JP2010182940A - 熱電変換素子及びそれを用いた熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換素子及びそれを用いた熱電変換モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】Bi、Sb、Te、Seを主成分とする熱電変換材料からなる熱電変換素子において、元素の拡散防止効果が高く、しかも工業的に安価に形成し得る拡散防止層を有する熱電変換素子、及びそれを用いた優れた耐久性を有する熱電変換モジュールを提供すること。
【解決手段】Bi、Sb、Te及びSeの内の2つ以上の元素を含む合金からなる熱電変換材料1からなる熱電変換素子10において、前記熱電変換材料1の表面に、異種元素の拡散を防止する拡散防止層2として、Coからなる金属層を形成し、前記拡散防止層2上に、前記拡散防止層2と電極を半田あるいは銀ペーストにより接合するための接合層3として、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Al、Ti及びCrの内の1つ以上の元素を含む金属層または合金層を形成する。
この熱電変換素子10を、半田あるいは銀ペーストにより電極と接合して、熱電変換モジュールを作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱電発電及び熱電冷却等に応用される熱電変換素子及びそれを用いた熱電変換モジュールに関し、特に、異種元素の拡散を防止する拡散防止層を有し、熱電変換素子の性能劣化を防止し得る熱電変換素子、及びそれを用いた優れた耐久性を有する熱電変換モジュールに関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する熱電変換モジュールは、トムソン効果、ペルチェ効果、ゼーベック効果等の熱電効果を発現するp型及びn型の熱電変換素子を組み合わせて構成される。熱電変換素子を形成する熱電変換材料としては、現在では、Bi、Sb、Te、Seを主成分とする熱電変換材料が広く利用されている。これらの熱電変換材料からなる熱電変換素子は、ペルチェ効果を利用した温度制御用のモジュールに利用されており、その使用環境温度は180℃以下の比較的低温である。
ところが、これらの熱電変換素子をゼーベック効果を利用した熱電発電用のモジュールに適用する場合には、通常、180℃より高温下で使用される。この場合、熱電変換素子とそれに隣接する層との拡散が問題となる。例えば、熱電変換素子と半田や銀ペーストとの境界において、半田成分や銀が熱電変換素子側に拡散して、熱電変換素子の性能や熱電変換モジュールの耐久性に悪影響を及ぼし、実用上大きな問題となる。
このような問題を解決するため、熱電変換素子と半田あるいは銀ペーストの間に拡散を防止する拡散防止層を形成することが試みられている。例えば、特許文献1には、非磁性の金属または合金からなる拡散防止層を有する熱電変換素子が開示されている。また、特許文献1には、半田付け性向上のため、拡散防止層上にNi等からなる膜を形成することが開示されている。特許文献2には、Bi、Sb、Te、Seの内の2つ以上の元素を含む熱電変換素子の表面に、拡散防止層として、イオンプレーティング法やスパッタ法によりMo、W等を含む層を形成し、さらにNi等からなる半田接合層を形成した熱電変換素子が開示されている。特許文献3には、Bi−Te−Se系合金若しくはBi−Sb−Te系合金の熱電変換素子に、真空成膜法により3価若しくは4価元素との合金層を設け、その合金層の表面に、Ti、Cr、Mo等からなる拡散防止層、Ni層、半田濡れ性向上層を形成した熱電変換素子が開示されている。
特開2001−28462号公報 特開2008−10612号公報 特開平11−186616号公報
特許文献1に記載された拡散防止層は、Ag、Mo、W、Ti等からなり、めっき法や蒸着法で形成されたものである。特許文献1では、この拡散防止層の効果を、200℃、2分間のはんだ付けによる変化のみで評価しており、熱電発電用のモジュールの拡散防止層として適用できるか判断することができない。また、Mo、Wは、めっき法では膜形成が困難であり、蒸着法ではコストがかかり、工業的ではない。
特許文献2に記載されたイオンプレーティング法にて形成されたMoを含む拡散防止層は、優れたバリア効果を示しているが、これはAr雰囲気中での結果である。実使用においては大気中での評価が必要であるが、後述の実施例中の比較例2と4に示すように、Mo膜は、大気中では拡散防止層としては適さない。
