JP2010181125A - セラミックヒータ及びグロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、熱応力に起因する亀裂及び破損等の不具合を防止すると共に、耐熱性と耐酸化性とに優れたセラミックヒータ及びこのセラミックヒータを備えるグロープラグを提供することを課題とする。
【解決手段】 このセラミックヒータは、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分とする発熱体が、窒化珪素を主成分とする基体中に埋設されてなり、
前記基体は、ランタンの酸化物を酸化物換算で4〜9質量%含有すると共に、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を酸化物換算で0.5〜4質量%含有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックヒータ及びグロープラグに関し、より詳細には、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分とする発熱体が、窒化珪素を主成分とする基体中に埋設されてなるセラミックヒータ及び前記セラミックヒータを備えるグロープラグに関するものである。
従来、ディーゼルエンジンの始動補助等に用いられるグロープラグは、筒状の主体金具、棒状の中軸、通電により発熱する発熱体を内蔵するヒータ、絶縁部材、外筒、及びかしめ部材等を備えている。昨今におけるグロープラグとしては、ディーゼルエンジンが要する性能やコスト面から、ヒータを金属製シースヒータとするメタルグロープラグや、ヒータをセラミックヒータとするセラミックグロープラグが適宜選択され使用されている。
ところで、このセラミックグロープラグは概略次の構成を備えている。すなわち、主体金具の内周側には後端側へ一端を突出させた中軸が配設され、該中軸の先端側には丸棒状のセラミックヒータが設けられている。また、主体金具の先端部には外筒が接合され、この外筒によってセラミックヒータが保持されている。一方、主体金具の後端側においては、環状の絶縁部材が中軸と主体金具との間隙に挿入され、絶縁部材の後端側にはかしめ部材が中軸を固定するようにして設けられている。
上記セラミックヒータは、導電性セラミックからなる発熱体が、絶縁性セラミックからなる基体中に埋設されて保持されることで構成されている。近年では、より高温条件下での使用に耐えうるよう、発熱体及び基体を構成する素材についても様々な検討が行われている。例えば、発熱体を構成する素材として、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分としたものを採用することが考えられている。一方、基体を構成する素材としては、窒化珪素を主成分としたものが知られている。
しかし、一般的には、発熱体を構成する素材の方が、基体を構成する素材よりも熱膨張係数が大きい傾向にある。そして、両者間における熱膨張係数の相違が大きい場合には、例えば高温状態から冷却状態に至る過程で熱収縮量が大きく相違することとなり、熱応力に起因して基体に亀裂が生じ、場合によっては破損してしまう等のおそれがある。そこで、基体の熱膨張係数を発熱体の熱膨張係数に近づけるべく、基体を構成する素材に、より熱膨張係数の大きいタングステンカーバイド等の金属炭化物等を含有させる技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
特許文献1には、「窒化物系セラミックスより成る母材に、該母材より大なる熱膨張係数を有する金属の炭化物、珪化物、窒化物、硼化物のうちの一種以上を、体積比で1%以上、5%未満含有して成り、その体積固有抵抗が10Ω・cm以上であり、かつ常温での絶縁破壊強さが1kV/mm以上であることを特徴とするセラミック焼結体」が記載されている。
ところが、上記技術では、熱膨張係数の相違に起因する亀裂の発生を抑制できるものの、セラミック焼結体が高温環境下に曝されることにより、粒界相中の金属イオンが移動してセラミック焼結体の強度が低下する等のおそれがあった。したがって、耐熱性及び耐酸化性に優れているセラミックヒータが望まれていた。
特開平10−25162号公報
本発明は、熱応力に起因する亀裂及び破損等の不具合を防止すると共に、耐熱性と耐酸化性とに優れたセラミックヒータ及びこのセラミックヒータを備えるグロープラグを提供することを課題とする。
この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分とする発熱体が、窒化珪素を主成分とする基体中に埋設されてなるセラミックヒータであって、
前記基体は、ランタンの酸化物を酸化物換算で4〜9質量%含有すると共に、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を酸化物換算で0.5〜4質量%含有することを特徴とするセラミックヒータであり、
この第1の手段における好ましい態様としては、
