JP2010179395A - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブランク材のスプリングバックを高いレベルで抑制可能したガラス基板の製造方法を提供することにある。
【解決手段】一方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状であり、かつ、他方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状又は平面状である、円盤型のブランク材を得る工程、上記ブランク材に中央穴を形成する工程、及び上記ブランク材の少なくとも一方の面を研磨加工する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、固定磁気ディスク記録装置(ハードディスク装置)に用いられるガラス基板の製造方法に関する。より詳しくは、本発明のガラス基板の製造方法は、ブランク材の研磨加工後のスプリングバックを高いレベルで抑制可能なガラス基板の製造方法に関する。
コンピュータ等の記録装置であるハードディスク装置は、磁性体を塗布した円盤状の磁気記録媒体を5,000〜10,000rpmで回転させるとともに、媒体に対して磁気ヘッドを10〜20nm浮上させて走査し、高密度かつ高速に、記録及び/又は再生を実現するものである。このため、当該ハードディスク装置に用いられる、例えばΦ65mmの磁気記録媒体には、表面の高低差が長さ10mm間で1μm以下という、高い平坦度(peak to valley(PV))が求められる。
図5に示すように、磁気記録媒体50はドーナツ形状をしており、アルミニウム又はガラスからなる基板の両主表面に、例えば、密着層、シード層、磁性層、保護層、及び潤滑層を順次スパッタ法等によって形成したものであり、その外径は、95mm、65mm、又は48mmが一般的である。最近では、特に、ノートパソコン等の携帯機器に搭載される、外径が65mm、又は48mmの小径ディスクの需要が増大しており、これら小径ディスクの基板には、優れた強度を発揮するという観点からガラス基板が用いられる。
ガラス基板の素材であるブランク材としては、耐熱ステンレス材等からなる金型で溶融ガラス材をプレス成形した略円盤状のプレス材、又は、フロート法若しくはドロー法等で形成した板材からスクライバー若しくはダイヤモンドコアドリル等で切り出した円盤材等を用いることができる。
これらのブランク材に要請される平坦度は、磁気記録媒体に求められる平坦性が(1μm/10mm)以下である場合に、(10〜50μm/mm)程度である。このような平坦度を満足するには、一般に、最初に両面ラップ盤を用いて低圧ラップ加工を行い、平坦化することが肝要である。この両面ラップ加工は、1バッチ当たり30〜60分と長時間を要すること、及び生産性から1バッチ当たり80〜150枚の多数枚処理であることから、ロード・アンロードの自動化が難しく、最も人手を要し、コストが嵩む原因となっている。
両面ラップ盤を用いた技術以外の平面加工技術としては、円盤状砥石を回転させながら被加工材に押し当てて平面加工するロータリー研削盤を用いた技術がある。このような技術は、例えば、図6に示すような、対向配置された一対の円盤状砥石62a,62bと、これらの砥石に連結された一対の回転軸64a,64bとを備えるロータリー研削盤60を用いて行うことができる。具体的には、円盤状砥石62a,62b間に被加工材70を配置し、両砥石62a,62bの加工面の平行状態を保ちながらこれら62a,62bの間隔を徐々に狭め、被加工材70の両面を同時に研磨加工することができる。
このような両頭平面研削盤を用いた技術は、加工速度が速く、枚葉加工でも多数枚取りの低圧ラップ法と同等の処理能力を有するとともに、ロード・アンロードの自動化が容易で無人化が可能であり、コストダウンに有効である。
しかしながら、両頭平面研削盤を用いた技術は、加工圧力が高いため、図6に示すように、被加工材70が片側に反った形状の場合、加工時に被加工材70が押さえつけられて変形し、加工完了後に変形が戻る、いわゆるスプリングバックが起こり、磁気記録媒体の基板に要請される十分な平坦度が得られないおそれがある。
また、ブランク材を平坦化する技術として、以下のような技術も開示されている。
特許文献1には、板状体を保持して搬送するテーブルと、該テーブルの上方に板状体の搬送方向に沿って配置されるとともにテーブルで搬送中の板状体を研磨する複数台の研磨機とを備え、上記研磨機の研磨具は、外軸と内軸とを有する自転公転運動機構に連結され、内軸を回転させる自転用モータによって自転運動されるとともに、外軸を回転させる公転用モータによって外軸の軸芯を中心とする円周上に沿って公転運動される連続式研磨装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1によれば、上記装置において、研磨圧力を上げると、研磨パッドとガラス板との間の摩擦力が過大になって研磨圧力が不均一になり、ガラス板の裏面形状が研磨面に転写し、研磨後のガラス板のスプリングバックで研磨面が変形するので、研磨面に平坦度が悪化する、とされている。
