JP5849666B2 - 高強度高加工性缶用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度高加工性缶用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高強度であり、かつ、高い加工性を有する缶用鋼板およびその製造方法に関するものである。
飲料缶や食缶に用いられる鋼板のうち、蓋や底、3ピース缶の胴、絞り缶などには、DR(Double−Reduced)材と呼ばれる鋼板が用いられる場合がある。焼鈍の後に再度冷間圧延を施すDR材は、圧延率の小さい調質圧延のみを施すSR(Single−Reduced)材に比べて板厚を薄くすることが容易であり、薄い鋼板を用いることにより製缶コストを低減することが可能となる。
DR材を製造するDR法は焼鈍後に冷間圧延を施すことで加工硬化が生じるため、薄くて硬い鋼板を製造することができる。しかし、その反面、DR法により製造されたDR材は延性に乏しいため、SR材に比べて加工性が劣る。
3ピースで構成される食缶や飲料缶の胴材は、筒状に成形された後、蓋や底を巻き締めるために両端にフランジ加工が施される。そのため、缶胴端部には良好な伸びが要求される。
一方で、製缶素材としての鋼板は板厚に応じた強度が必要とされ、DR材の場合は薄くすることによる経済効果を確保するために、約550MPa以上の引張強度が必要とされる。
従来用いられてきたDR材では、上記のような延性と強度を両立することは困難であり、食缶や飲料缶の胴材には主にSR材が用いられてきた。しかし、現在、コスト低減の観点から板厚を薄くするために、食缶や飲料缶の胴材に対してもDR材を用いることが望まれており、DR材の適用を拡大する要求が高まっている。
これらを受けて、特許文献1には、低炭素鋼に対して一次冷間圧延率85%以下にてDR法を適用することで、r値が高く、フランジ加工性に優れた鋼板を製造する方法が開示されている。特許文献2には、低炭素鋼焼鈍工程において窒化処理を施すことにより、硬度と加工性を両立するDR材の製造方法が開示されている。
特開昭63−7336号公報 特開2004−323905号公報
しかしながら、上記従来技術は、いずれも問題点を抱えている。
特許文献1に記載の製造方法では、一次冷間圧延率を小さくする必要があるため、熱間圧延の仕上げ厚の制約により、極薄の鋼板は製造できない。熱間圧延の仕上げ厚を小さくすると、仕上げ圧延温度が低くなり、所定の温度に保つことが困難である。
特許文献2に記載の製造方法では、再結晶が終了した後に窒化処理を施す必要があるため、連続焼鈍工程においてラインスピードの低下や加熱炉長の増加などのコスト増が避けられない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、蓋、底および3ピース缶胴などの材料として好適である高強度高加工性缶用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、以下の知見を得た。
加工性と強度を両立するためには、適切な量のNを添加して強度を付与しつつ、焼鈍後の二次冷間圧延率を適切な範囲に制限して加工性(伸び)を確保することが有効である。また、スラブ再加熱温度が低いと、鋳造後に析出したAlNの再溶解が十分に行われず、熱間圧延後の巻き取り温度が高いと、析出するAlNが過多となる。いずれの場合も強度を担う固溶N量が不足するため、スラブ再加熱温度や巻き取り温度も適切な温度範囲に制限する必要がある。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.001%以上0.080%以下、Si:0.003%以上0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.001%以上0.100%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0150%超え0.0200%以下、B:0.0002%以上0.0050%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
さらに、AlNとして存在するNの含有量が0.0060%以下であり、
圧延方向断面において、平均結晶粒径が5.00μm以上、結晶粒の展伸度が3.00以下であることを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板。
[2]質量%で、C:0.001%以上0.080%以下、Si:0.003%以上0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.001%以上0.100%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0150%超え0.0200%以下、B:0.0002%以上0.0050%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼を、連続鋳造によりスラブとし、スラブ再加熱温度を1200℃以上として熱間圧延を行った後に700℃未満の温度で巻き取り、次いで、85%超えの圧延率で一次冷間圧延を行い、引き続き、焼鈍を行い、次いで、20%以下の圧延率で二次冷間圧延を行うことを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべて質量%である。また、本発明の高強度高加工性缶用鋼板において、高強度とは引張強度が550MPa以上、高加工性とは破断伸びが7%以上をいう。
