JP2010179402A - 研磨シートおよび研磨シートの製造方法 - Google Patents

研磨シートおよび研磨シートの製造方法 Download PDF

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真隆 楠見
Norikata Hayashi
憲器 林
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Abstract

【課題】研磨能力および研磨屑の排出能力の改善を両立することができる研磨シートおよび研磨シートの製造方法を提供する
【解決手段】本発明の研磨シート10は、基材シート1上に複数の台部2が間隙を有して形成されてなる研磨シートであって、台部2には、複数の山部3が形成されており、山部3は砥粒を含有しており、砥粒に起因して形成された凸部4を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、研磨シートおよび研磨シートの製造方法に関するものである。
従来、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等、さらには、近年の情報化社会の高度化に伴って、光ファイバー、情報処理装置であるハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板、液晶表示用カラーフィルター、光学レンズ、半導体ウエハ等の精密部品が種々の用途に用いられている。
これらのガラス、セラミック、プラスチック、金属等の表面を研磨するために研磨シートが用いられている。研磨シート(非2次元構造)にて研磨を行うと、研磨中に発生した研磨屑によって研磨シートの表面が目詰りして研磨能力が低下する、また、被研磨面に傷が生じ得ていた。さらに同じ厚さ分の研磨対象を研磨するためには研磨時間を変更する必要があった。このため、発生した研磨屑を処理する研磨シートとして、例えば、平面構造ではなく、凹構造または凸構造の研磨シートが特許文献1〜3において提案されている。
特許文献1には、リバースまたはグラビア塗工法を利用してベースフィルムの表面に、研磨塗料を塗布し、その後、乾燥させることによって、網目クラックを表面に形成された研磨シート(凹構造)の製造方法が採用されている。上記研磨シートは、金属、セラミックス、プラスチックおよびガラス等の研磨を用途としており、研磨中に生じる研磨屑を網状クラックに取り込むことができるので、研磨屑によって、研磨の対象物に傷を生じさせ難い構成となっている。
また、特許文献2には、凸構造を印刷(グラビアダイレクトコート法)によって形成することが開示されている。詳細な開示はなされていないものの、凸構造は正方形状(1mm、ピッチ2mm)で、凸構造の頂面は平滑(更なる凸構造は形成されていない)であることが開示されている。さらに、特許文献3には、凸構造である研磨凸部を印刷(スクリーン印刷法)によって形成することが開示されている。上記研磨凸部は略平面な頂面を有している。
特開2002‐103238号公報(2002年4月9日公開) 特開2007‐73796号公報(2007年3月22日公開) 特開2006‐136973号公報(2006年6月1日公開)
しかしながら、上記従来の研磨シートでは、研磨能力および研磨屑の排出能力の改善を両立できないという問題が生じる。
具体的に説明すると、凸構造の大きさが小さくなると、単位面積当りに加わる圧力が大きくなり、研磨能力が向上する長所がある。しかし、基材シートに対する凸構造の面積が小さくなるため、密着強度が小さくなり研磨時に剥離する問題が生じる。
一方、凸構造の大きさが大きくなると、研磨能力は平面型に近付き、低下することとなる。これにより、研磨屑の排出能力が小さくなるという問題が生じる。
上記特許文献1〜3に開示された研磨シートでは、研磨時に研磨対象物との接触面積を規定することとなる樹脂バインダの頂面は平面状であるので、凸構造体の数を増加させ、研磨能力を向上させることには制限がある。このため、研磨能力および研磨屑の排出能力の改善を図ることはできなかった。なお、特許文献3に開示されているように、基材シートに塗工原料が一様に塗布されており、凸構造が単独で形成されていない研磨シートでは、後加工が必要となり、凹凸構造を形成する上で制御が困難であること、および、研磨シートを曲げ難いという問題があった(段落〔0004〕)。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、研磨能力および研磨屑の排出能力の改善を両立することができる研磨シートおよび研磨シートの製造方法を提供することにある。
本発明の研磨シートは、上記課題を解決するために、基材シート上に複数の台部が間隙を有して形成されてなる研磨シートであって、上記台部には、複数の山部が形成されており、上記山部は砥粒を含有しており、砥粒に起因して形成された凸部を備えていることを特徴としている。