特許文献3の熱電変換素子は、熱電変換素子と拡散防止層の間に3価若しくは4価元素との合金層を設ける必要がある上、拡散防止層の上に形成されるNi層、半田濡れ性向上層の形成の全体のプロセスを真空成膜法で行うため、特許文献2の熱電変換素子と同様にプロセスコストがかかり、工業的ではない。
そこで、本発明は、Bi、Sb、Te、Seを主成分とする熱電変換材料からなる熱電変換素子において、元素の拡散防止効果が高く、しかも工業的に安価に形成し得る拡散防止層を有する熱電変換素子、及びそれを用いた優れた耐久性を有する熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
上記拡散防止層としては、熱電変換材料に接する層に含まれる元素が、熱電変換材料に拡散するのを防止し、且つ拡散防止層自体に含まれる元素が、熱電変換材料に拡散したり、熱電変換材料の元素が拡散したりしないことが必要であり、また熱電変換材料との界面の接着強度が使用雰囲気下で低下しないことが必要である。
本発明者等は、このような条件を満たす拡散防止層について鋭意検討した結果、特定の金属元素を含む金属層が、拡散防止層として上記条件を満たすものであること、しかも該金属層は工業的に安価に形成し得るものであり、該金属層を拡散防止層として有する熱電変換素子は、上記の本発明の目的を達成するものであることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、Bi、Sb、Te及びSeの内の2つ以上の元素を含む合金からなる熱電変換材料の表面に、異種元素の拡散を防止する拡散防止層として、Coからなる金属層が形成されており、前記拡散防止層上に、前記拡散防止層と電極を半田あるいは銀ペーストにより接合するための接合層として、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Al、Ti及びCrの内の1つ以上の元素を含む金属層または合金層が形成されていることを特徴とする熱電変換素子を提供するものである。
また、本発明は、前記の本発明の熱電変換素子において、前記拡散防止層が、めっき法により形成され、その厚さが3〜15μmであることを特徴する熱電変換素子を提供するものである。
また、本発明は、前記の本発明の熱電変換素子において、前記拡散防止層が、イオンプレーティング法またはスパッタ法により形成され、その厚さが0.2〜2μmであることを特徴する熱電変換素子を提供するものである。
また、本発明は、前記の本発明の熱電変換素子において、前記接合層が、めっき法により形成され、その厚さが1〜15μmであることを特徴する熱電変換素子を提供するものである。
また、本発明は、前記の本発明の熱電変換素子において、前記接合層が、イオンプレーティング法またはスパッタ法により形成され、その厚さが0.1〜1μmであることを特徴する熱電変換素子を提供するものである。
また、本発明は、前記の本発明の熱電変換素子と電極とを半田あるいは銀ペーストにより接合してなることを特徴とする熱電変換モジュールを提供するものである。
本発明の熱電変換素子は、元素の拡散防止効果が高い拡散防止層を有し、耐久性に優れる。しかも、この拡散防止層は、工業的に安価な方法で形成することができる。
また、本発明の熱電変換モジュールは、本発明の熱電変換素子を用いているため、優れた耐久性を有する。
本発明の熱電変換素子の一実施形態の断面図である。 本発明の熱電変換モジュールの一実施形態の断面図である。 実施例1及び比較例1と2の熱電変換素子の暴露試験前後の熱電変換材料と拡散防止層との界面の組織写真を示す図である。
以下、まず本発明の熱電変換素子の好ましい一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の熱電変換素子の一実施形態の断面図である。図1に示すように、本実施形態の熱電変換素子10は、熱電変換材料1と、該熱電変換材料1の両面に形成された、異種元素の拡散を防止する拡散防止層2と、該拡散防止層2上のそれぞれに形成された、該拡散防止層と電極を半田あるいは銀ペーストにより接合するための接合層3とから構成されている。
熱電変換材料1は、Bi、Sb、Te及びSeの内の2つ以上の元素を含む合金からなる。p型の熱電変換素子を形成する熱電変換材料としては、Bi、Sb、Teからなる合金が好ましく、n型の熱電変換素子を形成する熱電変換材料としては、Bi、Teからなる合金あるいはBi、Te、Seからなる合金が好ましい。
