JP2010181127A - 加湿装置、加湿装置の制御方法、及び加湿装置を有する空気調和機 - Google Patents

加湿装置、加湿装置の制御方法、及び加湿装置を有する空気調和機 Download PDF

Info

Publication number
JP2010181127A
JP2010181127A JP2009027396A JP2009027396A JP2010181127A JP 2010181127 A JP2010181127 A JP 2010181127A JP 2009027396 A JP2009027396 A JP 2009027396A JP 2009027396 A JP2009027396 A JP 2009027396A JP 2010181127 A JP2010181127 A JP 2010181127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
moisture
adsorption
value
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009027396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5003697B2 (ja
Inventor
Takeshi Uchida
毅 内田
Reiji Morioka
怜司 森岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2009027396A priority Critical patent/JP5003697B2/ja
Publication of JP2010181127A publication Critical patent/JP2010181127A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5003697B2 publication Critical patent/JP5003697B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、運転開始から一定期間において、加湿運転を停止することなく、加湿空気側の風路に結露を発生させることのない加湿装置の加湿量装置を提供する
【解決手段】 空気中の水分を吸着し高温空気により水分を再生する吸着剤が担持された水分吸着手段1と、高温空気を生成するための加熱手段4と、水分吸着手段1を通る風路に送風する吸着空気送風手段2と、加熱手段4および水分吸着手段1を通る風路に送風する再生空気送風手段3とを備えた除加湿装置において、加湿装置の使用環境に対して予め設定した制御モデルに基づいて加熱手段4、送風手段2又は3の制御値の少なくとも一つを時間に応じて変化させることによって加湿空気風路に結露が発生することを防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加湿装置、加湿装置の制御方法及び加湿装置を有する空気調和機に関するものであり、特に加湿空気側風路の結露発生を抑制するものである。
従来技術として、室外に設置した加湿用空気を生成する加湿ユニットから空気ダクトを介して加湿用空気を室内へ導いて室内を加湿する加湿装置において、空気ダクトの途中、あるいは加湿ユニット出口で飽和空気となるような加湿用空気を加湿ユニットにて生成し、加えて空気ダクトに水抜きユニットを設けることにより、特定の位置で加湿用空気が飽和空気となることに起因する結露を発生することが出来ると共に、空気ダクト内で発生する結露水を空気ダクト外に排水することが出来るので、結露を防止する為に空気を加熱するヒータが不要となり、これにより運転時の消費電力を低減するという技術が知られている。
特開3438672号公報(0051欄−0066欄、図2)
しかし従来の加湿装置においては、加湿用空気を空気ダクト入口の途中あるいは加湿ユニット出口において飽和空気となるように構成し、且つ空気ダクトに水抜きユニットを設けることで、空気ダクト内における結露を許容し、ヒータによる空気の加熱量を削減しているので、運転時の消費電力が減少してランニングコストは削減され、また加湿用空気の温度が低下するので空気ダクトからの放熱ロスも減少するが、最終的には水抜きユニットで結露水を排水するとしても、飽和空気の凝縮過程では、結露水と搬送空気が接触するために異音が発生し、また、例えば設置位置や施工業者の都合などにより、水抜きユニットを空気ダクトの最下点に正確に設置できない場合、結露水を排水することができないという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決する為になされたものであり、異音発生や設置の制限を受けること無く、加湿量を制御することにより運転開始から一定期間における加湿空気側の風路の結露発生を抑制することができる加湿装置を提供することにある。
本発明の加湿装置は、低温空気から水分を吸着し高温空気により前記水分を放出する吸着剤が担持された水分吸着手段と、周囲の空気を加熱して前記高温空気を生成する加熱手段と、前記加熱手段および前記水分吸着手段を経由する前記高温空気を送風する再生空気送風手段と、運転開始時は所定の目標設定値よりも小さく設定した前記加熱手段の加熱手段制御値で運転を行い、運転開始後に大きくして前記目標設定値に設定する制御手段を備えたものである。
本発明の加湿装置の制御方法は水分を吸着し高温空気により前記水分を放出して高湿空気を発生させる水分吸着手段と、周囲の空気を加熱して前記高温空気を発生させる加熱手段と、前記加熱手段および前記水分吸着手段を経由する前記高温空気を送風する再生空気送風手段とを備えた加湿装置の制御方法であって、前記加熱手段の加熱量を所定の目標設定値よりも小さい値で運転を開始する第1工程と、この第1工程終了後に前記加熱手段の加熱量を前記目標設定値まで段階的又は連続的に大きくする第2工程と、この第2工程終了後に前記加熱手段の加熱量を前記目標設定値で運転する第3工程とを有するものである。
本願発明によると、運転開始から一定期間における空気に対する加湿量を所定の目標値よりも小さな値に制御することにより、加湿された空気の相対湿度を100%以下に抑制し、加湿空気側の風路の結露発生を効果的に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1
図1及び図3は本発明の加湿装置の一実施形態を説明する概略構成図であり、加湿機能の他に除湿機能を備えた除加湿装置を示している。実施の形態1の基本的な構成要素として、1は水分吸着手段、2は水分吸着手段1に水分を吸着される低温の吸着空気を送風する吸着空気送風手段、3は加熱手段4によって加熱され水分吸着手段1から水分を放出させる高温の再生空気を送風する再生空気送風手段、4は加熱手段、6は制御回路である。水分吸着手段1は、図示しないが仕切板や隔壁などによって吸着領域1aと再生領域1bに分割されており、吸着領域1a側には吸着空気送風手段2が、再生領域1b側には再生空気送風手段3および加熱手段4が配置されている。制御回路6は、メモリ7に組み込まれ加湿装置の使用環境に対して予め定められた除加湿量の設定値に基づいて、加熱手段4に入力する電力供給量(制御値)を決める電力供給手段13、吸着空気送風手段2の駆動モータ2a又は再生空気送風手段3の駆動モータ3aの少なくとも一つを制御するものである。また、この制御回路6は電源が投入されると水分吸着手段回転ロータ12aを駆動させ、水分吸着手段1を回転させる。図2は加熱手段4に電力を供給する電力供給手段の一例であり、AC電源14が電力を供給し、抵抗切換え装置15が加熱手段4に接続されたスイッチを切換えることによって加熱手段4の抵抗値(制御値)を変化させることで、加熱手段4の加熱量を変化させるものである。
水分吸着手段1としては、例えば、円柱形状で回転可能なものとし、また軸方向に通気性を確保できるように、例えば図3中の拡大図に示されるような波形状、あるいは開口部が三角形となるようなハニカム形状に形成された基材5aの表面に、吸着剤5bを塗布あるいは表面処理などにより担持したものを使用する。このとき、基材5aとしては、一般的にセラミックペーパーなどの多孔質材料が、吸着剤5bとしては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭などが使用される。
次に、図3の構成における動作の一例について説明する。吸着空気送風手段2により、室外あるいは室内から吸い込まれた吸着入口空気8aは、水分吸着手段1の吸着領域1a通過時に水分を吸着され、乾燥空気として吸着出口空気8bが得られる。一方、再生空気送風手段3により、室外あるいは室内から吸い込まれ、加熱手段4によって昇温された再生入口空気9aは、水分吸着手段1の再生領域1b通過時に、水分吸着手段1の回転により移行してきた吸着領域1aに吸着された水分を再生し、高湿空気として再生出口空気9bが得られる。したがって、吸着出口空気8bを室内に供給し、再生出口空気9bを室外に排気すれば、室内は除湿されることになり、逆に、再生出口空気9bを室内に供給し、吸着出口空気8bを室外に排気すれば、室内は加湿されることになる。ここで、11は、水分吸着手段1に吸い込まれる吸着入口空気8aの温度または湿度を検出する吸着入口空気センサ11であり、これらの検出値に基づいて制御回路6が、吸着空気送風手段2、再生空気送風手段3、加熱手段4などを制御することが可能な構成となっている。
図4は、本発明の実施の形態における、除加湿量制御方法の概念図であり、16は加熱手段制御値(Q)の時系列変化、17は除加湿量(W)の時系列変化、18は再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化であり、加熱手段制御値(Q)の変化により、除加湿量(W)および再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味している。また、Qsetは加熱手段制御値の設定値、Wsetは除加湿量の設定値であり、加熱手段制御値(Q)を設定値(Qset)とすることにより、図1に示した除加湿装置において、設定値(Wset)の除加湿量(W)が得られることを示している。tsetは加熱手段制御値(Q)を変化させる期間を意味する、制御値変更時間である。
ここで、加熱手段制御値(Q)を変化させた際の、除加湿量(W)と再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化について、実測結果をもとに説明する。図5〜7は、図3に示した構成において、水分吸着手段1の全体に周囲空気中の水分を充分吸着させた後、水分吸着手段1は回転させずに固定した状態で、加熱手段4を運転させたときの、運転開始後20分間における(a)除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)、および(b)再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化の実測結果であり、図5は周囲空気相対湿度が60%RH、図6は80%RH、図7は90%RHのときの実測結果である。各図において、加熱手段制御値(Q)の差による時系列変化が示されており、19a〜19fは、それぞれ加熱手段制御値(Q)/設定加熱手段制御値(Qset)=0.2〜0.8のときの除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)、同様に20a〜20fは、それぞれ加熱手段制御値(Q)/設定加熱手段制御値(Qset)=0.2〜0.8のときの再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化実測値である。なお、ここで除加湿量(W)は、水分吸着手段1を固定して新たに吸着させていないので、実際には加湿量(Wde)を意味するが、性能としては同じである。
