JP2010182606A - リチウム空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極であるガス拡散型電極をカーボンとバインダーのみで構成し、更に、使用するカーボンに化学処理を施すことによって特性を改善した正極を用いることによって高性能なリチウム空気電池を提供すること。
【解決手段】カーボン及びバインダーを構成要素とする正極1と、金属リチウムを構成要素とする負極8とが設けられ、正極1と負極8との間に有機電解液10が配置され、正極1の一方の面が有機電解液10に接触し、他方の面が空気に接触する構造を有するリチウム空気電池において、正極1の構成要素として使用するカーボンの比表面積が、アルカリ賦活処理によって、例えば 2400m/gにまで増大したカーボンであることを特徴とするリチウム空気電池を構成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、空気中の酸素を正極活物質として使用するリチウム空気電池に関する。
市販型亜鉛空気電池は、電池重量当たりで 300mAh/g程度の大きな放電容量を有することから、主に補聴器などに用いられている。しかしながら、非水電解液を用いるリチウム系の電池と比較すると 1V級の電圧しか得られないため、広範な利用は難しいと考えられている。
近年、正極反応系として亜鉛空気電池と同様な酸素の電気化学的な還元を用いて、負極として亜鉛にかわって金属リチウムを組み合わせ、また電解液として有機溶媒を用いることによって、リチウム空気電池を作製する試みが行われている。
これまでに下記特許文献1や非特許文献1に報告されているように、正極であるガス拡散型電極に適切な触媒を添加することにより、電池性能を改善することが試みられている。
電極触媒については、特許文献1では有機金属錯体であるフタロシアニン、非特許文献1では主にFeやCoなどの遷移金属酸化物が、それぞれ検討されている。その結果、特許文献1に記載の電池では大電流特性が改善され、非特許文献1に記載の電池では、正極に含まれるカーボンの重量当たりで 1000〜3000Ah/gの非常に大きな放電容量が得られている。
しかしながら、このような触媒の添加は、電極作製に関する材料費の上昇やプロセスの複雑化などの問題をもたらす。
特開2004−63262号公報
A. Debart et al., Journal of Power Sources, Vol. 174, pp. 1177-1182 (2007).
本発明は、前記のコストやプロセスに関する問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、正極であるガス拡散型電極をカーボンとバインダーのみで構成し、更に、使用するカーボンに化学処理を施すことによって特性を改善した正極を用いることによって高性能なリチウム空気電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載のように、
カーボン及びバインダーを構成要素とする正極と、金属リチウムまたは、リチウムイオンを放出することができる物質を構成要素とする負極とが設けられ、前記正極と前記負極との間に有機電解液が配置され、前記正極の一方の面が前記有機電解液に接触し、他方の面が空気に接触する構造を有するリチウム空気電池において、前記正極の構成要素として使用するカーボンが、アルカリ賦活処理によって比表面積が増大したカーボンであることを特徴とするリチウム空気電池を構成する。
また、本発明においては、特許請求の範囲の請求項2に記載のように、
前記正極の構成要素として使用するカーボンの、N吸着によるBET法により求めた比表面積が 2400m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム空気電池を構成する。
また、本発明においては、特許請求の範囲の請求項3に記載のように、
前記正極の構成要素として使用するカーボンの、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積がカーボン 1g当たりで 0.4ml以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム空気電池を構成する。
また、本発明においては、特許請求の範囲の請求項4に記載のように、
前記正極の構成要素として使用するカーボンの、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積の全細孔容積に対する割合が 20%以上であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のリチウム空気電池を構成する。
また、本発明においては、特許請求の範囲の請求項5に記載のように、
前記正極の前記有機電解液に対する接触角が 95°以下であることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のリチウム空気電池を構成する。
本発明によれば、触媒の添加を行うことなく、多孔質カーボンとバインダーのみで高活性なガス拡散型正極を作製することが可能となり、同正極を用いることによって、低コストで非常に大きな放電容量を示すリチウム空気電池を提供することが可能となる。
カーボンの水銀圧入法により測定した細孔分布図である。 リチウム空気電池セルの断面図である。 実施例1、実施例2及び比較例1におけるリチウム空気電池の放電特性を示す図である。
本発明に係るリチウム空気電池は、カーボン及びバインダーを構成要素とする正極(ガス拡散型電極)と、金属リチウムまたはリチウムイオンを放出することができる物質を構成要素とする負極と、前記正極と前記負極との間に有機電解液が配置される構成となっている。