(2)前記周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物が、タングステンの酸化物であることを特徴とする(1)に記載のセラミックヒータであり、
(3)前記基体の熱膨張係数が、3.4×10−6/℃以上4.0×10−6/℃以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のセラミックヒータであり、
この発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のセラミックヒータを備えるグロープラグである。
この発明に係るセラミックヒータは、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分とする発熱体が、窒化珪素を主成分とし、ランタンの酸化物を酸化物換算で4〜9質量%含有すると共に、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を酸化物換算で0.5〜4質量%含有する基体中に埋設されているので、熱応力に起因する亀裂及び破損等が発生するのを抑制し、かつ耐熱性と耐酸化性とに優れたセラミックヒータを提供することができる。また、このセラミックヒータを備えたグロープラグとすることにより、上記不具合の生じないグロープラグを提供することができる。
図1は、本発明に係るセラミックヒータの一例であるセラミックヒータを示す概略縦断面図である。 図2は、本発明に係るグロープラグの一例であるグロープラグを示す概略縦断面図である。 図3は、本発明に係るセラミックヒータの製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、半割絶縁成形体上の収容凹部に発熱体成形体を設置する過程を説明する斜視図である。 図5は、保持体を示す斜視図である。 図6(a)は、保持体の焼成時におけるプレス方向を示す断面図であり、図6(b)は得られる焼成体を示す断面図である。
この発明のセラミックヒータは、基体とこの基体に埋設された発熱体とを備えてなる。
基体は、絶縁性セラミックである窒化珪素を主成分とする。ここで、「主成分」とあるのは、材料中、最も質量比の高い成分をいう。窒化珪素を主成分とするセラミックの組織は、窒化珪素(Si)を主成分とする主相粒子が、後述の焼結助剤等に由来した粒界相により結合された形態のものである。
基体は、焼結助剤として、ランタンの酸化物と、「無機化学命名法 IUPAC 1990年勧告」(1993年3月26日発行 訳・著者 山崎一雄)に記載の周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物とを含有する。
基体は、ランタンの酸化物を基体の焼結体全体における含有量にて、酸化物換算で4〜9質量%含有し、好ましくは5〜7質量%含有する。ランタンの酸化物が前記含有量で含有されていると、焼結性が改善されるだけでなく、基体の熱膨張係数が大きくなるので、通常基体よりも大きい熱膨張係数を有する発熱体との熱膨張係数との差を小さくすることができ、熱膨張及び熱収縮に起因する熱応力によって基体に亀裂及び破損等の不具合が生じるのを防ぐことができる。ランタンの酸化物の含有量が4質量%未満の場合には、基体を焼成する際に焼結が不十分になり、緻密な焼結体が得られなくなるおそれがあり、また基体が十分な熱膨張係数が得られずに熱応力によって基体に亀裂及び破損等の不具合が生じることがある。これに対して、ランタンの酸化物の含有量が9質量%を超える場合には、熱膨張係数は大きくなるものの、ランタン等の希土類元素、珪素、窒素及び酸素からなる粒界結晶相が形成されてしまい、当該結晶相の存在により耐酸化性が低下してしまうことがある。なお、希土類元素、珪素、窒素及び酸素からなる粒界結晶相としては、J相(一例としてLaSi)、H相(一例としてLa20Si2N48)、メリライト相(LaSi)等を挙げることができる。
この発明のセラミックヒータは、基体が他の希土類元素の酸化物ではなく、ランタンの酸化物を4〜9質量%含有することで、本発明の課題を達成することができる。希土類元素の中でもランタンが特に優れているのは、ランタン以外の希土類元素に比べて少量のランタンを含有させるだけで熱膨張係数を大きくすることができることにある。したがって、熱膨張係数を上げるために多量のランタンを含有させる必要がないので、他の希土類元素に比べて、耐酸化性の低下を抑制しつつ、熱膨張係数を大きくすることができる。
なお、この発明において、この発明の課題を達成することができる限り、基体にランタン以外の希土類元素の酸化物が含有されていてもよい。また、上記において「ランタンの酸化物は酸化物換算で」とあるのは、本発明者等が本発明に想到する過程において、原材料としてランタンの酸化物を用いていることに基づくものである。したがって、ランタンが必ずしも酸化物としてのみ残存していなければならないということではない。以下において説明する他の元素についても同様である。
