進される現象も報告されている。
従来、アスピリンに代わる抗血小板剤(血小板凝集抑制剤)として、種々の物質が紹介されている。
また、最近、ヤマブシタケの抽出物に、他のキノコ類には見られない強い抗血小板作用(血小板凝集抑制作用)が確認され、ヤマブシタケ株およびヤマブシタケを有効成分とする血小板凝集抑制剤が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−129743号公報
しかしながら、ヤマブシタケに含まれる如何なる成分によって、所期の抗血小板作用が発現されるのかは知られていない。
このため、特許文献1に記載の血小板凝集抑制剤では、抗血小板作用を発現する物質を効率的に摂取することはできず、結果的に十分な血小板凝集抑制効果を奏することができないという問題がある。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、本発明の目的は、血小板凝集抑制効果に優れた血小板凝集抑制剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明者が鋭意検討を重ね、ヤマブシタケに含まれる抗血小板物質(血小板凝集抑制効果を発現する有効成分)を特定するために抽出物の分画を行った結果、ヤマブシタケに含まれる特有の化合物(当該化合物の有する特定の構造)が、他の含有成分には認められない顕著な血小板凝集抑制効果を発現するものであることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ヘリセノンBの新規な生理学的性質(抗血小板作用)を発見したことに基いてなされたものである。
本発明の血小板凝集抑制剤は、γ−ラクタムの水素原子がフェニルエチル基に置換された構造を有する化合物を有効成分とすることを特徴とする。
また、前記化合物がヘリセノンBであること、すなわち、ヘリセノンBを有効成分とすることが好ましい。
本発明の血小板凝集抑制剤によれば、有効成分である抗血小板物質(ヘリセノンB)を効率的に摂取することにより、優れた血小板凝集抑制効果を奏することができ、血栓症諸疾患の予防、治療薬としてきわめて有用である。
本発明の健康食品によれば、有効成分である抗血小板物質を効率的に摂取することができる。
実施例1で測定された、洗浄血小板懸濁液中におけるへリセノンBの濃度と、血小板の凝集抑制率との関係を示す図である。 実施例2および比較例1〜3で測定された、洗浄血小板懸濁液に、ヘリセノンB、C、DおよびEの各々を加えたときの血小板凝集率を示す図である。 実施例3〜7で測定された、各種の凝集刺激薬を添加したときの、へリセノンBによる凝集阻害作用を示す図である。 実施例8で測定された、洗浄血小板懸濁液中におけるへリセノンBの濃度と、血小板の凝集抑制率との関係を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の血小板凝集抑制剤は、γ−ラクタムの水素原子がフェニルエチル基に置換された構造を有する化合物を有効成分とする。
本発明の血小板凝集抑制剤においては「γ−ラクタムの水素原子がフェニルエチル基に置換された構造」部位が、血小板凝集抑制効果の活性部位となる。
γ−ラクタムの水素原子がフェニルエチル基に置換された構造を有する具体的な化合物としては、下記の化学式で示されるヘリセノンBを挙げることができる。
Figure 2010184920
「ヘリセノン」は、ヤマブシタケ中に含まれる特有の物質であり、ヤマブシタケの学名「ヘリシウム・エリナセウス(Hericium erinaceus)」から名付けられ、各々構造の異なる8種類のフェノール化合物(ヘリセノンA〜H)が知られている。
8種類のヘリセノンのうち、「ヘリセノンB」は、1990年に静岡大学農学部の河岸教授らによってヤマブシタケ中に発見された化合物であり、その単離方法が以下のように報告されている。すなわち、ヤマブシタケ7.3 kgをアセトンで抽出し、この抽出液を濃縮して、クロロホルムを加え分配した。次にクロロホルム抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで繰り返し分画し、再結晶を行なって、ヘリセノン3.2mg を単離した。(Tetrahedron Letters,Vol31,P373−376参照)。
