以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技機について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器3の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成され、遊技盤2に対して着脱自在に取り付けられている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部21が配設されている。画像表示部21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示部21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、始動口25、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
始動口25は、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。始動口25は、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する特別図柄表示器31)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
始動口25は、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じていると、始動口25の入口へ案内される開口幅が相対的に狭いため、遊技球が始動口25へ入り難い。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開くと、始動口25の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が始動口25へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、点灯または点滅しながら一対の羽根部が規定時間(例えば、6秒間)開き、規定回数(例えば、3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、始動口25の下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、15回または2回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。表示器3の詳細については、後述する。
なお、図1に示した遊技機1は、遊技領域20に1つの始動口25が配設されているが、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が開始される始動口を複数設けてもかまわない。また、遊技機1は、遊技領域20に1つの大入賞口28が配設されているが、大入賞口28と同様の機能を有する大入賞口を複数設けてもかまわない。
また、後述により明らかとなるが、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動することがある。例えば、遊技機1は、上記大当たり確率が相対的に低い状態(低確状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増えたりする(電チューサポート)場合がある。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。始動口25、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入る(入賞)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、始動口25に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しはない。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、皿59、および錠部43等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿59(図2参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿59には、上述した賞球が払い出される。そして、皿59に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。なお、皿59は、上下皿一体で構成してもいいし、上皿と下皿とを分離して構成してもかまわない。また、ハンドル51は、所定条件下で発光させてもかまわない。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン54は、皿59が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿59に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ56は、光の照射方向を変更可能にして、当該照射方向を変えることによる演出を行ってもかまわない。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器3について説明する。図2において、表示器3は、特別図柄表示器31、特別図柄保留表示器32、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35を備えている。
特別図柄表示器31は、始動口25に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、特別図柄表示器31は、7セグ表示装置で構成され、始動口25に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器33は、ゲート27を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器33は、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート27を通過した場合、普通図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。
