JP2010179710A - トラクタの走行操作構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回作動中において、緊急に走行停止する必要がある場合にも、迅速な操作が行えるトラクタの走行操作構造を提供する。
【解決手段】 ステアリングホイールを基準に右側方に左右一対のサイドブレーキペダルを配置する。左右一方のサイドブレーキペダルを踏み込み操作すると、左右一方の対応するサイドブレーキが入り作動すべく、かつ、両サイドブレーキペダルを踏み込み操作すると左右のサイドブレーキが作動して走行停止状態を現出すべく構成する。走行変速用の静油圧式の無段変速装置23を設け、ステアリングホイールを基準に左側方に、無段変速装置23を操作して走行装置への動力伝達を遮断する停止操作ペダル6を設けてある。
【選択図】図6

Description

本発明は、ステアリングホイールを基準に右側方に左右一対のサイドブレーキペダルを配置し、左右一方のサイドブレーキペダルを踏み込み操作すると、左右一方の対応するサイドブレーキが入り作動し、かつ、両サイドブレーキペダルを踏み込み操作すると左右のサイドブレーキが作動して走行停止状態を現出すべく構成してあるトラクタの走行操作構造に関する。
上記構成においては、走行停止する場合は、両サイドブレーキペダルを踏み込み操作することによって、行っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−297766号公報(段落〔0014〕,〔0015〕)
上記した構成において、左右一方のサイドブレーキペダルを踏み込み操作して旋回操作を行っている状態で、走行を停止したい場合がある。その場合には、踏み込み操作している左右一方のサイドブレーキペダルから、一旦、踏み込んだ足を外して、元の待機位置に戻って左右のサイドブレーキペダルが揃ったところで、再度、両サイドブレーキペダルを踏み込み操作する必要があった。
その為に、操作が煩雑であり、旋回操作中の走行停止の操作性の面で改善の余地があった。
本発明の目的は、このような点に着目してなされたものであって、旋回操作中において、走行停止する必要がある場合にも、迅速な操作が行えるトラクタの走行操作構造を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、走行変速用の静油圧式の無段変速装置を設け、前記ステアリングホイールを基準に左側方に、前記無段変速装置を操作して前記走行装置への動力伝達を遮断する停止操作ペダルを設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
ステアリングホイールを基準として右側に配置した左右のサイドブレーキペダルに対して反対側の左側に停止操作ペダルを配置した。そして、この停止操作ペダルを踏み込み操作することによって、静油圧式の無段変速装置を操作して、走行装置への動力伝達を遮断することができる。
以上のような構成によって、左右一方のサイドブレーキペダルを右足で踏み込み操作して旋回作動を行いながら、走行を停止する必要がある場合には、敢えて、左右一方のサイドブレーキペダルから右足を外すことなく、反対側の左足で停止操作ペダルを踏み込み操作することによって、走行装置を停止操作することができる。
左右一方のサイドブレーキペダルを踏み込み操作する状態を維持しているので、旋回状態が余り高速走行ではない点を考慮すると、左右一方のサイドブレーキの制動力で走行停止させることが可能である。
〔効果〕
したがって、左右一方のサイドブレーキペダルから右足を外すことなく、左側に配置した停止操作ペダルを踏み込み操作することによって、迅速に走行を停止操作することができる。
このように、左右一対のサイドブレーキペダルとはステアリングホイールを基準に反対側に停止操作ペダルを配置する工夫を施すことによって、操作性の向上を図ることができた。
