JP5700069B2 - 調湿装置 - Google Patents

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Description

この発明は、空気の除湿や加湿を行う調湿装置に関し、特に、吸着剤を担持する吸着熱交換器を有する調湿装置に関する。
従来より、吸着剤を用いて空気の除湿および加湿を行う調湿装置が知られている。例えば、特許文献1には、表面に吸着剤が設けられた吸着熱交換器を備えた調湿装置が記載されている。特許文献1の調湿装置では、圧縮機と2つの吸着熱交換器を有する冷媒回路において2つの吸着熱交換器が凝縮器と蒸発器とに交互に切り換えられ、室外空気が凝縮器となる吸着熱交換器を通過して室内空間に供給され、室内空間か蒸発器となる吸着熱交換器を通過して室外空間に排出されるように空気通路を制御することにより、加湿運転が行われている。
特開2007−010231号公報
ところで、上記のような調湿装置では、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤から空気中に放出される水分量は、その吸着熱交換器を通過する空気の相対湿度に依存し、その空気の相対湿度は、その空気の温度に依存している。例えば、凝縮器となる吸着熱交換器を通過する空気の温度が低くなるほど、その空気の相対湿度が高くなり、その結果、吸着剤から空気中に水分が放出されにくくなる傾向にある。また、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤中の水分が空気中に十分に放出されていない状態が継続すると、吸着剤中に水分が次第に蓄積されていき、吸着剤中の水分量が許容量を超えて吸着剤から水滴(ドレン水)が漏れ出してしまう可能性がある。
そこで、この発明は、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生を抑制することが可能な調湿装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、圧縮機(100)と、吸着剤を担持する第1および第2の吸着熱交換器(101,102)とを有し、該第1の吸着熱交換器(101)が凝縮器となり該第2の吸着熱交換器(102)が蒸発器となる第1の冷凍サイクル動作と、該第1の吸着熱交換器(101)が蒸発器となり該第2の吸着熱交換器(102)が凝縮器となる第2の冷凍サイクル動作とを実行可能な冷媒回路(10)と、上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における空気通路を、室外空気(OA)が該第1の吸着熱交換器(101)を通過して室内空間に供給され室内空気(RA)が該第2の吸着熱交換器(102)を通過して室外空間に排出される第1の経路と、室外空気(OA)が上記第2の吸着熱交換器(102)を通過して室内空間に供給され室内空気(RA)が上記第1の吸着熱交換器(101)を通過して室外空間に排出される第2の経路とに設定可能な通路制御機構(20)と、上記第1の冷凍サイクル動作が行われ上記空気通路が上記第1の経路に設定される第1の加湿運転と上記第2の冷凍サイクル動作が行われ該空気通路が上記第2の経路に設定される第2の加湿運転とが交互に実行されるように上記冷媒回路(10)および上記通路制御機構(20)を制御する加湿運転制御動作と、上記室内空気(RA)の湿度が予め設定された目標湿度に近づくように上記圧縮機(100)の回転数を制御する湿度制御動作と、該第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が予め設定された凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合に該圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させる凝縮温度制御動作とを行う制御部(30)とを備えていることを特徴とする調湿装置である。
上記第1の発明では、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が予め設定された凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合に圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることにより、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)を上昇させることができる。これにより、凝縮器となる吸着熱交換器の放熱作用によりその吸着熱交換器を通過する空気の相対湿度を低下させることができるので、その吸着熱交換器における吸着剤の再生量(吸着剤から空気中に放出される水分量)を増加させることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御部(30)が、上記室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)と上記室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)とに基づいて上記凝縮温度閾値(TCth)を設定することを特徴とする調湿装置である。
上記第2の発明では、室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)や室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)の変化に伴って凝縮温度閾値(TCth)が変化することになる。なお、凝縮器となる吸着熱交換器においてドレン水が発生する可能性がある場合の凝縮温度(TC)も、これらのパラメータによって変化する。したがって、調湿環境の変化に応じて凝縮温度閾値(TCth)を正確に設定することができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記制御部(30)が、上記室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)と上記室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)の中で該室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)の重み係数が最も大きくなるように上記凝縮温度閾値(TCth)を設定することを特徴とする調湿装置である。
上記第3の発明では、凝縮温度閾値(TCth)は、室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)と室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)のうち室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)の変化に対して最も敏感に反応して変化することになる。なお、凝縮器となる吸着熱交換器においてドレン水が発生する可能性がある場合の凝縮温度(TC)は、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)に最も依存している。したがって、凝縮温度閾値(TCth)をより正確に設定することができる。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を調節する第1および第2のファン(21,22)をさらに備え、上記制御部(30)が、上記凝縮温度制御において上記凝縮温度(TC)が上記凝縮温度閾値(TCth)よりも低く且つ上記圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることができない場合に、上記第1および第2のファン(21,22)を制御して上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させることを特徴とする調湿装置である。
上記第4の発明では、第1および第2のファン(21,22)を制御して第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させることにより、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤が空気と接触している時間を長くすることができる。これにより、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることができない場合であっても、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤の再生量を増加させることができる。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記制御部(30)が、上記凝縮温度制御動作において上記凝縮温度(TC)が上記凝縮温度閾値(TCth)よりも低く且つ上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させることができない場合に、該第1および第2の吸着熱交換器(101,102)が異常状態であると判定することを特徴とする調湿装置である。
上記第5の発明では、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤の再生量を増加させることができない場合に、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)が異常状態であると判定されることになる。
第6の発明は、上記第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、上記制御部(30)が、上記湿度制御動作において上記室内空気(RA)の湿度が上記目標湿度よりも高い場合に、上記圧縮機(100)の運転を停止させ、上記空気通路が上記第1および第2の経路に交互に設定されるように上記通路制御機構(20)を制御することを特徴とする調湿装置である。
上記第6の発明では、室内空気(RA)の湿度が目標湿度よりも高い場合に圧縮機(100)の運転を停止することにより、凝縮器となる吸着熱交換器から室内空間に供給される空気の湿度を低下させて室内空気(RA)の湿度を低下させることができる。これにより、室内空気(RA)の湿度を目標湿度に近づけることができる。なお、圧縮機(100)の運転が停止している場合であっても、室外空気(OA)および室内空気(RA)が第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を交互に通過することにより、室外空間から第1または第2の吸着熱交換器(101,102)を通過して室内空間に供給される空気の温度および絶対湿度の変化を緩やかにすることができる。
第7の発明は、上記第1〜第6の発明のいずれか1つにおいて、上記制御部(30)が、上記湿度制御動作において、上記室内空気(RA)の温度(Tr)と予め設定された基準相対湿度とに対応する絶対湿度閾値(Xth)よりも予め設定された目標絶対湿度(Xtg)が高い場合には、該室内空気(RA)の相対湿度が予め設定された目標相対湿度(RHtg)に近づくように上記圧縮機(100)の回転数を制御し、該室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)が該絶対湿度閾値(Xth)よりも低い場合には、該室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が該目標絶対湿度(Xtg)に近づくように該圧縮機(100)の回転数を制御することを特徴とする調湿装置である。
