JP2010180423A - 高加工性缶用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】3ピース飲料缶用鋼板としての実用に適した缶用鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】鋼成分は、質量%で、C:0.0016〜0.0050%、Si:0.10%以下、Mn:0.10〜0.80%、P:0.001〜0.020%、S:0.001〜0.020%、Al:0.005〜0.100%、N:0.030%以下、Nb:0.003〜0.030%、B:0.0002〜0.0050%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、圧延方向の引張強度が400MPa以上、圧延直角方向の引張強度が430MPa以上であり、かつ、圧延方向の破断伸びが15%以上、圧延直角方向の破断伸びが10%以上である。熱間圧延後、圧延率89〜93%の一次冷間圧延および630℃〜790℃での焼鈍処理を施し、次いで、10%超え30%以下の圧延率で二次冷間圧延を施すことで得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、板厚を薄くしても良好な加工性を有する缶用鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、スチール缶の需要を拡大するため、製缶コストの低減策がとられている。製缶コストの低減策の一つとしては、素材の低コスト化が挙げられ、絞り加工を行う2ピース缶はもとより、円筒成形が主体の3ピース缶であっても、使用する鋼板の薄肉化が進められている。
溶接により缶胴を円筒成形し、底や蓋を巻き締めにより缶胴に接合する3ピース缶については、一回の冷間圧延と引き続く焼鈍、調質圧延により製造されるSR(Single Reduce)材が用いられており、コーヒーなどの飲料缶では0.175mm程度の厚さの鋼板が用いられている。
また、鋼板を薄くする手段としては、焼鈍の後に再度冷間圧延を行うDR(Double Reduce)材を用いる方法があり、SR材に比べ板厚を小さくすることが容易である。このDR材は、缶用鋼板としては主に絞り缶などに用いられている。3ピース缶にDR材を用いる場合、鋼板の加工性が問題となる。3ピース缶胴は蓋や底を巻き締めるため、円筒成形した後に両端の径を広げるフランジ加工を施す。円筒成形は長方形の鋼板を丸めて通電溶接する方法が主に用いられているが、DR材を用いた場合はフランジ加工の際に鋼板の割れを生じることがある。特に、最近は、3ピース飲料缶の製造方法として、鋼板の圧延方向に沿って缶胴の溶接を行う方法が主流である。そのため、フランジ加工において伸び変形を生じるのは主に鋼板の圧延直角方向であり、この方向の加工性が重要となっている。
具体的には、缶胴の径とフランジ加工量より、圧延直角方向の破断伸びにして10%が必要である。圧延方向の破断伸びは、主に缶胴に対してビード等の加工を施す際に15%程度が必要となる。
一方で、製品の流通過程における缶体の変形を防ぐために、鋼板の強度は缶胴周方向の引張強度で430MPa以上が必要となる。上述したように、鋼板の圧延直角方向を缶胴周方向とする製缶方法が主流であるので、圧延直角方向の引張強度が430MPaである必要がある。圧延方向の引張強度は缶胴の軸方向の座屈を防止するため、400MPaが必要となる。
これらを受けて、特許文献1には、B添加極低炭素鋼中の窒化物の形態を制御することにより、溶接部の加工性を向上させる方法が開示されている。
特許文献2には、DHCR(ダイレクト・ホットチャージ・ローリング)プロセスを活用し、高強度・高加工性の鋼板を製造する方法が開示されている。
特許文献3には、熱間圧延後の急冷処理を行うことにより、高加工性を有する鋼板を製造する方法が開示されている。
特表2005-504891号公報 特開平10-72640号公報 特開平10-60542号公報
しかしながら、上記従来技術は、いずれも以下の問題点を抱えている。
特許文献1に記載の鋼板は圧延直角方向の強度が不足しており、3ピース飲料缶用鋼板としては適さない。