基体に含まれるランタン等の希土類元素の含有量を測定する方法としては、適宜の測定方法を挙げることができ、例えば波長分散型X線検出器により定量し、希土類酸化物に換算して算出する方法等を挙げることができる。
基体は、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を基体の焼結体全体における含有量にて、酸化物換算で0.5〜4質量%含有し、好ましくは0.5〜3質量%含有する。周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物が前記含有量で含有されると、焼結性が改善されるだけでなく、基体の熱膨張係数が大きくなると共に、耐熱性の向上が図られる。したがって、熱応力によって基体に亀裂及び破損等の不具合が生じるのを防止することができると共に、基体が例えば1000℃以上という高温環境下に曝されたとしても、基体の強度の低下を抑制することができる。前記酸化物が0.5質量%よりも少ない又は4質量%よりも多いと、基体を焼成する際に焼結が不十分になり、緻密な焼結体が得られなくなるおそれがある。
基体は、前記周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物の中でも、タングステンの酸化物が含有されるのが好ましい。タングステンの酸化物は粒界相に耐熱性の高いガラス相を生成させるので、基体の耐熱性をより一層向上させることができる。
基体は、本発明の課題を達成することができる限り、この他に二酸化チタン(TiO)が含有されていてもよい。二酸化チタンの含有量は、基体の焼結体全体における含有量にて、酸化物換算で0.01〜0.3質量%の範囲内とするのが好ましく、0.03〜0.1質量%とするのが特に好ましい。前記範囲内で基体に酸化チタンが含有されていると、耐酸化性に優れた基体とすることができるので、より一層耐酸化性に優れたセラミックヒータを提供することができる。
この発明のセラミックヒータの基体は、その熱膨張係数が3.4×10−6/℃以上4.0×10−6/℃以下の範囲内であることが好ましい。一般に、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分とする発熱体の熱膨張係数は、3.7×10−6/℃〜3.8×10−6/℃程度であることが多い。これに対し、基体の熱膨張係数を3.4×10−6/℃以上4.0×10−6/℃とすると、基体と発熱体との熱膨張係数の差を小さくすることができるので、熱応力によって基体に亀裂及び破損等の不具合が生じるのを防止することができる。
基体の熱膨張係数は、基体を形成する際に原料として用いるランタンの酸化物、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物の含有量を変えることにより調整することができる。具体的には、例えば、基体の熱膨張係数を大きくするには、ランタンの酸化物、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物の含有量を増加させるのがよい。また、クロムのシリサイド、クロムのシリサイドとタングステンのシリサイドとの固溶体及びクロムのシリサイドとモリブデンのシリサイドとの固溶体を少なくとも1種を含有させることにより調整することもできる。
基体の熱膨張係数を測定する方法としては、例えば石英のような標準試料と測定する基体とを常温から1000℃に変化させた場合の標準試料及び基体の長さを、温度変化前の長さと比べて熱膨張率を算出する方法を挙げることができる。
発熱体は、導電性セラミックである、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分としている。これらの導電性セラミックとしては、例えば、二珪化モリブデン(MoSi)、三珪化五モリブデン(MoSi)、窒化モリブデン(MoN)、炭化モリブデン(MoC)、二珪化タングステン(WSi)、窒化タングステン(NW)及び炭化タングステン(WC)等を挙げることができる。
発熱体は、前記導電性セラミック以外の成分として、例えば各種焼結助剤及び基体を構成する材料である窒化珪素等を含有させることもできる。焼結助剤としては、希土類元素の酸化物、周期表第6族の酸化物、及びシリカ(SiO)等を挙げることができる。これらの中でも基体に含有されている焼結助剤と同一の焼結助剤が含有されているのが好ましく、ランタンの酸化物が含有されているのが好ましい。例えば、発熱体に焼結助剤として基体の焼結助剤とは異なるエルビウム(Er)の酸化物が含有されていると、発熱体に通電したときに発熱体中のエルビウムが基体の方向に拡散し易くなるので、発熱体の緻密性が維持できなくなり、その結果発熱体の断線及び強度低下等の不具合が生じるおそれがある。一方、基体と発熱体とに同一の焼結助剤、例えばランタンの酸化物を含有させた場合には、このような元素の拡散が生じることを防止することができるので、発熱体に通電したときの発熱体の断線及び強度低下等を防止することができる。
