JP2010176881A - 有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明電極の仕事関数を向上させ、低消費電力化を達成でき、良好な表示特性が得られる積層型の有機EL表示装置を得る。
【解決手段】有機層13と15の間、有機層15と17の間に挟まれる透明電極14、16の陽極となる面に対して、10Pa〜10000Paの圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入しながら、紫外線照射処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置や照明装置などに用いられる積層型の有機EL表示装置の製造方法に関する。
多色発光の有機EL素子では、各色の発光素子を並列配置して形成することが一般的である。
一方、各色の発光素子を積層配置した多色発光の有機EL素子も提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、少なくとも2つ以上の発光素子が積層され、各色の発光素子を個別に駆動できるように透明導電層で分けられた積層型の多色発光素子が開示されている。
並列配置の多色発光有機EL素子では、有機層の形成前に有機汚染物を除去するため、また、陽極電極に対しては仕事関数を向上させて正孔の注入性を良くするために紫外線照射処理に代表される有機層形成前処理を施すことが一般的である。
積層型の多色発光有機EL素子においても、基板側の電極が陽極である場合には、公知の有機層形成前処理をすることで、基板側電極から有機層への正孔注入効率を高めることができる。
米国特許第5707745号明細書 特開2005−174639号公報
しかし、2つの有機層間に挟まれる透明導電層(透明電極)に対して公知の有機層形成前処理を行うと、透明電極の下部に位置する有機層がダメージを受け、十分な素子特性が得られない場合がある。
特許文献1及び特許文献2の積層型多色発光素子においても、有機層間に挟まれる透明導電層に対して有機層形成前処理を行っておらず、透明導電層の仕事関数が向上せず、上部に位置する有機層への正孔注入が効率的に行われない。したがって、積層型の有機EL表示装置は、低電圧での駆動が困難で、良好な表示特性が得られないという問題があった。
本発明は、有機層間に挟まれる電極の仕事関数を向上させ、低電圧駆動を可能として低消費電力化を達成でき、良好な表示特性の積層型有機EL表示装置が得られる有機EL表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく成された本発明案の構成は以下の通りである。
即ち、本発明の第一は、2つの電極で発光層を含む有機層を挟持した発光素子を、一方の電極を共有して複数積層した積層型有機EL素子を有する有機EL表示装置の製造方法において、前記有機層と前記有機層との間に挟まれる前記電極の陽極となる面に対して、10Pa〜10000Paの圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入しながら、紫外線照射処理を行うことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
また、本発明の第二は、2つの電極で発光層を含む有機層を挟持した発光素子を、一方の電極を共有して複数積層した積層型有機EL素子を有する有機EL表示装置の製造方法において、前記有機層と前記有機層との間に挟まれる前記電極の陽極となる面に対して、0.1Pa〜10Paの圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入しながら、プラズマ処理を行うことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
本発明によれば、有機層と有機層との間に挟まれる電極の陽極となる面に対して、減圧下にて、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入して、特定の有機層形成前処理を行っている。したがって、電極の下部に位置する有機層へのダメージを防止でき、十分な素子特性が得られる。
また、有機層形成前処理により電極の仕事関数が向上し、上部に位置する有機層への正孔注入が効率が高まる。したがって、積層型の有機EL表示装置の低電圧駆動を可能として低消費電力化を達成できる。
以下、図面を参照して、本発明に係る有機EL表示装置の実施の形態について説明する。なお、本明細書で特に図示または記載されない部分については、当該技術分野の周知もしくは公知技術を適用する。また、以下の実施形態は本発明の例示形態であって、これらに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る有機EL表示装置を構成する有機EL素子の断面構造の一例を示す模式図である。図2は、有機EL表示素子の断面構造の他の例を示す模式図である。