上記の発明によれば、研磨シート状には台部が間隙を有して形成されているので、研磨時に生じる研磨屑が上記間隙に移動することができる。また、台部には複数の山部が形成されているため、山部同士の間には、谷部が形成されることとなる。上記谷部にも研磨屑が移動することができる。このため、研磨屑の排出能力が非常に高い研磨シートを提供することができる。研磨屑の排出能力が高いことによって、研磨屑が研磨シートの表面に目詰りして研磨能力(研磨レート)が低下する、または、研磨屑によって研磨対象物の被研磨面に傷を生じさせるおそれを極力低減させることができる。なお、研磨対象物としては、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等、特に高い水準で平滑性が求められる光ファイバーコネクタ、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板等を挙げることができる。
また、山部に形成された凸部にて研磨がなされるが、台部に複数の山部が形成された構造であるため、研磨対象からの圧力を受ける山部の頂面の面積に比較して、研磨シートに接する台部の接触面積は大きい。上記の面積比率のため、本発明に係る研磨シートでは、山部の頂面における単位面積当りに加わる圧力を大きい値にて保持できるので、研磨能力の向上を実現することができる。これと共に、台部(および山部)が研磨シートから剥離し難い。
また、本発明に係る研磨シートでは、上記台部および山部の総高さに対する上記山部の高さの比率が、25%以上、60%以下であることが好ましい。
山部の高さの比率が、上記範囲内であれば、研磨能力の低下または台部および山部の剥離を生じ難くしつつ、より安定した研磨能力を得ることができる。
また、本発明に係る研磨シートでは、上記台部が基材シート上に接する接触面の形状が、多角形形状であることが好ましい。
上記接触面の形状が多角形形状であれば、基材シート上に台部を高い密度にて形成され、台部が効率良く形成された研磨シートを提供できる。
また、本発明に係る研磨シートでは、上記台部が基材シート上に接する接触面の形状が、円形状であることが好ましい。
これにより、台部は基材シートにおける全方向において対称な形状であるので、研磨対象物を研磨する際、台部の形状による異方性が生じることがなく、より均一な研磨が可能となる。
また、本発明に係る研磨シートでは、上記基材シート上における、上記台部同士の間隙の幅が、50μm以上、200μm以下であることが好ましい。
これにより、研磨屑の排出能力および研磨能力のバランスに優れた研磨シートを提供することができる。
本発明に係る研磨シートの製造方法は、上記研磨シートの製造方法であって、高分子樹脂原料からなる塗工ペーストを、スクリーン印刷法によって、基材シート上に上記台部に相当するパターンを印刷する印刷工程と、印刷工程において、印刷された基材シートを静置させる静置工程と、静置工程後、印刷された基材シートを乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴としている。
上記の発明によれば、印刷工程後、静置工程を行うことによって、印刷した塗工ペーストに凹凸形状を生じさせることができる。この凹凸形状が生じた塗工ペーストが印刷された基材シートを乾燥させることによって、凹凸形状を固定および乾燥させ、上記研磨シートを製造することができる。
本発明の研磨シートは、以上のように、基材シート上に複数の台部が間隙を有して形成されてなる研磨シートであって、上記台部には、複数の山部が形成されており、上記山部は砥粒を含有しており、砥粒に起因して形成された凸部を備えているものである。
それゆえ、上記研磨シートは、基材シート上および山部同士の間に、研磨屑を移動させる間隙が存在するため、研磨屑の排出能力に優れると共に、山部の頂面に比較して、研磨シートに接する台部の接触面積は大きいため、台部が剥離し難いと共に研磨能力が優れるという効果を奏する。
本発明に係る研磨シートの実施の一形態を示す断面図および上面図である。 本発明に係る研磨シートの基材シートと台部との接触面を示す平面図である。 実施例または比較例に係る研磨シートの基材シートと台部との接触面を示す平面図である。 実施例に係る研磨シートの基材シートと台部との接触面を示す平面図である。 実施例に係る研磨シートの基材シートと台部との接触面を示す平面図である。
本発明の一実施形態について図1ないし図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。
<研磨シート>
まず、本発明に係る研磨シートについて説明する。図1は、本発明に係る研磨シートの一部分を示す断面図および上面図である。
本発明に係る研磨シート10は、基材シート1上に複数の台部2が間隙を有して形成されてなる研磨シートであって、台部2には、複数の山部3が形成されており、山部3は砥粒を含有しており、砥粒に起因して形成された凸部4を備えている。以下、台部2、山部3および凸部4を合わせて研磨構造体と適宜称する。研磨シート10は、基材シート1、並びに、研磨構造体に大きく分類される。
基材シート1は、研磨シート10において研磨構造体を支持する部材である。基材シート1の種類としては、研磨加工において、研磨構造体とが良好に密着されるものであれば、特に限定されるものではない。一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、アラミドフィルム、LCP(液晶ポリマーフィルム)などを用いることができる。
また、基材シート1は、研磨構造体との接着性を高めるために、易接着処理(プライマー処理)、コロナ処理などの加工がなされていてもよい。