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明の構成において、前記停止操作ペダルを踏み込み操作すると、前記無段変速装置の高圧作動油を油タンクに誘導して、前記無段変速装置を前記走行装置への動力伝達を遮断する中立停止位置に切換える第1連係手段を、前記無段変速装置と前記停止操作ペダルとに亘って設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
停止操作ペダルを踏み込み操作すると、無段変速装置の高圧作動油が油タンクに誘導されるので、無段変速装置が中立状態に切り換わり、駆動力が発生せず、走行装置への動力伝達は遮断される。
つまり、停止操作ペダルを踏み込み操作して、無段変速装置からの走行装置への動力伝達を断つ手段として、無段変速装置の高圧作動油を油タンクに誘導する手段を用いることによって、簡易な走行装置の停止構造を構築することができた。
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2に係る発明の構成において、前記両サイドブレーキペダルを踏み込み操作すると、前記左右のサイドブレーキが入り作動するとともに、前記無段変速装置を前記走行装置への動力伝達を遮断する中立停止位置に切換える第2連係手段を、前記両サイドブレーキと前記無段変速装置とに亘って設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
左右のサイドブレーキを操作して、走行装置を停止操作した場合にも、第2連係手段が作動して、無段変速装置を中立停止位置に切換えることができるので、無段変速装置で走行装置への動力伝達を遮断することができ、サイドブレーキに無理な推進力が作用せず、安定したブレーキ作動を行わせることができる。
耕耘機仕様に構成されたトラクタを示す全体側面図である。 伝動系を示す概略展開図である。 制御ブロック図である。 サイドブレーキペダルの側面図である。 停止操作ペダルの配置状態を示す平面図である。 静油圧式の無段変速装置の油圧回路図である。 静油圧式の無段変速装置と停止操作ペダルを連係する第1連係機構を示す平面図である。 支持ブラケットを示す側面図である。 (a)停止操作ペダルを踏み込み操作しないで、中立操作用のスプールを引退させ、静油圧式の無段変速装置を中立停止位置以外の変速位置に維持する状態を示す側面図、(b)停止操作ペダルを踏み込み操作し、中立操作用のスプールを引き出して、静油圧式の無段変速装置を中立停止位置に切換えた状態を示す側面図である。
図1に、ロータリ耕耘機仕様に構成されたトラクタが示されている。このトラクタは、前輪2および後輪3を備えた走行装置とステアリングホイール59で操向する四輪駆動型のトラクタ本機1の後部にロータリ耕耘装置4を昇降自在に連結して構成されている。トラクタ本機1の車体は、エンジン5、走行を停止させる停止操作ペダル6、主変速ケース7、ミッドケース8、および、ミッションケース9を直列に直結したモノボディ型に構成されている。エンジン5に連結された前フレーム10に前車軸ケース11がローリング可能に支持され、この前車軸ケース11の左右に前輪2が操向操作可能に支持されるとともに、ミッションケース9の左右に後輪3が軸支されている。ミッションケース9の後部に、リフトアーム12によって駆動昇降されるリンク機構13が装備され、このリンク機構13にロータリ耕耘装置4が連結されている。
〔伝動系〕
図2に、トラクタ本機1における伝動系が示されている。エンジン5の出力は、ギヤ機構15を経て主変速ケース7に備えられた入力軸16に伝達され、主変速ケース7に備えられた出力軸17から取り出された変速動力が、ギヤ式の副変速装置18で3段に変速された後、後部デフ装置19およびサイドブレーキ22を介して左右の後輪3に伝達される。副変速装置18で変速された走行系動力の一部がミッションケース9の下部から取り出されて、伝動軸20を介して前車軸ケース11に伝達され、前部デフ装置21を介して左右の前輪2に伝達される。
