JP2010174865A - 液体噴射供給装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射供給装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010174865A
JP2010174865A JP2009021872A JP2009021872A JP2010174865A JP 2010174865 A JP2010174865 A JP 2010174865A JP 2009021872 A JP2009021872 A JP 2009021872A JP 2009021872 A JP2009021872 A JP 2009021872A JP 2010174865 A JP2010174865 A JP 2010174865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
liquid
pressure
pulse
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009021872A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kiuchi
英雄 木内
Yukio Tomiita
幸生 富板
Tatsusuke Yamamoto
辰介 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009021872A priority Critical patent/JP2010174865A/ja
Publication of JP2010174865A publication Critical patent/JP2010174865A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】燃料噴射弁1の中に、燃料供給ポンプ56から供給されてきた燃料の圧力を上昇させうる加圧蓄圧機構を設け、この燃料噴射弁1から燃料を噴射する燃料噴射供給装置として使用できる液体噴射供給装置の制御方法を提供する
【解決手段】インジェクタ部3とポンプ部2とが燃料噴射弁(1)内に内蔵され、ポンプ部2は、加圧部材9と、駆動パルス70による加圧部材9の伸長で圧縮される蓄圧室6と、圧縮された蓄圧室内の圧力を保持する逆止弁7を有する。ポンプ部2によって噴射の直前に燃料噴射弁1内で昇圧された燃料は、噴射パルス(72)によるインジェクタ部3の開閉により、噴射される。噴射の後に加圧部材9を収縮させ、これにより、燃料供給ポンプ56は、より低圧タイプを使用でき、エネルギ効率が改善される。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体を加圧して供給する供給ポンプの吐出側に設けられた噴射弁から、上記液体を噴射する液体噴射供給装置の制御方法に関するものである。特に、自動車のエンジンに燃料を噴射する燃料噴射供給装置の制御方法に使用することが出来る。
従来、特許文献1が知られている。この特許文献1には、燃料噴射弁が記載されている。この燃料噴射弁は、ケースの先端にノズル部を備え、ノズル部の後方(エンジンから離れる方向)に、弁室を備えている。そして、弁室の更に後方には、ピストンが設けられている。
そして、ピストンが、圧電素子を使用した加圧部材(圧電アクチュエータまたはピエゾスタックとも呼ばれる)で駆動されることにより、上記弁室内のニードル弁が駆動されて、ノズル部からの燃料の噴霧が制御される。
この燃料噴射弁によれば、燃料タンク内の燃料が、電動式や機械式の燃料供給ポンプによって加圧されて、上記燃料噴射弁のニードル弁の開閉によって、所定のタイミングで、噴霧となって、エンジン内に供給される。
また、特許文献2が知られている。これはニードル弁の背圧を切替えるために、ピエゾスタックを使用するものである。そして、インダクター回路を介してピエゾスタックに充電または放電することにより、ニードル弁が、開弁または閉弁状態に切り替えられるものである。そして、インダクター回路のインダクタンスを自在に補正して、ピエゾスタックの作動速度を加減して、ニードル弁の応答性を調整し、噴射量の調整を行っている。
実開昭63−156461号公報 特開2001−82281号公報
このような燃料噴射弁は、燃料噴射弁自身に、燃料を高圧化する加圧蓄圧機構を備えておらず、燃料噴霧の微粒化のためには、燃料噴射弁の外部に、高圧燃料を吐出できる燃料供給ポンプを必要とする。
即ち、この燃料供給ポンプで、必要な燃料圧を確保しなければならない。このような高圧燃料の吐出に燃料ポンプを使用すると、大きな消費電流を流すことが必要になり、大型の車載発電機やバッテリが必要で、自動車の場合、総合的な燃費が悪化するという問題が生じている。
一方、燃料供給ポンプの消費電流、または機械式燃料供給ポンプの必要動力を低減するために、単に、これらの燃料供給ポンプのポンプ吐出圧を下げると、燃料噴射弁から噴き出される噴霧の状態が悪化する。この結果、排ガスの状態が悪化し、クリーンな排ガスの排出がなされない結果となり、環境問題に影響を及ぼす。
ところが、近年、排ガスの更なるクリーン化、及び自動車燃費向上の要望が高まっている。この為、燃料噴射弁とは別構成のポンプ吐出圧力を高くする構成(例えば、第2のポンプで燃料ポンプの圧力を昇圧すること)が考えられるが、これによっても、上述の様に消費電力の増大や、必要動力上昇を伴い、自動車の総合燃費向上が出来ない。
同様の問題は自動車のみでなく、内燃機関全般に言えることである。更には、薬剤の様な液体を噴霧する液体噴射供給装置の制御方法に対しても、当てはまる。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、噴射弁自身の中に、供給ポンプから供給されてきた液体の圧力を上昇させ得る加圧蓄圧機構を設け、このような加圧蓄圧機構を持った燃料噴射弁から液体を噴射する液体噴射供給装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。即ち、請求項1に記載の発明では、タンク(52)内の液体が供給ポンプ(56)で加圧され、この加圧された液体を噴射弁(1)で噴霧する液体噴射供給装置の制御方法であって、液体噴射供給装置は、インジェクタ部(3)とポンプ部(2)とが噴射弁(1)内に内蔵され、ポンプ部(2)は、噴射弁(1)内で液体を昇圧し、インジェクタ部(3)により所定の噴射圧力で液体が噴射されることにより減圧された液体を再度昇圧することを繰り返す往復運動を行うものから成り、液体噴射供給装置内の制御手段(250)によって、インジェクタ部(3)に印加する噴射パルス(72)と、ポンプ部(2)に印加する駆動パルス(70)が生成され、該駆動パルス(70)は噴射パルス(72)よりも早く立ち上がることを特徴としている。
