JP2010179841A - 旋回挙動制御装置、及び旋回挙動制御方法 - Google Patents

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【課題】旋回外側への車体の張り出しを防ぎつつ、運転者のステアリング操作に対する旋回挙動の応答特性を向上させる。
【解決手段】車速V及び操舵角θに応じて目標ヨーレートγを算出し(ステップS3)、車速V及び目標ヨーレートγに応じて旋回内側への回頭を制限した車両の目標横すべり角βを算出し(ステップS4)、これら目標ヨーレートγ及び目標横すべり角βに応じて前後輪の目標転舵角δf(s)及びδr(s)を算出し(ステップS5)、この前後輪の目標転舵角δf(s)及びδr(s)が達成されるように転舵機構3iを駆動制御する(ステップS6)。目標横すべり角βは、後輪車軸よりも後方で横すべり角がゼロとなるように設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、旋回挙動制御装置、及び旋回挙動制御方法に関するものである。
一般に、4輪操舵では、低速で前後輪を逆相に転舵し、高速で前後輪を同相に転舵すると、車体の向き(回頭方向)を進行方向に一致させることができるので、運転しやすいとされている。
ところで、低速で前後輪を逆相に転舵すると、車両の小回り性能は向上するものの、車体の後端側(特に背面と側面との角部)が旋回外側に張り出すので、注意が必要となる。そこで、車体前端点の平均化軌跡を算出し、車体後端点の軌跡が、車体前端点の平均化軌跡よりも内側を通過するように、後輪の転舵速度を制限し、後輪舵角を徐々に増加させるものがあった(特許文献1参照)。
特開2003−54435号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、後輪舵角を徐々に増加させるため、運転者のステアリング操作が既に或る操舵角で止まっているのに、後輪舵角が徐々に増加することになる。すなわち、運転者が一定の操舵角で保舵しているのに、旋回軌跡が刻々と変化することで、運転者に違和感を与えかねない。
本発明の課題は、旋回外側への車体後部の張り出しを防ぎつつ、運転者のステアリング操作に対する旋回挙動の応答特性を向上させることである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る旋回挙動制御装置は、前後輪の夫々を個別に転舵可能な転舵機構を備え、車速及び操舵角に応じて車両の目標ヨーレートを設定し、設定した目標ヨーレート及び車速に応じて旋回内側への回頭を制限した車両の目標横すべり角を設定し、設定した目標ヨーレート及び目標横すべり角が達成されるように前記駆動機構を駆動制御する。
本発明に係る旋回挙動制御装置によれば、目標ヨーレートと、旋回内側への回頭を制限した目標横すべり角とが実現されるので、旋回外側への車体後部の張り出しを防ぎつつ、運転者のステアリング操作に対する旋回挙動の応答特性を向上させることである。
用語の説明図である。 概略構成である。 駆動制御処理を示すフローチャートである。 ブロック図である。 第一実施形態のシミュレーション結果である。 従来技術と第一実施形態との旋回動作の違いを表す。 従来技術による車体外形の旋回軌跡である。 第一実施形態による車体外形の旋回軌跡である。 他の実施形態である。 第二実施形態のブロック図である。 第二実施形態のシミュレーション結果である。 従来技術と第二実施形態との旋回動作の違いを表す。 第二実施形態による車体外形の旋回軌跡である。 第三実施形態のブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第一実施形態》
先ず、本実施形態で用いる用語について説明する。
図1は、用語の参考図である。
[基準点]
車両上に固定された座標原点である。車両上の任意の位置に基準点を設定することが可能であるが、本実施形態では車両の重心点に設定している。また、算出を容易にするために、前車軸の2等分点と後車軸の2等分点とを結ぶ線分の中点に設定してもよい。
[車両座標]
基準点を原点とし、車体前後方向をX軸、車体左右方向をY軸とし、車両基準点よりも車体前方、及び車体左側を、夫々、正(+)方向とした座標系である。なお、旋回に関しては、反時計回りを正方向で表す。
[車速]
基準点の速度である。
[横すべり角]