主変速ケース7には静油圧式の無段変速装置(HST)23が内装されている。図2及び図6に示すように、無段変速装置23は、アキシャルプランジャ式に構成された可変容量型の油圧ポンプ23Pと油圧モータ23Mとからなり、前記入力軸16によって定速で回転駆動される油圧ポンプ23Pにおける斜板角度を変更して、吐出される圧油の吐出方向および吐出量を変更することで、その圧油を受ける油圧モータ23Mの前記出力軸17を、正転あるいは逆転で無段階に回転作動させるよう構成されている。
図中Cは、チャージ回路であり、チャージポンプ57からの圧油を無段変速装置23の閉回路内に投入するように構成してある。
図2に示すように、入力軸16は油圧ポンプ23Pを貫通して後方に延出され、この入力軸16に伝達された定速回転動力の一部が、ミッドケース8に内装されたPTOクラッチ24を経て更に後方に伝達され、ミッションケース9の後部に突設したPTO軸25から取り出されて、走行変速に関係なく定速のPTO動力でロータリ耕耘装置4が駆動される。
無段変速装置(HST)23は、油圧サーボ手段によって変速制御されており、その構成が図3及び図6に示されている。
無段変速装置23における油圧ポンプ23Pの斜板角度は、複動式のサーボシリンダ30によって正逆に変更操作可能に構成されるとともに、斜板角度がポテンショメータを利用した斜板角センサ31で検出されて制御装置32に入力される。サーボシリンダ30は、斜板角度を零にする中立停止位置に一対の復帰バネ33によって復帰付勢されるとともに、制御装置32に接続された前進用の比例制御弁34と後進用の比例制御弁35を介した油圧制御によってサーボシリンダ30が伸縮作動するようになっている。
比例制御弁34,35は、通電制御されない状態においてサーボシリンダ30をタンクに連通する復帰位置に付勢されており、両比例制御弁34,35が共に復帰位置にある時、サーボシリンダ30が自由状態となって、無段変速装置23が中立停止位置に復帰するようになっている。ポンプ36から比例制御弁34,35への圧油供給径路にはリリーフ弁37が備えられ、油圧サーボ手段におけるシステム圧の最高圧が制限されている。
〔操作系〕
トラクタ本機1には変速ペダル38と変速レバー39が装備されている。図1及び図5に示すように、変速ペダル38は運転座席14の足元右側に配備されるとともに、変速レバー39は運転座席14の左横側に配備されている。図3に示すように、変速ペダル38は、前後に踏み分け可能、かつ、図示されていないカム機構によって機械的に中立停止位置に復帰付勢されている。変速ペダル38の踏み込み位置がポテンショメータ40で検出されて制御装置32に入力されており、ポテンショメータ40で検出された変速ペダル38の踏み込み位置情報と、前記斜板角センサ31からのフィードバック情報に基づいて比例制御弁34,35が作動制御される。つまり、変速ペダル38の踏み込み方向および踏み込み量に応じてサーボシリンダ30が伸縮作動して、変速ペダル38の踏み込みに対応した斜板角度がもたらされ、無段階の前進変速および後進変速が行われ、踏み込みを解除すると変速ペダル38が中立停止位置に自動復帰して、走行推進力の出力が断たれて走行が停止されるのである。
変速レバー39は変速ペダル38を前進変速方向にのみ片当たり操作可能に機械連係されるとともに、任意の操作位置に摩擦保持可能に支持されており、変速レバー39を連係解除位置nに保持した状態では、変速レバー39と変速ペダル38との連係が解除され、変速ペダル38は前進域から後進域までの全域において踏み込み操作可能となる。変速レバー39を連係解除位置nから前方に操作するに連れて変速ペダル38が前方踏み込み方向(前進増速方向)に接当操作され、変速レバー39を前進変速域の任意の操作位置に摩擦保持することで、変速ペダル38の中立停止位置への復帰が阻止されて任意の前進変速域に保持され、変速レバー39の操作位置に対応した任意の速度による定速前進走行が行われる。なお、変速レバー39によって変速ペダル38が前進変速域の中間位置に保持されている状態では、変速ペダル38をそれ以上の前進増速方向へ踏み込み操作することが許容され、踏み込みを解除すれば変速レバー39で設定した速度まで復帰するようになっている。