上記第7の発明では、絶対湿度制御(目標絶対湿度(Xtg)に基づく湿度制御)が行われた場合に室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が基準相対湿度よりも高くなる可能性がある場合には、相対湿度制御(目標相対湿度(RHtg)に基づく湿度制御)が選択され、そうでない場合には、絶対湿度制御が選択されることになる。
第1の発明によれば、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤の再生量(吸着剤から空気中に放出される水分量)を増加させることができるので、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生を抑制することができる。
第2の発明によれば、調湿環境の変化に応じて凝縮温度閾値(TC)を正確に設定することができるので、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生を適切に抑制することができる。
第3の発明によれば、凝縮温度閾値(TCth)の設定をより正確に行うことができるので、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生をより適切に抑制することができる。
第4の発明によれば、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させることにより凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤の再生量を増加させることができるので、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることができない場合であっても、凝縮器となる吸着熱交換器においてによるドレン水の発生を抑制することができる。
第5の発明によれば、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の異常の有無の判定結果に基づいて、ドレン水の発生を防止するための制御や、ドレン水が発生する可能性があることを外部に通知するための処理を実行することができる。
第6の発明によれば、室外空間から第1または第2の吸着熱交換器(101,102)を通過して室内空間に供給される空気の温度および絶対湿度の変化を緩やかにしながら室内空気(RA)の湿度を目標湿度に近づけることができるので、室内空間の快適性を確保することができる。
第7の発明によれば、室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)と絶対湿度閾値(Xth)との比較結果に応じて絶対湿度制御および相対湿度制御を選択的に実行することにより、室内空気(RA)の水分不足(室内空気(RA)に含まれる水分量が目標よりも少なくなること)を防止しつつ、室内空気(RA)の過加湿(室内空気(RA)の相対湿度が目標よりも高くなること)を抑制することができる。
実施形態1による調湿装置の構成について説明するための冷媒回路図。 ケーシングの外観を示した概略斜視図。 ケーシングの内部構造を示した概略斜視図。 ケーシングの下部空間における内部構造を示した概略斜視図。 ケーシングの中間空間における内部構造を示した概略斜視図。 ケーシングの上部空間における内部構造を示した概略斜視図。 ケーシングの上部空間における内部構造を示した概略斜視図。 調湿装置の構造を模式的に示した概略構成図。 調湿装置の構造を模式的に示した概略構成図。 第1の通路状態における空気の流れについて説明するための概略構成図。 第1の通路状態における空気の流れについて説明するための概略構成図。 第2の通路状態における空気の流れについて説明するための概略構成図。 第2の通路状態における空気の流れについて説明するための概略構成図。 湿度制御動作について説明するためのフローチャート。 調湿能力と圧縮機の回転数との関係について説明するためのグラフ。 凝縮温度と圧縮機の回転数との関係について説明するためのグラフ。 凝縮温度制御動作について説明するためのフローチャート。 湿度制御動作の変形例について説明するためのフローチャート。 相対湿度制御動作について説明するためのフローチャート。 湿度制御動作の変形例について説明するためのグラフ。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1による調湿装置(1)の構成例を示している。この調湿装置(1)は、室内空間の空気の湿度を調節するものであり、冷媒回路(10)と、通路制御機構(20)と、コントローラ(30)とを備えている。また、この調湿装置(1)には、給気ファン(21),排気ファン(22),プレフィルタ(23),外気清浄フィルタ(24),内気温度センサ(31),内気湿度センサ(32),外気温度センサ(33),および外気湿度センサ(34)が設けられている。なお、冷媒回路(10)は、後述するケーシング(40)内に収容され、通路制御機構(20)は、後述するケーシング(40)に設けられている。例えば、調湿装置(1)は、戸建住宅のクローゼット内に設置される。
〔冷媒回路〕
冷媒回路(10)は、冷媒を循環させて冷凍サイクル動作を実行するものであり、圧縮機(100)と、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)と、膨張弁(103)と、四方切換弁(104)とを備えている。また、この冷媒回路(10)には、吐出圧力センサ(35)が設けられている。吐出圧力センサ(35)は、圧縮機(100)の吐出圧力を検出する。
〈圧縮機〉
圧縮機(100)は、冷媒を圧縮して吐出する。また、圧縮機(100)は、コントローラ(30)の制御によって回転数(運転周波数)を変更可能に構成されている。例えば、圧縮機(100)は、インバータ回路(図示を省略)により回転数を調節可能な可変容量式の圧縮機(ロータリー式,スイング式,スクロール式などの圧縮機)によって構成されている。
〈吸着熱交換器〉
第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の各々は、熱交換器(例えば、クロスフィン型のフィンアンドチューブ式の熱交換器)の表面に吸着剤を担持させることによって構成されている。なお、吸着剤として、ゼオライト,シリカゲル,活性炭,親水性の官能基を有する有機高分子材料を用いても良いし、水分を吸着する機能だけではなく水分を吸収するを有する材料(所謂、収着剤)を用いても良い。
〈膨張弁〉
膨張弁(103)は、冷媒の圧力を調整する。例えば、膨張弁(103)は、コントローラ(30)による制御に応答して開度を変更可能な電子膨張弁によって構成されている。
〈四方切換弁〉
四方切換弁(104)は、第1〜第4のポートを有し、第1のポートは、圧縮機(100)の吐出側に接続され、第2のポートは、圧縮機(100)の吸入側に接続され、第3のポートは、第1の吸着熱交換器(101)の端部に接続され、第4のポートは、第2の吸着熱交換器(102)の端部に接続されている。四方切換弁(104)は、コントローラ(30)による制御に応答して、第1の接続状態(図1の実線で示す状態)と、第2の接続状態(図1の破線で示す状態)とに設定可能に構成されている。
〈冷媒回路による動作〉
四方切換弁(104)が第1の接続状態になっている場合、冷媒回路(10)は、第1の吸着熱交換器(101)が凝縮器として機能するとともに第2の吸着熱交換器(102)が蒸発器として機能する第1の冷凍サイクル動作を実行することになる。一方、四方切換弁(104)が第2の接続状態になっている場合、冷媒回路(10)は、第2の吸着熱交換器(102)が凝縮器として機能するとともに第1の吸着熱交換器(101)が蒸発器として機能する第2の冷凍サイクル動作を実行することになる。すなわち、冷媒回路(10)は、コントローラ(30)による制御に応答して、第1および第2の冷凍サイクル動作を実行可能に構成されている。
《第1の冷凍サイクル動作》
四方切換弁(104)が第1の接続状態になると、第1のポートと第3のポートとが連通するとともに第2のポートと第4のポートとが連通する。これにより、圧縮機(100)によって圧縮された冷媒は、四方切換弁(104)を通過して第1の吸着熱交換器(101)に流れ込む。第1の吸着熱交換器(101)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が空気へ放出される再生動作が行われる。第1の吸着熱交換器(101)において放熱して凝縮した冷媒は、膨張弁(103)によって減圧された後、第2の吸着熱交換器(102)に流れ込む。第2の吸着熱交換器(102)では、空気中の水分が吸着剤に吸着される吸着動作が行われ、その際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。第2の吸着熱交換器(102)において吸熱して蒸発した冷媒は、圧縮機(100)に吸入されて圧縮される。
《第2の冷凍サイクル動作》
四方切換弁(104)が第2の接続状態になると、第1のポートと第4のポートとが連通するとともに第2のポートと第3のポートとが連通する。これにより、圧縮機(100)によって圧縮された冷媒は、四方切換弁(104)を通過して第2の吸着熱交換器(102)に流れ込む。第2の吸着熱交換器(102)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が空気へ放出される再生動作が行われる。第2の吸着熱交換器(102)において放熱して凝縮した冷媒は、膨張弁(103)によって減圧された後、第1の吸着熱交換器(101)に流れ込む。第1の吸着熱交換器(101)では、空気中の水分が吸着剤に吸着される吸着動作が行われ、その際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。第1の吸着熱交換器(101)において吸熱して蒸発した冷媒は、圧縮機(100)に吸入されて圧縮される。
〔通路制御機構〕
通路制御機構(20)は、コントローラ(30)による制御に応答して、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における空気通路を第1の経路(図1の実線で示された経路)と第2の経路(図1の破線で示された経路)とに設定可能に構成されている。この例では、通路制御機構(20)は、コントローラ(30)による制御に応答して開閉する第1〜第8のダンパ(D1,…,D8)によって構成されている。
〈第1の経路〉
第1,第4,第6,第7のダンパ(D1,D4,D6,D8)が開放状態となり、第2,第3,第5,第8のダンパ(D2,D3,D5,D8)が閉鎖状態となると、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における空気通路は、第1の経路に設定される。この場合、室外空気(OA)は、第1の吸着熱交換器(101)を通過して室内空間に供給され、室内空気(RA)は、第2の吸着熱交換器(102)を通過して室外空間に排出される。
〈第2の経路〉