特開2001−293656号公報
従って、本発明の目的は、ブランク材のスプリングバックを高いレベルで抑制可能したガラス基板の製造方法を提供することにある。
本発明は、一方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状であり、かつ、他方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状又は平面状である、ブランク材を得る工程、上記ブランク材に中央穴を形成する工程、及び上記ブランク材の少なくとも一方の面を研磨加工する工程を含む、ガラス基板の製造方法に関する。本発明のガラス基板の製造方法は、各種固定磁気ディスク記録装置に用いることができる。
このようなガラス基板の製造方法においては、上記研磨加工する工程を、一対の回転砥石が並行に対向配置され、上記砥石がその回転方向と垂直な方向に移動自在である両頭研削盤を用いて、上記一対の砥石によって上記ブランク材を挟持し、上記ブランク材を研磨することにより行うことができる。
本発明のガラス基板の製造方法は、研磨加工を施すブランク材の表面を予め特定形状としておくことで、ブランク材のスプリングバックを高いレベルで抑制し、ガラス基板の優れた平坦度を実現することができる。
本発明のガラス基板の製造方法における各工程を示すフローチャートである。 本発明のガラス基板の製造方法に使用する両頭研削盤を示す側面図である。 本発明の方法により得られたガラス基板の端部形状を示す断面図である。 本発明の方法により得られたガラス基板を用いた垂直磁気記録媒体の断面図である。 磁気記録媒体を示す斜視図である。 ロータリー研削盤によるガラス基板の研磨加工を順次示す側面図である。
以下に、本発明のガラス基板の製造方法を、図面に従い説明する。なお、以下に示す例は、本発明の一例であり、当業者であれば、適宜設計変更することができる。
<ガラス基板の製造方法>
本発明のガラス基板の製造方法は、図1に示すように、一方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状であり、かつ、他方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状又は平面状である、ブランク材を得る工程(以下、「第1工程」と称する場合がある)、ブランク材に中央穴を形成する工程(以下、「第2工程」と称する場合がる)、及びブランク材の少なくとも一方の面を研磨加工する工程(以下、「第3工程」と称する場合がある)を含む。
(第1工程)
本工程は、一方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状であり、かつ、他方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状又は平面状である、ブランク材を得る工程である。
ブランク材の材料としては、アモルファスガラス、及び結晶化ガラスを用いることができる。なお、一般に、磁気記録媒体用の基板材料としては、Si、水晶、及びサファイヤ等の高硬度の単結晶材料、並びにセラミックスを用いることもできるが、コストと入手の容易さから各種ガラスを用いるのが好適である。このため、本発明においては、上記の各種ガラス材料に特化している。
ブランク材は、フロート法、又はフュージョン法等の公知の方法により得られた板ガラスを切り出すことにより製造することができる。また、ブランク材は、ガラス塊を、ダイヤモンド砥石、ブレードソー、又はワイヤーソー等でスライスすることにより製造することもできる。
より具体的には、フロート法又はフュージョン法により板材から切り抜いたガラス材を、定盤形状を緩やかな凹形状とした平面ラップ盤を用いてラップ加工することができる。ラップ加工条件としては、鋳鉄製定盤を用い、5〜30wt%の濃度で水に懸濁させた平均粒径5〜20μmのアルミナ研磨剤を供給しながら、面圧50〜200g/cm、周速30〜150m/minで上記定盤を回転させることが好ましい。これにより、加工時のブランク材の割れ及び/又はカケを防ぐことができる。
また、溶融したガラスコブを、少なくとも片面中央が周囲より低くなっている凹形状の金型を用いてプレス加工することができる。プレス加工条件としては、200〜700℃に加熱したステンレス製金型に700〜1400℃に加熱した溶融ガラスを滴下した後に、50〜200kg/cmの圧力でプレスして、400℃以下に放冷してから離型することが、好ましい。これにより、泡などの欠陥の内包、割れ、及び/又はカケの無いブランク材を成形することができる。