X軸に対する車速がなす角度である。反時計回りを正方向で表す。
[ヨーレート]
車両座標の回転速度である。反時計回りを正方向で表す。
[旋回中心]
基準点から見て地上速度がゼロとなる点である。
[旋回半径]
基準点から旋回中心までの距離である。
《構成》
図2は、本実施形態の概略構成である。自動車1には、各車輪2i(i=FL、FR、RL、RR)を個別に転舵可能な転舵機構3iを搭載し、夫々をコントローラ4によって駆動制御することで、運転者のステアリング操作に応じて該ステアリングと機械的に分離された各車輪を転舵する、いわゆるステアリング・バイワイヤ制御(以下単にステアリング・バイワイヤと言う)を行う。
転舵機構3iは、車輪2iに転舵トルクを付与する電動モータを備え、該電動モータによって車輪2iを転舵駆動することで、車輪を転舵する。
コントローラ4は、操舵角センサ5で検出するステアリングホイール6の操舵角と、車輪速センサ7で検出する各車輪速と、各車輪の転舵角を検出する転舵角センサ8で検出された各転舵角とを入力し、図3の駆動制御処理を実行する。
なお、コントローラ4は、ステアリング・バイワイヤを行う際、運転者のステアリング操作に対して適度な操舵反力を付与するために、ステアリング系統に接続された反力モータ9の駆動制御を行うものとする。
次に、コントローラ4で実行される駆動制御処理を、図3のフローチャートに従って説明する。図4は、そのブロック図である。
ステップS1では、操舵角、各車輪速、各転舵角などの各種データを読込む。
続くステップS2では、各車輪速に基づいて車速Vを算出する。
続くステップS3では、下記(1)式に示すように、操舵角θに応じて目標ヨーレートγを算出する。Reは操舵角θ対するゲインである。
γ=Re×θ …………(1)
なお、下記(2)式に示すように、時定数Ts、定常ゲインGrとなるような1次応答モデルを用いることでゲインReを算出してもよい。
Re=Gr/(1+Ts) …………(2)
続くステップS4では、下記(3)式に示すように、車速V及び目標ヨーレートγに応じて目標横すべり角βを算出する。Lrは車両重心から後輪車軸までの距離である。
β≦−(Lr/V)γ …………(3)
目標横すべり角βは、旋回内側へ向かないように制限する、つまり旋回外側へ向かせ、且つ旋回中心Pを後輪車軸よりも後側へ位置させるための値である。上記(3)式によれば、ヨーレートγが等しい状態で車速Vが増加すると目標横すべり角βは小さくなり、車速Vが等しい状態でヨーレートγが増加すると目標横すべり角βは大きくなる。
続くステップS5では、下記(4)式に示すように、目標横すべり角β、目標ヨーレートγに応じて、前輪及び後輪の目標転舵角δf(s)及びδr(s)を算出する。ここでは、自車両の動特性を表した線形2自由度モデルを用いて算出する方法を示す。なお、Vは検出された車速、Aは車両のスタビリティファクタ、mは車両質量、Izは車両のヨー慣性モーメント、Cfは前輪等価コーナリングパワー、Crは後輪等価コーナリングパワー、Lfは重心と前軸間の距離、Lrは重心と後軸間の距離、Lはホイールベースである。
Figure 2010179841
続くステップS6では、各目標転舵角に実際の転舵角(転舵角センサ8で検出される各車輪の転舵角)が一致するように、各転舵機構3iを駆動制御して所定のメインプログラムに復帰する。
上記によれば、例えばヨーレートセンサや横加速度センサ、横すべり角センサなどの運動状態量を検出する装置を必要とせずにフィードフォワード的に車両挙動を制御することができる。勿論、運動の目標性能に対する追従性を更に向上させることを目的として、例えば特開昭62―247919号公報や、特開平2―106469号公報に示されるように、運動状態量の実測値を検出してフィードバック補償を行うシステムであっても、本発明を適用できる。
《作用》
通常の前輪操舵(2WS)では、後輪の向きが車体の向きと略一致することにより、定常旋回において、車速と旋回半径に応じて前後輪にコーナリングフォースが作用し、後輪に作用するコーナリングフォースと後輪の横すべり角が釣り合うように、車両の横すべり角を変化させる。すなわち、前輪操舵(2WS)では、コーナリング時に低速であるほど車体は旋回外側に向き、高速になると車体は旋回内側を向くようになる。
