JP2010212198A - リチウム空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム空気電池において、触媒を用いず、カーボンとバインダーのみを用いて正極を構成することによって、低コストで作製可能となるリチウム空気電池を提供すること。
【解決手段】カーボン及びバインダーからなるカーボン正極3と、金属リチウム負極5とを具備し、カーボン正極3と金属リチウム負極5との間に非水電解液を配置して構成されるリチウム空気電池において、カーボン正極3に用いられるカーボンの、X線回折測定においてシェラー(Sherrer)の式より算出される結晶子径が15Å以下であることを特徴とするリチウム空気電池を構成する。
【選択図】図3

Description

本発明はリチウム空気電池に関するものである。
リチウム空気電池は、理論容量が数千mAh/g以上の大きな放電容量を有することから注目を集めている。電池性能を向上させるために、下記特許文献1や非特許文献1に報告されているように、正極であるガス拡散型電極に適切な触媒を添加することが試みられている。
特許文献1では、有機金属錯体であるフタロシアニンを添加することが検討されている。また、非特許文献1では、Pt等の貴金属やCo等の酸化物の触媒を添加することによって、放電容量が 2000mAh/g以上、5回サイクル後の残容量が 90%以上を達成するなどの高い性能が示されている。しかしながら、これらの手法では、作製プロセスの複雑化や材料によるコスト増大が問題となると考えられる。
特許第4015899号公報(特開2004−063262号公報)
"An O2 cathode for rechargeable lithium batteries: The effect of a catalyst", A. Debart, J. Bao, G. Armstrong, P. G. Bruce., Journal of Power Sources, Vol. 174, pp. 1177-1182 (2007).
上述したように、正極に触媒を用いるリチウム空気電池は、作製プロセスの複雑化や材料による高コスト化が問題となっている。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、リチウム空気電池において、触媒を用いず、カーボンとバインダーのみを用いて正極を構成することによって、低コストで作製可能となるリチウム空気電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載のように、
カーボン及びバインダーからなる正極と、金属リチウムまたはリチウムイオンの放出が可能な物質からなる負極とを具備し、前記正極と前記負極との間に非水電解液を配置して構成されるリチウム空気電池において、前記正極に用いられるカーボンの、X線回折測定においてシェラー(Sherrer)の式より算出される結晶子径が15Å以下であることを特徴とするリチウム空気電池を構成する。
また、本発明においては、請求項2に記載のように、
前記カーボンの、N吸着によるBET法により求めた比表面積が 750m/g以上であり、水銀圧入法により求めた総細孔容積が 4.0ml/g以上 5.5ml/g以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウム空気電池を構成する。
また、本発明においては、請求項3に記載のように、
前記カーボンの、総細孔容積に占める一次孔容積の割合が 30%以上 45%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム空気電池を構成する。
また、本発明においては、請求項4に記載のように、
前記カーボン及びバインダーからなる正極の、水に対する接触角が 95°以上 115°以下であり、前記非水電解液に対する接触角が 30°以上 45°以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載のリチウム空気電池を構成する。
本発明の実施により、触媒を用いずに、カーボンとバインダーのみを用いてリチウム空気電池の正極が作製が可能となるので、低コストながら高い性能を有するリチウム空気電池を提供することが可能となる。
カーボンAの細孔分布を示した図である。 カーボンAのXRDパターンを示した図である。 リチウム空気電池セルの断面図である。 実施例1〜4及び比較例1〜6におけるリチウム空気電池の放電曲線を示す図である。
本発明に係るリチウム空気電池の概要について、次に記す。
正極活物質である酸素の電気化学的還元が進行する、カーボン及びバインダーからなる正極は、カーボン粉末とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなバインダー粉末との混合物を、通気性のある金属メッシュ等の支持体上に圧着成形する、あるいは、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散しスラリー状にしたものを、金属メッシュ上に塗布し乾燥する等の手段を用いて作製される。作製された正極の片面は大気に曝され、もう一方の面は電解液と接する。また、電極の強度を高め電解液の漏洩を防止するために、冷間プレスだけでなくホットプレスを行うことによっても、より安定性に優れた電極が作製可能である。
正極上での放電反応は次のように表すことができると考えられている。