図5〜7の結果より、どの周囲空気相対湿度下においても、加熱手段制御値(Q)が大きいほど、除加湿量(W)および再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は大きく、かつ時間的には早く低下し始める傾向が見られる。また、除加湿量(W)が最大値を超えると同時に、再生出口空気相対湿度(Φdeo)が低下を開始するという関係がある。吸着させている周囲空気相対湿度が同じであれば初期吸着水分量は同じであるが、加熱手段制御値(Q)が大きいほど、再生入口空気9aの相対湿度が低くなるため、時間あたりの加湿量=除加湿量(W)、および除加湿量(W)を経過時間(t)で積分した全放出水分量も多くなる。実測結果より、加熱手段制御値(Q)が大きいほど、全放出水分量は多いうえに、初期吸着水分を早く放出完了することを意味している。一方、同じ加熱手段制御値(Q)であれば、周囲空気相対湿度が高いほど、除加湿量(W)および再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は大きく、また時間的な低下も遅くなる傾向が見られる。これは、周囲空気相対湿度が高いほど、初期吸着水分量および全放出水分量が多いことを意味している。
以上の実測結果を踏まえ、図4に示した除加湿量制御方法の動作の一例について説明する。図3に示したような除加湿装置を、ある程度の時間放置した場合、吸着空気送風手段2、および再生空気送風手段3を停止していても、水分吸着手段1は周囲空気の水分を吸着するので、運転を再開した際、除加湿量(W)、および再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、図5〜7に示したように急激に上昇する可能性が高い。例えば暖房標準条件(7℃/87%RH)のような高湿度の室外空間に除加湿装置を設置している場合、図7の20dのように、加熱手段制御値(Q)として、Q/Qset=0.4に制限しても、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は100%RHに到達し、再生出口空気9bは結露することになる。そこで、送風される再生空気の湿度が運転開始から運転時間に応じて上昇する際にどの時点でも100パーセントにならない、すなわち再生空気が送風される送風回路に結露が付着しないように、水分吸着手段1の入口の吸着入口空気センサ11の相対湿度と加熱量と風量の関係をあらかじめ設定する。例えば、運転開始時の加熱手段4の加熱量(加熱強度)を所定値に対して小さい値に設定し、かつ、徐々に設定した所定値まで上昇させていく、あるいは再生送風量を所定値に対して大きい値に設定し、かつ、徐々に設定した所定値まで小さくしていく、あるいは吸着空気送風量を所定値に対して小さい値に設定し、かつ、徐々に設定した所定値まで大きくしていくというように、開始時の空気の加湿量を少なく抑え、その後、徐々に増加させて所定期間後に所定の加湿量が出るようにあらかじめ設定しておくとよい。具体的には、図4の加熱手段制御値(Q)の時系列変化16に示すように、運転開始時にはQ<Qsetに設定しておき、制御値変更時間(tset)の間に、加熱手段制御値(Q)を段階的に上昇させ、t=tsetのときQ=Qsetに設定することにより、除加湿量(W)は、時系列変化17に示されるように、徐々に上昇してt=tsetのときW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化18に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、t=tset後以降に安定し、再生出口空気9bを結露させることなく運転することが可能となる。同時にこのt=0〜tsetの間は、加熱手段制御値(Q)を設定値(Qset)より下げ、結露を発生してしまうような無駄な除加湿運転を防いでいることになるので、設定除加湿量(Wset)を連続的に得るための通常の除加湿運転に対し、省エネ効果も期待できる。
ここで、加熱手段制御値(Q)の時系列変化16としては、例えば表1に示したように、周囲空気の相対湿度に応じて、低湿(図5:60%RH)想定、標準(図6:80%RH)想定、高湿(図7:90%RH)想定のそれぞれに対し、時刻(t)と加熱手段制御値(Q)の関係を設定し、メモリ7に組み込んでおく。また、設置環境、地域などによって対応する設定を用いてもよい。再生出口空気9bの結露を完全に回避するために、常に高湿(90%RH)想定の設定を用いてもよい。望ましくは、図1に示した吸着入口空気センサ11により、周囲空気の相対湿度h%RHを直接検出する、あるいは温度を検出して絶対湿度を想定して、設定を選択するのがよい。なお表1では、それぞれの湿度想定に対し、t=0〜tsetを3分割して加熱手段制御値(Q)を設定しているが、湿度想定によって分割数を変化させてもよい。
Figure 2010181127
分割した時間間隔を0分から順にt1、t2、t3・・・とし、その時間間隔に対応する加熱手段制御値を同様にQ、Q、Q・・・とする。
図5〜7の実測結果、および表1の加熱手段制御値(Q)の時系列変化16の設定値は、除加湿装置から放出された直後の、再生出口空気9bに基づいたものであるが、例えば、除加湿装置を室外に設置し、再生出口空気9bをダクトなどにより搬送して室内を加湿するような場合には、ダクト搬送過程において再生出口空気9bが冷却されて結露する可能性が高まるため、表1に示した値よりも、制御値変更時間(tset)は長く、また加熱手段制御値(Q)は小さく設定する必要がある。
また図5〜7の実測結果は、図7に示した構成において、水分吸着手段1は回転させずに固定した状態で加熱手段4を運転させたとき、すなわち水分吸着手段1には新たに水分が供給されない状態において測定された結果であるが、実際の運転では水分吸着手段1が回転するため、除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)、および再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、より大きな値となる。そこで、図4に示した加熱手段制御値(Q)の制御に加え、吸着空気風量(Vad)についても、図8の時系列変化21に示されるように、運転開始時には設定値(Vad_set)より小さく設定し、制御値変更時間(tset)の間は段階的に上昇させ、t=tsetのときVad=Vad_setに設定することにより、除加湿量(W)は、時系列変化17に示されるように、徐々に上昇してt=tsetのときW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化18に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、t=tset後以降に安定し、再生出口空気9bをより確実に結露させることなく運転することが可能となる。ここで、吸着空気風量(Vad)の制御としては、一般的な方法として、吸着空気送風手段2の駆動モータ2aの回転数を変更しても、供給する電圧や周波数を変更してもよい。
図4の加熱手段制御値(Q)の時系列変化16では段階的に設定されているが、連続的に変更してもよい。加熱手段制御値(Q)が時間に対して単調増加させるような関数を予めメモリに7設定し、制御回路6がそれを読み出して、運転開始時の設定値から設定除加湿量(Wset)まで加熱手段制御値(Q)が時間に対して連続的に増加させるように制御すればよい。
図3では、水分吸着手段1が円柱形状で回転可能なものとしているが、角柱形状として固定して設置してもよい。この場合、吸着空気送風手段2による吸着風路と、再生空気送風手段3による再生風路の吸込口および吹出口を、ダンパなどによって切換え、吸着領域1aと再生領域1bに交互に空気が流れるようにする必要がある。
また図1及び3では、吸着空気送風手段2および再生空気送風手段3を水分吸着手段1の風下側に設置し、それぞれ吸着出口空気8bおよび再生出口空気9bを吸い出す構成となっているが、水分吸着手段1の風上側に設置して、それぞれ吸着入口空気8aおよび再生入口空気9aを押し込む構成としてもよく、またどちらか一方を吸い出し、もう一方は押し込む構成としてもよい。
また図1では、水分吸着手段1において、吸着空気送風手段2による吸着領域1aを通過する空気と、再生空気送風手段3による再生領域1bを通過する空気の流れ方向が対向となるように構成されているが、両者が並行となるように構成してもよい。
以上のように、加熱手段の入力値を目標性能を確保するための目標設定値より小さく設定して運転を開始し、その後、所定期間の間に段階的もしくは連続的に目標設定値に近づけることにより、加湿空気の湿度が100%以下に抑えられるので、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、除加湿運転を継続することが可能な除加湿装置を得ることができる。またこのとき、吸入空気の温度または湿度を検出し、その検出値から、上記加熱手段の入力値を目標設定値から変更する時間tを設定することにより、設定期間が短すぎることによる加湿空気側風路における結露の発生や、設定期間が長すぎることによる除加湿量不足を防ぐことができる。
図9はこの実施の形態1の制御方法を示すフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。
ステップS1−1で電源がONになると、ステップS1−2で制御回路が吸着空気送風手段2と再生空気送風手段3、水分吸着手段1の回転ロータ12a、加熱手段の電力供給手段13を駆動させる。ステップS1−3とステップS1−4乃至7で、制御回路6が予めメモリ7に組みこまれた表1で表されるような設置環境や使用場所によって異なる時刻tと加熱手段制御値(Q)の設定値を読み出して、S1−1で電源が入ってからの時刻tに基づいて読み出したt1、t2、t3、tsetの値に対して読み出した加熱手段制御値(Q)の値を基づいて電力供給手段13に制御する。0<t≦t1では加熱手段制御値(Q)はQ1に設定され、t1<t≦t2では加熱手段制御値(Q)はQ2に設定され、t2<t≦t3では加熱手段制御値(Q)はQ3に設定される。t>tsetになるまでこの制御はフィードバックをかけられ、t>tsetのときは加熱手段制御値(Q)はQsetに設定される。その後、加湿装置の加熱手段制御値(Q)はQsetで一定運転される。尚、制御回路が図2の抵抗切換え装置を制御することによって加熱手段4に接続されたスウィッチを切換えて可変抵抗である加熱手段4の抵抗を変化させることによって、加熱手段制御値(Q)をQ1、Q2、Q3、Qsetに設定する。
実施の形態2
実施の形態2は実施の形態1と同様の構成であり、構成の概略の説明は割愛する。図10は、本発明の実施の形態における、除加湿量制御方法の概念図であり、22は再生空気風量(Vde)の時系列変化であり、実施の形態1の加熱手段制御値(Q)の時系列変化に対して、実施の形態2では再生空気風量(Vde)の変化により、除加湿量(W)および再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味している。また、Vde_setは再生空気風量の設定値であり、再生空気風量(Vde)を設定値(Vde_set)とすることにより、図1と図3に示した除加湿装置において、設定値(Wset)の除加湿量(W)が得られることを示している。その他については実施の形態1と同一であるため、説明を割愛する。