前記発熱体は、前記導電性セラミックを、発熱体の焼結体全体における含有量にて62〜72質量%含有し、残部を各種焼結助剤から選択される少なくとも1種及び窒化珪素とするのが好ましい。導電性セラミックが前記範囲内であれば、適度な導電率が得られ、適度な発熱量を確保することができる。
次に、この発明に係るセラミックヒータについて図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るセラミックヒータの一実施例であるセラミックヒータを示す概略縦断面図である。なお、図1においては、紙面の下側をセラミックヒータ1の先端側、上側を後端側として説明する。セラミックヒータ1は、軸線C方向に延びる略同径で丸棒状の基体21を有し、その内部に、細長いU字状をなす発熱体22が埋設状態で保持されている。発熱体22は、1対の棒状のリード部23,24と、前記リード部23,24それぞれの先端部同士を連結する連結部25とを備え、連結部25のうち特に先端側の部分が発熱部26となっている。発熱部26は、いわゆる発熱抵抗体として機能する部位であり、曲面状に形成されたセラミックヒータ1の先端部分において、その曲面に合わせた略U字形状をなしている。本実施形態では、発熱部26の断面積がリード部23,24の断面積よりも小さくなるように構成されており、通電時には、主に発熱部26において積極的に発熱が行われるようになっている。
また、リード部23,24は、前記連結部25の両端に接続されており、それぞれセラミックヒータ1の後端へ向けて互いに略平行に延設されている。そして、一方のリード部23の後端寄りの位置には、電極取出部27が外周方向に突設され、セラミックヒータ1の外周面に露出状態とされている。同様に、他方のリード部24の後端寄りの位置にも、電極取出部28が外周方向に突設され、セラミックヒータ1の外周面に露出状態とされている。前記一方のリード部23の電極取出部27は、セラミックヒータ1の長手方向(軸線C方向)において、前記他方のリード部24の電極取出部28よりも後端側に位置している。なお、電極取出部27と電極取出部28との位置は、発熱体22に導電することができる限り、特に制限はない。
この発明に係るセラミックヒータは、グロープラグ用ヒータ、センサー用ヒータ、及びファンヒータ用加熱ヒータ等として、好適に用いられる。この発明に係るセラミックヒータをグロープラグ用ヒータとして用いた、この発明に係るグロープラグの一実施例であるグロープラグを次に説明する。図2は、本発明に係るグロープラグの一実施例であるグロープラグの概略縦断面図である。なお、図2においては、紙面の下側をグロープラグ10の先端側、上側を後端側として説明する。
図2に示すように、グロープラグ10は、主体金具2、中軸3、セラミックヒータ1、絶縁部材5,6、外筒7、及びかしめ部材8等を備えている。主体金具2は、略円筒状をなし、その長手方向中央部外周には、グロープラグ10をエンジンのシリンダヘッド(図示略)に取付けるための雄ねじ部11が形成されている。また、主体金具2の後端部外周には六角形状をなす鍔状の工具係合部12が形成されており、前記シリンダヘッドにグロープラグ10を螺合する際に、使用される工具が係合されるようになっている。
主体金具2の内周側には、後端側へ一端を突出させた金属製で丸棒状の中軸3の他端が収容されている。前記中軸3の先端は、小径部17となっており、当該小径部17は主体金具2の長手方向略中央に位置している。この中軸3の外周と主体金具2の内周との間にはリング状の絶縁部材5が設けられており、中軸3の中心軸と、主体金具2の中心軸とが軸線C上で一致するように中軸3が固定されている。さらに、主体金具2の後端側より、中軸3を挿通させた状態で、別の絶縁部材6が設けられている。当該絶縁部材6は、筒状部13及びフランジ部14を具備しており、筒状部13が前記中軸3と主体金具2との隙間に嵌合されている。また、前記絶縁部材6の上端側に、略円筒状のかしめ部材8が中軸3に嵌合されている。かしめ部材8は、その先端面が前記絶縁部材6のフランジ部14に当接した状態で、その胴部外周から押圧されてかしめられている。これにより、中軸3と主体金具2との間に嵌合された絶縁部材6が固定され、中軸3からの抜けが防止されるようになっている。
また、主体金具2の先端部には金属製の外筒7が接合されている。より詳しくは、外筒7は後端側に厚肉部15を有しており、当該厚肉部15の後端外周には段状の係合部16が形成されている。そして、当該係合部16に前記主体金具2の先端内周が係合されている。
前記中軸3の先端側にはセラミックヒータ1が設けられている。このセラミックヒータ1は、その胴部外周が、前記外筒7によって保持されている。なお、セラミックヒータ1のうち、外筒7よりも後端側の部分は、主体金具2内部に収容された格好となっているが、セラミックヒータ1が外筒7によって強固に位置決め固定されていることから、主体金具2には接触しない構造となっている。