第2,第3,第5,第8のダンパ(D2,D3,D5,D8)が開放状態となり、第1,第4,第6,第7のダンパ(D1,D4,D6,D8)が閉鎖状態となると、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における空気通路は、第2の経路に設定される。この場合、室外空気(OA)は、第2の吸着熱交換器(102)を通過して室内空間に供給され、室内空気(RA)は、第1の吸着熱交換器(101)を通過して室外空間に排出される。
〔給気ファンおよび排気ファン〕
給気ファン(21)および排気ファン(22)は、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を調節する。また、給気ファン(21)および排気ファン(22)は、コントローラ(30)による制御に応答して回転数を変更可能に構成されている。例えば、給気ファン(21)および排気ファン(22)は、遠心型の多翼ファン(所謂、シロッコファン)によって構成されている。この例では、給気ファン(21)は、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のいずれか一方から吸い込んだ空気を供給空気(SA)として室内空間に吹き出し、排気ファン(22)は、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のいずれか他方から吸い込んだ空気を排出空気(EA)として室外空間に吹き出す。
〔プレフィルタおよび外気清浄フィルタ〕
プレフィルタ(23)は、室外空気(OA)中の虫や比較的大きな埃などを捕捉し、外気清浄フィルタ(24)は、室外空気(OA)中の比較的小さな塵埃を捕捉する。例えば、プレフィルタ(23)は、網状の部材によって構成され、外気清浄フィルタ(24)は、プレフィルタ(23)よりも細かい目を有する網状の部材によって構成されている。
〔温度センサおよび湿度センサ〕
内気温度センサ(31)および内気湿度センサ(32)は、室内空気(RA)の温度(Tr)および室内空気(RA)の相対湿度(RHr)を検出する。外気温度センサ(33)および外気湿度センサ(34)は、室外空気(OA)の温度(To)および室内空気(OA)の相対湿度(RHo)を検出する。
〔コントローラ(制御部)〕
コントローラ(30)は、調湿装置(1)の運転条件や各種センサの検出値に応じて冷媒回路(10)および通路制御機構(20)を制御することにより、調湿装置(1)の運転を制御する。具体的には、コントローラ(10)は、加湿運転動作と、湿度制御動作(この例では、絶対湿度制御動作)と、凝縮温度制御動作とを実行する。コントローラ(30)による動作については、後で詳しく説明する。例えば、コントローラ(10)は、CPUやメモリによって構成されている。
〔調湿装置の構造〕
次に、図2〜図7を参照して、調湿装置(1)の構造について説明する。なお、以下の説明において用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、ケーシング(40)を前面側から見た場合の方向を意味している。
〈ケーシング〉
図2のように、ケーシング(40)は、縦長の直方体状の箱形に形成され、矩形板状の底板(41)および天板(42)と、底板(41)および天板(42)の各々の四辺に対応する4枚の側面パネル(前面パネル(43),右面パネル(44),左面パネル(45),後面パネル(46))とを有している。天板(42)には、外気接続口(401)と内気接続口(402)と給気接続口(403)と排気接続口(404)とが設けられている。また、ケーシング(40)は、後面パネル(46)が室内壁に接するように設置される。
外気接続口(401)は、後側左寄りに配置され、外気用ダクト(図示を省略)を経由して室外空間と連通している。内気接続口(402)は、前側左寄りに配置され、内気用ダクト(図示を省略)を経由して室内空間と連通している。給気接続口(403)は、前側右寄りに配置され、給気用ダクト(図示を省略)を経由して室内空間と連通している。排気接続口(404)は、後側右寄りに配置され、排気用ダクト(図示を省略)を経由して室外空間と連通している。このような構成により、室外空間から外気接続口(401)に室外空気(OA)が吸い込まれ、室内空間から内気接続口(402)に室内空気(RA)が吸い込まれる。また、給気接続口(403)から室内空間に供給空気(SA)が吹き出され、排気接続口(404)から室外空間に排出空気(EA)が吹き出される。
図3のように、ケーシング(40)内には、ダクト(50)が収容されている。ダクト(50)は、横断面が矩形状の筒形に形成され、ケーシング(40)の左後隅に沿うようにケーシング(40)の上端(天板(42))から下端(底板(41))に亘って上下に延びている。ダクト(50)の開口面積は、ケーシング(40)の上部空間(S1)において上方から下方へ向けて次第に小さくなってる。また、ダクト(50)の上端は、上方へ向けて開口して天板(42)に形成された外気接続口(401)と連通し、ダクト(50)の下端部には、前方へ向けて開口する開口部が形成されている。
さらに、ケーシング(40)内には、下側上下仕切壁(60)および上側上下仕切壁(70)とが設けられている。下側上下仕切壁(60)および上側上下仕切壁(70)は、矩形板状に形成され、上下方向においてケーシング(40)の内部空間が3つの空間に区画されるように、底板(41)および天板(42)と平行な姿勢で上下方向に所定の間隔をおいて配置されている。このような構成により、底板(41)と下側上下仕切壁(60)との間に、下部空間(S1)が形成され、下側上下仕切壁(60)と上側上下仕切壁(70)との間に、中間空間(S2)が形成され、上側上下仕切壁(70)と天板(42)との間に、上部空間(S3)が形成されている。
なお、図2は、前方左上から視たケーシング(40)の概略斜視図であり、図3は、底板(41)と天板(42)と側面パネル(43,…,46)を取り外したケーシング(40)の概略斜視図である。図4,図5,図6は、前方左上から視たケーシング(40)の下部空間(S1),中間空間(S2),上部空間(S3)の概略斜視図である。図7は、後方右上から視たケーシング(40)の中間空間(S2)および上部空間(S3)の概略斜視図である。なお、説明の簡略化のため、図2〜図7では、内気温度センサ(31)と内気湿度センサ(32)と外気温度センサ(33)と外気湿度センサ(34)の図示を省略している。また、図7では、第1〜第8のダンパ(D1,…,D8)と給気ファン(21)と排気ファン(22)の図示を省略している。
〈下部空間〉
図4のように、ケーシング(40)の下部空間(S1)には、第1および第2の下部仕切壁(61,62)が設けられている。第1および第2の下部仕切壁(61)は、底板(41)から下側上下仕切壁(60)に亘って上下に延びる矩形板状に形成され、平面視において下部空間(S1)がケーシング(40)の左前隅を含む矩形状の空間とケーシング(40)の他の隅(左後隅,右前隅,右後隅)を含むL字状の空間とに区画されるように、平面視においてL字状に配置されている。詳しく説明すると、第1の下部仕切壁(61)は、前面パネル(43)および後面パネル(46)と平行な姿勢で配置され、ダクト(50)の側面(前面)に接した状態で左面パネル(45)から右方へ向けて延びている。第2の下部仕切壁(62)は、右面パネル(44)および左面パネル(45)と平行な姿勢で配置され、第1の下部仕切壁(61)の右端から前面パネル(43)に亘って前後に延びている。このような構成により、下部空間(S1)は、フィルタ室(S11)と機械室(S12)とに区画されている。
また、第1の下部仕切壁(61)には、ダクト(50)の下端部に形成された開口部と連通する連通孔(61a)が形成されている。このような構成により、フィルタ室(S11)は、連通孔(61a)を経由してダクト(50)の内部空間(ダクト空間(S50))と連通している。また、下側上下仕切壁(60)の左辺部には、フィルタ室(S11)の上面の一部が露出するように切り欠きが形成されている。なお、機械室(S12)の上面は、下側上下仕切壁(60)によって閉塞されている。
フィルタ室(S11)には、流路仕切壁(63)が設けられている。流路仕切壁(63)は、前面パネル(43)から後面パネル(46)に亘って前後に延びる矩形板状に形成され、フィルタ室(S11)において左面パネル(45)に沿った空間が上下に区画されるように、底板(41)および上下仕切壁(60)と平行な姿勢で配置されている。詳しく説明すると、流路仕切壁(63)は、上下方向において第1の下部仕切壁(61)の連通孔(61a)と下側上下仕切壁(60)との間に配置され、左面パネル(45)から右方へ向けて延びている。このような構成により、ダクト空間(S50)から連通孔(61a)を経由してフィルタ室(S11)に流れ込んだ空気は、流路仕切壁(63)を迂回してフィルタ室(S11)の上方に流れることになる。
また、フィルタ室(S11)には、プレフィルタ(23)および外気清浄フィルタ(24)が設置されてる。プレフィルタ(23)および外気清浄フィルタ(24)は、ダクト空間(S50)から連通孔(61a)を経由してフィルタ室(S11)に流れ込んだ空気がプレフィルタ(23)を通過した後に外気清浄フィルタ(24)を通過するように、流路仕切壁(63)の下方に配置されている。
機械室(S12)には、圧縮機(100)と四方切換弁(104)と電装品箱(300)とが設置されている。電装品箱(300)には、電気回路(例えば、圧縮機(100)のモータを駆動するための電源供給回路など)が設けられたプリント基板や、このプリント基板に設けられた電気回路に電気的に接続される電装品(例えば、リアクトルなど)が収容されている。
〈中間空間〉
図5のように、ケーシング(40)の中間空間(S2)には、外気ダンパ仕切壁(71)と、排気ダンパ仕切壁(72)と、第1および第2の中間上下仕切壁(73,74)と、中央前後仕切壁(75)とが設けられている。
外気ダンパ仕切壁(71)および排気ダンパ仕切壁(72)は、前面パネル(43)から後面パネル(46)に亘って前後に延びる矩形板状に形成され、下側上下仕切壁(60)の上面に沿った空間が左右方向において3つの空間に区画されるように、下側上下仕切壁(60)に起立した状態で左右方向に所定の間隔をおいて配置されている。外気ダンパ仕切壁(71)は、左面パネル(45)寄りに配置され、排気ダンパ仕切壁(72)は、右面パネル(44)寄りに配置されている。このような構成により、左面パネル(45)と外気ダンパ仕切壁(71)との間に、外気通路(S201)が形成され、右面パネル(44)と排気ダンパ仕切壁(72)との間に、排気通路(S202)が形成されている。外気通路(S201)は、下側上下仕切壁(60)の切り欠きを通じてフィルタ室(S11)(図4参照)と連通している。
第1および第2の中間上下仕切壁(73,74)は、前面パネル(43)から後面パネル(46)に亘って前後に延びる略直方体状に形成され、左右方向において互いに離間して対向するように、外気ダンパ仕切壁(71)および排気ダンパ仕切壁(72)の上端に配置されている。また、第1の中間上下仕切壁(73)は、左面パネル(45)と外気ダンパ仕切壁(71)との間の空間の上面が閉塞されるように、左面パネル(45)から外気ダンパ仕切壁(71)の上端に亘って左右に延びている。第2の中間上下仕切壁(74)は、右面パネル(44)と排気ダンパ仕切壁(72)との間の空間の上面が閉塞されるように右面パネル(44)から排気ダンパ仕切壁(72)の上端に亘って左右に延びている。さらに、第1および第2の中間上下仕切壁(73,74)は、外気ダンパ仕切壁(71)および排気ダンパ仕切壁(72)の上端から上側上下仕切壁(70)に亘って上下に延びている。