拡散防止層2は、Coからなる金属層で、好ましくはCoを80質量%以上、さらに好ましくはCoを90質量%以上含むCoからなる金属層である。このCoからなる金属層には、Co以外の元素、例えば、Ni、P、W、Mo、Nb、Ta等を好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下の割合で添加することもできる。Coからなる金属層中のCo以外の元素の割合が20質量%超となると、即ちCoの含有量が80質量%未満になると、添加された他の元素が熱電材料に拡散して悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
この拡散防止層2は、接合層3に含まれる元素が、熱電変換材料1に拡散するのを防止することにより、熱電変換素子の熱電性能の低下を抑制する。さらに、この拡散防止層2は、拡散防止層2自体に含まれる元素が、熱電変換材料1に拡散したり、熱電変換材料1の元素が拡散防止層2に拡散したりすることがなく、且つ、熱電変換材料1と拡散防止層2との界面の接着強度が使用雰囲気下で低下することがない。
前記拡散防止層2の形成方法としては、めっき法や、イオンプレーティング法またはスパッタ法が適用できる。このうち、めっき法が工業的に安価に形成できるため、最も好ましい方法である。めっき法の場合、拡散防止層2の厚さは3〜15μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。拡散防止層2の厚さが3μm未満では、ピンポールが出来やすいため、拡散防止層として機能しない可能性がある。また、15μmより厚くしても、拡散防止機能には変化はなく、成膜時間とめっき原料の使用量が増加し、コストが高くなり、工業的でない。めっき方法としては、電解、無電解のいずれも適用できる。電解めっきであれば、ほぼ100%Coの成膜が可能であり、他元素としてNi、P、W、Mo、Nb、Ta等を20質量%まで含んでもよい。無電解めっきであれば、約10質量%までのPを含んでもよい。
拡散防止層2をイオンプレーティング法またはスパッタ法により形成する場合、拡散防止層2の厚さは0.2〜2μmが好ましく、0.5〜1μmがより好ましい。拡散防止層2の厚さが0.2μm未満では、ピンポールにより、拡散防止層として機能しない可能性がある。また、2μmより厚くしても、拡散防止機能には変化はなく、形成時に、膜応力により剥離の可能性が高くなり、また成膜時間も長くなりコストが高くなる。組成としては、100%Coとすることが好ましい。
接合層3は、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Al、Ti及びCrの内の1つ以上の元素を含む金属層または合金層からなる。
接合層3は、熱電変換素子10の拡散防止層2と電極を接合する方法としての半田あるいは銀ペーストとの接合性を高めるために設けられる。接合層3は、電極を半田により接合する場合は、Ni膜からなる層であることが特に好ましく、電極を銀ペーストにより接合する場合は、Ag膜からなる層、Au膜からなる層であることが特に好ましい。
接合層3の形成方法としては、めっき法や、イオンプレーティング法またはスパッタ法が適用できるが、拡散防止層2の形成方法と同じ方法とすることが工業的にコストを抑えることができるので好ましい。このうち、めっき法が工業的に安価で形成できるため、最も好ましい方法である。めっき法の場合、接合層3の厚さは1〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。接合層3の厚さが1μm未満では、ピンポールが出来やすいため、接合層として機能しない可能性がある。また、15μmより厚くしても、接合層としての機能には変化はなく、成膜時間とめっき原料の使用量が増加し、コストが高くなり、工業的でない。
接合層3をイオンプレーティング法またはスパッタ法により形成する場合、接合層3の厚さは0.1〜1μmが好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましい。接合層3の厚さが0.1μm未満では、ピンポールにより、接合層として機能しない可能性がある。また、1μmより厚くしても、接合層としての機能には変化はなく、形成時に、膜応力により剥離の可能性が高くなり、また成膜時間も長くなりコストが高くなる。
次に、前述の本発明の熱電変換素子を用いた本発明の熱電変換モジュールの好ましい一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、図1に示す本発明の熱電変換素子10を適用した本発明の熱電変換モジュールの一実施形態の断面図である。