本発明に係る有機EL表示装置は、2つの電極で発光層を含む有機層を挟持した発光素子を、一方の電極を共有して複数積層した積層型有機EL素子を有する。図1に例示する有機EL素子は、トップエミッション型の有機EL素子である。図1において、11は基板、12は第2電極、13は第1有機層、14は第1電極、15は第2有機層、16は第3電極、17は第3有機層、18は第4電極、19は保護層、20は電源手段を示している。
各々の有機層13,15,17は、例えば、4層構成となっており、正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層で構成されているが、これに限定されない。また、図1は一つの画素となる素子を模式的に示しており、有機EL表示装置を構成するには、基板上の表示領域内に第2電極12から第4電極18までを含む積層型の画素ユニットを並列に複数配置する。
第1有機層13、第2有機層15、および第3有機層17に対して、順不同でそれぞれR、G、Bの発光素子を形成すれば、フルカラーの発光表示が可能となる。
あるいは、図2に示すように、図1に示した第3有機層17と第4電極18を形成せず、1画素のユニットを2色発光の素子として構成しもよい。
次に、図1を参照して、上記の有機EL素子の製造方法について説明する。
必要に応じてTFT等のスイッチング素子が形成された基板11上には、第2電極12が形成されている。第2電極12としては、光反射性の部材であることが好ましく、例えば、Cr、Al、Ag、Au、Pt等の金属材料、およびこれらの合金からなることが好ましい。
また、これらの光反射性部材にITO、IZOなどの透明導電材料を積層し、第2電極12を形成してもよい。
このような基板11に対して、公知の手段により、第1有機層13を堆積する。第1有機層13には、有機発光材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料等を用いることができる。
各色の有機発光材料は、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体あるいは複合オリゴ体等が使用できる。ただし、例示の材料に限定されるものではない。
正孔輸送材料としては、フタロシアニン化合物、トリアリールアミン化合物、導電性高分子、ペリレン系化合物、Eu錯体等が使用できるが、限定されるものではない。
電子輸送材料の例としては、アルミに8−ヒドロキシキノリンの3量体が配位したAlq3、アゾメチン亜鉛錯体、ジスチリルビフェニル誘導体系等が使用できる。
電子注入材料としては、Cs、Li、Na、Mgなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属、またそれらの化合物を好適に用いることができる。
上記した電子輸送材料と電子注入材料を混合させた電子注入層を形成することで、より優れた電気特性を与えることができ、有機EL装置の駆動電圧を下げることができる。
各有機層13,15,17の成膜方法としては、真空蒸着法やEB蒸着法、LB法、スピンコート法、インクジェット法、熱転写法などを用いることができる。
第1有機層13の膜厚は0.05μm〜0.3μm程度がよく、好ましくは0.05〜0.15μm程度である。
次に、電極材料の成膜及びパターニングを行い、第1電極14を形成する。第1電極14に用いる電極としては、透明導電膜であるITOやIZOを好適に用いることができる。第1電極14の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等を好適に用いることができる。
また、第1電極14として、AlやAgなどの金属材料薄膜を用いることもできる。この場合の成膜方法としては、真空蒸着法やEB蒸着法、スパッタリング法等を用いることができる。
第1電極14の形成後、本発明の特徴である有機層形成前処理を行う。
有機層形成前処理に紫外線照射処理を用いる場合は、10Pa〜10000Paの圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を導入しながら圧力をコントロールし、低圧水銀ランプやエキシマランプを用いて紫外線を照射する。導入する気体はできるだけ水分を含有しない純酸素や乾燥空気を用いることが望ましい。紫外線照射処理の処理時間は0.5〜20分程度であることが好ましい。
10Pa〜10000Paの圧力下で紫外線照射処理を行うことで、第1電極14の仕事関数を向上させ、清浄化がなされることにより、第1電極14から第2有機層15への正孔注入性を改善し、優れた電圧電流特性を得ることができる。雰囲気圧力が10Pa未満では、オゾン、活性酸素の発生量が少なすぎ、有機層形成前処理の目的である清浄化、仕事関数の向上効果が得られない。雰囲気圧力が10000Paを超えると、酸素および紫外線照射により発生したオゾンや活性酸素が下層である第1有機層13に酸化ダメージを与え、電流特性および発光特性が悪化する。