2Li + O + 2e → Li (1)
あるいは 2Li + 1/2O + 2e → LiO (2)
上式中のリチウムイオン(Li)は、負極から電解液を介して正極表面まで移動してきたものである。また、酸素(O)は、大気中から正極内部に取り込まれたものである。この放電反応により生成したLiまたはLiOが正極上に析出し、正極上の反応サイトを全て被覆した時点で放電反応は終了する。
本発明に係るリチウム空気電池の正極材料である前記カーボンとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、活性炭、カーボンファイバーなどを用いることができるが、結晶子が成長しておらず、粒径が小さく、高比表面積で反応サイトが多く存在するカーボンを用いることが望ましい。
本発明の発明者らは、上記カーボンの諸物性と該カーボンを用いた正極の電極特性との関係について、鋭意検討を行った結果、カーボンの結晶子径がおよそ 15Å以下の場合に優れた特性の正極が得られることを見出し、さらに、比表面積が 750m/g以上かつ総細孔容積が 4.0ml/g(ミリリットル/g)以上 5.5ml/g以下の場合に電極特性の向上が著しいことを見出した。
リチウム空気電池の正極材料に用いるカーボンにおける細孔は、カーボンの一次粒子によりにより形成され、電解液の電極への浸透に関する役割を担う細孔径 2nm以上 200nm以下の一次孔と、カーボンの二次粒子間の空隙により形成され、空気の電極中における拡散のためのネットワークとなる細孔径 200nm以上 200μm以下の二次孔から構成されており、電極反応の反応場である電極、電解液、空気による三相界面が電極内で良好に形成されるためには、一次孔と二次孔がバランスよくカーボン内に存在することが好ましい。
一次孔と二次孔の容積比率が異なる種々のカーボンを用いて検討を行った結果、一次孔容積と二次孔容積の総和である総細孔容積に対する一次孔容積の割合が 30%以上 45%以下であるカーボンを用いた電極において、優れた反応特性が得られることが明らかになった。
前記バインダーとしては、上記PTFE粉末の他に、PTFE分散液やポリフッ化ビニリデン(PVdF)の粉末や分散液を用いることもできる。
前記カーボン及びバインダーを用いたリチウム空気電池の前記正極において、正極に対する電解液の接触角は電極の電解液に対する濡れ性を示しており、接触角が小さいほど濡れ性が高く、大きいほど濡れ性が低くて電解液を弾きやすいということを示しているが、電解液による濡れ性が高過ぎると、濡れが極端に進行するため、正極が空気を取り込みにくくなり、逆に濡れ性が低過ぎると、電解液が正極内に全く浸透せず、三相界面を形成しづらくなることから、正極に対する液体の濡れ性について検討を行った結果、前記正極の水に対する接触角が 95°以上 115°以下かつ非水電解液に対する接触角が 30°以上 45°以下の場合に、反応サイトへのガス供給及び電解液の浸透がスムーズに起こり、より高い活性を示すことが明らかになった。
前記非水電解液としては、リチウムイオンの移動が可能な非水電解液であればよく、有機電解液や、イオン液体を使用することができる。
有機電解液としては、LiClO、LiPF等の金属塩をプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)等の有機溶媒、もしくは、その混合溶媒に溶解したものを使用することができる。
セパレータや電池ケース等の電池構成材料等についても、従来公知の各種材料が使用でき、特に制限はない。
カーボン及びバインダーからなる正極は、カーボン粉末Aとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を、8対2の重量比で混合し、ロール成形し、厚さ 0.5mmのシート状電極を作製し、直径 23mmの円形に切り抜くことにより得た。
カーボン粉末Aについて、比表面積をN吸着によるBET法により測定し、細孔分布を水銀圧入法により測定した。
細孔分布の測定結果を図1に示す。図において、横軸の値(細孔径の値)以上の細孔径を有する細孔の累積容積が縦軸の値として示されている。図1から、一次孔容積(細孔径:2nm以上 200nm以下)、二次孔容積(細孔径:200nm以上 200μm以下)、総細孔容積(細孔径:2nm以上 200μm以下)を求めた結果、カーボンAの一次孔容積、二次孔容積、総細孔容積はそれぞれ、2.2ml/g、3.1ml/g、5.3ml/gであり、総細孔容積に占める一次孔容積の割合は 42%であった。
また、カーボンAのX線回折測定(X線源:CuKα線)を行い、シェラー(Sherrer)の式(下記式(3))を用いて結晶子径Lを算出した。
=K×λ/(β×cosθ) (3)
ここで、KはSherrer定数、λはX線の波長、βは半値幅、θは回折角である。式(3)を用いて、図2に示すカーボンAのXRDパターンより、(002)ピークを用いて、カーボンAの結晶子径Lの値として 10.8Åを得た。この値は、カーボンAの結晶性が極めて低いことを示している。
また、作製された正極に対する水と非水電解液の接触角測定を、接触角計を用いて行った。その結果、水に対する接触角が 111°、非水電解液に対する接触角が 41°であった。
負極は、厚さ 600μmの金属リチウム箔を、直径 15mmの円形に切り抜くことにより作製した。