図2に示すように、本実施形態の熱電変換モジュールは、本発明のp型とn型の熱電変換素子10と、電極4と、該熱電変換素子10と該電極4とを接合する半田あるいは銀ペーストから形成された接着層11とから構成され、p型とn型の熱電変換素子10が、電気的に直列に接続されるように電極4と接合されている。
電極4としては、熱電変換モジュールに従来より使用されている電極を用いることができるが、そのなかでもCu電極が好ましい。また、電極の表面には、接合層3と同じ金属層または合金層が形成されていることが好ましい。
電極4を半田により接合する場合には、接着層11の厚さは10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
また、電極4を半田により接合する場合の接合方法としては、本発明の熱電変換材料の耐熱温度が300℃であるため、融点が300℃以下のSn−Ag−CuやSn−Cu−Biのクリーム半田をディスペンス法、スクリーン印刷法等で塗布し、300℃以下で融点以上に加熱して接合することができる。
また、電極4を銀ペーストにより接合する場合には、接着層11の厚さは10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
銀ペーストは、主に銀粒子と揮発性溶媒とから構成されたものであり、市販品を用いることもできる。
銀粒子としては、その平均粒子径が0.001〜50μmのものが好ましく、また炭素含有量が2質量%以下のものが好ましい。
また、前記揮発性溶媒としては、水、炭素原子数2〜10の揮発性一価アルコール等のの揮発性アルコール、低級n−パラフィン、低級イソパラフィン等の揮発性脂肪族炭化水素、トルエン等の揮発性芳香族炭化水素、揮発性ケトン、揮発性酢酸エステル、揮発性脂肪族カルボン酸エステル、揮発性エーテル、低分子量の揮発性シリコーン、揮発性有機変成シリコーンオイル等が挙げられる。
揮発性溶媒の配合量は、銀粒子をペースト状にし得る量であればよく、通常、銀粒子100質量部に対し5〜20質量部程度である。
電極4を銀ペーストにより接合する場合、その接合方法としては、ディスペンス法、スクリーン印刷法等で塗布し、100〜300℃に加熱して接合することができる。
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
粉末焼結法によりBi−Te系の熱電変換材料を製造した。n型は、Bi Te 、p型は、Bi0.15Sb1.85Te とした。p型及びn型の熱電変換材料の形状は、12mm×12mm×3mm高さに加工した。p型及びn型の熱電変換材料のそれぞれの12mm×12mmの両面に拡散防止層として、電解めっき法で厚さ6μmのCo膜を形成した。このCo膜をX線マイクロアナライザー(EPMA)で分析した結果では、Co以外の不純物は確認されず、ほぼ100%Coと判断した。次いで、このCo膜上に、接合層として、電解めっき法で厚さ3μmのAg膜を形成し、熱電変換素子を作製した。
比較例1
実施例1において、拡散防止層として、Co膜の代わりに、電解めっき法で厚さ6μmのNi膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換素子を作製した。
比較例2
実施例1において、拡散防止層として、Co膜の代わりに、スパッタ法で厚さ1μmのMo膜を形成し、次いで、接合層として、スパッタ法で厚さ0.2μmのAg膜を形成し、熱電変換素子を作製した。
実施例1及び比較例1と2の熱電変換素子を大気中240℃で500時間の暴露試験を行い、熱電変換材料と拡散防止層との界面組織の変化と、剥離強度の変化を調べた。剥離強度は、めっきされた面の中央を2mm×2mmの範囲でダイシング加工を行い、そこに引張用のφ1mmの棒を半田付けし、引張試験により評価した。
図3に実施例1及び比較例1と2のn型の熱電変換素子の暴露試験前後の熱電変換材料と拡散防止層との界面の組織写真を、表1にn型とp型の熱電変換素子の暴露試験前後の剥離強度を示す。
図3と表1から、実施例1の熱電変換素子においては、暴露試験前後での界面組織にほとんど変化はなく、また、剥離強度も高い値でほとんど低下はなく、Co膜が拡散防止層として、有効であることがわかる。一方、比較例1の熱電変換素子においては、暴露試験後に熱電変換材料側に反応層が認められ、EPMA分析の結果、Niが拡散した結果であることが判明した。また、暴露試験後のNi膜の拡散防止層と熱電変換材料側の反応層との界面に剥離が認められるが、これは、表1に示したように、暴露試験後の剥離強度の大幅な低下が認められることから、断面観察用に切断した際に剥離したものと考えられる。このことから、Ni膜中のNiが熱電変換材料側に拡散し、剥離強度の低下を引き起こしており、Ni膜の拡散防止層が有効でないことがわかる。