特許文献2に記載の鋼板の製造方法は、DHCRプロセスを必須とするため、連続鋳造により作製したスラブを冷やすことなく熱間圧延に供する必要があり、生産スケジュールの柔軟性が大きく制限される。
特許文献3に記載の製造方法による鋼板は強度が不足しており、3ピース飲料缶用鋼板としては適さない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、3ピース飲料缶用鋼板としての実用に適した圧延直角方向の引張強度および加工性を有する薄肉の缶用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、以下の知見を得た。
DR材は焼鈍後に再度冷間圧延を施すため、SR材に比べて硬くなる。そのため、鋼板が良好な加工性を備えるためには十分な破断伸びを有すること、すなわち軟質な素材であることが必要である。この点で、炭素鋼はC量が少ないほど軟らかくなるので、極低炭素鋼を用いることとなる。
また、二次冷間圧延の圧下率が大きくなるとそれに伴い鋼板の硬度上昇も大きくなるので、加工性確保のためには二次冷間圧延の圧下率を適正な範囲に制限する必要がある。
さらに、DR材は二次冷間圧延による歪が加えられており、溶接時に与えられる熱により溶接部近傍の領域で再結晶が生じる。再結晶した領域は他の部分に比べ軟らかくなるので、フランジ加工の際に変形が集中し、割れを生じることとなる。これを防ぐために、鋼板に焼入れ性を付与する必要がある。本発明では、Bを適正量添加することにより、溶接時の焼入れ性を高め、溶接部近傍の軟化を防ぐことが可能である。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.0016〜0.0050%、Si:0.10%以下、Mn:0.10〜0.80%、P:0.001〜0.020%、S:0.001〜0.020%、Al:0.005〜0.100%、N:0.030%以下、Nb:0.003〜0.030%、B:0.0002〜0.0050%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、圧延方向の引張強度が400MPa以上、圧延直角方向の引張強度が430MPa以上であり、かつ、圧延方向の破断伸びが15%以上、圧延直角方向の破断伸びが10%以上であることを特徴とする高加工性缶用鋼板。
[2]前記[1]において、圧延方向断面において、結晶粒径が7〜12μmであることを特徴とする高加工性缶用鋼板。
[3]前記[1]または[2]において、圧延方向断面における結晶粒の展伸度が2.0〜3.0であることを特徴とする高加工性缶用鋼板。
[4]質量%で、C:0.0016〜0.0050%、Si:0.10%以下、Mn:0.10〜0.80%、P:0.001〜0.020%、S:0.001〜0.020%、Al:0.005〜0.100%、N:0.030%以下、Nb:0.003〜0.030%、B:0.0002〜0.0050%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造によりスラブとし、得られたスラブに対して、仕上げ圧延温度880℃〜960℃、巻き取り温度560℃〜750℃で熱間圧延し、次いで、圧延率89〜93%の一次冷間圧延および630℃〜790℃での焼鈍処理を施し、次いで、10%超え30%以下の圧延率で二次冷間圧延を施すことを特徴とする高加工性缶用鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべて質量%である。
本発明によれば、圧延方向の引張強度が400MPa以上、圧延直角方向の引張強度が430MPa以上であり、かつ圧延方向の破断伸びが15%以上、圧延直角方向の破断伸びが10%以上の高加工性缶用鋼板を、二次冷間圧延法により薄い板厚にて得ることができる。
詳細には、本発明は、極低炭素鋼にBを添加し、二次冷間圧延率を適正な値に設定することにより、圧延方向の引張強度が400MPa以上、圧延直角方向の引張強度が430MPa以上であり、かつ圧延方向の破断伸びが15%以上、圧延直角方向の破断伸びが10%以上の鋼板を確実に製造することができる。