ヘリセノンBについては、ヒトの子宮頸がんより分離されたHeLa細胞に対する細胞増殖抑制作用が報告されている(上記論文参照)。しかし、抗血小板作用を含めそれ以外の生理活性については知られていなかった。
本発明の血小板凝集抑制剤は、血栓症諸疾患の予防、治療薬として好適に使用される。
本発明の血小板凝集抑制剤は、ヘリセノンBのみからなるものであってもよいが、薬学的に通常許容されている添加物、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、安定化剤、緩衝剤、矯味剤、矯臭剤、滑沢剤を加えて、定法により製造される、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、内服液剤、シロップ剤、注射剤等の形態であってもよい。
ここに、「賦形剤」としては、デンプン、セルロース、ケイ酸、ブドウ糖、乳糖、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。「結合剤」としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、リン酸カルシウム等が挙げられる。「崩壊剤」としては乾燥デンプン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、乳糖、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。「安定化剤」としてはアラビアゴム、トラガント、ゼラチン等が挙げられる。「緩衝剤」としてはクエン酸ナトリウム等が挙げられる。「矯味剤」としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。「滑沢剤」としては精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール、ホウ砂等が挙げられる。
本発明の血小板凝集抑制剤は、上記に示したような、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、内服液剤、シロップ剤等の形態でもよいが、一般加工食品(食品原料)にへリセノンBを添加して使用することができる。
へリセノンBが添加された一般加工食品としては、特に限定されるものではなく、パン類、ドーナツ、ケーキ、饅頭、ビスケット、クッキー、キャンデイ、キャラメル、ガム、あられ、せんべい、ポテトやコーンパウダーを原料として作られるスナック菓子類、ジュース、清涼飲料、ジャム、ゼリー、寒天、ヨーグルト、醤油、ソース、ケチャップ、豆腐、野菜や果実のピユーレー、パスタ、うどん、そば、ラーメン等の麺類、スープ、味噌汁、麺類のスープ、カレー、シチュー、ふりかけ、レトルトパウチ食品全般などを例示することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)血小板擬集抑制活性スクリーニング:
5種の食用きのこ(エリンギ、マイタケ、ブナシメジ、アガリクス、ヤマブシタケ)のエタノール抽出物について、血小板擬集抑制活性スクリーニングを行ったところ、ヤマブシタケのみに強い抗血小板作用が見出された。
具体的には、各きのこの凍結乾燥粉末1gあたり30mlのエタノールを加えて室温で
1.5時間抽出し、溶媒を減圧下で溜去して抽出物を得た。各きのこ抽出物は、ジメチルスルホキシドに10mg/mlになるよう溶解し、ウサギ洗浄血小板を用いた血小板凝集試験において終濃度100μg/mlの血小板凝集抑制活性をアグリゴメーターで測定した。
(2)ヤマブシタケからのヘリセノンBの単離および同定:
ヤマブシタケ子実体8.0kgを凍結乾燥後、エタノール1500mLを用いて室温で2日間抽出した。抽出残渣には新たなエタノール1500mLを加えて、さらに室温で2日間抽出した。2回の抽出液を混合し、溶媒(エタノール)を減圧下で溜去することにより、ヤマブシタケ子実体のエタノール抽出物52.0gを得た。