再生空気風量(Vde)についても、図5〜7で示した加熱手段制御値(Q)を変化させた際の、除加湿量(W)と再生出口空気相対湿度(Φdeo)の時系列変化と同様の傾向が想定される。すなわち、図1に示した構成において、再生空気風量(Vde)が多いほど、加熱手段4を通過した後の再生入口空気9aの温度は低下するので(加熱手段制御値(Q)を低下させた場合と同様)、水分吸着手段1に周囲空気中の水分が充分吸着された状態では、除加湿量(W)および再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は低下し、時間的な低下は遅く始まる。ただし、除加湿量(W)の低下は、再生入口空気9aの温度が低く水分放出量としては少なくても、再生空気風量(Vde)が多いことにより補充されるため、単純に加熱手段制御値(Q)を低下させた場合ほど大きくはならないと想定される。一方、同じ再生空気風量(Vde)であれば、周囲空気相対湿度が高いほど、初期吸着水分量および全放出水分量が多いため、除加湿量(W)および再生出口空気相対湿度(Φdeo)の最大値は大きく、また時間的な低下も遅くなるものと想定される。
以上の想定される傾向を踏まえ、図10に示した除加湿量制御方法の動作の一例について説明する。図3に示したような除加湿装置を、ある程度の時間放置した場合、吸着空気送風手段2、および再生空気送風手段3を停止していても、水分吸着手段1は周囲空気の水分を吸着するので、運転を再開した際、除加湿量(W)、および再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、図5〜7に示したように急激に上昇する可能性が高い。例えば暖房標準条件(7℃/87%RH)のような高湿度の室外空間に除加湿装置を設置している場合、再生空気風量(Vde)として、Vde/Vde_set=2.5に増加させると、再生入口空気9aの温度としては、図5の20dのように、加熱手段制御値(Q)として、Q/Qset=0.4に制限した場合に相当するが、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は100%RHに到達し、再生出口空気9bは結露することになる。そこで、図10の再生空気風量(Vde)の時系列変化22に示すように、運転開始にはVde>Vde_setに設定しておき、制御値変更時間(tset)の間に、再生空気風量(Vde)を段階的に低下させ、t=tsetのときVde=Vde_setに設定することにより、除加湿量(W)は、時系列変化17に示されるように、徐々に上昇してt=tsetのときW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化18に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、t=tset後以降に安定し、再生出口空気9bを結露させることなく運転することが可能となる。このとき、除加湿量(W)は、制御値変更時間(tset)の間において、再生入口空気9aの温度が低く水分放出量としては少なくても、再生空気風量(Vde)が多いことにより補充されるため、単純に加熱手段制御値(Q)を低下させた場合ほど小さくはならず、Wsetに近い値となると想定される。
ここで、再生空気風量(Vde)の時系列変化22としては、例えば表2に示したように、周囲空気の相対湿度に応じて、低湿(図5:60%RH)想定、標準(図6:80%RH)想定、高湿(図7:90%RH)想定のそれぞれに対し、時刻(t)と再生空気風量(Vde)の関係を設定しておき、設置環境、地域などによって対応する設定を用いてもよく、再生出口空気9bの結露を完全に回避するために、常に高湿(90%RH)想定の設定を用いてもよい。望ましくは、図1に示した吸着入口空気センサ11により、周囲空気の相対湿度h%RHを直接検出する、あるいは温度を検出して絶対湿度を想定して、設定を選択するのがよい。なお表2では、それぞれの湿度想定に対し、t=0〜tsetを3分割して再生空気風量(Vde)を設定しているが、分割数を増減させてもよく、湿度想定によって分割数を変化させてもよい。さらに図10や表2では、再生空気風量(Vde)を段階的に低下させるような制御が示されているが、再生出口空気相対湿度(Φdeo)が100%RHに到達しなければ、連続的に低下させてよいことは当然である。
Figure 2010181127
分割した時間間隔を0分から順にt1、t2、t3・・・とし、その時間間隔に対応する加熱手段制御値を同様にVde1、Vde2、Vde3・・・とする。
除加湿装置を室外に設置し、再生出口空気9bをダクトなどにより搬送して室内を加湿するような場合には、ダクト搬送過程において再生出口空気9bが冷却されて結露する可能性が高まるため、表2に示した値よりも、制御値変更時間(tset)は長く、また再生空気風量(Vde)は大きく設定する必要がある。
また図5〜7の実測結果は、図1に示した構成において、水分吸着手段1は回転させずに固定した状態で加熱手段4を運転させたとき、すなわち水分吸着手段1には新たに水分が供給されない状態において測定された結果であるが、実際の運転では水分吸着手段1が回転するため、除加湿量(W)/設定除加湿量(Wset)19、および再生出口空気相対湿度(Φdeo)20は、より大きな値となる。そこで、図10に示した再生空気風量(Vde)の制御に加え、吸着空気風量(Vad)についても、図8の時系列変化21に示されるように、運転開始時には設定値(Vad_set)より小さく設定し、制御値変更時間(tset)の間は段階的に上昇させ、t=tsetのときVad=Vad_setに設定することにより、除加湿量(W)は、時系列変化17に示されるように、徐々に上昇してt=tsetのときW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化18に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移し、t=tset後以降に安定し、再生出口空気9bをより確実に結露させることなく運転することが可能となる。ここで、吸着空気風量(Vad)の制御としては、一般的な方法として、吸着空気送風手段2のモータ回転数を変更しても、供給する電圧や周波数を変更してもよい。
以上のように、再生空気風量を目標性能を確保するための目標設定値より大きく設定して運転を開始し、その後、所定期間の間に段階的に目標設定値に近づけることにより、加湿空気の湿度が100%以下に抑えられるので、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、除加湿運転を継続することが可能な除加湿装置を得ることができる。またこのとき、吸入空気の温度または湿度を検出し、その検出値から、上記加熱手段の入力値を目標設定値から変更する期間を設定することにより、設定期間が短すぎることによる加湿空気側風路における結露の発生や、設定期間が長すぎることによる除加湿量不足を防ぐことができる。
実施の形態2においても、図9のフローチャートのステップS1−4乃至1−7の加熱手段制御値(Q)を再生空気風量Vdeに変更した場合と同様の制御方法が用いられる。表2に示されるように、予め設定される再生空気風量Vdeの値は時刻tが大きくなるにつれて減少し、t>tsetのときVdeはVad_setに設定される。
実施の形態3
図11は実施の形態3の除加湿装置の概略構成図である。制御回路6は吸着空気送風手段2の駆動モータ2aと再生空気送風手段3の駆動モータ3aと風路切換ダンパの回転モータ12bと加熱手段4への電力供給手段13を制御する。また、制御回路6は予めメモリ7に設定した時間に応じて風路切換ダンパ34及び35を切換えるという制御を行う。
図12は、本発明の実施の形態における、除加湿装置の概略構成図であり、加湿ユニット25の内部には、基本的な構成要素として、水分吸着手段1と吸着空気送風手段2、再生空気送風手段3、および加熱手段4が配置されている。水分吸着手段1は円柱形状で固定されている。図13は、水分吸着手段1周辺の風路構成の詳細図であり、各部品を分解してわかりやすく示してあるが、実際には隣り合う部品は密着されている。水分吸着手段1の周辺風路は、水分吸着手段1を挟んで上部2層(第1層26、第2層27)、下部2層(第3層28、第4層29)の計4層構造になっており、それぞれ第1層26は第1の風路仕切板30、第2層27は第2の風路仕切板31、第3層28は第3の風路仕切板32、第4層29は第4の風路仕切板33によって、それぞれ風路を2分割されている。このとき、第2の風路仕切板31および第3の風路仕切板32は平行であり、それぞれ水分吸着手段1に密着して設置され、これらに対して第1の風路仕切板30および第4の風路仕切板33は垂直に設置されている。したがって、第2層27、水分吸着手段1、第3層28は同方向に風路が2分割され、第1層26および第4層29はこれらに対して垂直方向に風路が2分割されていることになる。
また第1層26と第2層27の間、および第3層28と第4層29の間には、図8のように2つの中心角90°の扇形(1/4円)が中心にて対角方向に接続された形状のダンパ、第1の風路切換ダンパ34および第2の風路切換ダンパ35が、扇形部分が互い違いになるように設置されている。これにより、第1の風路仕切板30および第2の風路仕切板31によって形成される、上部風路側の1/4円ずつの4領域のうち、対角2領域を第1の風路切換ダンパ34が閉塞し、第3の風路仕切板32および第4の風路仕切板33によって形成される、下部風路側の1/4円ずつの4領域のうち、上部とは90°異なる対角2領域を第2の風路切換ダンパ35が閉塞することになる。また第1層26において、第1の風路仕切板30によって分割された2風路のうち、吸着空気送風手段2と連通する風路側には第1の排気口37、再生空気送風手段3と連通する風路側には第2の吸気口38が設置され、同様に第4層29において、第4の風路仕切板33によって分割された2風路のうち、吸着空気送風手段2と連通する風路側には第1の吸気口36、再生空気送風手段3と連通する風路側には第2の排気口39が設置されている。
ここで、第1の風路仕切板30、第2の風路仕切板31、第3の風路仕切板32、第4の風路仕切板33には、各風路仕切板の仕切面における、円形風路の半径方向全体に、仕切面に垂直な方向に突起40、41、42、43が設けられている。また、第1の風路切換ダンパ34の扇形半径部分全体に、第1の風路仕切板30の方向へ上部突起44が、第2の風路仕切板31の方向へ下部突起45が設けられ、同様に、第2の風路切換ダンパ35の扇形半径部分全体に、第3の風路仕切板32の方向へ上部突起46が、第4の風路仕切板33の方向へ下部突起47が設けられている。図14に、第1の風路仕切板30、第2の風路仕切板31、および第1の風路切換ダンパ34の接触部を、図13中黒矢印の方向から観た図を示す。図に示されているように、第1の風路仕切板の突起40の設置位置と、第1の風路切換ダンパの上部突起44の高さは一致しており、第1の風路仕切板30の仕切面および突起40と、第1の風路切換ダンパの上部突起44が咬み合うことになる。同様に、第2の風路仕切板の突起41の設置位置と、第1の風路切換ダンパの下部突起45の高さは一致しており、第2の風路仕切板31の仕切面および突起41と、第1の風路切換ダンパの下部突起45が咬み合っている。図示していないが、第3の風路仕切板の突起42、第4の風路仕切板の突起43と、第2の風路切換ダンパの上部突起46、下部突起47の位置関係も同様である。
次に動作の一例について説明する。説明のため図15に、図9に示した各部品の平面図を示す。図15中左側のダンパ位置<A>が図13のダンパ位置と同じである。ダンパ位置<A>のとき、室外空気48がそのまま、吸着空気送風手段2により第1の吸気口36から吸着入口空気8aとして吸い込まれ、第4の風路仕切板33によって仕切られた第4層29の29aに流入し、第2の風路切換ダンパ35により35aが閉塞されているため、35bより第3層28へ流入する。第3層28は第3の風路仕切板32に、第2層27は第2の風路仕切板31によって半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されているため、35bから流入した空気は、28b、1b、27bの順で上方向に流れ、1b通過時に外気中の水分を吸着されて乾燥空気となる。乾燥空気となった後、第1の風路切換ダンパ34により34bが閉塞されているため、34dより第1の風路仕切板30によって仕切られた第1層26の26bへ流入し、その後第1の排気口37より吸着出口空気8bとして流出し、室外へ排気される。