前記正極に用いるカーボンとして、アルカリ賦活処理によって多孔性が付与されたカーボンを用いることによって、大きな放電容量を得ることが可能となる。大きな放電容量を得るためには、カーボン電極中に電解液が浸透し、同時にガスが供給され、カーボン電極-電解液-ガス(酸素)が共存して、電極反応が進行する三相界面サイトが大量に形成されなければならない。
そのために、前記正極に使用する多孔質カーボンは、N吸着によるBET法により求めた比表面積が 2400m/g以上になるようにアルカリ賦活処理を行うことが望ましく、このような比表面積の増大によって、電極上での三相界面サイトの形成が促進される。
また、本発明をなすにいたる過程において、三相界面サイトの形成がカーボン中の細孔に大きく依存することが見出された。すなわち、前記正極に使用するカーボンの、細孔径 0.2μm以下の細孔が、電極反応が進行する三相界面の主要なサイトとなり、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積がカーボン 1g当たりで 0.4ml(ミリリットル)以上である場合に大きな放電容量が得られる。
前記正極に使用する多孔質カーボンの、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積の全細孔容積に対する割合が 20%以上である場合に、電極全体に反応サイトが形成され、大きな放電容量を得ることが可能となる。
また、前記正極に使用するカーボンは、前記電解液との接触が充分に確保されていなければならず、電極の濡れ性の尺度である前記有機電解液に対する前記正極の接触角が 95°以下になるように、多孔質カーボンのアルカリ賦活処理を行うことが望ましい。
本発明に係るリチウム空気電池の構造や構成材料について、以下に記す。
正極活物質である酸素の電気化学的還元反応が進行するガス拡散型電極を形成するには、カーボン粉末とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末との混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着成形する、あるいは、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にして金属メッシュ又はカーボンクロス上に塗布し乾燥する、等の手段によって形成され、電極の片面は大気に曝され、またもう一方の面は電解液と接する。また、電極の強度を高め電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなくホットプレスを行うことによっても、より安定性に優れた電極を作製可能である。
なお、バインダーとしては、上記のPTFEだけでなく、ポリフッ化ビニリデン、ポリブタジエンゴムなどの粉末もしくは分散液も用いることができる。
ガス拡散型電極上での反応は次のように表すことができる。
2Li + (1/2)O + 2e → LiO (1)
2Li + O + 2e → Li (2)
上式中のリチウムイオン(Li)は、負極から電気化学的酸化により溶解し、電解液中を正極表面まで移動してきたものである。また、酸素は、大気中からガス拡散型電極内部に取り込まれたものである。
正極に用いるカーボンとしては、三相界面の形成を促すために、多孔性であることが望ましく、また、電解液に対してある程度の濡れ性を有していることが必要であり、具体的には、アルカリ賦活処理によって、以下の条件を満たすように、カーボンの多孔性や濡れ性をコントロールすることができ、高活性なカーボンを得ることが可能である。
(条件1)N吸着によるBET法により求めたカーボンの比表面積が 2400m/g以上であること。
(条件2)カーボンの、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積がカーボン 1g当たりで 0.4ml(ミリリットル)以上であること。なお、本発明では、細孔径 0.2μm以下の細孔を「一次孔」と定義する。
(条件3)カーボンの、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積(一次孔容積)の全細孔容積に対する割合が 20%以上であること。
(条件4)電極反応が進行するために、前記電解液との接触が十分に確保されていなければならず、電極の濡れ性の尺度である前記電解液に対する接触角が、95°以下であること。
負極の活物質としては、金属リチウム、もしくは、リチウムイオンを放出することができる物質である、リチウムを含むシリコンやスズとの合金やLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物も使用することができ、リチウム二次電池負極材料として用いることができる材料であれば使用することができる。しかしながら、合成時にリチウムを含まないシリコンやスズなどを用いる場合には、前もって化学的処理または電気化学的処理によって、それらの材料がリチウムを含む状態にあるようにしておく必要がある。
放電時の負極(金属リチウム)の反応は以下のように表すことができる。
Li → Li + e (3)
電解液としては、正・負極間でリチウムイオンの移動が可能な物質であればよく、リチウムイオンを含む金属塩を溶解した非水溶媒を使用でき、あるいはリチウムイオン導電性を有する固体電解質や高分子電解質や、リチウム金属塩を溶解させたイオン液体も使用可能である。
セパレータ、電池ケース等の構造材料等他の要素についても、従来公知の各種材料が使用でき、特に制限はない。
電池の作製は、露点が -60℃以下の乾燥空気中で行い、電池の放電試験は、通常の生活環境下で行った。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るリチウム空気電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