エタノール抽出物52.0gを酢酸エチルと水で分配し、酢酸エチル抽出物20.5gを得た。
得られた酢酸エチル抽出物20.5gを、n−ヘキサン−酢酸エチルを溶出溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分画した。
得られた分画物のうち、血小板凝集実験により血小板凝集抑制活性が認められた、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:3)溶出画分485mgを、クロロホルム−メタノールを溶出溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに分画した。
得られた分画物のうち、血小板凝集実験により血小板凝集抑制活性が認められた、クロロホルム−メタノール(99:1)溶出画分45.6mgを、へキサン−クロロホルムを溶出溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりさらに分画した。
得られた分画物のうち、血小板凝集実験により血小板凝集抑制活性が認められた、へキサン−クロロホルム(1:2)溶出画分15.2mgを、ODSカラムクロマトグラフィーに供し、水−メタノールで溶出した。
その結果、水−メタノール(1:2)溶出画分として、血小板凝集抑制活性を有する化合物9.0mgを単離した。
得られた化合物は、IR、 1H−NMR、13C−NMR分析により、上記化学式で示されるへリセノンBと同定された。
溶出画分の活性確認は、各溶出画分をジメチルスルホキシドに1−10mg/mlになるよう溶解し、ウサギ洗浄血小板を用いた血小板凝集試験において終濃度10−100μg/mlの血小板凝集抑制活性をアグリゴメーターで測定して行った。
上述の例では、乾燥させた子実体から抽出しているが、この他生の子実体でも良い。また、抽出溶媒としてエタノール以外の有機溶媒、例えば、メタノール、アセトン、クロロホルム、酢酸エチルなどを用いることも出来る。また抽出物の分画には、シリカゲル、ODS 以外の順相又は逆相カラムを用いることも可能であり、溶出溶媒には実施例以外の種々の溶媒、例えば、n−ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノールなどを用いてもよい。
(3)血小板懸濁液の調製:
ウサギ(日本白色ウサギ、雄、2.5−3.5kg)の耳介動脈から採血を行い、この血液を、当該血液の6分の1量のクエン酸−ブドウ糖溶液(クエン酸:65mM、クエン酸三ナトリウム:85mM、ブドウ糖:2%)が収容されているプラスチックチューブに回収した。
採取した血液を250×gで12分間遠心分離を行い、PRP(多血小板血漿)を得た。得られたPRP(多血小板血漿)について、さらに90×gで5分間遠心分離を行い、赤血球および白血球を完全に取り除いた。
さらに、450×gで15分間遠心分離を行って血小板を沈殿させた。
この血小板に、Tyrode/Hepes溶液(NaCl:138.3mM,KCl:2.68mM,MgCl2 ・6H2 O:1.0mM,NaHCO3 :4.0mM,HEPES:10mM,NaH2 PO4 ・H2 O:0.42mM,グルコース:0.1%,ウシ血清アルブミン(BSA):0.35%,pH=6.35)を加えて洗浄を2回行った。
洗浄血小板は、3×108 /mLとなるようにTyrode/Hepes溶液(pH=7.35)に懸濁した。
(4)血小板凝集試験:
血小板凝集試験は、アグリゴメーター(理化電機社製)を用いて、下記のようにして行った。
上記(2)で得られたへリセノンBをジメチルスルホキシドに溶解して、濃度の異なる(100μM、300μM、1000μM、3000μM)4種類の被験薬溶液(本発明の血小板凝集抑制剤)を調製した。
上記(3)で得られた洗浄血小板の懸濁液を300μLずつキュベットヘ入れてアグリゴメーターにセットし、2分後に塩化カルシウムを加えた(最終的な塩化カルシウム濃度:1mM)。さらに2分後、被験薬溶液の各々を3μL添加し5分間インキュべートした。その後(被験薬溶液を添加してから5分経過後)、コラーゲンを加えて凝集刺激を行った(最終的なコラーゲン濃度:3μg/mL)。