基材シート1の厚さは、用いる用途に応じて適宜変更すればよいが、例えば、精密部品の研磨加工に用いられる利便性を考慮すると、30μm以上、150μm以下であることが好ましい。
台部2は、基材シート1上に形成されており、山部3の土台となるものである。図1では、説明の便宜のため台部2を1つのみ記載しているが、図2に示すように研磨シート10では、複数の台部2が間隙を有して連続的に形成された構成となっている。なお、台部2は山部3と一体として形成されており、その原料等については後述する製造方法と合わせて説明する。
図1の上面図に示すように、台部の基材シート1上に接する接触面の形状は、六角形であるが、当該形状に限定されるものではない。好ましい形状として、四角形、五角形、六角形、七角形などの多角形形状、または、正多角形形状を採用することができる。正多角形形状を採用した場合には、研磨シートの平面方向において台部の対称性が増加するため、研磨時には研磨対象物に対して研磨がなされる方向による異方性が生じ難く、均一な研磨が可能となる。また、多角形形状ではなく、楕円形形状、または、円形形状を採用してもよい。
上記の多角形形状を採用する場合、図2にて後述する台部同士の間における溝部の幅を均一な距離にすることができるため好ましい。また、基材シート1上に台部2を高い密度にて形成され、台部が効率良く形成された研磨シートを得ることができる。また、円形形状である場合、台部2は基材シートにおける全方向において対称な形状であるので、研磨対象物を研磨する際、台部2の形状による異方性が生じることがなく、均一な研磨が可能となる。
山部3は、研磨対象を直接研磨する凸部4の土台となるものである。また、山部3は砥粒を含有しており、砥粒が存在することに起因して凸部4が複数形成されている。研磨シート10によって研磨対象を研磨する際には、山部3の頂面の凸部4によって研磨がなされることとなる。
山部3の頂面の形状は、平面状ではなく、山状の傾斜を有しており、頂点から山部3の周辺に向かうについて傾斜を有する構造となっている。このため、山部3の頂面に比較して、台部2と接触する山部3の接触面積は大きい。また、山部3の頂面に比較して、台部2のうち、基材シート1と接する台部2の接触面の面積比率はさらに大きいこととなる。
上記の研磨構造体は、上記のような面積比率であるため、山部3の頂面における単位面積当りに加わる圧力を大きい値にて保持できるので、研磨能力の向上を実現することができる。これと共に、研磨構造体が研磨シートから剥離し難い構造を実現することもできるのである。
図1における研磨シート10の上面図に示すように、山部3は台部2に2箇所形成されている。なお、上記上面図では、山部3を等高線にて示している。研磨シート10の台部2としては、山部3が2箇所以上形成されていればよく、3箇所形成されていてももちろんよい。山部3が台部2に複数形成されていることによって、研磨対象物に対して山部3がより多点にて接触できるため、より安定した研磨が可能となる。
山部3の高さは特に限定されるものではないが、台部2および山部3の総高さH1に対して、山部3の高さH2の比率が、25%以上、60%以下であることが好ましい。上記の範囲内であれば、安定した研磨能力を得ることができる。なお、山部3の高さの比率が25%未満である場合、山部3の頂面が平面状に近付くこととなり、研磨能力が低下する虞がある。さらに、山部3同士の間隙の高さが小さくなるため、研磨屑によって研磨対象物へのスクラッチ等が懸念される虞もある。一方、60%を超える場合、山部の頂面が急峻となり、研磨能力は高まるものの、研磨構造体に加わる圧力が高まり、研磨構造体の破損を招く虞がある。
なお、上述のように山部3が複数形成されているため、山部3同士の間には、間隙が形成されており、谷部が形成されていると換言できる。
凸部4は、製造工程において、山部3を構成する高分子原料を含む原料中に砥粒が混合されることによって、上記原料の乾燥後に、山形状から突出した砥粒に起因して形成される。凸部4の大きさは、原料である砥粒(研磨材)の粒子径に依存するが、特に限定されるものではない。原料として用いられる砥粒については製造方法の説明と合わせて後述する。
次に、複数の台部2の配置について説明する。図2は、研磨シート10における、基材シート2と接触する3箇所の台部2の形状を示した平面図である。
台部2が4角形以上の多角形形状の場合、任意の対角線の長さは、台部2に山部3を複数形成する観点から、下限が600μm以上であることが好ましい。600μm未満であると、1箇所の台部2に複数の山部3が形成できない虞がある。
一方、台部2が4角形以上の多角形形状の場合、任意の対角線の長さは、図2のように、間隙を有して台部2を形成することができれば特に限定されるものではないが、間隙を形成する観点から、その上限が1800μm以下の範囲内であることが好ましい。1800μmを超える場合、製造過程において台部2の原料が台部2を形成する部分から流出することによって、空隙部分が形成される箇所を埋めてしまい、空隙部分の形成を妨げる虞がある。
また、台部2が円形形状の場合、直径が600μm以上、1800μm以下の範囲内であることが好ましく、台部2が楕円形形状の場合、短辺が600μm以上、長辺が1800μm以下の範囲内であることが好ましい。