一方、図12に示されるように、室外空気48は再生空気入口24aを通って加熱手段4によって昇温されて高温低湿空気となった後、再生入口空気9aとして、第2の吸気口38から吸い込まれ、第1の風路仕切板30によって仕切られた第1層26の26aへ流入し、第1の風路切換ダンパ34により34bが閉塞されているため、34aより第2層27へ流入する。第2層27は第2の風路仕切板31に、第3層28は第3の風路仕切板32によって半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されているため、34aから流入した高温低湿空気は、27a、1a、28aの順で下方向に流れ、1a通過時に吸着されている水分が再生されて高湿空気となる。高湿空気となった後、第2の風路切換ダンパ35により35aが閉塞されているため、35cより第4の風路仕切板33によって仕切られた第4層29の29bへ流入し、その後第2の排気口39より再生出口空気9bとして流出し、再生空気送風手段3を経由して再生空気出口24bを通って室内へ搬送されて、室内を加湿する。
次に、水分吸着手段1の1bにおける吸着工程、1aにおける再生工程が完了する程度の時間が経過した後、図15に示すダンパ位置を<A>から<B>へと切り換える。このとき、室外空気48がそのまま、吸着空気送風手段2により第1の吸気口36から吸着入口空気8aとして吸い込まれ、第4の風路仕切板33によって仕切られた第4層29の29aに入り、第2の風路切換ダンパ35により35bが閉塞されているため、35aより第3層28へ流入する。第3層28は第3の風路仕切板32に、第2層27は第2の風路仕切板31によって半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されているため、35aから流入した空気は、28a、1a、27aの順で上方向に流れ、1aがダンパ位置<A>のときに水分を再生され乾燥しているため、1a通過時に外気中の水分を吸着されて乾燥空気となる。乾燥空気となった後、第1の風路切換ダンパ34により34aが閉塞されているため、34cより第1の風路仕切板30によって仕切られた第1層26の26bへ流入し、その後第1の排気口37より吸着出口空気8bとして流出し、室外へ排気される。
一方、ダンパ位置<A>のときと同様に、加熱手段4によって昇温されて高温低湿空気となった再生入口空気9aは、第2の吸気口38より吸い込まれ、第1の風路仕切板30によって仕切られた第1層26の26aへ流入し、第1の風路切換ダンパ34により34aが閉塞されているため、34bより第2層27へ流入する。第2層27は第2の風路仕切板31に、第3層28は第3の風路仕切板32によって半円に仕切られており、またそれら2層に挟まれている水分吸着手段1も同様に分割されているため、34bから流入した高温低湿空気は、27b、1b、28bの順で下方向に流れ、1b通過時にダンパ位置<A>のときに吸着された水分が再生されて高湿空気となる。高湿空気となった後、第2の風路切換ダンパ35により35bが閉塞されているため、35dより第4の風路仕切板33によって仕切られた第4層29の29bへ流入し、その後第2の排気口39より再生出口空気9bとして流出し、再生空気送風手段3を経由して室内へ搬送されて、室内を加湿する。
このように、第1の風路切換ダンパ34および第2の風路切換ダンパ35を回転させ風路を切り換えるという単純な動作により、室内へ連続的に加湿空気を供給することが可能となり、また水分吸着手段1の1aと1bにおける風向が逆、すなわち吸着工程と再生工程が対向流となるため、水分吸着手段1の厚みが大きくなっても水分の吸着、再生を効率的に行うことができる。またこの風路を切り換える時間の最適値は水分吸着手段1に担持されている吸着剤の種類によって異なるので、例えばゼオライトのように比較的吸着速度の大きい材料の場合は短く(約45〜90秒)、シリカゲルのように比較的吸着速度の小さい材料の場合は長く(約90〜180秒)設定することにより、様々な特性を持った吸着剤に対して最適な運転が可能となる。また、低温空気が流れる吸着風路と高温高湿空気が流れる再生風路が常に固定され、両風路の境界面の再生風路側で結露を発生しやすいロータ方式に対し、吸着風路と再生風路が切り換わり、特定の風路が冷却されることがないため、結露を発生しにくいという特徴もある。
また、水分吸着手段1を回転させるロータ方式と比較し、最も空気漏洩の大きい水分吸着手段1近傍を第2の風路仕切板31および第3の風路仕切板32により完全に密閉しているだけでなく、図14に示されているように、第1の風路切換ダンパ34は、第1の風路仕切板30の仕切面および突起40と、上部突起44によって咬み合っており、第2の風路仕切板31の仕切面および突起41と、下部突起45によって咬み合っているので、風路切換ダンパが仕切板単体と接している場合と比較して、接触面積が大きくなるだけでなく、風路仕切板と風路切換ダンパの隙間風路がL字型になり、圧損により空気が通りにくくなるため、空気漏洩を抑制することが可能となる。また、風路切換ダンパの回転を阻害する位置に突起があるため、同一方向に回転することはできず、角度90°の正逆回転により風路を切り換えることになるが、このとき風路切換ダンパの突起が仕切板と咬み合ってストッパーの役目を果たすため、風路切換ダンパの回転誤差を完全に防ぐことが可能となる。また、第1の風路切換ダンパの下部突起45、第2の風路切換ダンパの下部突起47は、それぞれ第2の風路仕切板の突起41、第4の風路仕切板の突起43に常に一部は接触しているので、突起41、43が、風路切換ダンパが回転する際のガイドの役目も果たし、上下方向へのブレを防ぐことができるという効果も期待できる。
また、第1層26と第2層27、および第3層28と第4層29の厚みについては、空気の吸込口や吹出口が設置されている第1層26や第4層29のほうを厚くしても、水分吸着手段1に近接している第2層27や第3層28のほうを厚くしてもどちらでもよい。
また図12、13、15では、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程の空気の流れ方向が対向となるように、第1層26の26aに第2の吸気口38、26bに第1の排気口37、および第4層29の29aに第1の吸気口36、29bに第2の排気口39を設置しているが、同じ対向流であって、第1層26と第4層29の上下位置を逆転させてもよい。また、例えば第1層26の26bに第1の吸気口36を、第4層29の29aに第1の排気口37を設置し、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程が並行流で行われるようにしてもよい。この場合、2つの吸込口が第1層26、2つの吹出口が第4層29というように、それぞれ同じ層に位置することになるので、送風手段を第1層26に設置し、第1の吸気口36および第2の吸気口38双方に押し込む構成が可能となり、1つの送風手段で加湿空気を連続的に生成することができる。
また図9、10では、風路切換ダンパの突起は、上部と下部双方に設けられているが、加工費低減のためにどちらか一方だけ設けてもよい。
以上のように、2つの回転型ダンパを切換えるという単純な動作により、密閉性が高く空気漏洩の少ない風路にて、室内へ連続的に加湿空気を供給する加湿装置を得ることができる。このとき、吸着剤を担持された水分吸着手段における吸着工程と再生工程が対向流となるため、水分の吸着、再生を効率的に行うことができ、高効率な加湿装置となる。また、吸着風路と再生風路が切換わり、特定の風路が冷却されることがないため、加湿装置内部において結露を発生しにくいという効果も得られる。さらに、風路仕切板の風路仕切面半径方向全体に、仕切面に対して垂直に突起を設け、風路切換ダンパの扇形半径部分全体に、上部突起および下部突起を設けることにより、風路仕切板と風路切換ダンパの接触面積が大きくなり、両者の隙間風路がL字型となって圧損により空気が通りにくくなるため、空気漏洩を抑制することが可能となり、また、風路切換ダンパの突起と風路仕切板が完全に咬み合うため回転誤差を完全に防ぐことができ、回転時の上下方向のブレも抑制できるという効果も得られる。
図16は実施の形態3の制御方法を示すフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。S1−1で電源がONになると、S2−2で制御回路6が吸着空気送風手段2の駆動モータ2aと再生空気送風手段3の駆動モータ3aをそれぞれ駆動する。本実施の形態では風路切換ダンパ34と35を切換えるので水分吸着手段1は回転させない。S1−3乃至7のステップは図9と同様の制御方法であるので説明を省略する。S1−7で制御回路6により加熱手段制御値(Q)がQsetに設定された後、ステップS2−8でtがtdumpを経過したことを確認して、ステップS2−9で制御回路がダンパを切換える。ステップS2−10ではダンパの切換えが1回目か否かを判定する。ダンパの切換えが一回目ならステップS2−11に進み、制御回路が時刻tを0にリセットしてステップS1−3に戻る。S2−10でダンパの切換えが2回目以降ならステップS2−12に進み、制御回路が加熱手段制御値(Q)をQsetに設定して運転を継続する。
なお、上述のように加湿量を制御するだけでなく、実施の形態2のように、吸着空気若しくは再生空気の送風量を同様に制御することも可能である。この風量制御は、1つのみを行ってもよいし、加熱量を含め同時に制御することにより加湿量を適切に調整することも可能である。
実施の形態4
図17は実施の形態4の構成を示したものである。本実施の形態は実施の形態3の構成に室外空気センサ49を設置し、室外空気センサ49の検出値に応じて予めメモリ7に組み込まれた設定を読み出し、加熱手段4、吸着空気送風手段2の駆動モータ2a又は再生空気送風手段3の駆動モータ3aの少なくとも一つを制御することを制御回路6に加えたものである。
図18は、本発明の実施の形態における、加湿装置の概略構成図であり、実施の形態3と同一の箇所については説明を割愛する。また図19は、本発明の実施の形態における、加湿量制御方法の概念図であり、実施の形態1と同一の箇所については説明を割愛するが、加熱手段制御値(Q)の変化により、加湿量(Wde)=除加湿量(W)および再生出口空気相対湿度(Φdeo)が変化することを意味しており、また加熱手段制御値(Q)を設定値(Qset)とすることにより、図18に示した加湿装置において、設定値(Wset)の加湿量(Wde)が得られることを示している。また、加熱手段4を通過する前の再生入口空気相対湿度(Φdei)は、図18に示す加湿装置においては、室外空気センサ49によって検出される、室外空気相対湿度(Φout)と一致することになる。横軸は時間軸で、50は、第1の風路切換ダンパ34および第2の風路切換ダンパ35を回転させ風路を切換える間隔を意味する、風路切換ダンパ切換時間(tdump)であり、加熱手段制御値(Q)を変化させる期間を意味する制御値変更時間(tset)よりも長く設定されている。