カーボンのアルカリ賦活処理は、以下のようにして行った。
オイルバス内に設置した 500ml(ミリリットル)の丸底フラスコ内に 8モル/リットルの濃度のKOH水溶液を 200ml入れ、表1に示すカーボンA(比表面積 100m/g)を 5g投入し、マグネチックスターラーで撹拌しながら、フラスコにはリービッヒ冷却管を繋ぎ、それに冷却水を流し、蒸発によりアルカリ水溶液がなくならないように還流を行いながら、温度を 80℃に設定し、6時間のアルカリ賦活処理を行った。このようにして得られたカーボンをカーボンBとする。
このとき、使用するアルカリ水溶液は、強アルカリ性のものが望ましく、具体的には、濃度 6モル/リットル以上のKOH水溶液もしくはNaOH水溶液、または 20重量%以上のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含む水溶液を用いるのが好適である。また、処理時間などは、原料として用いるカーボン粉末の粒子の大きさなどによって影響されるが、最適な処理条件を設定することにより、本実施例に示すような効果が得られる。
カーボンA及びBの性状に関し、平均粒径については電子顕微鏡で観察を行い、複数個の粒子の直径を求めることにより算出した。また、他の性状については、N吸着によるBET法により比表面積を、水銀圧入法により細孔分布及び細孔容積を測定した。また、有機電解液に対する正極の接触角については、接触角計を用いて、正極上に電解液を滴下したときの写真撮影を行うことによって接触角の測定を行った。
図1に、カーボンBの細孔分布を、後述するカーボンの細孔分布と共に示す。図において、横軸の値(細孔径の値)以上の細孔径を有する細孔の累計容積(単位はml/g)が縦軸の値として示されている。上述したように、高活性な多孔質カーボンを得るためには、一次孔容積及び一次孔容積が全細孔容積に占める割合が非常に重要であり、これらの値を図1より求めた。
これらのカーボンの性状に関する数値を、その他のカーボンの性状に関する数値、および、それぞれのカーボンを用いて作製したリチウム空気電池の放電容量の数値と共に、表1に示す。
Figure 2010182606
表1に示すように、カーボンBは、アルカリ賦活処理を行っていないカーボンAよりも、平均粒径が小さくなり、比表面積が増大し、一次孔容積及び一次孔容積が全細孔容積に占める割合も著しく増加している。また、カーボンAの電解液に対する接触角(正確には、カーボンAを用いて作製した正極の電解液に対する接触角、以下同様)が 125°(deg)と非常に電解液をはじくのに対し、カーボンBについては、接触角が 95°と低下しており、電解液との濡れ性が増し、スムーズに電極反応が進行すると考えられる。
また、表1に示すカーボンBの性状に関する値は、上記した比表面積、一次孔、一次孔の割合及び接触角に関する条件(上記条件1〜4)を満たしていることがわかる。なお、後述するが、アルカリ賦活処理後のカーボンの性状は、アルカリ賦活処理の時間に依存し、変化した。
次に、ガス拡散型カーボン正極およびリチウム空気電池セルの作製法について説明を行う。
カーボンB粉末とPTFE粉末を 80:20の重量比で混合し、ロール成形し、シート電極(厚さ 0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径 23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスすることにより、ガス拡散型電極を得た。
図2に、円柱形のリチウム空気電池セルの断面図を示す。正極1は、PTFE被覆された正極支持体2の凹部に配置し、正極固定用PTFEリング3で固定した。なお、正極1と正極支持体2が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFE被覆されていない。また、正極1と空気とが接触する電極の有効面積は 2cmである。
次に、正極1の大気が接触する面とは逆面に、リチウム二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。負極固定用座金7に、負極8である厚さ 150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積 2cm)を同心円状に重ねて圧着した。負極固定用PTFEリング6を、正極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。Oリング9は、図に示すようにセットした。
セルの内部に、有機電解液10である、濃度 1モル/リットルの六フッ化リン酸リチウム/炭酸プロピレン(LiPF/PC)溶液を充填し、負極支持体11を被せて、PTFE被覆されたセル固定用ねじ12で、セル全体を固定した。電池性能の測定試験には、正極端子4と負極端子13を用いた。
電池の放電試験は、充放電測定システムを用いて、正極の有効面積当たりの電流密度を 0.1mA/cmとして通電し、電池電圧が開回路電圧から 2.0Vに低下するまで測定を行った。放電容量はカーボンの重量当たりの値(mAh/g)で示し、図3に放電曲線を、後述するカーボンを用いて作製した電池の放電曲線と共に示した。
図3より、カーボンBを用いたリチウム空気電池は、2.7Vの空気電池に特有な比較的平坦な放電電圧推移を示し、電池として動作していることがわかった。
また、比較のために、アルカリ賦活処理を行っていないカーボンAについても、セル作製を行い、放電試験を行った。このカーボンAを用いたセルの放電試験においては、電流密度を 0.1mA/cmとして通電し、電池電圧が開回路電圧から 1.0Vに低下するまで測定を行った。その結果を表1に示す。