特別図柄保留表示器32は、特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器34は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、特別図柄表示器31または普通図柄表示器33によって表示図柄が変動表示されている期間(入賞1回分の変動表示が行われている間)に、さらに他の遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球に対する表示図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する変動表示が終了するまで、規定回数(例えば、4回)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選回数)が、特別図柄保留表示器32および普通図柄保留表示器34に表示される。例えば、特別図柄保留表示器32および普通図柄保留表示器34は、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器35は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。後述によって明らかとなるが、遊技機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)が設定されている。そして、遊技機1の電源投入時点においては、遊技状態表示器35によってその遊技状態が報知される。例えば、遊技状態表示器35は、複数のLED表示装置で構成され、その点灯態様によって遊技状態が表示される。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン57および演出キー58が設けられている。
演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン57は、遊技機1の前方に突出した皿59の上面脇部に設けられる。演出キー58は、中央キーと略十字に配列された複数のキーとを有し、演出ボタン57に隣接して皿59の上面脇部に設けられる。例えば、演出キー58は、その中央に1つの中央キーを配置し、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、演出キー58の4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部21に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能である。また、遊技者は、演出キー58の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、上記内枠体の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿59に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100が構成されたメイン制御基板、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200が構成された発射制御基板、および賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板等が配設されている。このメイン基板は、開封されることにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースによって密封されている。また、サブ基板には、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像による演出を制御する画像制御部500が構成された画像制御基板、音による演出を制御する音響制御部700が構成された音響制御基板、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)や可動役物22による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1に供給された100VのAC電源をDC電源に変換して上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
次に、図4を参照して、遊技機1での動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像制御部500、ランプ制御部600、および音響制御部700を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、始動口25に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)および特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータや、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が始動口25へ入賞したときの保留回数や、遊技球がゲート27を通過したときの保留回数を管理する。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口28が突出傾斜して開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、始動口25、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御部300に対して指示する。例えば、メイン制御部100は、始動口25に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部300に指示命令(コマンド)を送る。なお、メイン制御部100は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
メイン制御部100は、発射制御部200を介して、遊技球を発射する発射装置211を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定の条件に基づいて、発射装置211が遊技球を発射する動作を許可する信号を、払出制御部300を介して発射制御部200へ送信する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、始動口スイッチ111、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、特別図柄表示器31、特別図柄保留表示器32、普通図柄表示器33、および普通図柄保留表示器34が接続されている。