セラミックヒータ1における電極取出部28の露出部分は、外筒7の内周面に対して接触しており、これにより外筒7とリード部24との電気的導通が図られている。また、電極取出部27の露出部分に対応して、電極リング18が嵌められており、この電極リング18の内周面に電極取出部27が接触して、電極リング18とリード部23との電気的導通が図られている。すなわち、電極リング18にリード線19を介して電気的に接続された前記中軸3と、外筒7に係合し電気的に接続された主体金具2とが、グロープラグ10において、セラミックヒータ1の発熱部26に通電するための陽極及び陰極として機能する。
次に、図3〜図6を参照しつつ、本発明に係るセラミックヒータの製造方法の一例について簡単に説明する。
図3は、本発明に係るセラミックヒータの製造工程の一例を示すフローチャートである。図4は、発熱体を基体に埋設する前の状態を示す説明図である。図3に示されるように、セラミックヒータ1の製造工程においては、まず、発熱体成形体31(図4参照)の成形が行われる(S1)。発熱体成形体31は、前述した発熱体22のいわば前駆体である。当該発熱体成形体31の成形についてより詳しく説明すると、上記のとおり、モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分としたものに焼結助剤等を混入させたものを水の中でスラリー状とし、スプレードライを施すことで、粉末状態とする。当該粉末とバインダとしての樹脂チップとを混練し、射出成形を行い、その後、バインダの一部を灰化させるべく、つまり取り除くべく予備的に加熱乾燥を行うことで、発熱体成形体31が作製される。
作製される発熱体成形体31は、図4に示すように、未焼成のリード部33,34と、このリード部33,34の先端側(図の左側)を連結する略U字形状の未焼成の連結部35とを備えている。さらに、本実施形態にあっては、リード部33,34の後端側を接続するサポート部39も一体形成されている。すなわち、焼成前のセラミックは機械的強度が弱く、また連結部35は比較的細いため、加工過程において割れや、折れといった不具合の発生が懸念される。本実施形態では、連結部35、リード部33,34及びサポート部39によって、発熱体成形体31を全体として環状に構成することで、リード部33,34の重量による負荷が連結部35とサポート部39とで分散され、これにより、連結部35の割れ等の不具合防止が図られている。なお、サポート部39は焼成後において切断されるものであるため、切断をより容易に行うという観点から同図よりも細いものを採用してもよい。勿論、かかるサポート部39を省略する構成を採用しても何ら差し支えない。
さて、セラミックヒータ1の製造工程の説明に戻る。発熱体成形体31の成形工程(S1)とは別に、基体21の半分を構成する半割絶縁成形体40の成形が行われる(図3のS2)。より詳しく説明すると、まず半割絶縁成形体40を構成する材料の粉末を用意する。上記のとおり窒化珪素を主成分とし、ランタンの酸化物、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選択される少なくとも1種の元素の酸化物等を、窒化珪素製の球石を使用してエタノール中で40時間湿式混合し、次いで湯煎乾燥し、粉末(顆粒)状態とする。そして、当該絶縁性セラミック粉末を所定の金型装置(図示せず)に充填して半割絶縁成形体40の成形が行われる。
金型装置としては、例えば枠形状をなす、つまり上から平面を見たときに長方形状をなす開口を有する外枠と、当該外枠に対し上下動可能な下型及び上型とを備えている。そして、外枠の開口に下型の凸部を挿通させた状態とし、開口内に、前述の絶縁性セラミック粉末を所定量充填し、この状態から上型を下動させ、所定圧力でプレス加圧する。これにより、図4に示すように、収容凹部48の形成された半割絶縁成形体40が得られる。なお、上記発熱体成形体31の成形(S1)と、半割絶縁成形体40の成形(S2)とは、どちらが先に行われてもよい。
次に、上記発熱体成形体31及び半割絶縁成形体40、並びに、絶縁性セラミック粉末を用いた保持体61(図5参照)の成形が行われる(図3のS3)。この保持体61の成形に際しても所定の金型装置(図示せず)が使用される。金型装置としては、例えば上記同様枠形状をなす外枠と、当該外枠に対し上下動可能な下型及び上型とを備えている。そして、外枠の開口に下型の凸部を挿通させた状態とし、その上に前記半割絶縁成形体40をセットして、セットされた半割絶縁成形体40上の収容凹部48に、発熱体成形体31を設置する。次に、前記開口内に、前述の絶縁性セラミック粉末を充填し、上型の凸部を開口に挿通させて上型を下動させ、所定圧力でプレス加圧する。これにより、図5に示すように、発熱体成形体31が絶縁成形体60で保持された保持体61が得られる。
次に、上記保持体61の成形後、脱脂が施される(図3のS4)。すなわち、得られる保持体61中には未だバインダが存在しているため、当該バインダを灰化する、つまり取り除くべく、窒素ガス雰囲気下800℃で1時間の仮焼(脱脂、脱バインダ処理)を行う。