次に、動作の一例について説明する。図18の構成における基本的動作としては、実施の形態3と同一であるため説明を割愛し、図19に示す加湿量制御方法の一例について説明する。図18に示したような加湿装置を、ある程度の時間放置した場合、吸着空気送風手段2、および再生空気送風手段3を停止していても、水分吸着手段1は周囲空気の水分を吸着するので、運転を再開した際、加湿量(Wde)=除加湿量(W)、および再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、図5〜7にしたように急激に上昇する可能性が高い。例えば暖房標準条件(7℃/87%RH)のような高湿度の室外空間に加湿装置を設置している場合、図7の20dのように、加熱手段制御値(Q)として、Q/Qset=0.4に制限しても、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は100%RHに到達し、再生出口空気9bは結露することになる。そこでまず、図15に示すダンパ位置<A>において、水分吸着手段1の1bで吸着工程、1aで再生工程を行っている際に、図19の加熱手段制御値(Q)の時系列変化16に示すように、運転開始時にはQ<Qsetに設定しておき、制御値変更時間(tset)の間に、加熱手段制御値(Q)を段階的に上昇させ、t=tsetのときQ=Qsetに設定することにより、加湿量(Wde)は、時系列変化17に示されるように、徐々に上昇してt=tsetのときW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化18に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移してt=tset後以降に安定し、再生出口空気9bを結露させることなく運転することが可能となる。
次に、水分吸着手段1の1bにおける吸着工程、1aにおける再生工程が完了する程度の時間、すなわち風路切換ダンパ切換時間(tdump)が経過した後、図15に示すダンパ位置を<A>から<B>へと切り換える。このとき、再生工程が行われる水分吸着手段1の1bは、周囲空気の水分が充分吸着された状態であるので、ダンパ位置<A>のときの運転開始時と同様に、加湿量(Wde)、および再生出口空気相対湿度(Φdeo)が、図5〜7に示したように急激に上昇する可能性が高い。そこで、図19の加熱手段制御値(Q)の時系列変化16に示すように、ダンパ切換時(t=tdump)に再度Q<Qsetに設定しておき、制御値変更時間(tset)の間、すなわちt=tdump〜tdump+tsetに加熱手段制御値(Q)を段階的に上昇させ、t=tdump+tsetのときQ=Qsetに設定することにより、加湿量(Wde)は、時系列変化17に示されるように、徐々に上昇してt=tdump+tsetのときW=Wsetに到達し、再生出口空気相対湿度(Φdeo)は、時系列変化18に示されるように、徐々に上昇はするが100%RHに到達することなく推移してt=tdump+tset後以降に安定し、再生出口空気9bを結露させることなく運転することが可能となる。
ここで、加熱手段制御値(Q)の時系列変化16としては、実施の形態1と同様に、例えば表1に示したように、周囲空気の相対湿度に応じて、低湿(図5:60%RH)想定、標準(図6:80%RH)想定、高湿(図7:90%RH)想定のそれぞれに対し、時刻(t)と加熱手段制御値(Q)の関係を設定しておき、設置環境、地域などによって対応する設定を用いてもよい。すなわち、表1および2のような室外空気センサ49の検出値に対応し、加湿量を制御する予測モデルを予めメモリ7に組み込んでおく。また、再生出口空気9bの結露を完全に回避するために、常に高湿(90%RH)想定の設定を用いてもよい。望ましくは、室外空気センサ49により、周囲空気の相対湿度を直接検出する、あるいは温度を検出して絶対湿度を想定して、設定を選択するのがよい。本実施の形態では室外空気センサ49を用いているが、吸着空気センサ11を用いて同様の制御を行ってもよい。なお表1では、それぞれの湿度想定に対し、t=0〜tsetを3分割して加熱手段制御値(Q)を設定しているが、分割数を増減させてもよく、湿度想定によって分割数を変化させてもよい。
図5〜7の実測結果、および表1の加熱手段制御値(Q)の時系列変化16の設定値は、除加湿装置から放出された直後の、再生出口空気9bに基づいたものであるが、図18に示したように加湿装置を室外に設置し、例えば再生出口空気10をダクトなどにより搬送して室内を加湿するような場合には、ダクト搬送過程において再生出口空気9bが冷却されて結露する可能性が高まるため、表1に示した値よりも、制御値変更時間(tset)は長く、また加熱手段制御値(Q)は小さく設定する必要がある。
図19に示した加湿量の制御方法は、風路切換ダンパ切換時間(tdump)≧制御値変更時間(tset)の場合におけるものであり、t=2×tdump後、すなわち、ダンパ位置<A>と<B>における動作が1回ずつ終了した後は、加熱手段制御値(Q)を設定値(Qset)に固定して運転を継続しているが、tdump<tsetの場合には、t=2×tdump後以降も、制御動作を行っている合計時間がtsetに到達するまでは、加熱手段制御値(Q)の制御を継続する必要がある。ただし、この風路切換ダンパ切換時間(tdump)は、吸着工程、再生工程の動作時間を最適化し、単位時間により多くの加湿量を確保するためのものであり、一般的にはtdump<tsetとなるが、再生出口空気相対湿度(Φdeo)が急激に上昇する可能性が高い運転開始後しばらくの間は、図19に示したように、加湿量(Wde)、および再生出口空気相対湿度(Φdeo)が安定できるように長く設定することが望ましい。
また図19では、実施の形態1と同様に、加熱手段制御値(Q)による制御方法の一例を示したが、実施の形態2と同様に、再生空気風量(Vde)を制御値変更時間(tset)の間に段階的に低下させてもよい。さらに、加熱手段制御値(Q)、および再生空気風量(Vde)による制御に加え、実施の形態1および2で示したように、吸着空気風量(Vad)についても、制御値変更時間(tset)の間に段階的に上昇させ、再生出口空気9bにおける結露を確実に防止してもよい。ただしこれらの場合も、本実施の形態で示した加湿装置においては、図19で示したように、ダンパ位置<A>、および<B>に対して、最低2回は同じ制御を繰り返すことが必要である。
以上のように、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い運転開始直後の所定期間において、加熱手段の入力値、再生空気風量、および吸着空気風量を制御して、目標性能を確保するための加湿量の目標設定値より少ない値に設定し、段階的に目標設定値に近づけることにより、実施の形態3で示した効果に加え、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、加湿運転を継続することが可能な加湿装置を得ることができる。またこのとき、室外空気の温度または湿度を検出し、その検出値から、上記加熱手段の入力値を目標設定値から変更する期間を設定することにより、設定期間が短すぎることによる加湿空気側風路における結露の発生や、設定期間が長すぎることによる加湿量不足を防ぐことができる。
図20乃至21はこの実施の形態4の制御方法のフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。ステップS1−1で電源がONになると、ステップS1−2で制御手段6が送風手段の駆動モータ2aと3a、加熱手段4の電力供給手段13、室外空気センサ49を駆動させる。ステップS3−3で制御回路6が室外空気センサ49で湿度h%RHを読み込む。読み込んだ湿度h%RHに対応するようにステップS3−4とステップS3−5乃至7で、制御回路6が予めメモリ7に組み込んでいた低湿度、標準湿度、高湿度時におけるt、t、t、tset、Q、Q、Q、Qsetの表1や2のような関係表を読み出して、t、t、t、tset、に対応して加熱手段制御値(Q)をそれぞれQ、Q、Q、Qsetを設定する。次にステップS3−8乃至12では、ステップ3−5乃至7での設定値を用いて、電源がONになってからの時間tに応じて加熱制御値Qを設定する。尚、制御の方法は図9のステップ1−3乃至7と同様である。続いて、ステップ3−13を介して図16のステップ2−9乃至12と同様の風路切換ダンパ34、35を切換える制御を行う。ただし、ステップS2−11で制御回路が時刻tを0にリセット後、ステップS3−18を介して、ステップS3−3まで戻る。尚、上記説明では室外空気センサ49で湿度を検出しているが、温度を検出して予めメモリ7に組み込んだ低温度、標準温度、高温度時における設定を用いて同様の制御を行ってもよい。また、室外空気センサ49又は吸着入口空気センサ11を用いて同様の制御を行ってもよい。
また、上述の説明では、加熱手段4の加熱量を室外空気センサ49の検出値に基づいて制御する加湿装置について説明したが、室外空気センサ49の検出値に基づいて、実施の形態2、3と同様に再生空気若しくは吸着空気の風量を制御することもできる。この風量制御は、図20のステップ3−4乃至S3−7で制御回路6が、加熱量の代わりに風量を設定し、ステップS3−8乃至S3−12で設定された風量の設定値に基づき、吸着空気送風手段若しくは再生空気送風手段の風量を制御することにより、実施することができる。
なお、加熱量、再生空気の風量、吸着空気の風量の1つを制御するだけでなく、これらを2以上組み合わせて加湿量を調整することも可能である。
実施の形態5
図22は実施の形態5の構成図である。本実施の形態は実施の形態3の図11の構成に加えて吸着入口空気センサ11、吸着出口空気センサ51、吸着入口空気センサ11と吸着出口空気センサ51の検出値の経時変化から水分吸着手段1の劣化を検出する劣化検出手段52と劣化を検出した場合に表示する表示部10を備え、さらに劣化検出手段7の検出値に応じて予めメモリ7に組み込んだ設定値を変更する制御を制御回路6に加えたものである。
図23は、本発明の実施の形態における、水分吸着手段1周辺の風路構成の詳細図であり、図12に示した加湿装置の内部に配置されるものである。図23では、図13と同様に各部品を分解してわかりやすく示してあるが、実際には隣り合う部品は密着されている。実施の形態3と同一の箇所については説明を割愛するが、11は吸着入口空気8aの温度または湿度を検出する吸着入口空気センサ、同様に、51は吸着出口空気センサ、53は再生入口空気センサ、54は再生出口空気センサである。
動作についても、基本的には実施の形態3同様に、第1の風路切換ダンパ34および第2の風路切換ダンパ35を回転させ風路を切り換えることにより、室内へ連続的に加湿空気を供給するものであるため、詳細は割愛する。このとき、図11に示されるダンパ位置<A>、<B>どちらの場合においても、第1の吸気口36、第1の排気口37、第2の吸気口38、第2の排気口39を通過する空気は、常に吸着入口空気8a、吸着出口空気8b、再生入口空気9a、再生出口空気9bであるため、空気センサ11、51、53、54は、常に目的の空気の温度または湿度を検出する。したがって、吸着領域(ダンパ位置<A>のとき1b、ダンパ位置<B>のとき1a)においては、水分吸着手段1に担持された吸着剤5bが、吸着入口空気8aの水分を吸着し、発熱反応が起こるため、吸着入口空気センサ51において検出される値に対し、吸着出口空気センサ52においては、温度は上昇し、湿度は低下する。一方、再生領域(ダンパ位置<A>のとき1a、ダンパ位置<B>のとき1b)においては、水分吸着手段1に担持された吸着剤5bから、高温の再生入口空気9aにより水分が再生され、吸熱反応が起こるため、再生入口空気センサ53において検出される値に対し、再生出口空気センサ54においては、温度は低下し、湿度は上昇する。例えば、水分吸着手段1に担持された吸着剤5bの吸着エネルギが、一般的なゼオライトの値として、吸着する水分1kgに対し800kcalとし、第1の送風手段2および第2の送風手段3による風量が3m/minであるときに、加湿量が1L/h確保されたことを想定すると、水分吸着手段1の前後において、熱損失を無視すれば、温度は約15℃、絶対湿度は約4.6g/kg変化することになる。