始動口スイッチ111は、始動口25へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、始動口25への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、特別図柄表示器31に表示する。メイン制御部100は、始動口25への遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、特別図柄保留表示器32に表示する。メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器33に表示する。そして、メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選を保留にしている保留回数を、普通図柄保留表示器34に表示する。
さらに、メイン制御部100は、遊技機1を設置している店(ホール)に設けられたホストコンピュータに対して、各種の情報を送信する。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した払い出した賞球数に関する情報やメイン制御部100の状態等を示す情報を、上記ホストコンピュータに送信する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー52の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。また、発射制御部200は、メイン制御部100から発射を許可する信号を受信することによって、発射装置211の発射動作が可能となる。一方、発射制御部200は、停止ボタン53が押下された信号が出力されたり、メイン制御部100から発射を停止する制御信号が出力されたりした場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。そして、払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
また、払出制御部300には、上記ホストコンピュータに対して各種の情報を送信する。例えば、払出制御部300は、払出駆動部311に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や実際に払い出された賞球数に関する情報等を、ホストコンピュータに送信する。また、払出制御部300は、メイン制御部100に対しても、同様の情報を送信する。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、演出ボタン57および演出キー58が接続されている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57または演出キー58が押下操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。さらに、メイン制御部100が、特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部400は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部400は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
画像制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部21に表示する画像を制御する。また、画像制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、スピーカ55から出力する音響を制御するためのコマンドを音響制御部700に出力する。具体的には、画像制御部500のROM502には、画像表示部21において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。画像制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部21に表示する。
音響制御部700は、CPU701、ROM702、およびRAM703を備えている。CPU701は、演出内容を表現する音響を制御する際の演算処理を行う。ROM702は、CPU701にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM703は、CPU701の作業用メモリ等として用いられる。
音響制御部700は、画像制御部500をから送られたコマンドに基づいて、スピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、音響制御部700のROM702には、画像制御部500が画像表示部21に表示する画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。音響制御部700のCPU701は、ROM702に記憶された音響データの中から、画像制御部500から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出し、読み出した音響データを用いて音声処理を行う。そして、CPU701は、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物22の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた盤ランプ23や枠ランプ56での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた可動役物22の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
ここで、遊技機1に設けられた上記制御装置間では、例えばシリアル伝送によってデータ通信が行われる箇所がある。そして、当該制御装置間では、制御側の制御装置と被制御側の制御装置との間でデータが双方向に送られる。以下、図5、図6A、および図6Bを参照して、制御側の制御装置の一例として演出制御部400を用い、被制御側の制御装置の一例として画像制御部500を用いて、両者間で通信されるデータについて説明する。なお、図5は、演出制御部400と画像制御部500との間でデータ通信される構成の一例を示す図である。図6Aは、画像制御部500から送られる送信可否信号の一例を示す図である。図6Bは、画像制御部500から送られるエラー判定信号の一例を示す図である。