その後、保持体61の外表面全体に離型剤が塗布される(図3のS5)。続いて、保持体61が焼成工程に供される(図3のS6)。この工程では、いわゆるホットプレス法による焼成が行われる。すなわち、図示しないホットプレス加工機を用い、非酸化雰囲気下で、1800℃、1.5時間、ホットプレス圧力25MPaで図6(a)に示す保持体61を加圧・加熱することによって、図6(b)に示す焼成体62を得る。なお、ホットプレス焼成炉では、焼成後の焼成体62が略円柱状となるように、その形状を矯正するための凹部が形成された(上述したセラミックヒータ1の外形に準じた形状が凹設された)カーボン治具が用いられてホットプレス焼成が行われる。このとき、保持体61は、図6(a)において矢印で示すように一軸加圧条件下で加圧され、焼成が施される。
その後、焼成体62の後端側を切断する端面切断工程が行われる(図3のS7)。すなわち、焼成体62の後端側がダイヤモンドカッタ等で切断される。これにより、上述したサポート部39が切除され、その端面からリード部33,34の後端面が露出した焼成体62が得られる。この切断は、発熱体22のリード部23とリード部24とが発熱部26を介さずに短絡することがないようにするために行うものであり、その切断位置は、前記電極取出部27よりも後端側であればよい。つまり、この切断工程を経ることで、前記射出成形工程において連結部35、リード部33,34及びサポート部39により構成されていた発熱体成形体31が、非環状となるように開放されることとなる。勿論、射出成形工程において、元来サポート部を有しない発熱体成形体を得るような場合には、当該端面切断工程は不要となる。
その後、前記焼成体62に対し、各種研磨加工(図3のS7)を施すことで、上述したセラミックヒータ1の完成体が得られる。なお、研磨加工としては、公知のセンタレス研磨機を用いて焼成体62の外周を研磨し、電極取出部27,28を外周面から露出させるセンタレス研磨や、基体21先端部の曲面加工を施し、外側面と発熱部26との距離の均一化を図るためのR研磨などがある。
グロープラグ10は、以下のようにして、製造される。すなわち、セラミックヒータ1にその基体21の少なくとも先端が突出するように外筒7と電極リング18とを圧入した後、この電極リング18と中軸3とにNi線等のリード線19を溶接し、これらを電気的に接続する。次いで、これらを主体金具2の先端に圧入して溶接し、絶縁部材5,6及びかしめ部材8で中軸3を主体金具2に固定して、グロープラグを製造することができる。
この発明に係るセラミックヒータ及びこのセラミックヒータを備えたグロ−プラグは、前記実施例に限定されることはなく、本願発明の課題を達成できる範囲において、種々の変更が可能である。
以下に、この発明のセラミックヒータについての実施例及び比較例を示す。
(基体のテストピースの作製)
平均粒径0.7μmの窒化珪素粉末に、ランタンの酸化物としてLa23を全質量に対して3質量%、周期表第5族及び第6族の各族から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物として平均粒径1.0μmのWO3粉末を全質量に対して3.3質量%を配合し、これを窒化珪素製の球石を使用してエタノール中で40時間湿式混合し、次いで湯煎乾燥した。その後、このようにして得られた絶縁性セラミック粉末を窒素雰囲気下、1800℃、25MPa、の条件で1.5時間かけホットプレスで焼成し、45mm×45mm×10mmのテストピース1(TP1)を作製した。
また、ランタンの酸化物及びランタンの酸化物に変えて他の希土類酸化物(CeO、Nd23、Y23、Er23、Yb23)を選択し、これらの希土類酸化物の配合比率を全質量に対して2.5〜10.5質量%の範囲内で変化させた以外は、テストピース1と同様にしてテストピース2〜20を作製した。
さらに、ランタンの酸化物を全質量に対して6.8質量%とし、周期表第5族及び第6族の各族から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物としてWO3粉末及びWO3粉末に変えてMoO3、V2、Al23、SiOを選択し、これらの酸化物の配合比率を全質量に対して0.4〜5質量%の範囲内で変化させた以外は、テストピース1と同様にしてテストピース21〜38を作製した。
(セラミックヒータの作製)
セラミックヒータは、前述したように図3に示した製造工程のフローチャートにしたがって作製した。まず、平均粒径0.7μmのタングステンの珪化物を全質量に対して68質量%、平均粒径0.7μmの窒化珪素を全質量に対して29質量%に、焼結助剤としてランタンの酸化物(La23)を全質量に対して3質量%を配合し、水の中でスラリー状として、スプレードライを施すことで粉末状態とした。このようにして得られた導電性セラミック粉末とバインダとしての樹脂チップとを混練し、射出成形を行い、発熱体成形体を作製した(S1)。
