JP2008108515A - 有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光透過性が高く且つ防湿性に優れたパッシベーション層を形成することで、優れた発光特性を長期にわたって安定して維持することができる有機ELディスプレイの製造方法を提供する。
【解決手段】 透明な基板10上に、色変換フィルタ層21、22、23、オーバーコート層30、パッシベーション層40、有機発光素子50、60、70、80が順次積層されている有機ELディスプレイの製造方法において、パッシベーション層40を形成するために、Ti、AlおよびSiからなる群から選ばれる1つの薄膜42を形成する工程と、この薄膜42を紫外線オゾン処理または酸素プラズマ処理により酸化処理する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色変換フィルタ層を備えたカラーの有機ELディスプレイの製造方法に関する。
1987年にイーストマンコダック社のC.W.Tangにより2層積層構成のデバイスで高い効率の有機EL素子が発表されて以来(C.W.Tang, S.A.VanSlyke, Appl. Phys. Lett., 51, 913 (1987))、現在に至る間に様々な有機EL素子が開発されて一部は実用化され始めている。こうした中、フルカラー有機ELパネルの実用化は次世代の有機EL素子パネルとしてその開発が急がれている。
カラー化の方法には、3色塗分け法、色変換法(以下CCM法)、カラーフィルタ法等がある。この方式の中で、CCM法、カラーフィルタ法は、成膜時にメタルマスクを用いる必要が無く、色変換層やカラーフィルタはフォトプロセスで基板上に作製すればよいため大面積、高精細化に関して有利である。色変換方式でパッシブマトリックス駆動の有機ELパネルを作製する場合、基板上にカラーフィルタや色変換層を設けた後、その上にオーバーコート層を設けて平坦化を行う。これらカラーフィルタ、色変換層及びオーバーコート層はフォトリソグラフィにより形成されるため水分が含有されたまま形成される。この水分は駆動等により有機EL層へ拡散しダークスポットの発生、成長を促進する要因となる。よって下の層から水分が有機EL層へ浸入するのを防ぐ必要がある。
水分の浸入を防ぐ方法として、絶縁性の無機酸化物層をパッシベーション膜として形成する方法が知られている(特開平8−279394号公報)。パッシベーション膜には高い防湿性が求められる。その製法としては特開平10−83887号公報や特開平10−10518号公報に示されるようにスパッタリングによりSiOxやSiNxを形成する方法が知られている。カラーフィルタや色変換層は熱に弱いため低温での成膜が必要であり、大面積への対応、量産性の点からもパッシベーション膜の形成にはスパッタリング法が望ましく、主に用いられる。
しかしながら前記の方法では十分な防湿性は得られずダークスポットの発生は押さえられていない。これはパッシベーション膜を形成する際の膜に欠陥が多く、この欠陥からオーバーコート層等の水分が有機EL層に拡散してダークスポットが生じるためである。SiO2をスパッタリングで形成する場合、SiターゲットにArおよび酸素を反応性ガスとして用いる方法や、SiO2をターゲットにする方法があるが、いずれもパーティクル起因の膜欠陥を生じ、防湿性を低下させている。この膜欠陥は、チャンバ内の壁面等から生じるパーティクル起因の膜欠陥と異なり、防着板やチャンバ内及びターゲット表面のクリーニングによっても低減することはできないという問題がある。
また、パッシベーション膜として、特開2003−217851号公報には、SiO、SiN、SiON、AlO、AlN、AlON等の絶縁膜に金属膜を積層させた構造が、また特開平10−275680号公報には、有機層と金属層の2層または無機層と金属層の2層を含む多層構造が開示されている。前者の金属膜は、駆動時の放熱と有機EL層への水分浸入防止のために形成されたものであるが、本公報に記載されているように金属膜(Ag、Al、Au、Cu、Cr)の厚さを30nmと薄くしても依然として光透過性は低く、発光効率の低下をもたらすという問題がある。また、後者の金属層も厚さが200nmあり、光透過性が非常に低いという問題がある。
特開2003−217851号公報 特開平10−275680号公報