その結果、原板(鋼板)の加工性向上により、3ピース缶のフランジ加工時に割れを生じず、板厚の薄いDR材による製缶が可能となり、3ピース缶の大幅な薄肉化が達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の缶用鋼板は、圧延方向の引張強度が400MPa以上、圧延直角方向の引張強度が430MPa以上であり、かつ圧延方向の破断伸びが15%以上、圧延直角方向の破断伸びが10%以上の高加工性缶用鋼板である。極低炭鋼にBを添加して軟質のまま焼入れ性を付与し、かつ二次冷間圧延率を適正な条件に設定することにより、溶接部のフランジ加工性を確保しつつDR法による極薄鋼板を製造することが可能となる。
本発明の缶用鋼板の成分組成について説明する。
C: 0.0016〜0.0050%
本発明の缶用鋼板においては、二次冷間圧延後の加工性を確保するため、素材を軟質な鋼とする必要がある。一般にC量が多くなるほど鋼は硬くなるので、C含有量の上限は0.0050%とする。C量が0.0050%を超えると、鋼板の加工性が損なわれ、フランジ加工等の製缶加工が困難になる。一方、C量を0. 0016%未満とするには精錬工程において脱炭コストが大きくなり、好ましくないので、C含有量の下限は0.0016%とする。
Si: 0.10%以下
Siは、その量が0.10%を超えると、表面処理性の低下、耐食性の劣化等の問題を引き起こすので、上限を0.10%とする。
Mn: 0.10〜0.80%
Mnは、Sによる熱延中の赤熱脆性を防止し、結晶粒を微細化する作用を有し、望ましい材質を確保する上で必要な元素である。これらの効果を発揮するためには少なくとも0.1%以上の添加が必要である。一方、Mnを多量に添加し過ぎると、耐食性が劣化し、また鋼板が硬質化して、フランジ加工性、ネック加工性を劣化させるので、その上限を0.80%とする。
P:0.001〜0.020%
Pは、鋼を硬質化させ、フランジ加工性やネック加工性を悪化させると同時に、耐食性をも悪化させる有害な元素であるため、その上限を0.020%とする。一方、Pを0.001%未満とするには脱リンコストが過大となる。よって、P量の下限は0.001%とする。
S:0.001〜0.020%
Sは、鋼中で介在物として存在し、延性の低下、耐食性の劣化をもたらす有害な元素であるので0.020%以下に制限する。一方、Sを0.001%未満とするには脱硫コストが過大となる。よって、S量の下限は0.001%とする。
Al: 0.005〜0.100%
Alは、製鋼時の脱酸材として必要な元素である。添加量が少ないと、脱酸が不十分となり、介在物が増加し、フランジ加工性が劣化する。一方、含有量が多過ぎると、アルミナクラスターなどに起因する表面欠陥の発生頻度が増加する。よって、Alの添加量は0.005 〜0.100%とする。
N: 0.030%以下
Nは多量に添加すると、熱間延性が劣化し、連続鋳造においてスラブの割れが発生する。よって、N含有量の上限は0.030%に限定する。また、Nを0.001%未満とするには精錬コストが過大となるので、好ましくは、N量の下限は0.001%とする。
Nb: 0.003〜0.030%
Nbを添加することにより、焼鈍時の過大な粒成長を抑えることができる。Nb量が0.003%未満であるとこの効果が発揮されない。従って、Nb量の下限は0.003%とする。一方、Nbを0.030%を超えて含有すると加工性を損なうようになる。従って、Nb量の上限は0.030%とする。
B: 0.0002〜0.0050%
Bは溶接部の軟化を防ぐために必須の元素であり、また焼鈍時の粒成長を抑えて粒径を小さくするためにも必要である。Bの含有量が0.0002%未満ではその性能が十分に発揮されない。従って、B含有量の下限を0.0002%とする。一方、B量が0.0050%を超えても更なる性能向上は望めず、却ってコスト高を招く。よって、B量の上限を0.0050%とする。より好ましいB量の範囲としては、0.0011〜0.0020%である。
残部はFeおよび不可避不純物とする。