この発明によれば、噴射弁(1)内で、昇圧された液体を、噴射弁(1)内のインジェクタ部(3)で噴霧するから、液体の昇圧のために運転し続ける供給ポンプ(56)の動力が削減できる。また、駆動パルスは噴射パルスよりも早く立ち上がることにより、噴射がはじめるタイミングより前に噴射弁(1)内の液体を昇圧できる。
請求項2に記載の発明では、液体噴射供給装置のポンプ部(2)は、加圧部材(9)と、該加圧部材(9)の変位で内部の液体が圧縮される蓄圧室(6)と、該蓄圧室(6)での液体の加圧後に、蓄圧室(6)内の液体を蓄圧室(6)内に保持する逆止弁(7)を有し、ポンプ部(2)に印加する駆動パルス(70)で加圧部材(9)が変位し内部の液体が圧縮された後、逆止弁(7)によって蓄圧室(6)内の液体の逆流を防止してから、インジェクタ部(3)に印加する噴射パルス(72)を立ち上げるように、駆動パルス(70)の立ち上がり時点と噴射パルス(72)の立ち上がり時点の間に遅延時間(Td)を設定したことを特徴としている。
この発明によれば、ポンプ部(2)は、加圧部材(9)と、該加圧部材(9)の変位で圧縮される蓄圧室(6)と、該蓄圧室(6)の圧縮時に蓄圧室(6)内の液体を蓄圧室(6)内に保持する逆止弁(7)を有することにより、噴射直前に昇圧され、逆流を防止して圧力が正常に保持された液体を噴射でき、噴霧性能が低下しない。
請求項3に記載の発明では、加圧部材(9)は、圧電式または電磁式の加圧部材(9)の伸長時に、蓄圧室(6)での液体の加圧を行い、加圧部材(9)の収縮時に蓄圧室(6)への逆止弁(7)を介する液体の補充を行うことを特徴としている。
この発明によれば、加圧部材(9)が、往復運動する圧電式の加圧部材(9)、または電磁式の加圧部材(9)から成り、消費電力を少なくして、補充された分だけの液体の昇圧が可能となる。
請求項4に記載の発明では、供給ポンプ(56)の吐出圧が、噴射弁(1)の噴射圧力より所定量低く設定されて供給ポンプ(56)から噴射弁(1)内に液体が供給され、噴射弁(1)のポンプ部(2)が、噴射弁(1)内で液体を所定量昇圧するように、ポンプ部(2)に印加する駆動パルス(70)が生成されることを特徴としている。
この発明によれば、供給ポンプ(56)の吐出圧が低くされるから、タンク(52)内の液体を加圧して噴射弁(1)に供給するときの供給ポンプ(56)の消費電力または動力を低減することが出来る。
請求項5に記載の発明では、更に、供給ポンプ(56)の吐出側に圧力調整弁(61)を有し、タンク(52)内の液体を加圧して噴射弁(1)に供給する供給ポンプ(56)の吐出側の圧力が、圧力調整弁(61)により噴射弁(1)の噴射圧力より所定量低く設定されて供給ポンプ(56)から噴射弁(1)内に液体が供給され、噴射弁(1)のポンプ部(2)が、噴射弁(1)内で液体を所定量昇圧するように、ポンプ部(2)に印加する駆動パルス(70)が生成されることを特徴としている。
この発明によれば、圧力調整弁(61)により供給ポンプ(56)の吐出側の圧力が、噴射弁(1)の噴射圧力より低くされるから、タンク(52)内の液体を加圧して噴射弁(1)に供給するときの供給ポンプ(56)の消費電力または動力を低減することが出来る。
請求項6に記載の発明では、噴射弁(1)には、加圧部材(9)を駆動する駆動パルス(70)と、インジェクタ部(3)を駆動する噴射パルス(72)とが電気信号として制御手段(250)から印加され、加圧部材(9)に駆動パルス(70)が印加されて加圧部材(9)が伸張し、蓄圧室(6)内の圧力が昇圧された後に、噴射パルス(72)の印加により蓄圧室(6)内の圧力で噴射弁(1)先端から液体が噴射され、噴射パルス(72)の印加終了後に、予め設定された追加遅延時間Tα遅れて、駆動パルス(70)の印加が終了することを特徴としている。
この発明によれば、駆動パルス(70)が蓄圧室(6)内の圧力を昇圧させた後の噴射パルス(72)の印加により、昇圧された蓄圧室(6)内の圧力で、噴射弁(1)から液体が噴射される。また、確実に噴射パルス(72)の印加中は、駆動パルス(70)の印加により蓄圧室(6)内の圧力が保持される。
請求項7に記載の発明では、ポンプ部(2)は、駆動パルス(70)が印加された加圧部材(9)の伸張で液体を加圧するものから成り、噴射弁(1)から液体が噴射された後、加圧部材(9)の駆動パルス(70)の印加がなくなると、加圧部材(9)が収縮し、逆止弁(7)を開弁させて、蓄圧室(6)内に供給ポンプ(56)からの液体を所定吸引量だけ吸引し、次の液体の噴射のために所定吸引量分の吸引が終わった後に、次期の駆動パルス(70)が加圧部材(9)に印加されることを特徴としている。
この発明によれば、次期の駆動パルス(70)のタイミングが調整されて、逆止弁(7)を介して、次の液体の噴射のために、供給ポンプ(56)から液体を蓄圧室(6)内に充分な所定吸引量だけ吸引することができる。
請求項8に記載の発明では、制御手段(250)によって、インジェクタ部(3)に印加する噴射パルス(72)のための第2噴射パルス(Pi2)が演算され、該第2噴射パルス(Pi2)によって駆動パルス(70)が生成され、第2噴射パルス(Pi2)は、遅延手段(202)によって、予め設定された遅延時間(Td)だけ駆動パルス(70)よりも遅く立ち上がる第3噴射パルス(Pi3)に変換され、該第3噴射パルス(Pi3)からインジェクタ部(3)に印加する噴射パルス(72)が生成されることを特徴としている。
この発明によれば、駆動パルス(70)は噴射パルス(72)よりも、予め設定された遅延時間(Td)だけ早く立ち上がることにより、噴射がはじめるタイミングより任意の所定時間前に、ポンプ部(2)によって、噴射弁(1)内で液体を昇圧できる。
請求項9に記載の発明では、制御手段(250)内に演算手段(200、201)と補正手段(203)を有し、演算手段(200、201)によって演算された噴射パルス(72)の噴射パルス幅の情報によって、最終的にインジェクタ部(3)に印加される噴射パルス(72)の噴射パルス幅が加減されるように、補正手段(203)によって噴射パルス幅が補正されて、最終的にインジェクタ部(3)に印加される噴射パルス(72)が得られることを特徴としている。
この発明によれば、液体が噴射されることにより減圧されるときの減圧の程度が、噴射パルス幅に応じてばらついても、所望の噴射量が得られるように補正することが出来る。
請求項10に記載の発明では、制御手段(250)内の演算手段(200、201)によって演算された第3噴射パルス(Pi3)の噴射パルス幅の情報によって、最終的にインジェクタ部(3)に印加される噴射パルス(72)の噴射パルス幅が加減されるように、補正手段(203)によって、第3噴射パルス(Pi3)を補正して、最終的にインジェクタ部(3)に印加される噴射パルス(72)を得ることを特徴としている。