有機層形成前処理にプラズマ処理を用いる場合は、0.1Pa〜10Paの圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を導入しながら排気し、基板に対向させたリング状電極にRF電力を供給するなどしてプラズマを発生させ、第1電極14を処理する。プラズマ処理の処理時間は0.5〜5分程度であることが好ましい。雰囲気圧力が0.1Pa未満では酸素ラジカル、酸素イオンの発生量が足りず、電極の仕事関数が十分に向上しない。雰囲気圧力が10Paを超えると、酸素ないし不活性ガスのラジカルが多くなり、第1有機層13がダメージを受け、電流特性および発光特性が悪化する。
次に、第1有機層13と同様の方法で、第2有機層15を堆積する。第2有機層15は第1有機層13と異なる発色を呈する有機発光材料を用いる。これにより、1つの画素で2つの発色が可能となる。
次に、第3電極16をスパッタ等により形成する。第3電極16の材料としては、第1電極14と同様の材料、及び形成方法が好ましい。
第3電極16を形成した後、再び本発明の特徴である、減圧下での有機層形成前処理をおこなう。第3電極16の有機層形成前処理としての紫外線照射処理またはプラズマ処理の条件は、上記第1電極14と同様である。
同様にして第3有機層17と第4電極18を形成する。さらに保護膜19として、窒化酸化シリコンを成膜し、有機EL素子を得た。前述したように、有機EL表示装置を構成するには、基板上の表示領域内に第2電極12から第4電極18までを含む積層型の画素ユニットを並列に複数配置する。
この有機EL表示装置の第2電極12、第1電極14、第3電極16は、電源手段20と接続する。この有機EL表示装置の駆動は、第1有機層13を発光させる場合には、第2電極12と第1電極14間に電源手段20により電圧を加える。また、第2有機層15を発光させる場合には、第1電極14と第3電極16間に電源手段20により電圧を加える。さらに、第3有機層17を発光させる場合には、第3電極16と第4電極18間に電源手段20により電圧を加える。
本実施形態の有機EL表示装置によれば、第1有機層13と第2有機層15との間に挟まれる第1電極14、第2有機層15と第3有機層17との間に挟まれる第3電極16の陽極となる面に対して、有機層形成前処理を行っている。この有機層形成前処理は紫外線照射処理またはプラズマ処理であり、減圧下にて、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入して、有機層形成前処理を行っている。したがって、第1電極14、第3電極16の下部に位置する有機層13,15へのダメージを防止でき、十分な素子特性が得られる。
また、有機層形成前処理により第1電極14、第3電極16の仕事関数が向上し、上部に位置する有機層15,17への正孔注入効率が高まる。したがって、積層型の有機EL表示装置の低電圧駆動を可能として低消費電力化を達成できる。
なお、上記の実施形態では、トップエミッション型の積層型有機EL表示装置を示したが、これに限定されるものではなく、ボトムエミッション型の積層型有機EL表示装置構成でも同様の効果が得られる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明に係る有機EL表示装置の製造方法をさらに詳細に説明する。なお、実施例および比較例における実施条件と結果を下記表1にまとめて示す。
<実施例1>
ガラス基板上に、スパッタリング法を用いて、第2電極12となるAg合金膜(膜厚100nm)とIZO(60nm)を積層させた陽極電極を形成し、ポジ型感光性ポリイミド樹脂を全面に形成した。次に、紫外線ランプを用いてパターン露光、現像して、第2電極12を露出させる開口部をもつ素子基板11を作製した。
得られた素子基板11を界面活性剤水溶液で洗浄した後、イオン交換水と純水でリンス洗浄した。
この素子基板を真空乾燥機にて乾燥させた後、真空蒸着装置に接続された紫外線照射処理装置に導入し、低圧水銀ランプ(出力110W)に基板面を対向させた状態で5×10-5Paまで真空排気した。
その後、200slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を紫外線照射処理装置に導入した。そして、装置内の圧力が100000Pa(ほぼ大気圧)となったところで、圧力コントローラにより乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、装置内の圧力を100000Paに維持した。
低圧水銀ランプを点灯させ、紫外線を素子面に照射させた。10分経過したところで照射をやめ、乾燥空気の導入を停止し、速やかに装置内を排気した。
装置内の圧力が1×10-3Paとなったところで素子基板を1×10-5から5×10-4Paに維持された真空蒸着装置に搬送して、次の工程によりG、R、Bの有機層、電極を順次積層した。