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、光透過性が高く且つ防湿性に優れたパッシベーション層を形成することで、優れた発光特性を長期にわたって安定して維持することができる有機ELディスプレイの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、色変換フィルタ層、オーバーコート層、パッシベーション層、有機発光素子が順次積層されている有機ELディスプレイの製造方法において、前記パッシベーション層を形成するために、Ti、AlおよびSiからなる群から選ばれる1つの薄膜を形成する工程と、この薄膜を紫外線オゾン処理または酸素プラズマ処理により酸化処理する工程とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明は、別の態様として、色変換フィルタ層、オーバーコート層、パッシベーション層、有機発光素子が順次積層されている有機ELディスプレイの製造方法において、前記パッシベーション層を形成するために、Mo、Ti、AlおよびSiからなる群から選ばれる1つの薄膜を形成する工程と、この薄膜を窒素プラズマ処理により窒化処理する工程とを含むことを特徴とするものである。
前記パッシベーション層を形成するために、前記酸化処理または窒化処理した薄膜の前記オーバーコート層側または前記有機発光素子側の少なくとも一方に、無機絶縁膜を積層する工程を更に含むことがこのましい。
パッシベーション層としてシリコン酸化物または窒化物を形成する場合、酸素等の反応性ガスを用いると、またはシリコン酸化物もしくは窒化物のターゲットを用いると、ターゲット表面が部分的に酸化し絶縁化することでアーキングが起き易く、これによってパーティクルが発生し膜欠陥となる。一方、Ti、AlまたはSi単体の薄膜は、パーティクルの発生を極めて少なく抑えて成膜することができるので、欠陥が少なく優れた防湿性を有するとともに、成膜後に紫外線オゾン処理または酸素プラズマ処理により酸化処理することでその光透過性をシリコン酸化物と同等レベルまで向上させることができる。したがって、上記のようにTi、AlまたはSiの薄膜を形成した後これを上記酸化処理することによって、光透過性が高く且つ防湿性に優れたパッシベーション層を形成することができる。
また同様に、Mo、Ti、AlまたはSiの薄膜は、パーティクルの発生を極めて少なく抑えて成膜することができるので、欠陥が少なく優れた防湿性を有するとともに、成膜後に窒素プラズマ処理により窒化処理することでその光透過性をシリコン窒化物と同等レベルまで向上させることができる。したがって、上記のようにMo、Ti、AlまたはSiの薄膜を形成した後これを上記窒化処理することによって、光透過性が高く且つ防湿性に優れたパッシベーション層を形成することができる。
さらに、前記酸化処理または窒化処理した薄膜の少なくとも一方の側に、無機絶縁膜を積層することで、無機絶縁膜の欠点でもあるピンホールの経路を絶つことができ、本来優れたバリア性を有する前記無機絶縁膜の特性を生かしたパッシベーション膜とすることができる。
このように、本発明によれば、光透過性が高く且つ防湿性に優れたパッシベーション層を形成して、優れた発光特性を長期にわたって安定して維持することができる有機ELディスプレイの製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る有機ELディスプレイの製造方法の一実施の形態について説明する。なお、色変換方式の有機ELディスプレイを使って説明するが、本発明は白色カラーフィルタ方式の有機ELディスプレイに対しても適用が可能である。図1は、本実施の形態の有機ELディスプレイの構造を模式的に示す断面図である。
(1.色変換フィルタ層の形成)
本実施の形態では図1に示すように、先ず基板10上に色変換フィルタ層を形成する。基板10は、色変換フィルタ層によって変換された光に対して透明であり、色変換フィルタ層やオーバーコート層30等の形成条件(溶媒、温度等)に耐えることができ、さらに寸法安定性に優れていることが好ましい。基板10の材料としては、ガラスの他、ポリエチレンテレフタレートやポリメチルメタクリレート等の樹脂が好ましい。
本明細書において、色変換フィルタ層とは、カラーフィルタ層21および/または色変換層22並びにブラックマスク23の積層体の総称である。フルカラー表示を可能にするためには、少なくとも赤、緑、青(以下RGBと略す)の3色の光を放出する必要がある。よってRGBの3色を発光させるために基板10上にカラーフィルタ21および色変換層22をフォトプロセスで形成する。
