JP2010184359A - 印刷方法および印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な摺動開始位置から印刷を開始することを可能とすることで、タクトタイムの延長および印刷品質の低下を抑制できる技術を提供する。
【解決手段】マスクM表面にある半田Sdの状態を検出する検出工程(S909)と、摺動開始位置にスキージ51を当接させるのに続いて、摺動開始位置からスキージ51を摺動させる往路印刷工程と、検出工程での検出結果に基づいて摺動開始位置を算出する算出工程(S909)とを備える。したがって、オペレータの手入力により摺動開始位置を設定していた従来の印刷技術と比べて、適切な摺動開始位置から印刷を開始することが可能となっており、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制が図られている。
【選択図】図12

Description

この発明は、マスクの表面上でスキージにより半田を移動させることで、基板に半田を印刷する印刷技術に関するものである。
このような印刷技術は、マスク表面に形成された開口部の両側の領域の一方から他方へと半田を移動させることで、マスク表面の開口部を介して、マスク裏面に重ね合わされた基板に半田を塗布する(特許文献1)。そして、このマスク表面での一方領域から他方領域への半田の移動は、スキージがマスク表面を一方領域から他方領域に摺動することで実行される。具体的には、次のような手順が実行される。まず、マスク表面の一方領域に溜まっている半田に対して、摺動方向(ここでは、一方領域から他方領域に向かう方向)の上流側の摺動開始位置(特許文献1における「印刷開始位置P1」)にスキージが当接される。そして、摺動開始位置から他方領域の摺動終了位置(特許文献1における「印刷終了位置P2」)にまでスキージをマスク表面に摺動することで、このスキージの作業面で半田を他方領域にまで押し進める。こうして押し進められた半田の一部が、開口部を介して基板に塗布されるのである。
また、上述のような一方領域から他方領域へと向う方向(ここでは便宜的に往路方向と言う)にスキージを摺動させる往路印刷と、上述とは逆の他方領域から一方領域へと向う方向(ここでは便宜的に復路方向と言う)にスキージを摺動させる復路印刷とを、切り換えながら交互に実行することができる(特許文献1)。この復路印刷は、往路印刷でマスク表面の他方領域に移動してきた半田を、スキージの摺動動作によりマスク表面の一方領域にまで移動させることで、マスクの裏面に重ね合わされた基板に半田を塗布するものである。
特開平07−329275号公報 特許第3374660号公報
ところで、上述したとおり、スキージによる摺動動作を開始するにあたっては、先ずスキージが摺動開始位置に当接されるが、特許文献2でも指摘されているとおり、この摺動開始位置はタクトタイムに影響する。つまり、摺動開始位置が一方領域あるいは他方領域に溜まっている半田に対して不必要に離れてしまっていると、摺動開始位置から半田にまでスキージが移動するのに要する時間分だけ無駄にタクトタイムが延びてしまう。したがって、タクトタイムの短縮との観点からは、半田に対して摺動開始位置をできるだけ近づけることが好適である。しかしながら、従来の印刷技術(特許文献1)では、この摺動開始位置の設定をオペレータが手入力により実行していたため、摺動開始位置が必ずしも適切に設定されているとは言えなかった。つまり、摺動開始位置が半田に対して離れてタクトタイムが延びてしまったり、あるいは摺動開始位置を半田に近づけようとするがあまり、スキージが半田に突き刺さってしまい印刷品質が低下したりする場合があった。
また、特許文献1に記載のように、往路方向と復路印刷とを切り換えながら交互に実行する印刷技術においては、摺動開始位置のみならず摺動終了位置もタクトタイムに影響する。つまり、摺動終了位置と開口部との距離が遠いと、往路印刷により他方領域に移動してきた半田と開口部との距離も遠くなってしまう。その結果、往路印刷に続いて実行される復路印刷において、開口部の外側の他方領域に溜まっている半田を開口部にまで移動させるために時間を要してしまい、タクトタイムが延びてしまうおそれがある。したがって、タクトタイムの短縮との観点からは、開口部と摺動終了位置との距離は近いほうが好適である。ただし、開口部と摺動終了位置があまりに近いと、復路印刷での印刷品質が低下するという別の問題が引き起こされるおそれがある。つまり、スキージの摺動により半田印刷を行う印刷技術において良好な印刷を実行するためには、半田の摺動を開始してから半田が開口部に至るまでに、半田がある程度均される(つまり、ローリングされる)必要がある。しかしながら、開口部と往路印刷での摺動終了位置があまりに近いと、復路印刷において摺動開始から開口部に至るまでに半田が十分に均されずに印刷品質が低下するおそれがある。この開口部と摺動終了位置との距離に基く課題は、復路印刷に続いて往路印刷を行う場合にも、同様に存在する。
このように、摺動終了位置は、タクトタイムおよび印刷品質の両方への影響するため、半田の状態に応じて適切に設定する必要がある。しかしながら、従来の印刷技術(特許文献1)では、この摺動終了位置の設定をオペレータが手入力により実行していたため、摺動終了位置が必ずしも適切に設定されているとは言えなかった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、適切な摺動開始位置から印刷を開始することを可能とすることで、タクトタイムの延長および印刷品質の低下を抑制できる技術の提供を第1の目的とする。また、適切な摺動終了位置で印刷を終了することを可能とすることで、タクトタイムの延長および印刷品質の低下を抑制できる技術の提供を第2の目的とする。
この発明の第1の態様にかかる印刷方法は、開口部が形成されたマスクの表面上で、開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、マスクの裏面に重ね合わされた基板に開口部を介して半田を塗布する印刷方法であって、上記第1の目的を達成するために、マスク表面にある半田の状態を検出する検出工程と、一方領域の摺動開始位置にスキージを当接させるのに続いて、摺動開始位置から他方領域にまで往路方向にスキージを摺動させる往路印刷工程と、検出工程での検出結果に基づいて摺動開始位置を算出する算出工程とを備えることを特徴としている。
また、この発明の第1の態様にかかる印刷装置は、開口部が形成されたマスクの表面上で、開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、マスクの裏面に重ね合わされた基板に開口部を介して半田を塗布する印刷装置であって、上記第1の目的を達成するために、少なくとも1つのスキージを有して、一方領域と他方領域との間で移動自在な印刷用ヘッドと、マスク表面にある半田の状態を検出する検出手段と、印刷用ヘッドを制御して、一方領域の摺動開始位置にスキージを当接させるのに続いて、摺動開始位置から他方領域にまで往路方向にスキージを摺動させる制御手段とを備え、制御手段は、検出手段での検出結果に基づいて摺動開始位置を算出することを特徴としている。
このように構成された発明の第1の態様(印刷方法および印刷装置)では、マスク表面での半田の状態を検出した結果に基づいて摺動開始位置を算出している。したがって、オペレータの手入力により摺動開始位置を設定していた従来の印刷技術と比べて、適切な摺動開始位置から印刷を開始することが可能となっており、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制が図られている。さらに、この摺動開始位置は算出工程あるいは制御手段での算出によって求められるため、従来の印刷技術と比べて、この摺動開始位置をより迅速に求めることが可能となっている。