前記S1工程と前後して、前記テストピースを作製したのと同様の絶縁性セラミック粉末を使用して、上述したように半割絶縁成形体を成形し(S2)、発熱体成形体、半割絶縁成形体及び絶縁性セラミック粉末を用いて保持体を成形した(S3)。次いで、脱脂工程(S4)、離型剤塗布工程(S5)を経て、非酸化雰囲気下で、1800℃、1.5時間、ホットプレス圧力25MPaで保持体を加圧及び加熱して焼成体を得た。その後、焼成体の後端部を切断し、焼成体の外周面を研磨して、セラミックヒータ1〜38を作製した(S7)。
(セラミックヒータの基体の分析)
作製したセラミックヒータの基体の各成分割合は、以下のようにして測定した。セラミックヒータを最高発熱部(本例では先端から4mmの部位)に対応する部分において軸に直交する面で切断し、その断面に関して外周表面から100μm内側の位置において電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA、日本電子製JXA−8800)を用いて、波長分散型X線検出器(WDS、加速電圧20kV、スポット径100μm)により、希土類元素及び周期表第5族及び第6族の元素を定量し、酸化物換算で希土類酸化物及び周期表第5族及び第6族の各族から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物の含有量を算出した。
作製したテストピース及びセラミックヒータを使用して、以下の項目について性能評価を行った。結果を表1に示す。
(熱膨張係数)
作製したテストピースの熱膨張係数の測定は、次のようにして行った。すなわち、分析装置は株式会社リガク製(TMA−8310)を使用して、測定する試料は各テストピースを3mm×3mm×15mmに切り出して使用した。測定条件は窒素ガスを200ml/minで流通させ、10℃/minで室温(30℃)から1000℃まで昇温させて、昇温前後の試料の長さを測定した。測定した値を用いて熱膨張係数を算出するには、次式により算出した。
作製したテストピースについて、熱膨張係数を測定した。熱膨張係数は、次の式(1)に基づいて算出することができる。
熱膨張係数(ppm/℃)=−[(1000℃における標準試料長さ−1000℃における測定試料長さ)/{30℃における測定試料長さ×(1000℃−30℃)}]+8.45×10-6 ・・・(1)
但し、上記式(1)において、「1000℃における標準試料長さ」は、標準試料として1000℃における熱膨張係数が8.45×10-6/℃であるアルミナを使用した場合の当該アルミナの1000℃における長さを意味する。また、この標準試料の30℃における長さは、測定試料の30℃における長さと等しい長さであるものとする。
なお、発熱体についても基体と同様にしてテストピースを作製し、熱膨張係数を測定したところ、3.7ppm/℃〜3.8ppm/℃であった。
(室温及び高温強度特性)
作製したテストピースの室温及び高温(1400℃)における強度特性の評価は、以下のようにして4点曲げ強度を測定して行った。測定する試料は各テストピースを3mm×3mm×15mmに切り出して使用した。室温強度特性については、当該試料をJIS R 1601に準じて室温における4点曲げ強度を測定し、高温強度特性については、JIS R 1604に準じて4点曲げ強度(上スパン10mm、下スパン30mm)を測定した。
(耐酸化性)
作製したテストピースの耐酸化性の評価は、以下のようにして酸化増量値を測定して行った。すなわち、作製した各テストピースを、大気雰囲気の加熱炉内に1000℃及び1400℃で50時間放置し、この試験前後における各テストピースの重量を測定した。酸化増量値は、試験後のテストピースの重量と試験前のテストピースの重量との差をテストピースの表面積で除した値であり、次の式(2)に基づいて算出することができる。
酸化増量値(mg/cm)=〔試験後のテストピース重量(mg)−試験前のテストピース重量(mg)〕/テストピースの表面積(cm)・・・(2)
(高温連続耐久性能)
作製したセラミックヒータの高温連続耐久性能は、次のようにして評価した。すなわち、セラミックヒータにおける最高表面温度が1350℃(さらには1400℃)になるようにセラミックヒータを昇温させて、連続通電試験を行った。そして、1000時間の通電を行った後、まず抵抗値を測定し、試験前後での抵抗値変化を計測した。抵抗値測定後、セラミックヒータを軸方向に沿って切断し、この切断面を鏡面研磨し、EPMAにて発熱体近傍の焼結助剤成分(希土類元素、周期表第5族及び第6族の元素)の移動(マイグレーション)の有無を観察した。この場合において、抵抗変化もなく、マイグレーションも無かった場合には「○」の評価を、抵抗変化はさほどなかったものの、マイグレーションがあった場合には「△」の評価を、抵抗値が10%以上増大し、かつ、マイグレーションがあった場合には「×」の評価をした。
(ON−OFF耐久性能)