この発明によれば、液体が噴射されることにより減圧されるときの減圧の程度が、噴射パルスの噴射パルス幅に応じてばらついても、所望の噴射量が得られるように、最終的にインジェクタ部(3)に印加される噴射パルス(72)が、生成される直前の第3噴射パルス(Pi3)の噴射パルス幅の情報によって、補正出来る。
請求項11に記載の発明では、液体は燃料から成り、供給ポンプ(56)は燃料供給ポンプ(56)から成り、噴射弁(1)は、エンジン内に燃料を噴射する燃料噴射弁(1)から成り、制御手段(250)は、燃料の噴射を制御する制御装置から成り、ポンプ部(2)によって昇圧された燃料を、インジェクタ部(3)によってエンジン内に所定の噴射圧力で噴射することを特徴としている。
この発明によれば、燃料噴射弁(1)内で、噴射の直前に昇圧された燃料を、噴射弁(1)内のインジェクタ部(3)で噴射するから、燃料の昇圧のために作動し続ける燃料供給ポンプ(56)の消費動力が削減できる。よって、エンジンの燃費が向上する。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態における燃料噴射弁の縦断面図である。 上記実施形態における自動車の燃料噴射供給装置の全体模式図である。 上記実施形態における燃料噴射弁に印加する駆動パルスと蓄圧室内圧力と噴射パルスとの関係を示す波形図である。 上記実施形態における燃料噴射供給装置の高流量型と低流量型の燃料供給ポンプの特性図である。 上記実施形態における自動車の燃料噴射供給装置の制御装置のブロック構成図である。 上記実施形態における燃料噴射弁に印加する駆動パルスと蓄圧室内圧力と噴射パルスとの厳密な関係を示す波形、及び波形に対応する噴射量特性を説明するグラフである。 上記図6の噴射量特性を説明するグラフの一部拡大説明図である。 上記実施形態における上記制御装置のブロック構成においてマップ手段内に格納された補正時間情報のグラフである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に使用する液体噴射供給装置ついて図1乃至図4を用いて、説明する。図1は、燃料噴射弁1の縦断面図である。燃料噴射弁1は、大きく分けて、ポンプ室2とインジェクタ部3で構成されている。そして、ハウジングと成る合成樹脂製の筒部4でポンプ室2と電磁式のインジェクタ部3を液封しながら結合している。
この燃料噴射弁1内には、燃料の加圧蓄圧機構を備える。具体的には、この加圧蓄圧機構の一部品を成すベローズ5の変位で、燃料を圧縮して貯える蓄圧室6を有している。
そして、ベローズ5の圧縮時に、蓄圧室6内の燃料を蓄圧室6内に保持する逆止弁(アンブレラバルブ)7を有する。この逆止弁7は、傘状に開いたゴムの先端部で、燃料が通る燃料通過孔8を閉じて、燃料が逆漏れするのを防止する。また、燃料が蓄圧室6内に供給される時には、逆止弁7が下に下がって、燃料通過孔8から燃料が蓄圧室6内に供給される。
この蓄圧室6には、蓄圧室6内の圧力により、弾性的に自身が膨張する部材が採用される。例えば、ゴム製のベローズ5や、金属製アコーディオン状の伸縮容器が採用される。金属製の容器の場合は、フレキシブルな薄肉の金属円筒体で、蓄圧室が形成される。この第1実施形態は、ゴム製のベローズ5で伸縮容器が構成された例として、以下説明する。
インジェクタ部3は、電磁式のインジェクタ部3として、この第1実施形態では構成されている。このインジェクタ部3は、電磁コイル10、中空のニードル11、スプリング12、及び磁性体の金属からなるボディー13から主に構成されている。
電磁コイル10は、外部の駆動回路に、コネクタ端子14により接続され、外部の電気回路から電気信号(噴射パルス)が入力される。そして、この電気信号により励磁されて電磁コイル10の電磁力とスプリング12の作用により、ニードル11が上下に往復運動を行い、燃料噴射弁1の開弁及び閉弁が行われる。
次に、更に詳しく、図1の細部構成について説明する。上端の20は、Oリングであり、燃料を供給する図示されない燃料配管が、このOリングによってシールされる。この燃料配管を介して燃料が燃料噴射弁1内に供給される。
この供給された燃料は、フィルタ21を通過して、圧電素子を積層した圧電アクチュエータから成る加圧部材9内部の空間22内に入り、更に、逆止弁7部分の燃料通過孔8を通過して、ベローズ5内の蓄圧室6に入る。
燃料噴射弁1の、最外層の筒部4は、合成樹脂で形成されており、その内側には圧電素子の積層体からなる上記加圧部材9との間に、金属筒部25を有している。この金属筒部25は、ポンプ室2からインジェクタ部3部分まで延在している。
ベローズ5の一端は、この金属筒部25の端面26に当接して支持され、他端は、燃料通過孔8が形成された封止板27に結合されている。そして、ベローズ5の外周には、コイルスプリング28が設けられている。
圧電素子からなる加圧部材9にコネクタ端子29から電圧パルス(駆動パルス)が印加されると、加圧部材9が伸張して、コイルスプリング28に抗して、封止板27が、ベローズ5と共に図1中下方向に下がり、逆止弁7が、燃料通過孔8を塞いでいるため、蓄圧室6内の圧力が上昇する。
即ち、加圧蓄圧機構は、ベローズ5と逆止弁7と蓄圧室6と圧電素子の加圧部材9によって構成されている。上端の30は、Oリング20の抜け止め用の樹脂製リングである。また、金属筒部25の上端部25a、及び25bは溶接されている。
次に、インジェクタ部3の詳細について説明する。31は磁性体から成るパイプ状のコアであり、このコア31内部に、圧入ピン32が圧入されている。この圧入ピン32は中空であり、圧入ピン32の下端には、コイルスプリング12が、密接している。
磁性体からなるコア部33が、電磁コイル10を包み込んでいる。電磁コイル10は、コイル10aと、このコイル10aが巻回されたコイルボビン10bからなる。
35は、磁束通路を成す金属部であり、この金属部35の内部に、磁性体から成る可動部36が設けられている。37は、数10ミクロンのエアーギャップであり、このエアーギャップ37は、磁性体から成る可動体36と、磁性体のパイプ状のコア31の下端との間に形成されている。
そして、電磁コイル10が励磁されると、流れる磁束によって、可動体36がエアーギャップ37を介して、コア31の下端に吸引され、ニードル11が上方に変位して、ニードル11の先端部の弁体が開弁する構造になっている。そして、ニードル11の先端には、燃料通路孔40と、4箇所に設けられた小判状の横孔41とが設けられている。