また、この発明の第2の態様にかかる印刷方法は、開口部が形成されたマスクの表面上で、開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、マスクの裏面に重ね合わされた基板に開口部を介して半田を塗布する印刷方法であって、上記第2の目的を達成するために、マスク表面にある半田の状態を検出する検出工程と、一方領域から他方領域の摺動終了位置にまで往路方向にスキージをマスク表面に摺動させる往路印刷工程と、他方領域から一方領域にまで復路方向に当該スキージと同一あるいは別のスキージをマスク表面に摺動させて、往路印刷工程で他方領域に移動してきた半田を一方領域にまで移動させる復路印刷工程と、検出工程での検出結果に基づいて摺動終了位置を算出する算出工程とを備えることを特徴としている。
また、この発明の第2の態様にかかる印刷装置は、開口部が形成されたマスクの表面上で、開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、マスクの裏面に重ね合わされた基板に開口部を介して半田を塗布する印刷装置であって、上記第2の目的を達成するために、スキージを少なくとも1つ有しており、一方領域と他方領域との間で移動自在な印刷用ヘッドと、マスク表面にある半田の状態を検出する検出手段と、印刷用ヘッドを制御して、一方領域から他方領域の摺動終了位置にまで往路方向にスキージをマスク表面に摺動させる往路印刷動作と、他方領域から一方領域にまで復路方向に当該スキージと同一あるいは別のスキージをマスク表面に摺動させて、往路印刷動作で他方領域に移動してきた半田を一方領域にまで移動させる復路印刷動作とを実行する制御手段とを備え、制御手段は、検出手段の検出結果に基づいて摺動終了位置を算出することを特徴としている。
このように構成された発明の第2の態様(印刷方法および印刷装置)では、マスク表面での半田の状態を検出した結果に基づいて摺動終了位置を算出している。したがって、オペレータの手入力により摺動終了位置を設定していた従来の印刷技術と比べて、適切な摺動終了位置で印刷を終了することが可能となっており、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制が図られている。さらに、この摺動終了位置は算出工程あるいは制御手段での算出によって求められるため、従来の印刷技術と比べて、この摺動終了位置をより迅速に求めることが可能となっている。
以上のように、本発明の第1の態様によれば、従来の印刷技術と比べて、適切な摺動開始位置から印刷を開始することが可能となっており、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制が図られている。また、本発明の第2の態様によれば、従来の印刷技術と比べて、適切な摺動終了位置で印刷を終了することが可能となっており、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制が図られている。
本発明の一実施形態における印刷装置の部分正面図である。 本発明の一実施形態における印刷装置の部分側面図である。 図1および図2の印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図である。 印刷用ヘッドの具体的構成を示す斜視図。 印刷用ヘッドの具体的構成を示す側面図。 往路印刷を示す図である。 復路印刷を示す図である。 本実施形態での印刷装置で実行される印刷済基板の生産動作を示すフローチャートである。 半田検出を示す図である。 半田検出動作と、当該半田検出動作から求められる半田検出データとを示す図である。 摺動終了位置が満たす条件を示す図である。 生産予定枚数分の印刷済み基板の生産動作を示すフローチャートである。 摺動開始位置にスキージが当接した状態におけるスキージと半田との関係を示した図である。
図1は、本発明の一実施形態における印刷装置の部分側面図であり、図2は、本発明の一実施形態における印刷装置の部分正面図である。図3は、図1および図2の印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図である。図1および図2に示すように、印刷装置は、基台1を備え、この基台1上には、搬入用コンベア2aと搬出用コンベア2bとが印刷ステージ3を挟んで配設されている。この印刷装置は、基板Wが搬入用コンベア2aにより印刷ステージ3に搬入され、ここで印刷処理を施された後、搬出用コンベア2bにより搬出されるように構成されている。なお、以下の説明では、これらコンベア2aおよび2bによる基板Wの搬送方向をX軸方向、これと水平面上で直交する方向をY軸方向、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めるものとする。
印刷ステージ3には4軸ユニット10が配設されている。この4軸ユニット10は、基板Wを支持し、後述するマスクMに対してその下側から位置決めするもので、搬入用コンベア2aにより搬入された基板Wを水平に、且つ、X軸、Y軸、Z軸およびR軸(Z軸回りの回転)方向に変位可能に支持するものである。即ち、この4軸ユニット10は、固定テーブル11と、Y軸テーブル12と、X軸テーブル13とR軸テーブル14と昇降テーブル15とを階層的に備える。固定テーブル11は、基台1上に固定されている。Y軸テーブル12は、固定テーブル11に対して相対的にY軸方向に移動可能に支持されてY軸サーボモータSMyにより駆動される。X軸テーブル13は、Y軸テーブル12上に対して相対的にX軸方向に移動可能にもうけられてX軸サーボモータSMxにより駆動される。R軸テーブル14は、X軸テーブル13に対して相対的に回転可能にもうけられてR軸サーボモータSMrにより駆動される。昇降テーブル15は、R軸テーブル14に対して昇降可能に設けられてZ軸サーボモータSMzにより駆動される。そして、この昇降テーブル15に設けられた基板支持ユニット16で基板Wを支持することで、各テーブル12、13、14および15の駆動に応じて基板WをX軸、Y軸、Z軸およびR軸(Z軸回りの回転)方向の任意の位置に移動し得るようになっている。つまり、演算処理部91からの指示に従ってモータ制御部MCが各軸のサーボモータSMx、SMy、SMz、SMrを制御することで、基板Wを所望の位置に移動することができる。
基板支持ユニット16は、基板Wを直接支持する基板支持機構17と基板Wをクランプするクランプ機構18とから構成されている。基板支持機構17は、Z軸方向に動作可能な複数の支持ピンを備え、昇降テーブル15に対して昇降可能に取り付けられている。クランプ機構18は、昇降テーブル15に取り付けられ、基板WをY軸方向両側からクランプするための機構である。より詳しくは、クランプ機構18は、昇降テーブル15に連結固定される固定部18aと、固定部18aに対してY軸方向に可動とされる可動部18bとから構成されている。この固定部18aと可動部18bとは、その上端部に対となって基板Wを搬入搬出するコンベアベルトがそれぞれ取り付けられている。可動部18bは、基板WのY軸方向寸法に対応して位置調整される。搬入用コンベア2aからクランプ機構18のコンベアベルト上に基板Wが搬入されると、基板支持機構17の各支持ピンが突出して基板Wをその下側(裏面側)から支持すると共に、クランプ機構18により基板WをY軸方向からクランプする。これにより、基板Wが基板支持ユニット16に対して位置決め状態で固定され、昇降テーブル15と一体的に昇降するようになっている。