本発明によれば、引張強度が550MPa以上でかつ破断伸びが7%以上の高強度高加工性缶用鋼板を得ることができる。
その結果、原板(鋼板)の加工性が向上するため、3ピース缶のフランジ加工時に割れを生じず、板厚の薄いDR材による製缶がコスト増せずに可能となり、缶用鋼板の大幅な薄肉化が達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の缶用鋼板は、引張強度が550MPa以上でかつ破断伸びが7%以上の高強度高加工性缶用鋼板である。そして、このような鋼板は、0.0150%超え0.0200%以下のNを含有する鋼を用いて、スラブ再加熱温度、熱間圧延後の巻き取り温度および二次冷間圧延率を適正な条件に設定することにより、製造することが可能となる。
本発明の缶用鋼板の成分組成について説明する。
C:0.001%以上0.080%以下
本発明において、C量が0.080%を超えると、加工性が悪化する。また、冷間圧延性も低下する。このため、C量は0.080%以下とする。一方、C量が0.001%未満であると、鋼板の薄肉化による顕著な経済効果を得るために必要な引張強度550MPaが得られない。したがって、C量は0.001%以上0.080%以下とする。
Si:0.003%以上0.100%以下
本発明において、Si量が0.100%を超えると、表面処理性の低下、耐食性の劣化等の問題を引き起こすので、上限は0.100%とする。一方、0.003%未満とするには精錬コストが過大となるため、下限は0.003%とする。
Mn:0.10%以上0.80%以下
Mnは、Sによる熱延中の赤熱脆性を防止し、結晶粒を微細化する作用を有し、望ましい材質を確保する上で必要な元素である。これらの効果を発揮するためには下限は0.10%必要である。一方、Mnを多量に添加し過ぎると、耐食性が劣化し、また鋼板が過剰に硬質化するので、上限は0.80%とする。
P:0.001%以上0.100%以下
Pは、鋼を硬質化させ、加工性を悪化させると同時に、耐食性をも悪化させる有害な元素である。そのため、上限は0.100%とする。一方、Pを0.001%未満とするには脱Pコストが過大となる。よって、下限は0.001%とする。
S:0.001%以上0.020%以下
Sは、鋼中で介在物として存在し、加工性の低下、耐食性の劣化をもたらす有害な元素である。そのため、上限は0.020%とする。一方、Sを0.001%未満とするには脱Sコストが過大となる。よって、下限は0.001%とする。
Al:0.005%以上0.100%以下
Alは、製鋼時の脱酸材として必要な元素である。含有量が少ないと、脱酸が不十分となり、介在物が増加し、加工性が劣化する。含有量が0.005%以上であれば十分に脱酸できる。したがって、下限は0.005%とする。一方、含有量が0.100%を超えると、アルミナクラスターなどに起因する表面欠陥の発生頻度が増加する。よって、上限は0.100%とする。
N:0.0150%超え0.0200%以下
本発明の缶用鋼板においては、二次冷間圧延率を抑えて加工性(伸び)を確保するとともに、N量を高めに設定することにより、高強度を付与する。N量が0.0150%以下であると、鋼板の薄肉化による顕著な経済効果を得るために必要な引張強度550MPaが得られない。したがって、N量の下限は0.0150%超えとする。一方、N量が0.0200%を超えると、AlNとして存在するN量が過大となり、後述のように延性不足の要因となる。したがって、N量の上限は0.0200%とする。好ましくは、0.0155〜0.0180%である。
B:0.0002%以上0.0050%以下
Bは溶接部近傍の熱影響部における粒成長を抑制し、局所的な強度低下によるフランジ加工時の割れを防ぐ効果がある。薄肉化した鋼板において、このような割れを防止する効果を十分に得るためには、B量は0.0002%以上必要である。したがって、B量の下限は0.0002%とする。一方、0.0050%を超えても更なる効果は望めず、コスト高となる。したがって、B量の上限は0.0050%とする。
AlNとして存在するNの含有量が0.0060%以下
AlNとして存在するNの含有量が0.0060%を超えると、後述のように結晶粒の展伸度が過大となり、延性が不足する。したがって、AlNとして存在するNの含有量は0.0060%以下とする。好ましくは、0.0040%以下である。
なお、AlNとして存在するNの含有量は、例えば、10%のBr−メタノール溶液を用いてAlNの溶解抽出を行い、吸光光度法によりAlNとして存在するNの定量分析を行うことで確認できる。
また、AlNとして存在するNの含有量を0.0060%以下とするには、スラブ再加熱温度を1200℃以上として熱間圧延を行い、熱間圧延後の巻き取り温度を700℃未満に設定する。