このようなラップ加工又はプレス加工により、一方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状であり、かつ、他方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状又は平面状のブランク材が得られる。
ここで、略凸レンズ状とは、ブランク材を平面に置いた場合に、ブランク材の中心から半径の約20%の範囲内の点が上記平面と接するような形状をいう。また、ブランク材の中心とは、重心を意味し、接触式の真円度・円筒形状測定機(例:テーラーホブソン社 タリロンド)にて計測したブランク材の外周形状からを求められる。このような形状は、通常、最薄部(周辺部)と最厚部(中心部)との厚さの差を0.1mm以上とすることにより得られる。
なお、上記のとおり、ブランク材の少なくとも一方の面の形状は、略凸レンズ状であるが、この形状には、光学レンズに要求される程度の精度は不要であり、最厚部の半径方向位置が、ブランク材の中心から半径方向に20%程度ずれていても、完成した磁気記録媒体の精度への影響は皆無である。
ブランク材の厚さは、後の研磨加工(第3工程)での必要な加工代を考慮すると、最薄部で完成基板の厚さよりも0.3mm以上厚くしておくことが好ましい。これに対し、最厚部については、制限は特にないが、厚い程加工時間を要するので、生産性の観点から完成基板の厚さの3倍以内としておくことが好ましい。
(第2工程)
本工程は、ブランク材に中央穴を形成する工程である。具体的な中央穴の形成手段としては、コアドリルを用いる手段が一般的である。コアドリルとしては、ダイヤ砥粒をブロンズ中に分散して焼き固めたメタルボンドダイヤドリルを用いることが耐久性の観点から好ましい。ダイヤの粒度を♯150〜♯320とすることがさらに好ましい。♯150以上とすることで、加工端面に500μmを超える割れ及び/又はカケが発生することがなく、後工程での面取り量を多くしなくてよいため、優れた生産性を実現することができる。一方、細粒にして行くに従って送り速度を遅くしないと加工抵抗が上がってブランク材が破壊してしまうところ、♯320以下とすることで、このような不所望な破壊を回避し、1枚あたりの加工時間を短くして優れた生産性を実現することができる。
その他、超硬合金又はダイヤモンド製の回転圧子を用いて円弧状のクラックを導入して分断するスクライブ法、又はレーザー法等を用いることもできる。これらの方法を適用する場合の各種条件は、いかなる公知の条件を適用することもできる。
(第3工程)
本工程は、ブランク材の少なくとも一方の面を研磨加工する工程である。本工程は、図2に示すような両頭研削盤10を用いて行うことができる。同図に示すように、両頭研削盤10は、一対の支持体12a,12bと、支持体12a,12bにそれぞれ固定された円盤型砥石14a,14bと、支持体12a,12bの円盤型砥石14a,14bとは反対側に連結された回転軸16a,16bとを備える。両頭研削盤10は、図2の回転矢印の方向に各回転軸16a,16bを回転させることができ、しかも両円盤型砥石14a,14bを直線矢印の方向に自在に移動させることができる。
このような機構を有する両頭研削盤10を用い、図2に示すように、ブランク材20を挟持して所望の研磨を行うことができる。
砥石14a,14bには、ダイヤモンド、アルミナ、又はジルコニア等の砥粒を、銅、真鍮、鉄、若しくはニッケル等の金属マトリックスで固めたメタルボンド砥石、又は樹脂マトリックスで固めたレジンボン砥石等を用いることができる。特に、メタルボンド砥石の#400〜#1500を用いることが、加工面に割れ及び/又はカケを発生させず、ひいては優れた生産性を実現できる点で好ましい。
砥石14a,14bの回転速度は、可能な限り高速にすることが、高い生産性と小さな仕上がり面粗さを実現できる点で好ましいが、装置及び砥石には許容限界が有るため、2000〜4000rpmが一般的である。
また、砥石14a,14bの垂直な方向における移動速度は、なるべく高速であることが生産性では好ましいが、速いほど加工抵抗が増すので、装置及び砥石の許容限界を考慮して、55μm/sec以下とすることが一般的である。
以上に示した種々の条件を満たす研磨加工を、特定形状のブランク材を用いて行うことで、従来問題となっていた研磨後のスプリングバックを抑制することができ、必要とされる平坦度のガラス基板を形成することができる。このような粗加工により、最終厚さの1.1〜1.5倍の板厚、PV=1μm/10μm以下の平坦度、及び3μm以下の板厚偏差の、ガラス基板を得ることができる。ここで、板厚偏差とは、1枚のガラス基板内の、厚さのばらつき幅を意味する。
(その他の工程)
次に、図2のブランク材20の主表面を粗加工して得たガラス基板を、磁気記録媒体の形状(ドーナツ形状)に切り出す。先ず、ダイヤモンドスクライバー(ガラス切り)又はダイモンドコアドリル等の工具を用いて外径を切り出し円盤状にするのが一般的であるが、レーザー等を使用した他法を用いることもできる。既にブランク材の外形が磁気記録媒体の略外径である場合には、この工程を省略することができる。