図2では、台部2の形状は偏平な六角形形状となっている。同図に示すように、横方向の頂点間で最も長い幅は、1200μmであり、縦方向の頂点間の長さは600μmとなっている。上述した通り、上記形状に代えて、正六角形、正四角形などの形状を採用することも可能である。
研磨シート10では、台部2同士が間隙を有して形成されている。換言すると、台部2同士の間に溝部が形成されているともいえる。このように間隙が介されていることによって、研磨時に生じる研磨屑が間隙に移動することができるため、研磨シート10は研磨屑の排出能力を備えている。また、台部2には、複数の山部3が形成されているため、山部3同士の間には間隙が形成されている。このため、研磨シート10では、台部2同士の間の間隙と、山部3同士の間の間隙とが連続している構成であるので、研磨時に生じる研磨屑の排出能力を非常に高めることができる。したがって、研磨屑が研磨シートの表面に目詰りして研磨レートが低下する、または、研磨屑によって研磨対象物の被研磨面に傷を生じさせるおそれを極力低減させることができる。
上記台部2同士の間隙の幅は、特に限定されるものではないが、狭く設定した場合、研磨屑の排出能力が劣ることとなる。一方、広く設定した場合、研磨シート10における研磨構造体の密度が低下することとなり、研磨能力が低下する。このため、研磨屑の排出能力と研磨能力のバランスを考慮すると、間隙の幅は、50μm以上、200μm以下であることが好ましい。
<研磨シートの評価>
研磨シートの評価基準としては、研磨能力が用いられる。研磨能力とは、研磨シートによって研磨された研磨対象物の研磨が進行する方向(研磨シートに対して垂直な方向)における長さを示す値であり、具体的には、光ファイバーフェルールの研磨を行う場合、35μm/10min.以上であることが好ましい。
また、研磨を行うにつれて生じる研磨屑によって、研磨シートに目詰まりが発生する場合がある。このような場合には、単位時間当りの研磨能力が低下していくおそれがある。このため、要求される研磨能力を保持しつつ、研磨能力の持続性を示す研磨能力持続性が高いことも重要である。研磨能力持続性が低ければ、短時間で研磨能力が所望の値を示さなくなり、研磨シートが安定した研磨能力を発揮することができない。また、研磨構造体と基材シートとはもちろん剥離し難い(剥離性が低い)ことが望ましい。
ただし、研磨能力および研磨能力持続性を満たしているからといって、研磨加工において、研磨対象物にスクラッチ(損傷)、縁欠けを生じさせることは、研磨対象物の物性を損なうため好ましくない。
<研磨シートの製造方法>
次に、本発明に係る研磨シートの製造方法について説明する。本発明に係る研磨シートの製造方法は、本発明に係る上記研磨シートの製造方法であって、高分子樹脂原料を含む塗工ペーストを、スクリーン印刷法によって、基材シート上に上記台部に相当するパターンを印刷する印刷工程と、印刷工程において、印刷された基材シートを静置させる静置工程と、静置工程後、印刷された基材シートを乾燥させる乾燥工程とを含む。また、研磨シートを製造する前準備として、塗工ペーストを調整する配合工程もなされる。以下、より詳細に説明する。
〔配合工程〕
配合工程では、主剤、砥粒、分散剤、溶媒、硬化剤およびカップリング剤を配合して塗工ペーストを作製する。上記各原料について説明する。
主剤は、台部および山部を構成する樹脂のベースとなるものである。主剤は、硬化および乾燥後に台部および山部のベースとして機能するものであれば特に限定されるものではない。一例として、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などを挙げることができる。
砥粒は、塗工ペーストを硬化および乾燥後、山部の表面にて凸部を形成させるために配合される。砥粒としては、研磨能力を有する凸部を形成することができれば特に限定されない。一例として、ダイヤモンド、シリカ、およびアルミナからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。もちろんこれらを併用してもよい。この中でも、光ファイバー、ハードディスク等の磁気記録媒体用ガラス基板などの精密部品に用いる観点から、ダイヤモンドを用いることが好ましい。また、砥粒の粒子径は、0.3μm以上、10μm以下であることが好ましい。
分散剤は、砥粒を塗工ペースト中に好適に分散させるために用いられる。分散剤としては、特に限定されず、公知の分散剤を用いればよい。例えば、非水系顔料分散剤などの分散剤を用いることができる。
溶剤としては、スクリーン印刷法が可能な程度にスラリーの粘度を調整できれば特に限定されるものではない。具体的には、イソホロン、イソフラン、メチルエチルケトン、テルピネオール、N-メチルピロリドン、シクロヘキサノン、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、酢酸 n‐ブチルセロソルブなどを用いることができる。
硬化剤としては、主剤を硬化させることができれば特に限定されるものではなく、公知の硬化剤を用いることができる。例えば、エポキシ系の主剤に対してはアミン系硬化剤、ウレタン系の主剤に対してはイソシアネート系硬化剤を用いることができる。また、フェノール系の主剤の場合、ノボラック樹脂に対して、エポキシ樹脂やテトラメチレンテトラミンを硬化剤として用いることができる。また、レゾール樹脂については硬化剤を用いることなく硬化させることができる。熱可塑性タイプであるアクリル酸およびポリエステル樹脂の主剤に対しては、架橋度を上げることと、基材との密着性を向上させるため、イソシアネート系硬化剤を用いることができる。