陽極上にN,N−α−ジナフチルベンジジン(α−NPD)を50nmの膜厚となるように真空蒸着し、正孔輸送層を形成する。続いてクマリン6とトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)の共蒸着膜(体積比1:99)を20nmの膜厚で成膜して発光層を形成する。次に、電子輸送層としてバソフェナントロリンを10nmの膜厚で成膜する。さらに、炭酸セシウムとバソフェナントロリンの共蒸着膜(体積比0.7:99.3)を40nmの厚さに成膜し、電子注入層とする。これらの積層膜が第1有機層13に相当する。
第1電極14は、IZOターゲットを用い、成膜時圧力1.8Pa、アルゴン流量80sccm、酸素流量0.2sccm、カソード出力850W、カソード電圧250V、の条件下でスパッタリング法により形成した。
第1電極14を形成した素子基板を再び紫外線照射処理装置に搬送して、第1電極14に対する有機層形成前処理を行った。
1slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を紫外線照射処理装置に導入し、装置内の圧力が100Paとなったところで、圧力コントローラにより乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、装置内の圧力を100Paに維持した。
低圧水銀ランプを点灯させ、紫外線を素子面に照射させた。5分経過したところで照射をやめ、乾燥空気の導入を停止し、速やかに装置内を排気した。
真空蒸着装置に搬送し、N,N−α−ジナフチルベンジジン(α−NPD)を50nmの膜厚となるように真空蒸着し、正孔輸送層を形成する。続いてIr(Piq)3とトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)の共蒸着膜(体積比9:91)を40nmの膜厚で成膜して発光層を形成する。次に、電子輸送層としてバソフェナントロリンを10nmの膜厚で成膜する。さらに、炭酸セシウムとバソフェナントロリンの共蒸着膜(体積比0.7:99.3)を40nmの厚さに成膜し、電子注入層とする。これらの積層膜が第2有機層15に相当する。
第2有機層15を形成した後、第1電極14と全く同じ工程により第3電極16を形成し、有機層形成前処理を行った。
第3電極16を形成し、有機層形成前処理を行った素子基板を真空蒸着装置に搬送し、N,N−α−ジナフチルベンジジン(α−NPD)を50nmの膜厚となるように真空蒸着し、正孔輸送層を形成する。続いて、ペリレンとビス[2−メチルー8−キノリナート][パラ−フェニルフェノラート]アルミニウム(BAlq)の共蒸着膜(体積比10:90)を20nmの膜厚で成膜して発光層を形成する。次に、電子輸送層としてバソフェナントロリンを10nmの膜厚で成膜する。さらに、炭酸セシウムとバソフェナントロリンの共蒸着膜(体積比0.7:99.3)を40nmの厚さに成膜し、電子注入層とする。これらの積層膜が第3有機層17に相当する。
第3有機層17を形成した後、第1電極14と全く同じ工程により第4電極18を形成した。
さらに保護膜19として、窒化酸化シリコンを成膜し、有機EL表示装置を得た。
前述した駆動方法により、各色素子それぞれに電力を供給し、電圧電流特性と輝度特性を測定した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.5Vでそのときの輝度は610cd/m2、R:5.0Vで輝度650cd/cm2、B:4.5Vで輝度205cd/cm2であった。このように実施例1の有機EL表示装置は低電圧駆動であり、優れた発光特性を示した。
<実施例2>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理を行い、第1有機層13の形成、および第1電極14の形成を行った。
第1電極14の形成後の有機層形成前処理と、第3電極16形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
100slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を紫外線照射処理装置に導入し、装置内の圧力が10000Paとなったところで、圧力コントローラにより乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、圧力を10000Paに維持した。
低圧水銀ランプを点灯させ、紫外線を素子面に照射させた。5分経過したところで照射をやめ、乾燥空気の導入を停止し、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.8Vでそのときの輝度は575cd/m2、R:5.2Vで輝度550cd/cm2、B:4.6Vで輝度200cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は、実施例1には劣るものの低電圧駆動で優れた発光特性を示した。
<実施例3>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理をおこない、第1有機層13の形成を行った。
第1電極14と第3電極16それぞれの電極形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
1slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を紫外線照射処理装置に導入し、装置内の圧力が20Paとなったところで、圧力コントローラにより乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、圧力を20Paに維持した。
低圧水銀ランプを点灯させ、紫外線を素子面に照射させた。5分経過したところで照射をやめ、乾燥空気の導入を停止し、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.5Vでそのときの輝度は600cd/m2、R:5.3Vで輝度605cd/cm2、B:5.0Vで輝度200cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は、実施例1に比較してRとBの素子について駆動に高電圧が必要であったが、実用上問題ない特性であった。
<比較例1>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極14の有機層形成前処理を行い、第1有機層13の形成、および第1電極14の形成をおこなった。
第1電極14形成後の有機層形成前処理と、第3電極16形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
200slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を紫外線照射処理装置に導入した。装置内の圧力が100000Pa(ほぼ大気圧)となったところで、圧力コントローラにより乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、圧力を100000Paに維持した。
低圧水銀ランプを点灯させ、紫外線を素子面に照射させた。5分経過したところで照射をやめ、乾燥空気の導入を停止し、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:9.0Vでそのときの輝度は460cd/m2、R:10.2Vで輝度475cd/cm2、B:4.7Vで輝度210cd/cm2であった。このように本例では、GとRの素子について駆動に高電圧が必要であり、発光効率も低い特性になっていた。
これは、第1電極14の形成後の有機層形成前処理と、第3電極16形成後の有機層形成前処理において、雰囲気圧力が100000Paと高かったからと考えられる。即ち、オゾンと活性酸素の濃度が高くなってしまい、第1有機層13と第2有機層15が酸化ダメージを受けてしまい、電流特性が損なわれたことを示している。
<比較例2>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極14の有機層形成前処理を行い、第1有機層13の形成、および第1電極14の形成をおこなった。
第1電極14形成後の有機層形成前処理と、第3電極16形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
100slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を紫外線照射処理装置に導入した。装置内の圧力が15000Paとなったところで、圧力コントローラにより乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、圧力を15000Paに維持した。
低圧水銀ランプを点灯させ、紫外線を素子面に照射させた。5分経過したところで照射をやめ、乾燥空気の導入を停止し、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:5.0Vでそのときの輝度は490cd/m2、R:5.6Vで輝度485cd/cm2、B:4.7Vで輝度205cd/cm2であった。このように本例では、Rの素子について駆動に高電圧が必要であり、GとRの素子で発光効率が低い特性になっていた。
これは、第1電極14の形成後の有機層形成前処理と、第3電極16形成後の有機層形成前処理において、雰囲気圧力が15000Paと高かったからと考えられる。即ち、オゾンと活性酸素の濃度が高くなってしまい、第1有機層13と第2有機層15が酸化ダメージを受けてしまい、電流特性が損なわれ、発光効率が低くなったことを示している。
<比較例3>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理をおこない、第1有機層13の形成を行った。
第1電極14と第3電極16それぞれの電極形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
1slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を紫外線照射処理装置に導入し、装置内の圧力が5Paとなったところで、圧力コントローラにより乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、圧力を5Paに維持した。