印刷ステージ3の上方にはマスクMが張設されている。また、このマスクMの上方に、該マスクM上に供給される半田を拡張するスキージ51を備えた印刷用ヘッド30が配設されている。印刷用ヘッド30は、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能に支持されており、サーボモータにより駆動されるように構成されている。すなわち、マスクMの上方にはY軸方向に延びる一対の固定レール7が設けられ、これら固定レール7に対してヘッド支持部材5が横架される。そして、ヘッド用Y軸サーボモータ231により駆動されるボールネジ(図示せず)にこの支持部材5が連結されている。また、印刷用ヘッド30は、支持部材5に設けられたZ軸方向の固定レール22に装着されるとともにヘッド用Z軸サーボモータ232により回転駆動されるボールネジ24に連結されている。そのため、演算処理部91からの指示に従ってモータ制御部MCがサーボモータ231、232の駆動を制御することで、印刷用ヘッド30が支持部材5と一体的にY軸方向に移動するとともに、支持部材5に対して印刷用ヘッド30がZ軸方向に昇降することができる。そして、本実施形態では、印刷用ヘッド30として、例えば特開2007−136960号公報に記載されているような、単一のスキージ(シングルスキージ)を備えたものが用いられている。具体的には次のとおりである。
図4は、印刷用ヘッドの具体的構成を示す斜視図であり、図5は印刷用ヘッドの具体的構成を示す側面図である。印刷用ヘッド30は、アルミ等から構成されるメインフレーム(以下、単に「フレーム」と称する。)31を有している。このフレーム31の下側にはスライド支柱32を介して支持板34がZ軸方向に変位可能に連結されている。この支持板34とフレーム31との間にロードセル等の荷重センサ36が介設されている。そして、この支持板34に対してサブフレーム38がY軸と平行な軸回りに揺動自在に支持されている。詳しくは、支持板34の下部(下面)に一対の垂下部34aが設けられ、これら垂下部34aに亘ってY軸方向に延びる第1支持軸37がベアリング等を介して回転自在に支持され、この第1支持軸37に対してサブフレーム38が装着されている。これにより当該フレーム38がY軸と平行な軸回りに揺動自在に支持されている。
サブフレーム38には、ユニット組付部40が回転可能に支持されると共に、このユニット組付部40を駆動する駆動機構が搭載されている。ユニット組付部40は、X軸方向に細長い長方形の板状部材であって、その長手方向の途中部分に突設された一対のユニット支持部40aを介してサブフレーム38に回転可能に支持されている。詳しくは、前記サブフレーム38にX軸方向に延びる第2支持軸41がベアリング等を介して回転可能に支持され、この第2支持軸41の両端部位にそれぞれユニット組付部40の前記ユニット支持部40aが固定されている。これによってサブフレーム38に対してユニット組付部40が揺動自在に支持されている。
なお、サブフレーム38にはギアボックス42が一体に組付けられており、第2支持軸41のうちその一端(図5の左側の端部)がこのギアボックス42を貫通して外側に突出している。従って、ユニット組付部40の各ユニット支持部40aは、サブフレーム38およびギアボックス42の両側で第2支持軸41に対して固定されている。
第2支持軸41のうち、ギアボックス42内に挿入されている部分には伝動ギア(図示省略)が固定され、この伝動ギアがギアボックス42内に支持されたアイドルギア(図示省略)に噛合している。そして、サブフレーム38の後側の部分であってギアボックス42の側面部分に駆動源としてのスキージ回動用サーボモータ44が固定され、このスキージ回動用サーボモータ44の出力軸がギアボックス42内に挿入されるとともに当該部分に上記アイドルギアに噛合する駆動ギア(図示省略)が装着されている。これによりスキージ回動用サーボモータ44が作動すると、その駆動力が各ギアを介して第2支持軸41に伝達される。その結果、ユニット組付部40が第2支持軸41回りに回動駆動されるように構成されている。つまり、これらスキージ回動用サーボモータ44、上記各ギアおよび第2支持軸41等により、ユニット組付部40の上記駆動機構が構成されている。
ユニット組付部40には、スキージユニット50が着脱自在に組付けられている。このスキージユニット50は、スキージ51とこれを保持するスキージホルダ55とから構成されている。そして、スキージホルダ55に設けられた一対のねじ軸(図示省略)をユニット組付部40に形成される案内溝に通し、さらにスキージホルダ55をユニット組付部40に重ね合わせた状態で、上記各ねじ軸にノブの付いたナット部材61(図5)が螺合装着されることにより、ユニット組付部40に対して固定されている。
スキージ51は、ウレタンゴム、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリエステル等の高分子材料であって、適度な弾力性を持たせたもの(本実施形態においては、ウレタンゴムを採用している)で形成されるX軸方向に細長い板状部材である。そして、スキージ51の一方面は、同様にX軸方向に細長いスキージホルダ55に重ね合わされた状態で、当該スキージホルダ55にボルト56で固定されている。そして、スキージ51の他方面には、半田を掻き取るための作業面51aが平坦に形成されている。そして、演算処理部91からの指示に従ってモータ制御部MCがスキージ回動用サーボモータ44を制御することで、スキージ51の作業面51aをY軸方向の上流側およびY軸方向の下流側のいずれか一方に選択的に向けることができる。これにより、後述する往路印刷、復路印刷共に同一の作業面51aを使って半田を掻き取ることができる。
往路印刷、復路印刷の印刷中、モータ制御部MCは、荷重センサ36の検知荷重を目標とする印刷荷重(スキージ51がマスクMを介して基板や固定部18aの上端のクランププレート18a1、可動部18bの上端のクランププレート18b1を押す荷重)に一致させるべくへッド用Z軸サーボモータ232をフィードバック制御する。スキージホルダ55の両端部にはそれぞれ横漏れ防止板70が回動可能に取り付けられており、印刷用ヘッド30が上昇位置にある状態において、横漏れ防止板70は不図示の捩りばねの作用により横漏れ防止板70の中心線が作業面51aと直交する位置となるように、スキージホルダ55に保持される。印刷用ヘッド30が下降し、スキージ51が所定のアタック角αでマスクMを介して基板や固定部18aの上端のクランププレート18a1、可動部18bの上端のクランププレート18b1(図6、図7、図9参照)に押圧される状態、すなわち、後述する往路印刷においては、マスクMを介して基板やクランププレート18a1,18b1から作用する反力により横漏れ防止板70が不図示の捩りばねの弾発力に抗して回動し、端面71aがマスクMに接触し、後述する復路印刷においては、端面71bがマスクMに接触する。横漏れ防止板70は印刷中、スキージ51からX方向外方に半田が横洩れするのを防止する。なお、捩りばねの弾発力に抗して横漏れ防止板70に作用する反力は、スキージ51に直接作用する基板やクランププレート18a1,18b1からの反力に比べかなり小さいので、印刷荷重を目標荷重にすべくフィードバック制御するに当り、荷重センサ36で検出される荷重がそのまま印刷荷重と見なすようにしている。