〔サイドブレーキ〕
変速ペダル38の近傍には、左右のサイドブレーキ22に各別にリンク連動された一対のサイドブレーキペダル41が左右に並列して配備されるとともに、左右のサイドブレーキペダル41はリンク機構42を介して作動アーム43に連動連結されている。このリンク機構42は、片方のサイドブレーキペダル41を踏み込み操作しただけでは作動アーム43が回動されることはなく、両サイドブレーキペダル41を同時に踏み込み操作した時だけ、その踏み込み量に応じた角度で作動アーム43が回動されるよう構成されており、この作動アーム43の回動角度がポテンショメータ44によって検出されて前記制御装置32に入力される。
ここに、左右のサイドブレーキ22と左右のサイドブレーキペダル41とを連係するリンク機構42を、第2連係機構と称する。
〔PTOクラッチ〕
PTOクラッチ24は、油圧が印加されるとクラッチ入り作動し、油圧の印加が解除されるとバネ付勢力で切り操作される多板式の摩擦クラッチで構成されており、印加される油圧が制御装置32に接続された電磁式の比例制御弁45を介して制御されるようになっている。運転座席14の横側にはPTOクラッチレバー46が配備されており、このPTOクラッチレバー46の操作位置がPTO入切スイッチ47で検知されて、その検知情報が制御装置32に入力されている。PTOクラッチレバー46が「切」位置に操作されると、油圧の印加が解除されるように比例制御弁45が制御されて、PTOクラッチ24がクラッチ切り状態となり、PTOクラッチレバー46が「入」位置に操作されると、所定の高い油圧が印加されるように比例制御弁45が制御されて、PTOクラッチ24がクラッチ入り状態となる。
左右のサイドブレーキペダル41が同時に踏み込み操作された場合、その踏み込み量が大きくなるに連れて各サイドブレーキ22の制動力が増大するとともに、変速操作用の油圧サーボ手段とPTOクラッチ入り切り用の比例制御弁45が以下のように制御される。
変速レバー39を任意の前進位置に保持して前進速度を設定するとともに、PTOクラッチレバー46を「入」位置に操作している状態で、図4に示すように、左右のサイドブレーキペダル41を踏み込み解除して復帰位置(a)に戻すと、両サイドブレーキ22が制動解除状態にあるとともに、前進用の比例制御弁34が通電制御されてサーボシリンダ30が所定位置まで作動され、無段変速装置23は変速レバー39の操作位置に対応した前進変速状態に保持される。PTOクラッチ24には高い油圧が供給されてクラッチ入り状態がもたらされる。
この状態から両サイドブレーキペダル41を同時に踏み込み操作すると、その踏み込み量に応じて左右のサイドブレーキ22が制動作用を発揮するとともに、作動アーム43の回動角度に基づいてサーボシリンダ30が減速方向に作動制御され、走行速度が変速レバー39で設定された前進速度から次第に低下してゆく。
両サイドブレーキペダル41を、予め設定された第1踏込み位置(b)まで同時に踏み込み操作すると、変速レバー39が前進変速域に保持されているにかかわらず、両比例制御弁34,35への通電が遮断された状態がもたらされ、サーボシリンダ30が中立停止位置に復帰されて無段変速装置23は優先的に中立停止状態となり、走行が停止される。
両サイドブレーキペダル41を前記第1踏込み位置(b)を越えて更に踏み込み操作するに連れて、作動アーム43の回動角度に基づいて比例制御弁45が制御されて、PTOクラッチ24へ印加される油圧が徐々に低下され、摩擦力が次第に減少して半クラッチ状態がもたらされる。両サイドブレーキペダル41が予め設定された第2踏込み位置(c)まで踏み込まれると摩擦力が消滅して、PTOクラッチ24が完全にクラッチ切り状態となる。
両サイドブレーキペダル41を前記第1踏込み位置(b)を越えた踏み込み限界位置にある第3踏込み位置(d)まで踏み込むと、作動アーム43の回動に基づいて油圧サーボ手段の前記リリーフ弁37が機械的に強制開放され、油圧サーボ手段のシステム圧が零まで低下され、走行変速用の比例制御弁34,35がどのような制御作動状態にあっても、サーボシリンダ30への圧油供給が解除され、無段変速装置23が中立停止位置に復帰される。