一方、対照(コントロール)として、洗浄血小板の懸濁液を300μLキュベットヘ入れてアグリゴメーターにセットし、2分後に塩化カルシウムを加え、さらに2分後、ジメチルスルホキシド3μLを加えて5分間インキュべートし、その後、コラーゲンを加えて凝集刺激を行った。
対照(コントロール)の最大凝集を(A0 )、被験薬溶液の各々を添加したときの最大凝集を(A)とし、下記式により凝集抑制率を測定した。結果を下記表1および図1に示す。
凝集抑制率(%)=〔1−(A/A0 )〕×100

Figure 2010184920
表1および図1に示すように、洗浄血小板懸濁液中におけるへリセノンBの濃度の増加に伴って凝集抑制率が向上しており、へリセノンBは、血小板凝集抑制剤として効果的であることが確認された。
<実施例2>
アグリゴメーター(理化電機社製)を用いて、下記のようにして血小板凝集試験を行った。
実施例1の(2)と同様にして得られたへリセノンBをジメチルスルホキシドに溶解して、濃度10mMの被験薬溶液(本発明の血小板凝集抑制剤)を調製した。
実施例1の(3)と同様にして得られた洗浄血小板の懸濁液300μLをキュベットヘ入れてアグリゴメーターにセットし、2分後に塩化カルシウムを加えた(最終的な塩化カルシウム濃度:1mM)。さらに2分後、被験薬溶液を3μL添加し(最終的なへリセノンBの濃度:100μM)5分間インキュべートした。その後(被験薬溶液を添加してから5分経過後)、コラーゲンを加えて凝集刺激を行った(最終的なコラーゲン濃度:3μg/mL)。
一方、対照(コントロール)として、洗浄血小板の懸濁液を300μLキュベットヘ入れてアグリゴメーターにセットし、2分後に塩化カルシウムを加え、さらに2分後、ジメチルスルホキシド3μLを加えて5分間インキュべートし、その後、コラーゲンを加えて凝集刺激を行った(最終的なコラーゲン濃度:3μg/mL)。
対照の血小板凝集を100%とし、ヘリセノンBを加えたときの血小板凝集率を求め、このような試験を3回行った。結果を表2(3回の平均値)および図2(平均値±標準誤差)に示す。
<比較例1〜3>
アグリゴメーター(理化電機社製)を用いて、下記のようにして血小板凝集試験を行った。
ヤマブシタケ抽出物より単離したへリセノンC、D、Eの各々をジメチルスルホキシドに溶解して、濃度10mMの被験薬溶液を調製した。
実施例1の(3)と同様にして得られた洗浄血小板の懸濁液を300μLずつキュベットヘ入れてアグリゴメーターにセットし、2分後に塩化カルシウムを加えた(最終的な塩化カルシウム濃度:1mM)。さらに2分後、被験薬溶液の各々を3μL添加し(最終的なへリセノン濃度:100μM)5分間インキュべートした。その後(被験薬溶液を添加してから5分経過後)、コラーゲンを加えて凝集刺激を行った(最終的なコラーゲン濃度:3μg/mL)。
実施例2における対照の血小板凝集を100%とし、ヘリセノンC、DおよびEの各々を加えたときの血小板凝集率を求め、このような試験を3回ずつ行った。結果を、実施例2の結果と併せて表2(3回の平均値)および図2(平均値±標準誤差)に示す。
Figure 2010184920
表2および図2に示すように、へリセノンC(比較例1)、へリセノンD(比較例2)およびヘリセノンE(比較例3)の何れにおいても、ヘリセノンB(実施例2)のような血小板凝集抑制作用は全く認められなかった。
なお、へリセノンC、D、Eと同様に脂肪酸エステルを有するへリセノンF、G、Hにおいても活性がないと推測され、血小板凝集抑制作用は、へリセノン類の中でも、へリセノンBが特異的に有する活性であると考えられる。
<実施例3>
アグリゴメーター(理化電機社製)を用いて、下記のようにして血小板凝集試験を行った。
実施例1の(2)と同様にして得られたへリセノンBをジメチルスルホキシドに溶解して、濃度の異なる6種類の被験薬溶液(本発明の血小板凝集抑制剤)を調製した。