また、カップリング剤を塗工ペーストに配合することによって、砥粒が樹脂成分に保持され易くなり、砥粒の脱粒を抑制することができる。この結果、研磨加工時において、脱粒した研磨剤粒子によって研磨対象物にスクラッチが生じることを抑制することができる。さらに、本発明者らは、カップリング剤の配合により、後述する静置工程において、塗工ペーストの表面が平面になる傾向を抑制する効果が得られることを見出した。
カップリング剤としては、上記主剤に用いることができれば、特に限定されるものではなく、公知のカップリング剤を用いることができる。一例として、シラン系、チタン系などのカップリング剤を用いることができる。
上記原料の配合比としては、用いる原料の種類によって適切な配合比が変化するため、一義的に規定することは困難である。しかし、概して使用可能である配合比として、100重量部の主剤に対して、砥粒を300重量部以上、400重量部以下、分散剤を5重量部以上、10重量部以下、溶媒を50重量部以上、400重量部以下、硬化剤を10重量部以上、50重量部以下の範囲の値を挙げることができる。
上記原料を配合し各原料を均一に混合させるために、混練手段が用いられる。混錬手段としては、公知のミキサー、ビーズミル、ペイントロールなどの混練手段を用いればよい。
上記原料を配合する際の配合の順序は、得られる研磨シートにおいて砥粒が均一に分散されていれば特に限定されるものではない。砥粒が均一に分散されている状態は、研磨シートが、研磨対象物に均一に研磨できることから間接的に示され得る。
砥粒は他の原料に比較して分散させ難いため、上記原料の何れかと砥物とを混合し、均一化させておくことが好ましい。砥粒と混合する原料は適宜選択すればよいが、反応性の低い原料である溶媒および主剤を配合し、これに砥粒を配合した後に砥粒の分散性を向上させる分散剤を配合する配合方法が挙げられる。なお、混合物の粘度を考慮して、適宜溶媒を追加してもよい。この混合物を混練して、まず、反応性の高い硬化剤を含まないプレミックス原料を作製する。
次に、上記プレミックス原料に、硬化剤および分散剤を添加した後、混練を行い、塗工ペーストを得ることができる。なお、上述したように、当該塗工ペーストの配合例は一例であり、上記配合例以外の手法によって、塗工ペーストを配合してももちろんよい。塗工ペーストの粘度は、次の印刷工程における塗工ペーストの印刷を行う観点から、1.00Pa・S以上、10.00Pa・S以下であることが好ましい。
〔印刷工程〕
印刷工程は、配合工程にて配合した塗工ペーストを基材シートに印刷する工程である。印刷は従来公知のスクリーン印刷法によって行うことができ、実施温度は限定されないが、通常、室温(23℃)にて印刷工程を行うことができる。
スクリーン印刷のパターンとしては、図2に示す台部2の形状のように、間隙を有して複数の多角形形状、正多角形形状、円形状、楕円形形状のうち何れか1種を形成する。なお、正方形、正六角形などの正多角形形状であれば、基材シート上に高い密度にて塗工ペーストを印刷することができるため好ましい。
スクリーン印刷法としては、従来公知の手法を用いることができる。この際、スクリーン印刷を行うパターンによって、台部の形状を変更することができ、台部同士間の空隙の形状、これらの面積も調整することができる。特に、スクリーン印刷法によって、製造するメリットとしては、微細な間隙を形成することができ、そのパターンの設計の自由度も大きいことが挙げられる。また、容易に本発明に係る研磨シートを製造することが可能である。
なお、グラビア印刷法などによっては、基材シート1の全面に印刷がなされることとなるため、本発明に係る研磨シートのように、間隙を有して台部が形成されている研磨シートを製造することはできない。
〔静置工程〕
静置工程は、印刷工程にて印刷を行った基材シートを静置する工程である。静置を行うことによって、粘性のある塗工ペーストの成分が移動して凹凸形状を生じさせることができる。
静置工程において、印刷後の基材シートを静置させる静置時間は、特に限定されないが、基材シート上に台部および複数の山部を形成し、優れた研磨シート得る観点から、下限は1分以上であることが好ましい。静置時間が1分未満であると、山部が形成されない虞がある。一方、静置時間の上限は5分以下であることが好ましい。5分を超えた場合であっても塗工ペーストに凹凸を生じさせ、山部の形成は可能である。しかしながら、研磨時に研磨構造体が磨り減るなど、研磨シートの性能が低下する虞がある。
静置工程における印刷後の基材シートを静置する温度は、塗工ペーストの原料によって適宜変更されるため一義的に規定することは困難であるが、塗工ペーストが乾燥し難い、印刷工程における実施温度であることが好ましい。例えば、通常、室温(23℃)にて静置工程を行うことができる。もちろん静置工程での温度を調整することも可能であるが、低温で静置工程を行うと、塗工ペーストの粘度が低下するため、塗工ペーストに凹凸形状が生じ難くなる。一方、高温で静置工程を行うと、塗工ペーストが乾燥し易くなり、凹凸形状が生じる前に塗工ペーストの形状が固定されてしまう虞がある。