本発明の高加工性缶用鋼板の板厚は0.15mm以下とすることが好ましい。板厚が0.15mm超えの缶用鋼板については、冷間圧延を一回のみ行う製造方法によっても強度と加工性を両立することが可能であり、冷間圧延を二回行う本発明は板厚が0.15mm以下の場合にその優位性を発揮する。
次に、本発明の缶用鋼板の結晶粒について説明する。
圧延方向断面における結晶粒径は7〜12μmとする。本発明による鋼板の最終的な機械的性質には結晶粒の状態が大きく影響する。圧延方向断面における結晶粒径が7μm未満であると、鋼板の伸びが不足し、加工性を損なう。また、12μmを超えると3ピース缶用鋼板としての強度を満足しない。よって、圧延方向断面における結晶粒径は7〜12μmとする。より好ましくは、9〜11μmである。
また、圧延方向断面における結晶粒の展伸度を2.0〜3.0とする。展伸度とは、文献「JIS G 0202-1987(3121)1」に示されるように、加工によってフェライト結晶粒が展伸された度合いを表す値である。圧延方向断面における結晶粒の展伸度が2.0未満であると、3ピース缶用鋼板として用いた場合に缶胴の凹みに対する強度として重要な、圧延直角方向の強度について十分な値が得られない。また、展伸度が3.0を超えると、フランジ加工性やネック加工性に重要な圧延直角方向の伸びが不足する。従って、圧延方向断面における結晶粒の展伸度は2.0〜3.0と規定する。より好ましくは、2.2〜2.8である。二次冷間圧延の圧延率とともに展伸度は増加するが、30%程度までの二次冷間圧延率で上記の展伸度を得るためには、鋼がNbおよびBを含んでいる必要がある。すなわち、NbおよびBを添加することにより、焼鈍時の粒成長が抑えられ、一次冷圧によって扁平した結晶粒の形状がある程度残存する。
本発明の缶用鋼板の製造方法について説明する。
連続鋳造によって製造された上記組成の鋼スラブを用い、熱間圧延、一次冷間圧延、焼鈍処理および二次冷間圧延を施し、薄鋼板を作製する。通常は一回の冷間圧延のみでは0.15mm以下のような薄い板厚とすることは困難である。すなわち、冷間圧延で薄い板厚を得るためには圧延機への負荷が過大となる。また、冷間圧延後の板厚を小さくするために熱間圧延の段階で通常よりも薄く圧延することも考えられるが、熱間圧延の圧延率を大きくすると、圧延中の鋼板の温度低下が大きくなり、所定の仕上げ圧延温度が得られなくなる。さらに、焼鈍前の板厚を小さくすると、連続焼鈍を施す場合は、焼鈍中に鋼板の破断や変形等のトラブルが生じる可能性が大きくなる。これらの理由により、本発明においては焼鈍後に二回目の冷間圧延を施し、好ましくは0.15mm以下の厚さの鋼板を得ることとする。
熱間圧延の仕上げ圧延温度が880℃未満であると粒径が不均一となり、960℃を超えると粒径が必要以上に粗大化する。したがって、熱間圧延の仕上げ圧延温度は880℃〜960℃とする。より好ましくは890℃〜960℃である。
熱間圧延後の巻き取り温度が560℃未満であると粒径が細かくなりすぎる。また、750℃を超えると鋼板全体の材質が不均一となり、スケール生成量も過大となるので好ましくない。よって、熱間圧延後の巻き取り温度は560℃〜750℃とする。より好ましくは、600℃〜720℃である。
一次冷間圧延率は粒径に影響し、89%未満であると粒径は過大となり、93%を超えると過小となる。したがって、一次冷間圧延率は89〜93%とする。より好ましくは、90〜92%である。
焼鈍温度もまた粒径に影響を及ぼす。すなわち、630℃未満であると粒径は過小となり、790℃を超えると過大となる。よって、焼鈍温度は630℃〜790℃とする。より好ましくは、640℃〜770℃である。
二次冷間圧延率は10%超えかつ30%以下とする。二次冷間圧延率を30%超えとすると、二次冷間圧延による加工硬化が過大となり、10%以上の圧延直角方向の破断伸びが得られなくなる。二次冷間圧延率を10%以下とすると、加工硬化が不足となり、十分な強度を得ることができない。従って、二次冷間圧延率は10%超えかつ30%以下とする。より好ましい二次冷間圧延率の範囲としては、20%超えかつ30%以下である。
以降のめっき等の工程は常法通り行い、缶用鋼板として仕上げる。