図3は円柱型のセル構造の断面略図であり、図中、1は正極接合具(SUS製)、2は電極ケース、3はカーボン正極、4はセパレータ、5は金属リチウム負極、6は負極接合具(SUS製)、7は負極支持体(SUS製)、8はOリング、9は負極端子を示す。正極に空気を取り込むための円形の空気孔の直径は 16mmである。
表面をPTFEコーティングした電極ケース2(正極との接触部はコーティングなし)の片側に、カーボン及びバインダーからなる正極3を配置し、PTFE製の留め具(正極接合具)1をはめこむことにより正極3を固定した。次に、前記電極ケース2の正極の反対側に電解液を注入し、セパレータ4を挿入し、円形に切り抜いた金属リチウム負極5を負極接合具6に圧着させたものを負極支持体7とともに、セパレータ4を電極ケース2で挟み込むようにはめ込む。さらにOリング8を電極ケース2に取り付け、負極端子9をはめ込む。
電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を 1mol/l(モル/リットル)の濃度で溶解した溶液を使用した。
この電池について、電流密度 0.1mA/cm(大気に曝される正極の面積で規格化)で、放電終止電圧 2.0Vで放電試験を行った。放電容量は、以後の比較のために正極カーボン重量当たりの容量(mAh/g)で記した。
本実施例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を、他の電池の放電曲線とともに、図4に示す。放電において、平均放電電圧が約 2.7Vと高電圧であるとともに、放電容量も、990mAh/gと大きい値を示した。該電池の放電容量とともに、カーボンAの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンA及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を、他の電池の数値とともに、表1に示す。
Figure 2010212198
カーボン粉末Bを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本実施例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンBの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンB及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
カーボン粉末Cを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本実施例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンCの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンC及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
カーボン粉末Dを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本実施例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンDの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンD及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
実施例1〜4において、図1及び表1より、いずれの電池も大きな放電容量を示し、結晶子径がおよそ 15Å以下のカーボン材料で、比表面積が 750m/g以上かつ総細孔容積が 4.0ml/g以上 5.5ml/g以下となっており、正極中に多量の反応サイトが生成されると考えられる。また、正極の水と非水電解液に対する接触角は、水に対する接触角が 95°以上 115°以下かつ非水電解液に対する接触角が 30°以上 45°以下であることがわかった。このとき、反応サイトへのガス供給及び電解液の浸透がスムーズに起こり、正極が、より高い活性を示すと考えられる。
このように、カーボンA〜Dは、本発明における高性能なリチウム空気電池用正極を作製するための条件を満たしているため、カーボンA〜Dを用いて作製した正極は、大きい放電容量を示したと考えられる。
[比較例1]
上記の実施例1〜4で得られたリチウム空気電池の性能を、実施例1〜4におけるものとは異なる性質を持つカーボンを用いて作製した正極のリチウム空気電池の性能と比較した。
カーボン粉末Eを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本比較例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンEの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンE及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
[比較例2]
カーボン粉末Fを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本比較例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンFの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンF及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