このように、両サイドブレーキペダル41を第3踏込み位置(d)まで大きく踏み込むと、サーボシリンダ30への圧油供給を強制解除して無段変速装置23を中立停止位置に復帰させるので、万一、走行中に電気系の故障によって比例制御弁34,35が復帰位置に戻らないような事態が発生しても、両サイドブレーキペダル41を踏み込み限界まで踏み込みさえすれば、無段変速装置23を中立停止位置に復帰させて走行停止することができる。
両サイドブレーキペダル41の踏み込みに基づく上記制御は、ロータリ耕耘作業において、以下のように有効に活用することができる。
図示していないが、圃場の隅部から耕耘を開始する場合、先ず、トラクタ本機1を畦際の所望位置に移動させて両サイドブレーキペダル41を第2踏み込み位置(c)以上に十分踏み込んで走行を停止する。この時、変速レバー39を所望の前進速度に保持しておくとともに、PTOクラッチレバー46を「入」位置に操作しておく。上記のように、両サイドブレーキペダル41を第2踏み込み位置(c)以上に十分踏み込んだ状態では、走行制動が十分かかっているとともに、無段変速装置23は推進力が出力されない中立復帰状態にあり、かつ、PTOクラッチ24はクラッチ切り状態にある。
この状態から両サイドブレーキペダル41を戻してゆくと、まだ制動が利いて走行が停止している状態でPTOクラッチ24が徐々に入れられてロータリ耕耘装置4がゆっくり回転を開始することになり、ロータリ耕耘装置4が低速回転されるペダル踏み込み位置に両サイドブレーキペダル41を踏み込み維持したままで、ダウンカット方向に回転するロータリ耕耘装置4を下降させて圃場に突入させる。
この場合、ロータリ耕耘装置4を圃場に突入させることで耕耘反力による推進力が発生するが、両サイドブレーキペダル41はまだ踏み込み状態にあってトラクタ本機1を制動しているので、ロータリ耕耘装置4によってもたらされた推進力でトラクタ本機1が前方に押し動かされることはない。
ロータリ耕耘装置4が所望の耕深まで下降したら、両サイドブレーキペダル41を更にゆっくり戻してゆくことで、走行制動が徐々に解除されるとともに、無段変速装置23が変速レバー39で設定された前進速度に向けて増速制御され、所望の耕深状態を維持したままで前進走行に移行することができる。
ロータリ耕耘作業中に両サイドブレーキペダル41を踏み込むと、先ず、両サイドブレーキペダル41の踏み込みに連れて走行速度が自動的に減速制御され、走行停止位置(b)まで踏み込むと無段変速装置23が中立状態になって走行が停止する。この走行停止位置(b)から更に踏み込んでPTO切り位置(c)にすると、PTOクラッチレバー46を操作しなくても自動的にPTOクラッチ24が切られてロータリ耕耘装置4が停止する。従って、ロータリ耕耘作業中に両サイドブレーキペダル41を踏み込むだけで、ロータリ耕耘装置4の耕耘反力によってトラクタ本機1が前進方向に押し動かされるようなことなく、所定の位置で走行停止することができる。
停止操作ペダル6と静油圧式の無段変速装置23との連係について説明する。図6に示すように、無段変速装置23における前進走行時に高圧となる第1油路Aと油タンクTとに亘って戻り油路63を設け、戻り油路63にアンロード弁64を設け、戻り油路63におけるアンロード弁64と油タンクTとの間に絞り弁65を設けてある。アンロード弁64によって、無段変速装置23の第1油路Aの油圧を開放して、走行装置への動力伝達を遮断する。具体的な構成については、次に記載する。
アンロード弁64について説明する。図7〜図9に示すように、無段変速装置23の横側面に油圧ポートブロック50を取り付けてあり、この油圧ポートブロック50は薄肉平板状に形成されている。油圧ポートブロック50には、図示してはいないが、静油圧式の無段変速装置23の第1油路A等と前進時に低圧側となる第2油路Bとが平板状の側面に沿った状態で設けてあり、油圧ポートブロック50の肉厚内に形成されている。