なお、従来は印刷物を多段で構成されたラックに収納してラックごと乾燥室に収めて乾燥工程を行うことや、印刷後、連続的に乾燥工程を行うタンデムラインを構築して生産性を高めることが行われてきた。しかしながら、本発明者らは、本発明に係る研磨シートを製造するために鋭意検討を行い、従来着目されていなかった印刷工程と乾燥工程との間における塗工ペーストの挙動に着目し、その結果、従来とは全く異なり、印刷された基材シートを静置することによって、塗工ペーストに凹凸を生じさせることができる事実を見出したのである。
〔乾燥工程〕
乾燥工程は、基材シートに印刷された塗工ペーストを乾燥することによって、研磨シートを製造する工程である。具体的には、静置工程において、生じさせた凹凸形状を乾燥することによって凹凸形状を固定させることができる。その結果、基材シートに図2の上面図に示すように山部3を形成させることができ、山部3同士の間には谷部(間隙)が生じることとなる。詳細には、乾燥工程は1次乾燥工程および2次乾燥工程に分類される。
1次乾燥工程では、静置工程後に山部が形成された研磨構造体の形状を固定させるために乾燥を行う。1次乾燥工程の乾燥温度および乾燥時間は、塗工ペーストの原料、特に溶媒の沸点によって適宜変更されるため一義的に規定することは困難である。しかしながら、従来公知の原料を用いて塗工ペーストを作製した場合、概して乾燥温度は80℃以上、140℃以下、乾燥時間は10秒以上、5分以下の範囲内にて1次乾燥工程を行うことが可能である。
1次乾燥工程の後になされる2次乾燥工程は、さらに塗工ペーストの乾燥を行い、硬化を促進させる工程である。塗工ペーストの硬化が促進されることにより、より強度の高い研磨構造体が形成されることとなる。2次乾燥工程の乾燥温度および乾燥時間は、1次乾燥工程と同様に一義的に規定することは困難であるが、概して、乾燥温度は40℃以上、120℃以下、乾燥時間は5時間以上、30時間以下の範囲内にて2次乾燥工程を行うことが可能である。2次乾燥工程の終了後、本発明に係る研磨シートが製造されることができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明について、実施例および比較例、並びに図1〜3に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
本発明に係る研磨シートを得るために以下の工程1〜工程6の工程を行った。また、工程6の後、得られた研磨シートの評価を工程7にて行った。なお、以下の工程は何れも23℃の温度雰囲気下にて行った。
<工程1(配合1)>
表1に示すII ポリエステル樹脂を、VI 溶媒に溶解させ、I ダイヤモンド砥粒、IV 分散剤およびVI 溶媒をこの順序で添加し、ターブラーシェイカーにより60分間攪拌してプレミックス原料を作製した。
<工程2(配合2)>
工程1におけるプレミックス原料の攪拌完了後、ターブラーシェイカーから取り出したプレミックス原料に、III カップリング剤、およびV 硬化剤を添加し、ホモジナイザーにより攪拌して塗工用ペーストを調製した。
<工程3(印刷)>
スクリーン印刷によって、塗工用ペーストを75μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、品番:HLE‐75)上に塗工した。上記PETフィルム上には、スクリーン版のパターン通りに台部が形成された。なお、上記スクリーン版のパターンは、図2に示す台部の基材シートに接する接触面の形状に対応する形状である。
<工程4(静置)>
上記塗工ペーストが印刷されたPETフィルムを、1分間静置した。これにより、塗工ペーストに凹凸が生じる。凹凸のうち、凸部分は乾燥後に山部となる。
<工程5(乾燥)>
上記凹凸が生じた塗工ペーストが形成された後に、100℃の熱盤乾燥炉の中にて、上記PETフィルムを1分間静置して、乾燥することにより凹凸形状を固定した。
<工程6(硬化)>
上記凹凸形状を固定した後、20時間、100℃のオーブンに上記PETフィルムを入れて硬化を行い、研磨シートを得た。上記研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは40.2%であった。
<工程7(評価)>
光ファイバー用研磨装置(セイコーインスツルメンツ社製OFL‐15)に外形2.5mmのフェルールを12本セットで治具を取り付け、1本当り、500gの荷重となるようにセットし、220rpmで10分間連続して研磨を行った。
研磨後、(1)10分間毎に掘削されたフェルールの長さ(μm/10min)を測定した。また、(2)フェルールの端面状態をVideo Fiber Microscope(Westover Scientific 社製)によって確認した。得られた評価結果を表2に示す。
工程1,2において、VI 溶剤の割合を39.60 vol%から42.60 vol%に増量し、I〜Vの割合を総比率が57.40 vol%となるように均等な割合で減量した以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。
得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは26.8%であった。
実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表2に示す。