[比較例3]
カーボン粉末Gを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本比較例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンGの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンG及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
[比較例4]
カーボン粉末Hを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本比較例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンHの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンH及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
[比較例5]
カーボン粉末Iを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本比較例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンIの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンI及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
[比較例6]
カーボン粉末Jを用いて正極を作製し、その他、電池の作製、測定法については実施例1と同様に行った。
本比較例で作製したリチウム空気電池の放電曲線を図4に示す。該電池の放電特性とともに、カーボンJの結晶子径、比表面積、総細孔容積、総細孔容積に占める一次孔容積の割合、カーボンJ及びバインダーからなる正極の水に対する接触角、電解液に対する接触角を表1に示す。
上記の比較例1〜6は、実施例1〜4のいずれのものよりも放電容量が小さい。これは、比表面積が 750m/gより小さく、かつ総細孔容積が 4.0ml/gより小さいか、もしくは 5.5ml/gより大きく、結晶子径が 15Åを超えるカーボンは性能が低いことを示している。これは、比表面積、細孔容積の減少により、正極上での反応サイトが減少したため、電池性能が低くなったと考えられる。
また、水と電解液に対する接触角は、それぞれに対して低角になるほど濡れ性が高く、逆に高角になるほど濡れ性が低くなることを示しているが、カーボンの濡れ性が高過ぎると、電解液による濡れが極端に進行するため空気を取り込みにくくなり、逆に濡れ性が低過ぎると電解液が電極内に全く浸透せず、三相界面を形成しづらくなるため、これらのバランスは電池性能を大きく左右することが考えられ、水に対する接触角が 95°以上 115°以下かつ非水電解液に対する接触角が 30°以上 45°以下である正極が望ましいが、比較例1〜6ではこれらの条件を満たしていないため、高性能な電池が得られなかったと考えられる。
上記の実施例において、負極活物質として金属リチウムを用いたが、金属リチウムに代えて、リチウムイオンの放出が可能な物質、例えば、リチウムとグラファイトとの層間化合物、シリコンやスズとリチウムとの合金、Li2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を用いても、本発明の効果が得られる。
[産業上の利用可能性]
以上のように、本発明によれば、高性能なリチウム空気電池を低コストで作製することができ、それによって得られる高性能なリチウム空気電池を様々な電子機器の駆動源として使用することができる。
1:正極接合具、2:電極ケース、3:カーボン正極、4:セパレータ、5:金属リチウム負極、6:負極接合具、7:負極支持体、8:Oリング、9:負極端子。

Claims (4)

  1. カーボン及びバインダーからなる正極と、金属リチウムまたはリチウムイオンの放出が可能な物質からなる負極とを具備し、前記正極と前記負極との間に非水電解液を配置して構成されるリチウム空気電池において、前記正極に用いられるカーボンの、X線回折測定においてシェラー(Sherrer)の式より算出される結晶子径が15Å以下であることを特徴とするリチウム空気電池。
  2. 前記カーボンの、N吸着によるBET法により求めた比表面積が 750m/g以上であり、水銀圧入法により求めた総細孔容積が 4.0ml/g以上 5.5ml/g以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウム空気電池。
  3. 前記カーボンの、総細孔容積に占める一次孔容積の割合が 30%以上 45%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム空気電池。
  4. 前記カーボン及びバインダーからなる正極の、水に対する接触角が 95°以上 115°以下であり、前記非水電解液に対する接触角が 30°以上 45°以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載のリチウム空気電池。
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