ここで、水分吸着手段1に担持された吸着剤5bは、空気中の水分だけでなく、その他のガス成分も吸着する。例えば、吸着入口空気8aを室外から供給した場合には、自動車の排気ガスなどから発生するNOxなどが、室内から供給した場合には、タバコ煙から発生するアンモニアやVOCなどが、吸着剤の種類によっては吸着工程において一旦吸着され、高温の再生入口空気9aにより、再生工程において水分と共に排出されるが、経年的には水分吸着手段1の内部に蓄積され、吸着剤の構造が破壊されて加湿量が低下することがある。加湿量が低下した場合、先述の水分吸着手段1前後における温度、および湿度の差も小さくなり、入口空気の温湿度や風量が一定のとき、加湿量が半減すれば温度差および絶対湿度差も半減する。したがって、吸着入口空気センサ11、再生入口空気センサ53において検出される温度や湿度に対して、吸着出口空気センサ51、再生出口空気センサ54において検出されるべき温度や湿度の設計値を決定するか、あるいは初期値を測定しておき、経年的な変化を検出することにより、吸着剤の劣化を確認することができる。このとき、吸着剤が劣化し加湿量が低下すれば、温度にも湿度にもその影響が現れるので、どちらか一方を検出しても、また双方を検出して精度向上を図ってもよい。
図23では、第1の吸気口36の前に吸着入口空気センサ11、および第1の排気口37の後に吸着出口空気センサ51、第2の吸気口38の前に再生入口空気センサ53、および第2の排気口39の後に再生出口空気センサ54を設置しているが、吸着工程側、あるいは再生工程側のどちらか一方のみに設置すればよい。吸着工程における除湿量と、再生工程における加湿量は同一であるため、どちらか一方の温度や湿度の差から吸着剤の劣化は検出可能であり、センサの個数を削減できるためコストの増加を抑制できる。ただし、再生工程側では加熱手段4によって昇温された、高温の再生入口空気9aを検出するため、熱損失による誤差が大きく含まれる可能性があるため、一方に設置する場合には、吸着入口空気センサ51と吸着出口空気センサ52を設置するのが望ましい。
また実施の形態4で示したような、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、運転開始から一定期間において、加熱手段制御値(Q)、再生空気風量(Vde)、および吸着空気風量(Vad)を制御する場合、空気センサ11、51、53、54のうち、特に再生出口空気センサ54による検出値をフィードバックし、制御値変更時間(tset)を設定することにより、設定期間が短すぎることによる加湿空気側風路における結露の発生や、設定期間が長すぎることによる加湿量不足を発生させることなく、加湿運転を継続することが可能な加湿装置を得ることができる。
以上のように、水分吸着手段の前後に、温度または湿度を検出するセンサを設置し、入口空気の温度または湿度に対する、出口空気の温度または湿度の経年的な変化を検出することにより、実施の形態3で示した効果に加え、設計値あるいは初期値に対する加湿量の低下を確認することができ、水分以外のガスを吸着したことによる、吸着剤の経年劣化を検出することが可能な加湿装置を得ることができる。
図24はこの実施の形態5の制御方法のフローチャートであり、これを基に加湿装置の制御方法を説明する。ステップS1−1で電源がONにされると、ステップS4−2で制御回路6が吸着入口空気センサ11と吸着出口空気センサ51が検出した吸着入口空気温度Tinと吸着出口空気温度Toutを読み込み、ステップS4−3で制御回路6が吸着空気送風手段2の駆動モータ2aの回転数から吸着空気風量(Vad)を読み込む。ステップS4−4で入口空気と出口空気の温度差と吸着空気の初期値の設定がなされているか否かを判定する。初期値が設定されていない場合は、ステップS4−5に進みステップS4−2とステップS4−3で読み込んだ値から制御回路6が初運転温度差ΔT、初運転吸着空気風量Vadをメモリ7に設定し、ステップS4−2に戻る。ステップS4−4で入口空気と出口空気の初期値の温度差と吸着空気の初期値の設定が既にされている場合は、ステップS4−7に進む。
ステップS4−7では制御回路6が吸着空気と温度差の積の値を吸着空気と温度差のそれぞれの初期値の積で割った値を劣化度とし、劣化度が予め定めた値cより小さいか否かを判定する。cは1未満の任意の実数であり、予め定めてメモリ7に組み込んでおく。もちろんこれと異なる劣化度の算出式を用いてもよい。劣化度が予め定めた値より小さい場合はステップS4−8に進み予めメモリ7に組み込まれた設定値を劣化度に基づいて変更する。この変更は加熱手段制御値(Q)又は吸着空気風量(Vad)に対してはt、t、t、tsetにそれぞれ劣化度を掛ける、あるいはQ、Q、Q、Qset、Vad1、Vad2、Vad3、Vadsetをそれぞれ劣化度で割った値に変更し、再生空気風量Vdeに対してはt、t、t、tset、Vde1、Vde2、Vde3、Vdesetにそれぞれ劣化度を掛けた値に変更してもよいが、もちろんこれと異なる関係式を用いて予めメモリ7に組み込んだ設定値を変更してもよい。ステップS4−9で表示部10に「フィルター交換時期です」といった内容の表示を行う。またステップS4−7で劣化度が予め定めた値より小さくない場合は、ステップS4−2に戻る。
実施の形態6
図25乃至27は実施の形態6の構成を示したものであり、実施の形態1乃至5で説明した構成の除加湿装置を備えた空気調和機の構成を示したものである。
図25は、本発明の実施の形態における、加湿機能を有する空気調和機における室外側の概略構成図であり、実施の形態3で説明した加湿ユニット25を、空気調和機の室外機55の上部に一体化して設置したものである。室外機55の内部には、周知のとおり、圧縮機56、室外機熱交換器57、室外機送風機58、および膨張弁59などが設置され、図示しない室内機の熱交換器と接続されて、ヒートポンプサイクルを形成している。加湿ユニット25については、実施の形態3と同一であるため説明を割愛する。
次に動作の一例について説明する。動作についても、加湿ユニット25内部については、実施の形態3と同一であるため説明を割愛する。ヒートポンプサイクルが暖房運転を行っているとき、実施の形態3にて説明したように、図25のダンパ位置<A>および<B>となるように、第1の風路切換ダンパ34および第2の風路切換ダンパ35を繰り返し切り換えることにより、乾燥空気である吸着出口空気8b、および高温高湿空気である再生出口空気9bが、連続的に加湿ユニット25から排出される。このとき、再生出口空気9bは、室内と室外を接続するダクトなどを経由して、第2の送風手段3により室内へと搬送され、室内機から排出される高温空気とともに室内へ供給され、室内を暖房加湿する。
このように、加湿ユニット1を空気調和機の室外機55の上部に一体化して設置することにより、新たに加湿ユニット25を設置するための床スペースを確保することなく、加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。また、ヒートポンプサイクルの暖房運転と同時に、連続的に加湿空気を室内に供給することが可能となるため、暖房時の乾燥を防ぐことができるという効果が得られる。
ここで、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、運転開始から一定期間においては、実施の形態4で示したように、加熱手段制御値(Q)や再生空気風量(Vde)、および吸着空気風量(Vad)について、目標性能を確保するための目標設定値とは異なる値に設定し、段階的に目標設定値に近づける制御を行うことにより、加湿空気側の風路に結露を発生させることなく、加湿運転を継続することが可能となる。このとき、特に加熱手段制御値(Q)を、運転開始時にはQ<Qsetに設定して段階的に上昇させることにより、暖房運転時において、最も圧縮機56が電力を消費する、高負荷の起動時における加熱手段制御値(Q)を抑えることができる。
また実施の形態5と同様に、第1の吸気口36、第1の排気口37、第2の吸気口38、第2の排気口39に、それぞれ吸着入口空気センサ11、吸着出口空気センサ51、再生入口空気センサ53、再生出口空気センサ54を設置してもよい。これにより、水分吸着手段1通過前に対する、通過後の温度または湿度の経年的な変化を検出し、設計値あるいは初期値に対する加湿量の低下を確認することができ、水分以外のガスを吸着したことによる、吸着剤の経年劣化を検出することができる。このとき、空調機には室外や室内の温度センサが具備されていることが多いので、センサの個数を削減しコストの増加を抑制できる。
図25では、加湿ユニット25を空気調和機の室外機55の上部に一体化して設置しているが、室外機送風機58の送風を阻害しない位置であれば、室外機55の側面、あるいは底面に一体化して設置してもよい。どちらの場合でも、再生出口空気9bを室内に導くことが可能であり、底面に設置した場合は設置床スペースも変わらないため、加湿ユニット25を上部に一体化して設置した場合と同様の効果が得られる。
また図25では、実施の形態3で説明したように、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程の空気の流れ方向が対向となるように、第1層26に第2の吸気口38、第1の排気口37、および第4層29に第1の吸気口36、第2の排気口39を設置しているが、同じ対向流であって、第1層26と第4層29の上下位置を逆転させてもよく、また、第1層26に設置された第1の排気口37と、第4層29に設置された第1の吸気口36の位置を逆転させ、水分吸着手段1における吸着工程と再生工程が並行流で行われるようにしてもよい。この場合、実施の形態3で説明した効果に加え、第1の排気口37が室外機熱交換器57の空気吸込口付近である第4層29に配置されることになり、乾燥空気であり、かつ吸着熱により外気よりも若干温度が上昇した吸着出口空気8bが、ヒートポンプサイクルの暖房運転時に蒸発器である室外機熱交換器57に吸い込まれることになるので、室外機熱交換器57における着霜を抑制し、暖房運転効率を向上させるという効果も期待できる。
また図25では、吸着出口空気8bの排気専用として、第1の送風手段2を設置しているが、加湿ユニット25を空気調和機の室外機55に一体化して設置しているので、室外機55の上面に連通口を設け、室外機送風機58によって取り込まれた空気の一部を、第1の吸気口36に導いてもよい。この場合、第1の送風手段2として室外機送風機58が兼用され、加湿ユニット25に設置する送風機は第2の送風手段3だけでよいので、送風機の数を削減でき低コストとなる。
また図25では、加湿ユニット25を空気調和機の室外機55の上部に一体化して設置しているが、空気調和機と連動して動作させれば、加湿ユニット25は、図26のように建物の外壁60に設置してもよい。建物の外壁60に設置した場合は、第1の排気口37と連通する室外排気口62は室外へ開放され、第2の排気口39と連通する室内接続口63は、既設の壁穴61と対面し密着されている必要があるが、再生出口空気9bを室内へ搬送するためのダクトが不要となり、低コスト化が図れるだけでなく、搬送距離が最短となるため、風路圧損および騒音が小さくなり、第2の送風手段3を小型化することも可能となり、信頼性が高くコンパクトな加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。また、高湿である再生出口空気9bをダクトで搬送する場合、特に冬場ではダクトが外気により冷却されるため、内部で結露する危険性が高いが、ダクトが不要であるために、加湿ユニット25で生成した加湿空気を、ロスなく有効に室内に供給することが可能となり、したがって、実施の形態4で説明したような、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、運転開始から一定期間における、加熱手段制御値(Q)の制御では、表1の値をそのまま用いてよいことになる。