工程1,2において、VI 溶剤の割合を39.60 vol%から36.00 vol%に減量させ、I〜Vの割合を総比率が64.00 vol%となるように均等な割合で増量した以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。
得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは57.5%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表2に示す。
工程4の静置時間を1分間から5分間に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは37.6%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表2に示す。
工程4の静置時間を1分間から7.5分間に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは40.2%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表2に示す。
工程4の静置時間を1分間から10分間に変更した以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは39.5%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表2に示す。
III カップリング剤をKR44からメタクリロキシ系シランカップリング剤であるKBE503(信越シリコーン社製)に変更した以外は実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは26.8%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表2に示す。
III カップリング剤をKR44からアミノ系シランカップリング剤であるKBE603(信越シリコーン社製)に変更した以外は実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは32.3%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表2に示す。
工程3で用いたスクリーン版のパターンを図3に示す正六角形形状とし、図3の正六角形形状の径L1を200μmに設定した。また、上記正六角形同士の間隙の幅を50μmとした。上記の事項以外は実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは38.4%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
工程3で用いたスクリーン版のパターンを図4に示す正方形形状とした以外は実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。図4は、本実施例に係る研磨シートの基材シートと台部との接触面を示す平面図である。なお、上記正方形同士の間の溝幅を50μmに設定した。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは29.8%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
工程3で用いたスクリーン版のパターンを図5に示す円形形状とした以外は実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。図5は、本実施例に係る研磨シートの基材シートと台部との接触面を示す平面図である。また、最も接近している円形形状同士の間の溝幅を50μmとした。得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは35.3%であった。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
工程1,2において、VI 溶剤の割合を39.60 vol%から45.20 vol%に増量し、I〜Vの割合を総比率が54.80 vol%となるように均等な割合で減量した以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。
得られた研磨シートには台部、1箇所の台部に2つの山部および凸部が形成されていた。また、台部および山部の総高さに対する山部の高さは18.4%であった。
実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
〔比較例1〕
工程3において、スクリーン版のパターンとしてベタ形状のパターンを用いた。すなわち、基材シートの全面に印刷するパターンを用いた。それ以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。
得られた研磨シートには、全面に台部が1箇所形成されており、山部および凸部が形成されていた。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
〔比較例2〕
工程3において、図3に示す正六角形形状のパターンを有するスクリーン版を用いた。なお、図3の正六角形形状の径L1を200μmに設定した。それ以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。
