JP2010183188A - 撮像装置及びその制御方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】イメージセンサが高輝度光を受光した際、高輝度光の左右または上下が均等でなくレベル変動している場合においても、横筋や縦筋を防いで最適な補正を可能とする。
【解決手段】遮光されていない複数の画素が二次元的に配置された有効画素領域と、有効画素領域の両側に配置された遮光された画素からなる第1のオプティカルブラック領域および第2のオプティカルブラック領域とを有する撮像素子と、撮像素子に高輝度光が入射した場合に、有効画素領域内の高輝度光が入射した画素部である高輝度部と第1のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を第1のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正し、高輝度部と第2のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を第2のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正する補正部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等に用いられる、固体撮像素子における映像信号の画質の改善技術に関するものである。
デジタルカメラやビデオカメラ等においては、固体撮像素子としてCCDおよびCMOSイメージセンサ等が使用されている。
ところで、CCDおよびCMOSイメージセンサ上に高輝度被写体があるとき、その列または行全体の信号レベルが変動することで、縦筋や横筋の画像になることが知られている。このことはCCDではスミア現象として広く知られているが、CMOS型イメージセンサにおいても同様の現象が発生する。
CMOS型イメージセンサにおいては、この現象が発生する原因は電源やグラウンドの配線レイアウトに起因しているところが大きい。通常電源やグラウンドは水平方向に配線されるため、例えば画面内の高輝度被写体部に多く電流が流れた結果その左右画素の電源も変動することで同一行全体または同一行以降の行の信号レベルの変動による横筋状の画像を引き起こす。このような現象は、特に高輝度被写体によってイメージセンサ内部回路が飽和してしまった場合に顕著に起こる。これは、回路飽和によって信号出力を十分に制御できなくなるからであり、回路的な対策は難しい。
この様子を示したのが図12(a)、(b)である。図12(a)はCMOS型イメージセンサからの信号を示しており画素部レイアウトと対応させている。
通常、固体撮像素子は、信号レベルの基準となる信号(黒基準信号)を得るために光に反応しないように遮光されたオプティカルブラック領域を備えており、有効画素信号はそのオプティカルブラック領域で得たレベルを基準として演算処理される。このような画素を“OB画素(オプティカルブラック画素)”と呼ぶ。
図12(a)中のHOB、VOBと記されている領域は、上記オプティカルブラック画素からの信号を示している。また、有効画素と記されている部分が実際に光を受光できる画素領域からの信号である。
図12(a)は、周辺輝度が低い状態で高輝度光「P」を受光している状態を示しており、その水平方向の左右画素出力「L」と「R」はレベル変動を起こし、横筋状の画像になっていることがわかる。周辺輝度が低いので、高輝度光「P」を受光している部分以外はHOB、VOBと同レベルの出力になるのが理想である。
同図のA−Aで示す線上の画像出力レベルを示したのが、図12(b)である。HOBレベルと示したレベルは、HOB領域の中でもレベル変動していない領域の平均レベルであり、通常はこのレベルが黒基準信号になる。それに対して高輝度光「P」を受光している部分のレベルは非常に高く、その出力は回路飽和している。また左右の画素出力「L」、「R」はHOBレベルよりも低くレベル変動を起こしている。
図13(a)、(b)は画面内に高輝度光がある場合の別の例を示している。図12との違いは、高輝度光「P」の左の画素出力「L」はHOBレベルよりも低く、右の画素出力「R」はHOBレベルよりも高くレベル変動を起こしている点であり、実験的にこのような現象があることが確認されている。このような状態になるのは、電源、グラウンドの配線レイアウトに加え、画素信号の読み出し順序とレベル変動の収束時間などが関係していると考えられる。
例えば、一般的なCMOS型イメージセンサでは、水平方向の画素を1行まとめて列読み出し回路に信号転送し、その後列読み出し回路に転送された信号を画面左画素から順次最終段の共通読み出し回路を通して出力する。このときレベル変動がイメージセンサの画素内や列読み出し回路ではなく、最終段の読み出し回路で発生している場合、高輝度光「P」によって引き起こされたレベル変動発生直後に右側「R」が読み出され、次の行の左側「L」が読み出されることになる。そして読み出し時刻の違いでレベル変動の方向や量が変化することが十分に考えられる。
ここで、上記レベル変動による横筋画像を補正することを考えてみる。