これに対して、本実施形態では、車速V及び操舵角θに応じて目標ヨーレートγを算出し(ステップS3)、車速V及び目標ヨーレートγに応じて旋回内側への回頭を制限した車両の目標横すべり角βを算出し(ステップS4)、これら目標ヨーレートγ及び目標横すべり角βに応じて前後輪の目標転舵角δf(s)及びδr(s)を算出し(ステップS5)、この前後輪の目標転舵角δf(s)及びδr(s)が達成されるように転舵機構3iを駆動制御する(ステップS6)。
このように、4輪操舵(4WS)では、車両の進行方向と車体の向きの差である横すべり角を任意の位置に制御することが可能となるので、高速になっても横すべり角を旋回外側に維持することができる。これにより、車体後部の張り出しを前輪操舵(2WS)に比べて減少することができる。
先ず、車速と運転者のステアリング操作に応じた車両の運動特性を決め、この運動特性を実現するように転舵制御がなされるためヨーレートの収斂を早めることができる。車両は、目標ヨーレートおよび目標横すべり角を実現するように転舵されるため、幾何学的に車両が動く低速域から、タイヤのスリップ角でコーナリングフォースを発生する中高速域まで、同じタイヤ転舵角の考え方で制御できる。前輪操舵(2WS)の車両では、車速の増加に伴って車体は旋回内側を向く特性を持っているが、本実施形態では、低速域から高速域まで、車体は後輪よりも後方を中心として旋回動作が行われ、車速の増加による車両動特性の変化によらず後輪位置は旋回外側へ張り出さなくなる。
図5は、車速20km/hで直進走行している状態から、操舵角θを増加させたときのシミュレーション結果である。
本実施形態では、前記(3)式に従って、目標横すべり角βを算出することで、後輪舵角は前輪舵角と同相に制御され、応答遅れもない。これにより、運転者のステアリング操作に遅れることなく後輪舵角が応答し、運転者が一定の操舵角で保舵したときには、その直後にヨーレートも、ステアリング操作に応じた一定の値に収束する。
次に、従来技術と本実施形態とのシミュレーション結果を比較する。
図6は、従来技術と本実施形態の旋回動作の違いを表す。
従来技術においては、旋回初期は旋回中心位置が車両後方にあり、以降は後輪舵角が前輪とは逆向きの舵角で増加することで、車体の進行に伴って旋回中心は車両前方へ移動してくる。そのため、ステアリング操作とは無関係に旋回中心が移動し、車速の増加と共にその移動速度が大きくなる。
一方、本実施形態では、旋回内側への横すべり角を制限する、つまり横すべり角を旋回外側に維持することで、旋回中心が常に車体の後輪よりも後方に位置し、ヨーレートと車速に応じて車体後部の張り出し量が小さくなる。
図7は、従来技術による車体外形の旋回軌跡である。
図8は、本実施形態による車体外形の旋回軌跡である。
従来技術では、ステアリング操作ではなく、進行距離に応じて舵角量が変化するため、車速の影響を多大に受ける。しかも、後輪舵角が次第に増加してくるので、後輪舵角が増加した状態で、車両を停車させ、その後、再発進させると、停車直前のような大きな後輪舵角が得られないことで、運転者に違和感を与えてしまう。
一方、本実施形態では、車速変化の影響を抑制でき、どの車速域でも車両後部の張り出しを極僅かで且つ略一定の状態に保つことができる。
《応用例》
なお、本実施形態では、各車輪2iの全てを個別に転舵可能な転舵機構3iを搭載しているが、少なくとも前後輪の夫々の転舵角を個別に制御できればよいので、例えば、図9に示すように、ステアリングと前輪とが機械的に接続された操舵装置において、前輪2FL・2FRの舵角比(操舵角に対する転舵角の比)を変更可能なギヤ比可変機構10と、後輪2RL・2RRを転舵可能な転舵機構11とを設けることで、前後輪の夫々の転舵角を個別に制御可能とするような構成であっても、上記の一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
《効果》
以上より、ステップS3の処理が「ヨーレート設定手段」に対応し、ステップS4の処理が「横すべり角設定手段」に対応し、ステップS5の処理が「算出手段」に対応し、ステップS6の処理が「制御手段」に対応する。
(1)前後輪の夫々を個別に転舵可能な転舵機構と、車速及び操舵角に応じて車両の目標ヨーレートを設定するヨーレート設定手段と、該ヨーレート設定手段が設定した目標ヨーレート及び車速に応じて旋回内側への回頭を制限した車両の目標横すべり角を設定する横すべり角設定手段と、前記ヨーレート設定手段が設定した目標ヨーレート及び前記横すべり角設定手段が設定した目標横すべり角に応じて前後輪の目標転舵角を算出する算出手段と、該算出手段が算出した目標転舵角に応じて前記駆動機構を駆動制御する制御手段と、を備える。