なお、上記の切り出しを行った後に、上述した第2工程(ブランク材への中央穴の形成)を行ってもよい。具体的な中央穴の形成手段は、上述したとおりである。
その後、ガラス基板を例えば図3に示す端部形状とすべく、ダイヤモンド総型砥石を用いて、内外周に対して同時にC面取り加工を行うことが好ましい。ダイヤモンド砥石によりC面取り加工された端面は、摺りガラス状であり、微細なクラックが存在して強度が不足しており、また周囲との接触により微細なカケが発生して発塵する。このため、さらに、酸化セリウム等の研磨材を水に懸濁させたスラリを掛けながら、回転するナイロンブラシを押し当てて、端面を鏡面研磨することがさらに好ましい。このようなC面取り加工により、例えば図3に示すような端部形状を有するガラス基板22を得ることができる。
最後に、ガラス基板に磁気ヘッドを十数nmの微小間隔で浮上させることができるように、ガラス基板に対して鏡面研磨を行うことが好ましい。この鏡面研磨においては、酸化セリウムスラリと酸化セリウムを含浸させたウレタン発泡パッドを用いることができるが、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて5μm四方の範囲を測定した場合の表面粗さをRa≦1nmとすることができれば、その他の方法を用いてもよい。
ガラス基板を高密度垂直磁気記録媒体の製造に使用する場合は、さらに、ウレタン発泡パッドと粒径が100nm以下のコロイダルシリカ等を用いて、仕上げ研磨を行い、AFMを用いて測定した表面粗さをRa≦0.3nm以下とすることが極めて好ましい。
鏡面研磨は、主表面の粗加工痕が全て除去され、所定の表面粗さが得られた段階で終了する。例えば、アルカリ洗浄液による洗浄、比抵抗18MΩ以上の脱イオン水による濯ぎ、及びIPAベーパーによる乾燥を順次行って、鏡面であり、かつ、清浄なガラス基板を得ることができる。
<本発明の方法により得られたガラス基板を用いた磁気記録媒体>
以下に、上記方法により得られたガラス基板22(図3)を用いた磁気記録媒体について述べる。なお、以下に示す例も、本発明の一例であり、当業者であれば、適宜設計変更することができる。
磁気記録媒体は、上記の方法により得られたガラス基板22に磁気記録層及び保護層等を積層して得る。
図4は、本発明の垂直磁気記録媒体40の断面図である。同図によれば、磁気記録媒体40は、上記の方法により得られたガラス基板22に、軟磁性層24、非磁性シード層26、磁気記録層28、保護層30、及び液体潤滑層32を順次形成したものである。
(軟磁性層24)
軟磁性層24は、ガラス基板22上に設けられ、情報の記録時にヘッドから発生する磁束の広がりを防止すべく、垂直方向の磁界を十分に確保する役割を担う構成要素である。軟磁性裏打ち層24の材料としては、Ni合金、Fe合金、Co合金を用いることができる。特に、非晶質のCoZrNb、CoTaZr、CoTaZrNb、CoFeNb、CoFeZrNb、CoNiFeZrNb、CoFeTaZrNb、FeTaCrなどを用いることにより、良好な電磁変換特性を得ることができる。
軟磁性層24は、例えば、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法及び条件を用いて形成することができる。
軟磁性層24の膜厚は、情報の記録に使用する磁気ヘッドの構造及び/又は特性に応じて適宜設計変更することができるが、生産性を考慮した場合には、10nm〜100nmの膜厚で用いることが好ましい。10nm以上とすることで、十分な垂直方向の磁界を確保できる一方、100nm以下とすることで、生産性を改善できる。
(シード層26)
シード層26は、その上層である磁気記録層28の配向性、粒径及び表面性状をも良好に実現するために配設する構成要素である。シード層26にこのような役割を十分に発揮させるためには、その構造がfcc構造であることが好ましい。
シード層26に用いるfcc構造の材料としては、Ni及びCrを必須成分として、Si、V、Zr、Nb、Ta、Ti、Cu、Ru、Pt、Pdからなる群から選択される少なくとも1種を含む材料が挙げられる。例えば、NiCrSi、 NiCrV、 NiCrTa、NiCrMo、NiCrTaZr、NiCrZr、NiCrNb、NiCrTi、NiCrTiCu等を用いることができる。シード層26に用いる材料は、磁気記録層28に用いる材料によって適宜設計変更することができる。
シード層26の膜厚は、磁気記録層28の磁気特性及び/又は電磁変換特性が所望の値になるように適宜設計変更することができるが、特に、2nm〜12nmとすることが好ましい。2nm以上とすることで、シード層26の結晶性を十分に確保することができ、シード層26上に配設する層28〜32の優れた配向性を実現し、ひいては垂直磁気記録媒体40の良好なS/N比を得ることができる。一方、12nm以下とすることで、シード層26の粒径が過大となることを抑制し、シード層26上に配設する層28〜32の粒径の肥大化も順次抑制して、良好なS/N比(Signal Noise Ratio)を得ることができる。