このときRGB各色の色変換層22は有機EL層70からの光をそれぞれの色に効率よく変換するために12μm程度の厚さにする必要がある。また、色のにじみを防止するためにもブラックマスク23を形成して各色変換層22間の重なりがないようにする必要がある。例えば、70dpiの場合、RGBのサブピクセルは120μm間隔で並ぶことになり、色のにじみを防止するためにRGBの各色変換層22を約10μm離して形成する必要がある。その結果、サブピクセル間に幅10μm深さ12μmの溝が形成される。
この上に第1電極50や有機EL層70を形成するためには、この溝を埋めて平坦化する必要がある。よって色変換フィルタ層を覆うように基板10上にオーバーコート層30を形成する。オーバーコート層30としては、アクリル系のレジスト材料等が好ましい。また、オーバーコート層30はスパッタ法等の乾式法や、スピンコート法等の湿式法といった慣用の手法により形成することができる。
(2.パッシベーション層の形成)
オーバーコート層30に残留している微量の水分が有機EL層70へ拡散してダークスポットを発生させるのを防ぐため、オーバーコート層30上にパッシベーション層40を形成する。本実施の形態では、パッシベーション層40は、第1の無機絶縁膜41と、酸化処理されたTi、AlまたはSiの薄膜42と、第2の無機絶縁膜43との3層により構成されている。
第1の無機絶縁膜41は、電気的絶縁性を有し、ガス、有機溶剤及び水に対するバリア性を有し、可視域における高い光透過性を備えることが好ましい。第1の無機絶縁膜41としては、Si、Al、Tiの酸化物、酸窒化物、窒化物等が好ましく、コストの面からスパッタリングで形成することが好ましい。膜厚は100nm以上が好ましい。この範囲の膜厚にすることで水分透過性を抑えることができる。
次いで第1の無機絶縁膜41上に、Ti、AlまたはSiの薄膜42を形成する。この薄膜42は、Arガスによるスパッタリングで形成することでパーティクルの発生を極めて少なく抑えることができる。実際、薄膜42に発生した0.2μm以上の大きさの欠陥、パーティクルの数は約1個/cm2であった。一方、SiO2、IZO、ITO等の酸化物やSiN等の窒化物ターゲットを用いてRFスパッタリングしても、上記したようにアーキングによるパーティクルの発生が多く、厚さ300nmのSiO2の場合、0.2μm以上の大きさの欠陥、パーティクルの数が20個/cm2以上生じた。すなわち、酸化物または窒化物に比べて、欠陥、パーティクルの数を1/20以下にすることができる。
薄膜42を成膜後、紫外線オゾン処理または酸素プラズマ処理を行う。これによりTi、AlまたはSiの薄膜は酸化処理され、その光透過率が飛躍的に向上する。酸化処理の前後のAlの光透過率を図2に示す。図2に示すように、酸化処理前のAlの光透過率は、波長400〜800nmの範囲で約5〜25%と低かったが、酸化処理後の光透過率は約50〜95%と飛躍的に向上した。なお、Alは膜厚が15nmと25nmの2種類を用い、酸化処理としてUVオゾン酸化処理を行った。
薄膜42の膜厚は10〜100nmが好ましい。膜厚が10nm未満では薄膜42の連続性を維持することが困難となる。一方、100nmを超えると酸化処理、窒化処理を行っても透過率が下がってしまうため好ましくない。より好ましい膜厚は20〜60nmである。薄膜42はスパッタリングで形成することが好ましい。紫外線オゾン処理は、エキシマランプまたは低圧水銀ランプを使用することが好ましく、また照射距離2〜20mm、照度0.5〜3mW/cm2等の条件で行うことが好ましい。酸素プラズマ処理は、酸素ガス流量0.5〜5L/min等の条件で行うことが好ましい。
さらに酸化処理をした薄膜42上に第2の無機絶縁膜43を形成する。第2の無機絶縁膜43は、第1の無機絶縁膜41と同じ材料および形成条件でよい。以上により3層からなるパッシベーション層40を形成することができる。なお、パッシベーション層40は、酸化処理を行った薄膜42のみでもよいが、ガス及び水分透過性の点で、第1および第2の無機絶縁膜41、43を形成することが好ましい。
また、パッシベーション層40として、本実施の形態では薄膜42を紫外線オゾン処理または酸素プラズマ処理により酸化処理したが、薄膜42を窒素プラズマ処理により窒化処理することもできる。この場合、薄膜42としては、上記と同様に、Arガスによるスパッタリングで形成することでパーティクルの発生を極めて少なく抑えることができるとともに、窒化処理により光透過率が飛躍的に向上する点から、Mo、Ti、AlまたはSiを用いる。窒化処理する場合も上記と同様に薄膜42の膜厚は10〜100nmが好ましい。