一方、比較例2においても暴露試験後に熱電変換材料側に反応層が認められる。なお、比較例2においてはスパッタ法によるAg膜は薄いため、組織写真では観察されない。EPMA分析の結果、この反応層は酸素が拡散した結果で、Moは拡散していないことが判明した。酸素の拡散はMoスパッタを施していない熱電変換材料の側面でも観察されたが、その厚さは約4分の1であり、原因は不明であるが、スパッタ法によるMo膜により酸素の拡散が助長されることがわかった。また、表1に示したように、比較例1と同様に暴露試験後の剥離強度の大幅な低下が認められる。このことから、酸素が熱電変換材料側に拡散し、剥離強度の低下を引き起こしており、Mo膜中のMoは熱電変換材料側に拡散しないものの、大気中においては酸素の拡散を助長するため、拡散防止層が有効でないことがわかる。
実施例2
実施例1の熱電変換素子をp型及びn型各18個を用意し、3μmのAgめっきを施したCu電極でp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とを交互に図2に示すように電気的に直列に接合し、熱電変換モジュールを作製した。熱電変換素子と電極との接合は、市販の銀ペースト(ドーデント:日本はんだ社製)を用いた。
比較例3
実施例2において、実施例1の熱電変換素子の代わりに、比較例1の熱電変換素子を用いた以外は、実施例2と同様にして、熱電変換モジュールを作製した。
比較例4
実施例2において、実施例1の熱電変換素子の代わりに、比較例2の熱電変換素子を用いた以外は、実施例2と同様にして、熱電変換モジュールを作製した。
実施例2及び比較例3と4の熱電変換モジュールをそれぞれ、電気ヒーターと水冷板で挟み込み、低温面を30℃、高温面を250℃に設定することにより220℃の温度差を印加し、発電特性の評価を行った。表2に500時間試験前後の発電出力と内部抵抗の変化を示す。実施例2の熱電変換モジュールにおいては、発電出力と内部抵抗の変化はほとんど認められない。これは実施例1の結果から判るように、拡散防止層のCo膜が有効に働いているためで、優れた耐久性の熱電変換モジュールが得られていることがわかる。一方、比較例3と4の熱電変換モジュールにおいては、発電出力の低下と内部抵抗の上昇が認められる。これは比較例1と2の結果から判るように、反応層の形成や、それにより剥離強度が低下し、温度差によって生ずる熱応力により、界面に微細な亀裂等が発生し、界面領域の電気抵抗が上昇したことにより、発電出力が低下したためであり、耐久性に問題のあることがわかる。
本発明は、熱電変換材料のゼーベック効果を利用した熱電発電用のモジュール並びにそこで用いられる熱電変換素子の製造において利用することが可能である。
1 熱電変換材料
2 拡散防止層
3 接合層
4 電極
10 熱電変換素子
11 半田あるいは銀ペーストから形成された接着層

Claims (6)

  1. Bi、Sb、Te及びSeの内の2つ以上の元素を含む合金からなる熱電変換材料の表面に、異種元素の拡散を防止する拡散防止層として、Coからなる金属層が形成されており、前記拡散防止層上に、前記拡散防止層と電極を半田あるいは銀ペーストにより接合するための接合層として、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Al、Ti及びCrの内の1つ以上の元素を含む金属層または合金層が形成されていることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記拡散防止層が、めっき法により形成され、その厚さが3〜15μmであることを特徴する請求項1記載の熱電変換素子。
  3. 前記拡散防止層が、イオンプレーティング法またはスパッタ法により形成され、その厚さが0.2〜2μmであることを特徴する請求項1記載の熱電変換素子。
  4. 前記接合層が、めっき法により形成され、その厚さが1〜15μmであることを特徴する請求項1記載の熱電変換素子。
  5. 前記接合層が、イオンプレーティング法またはスパッタ法により形成され、その厚さが0.1〜1μmであることを特徴する請求項1記載の熱電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱電変換素子と電極とを半田あるいは銀ペーストにより接合してなることを特徴とする熱電変換モジュール。
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