表1より、カーボンBを用いたリチウム空気電池は、アルカリ賦活処理を行っていないカーボンAを用いたリチウム空気電池よりも、放電容量が約 20倍に増加しており、上記したようなアルカリ賦活処理による、種々のカーボン性状の改善が、効果的に電池特性の向上に寄与していることがわかる。
カーボンのアルカリ賦活処理は、カーボンAを用いて、処理時間以外の処理条件は実施例1と同一として、9時間のアルカリ賦活処理を行った。得られたカーボンをカーボンCとする。
カーボンCについては、実施例1と同様にして、カーボン性状の測定及び電池特性の評価を行った。その結果を表1に示すが、カーボンCの性状については、比表面積、一次孔容積、全細孔容積に占める一次孔容積の割合、及び接触角は、実施例1よりも更に改善され、リチウム空気電池について高性能が得られるための諸条件を満たしていることが確認された。特に、比表面積については、3100m/gと非常に大きな値を示した。
カーボンCを用いたセルの放電曲線を図3に、放電容量を表1に示す。図から明らかなように、該セルは、2.8V付近に空気電池に特有な非常に平坦な電圧領域を有する放電特性を示した。また、表より、カーボンAと比較すると約 70 倍、カーボンBと比較すると約 3 倍の大きな放電容量が得られ、著しい電池特性の改善が達成された。これは、アルカリ賦活処理の条件を最適化することで、より一層の電池特性の改善が可能であることを示唆しており、カーボンのアルカリ賦活処理の有用性が確認された。
[比較例1]
カーボンのアルカリ賦活処理は、カーボンAを用いて、処理時間以外の処理条件は実施例1と同一として、3時間のアルカリ賦活処理を行った。得られたカーボンをカーボンDとする。カーボンDについては、実施例1と同様にして、カーボン性状の測定及び電池特性の評価を行った。なお、電池特性の評価は、カーボンAを用いて作製したセルの場合と同様にして行った。
その結果を表1に示すが、カーボンDの性状については、比表面積、一次孔容積、全細孔容積に占める一次孔容積の割合、及び接触角は、リチウム空気電池について高性能が得られるための諸条件(上記条件1〜4)を満たしていないことがわかった。これは、アルカリ賦活処理して得られるカーボンの性状は、処理時間に大きく依存し、カーボンDの場合、アルカリ賦活処理時間が、実施例1及び2よりも短いために、カーボン表面への多孔性の導入が十分には進まなかったためと考えられる。
カーボンDを用いたセルの放電曲線を図3に、放電容量を表1に示す。図から明らかなように、該セルは、非常に大きな過電圧を示し、実施例1及び2で確認されたような放電電圧の平坦部分は見られず、放電容量も著しく小さいものであった。また、表より、アルカリ賦活処理を行っていないカーボンAと比較すると、約 2 倍の放電容量が得られているものの、実施例1及び2と比較すると、放電容量の値自体は非常に小さく、アルカリ賦活処理の効果が十分でないといえる。これは、アルカリ賦活処理によるカーボンの特性改善が不十分であるため、リチウム空気電池について高性能が得られるための諸条件(上記条件1〜4)を満たしていないためである。
以上の結果より、カーボンへのアルカリ賦活処理を行う際の諸条件が、処理後のカーボンを用いて作製した電池の性能を大きく影響することがわかり、さらに、アルカリ賦活処理を行う際の諸条件を適切に選ぶことによって、高性能なリチウム空気電池を作製するために有用なカーボンが得られることが確認された。
[産業上の利用の可能性]
以上のように、本発明によれば、放電容量やコスト面に優れたリチウム空気電池を作製することができ、このリチウム空気電池を様々な電子機器の駆動源として使用することができる。
1:正極(ガス拡散型電極)、2:正極支持体(PTFE被覆)、3:正極固定用PTFEリング、4:正極端子、5:セパレータ、6:負極固定用PTFEリング、7:負極固定用座金、8:負極、9:Oリング、10:有機電解液、11:負極支持体、12:セル固定用ねじ(PTFE被覆)、13:負極端子。

Claims (5)

  1. カーボン及びバインダーを構成要素とする正極と、金属リチウムまたは、リチウムイオンを放出することができる物質を構成要素とする負極とが設けられ、前記正極と前記負極との間に有機電解液が配置され、前記正極の一方の面が前記有機電解液に接触し、他方の面が空気に接触する構造を有するリチウム空気電池において、
    前記正極の構成要素として使用するカーボンが、アルカリ賦活処理によって比表面積が増大したカーボンであることを特徴とするリチウム空気電池。
  2. 前記正極の構成要素として使用するカーボンの、N吸着によるBET法により求めた比表面積が 2400m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム空気電池。
  3. 前記正極の構成要素として使用するカーボンの、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積がカーボン 1g当たりで 0.4ml以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム空気電池。
  4. 前記正極の構成要素として使用するカーボンの、水銀圧入法により求めた細孔径 0.2μm以下の細孔容積の全細孔容積に対する割合が 20%以上であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のリチウム空気電池。
  5. 前記正極の前記有機電解液に対する接触角が 95°以下であることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のリチウム空気電池。
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