42は、合成樹脂製のカバーである。上記金属部35には、上記ニードル弁11と協働して燃料をシールするシール用ボディー部43が溶接され固定されている。このシール用ボディー部43には、薄い金属製で複数の燃料噴射孔が開けられたノズルプレート44が溶接され固定されている。ニードル11が上方に変位すると、これらの燃料噴射孔を介して、燃料が噴射されるようになっている。即ち、このインジェクタ部3自体の構成は、従来の電磁式のインジェクタと同等の構成である。
図2は、燃料供給装置全体の構成を示す模式図である。燃料噴射弁1は、4気筒エンジンに4本設けられており、この4本の燃料噴射弁1から、それぞれ噴霧50a、50b、50c、及び50dが、エンジン内に供給される。
51は燃料配管であり、52は燃料タンクである。55は、燃料タンク52内のガソリンの液面である。56は、電動式の燃料供給ポンプであり、57は、吸込口側のフィルタである。また、58は、燃料の吐出側となる高圧側に設けられたフィルタである。
この高圧側のフィルタ58から燃料配管51に燃料が流れ、燃料配管51の途中は、分岐部60によって分岐され、圧力調整弁61を介して、余分な燃料が燃料タンク52内にリターンするようになっている。62はリターン配管である。
この図2の燃料供給ポンプ56から吐出された燃料は、図1の燃料噴射弁1の上部に燃料配管51(図2)により供給される。そして、上述したように、加圧部材9の伸長により、ベローズ5が弾性的に変位し、ベローズ5内の容積が縮小して、ベローズ5内の内部圧力が高まり、燃料が加圧される。この加圧された燃料は、逆止弁7で逆流が防止される。
そして、逆止弁7から、ニードル11より下の最下端の図示されない噴射孔までが、蓄圧室6の領域である。即ち、蓄圧室6は、ベローズ5の内部のみでなく、ニードル11下端の噴射孔までの空間を蓄圧室と称している。
この図1に示した燃料噴射弁1は、コネクタ端子14及び29を介して、それぞれ電気信号が供給されて作動する。この供給される電気信号の波形を示したのが、図3である。つまり、図3は、この第1実施形態における作動タイミングを図示している。図3の70は、圧電素子を積層した加圧部材9(図1)に印加する駆動パルスの波形である。(なお、圧電素子による加圧部材の代わりに、電磁式の加圧部材を採用した場合は、電磁式の加圧部材の電磁コイルに印加する電圧となる。)
71は、加圧部材9に駆動パルス70が印加された場合の、蓄圧室6内の燃料圧力の波形を示している。加圧部材9に駆動パルス70が印加されると、加圧部材7が伸長する。即ち、圧電スタックが伸長して、ベローズ5を圧縮する。ベローズ5の圧縮によって、蓄圧室6内が昇圧する。この昇圧と共に、ベローズ5自体も膨張し、このベローズ5の膨張により、蓄圧室6内の圧力が略一定に保たれる。
このようにして、蓄圧室6内の圧力が略一定の高い圧力値Phに到達する。この高い圧力値Phに到達後、図1のインジェクタ部3の電磁コイル10に、噴射パルス72(図3)が、印加される。この電磁コイル10の電磁力により、前述したように、ニードル11を上方に吸引し、その結果、ニードル11先端部分が周知のように開弁して、図示されない噴射孔より、高圧の燃料がエンジン内に噴射される。
なお、Psは、燃料供給ポンプ56(図2)によって加圧された吐出圧Psであり、Piは燃料噴射弁1内のベローズ5によって加圧された圧力Piである。よって、上記圧力値Ph=Ps+Piの関係が成立する。
噴射終了後、加圧部材9(図1)の駆動パルス70(図3)が、オンからオフに切り替わると、加圧部材9の圧電スタックが収縮し、コイルスプリング28(図1)の働きで、ベローズ5、及び封止板27が上方に移動する。
これによって、逆止弁7が開弁し、燃料通過孔8から、蓄圧室6内に燃料配管51(図2)からの燃料が吸引され、新しい燃料が蓄圧室6内に補充される。そして、この補充が完了した後に、次の駆動パルスが印加される。エンジン運転中には、このような作動が繰り返し行われる。
なお、燃料を噴射するタイミングになると、最初に、蓄圧室6の圧力を上昇させるために、図3の駆動パルス70が燃料噴射弁1に印加され、その後、所定時間Tdだけ遅れて、燃料を噴射させるための噴射パルス72が燃料噴射弁1に印加される。
このように、蓄圧室6内の液体の逆流を防止してから、インジェクタ部に印加する噴射パルスを立ち上げるように、駆動パルスの立ち上がり時点と噴射パルスの立ち上がり時点の間に遅延時間Tdを設定している。これにより、噴射直前に昇圧され、逆流を防止して圧力が正常に保持された燃料をエンジンに噴射でき、噴霧性能が低下しない。
また、噴射パルス72がオフした後に、駆動パルス70が遅れてオフするように構成されている。なお、厳密には、蓄圧室6内の燃料圧力波形71は、燃料噴射後に、噴射量に従って若干低下する。
次に、図2に示した燃料供給装置全体の構成について更に説明する。前述したように、この燃料供給装置は、燃料タンク52内に、燃料供給ポンプ56を備え、燃料を加圧してから、燃料噴射弁1に供給し、更に、燃料噴射弁1内のベローズ5等により加圧されてから、燃料を噴射している。
図4は、電動式の燃料供給ポンプ56(図2)の特性図を示している。横軸に、燃料供給ポンプ56の吐出圧Pをとり、縦軸の一方に吐出量Qをとっている。この吐出量Qは、燃料供給ポンプ56から吐出される燃料の流量を表す。
また、縦軸の他方には、燃料供給ポンプ56に流れる電流iの値を示している。この電流iの値が大きいほど、燃料供給ポンプ56の消費電力が大きい。この燃料供給ポンプ56は、例えば、直流モータで駆動される再生ポンプからなるタービンポンプである。
そして、ポンプの吐出圧の上昇と共に、電流iの量が増え、かつ吐出量Qが低下していく傾向にある。図4において、80が高流量タイプの電流特性、81が高流量タイプの吐出量特性である。これを見て判明するように、吐出圧Pの上昇と共に、吐出量Qが低下し、電流iが増加していく。
従来の、燃料噴射弁1内に上記加圧蓄圧機構が付属していない燃料供給装置を、第1比較例と称することにして、以下、この第1比較例について説明する。この第1比較例では、燃料噴射弁1内に、図1のベローズ5等よりなる加圧蓄圧機構を備えていないために、高流量タイプの燃料供給ポンプ56が使用されている。
図4の82で示す吐出量Q0のレベルは、自動車のエンジンに供給する燃料供給ポンプ56の要求吐出量Q0である。この要求吐出量Q0は、自動車のエンジンが使用する最大使用量にプラスα分の燃料量を加算しただけの流量である。
そして、この電動式の燃料供給ポンプ56は、この最大使用流量+α分の要求吐出量Q0を、吐出圧P0で供給しているのである。従って、このような吐出圧P0を確保するために、電流i0が、電動式燃料供給ポンプ56に流れることになる。
しかしながら、この第1実施形態においては、燃料噴射弁1内に燃料圧力を加圧する加圧蓄圧機構が付属しているため、燃料供給ポンプ56の吐出圧を低減することが可能になる。即ち、このように、燃料供給ポンプ56からの圧力を低減しても、燃料噴射弁1内で、圧力が更に上昇するために、最終的に噴霧される圧力は、充分な高圧となるのである。