CCDなどのスミアについては、オプティカルブラック画素にも同様のスミアが発生しているので、同一列のオプティカルブラック画素の信号の平均値を基に有効部の出力を補正する方法が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特に特許文献2では、有効画像信号のレベルに応じてスミア補正手段における補正処理内容を変更している。具体的には、有効画像信号のレベルが所定の信号飽和レベルに達していた場合にスミア補正を無補正にすることでスミア補正により飽和部が過補正になり、黒沈みすることの対策としている。
特開平7-67038号公報 特開2001−24943号公報
CMOS型イメージセンサにおいても、図12のように高輝度光「P」の左右が均等にレベル変動しているような場合は特許文献1、特許文献2と同様に補正することが可能である。しかし、図13のように高輝度光「P」の左の画素出力「L」はHOBレベルよりも低く、右の画素出力「R」はHOBレベルよりも高くレベル変動を起こしている場合は、同様の方法で補正することができない。具体的には、同一行のHOB画素の信号の平均値を基に有効部の出力を補正すると、図14(a)、(b)のようになる。すなわち、HOBに近い左の画素出力「L」は補正できるが、HOBから遠い右の画素出力「R」はレベル変動方向や量が違うため、補正どころかレベル変動を増長してしまう可能性がある。
このことは、CMOS型イメージセンサだけでなく、CCDイメージセンサなど他のイメージセンサにおいても、高輝度光「P」の左右または上下が均等でなくレベル変動している場合においては上記と同様に補正することができない。
したがって、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、イメージセンサが高輝度光を受光した際、高輝度光の左右または上下が均等でなくレベル変動している場合においても、横筋や縦筋を防いで最適な補正を可能とすることである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる撮像装置は、遮光されていない複数の画素が二次元的に配置された有効画素領域と、該有効画素領域の両側に配置された遮光された画素からなる第1のオプティカルブラック領域および第2のオプティカルブラック領域とを有する撮像素子と、前記撮像素子に高輝度光が入射した場合に、前記有効画素領域内の前記高輝度光が入射した画素部である高輝度部と前記第1のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第1のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正し、前記高輝度部と前記第2のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第2のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、遮光されていない複数の画素が二次元的に配置された有効画素領域と、該有効画素領域の両側に配置された遮光された画素からなる第1のオプティカルブラック領域および第2のオプティカルブラック領域とを有する撮像素子を備える撮像装置を制御する方法であって、前記撮像素子に高輝度光が入射した場合に、前記有効画素領域内の前記高輝度光が入射した画素部である高輝度部と前記第1のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第1のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正し、前記高輝度部と前記第2のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第2のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正する補正工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、イメージセンサが高輝度光を受光した際、高輝度光の左右または上下が均等でなくレベル変動している場合においても、横筋や縦筋を防いで最適な補正を可能とすることができる。
本発明の第1の実施形態に係わるCMOS型固体撮像素子の画面全体の画素部レイアウトを示した図である。 本発明の第1の実施形態における固体撮像素子の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態における固体撮像素子の構成を示す図である。 横筋現象を示した図である。 横筋現象の補正を示した図である。 理想的な画素出力を示した図である。 第1の横筋現象を示した図である。 第2の横筋現象を示した図である。 第3の横筋現象を示した図である。 第4の横筋現象を示した図である。 第5の横筋現象を示した図である。 従来例における横筋現象を示した図である。 従来例における横筋現象を示した図である。 従来例における横筋現象の補正を示した図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置100に用いられるCMOS型固体撮像素子101の画面全体の画素部レイアウトを示した図である。遮光されたオプティカルブラック画素(OB画素)は、有効画素領域の上部に配置されたVOB部と、有効画素領域を挟むように左右の両側に配置されたHOB_L、HOB_R部がある。画素からの信号は図1の左上から矢印で示すように読み出される。なお、102は、撮像素子101の画面上に現れる縦筋、横筋を補正する補正部である。