これにより、目標ヨーレートと、旋回内側への回頭を制限した目標横すべり角とが実現されるので、旋回外側への車体後部の張り出しを防ぎつつ、運転者のステアリング操作に対する旋回挙動の応答特性を向上させることである。
(2)前記横すべり角設定手段は、後輪車軸よりも後方で横すべり角がゼロとなるように、前記目標横すべり角を設定する。
これにより、低速域から高速域まで、車体は後輪よりも後方を中心として旋回することになるので、車速に係らず旋回外側への車体後部の張り出しを防ぐことができる。
(3)前後輪の夫々を個別に転舵可能な転舵機構を備え、
車速及び操舵角に応じて車両の目標ヨーレートを設定し、設定した目標ヨーレート及び車速に応じて旋回内側への回頭を制限した車両の目標横すべり角を設定し、設定した目標ヨーレート及び目標横すべり角が達成されるように前記駆動機構を駆動制御する。
これにより、目標ヨーレートと、旋回内側への回頭を制限した目標横すべり角とが実現されるので、旋回外側への車体後部の張り出しを防ぎつつ、運転者のステアリング操作に対する旋回挙動の応答特性を向上させることである。
《第二実施形態》
《構成》
第二実施形態は、ヨーレートの変化率に許容値となるヨーレート上限値を設定し、車体後部の張り出しを抑制して回頭性を向上させるものである。
図10は、本実施形態のブロック図である。
前記ステップS4で、目標横すべり角βを算出する際に、ヨーレートの変化率に制限値を設ける。ここでは、ステアリング操作量θに対するヨーレートの上限値(最大ヨーレート応答)を、目標周波数fc(=1.2Hz)に基づいて設定する。
先ず、下記(5)式に示すように、車体の周波数に応じてヨーレート変化率の制限値γdを算出する。dγ/dtはヨーレートの変化率である。
γd≦(1/2πfc)×(dγ/dt) …………(5)
そして、下記(6)式に示すように、車体後部の張り出しを抑制し、車体の向きを変える目標横すべり角βを算出する。
β−∫(γd)dt≦−(Lr/V)γ
β≦{(1/2πfc)−(Lr/V)}γ …………(6)
目標横すべり角βは、停車時には後輪舵角がゼロとなるように制限され、車速の増加に応じて徐々に旋回内側へ向かうようになる。
《作用》
本実施形態では、ヨーレートの変化率に対して上限値に応じて、目標横すべり角に対する制限度合が設定されているため、低速域においては車両の進行方向と車体の向きが一致する点は車体後方となって旋回外側を向くようになり、高速域においては車速の増加とともに車体の向きは制限値が徐々に大きくなり旋回内側を向くようになる。
これにより、車速の変化によらず運転者のステアリング操作に応じて発生するヨーレートの収斂性は変わることなく、旋回初期で車体後部は張り出さずに定常旋回時は旋回内側を向くことが可能となり車両の回頭性を高めることができる。
図11は、車速20km/hで直進走行している状態から、操舵角θを増加させたときのシミュレーション結果である。
本実施形態では、操舵角θに応じた転舵量と、操舵速度に応じた転舵量とを付加した微分的な舵角制御となり、運転者のステアリング操作に対してヨーレートの収斂性が向上している。
次に、従来技術と本実施形態とのシミュレーション結果を比較する。
図12は、従来技術と本実施形態との旋回動作の違いを表す。
従来技術においては、旋回初期は旋回中心位置が車両後方にあり、以降は後輪舵角が前輪とは逆向きの舵角で増加することで、車体の進行に伴って旋回中心は車両前方へ移動してくる。そのため、ステアリング操作とは無関係に旋回中心が移動し、車速の増加と共にその移動速度が大きくなる。
一方、本実施形態では、旋回中心は旋回初期では後輪よりも後方に位置し、ヨーレートの変化率の最大値に応じて車体前部が巻き込むように定常状態へ移行する。そのため、操舵初期において車両の地面に対する張り出し量が小さくなるように車両の横すべり角が制限されることとなる。
図13は、本実施形態による車体外形の旋回軌跡である。
本実施形態では、操舵初期には車体後部が張り出さないように制限され、以降はヨーレートの収斂性を損なわないように横すべり角が発生し、車体の回頭性が向上している。このように、横すべり角の制限値を小さくしながらも、車体後部の張り出し量を抑制することができる。