中央前後仕切壁(75)は、下側上下仕切壁(60)から上側上下仕切壁(70)に亘って上下に延びる略矩形板状に形成され、外気ダンパ仕切壁(71)と排気ダンパ仕切壁(72)と第1および第2の中間上下仕切壁(73,74)とに囲まれた空間が前後方向において2つの空間に区画されるように、前面パネル(43)および後面パネル(46)と平行な姿勢で配置されている。なお、中央前後仕切壁(75)は、前後方向の中央部分において外気ダンパ仕切壁(71)および第1の中間上下仕切壁(73)から排気ダンパ仕切壁(72)および第2の中間上下仕切壁(74)に亘って左右に延びている。
このような構成により、前面パネル(43)と中央前後仕切壁(75)との間に、第1の調湿室(S21)が形成され、後面パネル(46)と中央前後仕切壁(75)との間に、第2の調湿室(S22)が形成されている。また、上側上下仕切壁(70)および第2の中間上下仕切壁(74)の右後隅部には、上下に延びて排気通路(S202)と連通する連絡通路(S300)が形成されるように、切り欠きが形成されている。なお、第1および第2の調湿室(S21,S22)の上面は、上側上下仕切壁(70)によって閉塞されている。
〈中間空間に設けられる構成部品〉
内気通路(S302)には、第1および第2のダンパ(D1,D2)が設置され、排気通路(S202)には、第3および第4のダンパ(D3,D4)が設置されている。第1および第2のダンパ(D1,D2)は、外気ダンパ仕切壁(71)に形成され、第3および第4のダンパ(D3,D4)は、排気ダンパ仕切壁(72)に形成されている。また、第1および第3のダンパ(D1,D3)は、平面視において中央前後仕切壁(75)よりも前方寄り(具体的には、第1の調湿室(S21)に対応する位置)に配置され、第2および第4のダンパ(D2,D4)は、平面視において中央前後仕切壁(75)よりも後方寄り(具体的には、第2の調湿室(S22)に対応する位置)に配置されている。また、第1および第2の調湿室(S21,S22)には、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)がそれぞれ設置されている。第1および第2の吸着熱交換器(101,102)は、扁平な直方体状に形成され、下側上下仕切壁(60)および上側上下仕切壁(70)と平行な姿勢で上側上下仕切壁(70)寄りに配置されている。
〈上部空間〉
ケーシング(40)の上部空間(S3)には、中央左右仕切壁(81)と給気排気仕切壁(82)とが設けられている。中央左右仕切壁(81)は、前面パネル(43)から後面パネル(46)に亘って前後に延びる板状に形成され、右面パネル(44)および左面パネル(45)と平行な姿勢で配置されている。詳しく説明すると、中央左右仕切壁(81)は、前面パネル(43)から後面パネル(46)に亘って前後に延びる矩形板状に形成された下側縦板部(81a),横板部(81b),および上側縦板部(81c)を有している。下側縦板部(81a)は、上側上下仕切壁(70)に起立した状態で配置されている。横板部(81b)は、上側上下仕切壁(70)および天板(42)と平行な姿勢で配置され、下側縦板部(81a)の上端から左方へ向けて延びている。上側縦板部(81c)は、右面パネル(44)および左面パネル(45)と平行な姿勢で配置され、ダクト(50)の側面(右面)と接した状態で横板部(81b)の左端から天板(42)に亘って上下に延びている。また、左面パネル(45)と中央左右仕切壁(81)との間の空間は、ダクト(50)の上端部によって2つの空間に区画されている。
給気排気仕切壁(82)は、右面パネル(44)から中央左右仕切壁(81)に亘って左右に延びる板状に形成され、右面パネル(44)と中央左右仕切壁(81)との間の空間が前後方向において2つの空間に区画されるように、前面パネル(43)および後面パネル(46)と平行な姿勢で配置されている。詳しく説明すると、給気排気仕切壁(82)は、給気排気仕切壁(82)は、上側上下仕切壁(70)に形成された切り欠き(連絡通路(S300)を形成するための切り欠き)よりも前方寄りに配置され、上側上下仕切壁(70)から天板(42)に亘って上下に延びている。
また、給気排気仕切壁(82)の後方の空間には、後面パネル(46)から給気排気仕切壁(82)に亘って前後に延びる矩形板状に形成された縦仕切壁(83)および横仕切壁(84)が設けられている。縦仕切壁(83)は、上側上下仕切壁(70)に起立した状態で、上側上下仕切壁(70)の左後隅部に形成された切り欠きよりも左方寄りに配置されている。横仕切壁(84)は、中央左右仕切壁(81)の横板部(81b)と縦仕切壁(83)の上端とが連結されるように、中央左右仕切壁(81)の横板部(81b)から縦仕切壁(83)の上端に亘って左右に延びている。また、給気排気仕切壁(82)の下辺部には、中央左右仕切壁(81)の下側縦板部(81a)と縦仕切壁(83)と横仕切壁(84)とによって囲まれた空間が中央左右仕切壁(81)の前方の空間と連通するように、切り欠きが形成されている。
以上のような構成により、上側上下仕切壁(70)の上面に沿った空間(具体的には、上部空間(S3)のうち中央左右仕切壁(81)の横板部(81b)よりも下方の空間)は、左右方向において2つの空間に区画されている。すなわち、左面パネル(45)と下側縦板部(81a)との間に、内気通路(S301)が形成され、右面パネル(44)と下側縦板部(81a)および縦仕切壁(83)との間に、給気通路(S302)が形成されている。また、天板(42)の下面に沿った空間(具体的には、上部空間(S3)のうち中央左右仕切壁(81)の横板部(81b)よりも上方の空間)は、ダクト(50)と中央左右仕切壁(81)の上側縦板部(81c)と給気排気仕切壁(82)によって4つの空間に区画されている。すなわち、ダクト(50)の上端部の内周面に囲まれた空間が「外気吸込室(S31)」となり、ダクト(50)の側面(前面)と上側縦板部(81c)の左面とに面する空間が「内気吸込室(S32)」となり、上側縦板部(81c)の右面と給気排気仕切壁(82)の前面とに面する空間が「室内給気室(S33)」となり、上側縦板部(81c)の右面と給気排気仕切壁(82)の後面とに面する空間が「室外排気室(S34)」となっている。外気吸込室(S31)は、ダクト空間(S50)と連通し、内気吸込室(S32)は、内気通路(S301)と連通し、室内給気室(S33)は、給気通路(S302)と連通し、室外排気室(S34)は、連絡通路(S300)を経由して排気通路(S202)と連通している。また、外気吸込室(S31),内気吸込室(S32),室内給気室(S33),および室外排気室(S34)は、天板(42)に形成された外気接続口(401),内気接続口(402),給気接続口(403),排気接続口(404)にそれぞれ連通している。
〈上部空間に収容される構成部品〉
内気通路(S301)には、第5および第6のダンパ(D5,D6)が設置され、給気通路(S302)には、第7および第8のダンパ(D7,D8)が設置されている。第5〜第8のダンパ(D5,…,D8)は、上側上下仕切壁(70)に形成されている。また、第5および第7のダンパ(D5,D7)は、平面視において中央前後仕切壁(75)よりも前方寄り(すなわち、第1の調湿室(S21)に対応する位置)に配置され、第6および第8のダンパ(D6,D8)は、平面視において中央前後仕切壁(75)よりも後方寄り(すなわち、第2の調湿室(S22)に対応する位置)に配置されている。
また、室内給気室(S33)には、給気ファン(21)が設置され、室外排気室(S34)には、排気ファン(22)が設置されている。給気ファン(21)は、給気通路(S302)から吸い込んだ空気を供給空気(SA)として給気接続口(403)へ吹き出すように配置されている。排気ファン(22)は、排気通路(S202)から連絡通路(S300)を経由して吸い込んだ空気を排出空気(EA)として排気接続口(404)へ吹き出すように配置されている。
〔ケーシングの概略内部構造〕
ケーシング(40)の内部構造を簡略的に示すと、図8,図9のようになる。なお、図8Aは、ケーシング(40)の上面に相当し、図8Bは、ケーシング(40)の前側の内部構造に相当し、図8Cは、ケーシング(40)の左側の内部構造に相当し、図8Dは、ケーシング(40)の右側の内部構造に相当する。図9Aは、図8AのY−Y断面におけるケーシング(40)の内部構造に相当し,図9Bは、図9AのZ−Z断面におけるケーシング(40)の内部構造に相当する。
図8Bのように、内気温度センサ(31)および内気湿度センサ(32)は、内気通路(S301)に設置され、外気温度センサ(33)および外気湿度センサ(34)は、フィルタ室(S11)(より具体的には、外気清浄フィルタ(24)の下流側)に設置されている。
〔ケーシング内における空気の流れ〕
次に、図10〜図13を参照して、ケーシング(40)内における空気の流れについて説明する。図10A〜図10D,図11A,図11Bは、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における空気通路が第1の経路に設定されている場合の空気の流れを示し、図12A〜図12D,図13A,図13Bは、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における空気通路が第2の経路に設定されている場合の空気の流れを示している。なお、図11〜図14では、第1〜第8のダンパ(D1,…,D8)のうち閉鎖状態となっているダンパに斜線を付している。また、図11〜図14において、白の矢印は、室外空間から室内空間へ供給される空気(室外空気(OA)および供給空気(SA))の流れを示し、黒の矢印は、室内空間から室外空間に供給される空気(室内空気(RA)および排出空気(EA))の流れを示している。
〈第1の経路〉
まず、図10,図11を参照して、第1,第4,第6,第7のダンパ(D1,D4,D6,D7)が開放状態であり、第2,第3,第5,第8のダンパ(D2,D3,D5,D8)が閉鎖状態である場合(すなわち、空気通路が第1の経路に設定されている場合)について説明する。
この場合、室外空間から外気用ダクト(図示を省略)および外気接続口(401)を経由して外気吸込室(S31)に吸い込まれた室外空気(OA)は、ダクト空間(S50)を経由してフィルタ室(S11)に流れ込み、プレフィルタ(23)および外気清浄フィルタ(24)を通過して清浄化された後に、外気通路(S201)に流れ込む。外気通路(S201)に流れ込んだ空気は、第1のダクト(D1)を通過して第1の調湿室(S21)に流れ込み、第1の吸着熱交換器(101)を通過して調湿された後に、第7のダンパ(D7)を通過して給気通路(S302)に流れ込む。給気通路(S302)に流れ込んだ空気は、室内給気室(S33)に流れ込み、供給空気(SA)として給気接続口(403)から吹き出される。給気接続口(403)から吹き出された供給空気(SA)は、給気用ダクト(図示を省略)を経由して室内空間に供給される。