上記のように構成された印刷装置では、印刷装置全体を制御する制御ユニット90が設けられている。この制御ユニット90は、演算処理部91と、プログラム記憶部92と、データ記憶手段93と、モータ制御部MCと、外部入出力部94と、画像処理部95とを備えている。演算処理部91は、CPU(Central Processing Unit)等により構成されており、プログラム記憶部92に予め記憶されている印刷プログラムにしたがって印刷装置各部を制御して印刷処理を行う。また、データ記憶手段93は、半田検出センサSCの検出結果を外部入出力部94を介して取り込んで記憶するものである。また、画像処理部95は、マスクカメラ103が撮影したマスクMの映像および基板カメラ104が撮影した基板Wの映像を取り込んで画像処理を施す。そして、この画像処理結果に基づいて演算処理部91が駆動制御指令をモータ制御部MC与えると、モータ制御部MCが各モータを制御して、マスクMと基板Wとの相互の位置合わせを行なう。
次に、上記のように構成された印刷装置は、往路印刷と復路印刷とを切り換えて交互に実行する。これらの印刷動作について次に説明する。図6に示すようにマスクM表面には複数の開口APが開けられ、これらの開口APの外郭の内側領域である開口部APXのマスクM表面上での両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域DM1(この実施形態では、図1の左側、すなわち印刷装置の反正面側の領域を、便宜的に一方領域と呼称する)と、他方となる他方領域DM2(この実施形態では、図1の右側、すなわち印刷装置の正面側の領域を、便宜的に他方領域と呼称する)との間でスキージ51を摺動させて印刷を実施する。印刷装置の段取り替え作業は、作業性の良い他方領域DM2にスキージ51がある状態で実施されることが多いので、通常印刷は、図7に示す印刷装置の正面側領域すなわち他方領域DM2から、一方領域DM1にスキージ51を摺動させて印刷を開始することが多く、この他方領域DM2から一方領域DM1へのスキージ51の摺動による印刷を往路印刷と呼ぶことが多い。しかし、この実施形態では便宜的に、図6に示す一方領域DM1から他方領域DM2にスキージ51を摺動させて印刷を開始することとし、この印刷を往路印刷と呼称し、図7を便宜的に復路印刷と呼ぶ。また便宜的に、一方領域DM1から他方領域DM2への方向を往路方向、他方領域DM2から一方領域DM1への方向を復路方向と呼称する。
図6のステップA1に示すように、往路印刷では、印刷用ヘッド30が下降せられ、マスクM表面の半田の一方領域DM1にある半田Sdに対して往路方向(Y軸方向)の上流側の往路摺動開始位置Ps1にスキージ51が当接される。このとき、スキージ51の作業面51aは往路方向に向けられ、作業面51aとマスクMとのなすアタック角αは90度未満とされる。そして、スキージ51はこの状態からスキージ51の往路方向への摺動が開始されると、スキージ51は往路助走距離Ls1だけマスクM表面を摺動した後に、開口APを介して基板Wに半田Sdを印刷する。さらに、往路方向の最下流の開口AP(全開口APの外郭で囲まれた領域である開口部APXの往路方向の下流端)を通過した時点から往路終走距離Le1だけマスクM表面を摺動した往路摺動終了位置Pe1で、スキージ51が停止する(ステップA2)。なお、本実施形態では、往路助走距離Ls1とは、往路摺動開始位置Ps1から最初の開口AP(開口部APXのスキージ51摺動方向の上流端)に差し掛かるまでにスキージ51が摺動する距離であり、往路終走距離Le1とは、最後の開口APを通過してから往路摺動終了位置Pe1で止まるまでにスキージ51が摺動する距離である。
そして、往路印刷が終了すると、スキージ51の方向切換が実行される。つまり、スキージ51の回動によるマスクMとの干渉を回避できるZ軸位置まで、印刷用ヘッド30を上昇させた後、印刷用ヘッド30を往路方向に移動させて、ギアボックス42、スキージ51等(以下、単に「スキージ51等」)を往路方向に移動させるとともに、スキージ51を時計回りに回動させて、スキージ51の作業面51aの向きを往路方向から復路方向に切り換える。こうして、作業面51aが復路方向に向いたスキージ51を、他方領域DM2にある半田Sdの復路方向上流側に位置させて、以後に実行される復路印刷への準備をする。
かかるスキージ51の方向切換が完了すると、復路印刷が実行される(図7)。図7のステップC1に示すように、復路印刷では、印刷用ヘッド30を下降させることでスキージ51をマスクM表面へ下降させ、マスクM表面の半田の他方領域DM2にある半田Sdに対して復路方向(Y軸方向)の上流側の復路摺動開始位置Ps2にスキージ51が当接される。そして、この状態からスキージ51の復路方向への摺動が開始されると、スキージ51は復路助走距離Ls2だけマスクM表面を摺動した後に、開口APを介して基板Wに半田Sdを印刷する。さらに、復路方向の最下流の開口APを通過した時点から復路終走距離Le2だけマスクM表面を摺動した復路摺動終了位置Pe2で、スキージ51が停止する(ステップC2)。
そして、復路印刷が終了すると、スキージ51の方向切換が実行される。つまり、スキージ51の回動によるマスクMとの干渉を回避できるZ軸位置まで、印刷用ヘッド30を上昇させた後、スキージ51等を復路方向に移動させるとともに、スキージ51を反時計回りに回動させて、スキージ51の作業面51aの向きを復路方向から往路方向に切り換える。こうして、作業面51aが往路方向に向いたスキージ51を、一方領域DM1にある半田Sdの往路方向上流側に位置させて、以後の印刷用ヘッド30を下降させスキージ51をマスクM表面へと当接させて実行される往路印刷への準備をする。このようにして、往路印刷と復路印刷とを切り換えて交互に実行することができる。
そして、本実施形態では、所定のタイミングでマスクM表面の半田Sdの状態を検出して、この検出結果から往路摺動開始位置Ps1、往路摺動終了位置Pe1、復路摺動開始位置Ps2および復路摺動終了位置Pe2を最適化している。これについて、印刷動作で実際に実行される印刷済基板の生産動作を通じて説明する。
図8は、本実施形態での印刷装置で実行される印刷済基板の生産動作を示すフローチャートである。まず、ステップS100で、演算処理部91がプログラム記憶部92から生産プログラムを読み出し、段取り情報を不図示のディスプレイ96(図3)に表示すると、作業者により生産プログラムに基づいたマスクMが印刷装置にセットされ、他方領域DM2におけるZ軸方向上方位置にある印刷用ヘッド30に段取り情報に基づいたスキージ51がセットされる(ステップS200)。ここで作業者が所定のスイッチを入れると、生産プログラムに基づいて以降の動作が実行される。すなわち、ステップS300でダミー基板Wが印刷装置に搬入される。続くステップS400では、図略の半田供給部からマスクM表面に半田が供給され、この供給された半田の近傍にスキージ51が移動・下降され、マスクMに当接するスキージ51が復路方向に移動して半田をロール状に均す(つまり、半田のローリングを行なう)。ダミー基板Wは、印刷動作での最適な摺動開始位置Ps1、Ps2および摺動終了位置Pe1、Pe2を求めるために用いられるものであり、続くステップS500〜ステップS700を実行することで最適な摺動開始位置および摺動終了位置が算出される。