表1に示す成分組成を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を実機転炉で溶製し、連続鋳造法により鋼スラブを得た。得られた鋼スラブを1250℃で再加熱した後、表2に示す条件で熱間圧延、一次冷間圧延、連続焼鈍、二次冷間圧延を施した。熱間圧延の後には酸洗を施している。このようにして製造した鋼板にSnめっきを両面に連続的に施して、片面Sn付着量2.8g/m2のぶりきを得た。
Figure 2010180423
Figure 2010180423
以上により得られためっき鋼板(ぶりき)に対して、210℃、20分の塗装焼付け相当の熱処理を行った後、引張試験を行った。引張試験は、JIS5号サイズの引張試験片を用いて、圧延直角方向の引張強度(破断強度)および破断伸びを測定した。得られた結果を表3に示す。
また、圧延方向断面の結晶粒径と結晶粒展伸度も測定した。測定方法は以下の通りである。定法により研磨、エッチングを施してフェライト粒界を現出した試料断面を光学顕微鏡により観察し、単位長さの直線が横切る結晶粒の数を数え、結晶粒径を計算する。鋼板の長手方向と厚さ方向での粒径の比を展伸度とする。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2010180423
表3より、本発明例であるNo.1〜10は強度に優れており、3ピース缶缶胴の数%の薄肉化に必要な430MPa以上の圧延直角方向降伏強度を達成している。また、加工性にも優れており、飲料缶のフランジ加工に必要な10%以上の伸びを有している。
一方、比較例のNo.11は、C含有量が多すぎるため、二次冷間圧延により延性が損なわれ、破断伸びが不足している。また、比較例のNo.12は、鋼成分にNbを含まないため、結晶粒が粗大化し、強度が不足している。比較例のNo.13は、二次冷間圧延率が小さすぎるため、強度が不足している。比較例のNo.14は、二次冷間圧延率が大きすぎるため、破断伸びが不足している。
本発明によれば、圧延直角方向について430MPa以上の引張強度、10%以上の破断伸びを有する高加工性缶用鋼板を薄い板厚にて得ることが可能であり、これを用いることにより、3ピース缶の大幅な薄肉化が達成される。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.0016〜0.0050%、Si:0.10%以下、Mn:0.10〜0.80%、P:0.001〜0.020%、S:0.001〜0.020%、Al:0.005〜0.100%、N:0.030%以下、Nb:0.003〜0.030%、B:0.0002〜0.0050%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、圧延方向の引張強度が400MPa以上、圧延直角方向の引張強度が430MPa以上であり、かつ、圧延方向の破断伸びが15%以上、圧延直角方向の破断伸びが10%以上であることを特徴とする高加工性缶用鋼板。
  2. 圧延方向断面において、結晶粒径が7〜12μmであることを特徴とする請求項1に記載の高加工性缶用鋼板。
  3. 圧延方向断面における結晶粒の展伸度が2.0〜3.0であることを特徴とする請求項1または2に記載の高加工性缶用鋼板。
  4. 質量%で、C:0.0016〜0.0050%、Si:0.10%以下、Mn:0.10〜0.80%、P:0.001〜0.020%、S:0.001〜0.020%、Al:0.005〜0.100%、N:0.030%以下、Nb:0.003〜0.030%、B:0.0002〜0.0050%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼を連続鋳造によりスラブとし、得られたスラブに対して、仕上げ圧延温度880℃〜960℃、巻き取り温度560℃〜750℃で熱間圧延し、次いで、圧延率89〜93%の一次冷間圧延および630℃〜790℃での焼鈍処理を施し、次いで、10%超え30%以下の圧延率で二次冷間圧延を施すことを特徴とする高加工性缶用鋼板の製造方法。
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