一方、室内空間から内気用ダクト(図示を省略)を経由して内気吸込室(S32)に吸い込まれた室内空気(RA)は、内気通路(S301)に流れ込む。内気通路(S301)に流れ込んだ空気は、第6のダクト(D6)を通過して第2の調湿室(S22)に流れ込み、第2の吸着熱交換器(102)を通過して調湿された後に、第4のダンパ(D4)を通過して給気通路(S302)に流れ込む。給気通路(S302)に流れ込んだ空気は、連絡通路(S300)を経由して室外排気室(S34)に流れ込み、排出空気(EA)として排気接続口(404)から吹き出される。排気接続口(404)から吹き出された排出空気(EA)は、排気用ダクト(図示を省略)を経由して室外空間に排出される。
〈第2の経路〉
次に、図12,図13を参照して、第2,第3,第5,第8のダンパ(D2,D3,D5,D8)が開放状態であり、第1,第4,第6,第7のダンパ(D1,D4,D6,D7)が閉鎖状態である場合(すなわち、空気通路が第2の経路に設定されている場合)について説明する。
この場合、室外空間から外気用ダクト(図示を省略)および外気接続口(401)を経由して外気吸込室(S31)に吸い込まれた室外空気(OA)は、ダクト空間(S50)を経由してフィルタ室(S11)に流れ込み、プレフィルタ(23)および外気清浄フィルタ(24)を通過して清浄化された後に、外気通路(S201)に流れ込む。外気通路(S201)に流れ込んだ空気は、第2のダクト(D2)を通過して第2の調湿室(S22)に流れ込み、第2の吸着熱交換器(102)を通過して調湿された後に、第8のダンパ(D8)を通過して給気通路(S302)に流れ込む。給気通路(S302)に流れ込んだ空気は、室内給気室(S33)に流れ込み、供給空気(SA)として給気接続口(403)から吹き出される。給気接続口(403)から吹き出された供給空気(SA)は、給気用ダクト(図示を省略)を経由して室内空間に供給される。
一方、室内空間から内気用ダクト(図示を省略)を経由して内気吸込室(S32)に吸い込まれた室内空気(RA)は、内気通路(S301)に流れ込む。内気通路(S301)に流れ込んだ空気は、第5のダクト(D5)を通過して第1の調湿室(S21)に流れ込み、第1の吸着熱交換器(101)を通過して調湿された後に、第3のダンパ(D3)を通過して給気通路(S302)に流れ込む。給気通路(S302)に流れ込んだ空気は、連絡通路(S300)を経由して室外排気室(S34)に流れ込み、排出空気(EA)として排気接続口(404)から吹き出される。排気接続口(404)から吹き出された排出空気(EA)は、排気用ダクト(図示を省略)を経由して室外空間に排出される。
〔加湿運転制御動作〕
次に、図1を参照して、加湿運転制御動作について説明する。加湿運転制御動作とは、第1および第2の加湿運転が所定時間(例えば、270秒間)毎に交互に実行されるように冷媒回路(10)および通路制御機構(20)(具体的には、四方切換弁(104)および第1〜第8のダンパ(D1,…,D8))を制御する動作のことである。
〈第1の加湿運転〉
第1の加湿運転では、圧縮機(100)が駆動され、四方切換弁(104)は、第1の接続状態(図1の実線で示した状態)となり、通路制御機構(20)は、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の空気通路を第1の経路(図1の実線で示した経路)に設定する。これにより、冷媒回路(10)は、第1の吸着熱交換器(101)が凝縮器となり第2の吸着熱交換器(102)が蒸発器となる第1の冷凍サイクル動作を行うことになる。すなわち、第1の吸着熱交換器(101)では、吸着剤中の水分が空気中へ放出され、第2の吸着熱交換器(102)では、空気中の水分が吸着剤に吸着される。室外空気(OA)は、凝縮器となる第1の吸着熱交換器(101)を通過して加湿された後、供給空気(SA)として室内空間に供給される。一方、室内空気(RA)は、蒸発器となる第2の吸着熱交換器(102)を通過して除湿された後に、排出空気(EA)として室外空間に排出される。
〈第2の加湿運転〉
第2の加湿運転では、圧縮機(100)が駆動され、四方切換弁(104)は、第2の接続状態(図1の破線で示した状態)となり、通路制御機構(20)は、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の空気通路を第2の経路(図1の破線で示した経路)に設定する。これにより、冷媒回路(10)は、第1の吸着熱交換器(101)が蒸発器となり第2の吸着熱交換器(102)が凝縮器となる第2の冷凍サイクル動作を行うことになる。すなわち、第1の吸着熱交換器(101)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、第2の吸着熱交換器(102)では、吸着剤中の水分が空気中へ放出される。室外空気(OA)は、凝縮器となる第2の吸着熱交換器(102)を通過して加湿された後、供給空気(SA)として室内空間に供給される。一方、室内空気(RA)は、蒸発器となる第1の吸着熱交換器(101)を通過して除湿された後に、排出空気(EA)として室外空間に排出される。
〔絶対湿度制御動作〕
次に、図14を参照して、絶対湿度制御動作について説明する。絶対湿度制御動作とは、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が予め設定された目標絶対湿度(Xtg)に近づくように圧縮機(100)の回転数を制御する動作のことである。絶対湿度制御動作は、加湿運転制御動作と並行して周期的に実行される。例えば、絶対湿度制御動作の実行周期は、加湿運転制御動作における第1および第2の加湿運転の切り換え周期(すなわち、四方切換弁(104)の切り換え周期)よりも長い周期(例えば、10分間)に設定されている。
〈ステップ(ST101)〉
まず、コントローラ(30)は、内気温度センサ(31)および内気湿度センサ(32)によって検出された室内空気(RA)の温度(Tr)および相対湿度(RHr)に基づいて、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)を検出する。
〈ステップ(ST102)〉
次に、コントローラ(30)は、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が予め設定された目標絶対湿度(Xtg)よりも高いか否かを判断する。絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)よりも高い場合には、ステップ(ST105)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST103)へ進む。
〈ステップ(ST103)〉
次に、コントローラ(30)は、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)よりも低いか否かを判断する。絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)よりも低い場合には、ステップ(ST106)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST104)へ進む。
〈ステップ(ST104)〉
室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)に一致している場合、コントローラ(30)は、圧縮機(100)の回転数を変更せずに維持する。
〈ステップ(ST105)〉
また、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)よりも高い場合、コントローラ(30)は、換気運転制御動作を行う。すなわち、コントローラ(30)は、圧縮機(100)の運転を停止し、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の空気通路が第1および第2の経路に交互に周期的に切り換えられるように通路制御機構(20)を制御する。
圧縮機(100)の運転が停止することにより、冷媒回路(10)を循環する冷媒の質量流量が減少し、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における単位時間当たりの吸熱量や放熱量が減少する。その結果、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤から空気中への水分の放出が抑制され、凝縮器となる吸着熱交換器を通過して室内空間に供給される空気(すなわち、供給空気(SA))の絶対湿度が低くなる。これにより、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が次第に低くなり、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)に近づくことになる。
なお、圧縮機(100)の運転が停止した状態であっても、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の空気通路を周期的に切り換えることにより、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の間において冷媒を循環させることができる。これにより、室外空間から第1または第2の吸着熱交換器(101,102)を通過して室内空間に供給される空気の温度および絶対湿度の変化を緩やかにすることができる。ただし、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の間を行き来する冷媒の流量は、圧縮機(100)の運転が行われているときに冷媒回路(10)に循環する冷媒の流量よりも少なくなっている。
〈ステップ(ST106)〉
一方、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)よりも低い場合、コントローラ(30)は、絶対湿度(Xr)と目標絶対湿度(Xtg)との差分に応じて圧縮機(100)の回転数を増加させる。例えば、コントローラ(30)は、絶対湿度(Xr)と目標絶対湿度(Xtg)との差分が大きくなるほど圧縮機(100)の回転数の増加量を多くなるように、圧縮機(100)の回転数を制御する。
圧縮機(100)の回転数を増加させることにより、冷媒回路(10)を循環する冷媒の質量流量が増加し、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における単位時間当たりの吸熱量や放熱量が増加する。その結果、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤から空気中への水分の放出が促進され、凝縮器となる吸着熱交換器を通過して室内空間に供給される空気(すなわち、供給空気(SA))の絶対湿度が高くなる。これにより、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が次第に高くなり、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)に近づくことになる。
〔ドレン水の発生メカニズム〕
次に、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち凝縮器となる吸着熱交換器においてドレン水が発生するメカニズムについて説明する。