作製したセラミックヒータのON−OFF耐久性能は、次のようにして評価した。すなわち、セラミックヒータに電圧を印加した後、1秒で1000℃に達するように電圧を印加し、その昇温速度を維持したまま最高温度たる1400℃に到達させ、その後、電圧印加をオフして30秒間ファン冷却を行い、これを1サイクルとする試験を繰り返し、1000サイクル後の抵抗値を測定した。この場合において、1000サイクル後、抵抗変化が1%未満の場合には「○」の評価を、1000サイクル後、抵抗変化が1%以上あった場合には「△」の評価を、1000サイクル以内で断線が生じてしまった場合には「×」の評価をした。
Figure 2010181125
表1に示されるように、ランタンの酸化物(La23)が4.5〜8.9質量%含有されてなり、かつ、タングステンの酸化物が3.0質量%含有されてなるサンプル2〜4は、他のサンプル1、5〜20に比べて、すべての評価項目において優れていた。サンプル1〜5を参照すると、タングステンの酸化物が3.0質量%であるサンプル1は、相対密度が小さく、他のサンプルに比べて焼結性が不十分であった。また、タングステンの酸化物が10.0質量%であるサンプル5は、相対密度が小さく、他のサンプルに比べて焼結性が不十分であると共に、酸化増量値が比較的大きく、耐酸化性がサンプル1〜4に比べて劣っていた。
上記表1では、周期表第6族元素の酸化物としてWO3を用いた場合の結果を示している。これに対して、WO3以外の周期表第5族及び第6族の各族の少なくとも1種の元素の酸化物を含有させた場合についても同様の効果が奏されるか否かを検討するべく、上記同様にテストピース及びセラミックヒータを作製し、上記同様に各種評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2010181125
表2に示されるように、ランタンの酸化物(La23)が6.8質量%含有されてなり、かつ、周期表第5族及び第6族の元素の酸化物である、WO3、MoO3、V2が0.5〜4.0質量%含有されてなるサンプル22、23、26、27、30、31は、他のサンプルに比べて、すべての評価項目において優れていた。特に、これらのサンプルは、Al23、SiO2が含有されてなるサンプル33〜38に比べて1400℃における曲げ強度が大きく耐熱性に優れていると共に、高温耐久性及びON−OFF耐久性にも優れていた。また、WO3、MoO3、V2が0.4質量%及び5.0質量%含有されてなるサンプル21、24、25、28、29、32は、相対密度が小さく、前記サンプルに比べて焼結性が不十分であった。
以上表1及び表2に示される結果より、セラミックヒータの基体を構成する素材として、窒化珪素を主成分として、ランタンの酸化物を酸化物換算で4〜9質量%及び周期表第5族及び第6族の各族から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を酸化物換算で0.5〜4質量%を含有させると、「熱膨張係数」を高くでき、また、「室温及び1400℃での曲げ強度」を高くでき、耐酸化性を低下させることなく、しかもセラミックヒータとして用いた場合における「高温連続耐久性能」、「ON−OFF耐久性能」に優れたものとなることが明らかとなった。
1 セラミックヒータ
2 主体金具
3 中軸
5,6 絶縁部材
7 外筒
8 かしめ部材
10 グロープラグ
11 雄ねじ部
12 工具係合部
13 筒状部
14 フランジ部
15 厚肉部
16 係合部
17 小径部
18 電極リング
19 リード線
21 基体
22 発熱体
23 リード部
24 リード部
25 連結部
26 発熱部
27 電極取出部
28 電極取出部
31 発熱体成形体
33 リード部
34 リード部
35 連結部
39 サポート部
40 半割絶縁成形体
48 収容凹部
60 絶縁成形体
61 保持体
62 焼成体

Claims (4)

  1. モリブデンの珪化物、窒化物及び炭化物、並びに、タングステンの珪化物、窒化物及び炭化物のうち、少なくとも1つを主成分とする発熱体が、窒化珪素を主成分とする基体中に埋設されてなるセラミックヒータであって、
    前記基体は、ランタンの酸化物を酸化物換算で4〜9質量%含有すると共に、周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を酸化物換算で0.5〜4質量%含有することを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記周期表第5族及び第6族の各族の元素群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物が、タングステンの酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記基体の熱膨張係数が、3.4×10−6/℃以上4.0×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1つに記載のセラミックヒータを備えるグロープラグ。
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