(3.有機発光素子の形成)
次に、パッシベーション層40上に有機発光素子を形成する。本明細書において、有機発光素子とは、第1電極50、電極分離隔壁、有機EL層70および第2電極80の積層体の総称である。先ず、第2の無機絶縁膜43上に第1電極50を形成する。第1電極50は、外部駆動回路との接続部から表示部まで形成される。第1電極50の材料としては、第1電極50を通して光が放出されるため、有機EL層70の発する光の波長域において透明なITO(インジウム−スズ酸化物)やIZO(インジウム−亜鉛酸化物)等を用いることが好ましい。特にIZOは、室温成膜により比較的低抵抗で平滑な膜が得られるとともに、弱酸によるパターニングが可能となる点でより好ましい。
第1電極50を短冊状にパターニングした後、第1電極50間の第2の無機絶縁膜43上に、陰極分離隔壁60を形成する。これにより陰極(第2電極80)をパターニングすることができる。陰極分離隔壁60は逆テーパー形状を有することが好ましい。陰極分離隔壁60としては、アクリレート等のネガ型のフォトレジストやノボラック樹脂等のネガ型フォトレジストを用いることができる。なお、第2電極80を目的の形状に開口部を形成したマスクにより成膜する場合には陰極分離隔壁60を用いる必要はない。
第1電極50上には表面処理として酸素プラズマ処理または紫外線オゾン処理を行う。紫外線オゾン処理には上記と同様にエキシマランプまたは低圧水銀ランプを用いる。第1電極50のIZOまたはITOの表面にこれらの処理を施すことで、レジスト残渣は分解除去され仕事関数は5.1eV程度に深くなる。
上記処理後、有機EL層70を形成する。有機EL層70は、少なくとも有機EL発光層を含み、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層および/または電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、下記のような層構成からなるものが採用される。なお、下記において、陽極は有機EL発光層または正孔注入層に接続され、陰極は有機EL発光層または電子注入層に接続される。
(a)有機EL発光層
(b)正孔注入層/有機EL発光層
(c)有機EL発光層/電子注入層
(d)正孔注入層/有機EL発光層/電子注入層
(e)正孔注入層/正孔輸送層/有機EL発光層/電子注入層
上記各層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、有機発光EL層として青色から青緑色の発光を得るためには、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物等が好ましく使用される。
有機EL層70を形成した後、第1電極のラインと直交するパターンマスクを用いて、短冊状の第2電極80を形成する。第2電極80形成後、封止することで有機ELディスプレイを得ることができる。封止としては、酸化シリコンや酸化窒化シリコン等の無機膜を連続的に形成する方法や、ガラス基板、SUS缶、ポリカーボネート等のフィルム基板を用いてUV硬化樹脂等により透明支持基板と接着する方法を用いて行うことができる。
なお、基板10および第1電極50が透明であるボトムエミッション型の有機ELディスプレイについて説明してきたが、本発明は、第2電極80を透明にして、第2電極80側にパッシベーション層40、オーバーコート層50、色変換フィルタを設けることで、トップエミッション型の有機ELディスプレイにも適用することができる。
以下の手順にて有機ELディスプレイを作製した。先ず、透明基板上に、RGBのカラーフィルタ層と厚さ12μmの色変換層を積層し、色変換フィルタ層を形成した。なお、70dpiの解像度とするため、RGBの各サブピクセルの幅を110μm、サブピクセル間を10μmとした。そして、この色変換フィルタ層を平坦化するためにアクリル系のレジスト材料でオーバーコート層を形成した。