このような圧力低減が可能になったことにより、上記第1比較例の高流量タイプの燃料供給ポンプ56を使用し続けた場合でも、電流低減が可能になる。
以下、燃料噴射弁1内に燃料圧力を加圧する加圧蓄圧機構が付属しているが、高流量タイプの燃料供給ポンプ56を使用し続けた場合を、第2比較例と称する。以下、この第2比較例について説明する。
上記圧力低減幅を図4のP2として、吐出圧P1で高流量タイプの燃料供給ポンプ56を作動させた場合、吐出量はQ1となり、要求吐出量Q0以上の吐出量を確保できる。このときの電流は、高流量タイプの電流特性80上のi1である。
よって、電流を矢印i2だけ低減することが可能になる。このように、燃料噴射弁1内に燃料圧力を加圧する上記加圧蓄圧機構が付属されて、燃料供給ポンプ56の圧力低減(圧力低減幅P2)が可能になったことにより、高流量タイプのポンプを使用しても、電流低減が可能になり、電流低減量はi2となる。
しかし、この第2比較例の場合は、要求吐出量Q0に対し、吐出量Q1が多すぎ、無駄に燃料がリターンすることになる。
そこで、この第1実施形態では、燃料供給ポンプ56として、低流量タイプのポンプを使用している。図4において、上述したように、83が低流量タイプの電流特性、84が低流量タイプの吐出量特性である。
この低流量タイプの燃料供給ポンプ56の場合は、吐出圧P1まで低下させても、必要な要求吐出量Q0のレベル82は確保できる。P2は、上記第1比較例と比較した場合の圧力低減幅(P2=P0−P1)を表している。
この圧力P1及び吐出量Q0のときの必要電流量は、低流量タイプの電流特性83上の、i3となり、i0からi3のように、電流が低減される。i4はこのときの電流低減量を表している。
この低流量タイプの燃料供給ポンプ56を使用することによって、従来の上記第1比較例に比べると、電流低減幅がi4のようになって、大幅な電流低減がなされる。これによって、燃料供給ポンプ56への供給電流、即ち消費電力を大幅に少なくすることが出来る。
このような考え方は、電動式の燃料供給ポンプでなく、機械式の燃料供給ポンプであっても同じことである。従来に比べ、より低流量の機械式燃料供給ポンプを使用することが可能になる結果、機械式燃料供給ポンプに供給する動力の大幅な低減が可能になる。なお、ここで言う機械式燃料供給ポンプとは、エンジンの動力によって機械的にポンプ内のタービン等を駆動するポンプである。
次に、液体噴射供給装置の制御方法としての自動車の燃料噴射供給装置の制御方法について説明する。
噴射終了後、加圧部材9の駆動パルス70(図3)が、オンからオフに切り替わると、加圧部材9の圧電スタックが収縮し、コイルスプリング28(図1)の働きで、ベローズ5、及び封止板27が上方に移動する。
これによって、逆止弁7が開弁し、燃料通過孔8から、蓄圧室6内に燃料配管51(図2)からの燃料が吸引され、新しい燃料が蓄圧室6内に補充される。そして、エンジン運転中には、このような作動が繰り返し行われる。
なお、燃料を噴射するタイミングになると、最初に、蓄圧室6の圧力を上昇させるために、図3の駆動パルス70が印加され、その後、所定時間遅Tdだけ遅れて、燃料噴射弁1を開弁させ燃料を噴射させるための噴射パルス72が燃料噴射弁1に印加される。また、噴射パルス72がオフした後に、駆動パルス70が、追加遅延時間Tα(図3)だけ遅れてオフするように構成されている。
なお、厳密には、蓄圧室6内の燃料圧力は、燃料噴射後に、噴射量に従って若干低下する。以下、これについて更に詳述する。
上述したように、蓄圧室6内に燃料を貯えた後に、加圧部材9を駆動する駆動パルス70(図3)が加圧部材9に印加されて、蓄圧室6内に所定圧力の燃料を貯えた後に、パルス幅がエンジンの状況によって変化する噴射パルス72(図3)を付与して燃料噴射がなされなければ成らない。
図5は、この第1実施形態の燃料噴射を制御する制御装置となるエンジンECU(電子式演算装置)内の制御手段250の一部ブロック構成図である。エンジンに供給する吸入空気量Qaが計測され、第1演算部200に入力されている。またエンジンの回転数Neが計測されて、同様に第1演算部200に入力されている。
第1演算部200内では、例えば、係数k×Qa/Ne等の演算を行い、第1噴射パルスPi1を演算する、次に、このように演算された第1噴射パルスPi1に、エンジン水温Tw、空燃比λ、及びその他のエンジンパラメータを補正値として用いて、第2演算部201により補正して、補正された第2噴射パルスPi2を出力する。
ここまでのエンジンの電子式燃料噴射制御方法は、周知であり、その他のさまざまなインジェクタ部3(図1)への噴射パルスの生成方法を採用できる。
この第1実施形態においては、図1のインジェクタ部3への噴射パルス72(図3)の印加前に加圧部材9への駆動パルス70(図3)を立ち上げる必要がある。
そこで、従来の通常の噴射パルス72の生成よりも、所定時間早い時期に、上記第2噴射パルスPi2を出力する。つまり、エンジンのシリンダ内のピストンの往復運動位置に合わせて、第2噴射パルスPi2を立ち上げるが、所定時間早い時期に、第1及び第2噴射パルスPi1、及びPi2を演算して立ち上げている。
そして、第2噴射パルスPi2を、遅延手段202に通して、パルスの立ち上がり、及び立下がり時期が遅れた第3噴射パルスPi3が生成される。そして、この第3噴射パルスPi3に、後述する補正部を成す補正演算手段203と、マップ手段204により、パルス幅の補正を行って、図1の燃料噴射弁1のインジェクタ部3の電磁コイル10に印加する噴射パルス72(図3)としている。その結果、従来と同じタイミングで燃料がエンジン内に噴射される。
遅延回路を通らない第2噴射パルスPi2は、駆動パルス生成部205にて、図1の加圧部材9の駆動パルス70(図3)と成る。これによって、図3に示すように、駆動パルス70のほうが遅延手段202の遅延時間Tdだけ噴射パルス72よりも早く立ち上がる。
また、駆動パルス生成部205には、噴射パルス72が入力され、この噴射パルス72がオフになり立下がっても、すぐに駆動パルス70をオフせず、追加遅延時間Tα(図3)後に、駆動パルス70をオフする。これにより、図3のように、噴射パルス72がオフしても駆動パルス70はしばらくオフしない。
なお、エンジンのその時々の回転数等の状態によって、噴射パルス72は、図6の噴射パルス幅Ta、Tb、及びTcのように変化して、そのときのエンジンの状態に適合した噴霧量で燃料が噴射される。
従来の比較例においては、噴射パルス幅Ta、Tb、及びTcと実際の燃料噴射量との関係は、図6の一点鎖線の比較例の噴射量特性に示すように、直線状である。即ち、噴射パルスTaが与えられたときには、燃料噴射量はA1となり、噴射パルスTbが与えられたときには、燃料噴射量はA2となる。また、噴射パルスTcが与えられたときには、燃料噴射量はA3となる。つまり、燃料噴射量qは、噴射パルス72の幅と直線的な比例関係となる。