スキージ51による復路印刷と同様の動作、あるいはさらに往路印刷様動作、復路印刷様動作を1回あるいは複数回実施することでローリングが完了すると、ステップS500では、スキージ51が一旦マスクMから離間され、印刷用ヘッド30が一方領域DM1の上方に位置された状態で、再びスキージ51がマスクMに押圧されてダミー基板Wに往路印刷が実行される。この往路印刷は図6で説明したのと同様である。但し、往路終走距離Le1は予め設定された暫定値を採用する。続くステップS600で、こうして他方領域DM2に移動してきた半田Sdの検出が実行される。つまり、本実施形態では、図5に示すように印刷用ヘッド30のギアボックス42に半田検出センサSCとしての距離センサが取り付けられている。この、半田検出センサSCは、Y軸方向(往路方向)においてスキージ51が回動する範囲よりも下流側に取り付けられており、スキージ51の回動状態に依らず、スキージ51の回動範囲よりY軸方向下流側のマスクM表面を検出できるようになっている。
図9はダミー基板を使った生産準備のためのステップS600、および後述する図12の実生産としての基板印刷におけるステップS908のそれぞれで実施される半田検出を示す図である。ステップB1では、往路印刷が終了した状態(図6のステップA2の状態)から、スキージ51等がマスクM表面から鉛直方向上側に離間される。続くステップB2、B3では、スキージ51等が往路方向に走査速度Vscanで移動し、これによりギアボックス42に取り付けられている半田検出センサSCが半田Sdの上方を通過しながら、当該半田SdをY軸方向に走査する。検出中、スキージ51は開口APの上方とはならず、スキージ51から付着する半田が垂れても開口AP上とはならず、既に印刷を終え搬出前の基板Wの印刷品質を低下させることはない。
また、本実施形態では、ステップS600およびステップS908における半田検出と並行して、スキージ51の方向切換が実行される。つまり、スキージ51等を往路方向に移動させるとともに、スキージ51を時計回りに回動させて、スキージ51の作業面51aの向きを往路方向から当該往路方向に反対の復路方向に切り換える。こうして、作業面51aが復路方向に向いたスキージ51を、他方領域DM2にある半田Sdの復路方向上流側に位置させて、以後に実行される復路印刷への準備をする。
続く、ステップS700(図8)では、ステップS600での検出結果から、Y軸方向における半田断面積Shおよび半田中心位置Psが求められる。図10は、ステップS600、およびステップS908における半田検出動作と、当該半田検出動作から求められる半田検出データとを示す図である。この半田検出動作では、サンプリング周期Ts毎(本実施形態においては、半田検出動作は常に往路印刷を終えさらに往路方向に印刷用ヘッド30が移動中に実施される。)に、半田検出センサSCがSdのマスクM表面からの高さを順次求める(同図、「半田検出データ」の欄の高さHi〜Hj)。また、Y軸方向における半田Sdの両端の座標Ya、Ybが求められる。そして、これらの値に基づいて、半田断面積Shは、次式、
Sh=Σ|Hi×Ts×Vscan|(i→j) …式(1)
で求められる。ここで、式(1)の右辺は、添え字iをi〜jまで変化させた際の各値|Hi×Ts×Vscan|の和(すなわち、|Hi×Ts×Vscan|+|Hi+1×Ts×Vscan|+…+|Hj×Ts×Vscan|)を与える。また、半田中心位置Pcは、次式
Pc=(i+j)×Ts×Vscan/2=(Ya+Yb)/2 …式(2)
で求められ、半田幅Wsは、次式、
Ws=|Yb-Ya| …式(3)
で求められる。そして、演算処理部91が、こうして求めた、半田断面積Sh、半田中心位置Ps、最高半田高さHmax、および半田幅Ws、あるいはさらに加えてアタック角αや復路印刷にて減量する半田量(ほぼ、開口APの総面積×マスクM厚さ)に基づいて、半田検出に続く復路印刷の終了のための最適復路摺動終了位置Pe2および、さらに続く往路印刷開始のための最適往路摺動開始位置Ps1をそれぞれ求め、データ記憶手段93に記憶する。なお半田検出に続く復路印刷開始のための復路摺動開始位置Ps2’は、半田検出により半田Sdの断面形状や端部Ybが検出されており、これらに基づいて求められる。
こうして、ステップS700で、復路摺動開始位置Ps2’、最適復路摺動終了位置Pe2、最適往路摺動開始位置Ps1が求められ、さらに、往路印刷にて減量する半田量も考慮して、最適往路摺動終了位置Pe1、最適復路摺動開始位置Ps2が求められて、データ記憶手段93に記憶される。そして、ステップS800(図8)では、ダミー基板Wを搬出して、生産予定枚数分の印刷済み基板の生産に移行する(ステップS900)。
なお、半田検出に続く復路印刷開始のための復路摺動開始位置Ps2’、最適復路摺動終了位置Pe2、および最適往路摺動開始位置Ps1は、具体的には、次の条件を満たすように求められる。
半田検出に続く復路印刷開始のための復路摺動開始位置Ps2’については次のとおりである。つまり、復路摺動開始位置Ps2’にスキージ51の端部が当接した状態において復路方向に向くスキージ51の作業面51aが半田Sdに僅かに接触するという条件を満たすように、復路摺動開始位置Ps2’は算出されている。また、最適復路摺動終了位置Pe2は、次に実行される印刷(往路印刷)において助走距離の間に半田Sdが十分に均されるという条件を満たすように、算出される。この条件について説明する。
図11は、摺動終了位置が満たす条件を示す図である。スキージ51が開口APから所定の終走距離Leまでの復路印刷を終えた時点では、スキージ51が半田Sdの被当接領域SFに当接している(同図の「印刷終了時点」の欄)。この印刷終了時点の半田Sdの幅Weは、スキージ51の速度vでの移動中における半田Sdの幅Wvより広い。スキージ51の移動中においては、スキージ51により押されて移動する半田Sdの復路方向の先方側が接触するマスクMからの抵抗を受ける一方、半田Sdの後方側がスキージ51により押圧されるので、半田Sdの幅Wは狭くなる。移動が停止すると、自重で半田Sdの幅は広がりWeとなるが、半田Sdの粘度が高い場合は、それ程印刷終了時点の半田Sdの幅Weと移動中の半田Sdの幅Wvとの差はそれ程大きくはない。
復路印刷から往路印刷への切り換えのために、スキージ51がZ軸方向に上昇し半田Sdの被当接領域SFから離れた後、半田Sdは流動しないだけの粘性があるので、スキージ51が離れる前の断面形状を維持する。すなわち、半田Sdの一方端の座標Ya、開口APから終走距離Leの位置となる他方端の座標Yb、および半田Sdの幅Wは、それぞれ印刷終了時の座標Ya,座標Ybおよび幅Weと同じとなる。この状態の半田Sdに、所定のアタック角αで復路方向に向くスキージ51をマスクMに当接するまでZ軸方向に下降させ、スキージ51の作業面51aが僅かに接触する(同図の「ローリング開始時点」の欄)という条件を満たすように、半田Sdの断面形状および座標Yaから、最適往路摺動開始位置Ps1が算出される。スキージ51がマスクMに最適往路摺動開始位置Ps1において当接している図11に示すローリング開始時点において、スキージ51の作業面51aが僅かに半田Sdに接触するだけであるから、半田Sdの断面形状は、復路印刷を終えてスキージ51が半田SdからZ軸方向に離間した時点、さらには、図11に示す印刷終了時点における半田Sdの断面形状とほぼ一致する。すなわち、半田Sdの幅WsはWeとほぼ同じとなる。
図11に示すローリング開始時点の最適往路摺動開始位置Ps1からスキージ51を速度vで移動する。この移動により半田Sdにローリングが発生するとともに、半田Sdの断面形状が変化して幅Ws=Weが幅Wvに変化し、且つ半田Sdの他方端が開口APに到達する(同図の「ローリング終了時点」の欄)。この時点ではスキージ51は速度vで移動中であり、半田Sdの幅はWvのままである。また、ローリング開始時点の座標Yaと最適往路摺動開始位置Ps1は、ほぼ一致すると見なすことが可能である。