残部はFeおよび不可避的不純物とするが、公知の溶接缶用鋼板中に一般的に含有される成分を含有しても良い。例えば、Cr:0.10%以下、Cu:0.20%以下、Ni:0.15%以下、Mo:0.05%以下、Ti:0.3%以下、Nb:0.3%以下、Zr:0.3%以下、V:0.3%以下、Ca:0.01%以下の成分元素を、目的に応じて含有させることができる。
次に、本発明の缶用鋼板の結晶粒について説明する。
圧延方向断面における平均結晶粒径は5.00μm以上とする。本発明の缶用鋼板の最終的な機械的性質には結晶粒の状態が大きく影響する。圧延方向断面における平均結晶粒径が5.00μm未満であると、鋼板の伸びが不足し、加工性を損なうことになる。
また、圧延方向断面における結晶粒の展伸度は3.00以下とする。展伸度とは、文献「JIS G 0202」に示されるように、加工によってフェライト結晶粒が展伸された度合いを表す値である。圧延方向断面における結晶粒の展伸度が3.00を超えると、フランジ加工性やネック加工性に重要な圧延直角方向の伸びが不足する。二次冷間圧延の圧延率の増加とともに展伸度は増加する。
本発明において、二次冷間圧延率を20%以下とした時に、展伸度を3.00以下に抑えるためには、AlNとして存在するNの含有量が0.0060%以下であることが必要である。すなわち、AlNは粒界移動に対するピン止め粒子として働く。このため、Nの含有量にして0.0060%超えのAlNが存在すると、一次冷間圧延によって扁平した結晶粒の形状が焼鈍後も残存し、展伸度が大きくなる。AlNは連続焼鈍工程においてはほとんど析出が起こらないため、熱間圧延後の巻取り時に析出する量がほぼ最終製品まで持ち来されると考えられる。
圧延方向断面における平均結晶粒径および圧延方向断面における結晶粒の展伸度は、文献「JIS G 0551」に示される結晶粒度の顕微鏡試験方法により測定することができる。なお、セメンタイト・パーライトはフェライト粒に比べて硬質であり、変形は主としてフェライト粒が担うため、結晶粒径および展伸度の測定はフェライト結晶粒のみを対象として行う。
次に、本発明の缶用鋼板の製造方法について説明する。
本発明の高強度高加工性缶用鋼板は、連続鋳造によって製造された上記組成からなる鋼スラブを用い、スラブ再加熱温度を1200℃以上として熱間圧延を行った後に、700℃未満の温度で巻き取り、次いで、85%超えの圧延率で一次冷間圧延を行い、引き続き、焼鈍を行い、次いで、20%以下の圧延率で二次冷間圧延を行うことにより製造される。
通常は、一回の冷間圧延のみでは顕著な経済効果が得られるような薄い板厚とすることは困難である。すなわち、一回の冷間圧延で薄い板厚を得るには圧延機への負荷が過大となり、設備能力によっては不可能である。例えば、最終板厚を0.15mmとする場合には、熱間圧延後の板厚を2.0mmとすると、92.5%と大きな一次冷間圧延率が必要となる。また、冷間圧延後の板厚を小さくするために、熱間圧延の段階で通常よりも薄く圧延することも考えられる。しかしながら、熱間圧延の圧延率を大きくすると、圧延中の鋼板の温度低下が大きくなり、その結果、所定の仕上げ圧延温度が得られなくなる。さらに、焼鈍前の板厚を小さくすると、連続焼鈍を施す場合に、焼鈍中に鋼板の破断や変形等のトラブルが生じる可能性が大きくなる。これらの理由により、本発明においては、焼鈍後に二回目の冷間圧延を施し、極薄の鋼板を得ることとする。
スラブ再加熱温度:1200℃以上
スラブ再加熱温度が1200℃未満であると、鋳造後に析出したAlNの再溶解が十分に行われず、AlNが過剰に残存する。よって、スラブ再加熱温度は1200℃以上とする。好ましくは、1200℃以上1300℃以下である。
熱間圧延後の巻き取り温度:700℃未満
熱間圧延後の巻き取り温度が700℃以上であると、AlNが過剰に析出し、強度を担う固溶N量が不足となる。よって、熱間圧延後の巻き取り温度は700℃未満とする。好ましくは、600℃以上680℃以下である。
一次冷間圧延率:85%超え
一次冷間圧延率が小さい場合、最終的に極薄の鋼板を得るために熱間圧延と二次冷間圧延の圧延率を大きくする必要がある。熱間圧延率を大きくすることは上述の理由から好ましくない。二次冷間圧延率は後述する理由により制限する必要がある。すなわち、一次冷間圧延率を85%以下とすると製造が困難となる。したがって、一次冷間圧延率は85%超えとする。好ましくは、90%以上92%以下である。
焼鈍
焼鈍条件は特に限定しないが、焼鈍により再結晶が完了する必要がある。製造コストの観点から連続焼鈍法を用いるのが好ましく、操業効率および薄鋼板の焼鈍中の破断防止の観点から均熱温度は600℃以上750℃以下とすることが好ましい。
二次冷間圧延率:20%以下
二次冷間圧延率は20%以下とする。二次冷間圧延率が20%を超えると、二次冷間圧延による加工硬化が過大となり、7%以上の破断伸びが得られなくなる。したがって、二次冷間圧延率は20%以下とする。好ましくは、10%以上20%以下である。
なお、二次冷間圧延以降は、めっき等の工程を常法通り行い、缶用鋼板として仕上げる。