加湿運転制御動作において第1および第2の加湿運転が交互に実行されると、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)は、凝縮器と蒸発器とに交互に切り換えられる。そのため、第1の吸着熱交換器(101)の吸着剤は、第1の吸着熱交換器(101)が蒸発器となる場合に空気中の水分を吸着し、第1の吸着熱交換器(101)が凝縮器となる場合に空気中に水分を放出することになる。ここで、凝縮器となる第1の吸着熱交換器(101)において吸着剤中の水分が空気中に十分に放出されていない状態が継続すると、吸着剤中に水分が次第に蓄積されていき、吸着剤中の水分量が許容量を超えると吸着剤から水滴(ドレン水)が漏れ出してしまうことになる。
なお、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤から空気中に放出される水分量(吸着剤の再生量)は、その吸着熱交換器を通過する空気(すなわち、室外空気(OA))の相対湿度に依存し、その空気の相対湿度は、その空気の温度に依存している。例えば、凝縮器となる吸着熱交換器を通過する空気の温度が低くなるほど、その空気の相対湿度が低くなり、その結果、吸着剤から空気中に水分が放出されにくくなる傾向にある。
また、凝縮器となる吸着熱交換器を通過する空気には、その吸着熱交換器の放熱作用により熱が加えられる。すなわち、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)を高くすることにより、その吸着熱交換器を通過する空気の相対湿度を低下させることができ、吸着剤の再生量を増加させることができる。なお、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)は、圧縮機(100)の回転数に応じて変化する。例えば、圧縮機(100)の回転数が増加すると、図15のように調湿装置(1)の顕熱能力が高くなり、そして、図16のように凝縮温度(TC)も高くなる。凝縮温度(TC)の変化曲線は、顕熱能力の変化曲線と同様の曲線となっている。なお、顕熱能力の変化率(圧縮機(100)の回転数の変動量に対する能力の変動量の割合)は、潜熱能力の変化率よりも高くなっている。
〔圧縮機の回転数〕
圧縮機(100)の回転数は、運転条件や運転効率などに応じて制御される。そのため、凝縮温度が所望の温度よりも高い状態で圧縮機(100)の回転数が安定しているとは限らず、凝縮温度が所望の温度よりも低い状態で圧縮機(100)の回転数が安定している場合もある。この場合、凝縮器となる吸着熱交換器を通過する空気の相対湿度を十分に低下させることができず、その結果、凝縮器となる吸着熱交換器においてドレン水が発生してしまう可能性がある。
〔飽和境界温度〕
凝縮器となる吸着熱交換器の放熱作用によってその吸着熱交換器を通過する空気の相対湿度を十分に低下させることができる場合(すなわち、ドレン水の発生を十分に抑制することができる場合)の凝縮温度の最低値を「飽和境界温度」とすると、飽和境界温度は、室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)と室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)とに依存している。例えば、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)および室外空気(OA)の絶対湿度(Xo)が一定である場合、室内空気(RA)の温度(Tr)(または、室外空気(OA)の温度(To))が高くなるほど、飽和境界温度が低くなる。また、室内空気(RA)の温度(Tr)および室外空気(OA)の温度(To)が一定である場合、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)(または、室外空気(OA)の絶対湿度(Xo))が高くなるほど、飽和境界温度が高くなる。
また、飽和境界温度は、室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)と室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)のうち室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)に最も依存している。すなわち、飽和境界温度は、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)の変化に対して最も敏感に反応して変化することになる。
〔凝縮温度制御動作〕
次に、図17を参照して、凝縮温度制御動作について説明する。凝縮温度制御動作とは、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が予め設定された凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合に圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させる動作のことである。凝縮温度閾値(TCth)は、飽和境界温度に相当する。凝縮温度制御動作は、加湿運転制御動作および湿度制御動作(この例では、絶対湿度制御動作)と並行して周期的に実行される。例えば、凝縮温度制御動作の実行周期は、加湿運転制御動作における第1および第2の加湿運転の切り換え周期(すなわち、四方切換弁(104)の切り換え周期)と同一の周期(例えば、270秒間)に設定されている。
〈ステップ(ST201)〉
まず、コントローラ(30)は、吐出圧力センサ(35)によって検出された圧縮機(100)の吐出圧力に基づいて、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)を検出する。なお、コントローラ(30)は、所定期間内における凝縮温度の平均値を凝縮温度(TC)として検出しても良い。
〈ステップ(ST202)〉
次に、コントローラ(30)は、内気温度センサ(31)および内気湿度センサ(32)によって検出された室内空気(RA)の温度(Tr)および相対湿度(RHr)に基づいて、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)を検出し、外気温度センサ(33)および外気湿度センサ(34)によって検出された室外空気(OA)の温度(To)および相対湿度(RHo)に基づいて、室外空気(OA)の絶対湿度(Xo)を検出する。そして、コントローラ(30)は、室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)と室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)とに基づいて、凝縮温度閾値(TCth)を検出する。例えば、コントローラ(30)は、下記の数式に基づいて凝縮温度閾値(TCth)を算出する。
TCth =(A×To)+(B×Tr)+(C×Xo)+(D×Xr)+E
なお、「A」「B」は、室外空気(OA)の温度(To)および室内空気(RA)の温度(Tr)にそれぞれ割り当てられた重み係数であり負の値となっている。「C」「D」は、室外空気(OA)の絶対湿度(Xo)および室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)にそれぞれ割り当てられた重み係数であり正の値となっている。「E」は、補正係数であり任意の値となっている。
すなわち、コントローラ(30)は、室外空気(OA)の温度(To)(または、室内空気(RA)の温度(Tr))が高くなるほど凝縮温度閾値(TCth)が低くなるように凝縮温度閾値(TCth)を設定し、室外空気(OA)の絶対湿度(Xo)(または、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr))が高くなるほど凝縮温度閾値(TCth)が高くなるように凝縮温度閾値(TCth)を設定する。なお、4つの重み係数(A,B,C,D)の中で室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)に割り当てられた重み係数(D)の絶対値が最も大きくなっていることが好ましい。
〈ステップ(ST203)〉
次に、コントローラ(30)は、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が凝縮温度閾値(TCth)よりも低いか否かを判断する。凝縮温度(TC)が凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合には、ステップ(ST205)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST204)へ進む。
〈ステップ(ST204)〉
凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が凝縮温度閾値(TCth)よりも低くない場合、コントローラ(30)は、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させずに維持する。
〈ステップ(ST205)〉
一方、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合、コントローラ(30)は、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させる。このとき、コントローラ(30)は、凝縮温度(TC)と凝縮温度閾値(TCth)との差分が大きくなるほど圧縮機(100)の回転数の下限値の増加量が多くなるように、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させても良い。このように圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることにより、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が上昇する。これにより、凝縮器となる吸着熱交換器を通過する空気の相対湿度が低下し、その吸着熱交換器における吸着剤の再生量(吸着剤から空気中に放出される水分量)が増加することになる。
例えば、図16の場合、圧縮機(100)の回転数が40[rps]である場合、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)は、凝縮温度閾値(TCth)よりも低くなっているが、圧縮機(100)の回転数を40[rps]から50[rps]に増加させることにより、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)を凝縮温度閾値(TCth)(すなわち、凝縮器となる吸着熱交換器においてドレン水が発生する可能性がある凝縮温度)よりも高くすることができる。
〔実施形態1による効果〕
以上のように、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合に圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることにより、凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)を上昇させることができ、凝縮器となる吸着熱交換器の放熱作用によってその吸着熱交換器を通過する空気の相対湿度を低下させることができる。これにより、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤の再生量(吸着剤から空気中に放出される水分量)を増加させることができるので、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生を抑制することができる。