シード層26は、例えば、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法及び条件を用いて形成することができる。
シード層26の下方及び上方には、それぞれ、図示しないプレシード層及び中間層を形成してもよい。
プレシード層は、当該層の上層として形成するシード層26の配向性及び粒径を好適に制御することで、さらに磁気記録層28の良好な垂直配向性を実現するために配設する構成要素である。プレシード層にこのような役割を十分に発揮させるためには、その結晶構造がfcc構造であることが好ましい。
プレシード層の材料として用いるfcc構造の材料としては、Co及びNiを必須成分とし、Si、Cr、V、Zr、Nb、Ta、Ti、Cu、及びMoからなる群から選択される少なくとも1種を含む材料が挙げられる。例えば、CoNiCr、CoNiCrSi、CoNiNb、CoNiNbSi、CoNiTa、CoNiMo、CoNiTi、CoNiVCu等を用いることができる。
プレシード層の膜厚は、磁気記録層28の磁気特性及び/又は電磁変換特性が所望の値になるように適宜設計変更することができるが、特に、2nm〜8nmとすることが好ましい。2nm以上とすることで、プレシード層の結晶性を十分に確保することができ、プレシード層上に配設する層28〜32の優れた配向性を実現し、ひいては垂直磁気記録媒体40の良好なS/N比を得ることができる。一方、8nm以下とすることで、プレシード層の粒径が過大となることを抑制し、プレシード層上に配設する層28〜32の粒径の肥大化も順次抑制することができ、良好なS/N比を得ることができる。
プレシード層は、例えば、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法及び条件を用いて形成することができる。
中間層は、磁気記録層28の配向性を向上させるとともに、この層28の粒径を制御し、さらにこの層28における初期成長層の発生を抑制するために配設する非磁性の構成要素である。中間層にこのような役割を十分に発揮させるには、Ru、Re、Ti、Zr、Nd、Tm、Hf等のhcp構造の材料を用いることが好ましい。
中間層の膜厚は、3nm〜20nmとすることが好ましい。3nm以上とすることにより、中間層の良好な結晶性が得られることで優れた配向性を実現することができ、中間層上に配設される磁気記録層28の優れた配向性及び優れた結晶粒の分離性が得られる。また、中間層の膜厚を3nm以上とすることで、磁気記録層28における初期成長層の形成を抑制することができる。一方、中間層の膜厚を20nm以下とすることにより、中間層の粒径の肥大化を抑制することで、磁気記録層28の粒径の肥大化も抑制され、ひいては磁気記録媒体40のノイズ低減に起因した優れたS/N比を得ることができる。
中間層は、例えば、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法及び条件を用いて形成することができる。
(磁気記録層28)
磁気記録層28は、情報を記録するために配設する構成要素である。磁気記録層28は、垂直磁気記録媒体の構成要素として用いる場合、磁化容易軸が基板面に対して垂直方向に配向している必要がある。具体的には、hcp(0002)面が基板面に平行に配向していることが好ましい。磁気記録層28は、Co基合金からなる強磁性結晶粒を、酸化物を主成分とする非磁性結晶粒が囲むいわゆるグラニュラー構造を呈することが好ましい。グラニュラー構造とすることにより、磁気記録層28の電磁変換特性を十分に担保し、磁気記録媒体40のノイズ低減に起因した優れたS/N比を得ることができる。ここで、「酸化物を主成分とする」とは、他の成分を微量に含有することを妨げない意であり、酸化物が非磁性結晶粒の概ね90モル%以上の比率で存在することを意味する。
強磁性結晶粒を構成するCo基合金としては、CoPtCr、CoPt、CoPtSi、CoPtCrBなどのCoPt基合金、CoCr、CoCrTa、CoCrTaPtなどのCoCr基合金等が挙げられる。中でも、CoPt基合金は、磁気異方性エネルギー(Ku)を高く設定することができる点で好ましい。
非磁性結晶粒を構成する酸化物としては、上記のCo基合金の強磁性結晶粒を磁気的に分離する性能が高いSiO2、Cr23、ZrO2、Al23などが挙げられる。中でも、SiO2は、上記Co基合金からなる強磁性結晶粒を磁気的に分離する性能が優れている点で好ましい。
磁気記録層28は、例えば、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法及び条件を用いて形成することができる。