ところが、蓄圧室6(図1)を有する、この第1実施形態では、図6上方の実線で示した実施形態の噴射量特性のように噴射パルス72の噴射パルス幅Ta、Tb、及びTcに応じて、蓄圧室6内の圧力が曲線状に変動する。
即ち、噴射パルス72が立ち上がって、燃料の噴射が始まると、燃料の噴射時間(噴射パルス幅Ta、Tb、及びTc)に応じて、蓄圧室6内の圧力波形71は、急激に立ち上がった後、噴射が始まってから、厳密には徐々に低下していく。
例えば、噴射パルス幅Taが与えられたときには、初期の立ち上がり圧力Pmaxから徐々に低下し、噴射パルスTaがオフになる時点においては、蓄圧室6内の圧力はPaまで低下する。また、この噴射パルスTaより長いパルス幅Tbの噴射パルス72が燃料噴射弁1に印加されたときには、噴射パルス幅Tbがオフするときには、蓄圧室6内の圧力はPbまで低下する。
更に、より長い噴射パルス幅Tcが燃料噴射弁1に印加されたときには、噴射パルス幅Tcがオフするときには、蓄圧室6の圧力はPcまで低下してしまう。
このように、噴射パルス72のパルス幅Ta、Tb、及びTc等、即ち、噴霧時間に応じて、蓄圧室6内の圧力が低下してしまう結果、燃料の噴射時間(噴射パルス幅)と、噴射量との関係は、前述の比較例のような直線的にはならず、曲線状に変化することになる。
そして、この曲線上において、噴射パルス幅Taのときの燃料噴射量はa点、噴射パルス幅Tbのときの燃料噴射量はb点、噴射パルス幅Tcのときの燃料噴射量はc点のように変化する。
図6において判明するように、比較例のように、パルス幅に応じて燃料噴射量qが直線状に変化する場合と、この第1実施形態のように曲線状に変化する場合とでは、次のような相違がある。
図7は、横軸に噴射パルス幅の時間(単位ミリ秒)をとり、縦軸に燃料噴射量qをとった図6上部と同じグラフの一部拡大図である。この図7において、噴射パルス幅Tc場合、噴射量qは、比較例においては、A3であったものが、この第1実施形態ではc点のようになる。この結果、この第1実施形態では、図7のΔqcに示す量だけ、燃料噴射量qが不足することになる。
また、噴射パルス幅Tbのときに、比較例においては、噴射量A2で噴射が行われるが、この第1実施形態においては、b点の噴射量になる。この結果、この第1実施形態のほうが、Δqbだけ噴射量qが多くなってしまう。
このように、この第1実施形態では、蓄圧室6内の圧力が、厳密には一定にならないために、噴射パルス72の噴射パルス幅Ta、Tb、及びTc等に対し、燃料噴射量qが曲線状に変化する。従って、図5のようにして演算された第3噴射パルスPi3のパルス幅Ta、Tb、及びTcに対して、補正した値を算出し、この補正した値を燃料噴射弁1に供給して、正しい噴射量qが供給されるようにしている。
例えば、噴射パルス幅がTcの場合、図7において、この第1実施形態では、c点の燃料が噴射されるが、これを比較例と同じ燃料噴射量A3とするためには、パルス幅ΔTcを更に追加した噴射パルス幅Tc1とすればよいことになる。この場合、補正時間ΔT=+ΔTcとなる。
また、予定する噴射パルス幅がTbのときは、b点の燃料噴射量となり、多すぎるので、噴射パルス幅Tbをパルス幅Δ分だけ少なくして実際の噴射パルス幅をTb1にすれば、比較例と同じ燃料噴射量A2が得られる。この場合、補正時間ΔT=−ΔTbとなる。
このように、噴射パルスのパルス幅Ta、Tb、及びTc等に応じて、+−両方向に、パルス幅の補正時間を加えることにより、正しい燃料噴射量qが確保される。
図8は、マップ手段204(図5)内に格納された上記補正時間ΔTの特性図であり、第3噴射パルスPi3の噴射パルス幅の時間を横軸にとり、縦軸に補正時間ΔT=−ΔTb及び+ΔTc等(図7)をとっている。
そして、このような特性図は、図5の制御手段250の一部ブロック内のメモリの中にマップ情報として記憶されている。図5に示すように、遅延手段202を通過した第3噴射パルスPi3 は、このときの噴射パルス幅Ta、Tb、及びTc等に応じて、予めマップ手段204内に記憶された噴射パルス幅の補正時間ΔTの分だけ、補正部203で、第3噴射パルスPi3の噴射パルス幅に加減算して、最終的な噴射パルス72(図3)としている。
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の実施形態では、遅延手段202によって噴射パルスを生成し、遅延手段202の前段から駆動パルスを生成したが、噴射パルスと駆動パルスとは、別々に、エンジンパラメータに応じて生成しても良い。
この場合は、遅延手段202は特に必要がなく、エンジンのピストンのシリンダ内の位置に応じて、それぞれ別々のタイミングで、噴射パルスと駆動パルスを生成し、結果的に、各パルスの立ち上げ時点(オン時点)と立ち下げ時点(オフ時点)が、図3に示す関係になれば良い。
また、噴射パルス幅の補正は、単に、噴射パルス幅に応じた補正時間ΔTを一次元のマップ手段204に格納されたマップ情報(図8)を用いて加減算したが、そうするのでなく、補正時間を、その他の要因、例えば、噴射パルスの電圧値の高低等も補正演算のパラメータに加えて、多次元的なマップによって、補正演算することも出来る。
更に、マップ演算によって、補正時間ΔTを演算するのでなく、数式による演算を用いて、補正時間ΔTを演算することも可能である。
1…燃料噴射弁
2…ポンプ部
3…インジェクタ部
5…ベローズ
6…蓄圧室
7…逆止弁
9…圧電素子の積層体からなる加圧部材
10…電磁コイル
11…ニードル
56…燃料供給ポンプ
70…ポンプ部の加圧部材への駆動パルス
71…蓄圧室内の圧力波形
72…インジェクタ部の電磁コイルへの噴射パルス
80…高流量型ポンプの電流特性
81…高流量型ポンプの吐出量特性
84…低流量型ポンプの吐出量特性
100…電磁式ポンプ部の加圧手段となる電磁コイル
203…補正部となる補正演算手段
204…マップ手段
250…制御手段

Claims (11)

  1. タンク(52)内の液体が供給ポンプ(56)で加圧され、この加圧された前記液体を噴射弁(1)で噴霧する液体噴射供給装置の制御方法であって、
    前記液体噴射供給装置は、インジェクタ部(3)とポンプ部(2)とが前記噴射弁(1)内に内蔵され、前記ポンプ部(2)は、前記噴射弁(1)内で前記液体を昇圧し、前記インジェクタ部(3)により所定の噴射圧力で前記液体が噴射されることにより減圧された前記液体を再度昇圧することを繰り返す往復運動を行うものから成り、
    前記液体噴射供給装置内の制御手段(250)によって、前記インジェクタ部(3)に印加する噴射パルス(72)と、前記ポンプ部(2)に印加する駆動パルス(70)が生成され、該駆動パルス(70)は前記噴射パルス(72)よりも早く立ち上がることを特徴とする液体噴射供給装置の制御方法。