実施例1の(3)と同様にして得られた洗浄血小板の懸濁液を300μLずつキュベットヘ入れてアグリゴメーターにセットし、2分後に塩化カルシウムを加えた(最終的な塩化カルシウム濃度:1mM)。さらに2分後、被験薬溶液の各々を3μL添加し(最終的なへリセノンBの濃度:0.3μM、1μM、3μM、10μM、30μM、100μM)5分間インキュべートした。その後(被験薬溶液を添加してから5分経過後)、コラーゲンを加えて凝集刺激を行った(最終的なコラーゲン濃度:3μg/mL)。
一方、対照(コントロール)として、洗浄血小板の懸濁液を300μLキュベットヘ入れてアグリゴメーターにセットし、2分後に塩化カルシウムを加え、さらに2分後、ジメチルスルホキシド3μLを加えて5分間インキュべートし、その後、コラーゲンを加えて凝集刺激を行った(最終的なコラーゲン濃度:3μg/mL)。
対照の血小板凝集を100%とし、ヘリセノンBを加えたときの血小板凝集率を求め、このような試験を3回行った。結果を表3(3回の平均値)および図3(平均値±標準誤差)に示す。
<実施例4>
被験薬溶液を添加した懸濁液および対照の懸濁液の各々に、凝集刺激薬として、コラーゲンに代えてU46619〔トロンボキサンA2(TXA2 )アナログ〕を加えて凝集刺激を行った(最終的なU46619(TXA2アナログ)濃度:3μM)こと以外は実施例3と同様にして血小板凝集試験を行い、対照の血小板凝集を100%とし、ヘリセノンBを加えたときの血小板凝集率を求め、このような試験を3回行った。結果を表3(3回の平均値)および図3(平均値±標準誤差)に示す。
<実施例5>
被験薬溶液を添加した懸濁液および対照の懸濁液の各々に、凝集刺激薬として、コラーゲンに代えてトロンビンを加えて凝集刺激を行った(最終的なトロンビン濃度:0.01U/mL)こと以外は実施例3と同様にして血小板凝集試験を行い、対照の血小板凝集を100%とし、ヘリセノンBを加えたときの血小板凝集率を求め、このような試験を3回行った。結果を表3(3回の平均値)および図3(平均値±標準誤差)に示す。
<実施例6>
被験薬溶液を添加した懸濁液および対照の懸濁液の各々に、凝集刺激薬として、コラーゲンに代えてアデノシン二リン酸(ADP)を加えて凝集刺激を行った(最終的なADP濃度:100μM)こと以外は実施例3と同様にして血小板凝集試験を行い、対照の血小板凝集を100%とし、ヘリセノンBを加えたときの血小板凝集率を求め、このような試験を3回行った。結果を表3(3回の平均値)および図3(平均値±標準誤差)に示す。
<実施例7>
被験薬溶液を添加した懸濁液および対照の懸濁液の各々に、凝集刺激薬として、コラーゲンに代えて、アドレナリンおよびADPを加えて凝集刺激を行った(最終的なアドレナリン濃度:10μM、最終的なADP濃度:10μM)こと以外は実施例3と同様にして血小板凝集試験を行い、対照の血小板凝集を100%とし、ヘリセノンBを加えたときの血小板凝集率を求め、このような試験を3回行った。結果を表3(3回の平均値)および図3(平均値±標準誤差)に示す。
Figure 2010184920
表3および図3に示す結果から、何れの凝集刺激薬を用いた場合でも、ヘリセノンBによる凝集阻害作用が認められ、特に、コラーゲンを用いた場合に、50%阻害濃度(IC50)が約4μMであり、ヘリセノンBは、コラーゲンによる血小板凝集を低い濃度で阻害すること(コラーゲン刺激による血小板凝集経路を特異的に抑制すること)が認められた。
<実施例8>
ヒトの腕部静脈より採血を行ったこと以外は実施例1の(3)と同様にして洗浄血小板の懸濁液を調製し、得られた懸濁液を用いたこと以外は実施例1の(4)と同様にして凝集抑制率を測定した。結果を下記表4(3回の平均値)および図4(平均値±標準誤差)に示す。

Figure 2010184920
表4および図4に示す結果から、へリセノンBは、コラーゲン刺激によるヒト血小板凝集に対しても阻害作用を示し、その活性はウサギ血小板に対するものとほぼ同等であり、へリセノンBのヒトに対する有効性を確認することができた。

Claims (2)

  1. γ−ラクタムの水素原子がフェニルエチル基に置換された構造を有する化合物を有効成分とする血小板凝集抑制剤。
  2. 前記化合物がヘリセノンBである請求項1に記載の血小板凝集抑制剤。
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