図2は、CMOS型固体撮像素子の二次元的に配列された画素セルPixelの構成例を示すブロック図である。光信号電荷を発生するフォトダイオード201は、この例ではアノード側が接地されている。フォトダイオード201のカソード側は、転送MOSトランジスタ202を介して増幅MOSトランジスタ204のゲートに接続されている。また、上記増幅MOSトランジスタ204のゲートには、これをリセットするためのリセットMOSトランジスタ203のソースが接続されている。リセットMOSトランジスタ203のドレインは電源電圧VDDに接続されている。さらに、上記増幅MOSトランジスタ204は、ドレインが電源電圧VDDに接続され、ソースが選択MOSトランジスタ205のドレインに接続されている。
図3は、CMOS型固体撮像素子の構成例を示すブロック図である。説明の都合上3x3画素構成となっているが、通常はさらに多画素である。垂直シフトレジスタ301は、行選択線Pres1,Ptx1,Psel1等の信号を画素領域308に出力する。画素領域308は、図1の構成を有し、複数の画素セルPixelを有する。各画素セルPixelは、偶数列と奇数列で各々CH1、CH2の垂直信号線に画素信号を出力する。電流源307は、各垂直信号線に接続される。読み出し回路302は、垂直信号線上の画素信号を入力し、画素信号をnチャネルMOSトランジスタ303を介して差動増幅器305に出力し、ノイズ信号をnチャネルMOSトランジスタ304を介して差動増幅器305に出力する。
ここで読み出し回路302は列毎の読み出し回路を含み、差動増幅器305は最終段読み出し回路に相当する。
水平シフトレジスタ306は、トランジスタ303及び304のオン/オフを制御する。差動増幅器305は、画素信号とノイズ信号との差分を出力する。
図2の転送MOSトランジスタ202のゲートは、横方向に延長して配置される第1の行選択線(垂直走査線)Ptx1(図3)に接続される。同じ行に配置された他の画素セルPixelの同様な転送MOSトランジスタ202のゲートも上記第1の行選択線Ptx1に共通に接続される。上記リセットMOSトランジスタ203のゲートは、横方向に延長して配置される第2の行選択線(垂直走査線)Pres1(図3)に接続される。同じ行に配置された他の画素セルPixelの同様なリセットMOSトランジスタ203のゲートも上記第2の行選択線Pres1に共通に接続される。上記選択MOSトランジスタ205のゲートは、横方向に延長して配置される第3の行選択線(垂直走査線)Psel1に接続される。同じ行に配置された他の画素セルPixelの同様な選択MOSトランジスタ205のゲートも上記第3の行選択線Psel1に共通に接続される。これら第1〜第3の行選択線Ptx1,Pres1,Psel1は、垂直シフトレジスタ301に接続され信号電圧が供給される。
図3に示されている残りの行においても同様な構成の画素セルPixelと、行選択線が設けられる。これらの行選択線には、上記垂直シフトレジスタ301により形成された行選択線Ptx2〜Ptx3、Pres2〜Pres3、Psel2〜Psel3が供給される。
図2の選択MOSトランジスタ205のソースは、縦方向に延長して配置される垂直信号線の端子Voutに接続される。同じ列に配置される画素セルPixelの同様な選択MOSトランジスタ205のソースも上記垂直信号線の端子Voutに接続される。図3において、上記垂直信号線の端子Voutは負荷手段である定電流源307に接続される。
また、図3において各画素セルPixelには画面右方向からVDD電源が、画面左方向からGND(グラウンド)がそれぞれ供給され、その等価配線抵抗も各画素セルPixel間に示している。
さらに、読み出し回路302には画面右方向からVDD電源が、画面左方向からGND(グラウンド)がそれぞれ入力され、列毎の読み出し回路に供給されている。
図4は、図1のようにオプティカルブラック画素を有効画素領域の画面左のHOB_L(第1のオプティカルブラック領域)、画面右のHOB_R部(第2のオプティカルブラック領域)に配置したイメージセンサー上に高輝度光「P」が入射した時の様子を示している。
図14のように高輝度光「P」の左の画素出力「L」はHOBレベルよりも低く、右の画素出力「R」はHOBレベルよりも高くレベル変動を起こしているものとする。
図4(a)のC−Cで示す線上の画像出力レベルを示したのが、図4(b)である。HOBレベルと示したレベルは、HOB領域の中でもレベル変動していない領域の平均レベルであり、通常はこのレベルが黒基準信号になる。例えば、HOB領域の中でも、他の領域に比較してレベル変動の大きな領域を除外し、残りの領域の平均レベルを取る方法がある。
ここで、有効画素領域内の高輝度光「P」が入射した位置から左側の有効部を同一行のHOB_L画素の信号の平均値を基に、高輝度光「P」が入射した位置から右側の有効部を同一行のHOB_R画素の信号の平均値を基に出力補正すると、図5(a)、(b)のように、横筋状の画像がきれいに補正される。すなわち、高輝度光「P」が入射した位置から左側の有効部(補正対象画素)はHOB_Lが低いので出力信号を増やす方向に、高輝度光「P」が入射した位置から右側の有効部(補正対象画素)はHOB_Rが高いので出力信号を減らす方向に補正している。