《効果》
(1)前記横すべり角設定手段は、ヨーレートの変化率に対して上限値を設定し、設定した上限値が小さいほど、旋回内側への回頭を制限した前記目標横すべり角を設定する。
これにより、車速によってヨーレートの収斂性が変化することなく、旋回初期では旋回外側を向き、定常旋回時には旋回内側を向いて回頭性を高めることができる。
《第三実施形態》
《構成》
第三実施形態は、ステアリング操作量の変化率に許容値となるステアリング上限値を設定し、車体後部の張り出しを抑制して回頭性を向上させるものである。
図14は、本実施形態のブロック図である。
前記ステップS4で、目標横すべり角βを算出する際に、目標転舵角の変化率に制限値を設ける。ここでは、ステアリング操作における変化率dθ/dtの上限値を、周波数fc(=3Hz)に基づいて設定する。
先ず、前記(1)式、及び(2)式により、下記(7)式に示すように、操舵角のステアリング上限値fcに応じてヨーレート変化率の制限値γdを算出する。dθ/dtは操舵角の変化率である。
γd≦{1/(2πfc)}Re(dθ/dt) …………(7)
そして、下記(8)式に示すように、車体後部の張り出しを抑制し、車体の向きを変える目標横すべり角βを算出する。
β−∫(γd)dt≦−(Lr/V)γ
β≦{(1/2πfc)Reθ−(Lr/V)}γ …………(8)
目標横すべり角βは、停車時には後輪舵角がゼロとなるように制限され、車速の増加に応じて徐々に旋回内側へ向かうようになる。
《作用》
従来、運転者のステアリング操作量の変化率が大きくなると、前後輪舵角がアクチュエータの最大速度で動作し、後輪の動きと前輪の動きがほぼ同じ速度で動作することで、結果として車両後部が張り出すという問題を生じていた。本実施形態では、操舵角の変化率に上限値を設け、その上限値が小さいほど目標横すべり角の制限値を小さくすることで、上記のような問題を防ぐことができる。
《効果》
(1)前記横すべり角設定手段は、操舵角の変化率に対して上限値を設定し、設定した上限値が小さいほど、旋回内側への回頭を制限した前記目標横すべり角を設定する。
これにより、操舵速度に起因して車体後部が旋回外側へ張り出すことを防ぐことができる。
1 自動車
2FL〜2RR 車輪
3FL〜3RR 転舵機構
4 コントローラ
5 操舵角センサ
6 ステアリングホイール
7 車輪速センサ
8 転舵角センサ
9 反力モータ
10 ギヤ比可変機構
11 転舵機構

Claims (5)

  1. 前後輪の夫々を個別に転舵可能な転舵機構と、車速及び操舵角に応じて車両の目標ヨーレートを設定するヨーレート設定手段と、該ヨーレート設定手段が設定した目標ヨーレート及び車速に応じて旋回内側への回頭を制限した車両の目標横すべり角を設定する横すべり角設定手段と、前記ヨーレート設定手段が設定した目標ヨーレート及び前記横すべり角設定手段が設定した目標横すべり角に応じて前後輪の目標転舵角を算出する算出手段と、該算出手段が算出した目標転舵角に応じて前記駆動機構を駆動制御する制御手段と、を備えることを特徴とする旋回挙動制御装置。
  2. 前記横すべり角設定手段は、後輪車軸よりも後方で横すべり角がゼロとなるように、前記目標横すべり角を設定することを特徴とする請求項1に記載の旋回挙動制御装置。
  3. 前記横すべり角設定手段は、ヨーレートの変化率に対して上限値を設定し、設定した上限値が小さいほど、旋回内側への回頭を制限した前記目標横すべり角を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回挙動制御装置。
  4. 前記横すべり角設定手段は、操舵角の変化率に対して上限値を設定し、設定した上限値が小さいほど、旋回内側への回頭を制限した前記目標横すべり角を設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の旋回挙動制御装置。
  5. 前後輪の夫々を個別に転舵可能な転舵機構を備え、
    車速及び操舵角に応じて車両の目標ヨーレートを設定し、設定した目標ヨーレート及び車速に応じて旋回内側への回頭を制限した車両の目標横すべり角を設定し、設定した目標ヨーレート及び目標横すべり角が達成されるように前記駆動機構を駆動制御することを特徴とする旋回挙動制御方法。
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