助走距離Ls,幅Wv、幅We,スキージ51のローリングのための移動距離Lr、終走距離Le、およびスキージ51の最適往路摺動開始位置Ps1から開口APへの助走距離Lsの間には、
Ls=We+Le=Lr+Wv
よって、
Lr=Le+We−Wv
となる。
良好な印刷のためには、十分にローリングがされている必要がある一方、長い時間のローリングすなわち長い移動距離Lrは印刷時間を長くしてしまう。半田量が多いと十分なローリングのためには長い移動距離Lrが必要となり、且つ半田Sdの幅Weも大きくなるので大きな助走距離Lsを設定する。半田Sdの粘度が高いほど半田Sdの幅We、Wsともに小さくなるが、半田Sdの流動性が悪くなるので十分なローリングのための移動距離Lrが必要となる。助走距離Lsはローリングのための移動距離Lrの要因が大きいので、半田Sdの粘度が高いほど大きくする設定する。スキージ51の作業面とマスクM表面とがなすアタック角αは、角度が大きくなり過ぎても小さくなり過ぎてもローリングしにくくなり、十分なローリングのためには長い移動距離Lrが必要となる。半田Sdの幅We、Ws、Wvは、アタック角αが小さいほど大きくなるので、助走距離Lsはアタック角αが所定角以下において小さいほど大きく設定する。なお、良好な印刷のためのローリングが確保され、且つ助走距離Lsを短くするための影響度は、半田量、半田Sdの粘度、アタック角αの順となるので、予めデータ記憶手段93に記憶された、半田量、半田Sdの粘度、アタック角α等から算出する助走距離Lsの算出式において、半田量、半田Sdの粘度、アタック角αの順に大きくなる影響係数を採用している。半田Sdの検出データに基づいて半田Sdの半田量が求まり、半田Sdの粘度データ、印刷条件であるアタック角αから助走距離Lsが算出される。この助走距離Lsは開口APから最適往路摺動開始位置Ps1までの距離であるから、最適往路摺動開始位置Ps1が求まる。半田Sdの検出データに基づいて半田Sdの断面形状が求められ、座標Ya,幅Weが、ついで座標Ybが求められ、終走距離Leすなわち最適復路摺動終了位置Pe2が求められる。
なお、簡便な摺動終了位置Peの求め方の例を挙げると次のとおりである。つまり、半田Sdの形状が半円形であると仮定すると、最後の開口APを通過してから摺動終了位置Peまでの距離、すなわち終走距離Leが、半田幅Wsを直径とする円周の1/4程度(=Ws×π/4)あれば良い。また、実際の半田Sdは綺麗な半円形をしておらず、高さ方向につぶれた形状をしているため、余裕を見越しても終走距離Leは先述の程度あれば良い。そこで、終走距離Le=Ws×π/4となるように、摺動終了位置Peが算出されるようにしても良い。
以上が、最適復路摺動開始位置Ps1および最適復路摺動終了位置Pe2の算出方法である。また、最適往路摺動終了位置Pe1および最適復路摺動開始位置Ps2も同様にして求められる。ただし、上記半田検出で検出される半田Sdは、復路印刷開始前の他方領域DM2にある半田Sdである。しかしながら、印刷回数が所定より少ない範囲では、マスクM表面での半田Sdの減少量が半田Sdの形状等に与える影響は小さいと考えられる。したがって、往路印刷開始前の一方領域DM1にある半田Sdの状態は、上記半田検出結果から求めることができる。つまり、往路印刷開始前の半田Sdと復路印刷開始前の半田Sdとの間で、半田幅Wsおよび半田断面積Shは略等しいと考えられる。また、往路印刷開始前の半田Sdの半田中心位置Pcは、上記半田検出結果と、復路印刷でのスキージ51の移動距離とから求めることができる。そして、こうして求められた、往路印刷開始前の半田Sdの状態から、最適往路摺動開始位置Ps1および最適往路摺動終了位置Pe1を求めることができる。
図12は、生産予定枚数分の印刷済み基板の生産動作を示すフローチャートである。ステップS901では、印刷装置に基板Wが搬入されて、ステップS902では、この基板Wに対して半田が印刷される。なお、ここでは、半田SdはマスクM表面の他方領域DM2にあるので、図7で示したのと同様にして復路印刷が実行される。ただし、この復路印刷における復路摺動開始位置Ps2および復路摺動終了位置Pe2は、ステップS700で求められてデータ記憶手段93に記憶された復路摺動開始位置Ps2’および最適復路摺動終了位置Pe2である。そして、復路印刷が終了すると、基板Wが搬出される(ステップS903)。続くステップS904では、生産枚数分の印刷が終了したか判断され、終了していないと判断された場合(ステップS904で「NO」の場合)は、ステップS905に進んで新しい基板Wが印刷装置に搬入される。ステップS906では、次に実行する印刷が復路印刷か否か判断される。今の場合は、次に実行する印刷は往路印刷であるため、ステップS907に進んで、スキージ51の方向切換が実行される。つまり、作業面51aが往路方向に向いたスキージ51を、一方領域DM1にある半田Sdの往路方向上流側に位置させて、以後に実行される往路印刷への準備をする。そして、ステップS910では、図6で既に説明したのと同様の往路印刷が実行される。ただし、この往路印刷における往路摺動開始位置Ps1および往路摺動終了位置Pe1は、ステップS700で求められてデータ記憶手段93に記憶された最適往路摺動開始位置Ps1および最適往路摺動終了位置Pe1である。そして、往路印刷が完了すると、基板Wが搬出されて(ステップS911)、ステップS904にもどる。
ステップS904では、生産枚数分の印刷が終了したか判断され、終了していないと判断された場合(ステップS904で「NO」の場合)は、ステップS905に進んで新しい基板Wが印刷装置に搬入される。ステップS906では、次に実行する印刷が復路印刷か否か判断される。今の場合は、次に実行する印刷は復路印刷であるため、ステップS908に進んで、スキージ51の方向切換と半田検出とが並行して実行される。そして、ステップS909(算出工程)では、ステップS908(検出工程)での検出結果に基づいて、復路摺動開始位置Ps2’、最適復路摺動終了位置Pe2、最適往路摺動開始位置Ps1、および最適往路摺動終了位置Pe1が再び求められて、データ記憶手段93の内容が更新される。往路印刷終了毎に半田検出する場合には、この半田検出結果に基づき復路摺動開始位置Ps2’が求められので、最適往路摺動終了位置Pe1に基づく最適復路開始位置Ps2の算出は不要となる。これらの動作は、図8のフローチャートのステップS600、S700での動作と同様であるので説明を省略する。そして、これ以後であって次の半田検出までに実施される復路印刷および往路印刷は、更新後の、復路摺動開始位置Ps2’、最適復路摺動終了位置Pe2、最適往路摺動開始位置Ps1、および最適往路摺動終了位置Pe1に基づく。続くステップS910での印刷が終了し、ステップS911で基板Wが搬出されると、ステップS904に再び戻る。そして、生産枚数分の印刷が終了するまで(ステップS904で「YES」と判断されるまで)、ステップS904からステップS911の動作を繰り返し実行する。