低圧水銀ランプを点灯させ、紫外線を素子面に照射させた。5分経過したところで照射をやめ、乾燥空気の導入を停止し、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.4Vでそのときの輝度は600cd/m2、R:5.8Vで輝度600cd/cm2、B:5.3Vで輝度200cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は、RとBの素子について駆動に高電圧が必要であった。
これは、第1電極14形成後の有機層形成前処理と、第3電極16形成後の有機層形成前処理において、雰囲気圧力が5Paと低かったからであると考えられる。各電極上面の仕事関数が向上せず、上面に接触する有機層への正孔注入が効率的に行われないため、電流特性が損なわれたことを示している。
<比較例4>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理を行い、第1有機層13の形成を行った。
第1電極14と第3電極16は実施1と同様に形成し、それぞれの電極形成後の有機層形成前処理を全く行わずに有機EL表示装置を作製した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.5Vでそのときの輝度は620cd/m2、R:8.4Vで輝度520cd/cm2、B:7.4Vで輝度155cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は、RとBの素子について駆動に高電圧が必要な特性になっていた。
これは、第1電極14形成後の有機層形成前処理と、第3電極16形成後の有機層形成前処理を行わなかったからであると考える。即ち、各電極上面の仕事関数が向上せず、上面に接触する有機層への正孔注入が効率的に行われないため、電流特性が損なわれたことを示している。
<実施例4>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理を行い、第1有機層13の形成、および第1電極14の形成を行った。
第1電極14の形成後の有機層形成前処理と、第3電極16の形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
即ち、第1電極14ないし第3電極16を形成後、真空蒸着装置に接続されて1×10-5Pa以下の圧力に維持されたプラズマ処理装置に導入した。基板をプラズマ源であるリング状RF電極に対向させた。電極最上部と基板の距離は30mmとした。
装置内が0.8Paとなるように純度99.9%の純酸素ガス(60sccm)を導入し、圧力が安定したところでRF電極に200Wの電力を印加して、プラズマを発生させた。プラズマ発生を確認してから1分間経過したところで電源を切り、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.6Vでそのときの輝度は620cd/m2、R:4.5Vで輝度630cd/cm2、B:4.5Vで輝度200cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は低電圧駆動であり、優れた発光特性を示した。
<実施例5>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理をおこない、第1有機層13の形成を行った。
第1電極14と第3電極16それぞれの電極形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
即ち、第1電極14ないし第3電極16を形成後、真空蒸着装置に接続されて1×10-5Pa以下の圧力に維持されたプラズマ処理装置に導入した。基板をプラズマ源であるリング状RF電極に対向させた。電極最上部と基板の距離は30mmとした。
装置内が5Paとなるように純度99.9%の純酸素ガス(300sccm)を導入し、圧力が安定したところでRF電極に200Wの電力を印加して、プラズマを発生させた。プラズマ発生を確認してから1分間経過したところで電源を切り、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.6Vでそのときの輝度は595cd/m2、R:5.2Vで輝度580cd/cm2、B:4.9Vで輝度190cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は、実施例1および実施例4に比較すると電流特性が劣るものの、実用上問題ないレベルの表示装置であった。
<比較例5>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理をおこない、第1有機層13の形成を行った。
第1電極14と第3電極16それぞれの電極形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