油圧ポートブロック50の肉厚内には、スプール収納路50Aとアンロード弁64とが設けてあり、スプール収納路50Aにスプール70を収納してある。スプール70は先端部70Aを油圧ポートブロック50より突出させて停止操作ペダル6に連係してある。ここで、図示はしていないが、スプール70の中間部分70Cをスプール収納路50Aの径より小径に構成し、スプール収納路50Aの中間位置には、逃がし路を形成してある。逃がし路は油タンクTに繋がっている。アンロード弁64はこのスプール70の外周面とスプール収納路50Aの内周面との間隙を開閉することで構成してある。また、スプール収納路50Aと逃がし路とを、第1油路Aから油タンクTへの戻り油路63と称する。
図9(a)に示すように、スプール70の先端部70Aが油圧ポートブロック50から内部に引退した状態では、逃がし路は第1油路Aと連通する状態にはない。この非連通状態より、図9(b)に示すように、スプール70を横側方に引き出すと、スプール70の中間部分70Bが第1油路Aに開口する大径の開口部と逃がし路に亘る範囲に位置する。
そうすると、第1油路Aから高圧作動油がスプール70の中間部分70Cとスプール収納路50Aの内周面との間に形成された間隙を通して移動し、逃がし路に至ってその逃がし路より油タンクTへ誘導される。
スプール70を引き出し操作する構造について説明する。図9に示すように、油圧ポートブロック50のスプール収納路50Aの一端に大径収納路50aを形成し、その大径収納路50aに、付勢バネ51が装着してある。付勢バネ51は、大径収納路50aの段差面とスプール70の基端部70Bに取付けてある受止ディスク58との間に設けてある。この付勢バネ51によってスプール70はスプール収納路50A内に引退するように付勢されている。
スプール70の先端部70Aが油圧ポートブロック50の横側面50bより突出し、その横側面50bに連設する状態で、支持ブラケット52が配置してあり、支持ブラケット52は延出ブラケット部52Dを介してミッションケース9に取付てある。支持ブラケット52は、チャンネル断面形状を呈する基端ブラケット部52Aと、基端ブラケット部52Aより先端側のアングル状断面を呈する先端ブラケット部52Bと先端ブラケット部52Bの先端フランジ部52Cとでなる。
図7〜9に示すように、支持ブラケット52には、第1連係機構Dが取付てある。第1連係機構Dは、支持ブラケット52の基端部52Aに連結される連結具53と、その連結具53に引掛け係止されるストローク吸収バネ54と、ストローク吸収バネ54と停止操作ペダル6とを接続するレリーズワイヤ機構55とで構成してある。
連結具53は、支持ブラケット52の基端部52Aの内面に沿った状態でスライド移動可能に設けてあり、基端部52Aと連結具53とスプール70の先端部70Aとを串刺し状に貫通する連結ボルト56で、基端部52Aとスプール70に連結されている。
連結ボルト56が貫通する基端部52Aにおける立ち上げフランジ部52aには、連結ボルト56の移動を許す長孔52bが形成してある。
以上のような構成により、停止操作ペダル6への踏み込み操作により、第1連係機構D等は次のような作動を行う。
(1) 図9(a)に示すように、停止操作ペダル6の踏み込み操作が行われていない状態では、スプール70は油圧ポートブロック50内に引き込まれた引退状態にある。スプール70と連結具53とを連結する連結ボルト56は、基端部52Aに形成した長孔52bの一端に引き寄せられている状態にある。
(2) 図9(b)に示すように、停止操作ペダル6を待機位置から踏み込み操作すると、連係用のレリーズワイヤ機構55が引き操作され、ストローク吸収バネ54を介して連結具53及びスプール70が引き出し操作される。
このスプール70の引き出し状態で第1油路Aと油タンクTとが連通状態となり、無段変速装置23が中立停止状態に切換られる。
無段変速装置23が中立停止位置に切換えられると、前後輪2、3への伝動が遮断される。左右一方のサイドブレーキペダル41が踏み込み操作された状態での旋回操作中であれば、前後輪2,3は低速であり、かつ、左右一方のサイドブレーキペダル41が踏み込み操作されているので、走行速度が低く圃場の抵抗との相乗効果によってトラクタは停止する。