(保護層30)
保護層30は、図4の磁気記録媒体40の断面視において、当該層30の下方に位置する各層22〜28を保護するとともに、特に、磁気記録層28からのCoの溶出を防止するために配設する構成要素である。保護層30には、垂直磁気記録媒体に通常使用される材料を用いることができる。例えば、ダイヤモンド状カーボン(DLC)、若しくはアモルファスカーボン(好ましくはダイヤモンド状カーボン(DLC))などのカーボンを主体とする保護層、又は磁気記録媒体の保護層として用いることが知られている種々の薄層材料が挙げられる。保護層30の厚さは、垂直磁気記録媒体の構成要素として通常用いられる厚さを適用することができる。
保護層30は、一般に、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法、CVD法などを用いて形成することができる。
(液体潤滑層32)
液体潤滑層32は、任意の構成要素であるが、保護層30と図4には示さないヘッドとの間に生ずる摩擦力を低減し、磁気記録媒体40の優れた耐久性及び信頼性を得る目的で配設する液状の構成要素である。液体潤滑層32の材料としては、磁気記録媒体に通常用いられる材料を使用することができる。例えば、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤などが挙げられる。液体潤滑層32の膜厚は、垂直磁気記録媒体の構成要素として通常用いられる膜厚を適用することができる。液体潤滑層32は、ディップコート法、スピンコート法などの当該技術において知られている任意の塗布方法を用いて形成することができる。
以上のような、構成要素からなる磁気記録媒体は、本発明のガラス基板を用いているため、優れた平坦度(1μm/10mm)以下を実現することができる。このため、当該媒体をハードディスクドライブに組み込んで高速で回転させた場合には、面触れが小さく、ヘッドの追従性に優れるため、高記録密度等の良好な性能を実現することができる。
以下に本発明の効果を実施例により実証する。なお、以下の実施例は、本発明を説明するための代表例に過ぎず、本発明をなんら限定するものではない。
<ガラス基板の形成>
(実施例1)
アルミノシリケイト系ガラス(SiO2:65wt%、Al23:12wt%、Li:7wt%、Na2O:10wt%、ZnO2:2wt%、及び残部)を1400℃で溶融させた溶融ガラスを7cm3用意した。次いで、下面が平面であって上面が凹面のステンレス鋼製の成形金型を用いてプレス成形し、片側のみが略凸レンズ状のブランク材を得た。
このブランク材の形状を、マイクロメーター及び触針式形状測定機フォームトレーサーCS−3100(ミツトヨ製)によって測定したところ、外径約Φ70mm、最厚部2.09mm、最薄部1.20mmであった。また、最厚部の半径方向位置は、ブランク材のほぼ中心であった。
次に、このブランク材を、外径Φ350mmであって、粒度#400の一対のメタルボンドダイヤ砥石によって、上下から挟持した。この状態で、両頭研削盤にて研削加工を行い、板厚0.75±0.01mmの平板とした。この平板の平坦度をニデック製平面度測定機FT−17によって測定したところ、平坦度PV=0.88μm/10mmであった。
次に、外径Φ19.2mmであって、粒度#270のメタルボンドダイヤモンドコアドリルを用いて、ブランク材中央に穴開け加工を行なった。さらに、内周及び外周端を同時に円周加工できる研削盤と溝付ダイヤモンド砥石(粒度#400)を用いて、内径20.01±0.003mm、外径65±0.01mm、同芯度≦10μmとする内外径同時加工を行うとともに、内外周端を、側面部の板厚方向長さが270μmとする端面研磨加工を行った。
さらに、酸化セリウム研磨剤を水に懸濁させたスラリを掛けながら、回転するナイロンブラシを内外周端部に押し当てて、鏡面研磨加工を行なった。その後、セリウム含有パッドを貼った両面研磨盤と酸化セリウム研磨剤と水を縣濁させたスラリを用いて主表面の仕上げ鏡面研磨加工を行い、板厚0.637mmに加工した。また、超音波を併用した弱アルカリ洗浄、純水濯ぎを行い、表面及び側面の研磨剤及び切粉を十分に洗浄した。
続いて、発泡ウレタンパッドを貼った両面研磨盤とコロイダルシリカ研磨液(商品名:コンポール80(フジミインコーポレーテッド))を用いて主表面を最終研磨し、その後超音波を併用した弱アルカリ洗浄、純水濯ぎ、常温IPA浸漬、及びIPAベーパー乾燥からなる精密洗浄乾燥を実施し、板厚0.635±0.01mm、表面粗さRa≦0.3nmの清浄な磁気記録媒体用ガラス基板(実施例1)を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の溶融ガラスを、下面が平面であって上面が凹面のステンレス鋼製の成形金型を用いてプレス成形し、片側のみが略凸レンズ状のブランク材を得た。