このように本実施形態では、マスクM表面での半田Sdの状態を検出した結果に基づいて摺動開始位置Ps1、Ps2、Ps2'を算出している。したがって、オペレータの手入力により摺動開始位置を設定していた従来の印刷技術と比べて、適切な摺動開始位置Ps1、Ps2、Ps2'から印刷を開始することが可能となっており、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制が図られている。さらに、この摺動開始位置Ps1、Ps2、Ps2'は算出により自動的に求められるため、従来の印刷技術と比べて、この摺動開始位置Ps1、Ps2をより迅速に求めることが可能となっている。
また、このように本実施形態では、マスクM表面での半田Sdの状態を検出した結果に基づいて摺動終了位置Pe1、Pe2を算出している。したがって、オペレータの手入力により摺動終了位置を設定していた従来の印刷技術と比べて、適切な摺動終了位置Pe1、Pe2で印刷を終了することが可能となっており、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制が図られている。さらに、この摺動終了位置Pe1、Pe2は算出によって自動的に求められるため、従来の印刷技術と比べて、この摺動終了位置Pe1、Pe2をより迅速に求めることが可能となっている。
また、上記実施形態では、半田検出を、往路印刷と復路印刷との間の切換の際に実行している(ステップS908)。つまり、印刷方向の切換と並行し検出工程を実行しており、検出工程を別途実行するための時間を設ける必要がない。したがって、タクトタイムの短縮が図られている。
また、上記実施形態では、半田検出センサSCが印刷用ヘッド30(のギアボックス42)に取り付けられている。したがって、図9の半田検出で示したとおり、印刷方向の切換に伴なう印刷用ヘッド30(ギアボックス42)の往路方向への移動の際に、半田検出センサSCがマスクM表面の半田Sdの鉛直上方に位置することができる。しかも、本実施形態のようなシングルスキージを用いた印刷用ヘッド30では、スキージ51を回動させつつ、スキージ51の作業面51aの向きを反対方向にまで変更させる必要がある。したがって、印刷方向の切換の際には、印刷用ヘッド30がY軸方向に大きく動く傾向にある。そのため、半田検出センサSCがマスクM表面の半田Sdの全体に渡って走査することができ、半田Sdの状態をより正確に検出することができる。その結果、摺動開始位置Ps1、Ps2、Ps2’摺動終了位置Pe1、Pe2をより適切に求めることができ、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制がより確実に図られている。
また、上記実施形態は、半田検出を、所定回数目(2回目)の往路印刷工程と復路印刷工程との間の切換の際ごとに実行しており好適である。なぜなら、このように定期的に半田検出を実行することで、摺動開始位置Ps1、Ps2、Ps2'摺動終了位置Pe1、Pe2を常に適切なものとすることが可能となり、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制をより確実に図ることができるからである。
また、上記実施形態では、半田検出の後であって、当該半田検出の結果に基づいて算出される摺動開始位置Ps1、Ps2に51スキージを当接する前の期間に実行される印刷により減少する半田Sdの量も参照して、摺動開始位置Ps1、Ps2を算出している。したがって、実際の半田Sdの量に対して適切な摺動開始位置Ps1、Ps2を算出することができ、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制をより確実に図ることが可能となっている。
また、上記実施形態では、半田検出の後であって、当該半田検出の結果に基づいて算出される摺動終了位置Pe1、Pe2にスキージ51を停止する前の期間に実行される印刷により減少する半田Sdの量も参照して、摺動終了位置Pe1、Pe2を算出している。したがって、実際の半田Sdの量に対して適切な摺動終了位置Pe1、Pe2を算出することができ、タクトタイムの延長および印刷品質の低下の抑制をより確実に図ることが可能となっている。
また、上記実施形態では、他方領域DM2にある半田Sdの状態を検出しており好適である。なぜなら、摺動開始位置Ps2および摺動終了位置Pe2の最適値はいずれも、他方領域DM2にある半田Sdの状態に依存すると考えられるため、他方領域DM2にある半田Sdの状態を検出することで、最適な摺動開始位置Ps2および摺動終了位置Pe2を正確に求めることができると期待できるからである。なお、一方領域DM1にある半田Sdの状態を検出することで、摺動開始位置Ps1および摺動終了位置Pe1について同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態では、スキージ51の一端が摺動開始位置Ps1、Ps2に当接した状態で、スキージ51が半田に接触している。したがって、助走距離Ls1、Ls2を極めて短く抑えることが可能であり、タクトタイムの短縮がより図られている。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、スキージ51の一端が摺動開始位置Ps1、Ps2に当接した状態で、スキージ51が半田に僅かに接触している。しかしながら、スキージ51の一端が摺動開始位置Ps1、Ps2に当接した状態で、スキージ51が半田に接触していることは本発明に必須の要件ではない。したがって、次のように構成することもできる。
図13は、摺動開始位置にスキージが当接した状態におけるスキージと半田との関係を示した図である。同図が示すように、摺動開始位置Ps2にスキージ51の一端が当接した状態において、スキージ51と半田Sdとは離れている。なお、図13に示す実施形態では、次式、
Lb=sinα×Wsq/2
が満たされている。ここで、Lbは、半田Sdと摺動開始位置Ps2との距離であり、Wsqはスキージ51の幅であり、αはスキージ51の作業面とマスクM表面とがなすアタック角である。つまり、図13の実施形態では、スキージ51の中央部が、半田Sdの端部Ybの鉛直方向上方に位置している。このように、Lb=sinα×Wsq/2あるいはLb<sinα×Wsq/2を満たすように摺動開始位置Ps2およびアタック角αを設定した場合も、本発明の効果を奏することが可能である。
また、逆に、スキージ51の一端が摺動開始位置Ps1、Ps2に当接してスキージ51が半田に僅かに接触している状態から、さらにアタック角αを小さくして、スキージ51で半田Sdを押圧するように構成しても良い。アタック角αを適正化することでローリングし易くなり、短い助走距離でも次の印刷を良好に行うことができるとの効果が期待できる。また、スキージ51の押圧により半田Sdが開口AP内に押し込まれ易くなり、スキージ51の移動速度を速くすることができる。なお、アタック角αを小さくし過ぎると、反ってローリングしにくくなり、また開口AP内に押し込まれた半田SdがマスクMと基板Wとの間ににじみ出易くなり、印刷品質を低下してしまう恐れがある。
また、上記実施形態では、半田検出を、所定回数目(2回目)の往路印刷工程と復路印刷工程との間の切換の際ごとに実行しているが、半田検出のタイミングおよび頻度はこれに限られなない。
また、上記実施形態では、摺動開始位置Ps1、Ps2および摺動終了位置Pe1、Pe2を算出するにあたり、半田検出センサSCによる半田検出結果以外に、スキージ51のアタック角αや半田検出後に減量した半田量も参照している。しかしながら、半田検出結果以外のこれらの要因のうちの一部または全部について、摺動開始位置Ps1、Ps2および摺動終了位置Pe1、Pe2に与える影響が小さいと判断できる場合もあり得る。このような場合は、摺動開始位置Ps1、Ps2および摺動終了位置Pe1、Pe2に与える影響が小さい要因については、摺動開始位置Ps1、Ps2および摺動終了位置Pe1、Pe2を算出するにあたって無視しても良い。