図4、図5のようにオプティカルブラック画素を画面左のHOB_L、画面右のHOB_R部に配置したイメージセンサー上に高輝度光「P」が入射した時に発生する横筋状の画像補正について、更に具体的に説明する。
図6は、図4と同等のイメージセンサの出力を示している。図6(a)ではより具体的に説明するために、水平方向(X)は0〜9の10画素、垂直方向(Y)は0〜5の6画素の10×6画素とし、各アドレスの画素出力も示している。以下、各画素のアドレスは(X,Y)で示すものとする。また、イメージセンサには周辺輝度が低い状態で中央部(4,2)〜(5,4)に高輝度光が入射している様子を示していて、その高輝度部の画素出力値は「99」、高輝度部以外の画素及びオプティカルブラック画素の出力値は「10」としている。また、HOB_LはX=0、HOB_RはX=9の画素が相当する。
図6(a)では理想的なイメージセンサの出力を示しており、高輝度光を受光していても出力のレベル変動を起こしていない。図6(b)はY=3の画像出力レベルを示しており、破線部はHOB_LまたはHOB_R領域の中でもレベル変動していない領域の平均レベルであり、高輝度部以外の部分は破線と一致した出力になっている。
図7も図6と同じようにイメージセンサの出力を示しているが、ここでは理想的でないイメージセンサの出力を示していて、図4と同様に高輝度光の左の画素出力はHOBレベル(黒基準信号)よりも低く、右の画素出力はHOB(黒基準信号)レベルよりも高くレベル変動を起こしている。
具体的にはY=2〜4で、高輝度光の左の画素X=0〜3の出力は一様に「8」、高輝度光の右の画素X=6〜9の出力は一様に「12」である。また、HOBレベル(黒基準信号)は「10」である。
ここで、画素出力値が「90」以上の画素を高輝度被写体と定義し、画面内に高輝度部があるかどうかの判定を行うと、Y=2〜4の行に高輝度被写体があることがわかり、Y=2〜4を補正対象行とする。
そしてY=2〜4行について、
HOB_LとHOBレベル(黒基準信号)差は、10−8=2
HOB_RとHOBレベル(黒基準信号)差は、10−12=−2
であるので、高輝度光の左右の画素出力を夫々補正するために、以下のようにする。
高輝度光の左の画素X=0〜3の出力は、+2
高輝度光の右の画素X=6〜9の出力は、−2
とすることで、図7の画像が図6と同様な画像に補正できることがわかる。
このように、本実施形態によれば、高輝度光の左右のどちらに位置するかに応じて、HOB_L領域とHOB_R領域のどちらの出力値を用いて画素出力を補正するかを切り替えている。これにより、高輝度光の両側で均等でないレベル変動が生じている場合においても、好適な補正を行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
図7の例では、高輝度光の左の画素の画素出力は夫々一様にレベル変動していた例を示したが、図8では高輝度光の左の画素のレベル変動量が高輝度部からの位置(距離)に応じて変化している例について説明する。
具体的には、Y=2〜4で、高輝度光の左の画素X=0〜3の出力は高輝度光から1画素離れるに従って「−1」ずつのレベル変動、高輝度光の右の画素X=6〜9の出力は高輝度光から1画素離れるに従って「+1」ずつのレベル変動を起こしている。すなわち、高輝度部に近い画素ほどレベル変動が少なく、高輝度部から離れるにしたがってレベル変動が大きくなっている。
このようにレベル変動量が高輝度部からの位置(距離)に応じて変化する特性は、イメージセンサ内部の構成に起因するものが大きいことがわかっている。
このようなレベル変動を、HOB_L,HOB_Rの信号を使って補正する。補正対象行は図7の例で説明したように高輝度被写体がある行を判定すれば良い。
ここで、
高輝度部の左右はレベル変動がほとんどない。そして、
HOB_LとHOBレベル(黒基準信号)差は、10−6=4
HOB_Lと高輝度部までの距離は、4画素
HOB_RとHOBレベル(黒基準信号)差は、10−14=−4
HOB_Rと高輝度部までの距離は、4画素
であるので、高輝度光の左右の画素出力を夫々補正するために、次のようにする。
高輝度光の左の画素X=0〜3の補正量は、
X=0で「4」、X=1で「3」、X=2で「2」、X=3で「1」
高輝度光の右の画素X=6〜9の補正量は、
X=6で「−1」、X=7で「−2」、X=8で「−3」、X=9で「−4」
とすることで、図8の画像が図6と同様な画像に補正できることがわかる。
つまり、高輝度光からの位置(距離)に応じて、HOB_LとHOBレベル(黒基準信号)の差、または、HOB_RとHOBレベル(黒基準信号)の差に対して所定の傾き係数を乗算した値で補正すれば良い。
このような補正をカメラなどの撮像装置で行う場合は、高輝度光を受光したときのレベル変動(高輝度部とHOB_Lとの間の画素出力と、高輝度部とHOB_Rとの間の画素出力)の傾向を、イメージセンサの座標とともにあらかじめデータ(情報)として取得しておき、HOB_L,HOB_Rを使った関数式にして記憶し、実際の高輝度光と高輝度光からの距離とHOB_L,HOB_Rの出力レベルとから補正を行う(補正値を算出する)ようにすれば効率的である。