得られた研磨シートには、複数の山部が形成されておらず、台部および凸部が形成されていた。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
〔比較例3〕
工程3において、図3に示す正六角形形状のパターンを有するスクリーン版を用いた。なお、図3の正六角形形状の径L1を400μmに設定した。それ以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。
得られた研磨シートには、複数の山部が形成されておらず、台部および凸部が形成されていた。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
〔比較例4〕
工程3において、図3に示す正六角形形状のパターンを有するスクリーン版を用いた。なお、図3の正六角形形状の径L1を600μmに設定した。また、工程4を行わず、工程3の直後に、工程5を行った以外は、実施例1と同様の手法にて研磨シートを作製した。
得られた研磨シートには、複数の山部が形成されておらず、台部および凸部が形成されていた。実施例1と同様に工程7の評価を行い、得られた評価結果を表3に示す。
表2から分かるように、実施例1〜11において、溶媒の割合を変化させ、塗工ペーストの粘度を変更することによって、台部および山部の総高さに対する山部の高さを、約25%〜約60%とすることができた。これらにおいて、端面性が良好な結果が得られた。
一方、実施例12では、台部および山部の総高さに対する山部の高さが18.4%であり、本発明に係る研磨シートが得られたものの、山部同士の間隙の高さが低いため、上記間隙に研磨屑の目詰りが生じ得る。これに起因してフチカケ、スクラッチが生じたと考えられる。
実施例1〜10にて得られた研磨シートは、研磨能力が約35μm/10min.以上であり、良好な研磨能力を実現することができた。また、実施例5では、台部、山部および凸部を形成することができたが、研磨構造体の耐久力が低く、研磨時間が20分を超えると、研磨構造体が剥離する結果となった。これは、静置時間を長時間に設定したことにより、性能が低い研磨構造体が形成されたものと考えられる。
また、比較例1では、スクリーン版のパターンとしてベタ形状のパターンを用いたため、研磨シートには台部は1つのみ形成されていた。すなわち、本実施例の研磨シートとは異なり、台部同士の間隙は形成されていない。このため、端面性評価では、フチカケ、スクラッチが確認され、研磨屑の排出能力が低い結果となった。
比較例2および比較例3では、正六角形形状の径L1を600μm未満である、200μmおよび400μmとしたため、複数の山部が形成されなかった。また、比較例4では、静置工程を行わなかったため、複数の山部が形成されなかった。このため、比較例2〜4の研磨シートは、研磨屑の排出能力に劣るため、研磨屑の排出能力が低い結果が示された。
本発明に係る研磨シートは、ガラス、セラミック、プラスチック、金属等、特に高い水準で平滑性が求められる光ファイバーコネクタ、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体用ガラス基板等の研磨加工に用いることができる。
1 基材シート
2 台部
3 山部
4 凸部
10 研磨シート

Claims (6)

  1. 基材シート上に複数の台部が間隙を有して形成されてなる研磨シートであって、
    上記台部には、複数の山部が形成されており、
    上記山部は砥粒を含有しており、砥粒に起因して形成された凸部を備えていることを特徴とする研磨シート。
  2. 上記台部および山部の総高さに対する上記山部の高さの比率が、25%以上、60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨シート。
  3. 上記台部が基材シート上に接する接触面の形状が、多角形形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨シート。
  4. 上記台部が基材シート上に接する接触面の形状が、円形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨シート。
  5. 上記基材シート上における、上記台部同士の間隙の幅が、50μm以上、200μm以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の研磨シート。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の研磨シートの製造方法であって、
    高分子樹脂原料を含む塗工ペーストを、スクリーン印刷法によって、基材シート上に上記台部に相当するパターンを印刷する印刷工程と、
    印刷工程において、印刷された基材シートを静置させる静置工程と、
    静置工程後、印刷された基材シートを乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とする研磨シートの製造方法。
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