また、室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)と室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)(飽和境界温度が依存しているパラメータ)に基づいて凝縮温度閾値(TCth)を設定することにより、調湿環境の変化に応じて凝縮温度閾値(TC)を正確に設定することができる。これにより、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生を適切に抑制することができる。
特に、室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)と室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)の中で室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)(飽和境界温度が最も依存しているパラメータ)の重み係数が最も大きくなるように凝縮温度閾値(TCth)を設定することにより、凝縮温度閾値(TCth)の設定をより正確に行うことができる。これにより、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生をより適切に抑制することができる。
また、室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が目標絶対湿度(Xtg)よりも高い場合に換気運転制御動作を行うことにより、室外空間から第1または第2の吸着熱交換器(101,102)を通過して室内空間に供給される空気の温度および絶対湿度の変化を緩やかにしながら室内空気(RA)の湿度を目標湿度に近づけることができるので、室内空間の快適性を確保することができる。
なお、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることにより、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち蒸発器となる吸着熱交換器において空気中から吸着剤に吸着される水分量(吸着剤の吸着量)も増加することが考えられる。しかしながら、吸着剤の性質上、吸着剤の単位時間当たりの吸着量は、吸着剤の単位時間当たりの再生量よりも少なくなっている。すなわち、第1の吸着熱交換器(101)が蒸発器となっている場合に空気中から吸着剤に吸着する水分量は、第1の吸着熱交換器(101)が凝縮器となっている場合に吸着剤から空気中に放出される水分量よりも少なくなっている。したがって、加湿運転制御動作において第1および第2の加湿運転が交互に実行されることにより、吸着剤中の水分量が徐々に減少させることが可能である。
〔凝縮温度制御動作の変形例1〕
なお、コントローラ(30)は、凝縮温度制御において凝縮温度(TC)が凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合において、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることができない場合(例えば、圧縮機(100)の回転数が上限値に到達してしまう場合)に、給気ファン(21)および排気ファン(22)を制御して第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させるように構成されていても良い。例えば、コントローラ(30)は、圧縮機(100)の回転数の下限値が予め設定された限界値に到達している場合に、給気ファン(21)および排気ファン(22)の回転数を減少させる。
以上のように、給気ファン(21)および排気ファン(22)を制御して第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させることにより、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤が空気と接触している時間を長くすることができる。これにより、凝縮器となる吸着熱交換器において吸着剤の再生量を増加させることができるので、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることができない場合であっても、凝縮器となる吸着熱交換器におけるドレン水の発生を抑制することができる。
〔凝縮温度制御動作の変形例2〕
さらに、コントローラ(30)は、上記凝縮温度制御動作において上記凝縮温度(TC)が上記凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合において、圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることができず、給気ファン(21)および排気ファン(22)を制御しても第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させることができない場合に、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)が異常状態であると判定するように構成されていても良い。例えば、コントローラ(30)は、圧縮機(100)の回転数の下限値が予め設定された限界値に到達している場合に、給気ファン(21)および排気ファン(22)の回転数が予め設定された限界値に到達している場合に異常と判定する。また、コントローラ(30)は、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)が異常状態であると判定した場合に、ドレン水の発生を防止するための制御(例えば、調湿装置(1)を緊急停止させる動作)や、ドレン水が発生する可能性があることを外部に通知するための動作(例えば、異常状態であることを示した信号を外部装置へ送信する動作)を実行しても良い。
以上のように、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の異常の有無の判定結果に基づいて、ドレン水の発生を防止するための制御や、ドレン水が発生する可能性があることを外部に通知するための動作を実行することができる。
(実施形態2)
実施形態2による調湿装置(1)は、実施形態1による調湿装置(1)と同様の構成を有しているが、コントローラ(30)による動作が異なっている。実施形態2において、コントローラ(30)は、図14に示した絶対湿度制御動作に代えて、図18に示した制御選択動作を実行する。その他の動作については、実施形態1と同様である。
〔制御選択動作〕
次に、図18を参照して、制御選択動作について説明する。制御選択動作とは、絶対湿度閾値(Xth)と予め設定された室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)とを比較して絶対湿度制御動作および相対湿度制御動作の一方を選択して実行する動作のことである。制御選択動作は、加湿運転制御動作および凝縮温度制御動作と並行して周期的に実行される。例えば、制御選択動作の実行周期は、加湿運転制御動作における第1および第2の加湿運転の切り換え周期(すなわち、四方切換弁(104)の切り換え周期)よりも長い周期(例えば、10分間)に設定されている。
〈ステップ(ST301)〉
まず、コントローラ(30)は、内気温度センサ(31)によって検出された室内空気(RA)の温度(Tr)と予め設定された基準相対湿度とに基づいて、絶対湿度閾値(Xth)を検出する。絶対湿度閾値(Xth)は、室内空気(RA)の温度(Tr)の検出値(現在値)における基準相対湿度に相当する絶対湿度である。なお、温度と相対湿度と絶対湿度の関係は、図20のように表すことができる。図20において破線で示された曲線は、相対湿度に対応している。すなわち、温度と相対湿度が決まれば、絶対湿度を一意的に決定することができる。したがって、室内空気(RA)の温度(Tr)と基準相対湿度(基準となる相対湿度)とが決まれば、絶対相対湿度(Xth)を導き出すことができる。
〈ステップ(ST302)〉
次に、コントローラ(30)は、予め設定された室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)が絶対湿度閾値(Xth)よりも低いか否かを判断する。目標絶対湿度(Xtg)が絶対湿度閾値(Xth)よりも低い場合には、ステップ(ST303)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST304)へ進む。なお、目標絶対湿度(Xtg)が絶対湿度閾値(Xth)よりも低いということは、目標絶対湿度(Xtg)に基づいて絶対湿度制御動作を実行した場合であっても、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が基準相対湿度よりも高くなる可能性が低いことを意味している。また、目標絶対湿度(Xtg)が絶対湿度閾値(Xth)よりも高いということは、目標絶対湿度(Xtg)に基づいて絶対湿度制御動作を実行した場合に、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が基準相対湿度よりも高くなる可能性が高いことを意味している。
〈ステップ(ST303)〉
目標絶対湿度(Xtg)が絶対湿度閾値(Xth)よりも低い場合、コントローラ(30)は、絶対湿度制御動作(具体的には、図14に示されたステップ(ST101,…,ST106))を選択して実行する。
〈ステップ(ST304)〉
一方、目標絶対湿度(Xtg)が絶対湿度閾値(Xth)よりも低くない場合、コントローラ(30)は、相対湿度制御動作を選択して実行する。相対湿度制御動作において、コントローラ(30)は、内気湿度センサ(32)によって検出された室内空気(RA)の相対湿度(RHr)を取得し(ステップ(ST401))、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)と予め設定された目標相対湿度(RHtg)とを比較する(ステップ(ST402,ST403))。室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHtg)に一致している場合、コントローラ(30)は、圧縮機(100)の回転数を変更せずに維持する(ステップ(ST404))。
また、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHtg)よりも高い場合、コントローラ(30)は、絶対湿度制御動作の場合と同様に、換気運転制御動作を実行する(ステップ(ST405))。この換気運転制御動作により、供給空気(SA)の相対湿度が低くなり、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が次第に低くなる。その結果、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHtg)に近づくことになる。