このように、本実施形態においても、高輝度光の左右のどちらに位置するかに応じて、HOB_L領域とHOB_R領域のどちらの出力値を用いて画素出力を補正するかを切り替えている。これにより、高輝度光の両側で均等でないレベル変動が生じている場合においても、好適な補正を行うことが可能となる。
(第2の実施形態の応用例)
図9〜図11は、第2の実施形態の応用例を示す。
図9は図8の特性をもつイメージセンサにおいて高輝度光の入射座標がX方向にずれている場合であり、補正方法は図8で説明したものと同様である。
図10は図8の特性のイメージセンサと比べて、レベル変動の方向が逆の特性をもつイメージセンサの例であるが、図8で説明したものと同様の方法で補正可能である。
図11は、図8の特性をもつイメージセンサ内の2箇所に高輝度光が入射した場合である。図8の特性は、高輝度光の左側はマイナスレベル変動、高輝度光の右側はプラスレベル変動であるので、高輝度部と高輝度部間(X=4)は、レベル変動が打ち消しあい、画像としてほとんど気にならない状態になる。従って補正するのは、X=0〜1を高輝度光の左側として、X=7〜9を高輝度光の右側として夫々図8で説明した方法で補正すればよい。
ここで、第2の実施形態の中で、レベル変動の傾向をイメージセンサの座標とともにあらかじめデータとして取得し関数化することを述べたが、データ取得時と実際にイメージセンサで画像撮影したときの環境(周囲温度など)とに差があった場合、十分な補正効果が得られないことも考えられる。これは、レベル変動の原因となるイメージセンサ内部の配線抵抗などが周囲温度などにより変化することによる。
この場合は、関数式から求められた補正値に重み付け係数を乗じた値で補正するようにしてもよい。
また、高輝度光が受光された座標(位置)によってレベル変動特性が変わることがわかっている場合は、重み付け係数を高輝度光が受光された座標(位置)によって変更してもよい。
また、上記の実施形態で示した補正をパーソナルコンピュータ上のアプリケーションによって行うようにしても良い。
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。

Claims (6)

  1. 遮光されていない複数の画素が二次元的に配置された有効画素領域と、該有効画素領域の両側に配置された遮光された画素からなる第1のオプティカルブラック領域および第2のオプティカルブラック領域とを有する撮像素子と、
    前記撮像素子に高輝度光が入射した場合に、前記有効画素領域内の前記高輝度光が入射した画素部である高輝度部と前記第1のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第1のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正し、前記高輝度部と前記第2のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第2のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記補正手段は、前記高輝度部の位置と補正の対象となる補正対象画素との距離に応じて、前記第1のオプティカルブラック領域の出力信号又は前記第2のオプティカルブラック領域の出力信号に所定の係数を乗算した値を補正量として用いることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記有効画素領域に予め高輝度光を入射させた場合の、前記高輝度部と前記第1のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号と、前記高輝度部と前記第2のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号とを記憶し、前記補正手段は、該記憶された情報に基づいて補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記補正手段は、前記記憶された情報に所定の係数を乗算した値を補正量として用いることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 遮光されていない複数の画素が二次元的に配置された有効画素領域と、該有効画素領域の両側に配置された遮光された画素からなる第1のオプティカルブラック領域および第2のオプティカルブラック領域とを有する撮像素子を備える撮像装置を制御する方法であって、
    前記撮像素子に高輝度光が入射した場合に、前記有効画素領域内の前記高輝度光が入射した画素部である高輝度部と前記第1のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第1のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正し、前記高輝度部と前記第2のオプティカルブラック領域との間の画素の出力信号を前記第2のオプティカルブラック領域の出力信号を用いて補正する補正工程を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
  6. 請求項5に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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