図5において、演出制御部400から画像制御部500へは、演出内容を示すコマンド(以下、制御用コマンドと記載する)等を示す送信データTXDが送られる。また、画像制御部500から演出制御部400へは、受信データRXDが送られる。例えば、制御用コマンドは、2バイトのデータで構成される。具体的には、上位バイトによって制御用コマンドのコード番号(CODE)が示され、下位バイトによってコード番号に関する動作内容(DATA)が示される。
また、画像制御部500から演出制御部400へは、送信可否信号(RDY/BSY)およびエラー判定信号(ERR)が送られる。図6Aに示すように、送信可否信号は、画像制御部500において送信データTXDの受信が可能(RDY)である場合にHi(高)レベル(例えば、「1」)に設定されて演出制御部400へ送られる。また、送信可否信号は、画像制御部500において送信データTXDの受信が不可能(BSY)である場合にLo(低)レベル(例えば、「0」)に設定されて演出制御部400へ送られる。また、図6Bに示すように、エラー判定信号は、画像制御部500が受信した制御用コマンドにエラーが発生していると判定された場合にLo(低)レベル(例えば、「0」)に設定されて演出制御部400へ送られる。また、エラー判定信号は、画像制御部500が受信した制御用コマンドが正常であると判定された場合にHi(高)レベル(例えば、「1」)に設定されて演出制御部400へ送られる。
次に、遊技機1に設けられた制御側の制御装置と被制御側の制御装置との間でデータが双方向に送られる通信処理(具体的には、演出制御部400および画像制御部500においてそれぞれ行われる処理)の詳細を説明する。まず、図7を参照して、上記通信処理において演出制御部400で用いられる主なデータおよびプログラムについて説明する。なお、図7は、演出制御部400のRAM403に記憶されるデータおよびプログラムの一例を示す図である。
図7に示すように、RAM403は、データ記憶領域403Dおよびプログラム記憶領域403Pを有している。データ記憶領域403Dには、送信コマンドデータD1および再送信回数データD2等が格納される。また、プログラム記憶領域403Pには、演出制御部400を動作させる各種プログラムP1が格納される。
送信コマンドデータD1は、演出制御部400が設定した演出内容の実行を画像制御部500に指示するために送信する制御用コマンドを示すデータが格納される。再送信回数データD2は、送信した制御用コマンドが受信側でエラー判定されたことに応じて、当該制御用コマンドを再送信した回数を示すデータが格納される。
次に、図8を参照して、演出制御部400において行われる画像制御部500との間の通信処理の詳細を説明する。なお、図8は、演出制御部400において実行される通信処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートにおいては、本願発明と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、図8や以下の説明では、演出制御部400が実行する各ステップを「S」と略称する。
遊技機1の電源が投入されると、遊技機1の各CPUは、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってメモリ等の各ユニットが初期化される。そして、各ROMに記憶されたプログラムがRAMに読み込まれ、各CPUによって当該プログラムの実行が開始される。例えば、演出制御部400のCPU401は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってRAM403等の各ユニットが初期化される。そして、ROM402に記憶されたプログラムがRAM403に読み込まれ、CPU401によって当該プログラムの実行が開始される。図8に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
図8において、演出制御部400は、画像制御部500から送られている送信可否信号(図6A参照)がHiレベルになるのを待つ(ステップS411)。上述したように、画像制御部500は、送信データTXDの受信が可能(RDY)である場合にHiレベルに設定して送信可否信号を演出制御部400へ出力している。ここで、後述により明らかとなるが、画像制御部500は、遊技機1の電源が投入された後、送信データTXDの受信が可能な準備が整った時点で送信可否信号をHiレベルに設定している。つまり、上記ステップS411において、演出制御部400は、画像制御部500において送信データTXDの受信準備が完了することを待つことになる。そして、演出制御部400は、送信可否信号がHiレベルになった場合、次のステップに処理を進める。
次に、演出制御部400は、画像制御部500に送信する新たな制御用コマンドを作成し、送信データTXDとして画像制御部500に送信して(ステップS412)、次のステップに処理を進める。例えば、演出制御部400は、設定した演出内容に基づいて、当該演出内容の実行を指示する各種制御用コマンドを順次作成している。上記ステップS412において、演出制御部400は、現時点で画像制御部500へ送信する制御用コマンドを用いて、送信コマンドデータD1を更新する。そして、演出制御部400は、送信コマンドデータD1に格納されている制御用コマンドを送信データTXDとして、画像制御部500に送信する。
次に、演出制御部400は、画像制御部500から送られている送信可否信号がLoレベルになった後に再びHiレベルになるのを待つ(ステップS413)。ここで、後述により明らかとなるが、画像制御部500は、演出制御部400から制御用コマンドを受け取った場合、当該制御用コマンドに対する処理が終了するまで送信可否信号をLoレベルに設定している。そして、受け取った制御用コマンドに対する処理が終了し、次の制御用コマンドの受信が可能となった時点で送信可否信号をHiレベルに設定している。つまり、上記ステップS413において、演出制御部400は、画像制御部500が次の制御用コマンドを受信可能となるまで待つことになる。そして、演出制御部400は、送信可否信号がHiレベルになった場合、次のステップに処理を進める。