一方、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHtg)よりも低い場合、コントローラ(30)は、絶対湿度制御動作の場合と同様に、相対湿度(RHr)と目標相対湿度(RHtg)との差分に応じて圧縮機(100)の回転数を増加させる。これにより、供給空気(SA)の相対湿度が高くなり、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が次第に高くなる。その結果、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHtg)に近づくことになる。
〔制御選択動作の具体例〕
次に、図20を参照して、制御選択動作について具体的に説明する。この例では、室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)は、3段階(「強」「標準」「弱」)に切り換えることができ、また、目標相対湿度(RHtg)は、「70%」に設定され、基準相対温度は、目標相対湿度(RHtg)と同じ湿度に設定されているものとする。
室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)が「標準」に設定され、室内空気(RA)の温度(Tr)が「8℃」である場合、「8℃」において相対湿度「70%」に相当する絶対湿度(すなわち、絶対湿度閾値(Xth))は、「標準」設定に対応する目標絶対湿度(Xtg)よりも低くなっている。この場合、「標準」設定に対応する目標絶対湿度(Xtg)に基づいて絶対湿度制御動作を実行すると、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が「90%」よりも高い湿度(図中のハッチングを付した丸印)となってしまう。すなわち、基準相対湿度「70%」よりも高くなってしまう。この場合、室内空間の窓ガラスなどにおいて結露が発生しやすくなっている。一方、この実施形態では、コントローラ(30)は、相対湿度制御動作を選択して実行する。すなわち、コントローラ(30)は、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が「70%」(目標相対湿度(RHtg))に近づくように圧縮機(100)の回転数を制御する。これにより、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)は、「70%」(図中の黒丸印)に近づくように制御され、結露の発生が抑制される。
また、室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)が「標準」に設定され、室内空気(RA)の温度(Tr)が「15℃」である場合、「15℃」において相対湿度「70%」に相当する絶対湿度(すなわち、絶対湿度閾値(Xth))は、「標準」設定に対応する目標絶対湿度(Xtg)よりも高くなっている。この場合、「標準」設定に対応する目標絶対湿度(Xtg)に基づいて絶対湿度制御動作を実行したとしても、室内空気(RA)の相対湿度(RHr)が「70%」よりも高くなる可能性は低い。
〔実施形態2による効果〕
以上のように、室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)と絶対湿度閾値(Xth)との比較結果に応じて絶対湿度制御動作および相対湿度制御動作を選択的に実行することにより、室内空気(RA)の水分不足(室内空気(RA)に含まれる水分量が目標よりも少なくなること)を防止しつつ、室内空気(RA)の過加湿(室内空気(RA)の相対湿度が目標よりも高くなること)を抑制することができる。
なお、基準相対湿度は、固定値であっても良いし、室内空気(RA)の温度(Tr)に応じて変化する可変値であっても良い。例えば、室内空気(RA)の温度が低くなるほど基準相対湿度が低くなるように、基準相対湿度を設定しても良い。
(その他の実施形態)
以上の説明において、調湿装置(1)において加湿運転が行われる場合を例に挙げて説明したが、調湿装置(1)は、室内空間の加湿に加えて室内空間の除湿を行うものであっても良い。この場合、コントローラ(30)は、第1および第2の除湿運転が交互に実行されるように冷媒回路(10)および通路制御機構(20)を制御する除湿運転制御動作を行う。第1の除湿運転では、第1の冷凍サイクル動作が実行され、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の空気通路が第2の経路に設定される。第2の除湿運転では、第2の冷凍サイクル動作が実行され、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)の空気通路が第1の経路に設定される。このような制御により、室外空気(OA)は、第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち蒸発器となる吸着熱交換器を通過して除湿され供給空気(SA)として室内空間に供給され、室内空気(RA)は、凝縮器となる吸着熱交換器を通過して加湿され排出空気(EA)として室外空間に排出される。
また、実施形態1においてコントローラ(10)が湿度制御動作として図14に示した絶対湿度制御動作を実行する場合を例に挙げて説明したが、実施形態1において、コントローラ(10)は、図14に示した絶対湿度制御動作に代えて、図19に示した相対湿度制御動作を実行しても良い。すなわち、コントローラ(10)による湿度制御動作は、室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)に基づく絶対湿度制御動作であっても良いし、室内空気(RA)の目標相対湿度(RHtg)に基づく相対湿度制御動作であっても良い。
また、調湿装置(1)の構造の一例として図2〜図7の構造を挙げたが、調湿装置(1)の構造(具体的には、ケーシング(40)の構造)は、他の構造であっても良い。
なお、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述の調湿装置は、戸建住宅に設置される調湿装置などとして有用である。
1 調湿装置
10 冷媒回路
100 圧縮機
101 第1の吸着熱交換器
102 第2の吸着熱交換器
103 膨張弁
104 四方切換弁
20 通路制御機構
21 給気ファン
22 排気ファン
30 コントローラ(制御部)
31 内気温度センサ
32 内気湿度センサ
33 外気温度センサ
34 外気湿度センサ
35 吐出圧力センサ

Claims (7)

  1. 圧縮機(100)と、吸着剤を担持する第1および第2の吸着熱交換器(101,102)とを有し、該第1の吸着熱交換器(101)が凝縮器となり該第2の吸着熱交換器(102)が蒸発器となる第1の冷凍サイクル動作と、該第1の吸着熱交換器(101)が蒸発器となり該第2の吸着熱交換器(102)が凝縮器となる第2の冷凍サイクル動作とを実行可能な冷媒回路(10)と、
    上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)における空気通路を、室外空気(OA)が該第1の吸着熱交換器(101)を通過して室内空間に供給され室内空気(RA)が該第2の吸着熱交換器(102)を通過して室外空間に排出される第1の経路と、室外空気(OA)が上記第2の吸着熱交換器(102)を通過して室内空間に供給され室内空気(RA)が上記第1の吸着熱交換器(101)を通過して室外空間に排出される第2の経路とに設定可能な通路制御機構(20)と、
    上記第1の冷凍サイクル動作が行われ上記空気通路が上記第1の経路に設定される第1の加湿運転と上記第2の冷凍サイクルが行われ該空気通路が上記第2の経路に設定される第2の加湿運転とが交互に実行されるように上記冷媒回路(10)および上記通路制御機構(20)を制御する加湿運転制御動作と、上記室内空気(RA)の湿度が予め設定された目標湿度に近づくように上記圧縮機(100)の回転数を制御する湿度制御動作と、該第1および第2の吸着熱交換器(101,102)のうち凝縮器となる吸着熱交換器の凝縮温度(TC)が予め設定された凝縮温度閾値(TCth)よりも低い場合に該圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させる凝縮温度制御動作とを行う制御部(30)とを備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(30)は、上記室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)と上記室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)とに基づいて上記凝縮温度閾値(TCth)を設定する
    ことを特徴とする調湿装置。
  3. 請求項2において、
    上記制御部(30)は、上記室外空気(OA)の温度(To)および絶対湿度(Xo)と上記室内空気(RA)の温度(Tr)および絶対湿度(Xr)の中で該室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)の重み係数が最も大きくなるように上記凝縮温度閾値(TCth)を設定する
    ことを特徴とする調湿装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を調節する第1および第2のファン(21,22)をさらに備え、
    上記制御部(30)は、上記凝縮温度制御において上記凝縮温度(TC)が上記凝縮温度閾値(TCth)よりも低く且つ上記圧縮機(100)の回転数の下限値を増加させることができない場合に、上記第1および第2のファン(21,22)を制御して上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させる
    ことを特徴とする調湿装置。
  5. 請求項4において、
    上記制御部(30)は、上記凝縮温度制御動作において上記凝縮温度(TC)が上記凝縮温度閾値(TCth)よりも低く且つ上記第1および第2の吸着熱交換器(101,102)を通過する空気の風量を低下させることができない場合に、該第1および第2の吸着熱交換器(101,102)が異常状態であると判定する
    ことを特徴とする調湿装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    上記制御部(30)は、上記湿度制御動作において上記室内空気(RA)の湿度が上記目標湿度よりも高い場合に、上記圧縮機(100)の運転を停止させ、上記空気通路が上記第1および第2の経路に交互に設定されるように上記通路制御機構(20)を制御する
    ことを特徴とする調湿装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、
    上記制御部(30)は、上記湿度制御動作において、上記室内空気(RA)の温度(Tr)と予め設定された基準相対湿度とに対応する絶対湿度閾値(Xth)よりも予め設定された目標絶対湿度(Xtg)が高い場合には、該室内空気(RA)の相対湿度が予め設定された目標相対湿度(RHtg)に近づくように上記圧縮機(100)の回転数を制御し、該室内空気(RA)の目標絶対湿度(Xtg)が該絶対湿度閾値(Xth)よりも低い場合には、該室内空気(RA)の絶対湿度(Xr)が該目標絶対湿度(Xtg)に近づくように該圧縮機(100)の回転数を制御する
    ことを特徴とする調湿装置。
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