即ち、第1電極14ないし第3電極16を形成後、真空蒸着装置に接続されて1×10-5Pa以下の圧力に維持されたプラズマ処理装置に導入した。基板をプラズマ源であるリング状RF電極に対向させた。電極最上部と基板の距離は30mmとした。
装置内が15Paとなるように純度99.9%の純酸素ガス(500sccm)を導入し、圧力が安定したところでRF電極に200Wの電力を印加して、プラズマを発生させた。プラズマ発生を確認してから1分間経過したところで電源を切り、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:5.8Vでそのときの輝度は470cd/m2、R:5.7Vで輝度465cd/cm2、B:4.5Vで輝度210cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は、GとRの素子について駆動に高電圧が必要で、発光効率が低い特性になっていた。
これは、第1電極14の形成後の有機層形成前処理と、第3電極16の形成後の有機層形成前処理において、雰囲気圧力が15Paと高かったからであると考える。即ち、酸素ラジカルの量が高くなってしまい、第1有機層13と第2有機層15が酸化ダメージを受けてしまい、特性が損なわれたことを示している。
<比較例6>
実施例1で用いた素子基板11を用いて、実施例1と全く同様にして基板電極である第2電極12の有機層形成前処理をおこない、第1有機層13の形成を行った。
第1電極14と第3電極16それぞれの電極形成後の有機層形成前処理を、以下の工程にすること以外は実施例1と全く同様にして有機EL表示装置を作製した。
即ち、第1電極14ないし第3電極16を形成後、真空蒸着装置に接続されて1×10-5Pa以下の圧力に維持されたプラズマ処理装置に導入した。基板をプラズマ源であるリング状RF電極に対向させた。電極最上部と基板の距離は30mmとした。
装置内が0.05Paとなるように純度99.9%の純酸素ガス(20sccm)を導入し、圧力が安定したところでRF電極に200Wの電力を印加して、プラズマを発生させた。プラズマ発生を確認してから1分間経過したところで電源を切り、速やかに装置内を排気した。
得られた有機EL表示装置を実施例1と同様に評価した。電流密度10mA/cm2を流すのに必要な電圧はG:4.4Vでそのときの輝度は600cd/m2、R:8.2Vで輝度405cd/cm2、B:7.6Vで輝度150cd/cm2であった。このように本例の有機EL表示装置は、RとGの素子について駆動に高電圧が必要で発光効率が低い特性になっていた。
これは、第1電極14の形成後の有機層形成前処理と、第3電極16の形成後の有機層形成前処理において、雰囲気圧力が0.05Paと低すぎたからであると考える。即ち、酸素ラジカルないし酸素イオンの量が少なすぎ、第1電極14および第3電極16の仕事関数が十分に向上しなかったために、特性が損なわれたことを示している。
Figure 2010176881
備考:上記表1において、電流特性の評価指標は、電流密度10mA/cm2を流すための駆動電圧が、
◎ G:4.6V未満 R:5.0V未満 B:4.6V未満
○ G:4.6V以上5.1V未満 R:5.0V以上5.5V未満 B:4.6V以上5.1V未満
× G:5.1V以上 R:5.5V以上 B:5.1V以上
本発明に係る有機EL表示装置を構成する有機EL素子の断面構造の一例を示す模式図である。 有機EL素子の断面構造の他の例を示す模式図である。
11 基板
12 第2電極
13 第1有機層
14 第1電極
15 第2有機層
16 第3電極
17 第3有機層
18 第4電極
19 保護層
20 電源手段

Claims (2)

  1. 2つの電極で発光層を含む有機層を挟持した発光素子を、一方の電極を共有して複数積層した積層型有機EL素子を有する有機EL表示装置の製造方法において、
    前記有機層と前記有機層との間に挟まれる前記電極の陽極となる面に対して、10Pa〜10000Paの圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入しながら、紫外線照射処理を行うことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  2. 2つの電極で発光層を含む有機層を挟持した発光素子を、一方の電極を共有して複数積層した積層型有機EL素子を有する有機EL表示装置の製造方法において、
    前記有機層と前記有機層との間に挟まれる前記電極の陽極となる面に対して、0.1Pa〜10Paの圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入しながら、プラズマ処理を行うことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
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