このブランク材の形状を、実施例1と同様に測定したところ、外径約Φ70mm、最厚部1.76mm、最薄部1.290mmであった。また、最厚部の半径方向位置は、ブランク材のほぼ中心であった。
次に、このブランク材に対して、実施例1と同様の工法にて主表面の研削加工を行い、板厚0.75±0.01mmの平板とした。その平坦度を実施例1と同様に測定したところ、平坦度PV=0.93μm/10mmであった。
次に、実施例1と同様に、穴開け加工、内外径同時加工、端面研磨加工、主表面の鏡面研磨加工、仕上げ鏡面研磨加工、及び洗浄等を行ない、実施例1と同様の板厚、表面粗さ精度を有する磁気記録媒体用ガラス基板(実施例2)を得た。
(実施例3)
実施例1と同様の溶融ガラスを、下面が平面であって上面が凹面のステンレス鋼製の成形金型を用いてプレス成形し、片側のみが略凸レンズ状のブランク材を得た。しかしながら、このブランク材は、最厚部が中心よりずれた、いびつな略凸レンズ状であった。
このブランク材の形状を、実施例1と同様に測定したところ、外径約Φ70mm、最厚部2.1mm、最薄部1.2mmであった。また、最厚部の半径方向位置は、ブランク材の中心から約15%ずれていた。
次に、このブランク材に対して、実施例1と同様の工法にて主表面の研削加工を行い、板厚0.75mmの平板とした。その平坦度を実施例1と同様に測定したところ、平坦度PV=0.6μm/10mmであった。
次に、実施例1と同様に、穴開け加工、内外径同時加工、端面研磨加工、主表面の鏡面研磨加工、仕上げ鏡面研磨加工、及び洗浄等を行ない、実施例1と同様の板厚、表面粗さ精度を有する磁気記録媒体用ガラス基板(実施例3)を得た。
(実施例4)
実施例1と同様の溶融ガラスを、上下面がともに凹面のステンレス鋼製の成形金型を用いてプレス成形し、両側が略凸レンズ状のブランク材を得た。
このブランク材の形状を、実施例1と同様に測定したところ、外径約Φ70mm、最厚部2.1mm、最薄部1.2mmであった。また、上下面ともに、頂点の半径方向位置は、ブランク材の略中心に位置していた。
次に、このブランク材に対して、実施例1と同様の工法にて主表面の研削加工を行い、板厚0.75mmの平板とした。その平坦度を実施例1と同様に測定したところ、平坦度PV=0.75μm/10mmであった。
次に、実施例1と同様に、穴開け加工、内外径同時加工、端面研磨加工、主表面の鏡面研磨加工、仕上げ鏡面研磨加工、及び洗浄等を行ない、実施例1と同様の板厚、表面粗さ精度を有する磁気記録媒体用ガラス基板(実施例4)を得た。
(実施例5)
実施例1と同様の溶融ガラスを、上下面がともに凹面のステンレス鋼製の成形金型を用いてプレス成形し、両側が略凸レンズ状のブランク材を得た。
このブランク材の形状を、実施例1と同様に測定したところ、外径約Φ70mm、最厚部2.1mm、最薄部1.2mmであった。また、上面の頂点の半径方向位置は、ブランク材の中心から約15%ずれており、下面の頂点の半径方向位置は、ブランク材の中心から約10%上面の頂点とは反対側にずれていた。
続いて、このブランク材の略中央に、ダイヤモンドコアドリルを用いて、Φ19mmの貫通穴を形成し、ドーナツ形状とした。
次に、このブランク材に対して、実施例1と同様の工法にて主表面の研削加工を行い、板厚0.75mmの平板とした。その平坦度を実施例1と同様に測定したところ、平坦度PV=1.1μm/10mmであった。
次に、実施例1と同様に、穴開け加工、内外径同時加工、端面研磨加工、主表面の鏡面研磨加工、仕上げ鏡面研磨加工、及び洗浄等を行ない、実施例1と同様の板厚、表面粗さ精度を有する磁気記録媒体用ガラス基板(実施例4)を得た。
(比較例1)
ソーダライム系板ガラス(SiO2:65wt%、Al23:18wt%、Na2O:10wt%、Ca0:5wt%、及び残部)をダイヤガラス切りにて外径約Φ70mmの円形に切出し、平板のブランク材を得た。
このブランク材の形状を、実施例1と同様に測定したところ、最厚部1.71mm、最薄部1.69mmであった。
続いて、このブランク材の略中央に、ダイヤモンドコアドリルを用いて、Φ19mmの貫通穴を形成し、ドーナツ形状とした。
次に、この状態で、ブランク材の平坦度を実施例1と同様に測定したところ、平坦度PV=2.31μm/10mmであった。
次に、実施例1と同様に、穴開け加工、内外径同時加工、端面研磨加工、主表面の鏡面研磨加工、仕上げ鏡面研磨加工、及び洗浄等を行ない、実施例1と同様の板厚、表面粗さ精度を有する磁気記録媒体用ガラス基板(比較例1)を得た。
(比較例2)
実施例1と同様の溶融ガラスを、下面が凸面であって上面が凹面のステンレス鋼製の成形金型を用いてプレス成形し、一方側が略凹状であって他方側が略凸レンズ状の、断面形状が三日月形のブランク材を得た。
このブランク材の形状を、実施例1と同様に測定したところ、外径約Φ70mm、最厚部1.75mm、最薄部1.31mmであった。また、上面の頂点の半径方向位置は、ブランク材の略中心であった。