同様に、空気調和機と連動して動作させれば、加湿ユニット25は、図27のように建物の内壁64に設置してもよい。建物の内壁64に設置した場合は、第2の排気口39と連通する室内接続口63は室内へ開放され、第1の排気口37と連通する室外排気口62は、既設の壁穴61と対面し密着されている必要があるが、建物の外壁60に設置した場合と同様に、再生出口空気9bを室内へ搬送するためのダクトが不要となり、低コストで、再生空気送風手段3を小型化することによりコンパクトな加湿機能を有する空気調和機を得ることができるだけでなく、ダクト騒音やダクト内結露などの問題を回避することも可能となり、信頼性を確保できる効果が得られる。また、吸着入口空気8aとして室内空気65を使用するので、加湿ユニット25の内部に室温以下の空気が流れることはなく、吸着風路を外気が流れる場合よりも、ユニット内部において結露が発生する危険性を回避できるという効果が得られる。さらに、再生入口空気9aとして暖房された室内空気を使用するので、水分吸着手段1において水分の再生に必要な空気温度を得るために、加熱手段4にて昇温に必要な熱量が軽減されるという省エネ効果も得られる。また、再生出口空気9bはそのまま室内へ開放されるので、実施の形態4で説明したような、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、運転開始から一定期間における、加熱手段制御値(Q)の制御では、表1の値をそのまま用いてよいことになる。
以上のように、加湿ユニットを、空気調和機と一体、または別体で設置して、ヒートポンプサイクルの暖房運転と同時に加湿運転させることにより、実施の形態3〜5で示した効果に加え、暖房時の乾燥を防ぐことが可能な加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。このとき、加湿空気の相対湿度が高くなる可能性の高い、運転開始から一定期間において、加熱手段の入力値を、目標性能を確保するための目標設定値より小さく設定し、且つ段階的に目標設定値に近づけることにより、結露を発生させずに室内を加湿することが出来る。加えて、最も圧縮機が電力を消費する、高負荷の起動時における加熱手段制御値を抑えることができる。
実施の形態1における、除加湿装置の構成図。 図1の電力供給手段の一実施例図。 水分吸着手段における吸着風路と再生風路の概略図。 実施の形態1における、除加湿量制御方法(加熱手段入力)の概念図。 実施の形態1における、運転開始時における除加湿量/設定除加湿量、および再生出口空気相対湿度の時系列変化の実測結果図(周囲空気相対湿度60%RHのとき)。 実施の形態1における、運転開始時における除加湿量/設定除加湿量、および再生出口空気相対湿度の時系列変化の実測結果図(周囲空気相対湿度80%RHのとき)。 実施の形態1における、運転開始時における除加湿量/設定除加湿量、および再生出口空気相対湿度の時系列変化の実測結果図(周囲空気相対湿度90%RHのとき)。 実施の形態1における、加湿装置の制御方法のフローチャート図。 実施の形態1における、加湿装置の制御方法(吸着空気風量)の概念図。 実施の形態2における、除加湿量制御方法(再生空気風量)の概念図 実施の形態3における、除加湿装置の構成図。 実施の形態3における、除加湿装置の詳細図。 実施の形態3における、水分吸着手段周辺の風路構成の詳細図 実施の形態3における、風路仕切板と風路切換ダンパの接触部横観図 実施の形態3における、加湿装置の制御方法のフローチャート図。 実施の形態3における、水分吸着手段周辺風路の各部品の平面図。 実施の形態4における、除加湿装置の構成図。 実施の形態4における、除加湿装置の詳細図。 実施の形態4における、加湿量制御方法(加熱手段入力)の概念図。 実施の形態4における、加湿装置の制御方法のフローチャート図。 実施の形態4における、加湿装置の制御方法のフローチャート図。 実施の形態5における、除加湿装置の構成図。 実施の形態5における、除加湿装置の詳細図。 実施の形態5における、加湿装置の制御方法のフローチャート図。 実施の形態6における、加湿機能を有する空気調和機における室外側の概略構成図。 実施の形態6における、加湿機能を有する空気調和機における加湿装置の概略設置図。 実施の形態6における、加湿機能を有する空気調和機における加湿装置の概略設置図。
1 水分吸着手段
2 吸着空気送風手段
2a 吸着空気送風手段駆動モータ
3 再生空気送風手段
3a 再生空気送風手段駆動モータ
4 加熱手段
5a 基材
5b 吸着剤
6 制御回路
7 メモリ
8a 吸着入口空気
8b 吸着出口空気
9a 再生入口空気
9b 再生出口空気
10 表示部
11 吸着入口空気センサ
12a 水分吸着手段回転ロータ
12b 風路切換ダンパ回転ロータ
13 加熱手段への電力供給手段
14 AC電源
15 抵抗切換え装置
16 加熱手段制御値Qの時系列変化
17 除加湿量Wの時系列変化
18 再生出口空気相対湿度φdeoの時系列変化
19 除加湿量W/設定除加湿量Wsetの時系列変化(実測値)
19a 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.2のとき
19b 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.3のとき
19c 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.4のとき
19d 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.5のとき
19e 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.6のとき
19f 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.8のとき
20 再生出口空気相対湿度φdeoの時系列変化(実測値)
20a 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.2のとき
20b 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.3のとき
20c 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.4のとき
20d 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.5のとき
20e 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.6のとき
20f 加熱手段制御値Q/設定加熱手段制御値Qset=0.8のとき
21 吸着空気風量Vadの時系列変化
22 再生空気風量Vdeの時系列変化
23a 吸着空気入口
23b 吸着空気出口
24a 再生空気入口
24b 再生空気出口
25 加湿ユニット
26 第1層
27 第2層
28 第3層
29 第4層
30 第1の風路仕切板
31 第2の風路仕切板
32 第3の風路仕切板
33 第4の風路仕切板
34 第1の風路切換ダンパ
35 第2の風路切換ダンパ
36 第1の吸気口
37 第1の排気口
38 第2の吸気口
39 第2の排気口
40 第1の風路仕切板の突起
41 第2の風路仕切板の突起
42 第3の風路仕切板の突起
43 第4の風路仕切板の突起
44 第1の風路切換ダンパの上部突起
45 第1の風路切換ダンパの下部突起
46 第2の風路切換ダンパの上部突起
47 第2の風路切換ダンパの下部突起
48 室外空気
49 室外空気センサ
50 風路切換ダンパ切換時間tdump
51 吸着出口空気センサ
52 劣化検出手段
53 再生入口空気センサ
54 再生出口空気センサ
55 室外機
56 圧縮機
57 室外機熱交換器
58 室外機送風機
59 膨張弁
60 建物の外壁
61 壁穴
62 室外排気口
63 室内接続口
64 建物の内壁
65 室内空気

Claims (14)

  1. 低温空気から水分を吸着し高温空気により前記水分を放出する吸着剤が担持された水分吸着手段と、周囲の空気を加熱して前記高温空気を生成する加熱手段と、前記加熱手段および前記水分吸着手段を経由する前記高温空気を送風する再生空気送風手段と、運転開始時は所定の目標設定値よりも小さく設定した前記加熱手段の加熱手段制御値で運転を行い、運転開始後に大きくして前記目標設定値に設定する制御手段を備えたことを特徴とする加湿装置。
  2. 低温空気から水分を吸着し高温空気により前記水分を放出する吸着剤が担持された水分吸着手段と、周囲の空気を加熱して前記高温空気を生成する加熱手段と、前記加熱手段および前記水分吸着手段を経由する前記高温空気を送風する再生空気送風手段と、運転開始時は所定の目標設定値よりも大きく設定した前記再生空気送風手段の送風量で運転を行い、運転開始後に小さくして前記目標設定値に設定する制御手段を備えたことを特徴とする加湿装置。
  3. 前記水分吸着手段に前記低温空気を送風し前記水分吸着手段に水分を吸着させる吸着空気送風手段と、運転開始時は所定の目標設定値よりも小さく設定した前記吸着空気送風手段の送風量で運転を行い、運転開始後に大きくして前記目標設定値に設定する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加湿装置。
  4. 前記加湿装置に取り込まれる空気の温度又は湿度を検出する空気センサを備え、前記制御手段は前記空気センサの検出値に基づいて加湿量を制御することを特徴とする請求項3に記載の加湿装置。
  5. 前記低温空気の風路において前記水分吸着手段よりも風上側に設けられ温度又は湿度を検出する入口空気センサと、前記低温空気の風路において前記水分吸着手段よりも風下側に設けられ温度又は湿度を検出する出口空気センサと、前記入口空気センサと前記出口空気センサとの検出値の差の経時的な変化から、前記水分吸着手段に担持された吸着剤の劣化を検出する劣化検出手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加湿装置。
  6. 前記制御手段は前記劣化検出手段の検出値に基づいて加湿量を制御することを特徴とする請求項5に記載の加湿装置。
  7. 前記高温空気と前記低温空気の風路は風路仕切板と風路切換ダンパによって区切られた層構造であり、前記風路切換ダンパを切換えることにより前記高温空気と前記低温空気の風路が切換わることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の加湿装置。
  8. 前記風路切換ダンパを切換える時間間隔を、運転開始時は所定値よりも大きく設定し、前記風路切換ダンパを切換える毎に前記時間間隔を小さくして前記所定値に設定する前記制御手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の加湿装置
  9. 圧縮機、室外側熱交換器、膨張弁を備えた室外機と、室内側熱交換器を備えた室内機を冷媒配管にて接続した空気調和機において、請求項1乃至8のいずれかに記載の加湿装置を室外機に備えたことを特徴とする加湿機能を有する空気調和機。
  10. 前記加湿装置が建物の外壁又は室内の内壁に密接するように設置されたことを特徴とする請求項9記載の空気調和機。
  11. 水分を吸着し高温空気により前記水分を放出して高湿空気を発生させる水分吸着手段と、周囲の空気を加熱して前記高温空気を発生させる加熱手段と、前記加熱手段および前記水分吸着手段を経由する前記高温空気を送風する再生空気送風手段とを備えた加湿装置の制御方法であって、
    前記加熱手段の加熱量を所定の目標設定値よりも小さい値で運転を開始する第1工程と、
    この第1工程終了後に前記加熱手段の加熱量を前記目標設定値まで段階的又は連続的に大きくする第2工程と、
    この第2工程終了後に前記加熱手段の加熱量を前記目標設定値で運転する第3工程と
    を有することを特徴とする加湿装置の制御方法。
  12. 水分を吸着し高温空気により前記水分を放出して高湿空気を発生させる水分吸着手段と、周囲の空気を加熱して前記高温空気を発生させる加熱手段と、前記加熱手段および前記水分吸着手段を経由する高温空気を送風する再生空気送風手段と、前記再生空気送風手段の送風量を変化させる制御手段を備えた加湿装置の制御方法であって、
    前記再生空気送風手段の送風量を所定の目標設定値より大きい値で運転を開始する第1工程と、