次に、演出制御部400は、画像制御部500から送られているエラー判定信号(図6B参照)がLoレベルであるか否かを判断する(ステップS414)。そして、演出制御部400は、エラー判定信号がLoレベルである場合、次のステップS415に処理を進める。一方、演出制御部400は、エラー判定信号がHiレベルである場合、上記ステップS412に処理を戻して新たな制御用コマンドを画像制御部500へ送信する。上述したように、画像制御部500は、受信した制御用コマンドがエラー判定された場合にLoレベルに設定し、受信した制御用コマンドがエラー判定されていない場合にHiレベルに設定して、エラー判定信号を演出制御部400へ出力している。つまり、上記ステップS414において、演出制御部400は、上記ステップS412で送信した制御用コマンドが、画像制御部500においてエラー判定されたか否かを知ることができる。
ステップS415において、演出制御部400は、前回の送信処理で送信した制御用コマンドを再度送信データTXDとして画像制御部500に送信して、次のステップに処理を進める。例えば、演出制御部400は、既に送信コマンドデータD1に格納されている制御用コマンドを送信データTXDとして、画像制御部500に再送信する。つまり、上記ステップS415において、演出制御部400は、送信した制御用コマンドが受信側でエラー判定された場合、当該制御用コマンドを再送信することになる。
次に、演出制御部400は、再送信回数に1を加算して(ステップS416)、次のステップに処理を進める。例えば、演出制御部400は、再送信回数データD2に格納されている再送信回数を参照して当該再送信回数に1を加算し、加算した再送信回数を用いて再送信回数データD2を更新する。
次に、演出制御部400は、画像制御部500から送られている送信可否信号がLoレベルになった後に再びHiレベルになるのを待つ(ステップS417)。上記ステップS417において、演出制御部400は、制御用コマンドを再送信した後、画像制御部500が次の制御用コマンドを受信可能となるまで待つことになる。そして、演出制御部400は、送信可否信号がHiレベルになった場合、次のステップに処理を進める。
次に、演出制御部400は、画像制御部500から送られているエラー判定信号がLoレベルであるか否かを判断する(ステップS418)。そして、演出制御部400は、エラー判定信号がLoレベルである場合、次のステップS419に処理を進める。一方、演出制御部400は、エラー判定信号がHiレベルである場合、上記ステップS412に処理を戻して新たな制御用コマンドを画像制御部500へ送信する。上記ステップS414において、演出制御部400は、上記ステップS415で再送信した制御用コマンドが、画像制御部500においてエラー判定されたか否かを知ることができる。
ステップS419において、演出制御部400は、再送信回数データD2が示す再送信回数が閾値(例えば、2回)に到達しているか否かを判断する。そして、演出制御部400は、再送信回数が閾値に到達している場合、次のステップS420に処理を進める。一方、演出制御部400は、再送信回数が閾値に到達していない場合、上記ステップS415に処理を戻して制御用コマンドの再送信を繰り返す。つまり、演出制御部400は、再送信回数が閾値に到達するまで、同じ制御用コマンドを繰り返し画像制御部500へ再送信することになる。
ステップS420において、演出制御部400は、送信コマンドデータD1に格納されている制御用コマンドを破棄する。そして、演出制御部400は、再送信回数データD2をリセット(例えば、再送信回数を0にリセット)して(ステップS421)、上記ステップS412に処理を戻して新たな制御用コマンドを画像制御部500へ送信する。
次に、図9を参照して、上記通信処理において画像制御部500で用いられる主なデータおよびプログラムについて説明する。なお、図9は、画像制御部500のRAM503に記憶されるデータおよびプログラムの一例を示す図である。
図9に示すように、RAM503は、データ記憶領域503Dおよびプログラム記憶領域503Pを有している。データ記憶領域503Dには、受信コマンドデータD3およびエラー回数データD4等が格納される。また、プログラム記憶領域503Pには、画像制御部500を動作させる各種プログラムP2が格納される。
受信コマンドデータD3は、演出制御部400から受信した制御用コマンドを示すデータが格納される。エラー回数データD4は、受信した制御用コマンドがエラー判定された回数を累積したエラー回数を示すデータが格納される。
次に、図10を参照して、画像制御部500において行われる演出制御部400との間の通信処理の詳細を説明する。なお、図10は、画像制御部500において実行される通信処理の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示すフローチャートにおいても、本願発明と直接関連しない他の処理については詳細な説明を省略する。また、図10や以下の説明では、画像制御部500が実行する各ステップを「S」と略称する。
遊技機1の電源が投入されると、画像制御部500のCPU501は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってRAM503等の各ユニットが初期化される。そして、ROM502に記憶されたプログラムがRAM503に読み込まれ、CPU501によって当該プログラムの実行が開始される。図10に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
図10において、画像制御部500は、演出制御部400に出力する送信可否信号(図6A参照)をLoレベル(BSY)に設定し、エラー判定信号(図6B参照)をHiレベルに設定する(ステップS511)。そして、画像制御部500は、演出制御部400から送信される送信データTXDの受信が可能な状態になるように自機の準備を進め、送信データTXDの受信が可能な状態になるのを待つ(ステップS512)。そして、画像制御部500は、送信データTXDの受信が可能な状態になった場合、次のステップS513に処理を進める。