(3) 図9(b)に示す状態では、連結ボルト56と連結具53が支持ブラケット52に対してスライド移動し、連結ボルト56は長孔52bの先端部で受止られる。このように、連結ボルト56が長孔52bの一端によって受止られることによってスプール70の引き出し量が設定量を越えることはなく、かつ、停止操作ペダル6が更に踏み込み操作されることによるレリーズワイヤ機構55の伸長作動は、ストローク吸収バネ54の伸長作動によって吸収され、スプール70を移動させることはない。
図3に示すように、停止操作ペダル6に対しても、PTOクラッチレバー46と同様に停止操作ペダル6の操作位置を検知する操作位置検出手段としてのPTO入切スイッチ60が設けられており、停止操作ペダル6を踏み込み操作すると、前記したように無段変速装置23が中立停止位置に切り換えられると共に、PTO入切スイッチ60からの検出に基づいて制御装置32から比例制御弁45に出力されて、停止操作ペダル6の踏み込み操作に連動してPTOクラッチ24が切り状態に切り換えられるように構成されている。
〔他の実施形態〕
(1) エンジン5とギヤ機構15との間に主クラッチ(図示せず)を設けてもよい。このように主クラッチを設けることによって、走行系及びPTO系への動力伝達を主クラッチペダル(図示せず)の操作で入切操作できる。この場合には、ステアリングホイール59の左側に主クラッチペダルと停止操作ペダル6とを併設して設けてもよい。
(2) 前記した実施形態においては、停止操作ペダル6とアンロード弁64とをワイヤで連係する構成について記載したが、停止操作ペダル6の操作状態を電気や光等のセンサで検出して、アンロード弁64のスプール70をアクチュエータで駆動する形態を採ってもよい。
(3) 停止操作ペダル6を操作した際に、無段変速装置23を中立停止位置に切換える構成としては、停止操作ペダル6の操作状態を電気や光等のセンサで検出して、その結果に基づいて、両比例制御弁34,35への通電を停止してサーボシリンダ30を中立停止位置に操作するように、構成してもよい。
(4) 戻り油路63及びアンロード弁64を、第1油路A及び第2油路Bの両方に亘って接続してもよい。
本願発明は、トラクタの操作系に有用な発明であり、特に、静油圧式の無段変速装置を搭載したトラクタに利用できる。
6 停止操作ペダル
22 サイドブレーキ
23 静油圧式の無段変速装置
41 サイドブレーキペダル
42 第2連係手段
59 ステアリングホイール
D 第1連係手段
T 油圧タンク

Claims (3)

  1. ステアリングホイールを基準に右側方に左右一対のサイドブレーキペダルを配置し、前記左右一方のサイドブレーキペダルを踏み込み操作すると、左右一方の対応するサイドブレーキが入り作動すべく、かつ、前記両サイドブレーキペダルを踏み込み操作すると左右のサイドブレーキが作動して走行停止状態を現出すべく構成してあるトラクタの走行操作構造であって、
    走行変速用の静油圧式の無段変速装置を設け、前記ステアリングホイールを基準に左側方に、前記無段変速装置を操作して前記走行装置への動力伝達を遮断する停止操作ペダルを設けてあるトラクタの走行操作構造。
  2. 前記停止操作ペダルを踏み込み操作すると、前記無段変速装置の高圧作動油を油タンクに誘導して、前記無段変速装置を前記走行装置への動力伝達を遮断する中立停止位置に切換える第1連係手段を、前記無段変速装置と前記停止操作ペダルとに亘って設けてある請求項1記載のトラクタの走行操作構造。
  3. 前記両サイドブレーキペダルを踏み込み操作すると、前記左右のサイドブレーキが入り作動するとともに、前記無段変速装置を前記走行装置への動力伝達を遮断する中立停止位置に切換える第2連係手段を、前記両サイドブレーキと前記無段変速装置とに亘って設けてある請求項1または2記載のトラクタの走行操作構造。

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