また、上記実施形態では、往路印刷工程から復路印刷工程への切り換えの際に半田検出を行っている。しかしながら、復路印刷工程から往路印刷工程への切り換えの際に半田検出を行なっても良い。
また、上記実施形態では、単一のスキージ51を有する印刷用ヘッド30を備える印刷装置に対して本発明を適用した場合について説明したが、本発明の適用対象はこれに限られず、例えば、特開2004−223788号公報に記載のような2つのスキージを有する印刷用ヘッドを備える印刷装置に対しても本発明を適用可能である。
また、半田検出センサSCの取り付け位置、個数、種類等についても、適宜変更が可能である。
また、上記実施形態での往路方向および復路方向のとり方は便宜上のものであり、一例に過ぎない。したがって、往路方向および復路方向を上記実施形態とは全く逆向きの方向にとっても良い。
30…印刷用ヘッド
42…ギアボックス
44…スキージ回動用サーボモータ
50…スキージユニット
51a…(スキージの)作業面
51…スキージ
90…制御ユニット(制御手段)
AP…開口部
DM1…一方領域
DM2…他方領域
M…マスク
SC…半田検出センサ(検出手段)
Sd…半田
W…基板

Claims (11)

  1. 開口部が形成されたマスクの表面上で、前記開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、前記マスクの裏面に重ね合わされた基板に前記開口部を介して前記半田を塗布する印刷方法において、
    前記マスク表面にある前記半田の状態を検出する検出工程と、
    前記一方領域の摺動開始位置に前記スキージを当接させるのに続いて、前記摺動開始位置から前記他方領域にまで往路方向に前記スキージを摺動させる往路印刷工程と、
    前記検出工程での検出結果に基づいて前記摺動開始位置を算出する算出工程と
    を備えることを特徴とする印刷方法。
  2. 前記マスク表面の前記他方領域から前記一方領域にまで復路方向に前記スキージと同一あるいは別のスキージを摺動させて前記マスク裏面に重ね合わされた基板に前記半田を塗布する復路印刷工程と、前記往路印刷工程とを切り換えながら交互に実行する請求項1に記載の印刷方法であって、
    前記検出工程を、前記往路印刷工程と前記復路印刷工程との間の切換の際に実行する印刷方法。
  3. 前記検出工程を、所定回数目の前記往路印刷工程と前記復路印刷工程との間の切換の際毎に実行する請求項2に記載の印刷方法。
  4. 前記往路印刷工程と前記復路印刷工程とを印刷用ヘッドにより回動自在に保持された同一の前記スキージの作業面で前記半田を押し進めて実行する請求項2または3に記載の印刷方法であって、
    前記往路印刷工程から前記復路印刷工程に切り換える際には、前記印刷用ヘッドは前記往路方向に移動するとともに前記スキージを回動させて、前記作業面の向きを前記往路方向から前記復路方向に切り換えて、前記スキージを前記他方領域にある前記半田の前記復路方向上流側に位置させる一方、
    前記復路印刷工程から前記往路印刷工程に切り換える際には、前記印刷用ヘッドは、前記復路方向に移動するとともに前記スキージを回動させて前記作業面の向きを前記復路方向から前記往路方向に切り換えて、前記スキージを前記一方領域にある前記半田の前記往路方向上流側に位置させ、
    前記検出工程では、前記印刷用ヘッドに取り付けられた検出センサが、前記印刷用ヘッドの移動に伴って前記半田の上方を通過しつつ前記半田の状態を検出する印刷方法。
  5. 前記検出工程では、前記一方領域あるいは前記他方領域にある前記半田の状態を検出する請求項2ないし4のいずれか一項に記載の印刷方法。
  6. 前記算出工程は、前記検出工程の後であって、算出対象である前記摺動開始位置に前記スキージを当接する前の期間に実行される印刷により減少する前記半田の量も参照して、前記摺動開始位置を算出する請求項2ないし5のいずれか一項に記載の印刷方法。
  7. 前記往路印刷工程では、前記スキージの一端が前記摺動開始位置に当接した状態で前記スキージが前記半田に接触している請求項1ないし6のいずれか一項に記載の印刷方法。
  8. 開口部が形成されたマスクの表面上で、前記開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、前記マスクの裏面に重ね合わされた基板に前記開口部を介して前記半田を塗布する印刷方法において、
    前記マスク表面にある前記半田の状態を検出する検出工程と、
    前記一方領域から前記他方領域の摺動終了位置にまで往路方向に前記スキージを前記マスク表面に摺動させる往路印刷工程と、
    前記他方領域から前記一方領域にまで復路方向に前記スキージと同一あるいは別のスキージを前記マスク表面に摺動させて、前記往路印刷工程で前記他方領域に移動してきた半田を前記一方領域にまで移動させる復路印刷工程と、
    前記検出工程での検出結果に基づいて前記摺動終了位置を算出する算出工程と
    を備えることを特徴とする印刷方法。
  9. 前記算出工程は、前記検出工程の後であって、算出対象である前記摺動終了位置に前記スキージを停止する前の期間に実行される印刷により減少する前記半田の量も参照して、前記摺動終了位置を算出する請求項8に記載の印刷方法。
  10. 開口部が形成されたマスクの表面上で、前記開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、前記マスクの裏面に重ね合わされた基板に前記開口部を介して前記半田を塗布する印刷装置において、
    少なくとも1つの前記スキージを有して、前記一方領域と前記他方領域との間で移動自在な印刷用ヘッドと、
    前記マスク表面にある前記半田の状態を検出する検出手段と、
    前記印刷用ヘッドを制御して、前記一方領域の摺動開始位置に前記スキージを当接させるのに続いて、前記摺動開始位置から前記他方領域にまで往路方向に前記スキージを摺動させる制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段での検出結果に基づいて前記摺動開始位置を算出することを特徴とする印刷装置。
  11. 開口部が形成されたマスクの表面上で、前記開口部の両側の領域の内、いずれか一方となる一方領域と他方となる他方領域との間でスキージを摺動させることで半田を移動させて、前記マスクの裏面に重ね合わされた基板に前記開口部を介して前記半田を塗布する印刷装置において、
    前記スキージを少なくとも1つ有しており、前記一方領域と前記他方領域との間で移動自在な印刷用ヘッドと、
    前記マスク表面にある前記半田の状態を検出する検出手段と、
    前記印刷用ヘッドを制御して、前記一方領域から前記他方領域の摺動終了位置にまで往路方向に前記スキージを前記マスク表面に摺動させる往路印刷動作と、前記他方領域から前記一方領域にまで復路方向に前記スキージと同一あるいは別のスキージを前記マスク表面に摺動させて、前記往路印刷動作で前記他方領域に移動してきた半田を前記一方領域にまで移動させる復路印刷動作とを実行する制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記摺動終了位置を算出することを特徴とする印刷装置。
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