    この第1工程終了後に前記再生空気送風手段の送風量を前記目標設定値まで段階的又は連続的に小さくする第2工程と
    この第2工程終了後に前記再生空気送風手段の送風量を前記目標設定値で運転する第3工程と
    を有することを特徴とする加湿装置の制御方法。
  13. 前記水分吸着手段に低温空気を送風し前記水分吸着手段に水分を吸着させる吸着空気送風手段を備えた加湿装置の制御方法であって、
    前記吸着空気送風手段の送風量を所定の目標設定値より小さい値で運転する第4工程と、
    この第4工程終了後に前記吸着空気送風手段の送風量を前記目標設定値まで段階的若しくは連続的に大きくする第5工程と
    この第5工程終了後に前記吸着空気送風手段の送風量を前記目標設定値で運転する第6工程と
    を前記第1工程〜前記第3工程と並列に有することを特徴とする請求項11又は12に記載の加湿装置の制御方法。
  14. 前記水分吸着手段よりも風上側に、入口空気温度検出手段又は入口空気湿度検出手段を備えた加湿装置の制御方法であって、
    前記第1工程および前記第4工程の前の電源投入時に、前記入口空気温度検出手段又は前記入口空気湿度検出手段が温度又は湿度を検出する第7工程と、
    前記第7工程にて検出された温度又は湿度に基づいて、予め定められた前記加熱手段の加熱量、前記再生空気送風手段の送風量又は前記吸着空気送風手段の送風量の少なくとも一つの前記目標設定値及び運転開始時の値を設定する第8工程と
    を有することを特徴とする請求項13に記載の加湿装置の制御方法。
JP2009027396A 2009-02-09 2009-02-09 加湿装置、加湿装置の制御方法、及び加湿装置を有する空気調和機 Active JP5003697B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009027396A JP5003697B2 (ja) 2009-02-09 2009-02-09 加湿装置、加湿装置の制御方法、及び加湿装置を有する空気調和機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009027396A JP5003697B2 (ja) 2009-02-09 2009-02-09 加湿装置、加湿装置の制御方法、及び加湿装置を有する空気調和機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010181127A true JP2010181127A (ja) 2010-08-19
JP5003697B2 JP5003697B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=42762813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009027396A Active JP5003697B2 (ja) 2009-02-09 2009-02-09 加湿装置、加湿装置の制御方法、及び加湿装置を有する空気調和機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5003697B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281521A (ja) * 2009-06-05 2010-12-16 Mitsubishi Electric Corp 加湿装置、加湿装置の制御方法及び加湿装置を有する空気調和機
CN113701323A (zh) * 2021-09-29 2021-11-26 深圳市英威腾网能技术有限公司 空调加湿控制方法、装置、设备及计算机可读存储介质
WO2022172485A1 (ja) * 2021-02-15 2022-08-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 換気装置及び換気装置を備える空気調和機
JP2023070384A (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 ダイキン工業株式会社 給気装置および空気調和機の室外機

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07264931A (ja) * 1994-03-31 1995-10-17 Aisin Seiki Co Ltd 青果物保存庫
JPH1030837A (ja) * 1996-07-16 1998-02-03 Sharp Corp 空気調和機
JPH10238843A (ja) * 1997-02-28 1998-09-08 Sharp Corp 加湿装置
JP2003004267A (ja) * 2002-06-05 2003-01-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加湿装置および加湿機能付空気調和機
JP2003090570A (ja) * 2001-09-13 2003-03-28 Daikin Ind Ltd 加湿装置およびそれを用いた空気調和機
JP3438672B2 (ja) * 1999-09-28 2003-08-18 ダイキン工業株式会社 加湿装置
JP2004085136A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Daikin Ind Ltd 加湿装置およびそれを用いた空気調和機
JP2005147484A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Hitachi Ltd 空気調和機
JP2005315463A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Daikin Ind Ltd 調湿装置
JP2006247595A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 吸着濃縮装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07264931A (ja) * 1994-03-31 1995-10-17 Aisin Seiki Co Ltd 青果物保存庫
JPH1030837A (ja) * 1996-07-16 1998-02-03 Sharp Corp 空気調和機
JPH10238843A (ja) * 1997-02-28 1998-09-08 Sharp Corp 加湿装置
JP3438672B2 (ja) * 1999-09-28 2003-08-18 ダイキン工業株式会社 加湿装置
JP2003090570A (ja) * 2001-09-13 2003-03-28 Daikin Ind Ltd 加湿装置およびそれを用いた空気調和機
JP2003004267A (ja) * 2002-06-05 2003-01-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加湿装置および加湿機能付空気調和機
JP2004085136A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Daikin Ind Ltd 加湿装置およびそれを用いた空気調和機
JP2005147484A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Hitachi Ltd 空気調和機
JP2005315463A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Daikin Ind Ltd 調湿装置
JP2006247595A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 吸着濃縮装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281521A (ja) * 2009-06-05 2010-12-16 Mitsubishi Electric Corp 加湿装置、加湿装置の制御方法及び加湿装置を有する空気調和機
WO2022172485A1 (ja) * 2021-02-15 2022-08-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 換気装置及び換気装置を備える空気調和機
CN113701323A (zh) * 2021-09-29 2021-11-26 深圳市英威腾网能技术有限公司 空调加湿控制方法、装置、设备及计算机可读存储介质
CN113701323B (zh) * 2021-09-29 2023-06-20 深圳市英威腾网能技术有限公司 空调加湿控制方法、装置、设备及计算机可读存储介质
JP2023070384A (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 ダイキン工業株式会社 給気装置および空気調和機の室外機
WO2023084936A1 (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 ダイキン工業株式会社 給気装置および空気調和機の室外機

Also Published As

Publication number Publication date
JP5003697B2 (ja) 2012-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4337402B2 (ja) 空気調和機、空気調和機の運転方法
JP7464868B2 (ja) 空気質の調整システム
JP5068293B2 (ja) 空気調和装置
JP2010151376A (ja) 空気調和装置、空調システム
JP5700069B2 (ja) 調湿装置
JP5003697B2 (ja) 加湿装置、加湿装置の制御方法、及び加湿装置を有する空気調和機
JP5014378B2 (ja) 除湿乾燥機
JP2004225945A (ja) 空気調和機および空気調和機の制御方法
JP5022026B2 (ja) デシカント空調装置
JP2006308247A (ja) 調湿装置
JP5007098B2 (ja) 吸着体、調湿装置及び空気調和機の室内機
KR101515530B1 (ko) 제습 유닛 및 그를 갖는 공기조화기
JP4888529B2 (ja) 加湿装置、および加湿装置を備えた空気調和機
JP2002162083A (ja) 換気調湿システム
CN114543176A (zh) 一种空气调节设备
JP6911400B2 (ja) 調湿装置
JP2001162128A (ja) 調湿機
JP2010281521A (ja) 加湿装置、加湿装置の制御方法及び加湿装置を有する空気調和機
JP7425355B2 (ja) 調湿装置
JP4772099B2 (ja) 除加湿装置および空気調和機ならびに空気漏洩防止構造
JP2019184124A (ja) 空気調和機
JP5309849B2 (ja) 調湿装置
JPH1194317A (ja) 除・加湿装置
JP3835920B2 (ja) 温風器
KR20100104403A (ko) 제습 유닛 및 그를 갖는 공기조화기

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120424

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120507

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5003697

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250