次に、第1の無機絶縁膜として、ACスパタリングにより厚さ150nmのSiO2膜を形成した。ターゲットには単結晶Siを用いてArを200sccm、反応性ガスとしてO2ガスを80sccm流してガス圧0.5Paとし、1.5kWのパワーで成膜した。続いてDCスパッタリングで厚さ10nmのTi金属膜を形成した。ターゲットにはTi(99.999%)を用いて、Arガスを150sccm流し、1kWのパワーで成膜した。その後、紫外線オゾン処理を行った。大気環境下でエキシマランプを使用し、基板とランプハウスの距離を5mmとし、1.5nW/cm2の照度で30分処理した。そして、第2の無機絶縁膜層として、第1の無機絶縁膜層と同様の条件で厚さ150nmのSiO2膜を形成した。
さらに、DCスパッタリング法(ターゲット:IZO(In203−10%ZnO)、スパッタガス:Ar、パワー250W)によって、厚さ220nmのIZOを積層して陽極を形成し、次にフォトリソグラフィによりIZOを所定のパターンに形成した。その後、陰極分離隔壁用のネガ型ノボラック樹脂(ZPN1168:日本ゼオン社製)を塗布し、露光、現像、ボストベーク(150℃、30分の加熱)を行い、所定のパターニングを行った。次に、紫外線照射処理を行った。エキシマランプを用いて照射距離5mmで大気雰囲気中にて3分間照射した。その後、直ちに有機蒸着装置において陽極の上に有機EL層として、NPBからなる厚さ40nmの正孔注入層、Alq3からなる厚さ60nmの有機EL発光層、LiFからなる厚さ1nmの電子注入層を順に積層した。最後に厚さ100nmのAl金属を陰極として製膜した。その際、1×10-3Pa以下の圧力、0.2nm/sの成膜速度とした。
(比較例)
パッシベーション層として、ACスパタリングにより厚さ300nmのSiO2膜のみを形成したことを除いて、上記の実施例と同様の手順にて有機ELディスプレイを作製した。なお、SiO2の製膜条件は、実施例と同様にした。
(信頼性評価)
上記の実施例および比較例の有機ELディスプレイの信頼性評価を行った。80℃、100cd/m2で1000時間の高温通電寿命試験を行った有機ELディスプレイについて、ダークスポットの発生を調査した。その結果(300ピクセルの平均値)を表1に示す。またその際の有機ELディスプレイのピクセルの平面図を図3に示す(図3中、1がRGBのサブピクセルであり、3がダークスポットである)。表1および図3に示すように、パッシベーション層としてSiO2スパッタ膜に加えて酸化処理したTi金属膜を形成した実施例は、SiO2スパッタ膜のみの比較例に比べて、ダークスポットの発生を極めて少なく抑えることができた。
Figure 2008108515
また、Tiに代えてSiを用いたことを除き、同様の条件で信頼性評価を行った。その結果を表1に示す。Siを用いた場合も、Tiと同様に、ダークスポットの発生を極めて少なく抑えることができた。
本発明に係る有機ELディスプレイの構造の一例を模式的に示す断面図である。 酸化処理によるAl金属膜の光透過率の変化を示すグラフである。 有機ELディスプレイのRGBサブピクセルの発光写真に基づく図面である。
符号の説明
1 サブピクセル
3 ダークスポット
10 基板
21 カラーフィルタ
22 色変換層
23 ブラックマスク
30 オーバーコート層
40 パッシベーション層
41 第1の無機絶縁膜
42 酸化処理をした薄膜
43 第2の無機絶縁膜
50 第1電極
60 陰極分離隔壁
70 有機EL層
80 第2電極

Claims (3)

  1. 色変換フィルタ層、オーバーコート層、パッシベーション層、有機発光素子が順次積層されている有機ELディスプレイの製造方法であって、前記パッシベーション層を形成するために、Ti、AlおよびSiからなる群から選ばれる1つの薄膜を形成する工程と、この薄膜を紫外線オゾン処理または酸素プラズマ処理により酸化処理する工程とを含む有機ELディスプレイの製造方法。
  2. 色変換フィルタ層、オーバーコート層、パッシベーション層、有機発光素子が順次積層されている有機ELディスプレイの製造方法であって、前記パッシベーション層を形成するために、Mo、Ti、AlおよびSiからなる群から選ばれる1つの薄膜を形成する工程と、この薄膜を窒素プラズマ処理により窒化処理する工程とを含む有機ELディスプレイの製造方法。
  3. 前記パッシベーション層を形成するために、前記酸化処理または窒化処理した薄膜の前記オーバーコート層側または前記有機発光素子側の少なくとも一方に、無機絶縁膜を積層する工程を更に含む請求項1または2に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
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