  2. 前記液体噴射供給装置の前記ポンプ部(2)は、加圧部材(9)と、該加圧部材(9)の変位で内部の前記液体が圧縮される蓄圧室(6)と、該蓄圧室(6)での前記液体の加圧後に、蓄圧室(6)内の前記液体を前記蓄圧室(6)内に保持する逆止弁(7)を有し、前記ポンプ部(2)に印加する前記駆動パルス(70)で前記加圧部材(9)が変位し内部の前記液体が圧縮された後、前記逆止弁(7)によって前記蓄圧室(6)内の前記液体の逆流を防止してから、前記インジェクタ部(3)に印加する前記噴射パルス(72)を立ち上げるように、前記駆動パルス(70)の立ち上がり時点と前記噴射パルス(72)の立ち上がり時点の間に遅延時間(Td)を設定したことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  3. 前記加圧部材(9)は、圧電式または電磁式の加圧部材(9)の伸長時に、前記蓄圧室(6)での前記液体の加圧を行い、前記加圧部材(9)の収縮時に前記蓄圧室(6)への前記逆止弁(7)を介する前記液体の補充を行うことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  4. 前記供給ポンプ(56)の吐出圧が、前記噴射弁(1)の前記噴射圧力より所定量低く設定されて前記供給ポンプ(56)から前記噴射弁(1)内に液体が供給され、前記噴射弁(1)の前記ポンプ部(2)が、前記噴射弁(1)内で前記液体を前記所定量昇圧するように、前記ポンプ部(2)に印加する前記駆動パルス(70)が生成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  5. 更に、前記供給ポンプ(56)の吐出側に圧力調整弁(61)を有し、前記タンク(52)内の前記液体を加圧して前記噴射弁(1)に供給する前記供給ポンプ(56)の吐出側の圧力が、前記圧力調整弁(61)により前記噴射弁(1)の前記噴射圧力より所定量低く設定されて前記供給ポンプ(56)から前記噴射弁(1)内に前記液体が供給され、前記噴射弁(1)の前記ポンプ部(2)が、前記噴射弁(1)内で前記液体を前記所定量昇圧するように、前記ポンプ部(2)に印加する前記駆動パルス(70)が生成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  6. 前記噴射弁(1)には、前記加圧部材(9)を駆動する前記駆動パルス(70)と、前記インジェクタ部(3)を駆動する前記噴射パルス(72)とが電気信号として前記制御手段(250)から印加され、前記加圧部材(9)に前記駆動パルス(70)が印加されて前記加圧部材(9)が伸張し、前記蓄圧室(6)内の圧力が昇圧された後に、前記噴射パルス(72)の印加により前記蓄圧室(6)内の圧力で前記噴射弁(1)先端から前記液体が噴射され、前記噴射パルス(72)の印加終了後に、予め設定された追加遅延時間Tα遅れて、前記駆動パルス(70)の印加が終了することを特徴とする請求項2または3に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  7. 前記ポンプ部(2)は、前記駆動パルス(70)が印加された前記加圧部材(9)の伸張で前記液体を加圧するものから成り、
    前記噴射弁(1)から前記液体が噴射された後、前記加圧部材(9)の前記駆動パルス(70)の印加がなくなると、前記加圧部材(9)が収縮し、前記逆止弁(7)を開弁させて、前記蓄圧室(6)内に前記供給ポンプ(56)からの前記液体を所定吸引量だけ吸引し、次の前記液体の噴射のために前記所定吸引量分の吸引が終わった後に、次期の前記駆動パルス(70)が前記加圧部材(9)に印加されることを特徴とする請求項2、3及び6のいずれか一項に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  8. 前記制御手段(250)によって、前記インジェクタ部(3)に印加する前記噴射パルス(72)のための第2噴射パルス(Pi2)が演算され、該第2噴射パルス(Pi2)によって前記駆動パルス(70)が生成され、前記第2噴射パルス(Pi2)は、遅延手段(202)によって、予め設定された遅延時間(Td)だけ前記駆動パルス(70)よりも遅く立ち上がる第3噴射パルス(Pi3)に変換され、該第3噴射パルス(Pi3)から前記インジェクタ部(3)に印加する噴射パルス(72)が生成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  9. 前記制御手段(250)内に演算手段(200、201)と補正手段(203)を有し、前記演算手段(200、201)によって演算された前記噴射パルス(72)の噴射パルス幅の情報によって、最終的に前記インジェクタ部(3)に印加される前記噴射パルス(72)の噴射パルス幅が加減されるように、前記補正手段(203)によって前記噴射パルス幅が補正されて、最終的に前記インジェクタ部(3)に印加される前記噴射パルス(72)が得られることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  10. 前記制御手段(250)内に演算手段(200、201)と補正手段(203)を有し、前記演算手段(200、201)によって演算された前記第3噴射パルス(Pi3)の噴射パルス幅の情報によって、最終的に前記インジェクタ部(3)に印加される前記噴射パルス(72)の噴射パルス幅が加減されるように、前記補正手段(203)によって、前記第3噴射パルス(Pi3)を補正して、最終的に前記インジェクタ部(3)に印加される前記噴射パルス(72)を得ることを特徴とする請求項8に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
  11. 前記液体は燃料から成り、前記供給ポンプ(56)は燃料供給ポンプ(56)から成り、前記噴射弁(1)は、エンジン内に前記燃料を噴射する燃料噴射弁(1)から成り、
    前記制御手段(250)は、前記燃料の噴射を制御する制御装置から成り、
    前記ポンプ部(2)によって昇圧された前記燃料を、前記インジェクタ部(3)によって前記エンジン内に所定の噴射圧力で噴射することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体噴射供給装置の制御方法。