表1に示す成分組成を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を実機転炉で溶製し、連続鋳造法により鋼スラブを得た。得られた鋼スラブを表2に示す条件で再加熱した後熱間圧延し、表2に示す条件で巻き取り、一次冷間圧延を施した。熱間圧延の仕上げ圧延温度は890℃とし、熱間圧延後には酸洗を施している。次いで、一次冷間圧延の後、均熱温度700℃、均熱時間20秒の連続焼鈍を行い、次いで、表2に示す条件で二次冷間圧延を施した。
以上により得られた鋼板にSnめっきを両面に連続的に施して、片面Sn付着量2.8g/mmのぶりきを得た。
Figure 0005849666
Figure 0005849666
以上により得られためっき鋼板(ぶりき)に対して、210℃、20分の塗装焼付け相当の熱処理を行った後、引張試験を行った。引張試験は、JIS5号サイズの引張試験片を用いて、圧延直角方向の引張強度(破断強度)および破断伸びを測定した。
また、塗装焼付け相当の熱処理を施した鋼板を用いてシーム溶接によって外径52.8mmの缶胴成形を行い、端部を外径50.4mmまでネックイン加工した後に外径55.4mmまでフランジ加工を行ってフランジ割れ発生の有無を評価した。缶胴成形は190g飲料缶サイズとし、鋼板圧延方向に沿って溶接を行った。ネックイン加工はダイネック方式により、フランジ加工はスピンフランジ方式により行った。フランジ加工部で割れが発生した場合を×、割れが発生しない場合を○と評価した。
また、10%のBr−メタノール溶液を用いてAlNの溶解抽出を行い、吸光光度法によりAlNとして存在するNの定量分析を行った。
また、めっき鋼板のサンプルを採取し、圧延方向断面における、平均結晶粒径および結晶粒の展伸度を測定した。圧延方向断面における平均結晶粒径および結晶粒の展伸度は、鋼板の垂直断面を研磨しナイタルエッチングにより粒界を現出させた上で、文献「JIS G 0551」に記載の直線試験線による切断法により測定した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0005849666
表3より、本発明例であるNo.1〜7は強度に優れており、極薄の缶用鋼板として必要な引張強度550MPa以上を達成している。また、加工性にも優れており、蓋や3ピース缶胴の加工に必要な7%以上の破断伸びを有している。
一方、比較例のNo.8は、C含有量が多すぎるため、破断伸びが乏しく、フランジ加工部で割れを生じている。比較例のNo.9はBを含有していないため、溶接部近傍の熱影響部が極端に軟質化し、フランジ加工で割れが発生している。比較例のNo.10は、スラブ再加熱温度が低すぎるため、比較例のNo.11は巻き取り温度が高すぎるため、いずれもAlNとして存在するNの含有量が多すぎ、展伸度が大きくなり、破断伸びが不足している。比較例のNo.12は、N含有量が少なすぎるため、比較例のNo.13は、C含有量が少なすぎるため、それぞれ引張強度が不足している。比較例のNo.14は、Nの含有量が多すぎるため、AlNとして存在するNの含有量が過大となり、展伸度が大きくなり、破断伸びが不足している。比較例のNo.15は、一次冷間圧延率が小さすぎるため、板厚を小さくすることができず、極薄の鋼板を製造できていない。
本発明の缶用鋼板は、550MPa以上の引張強度、7%以上の破断伸びを有する。そのため、缶蓋、缶底、3ピース缶胴等を低コストにて製造するための材料として最適である。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.040%超0.080%以下、Si:0.003%以上0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.001%以上0.100%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0150%超え0.0200%以下、B:0.0002%以上0.0050%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
    さらに、AlNとして存在するNの含有量が0.0060%以下であり、
    圧延方向断面において、平均結晶粒径が5.00μm以上、結晶粒の展伸度が2.07以下であることを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板。
  2. 請求項1に記載の高強度高加工性缶用鋼板の製造方法であって、
    質量%で、C:0.040%超0.080%以下、Si:0.003%以上0.100%以下、Mn:0.10%以上0.80%以下、P:0.001%以上0.100%以下、S:0.001%以上0.020%以下、Al:0.005%以上0.100%以下、N:0.0150%超え0.0200%以下、B:0.0002%以上0.0050%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼を、連続鋳造によりスラブとし、スラブ再加熱温度を1200℃以上として熱間圧延を行った後に700℃未満の温度で巻き取り、次いで、85%超えの圧延率で一次冷間圧延を行い、引き続き、焼鈍を行い、次いで、20%以下の圧延率で二次冷間圧延を行うことを特徴とする高強度高加工性缶用鋼板の製造方法。
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