次に、このブランク材に対して、実施例1と同様の工法にて主表面の研削加工を行い、板厚0.75mmの平板とした。その平坦度を実施例1と同様に測定したところ、平坦度PV=11.26μm/10mmであった。
次に、実施例1と同様に、穴開け加工、内外径同時加工、端面研磨加工、主表面の鏡面研磨加工、仕上げ鏡面研磨加工、及び洗浄等を行ない、実施例1と同様の板厚、表面粗さ精度を有する磁気記録媒体用ガラス基板(比較例2)を得た。
(比較例3)
実施例1と同様の溶融ガラスを、上下面がともに凸面のステンレス鋼製の成形金型を用いてプレス成形し、両側が略凹状のブランク材を得た。
このブランク材の形状を、実施例1と同様に測定したところ、外径約Φ70mm、最厚部1.64mm、最薄部1.35mmであった。また、両面の最深部の半径方向位置は、ブランク材の略中心であった。
次に、このブランク材に対して、実施例1と同様の工法にて主表面の研削加工を行い、板厚0.75mmの平板とした。その平坦度を実施例1と同様に測定したところ、平坦度PV=5.14μm/10mmであった。
次に、実施例1と同様に、穴開け加工、内外径同時加工、端面研磨加工、主表面の鏡面研磨加工、仕上げ鏡面研磨加工、及び洗浄等を行ない、実施例1と同様の板厚、表面粗さ精度を有する磁気記録媒体用ガラス基板(比較例3)を得た。
<平坦度の評価>
上記のようにして得た実施例1〜5及び比較例1〜3の各ガラス基板について、ニデック製平面度測定機FT−17によって平坦度を測定した結果を以下に示す。
Figure 2010179395
表1によれば、実施例1〜5の各ガラス基板は、いずれも、判定基準をクリアしており、高密度の垂直磁気記録媒体用のガラス基板として使用するのに十分な表面平坦性を有していることが判る。これは、ブランク材を、一方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状とし、かつ、他方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状又は平面状としたことで、研磨後のスプリングバックを高いレベルで抑制できたからであると考えられる。
これに対し、比較例1〜3の各ガラス基板は、いずれも、判定基準をクリアしておらず、高密度の垂直磁気記録媒体用のガラス基板として使用するのに十分な表面平坦性を有していないことが判る。これは、ブランク材を、本発明所定の形状にしていないことから、研磨後のスプリングバックを高いレベルで抑制できなかったからであると考えられる。
比較例1〜3を個別にみると、比較例1のガラス基板は、粗研磨後と比較して若干平坦度の改善は見られるものの、垂直磁気記録媒体用のガラス基板に用いるには十分は平坦度が得られていない。また、比較例2については、比較例1と同様に、粗研磨後と比較して若干平坦度の改善は見られるものの、ブランク材の断面が三ヶ月形状であったため、スプリングバックの影響で、研磨工程において十分に平坦化することができなかったと考える。さらに、比較例3については、比較例1,2と同様に、粗研磨後と比較して若干平坦度の改善は見られるものの、ブランク材の断面が両側略凹状であったため、比較例2ほどではないがスプリングバックの影響で、研磨工程において十分に平坦化することができなかったと考える。
本発明のガラス基板の製造方法によれば、所定形状のブランク材を予め形成し、これを研磨加工することで、ブランク材のスプリングバックを高いレベルで抑制し、ガラス基板の優れた平坦度を実現することができる。従って、本発明は、近年、平坦度が高いレベルで要請され、さらに安価かつ大量に製造することが要請されている、垂直磁気記録媒体の製造に適用することができる点で有望である。
10 両頭研削盤
12a,12b 支持体
14a,14b 円盤型砥石
16a,16b 回転軸
20 ブランク材
22 ガラス基板
24 軟磁性層
26 非磁性シード層
28 磁気記録層
30 保護層
32 潤滑層
40 磁気記録媒体

Claims (2)

  1. 一方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状であり、かつ、他方の面が外周部より中心に向かって徐々に厚くなる略凸レンズ状又は平面状である、ブランク材を得る工程、
    前記ブランク材に中央穴を形成する工程、及び
    前記ブランク材の少なくとも一方の面を研磨加工する工程
    を含むことを特徴とする、ガラス基板の製造方法。
  2. 前記研磨加工する工程が、一対の回転砥石が並行に対向配置され、前記砥石が垂直な方向に移動する両頭研削盤を用いて、前記一対の砥石によって前記ブランク材を挟持し、前記ブランク材を研磨する工程であることを特徴とする、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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