JP2009021872A 2009-02-02 2009-02-02 液体噴射供給装置の制御方法 Pending JP2010174865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009021872A JP2010174865A (ja) 2009-02-02 2009-02-02 液体噴射供給装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009021872A JP2010174865A (ja) 2009-02-02 2009-02-02 液体噴射供給装置の制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010174865A true JP2010174865A (ja) 2010-08-12

Family

ID=42706057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009021872A Pending JP2010174865A (ja) 2009-02-02 2009-02-02 液体噴射供給装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010174865A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08200180A (ja) * 1995-01-27 1996-08-06 Nissan Motor Co Ltd 燃料噴射装置
JPH09228922A (ja) * 1996-02-22 1997-09-02 Zexel Corp 電磁式燃料噴射装置
JP2000511614A (ja) * 1997-03-27 2000-09-05 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 圧電式又は磁歪式のアクチュエータを備えた燃料噴射弁
JP2001132579A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関のユニットインジェクタ及び燃料噴射制御装置
JP2003113732A (ja) * 2001-08-02 2003-04-18 Mikuni Corp 燃料噴射方法
JP2008533376A (ja) * 2005-03-16 2008-08-21 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料を噴射するための装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08200180A (ja) * 1995-01-27 1996-08-06 Nissan Motor Co Ltd 燃料噴射装置
JPH09228922A (ja) * 1996-02-22 1997-09-02 Zexel Corp 電磁式燃料噴射装置
JP2000511614A (ja) * 1997-03-27 2000-09-05 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 圧電式又は磁歪式のアクチュエータを備えた燃料噴射弁
JP2001132579A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関のユニットインジェクタ及び燃料噴射制御装置
JP2003113732A (ja) * 2001-08-02 2003-04-18 Mikuni Corp 燃料噴射方法
JP2008533376A (ja) * 2005-03-16 2008-08-21 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料を噴射するための装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6462835B2 (ja) 燃料噴射装置の駆動装置
US10087876B2 (en) Fuel injection control device and fuel injection system
CN106414973B (zh) 燃料喷射装置的驱动装置
JP4535032B2 (ja) 燃料噴射制御装置
US7234439B2 (en) Fuel injection system executing overlap injection operation
CN101526039B (zh) 电子喷射燃料供给系统的控制方法
JP6414022B2 (ja) 燃料噴射制御装置と燃料噴射システム
US20040237930A1 (en) Fuel injecton apparatus
JP2005171928A (ja) アクチュエータ駆動装置および燃料噴射装置
JP4640279B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
US8342424B2 (en) Fuel injection apparatus
JP5958417B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP2010174865A (ja) 液体噴射供給装置の制御方法
JP5104772B2 (ja) 液体噴射供給装置
JPWO2016136392A1 (ja) 燃料噴射装置、燃料噴射装置の制御装置、燃料噴射装置の制御方法、燃料噴射システム
JP7177458B2 (ja) 燃料噴射装置を制御する制御装置
JP4138794B2 (ja) 燃料噴射装置および燃料噴射装置の駆動方法
JP6750710B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP2013053571A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JP6893159B2 (ja) 内燃機関の燃料制御装置
JP6304324B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP6237819B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
KR101581126B1 (ko) 직접 니들 구동형 피에조 인젝터용 구동 제어 회로 및 이를 포함하는 차량
JP5991419B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP5870959B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20110322

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120424

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120911