ステップS513において、画像制御部500は、演出制御部400に出力する送信可否信号をHiレベル(RDY)に設定し、次のステップに処理を進める。つまり、上記ステップS511およびS512を経た上記ステップS513において、画像制御部500は、自機が起動した後に送信データTXDの受信が可能となった場合に送信可否信号をHiレベルに設定して演出制御部400へ出力することになる。
次に、画像制御部500は、演出制御部400から制御用コマンドを示す送信データTXDを受信するのを待つ(ステップS514)。そして、演出制御部400から制御用コマンドを受信した場合、当該制御用コマンドを用いて受信コマンドデータD3を更新して、次のステップS515に処理を進める。
ステップS515において、画像制御部500は、演出制御部400に出力する送信可否信号をLoレベル(BSY)に設定し、次のステップに処理を進める。つまり、上記ステップS515において、画像制御部500は、演出制御部400から制御用コマンドを受信した直後に送信可否信号をLoレベルに設定することによって、受信した制御用コマンドの処理中(すなわち、新たな制御用コマンドの受信が不可)であることを演出制御部400に伝えることができる。
次に、画像制御部500は、演出制御部400から受信した制御用コマンドの誤り判定を行い(ステップS516)、次のステップに処理を進める。例えば、画像制御部500は、受信コマンドデータD3に格納されている制御用コマンドに対して、各種エラーチェック(例えば、パリティチェック、データのオーバーフローチェック、チェックサム、コード番号が既知のものか否か等)を行い、当該制御用コマンドの誤り判定を行う。
次に、画像制御部500は、上記ステップS516における誤り判定結果に基づいて、演出制御部400から受信した制御用コマンドが正常であるか否かを判断する(ステップS517)。そして、画像制御部500は、受信した制御用コマンドが誤りである場合、次のステップS518に処理を進める。一方、画像制御部500は、受信した制御用コマンドが正常である場合、次のステップS519に処理を進める。
ステップS518において、演出制御部400に出力するエラー判定信号をLoレベルに設定し、次のステップに処理を進める。つまり、上記ステップS518において、画像制御部500は、演出制御部400から受信した制御用コマンドが誤りである場合、エラー判定信号をLoレベルに設定することによって、送信された制御用コマンドがエラー判定されたことを演出制御部400に伝えて当該制御用コマンドの再送信を要求することになる。
次に、画像制御部500は、受信コマンドデータD3に格納されている制御用コマンドを破棄する(ステップS520)。そして、画像制御部500は、エラー回数に1を加算して(ステップS521)、次のステップに処理を進める。例えば、画像制御部500は、エラー回数データD4に格納されているエラー回数に1を加算し、加算後のエラー回数を用いてエラー回数データD4を更新する。
次に、画像制御部500は、エラー回数が閾値(例えば、3回)に到達したか否かを判断する(ステップS522)。例えば、画像制御部500は、エラー回数データD4に格納されているエラー回数を参照して、当該エラー回数が予め定められた閾値に到達したか否かを判断する。そして、画像制御部500は、エラー回数が閾値に到達した場合、次のステップS523に処理を進める。一方、画像制御部500は、エラー回数が閾値に到達していない場合、上記ステップS513に戻って処理を繰り返す。つまり、画像制御部500は、上記ステップS518でエラー判定信号をLoレベルに設定した後に、上記ステップS513を実行(すなわち、送信可否信号をHiレベルに設定)することによって、受信した制御用コマンドがエラー判定されて当該制御用コマンドの再受信が可能であることを、演出制御部400に示すことになる。
ステップS523において、画像制御部500は、演出制御部400から再送信された制御用コマンドの入力が不可であると判定する。そして、画像制御部500は、エラー回数データD4に格納されているエラー回数をリセット(例えば、エラー回数=0)して(ステップS524)、上記ステップS513に戻って処理を繰り返す。つまり、画像制御部500は、同じ制御用コマンドを再送信した回数が閾値に到達した場合、当該制御用コマンドを破棄して新たな制御用コマンドの受信を試みることになる。
一方、上記ステップS517において受信した制御用コマンドが正常であると判断した場合、画像制御部500は、受信コマンドデータD3に格納されている制御用コマンドに応じた処理を行って、演出制御部400に出力するエラー判定信号をHiレベルに設定して(ステップS519)、上記ステップS513に戻って処理を繰り返す。つまり、画像制御部500は、上記ステップS519でエラー判定信号をHiレベルに設定した後に、上記ステップS513を実行(すなわち、送信可否信号をHiレベルに設定)することによって、受信した制御用コマンドが正常に処理されて新たな制御用コマンドの受信が可能であることを、演出制御部400に示すことになる。
このように、本実施形態に係る遊技機1によれば、被制御側の制御装置(画像制御部500)において次の制御用コマンドの受信が可能な状態になったとき、送信可否信号をHiレベル(RDY)に設定される。そして、制御側の制御装置(演出制御部400)は、送信可否信号をHiレベルに設定されたことを検知して、即時に次の制御用コマンドを被制御側の制御装置へ送信することができる。したがって、制御側の制御装置が次の制御用コマンドを送る場合、被制御側の制御装置が各種制御用コマンドを処理するために必要な最長時間を推定することなく、前回送った制御用コマンドの処理が終わった時点で即時に送信することができる。すなわち、制御側の制御装置は、上記最長時間が経過するのを待つ必要がなく、制御側の制御装置から被制御側の制御装置へ複数の制御用コマンドを順次送る場合、データ通信に必要な時間を短縮してデータ通信の高速化が期待できる。
また、本実施形態に係る遊技機1によれば、制御側の制御装置から送信した制御用コマンドが、被制御側の制御装置においてエラー判定された場合、エラー判定されたことが被制御側の制御装置から制御側の制御装置へ通知されるため、制御側の制御装置が当該制御用コマンドを再送信することができる。したがって、制御側から被制御側へ一方向のみに送信される態様と比較すると、制御側の制御装置と被制御側の制御装置との間のデータ通信を、より確実なものにすることができる。このとき、制御用コマンドを再送信するタイミングについても送信可否信号をトリガとすることができるため、制御用コマンドの再送信時におけるデータ通信においても待ち時間を短縮してデータ通信の高速化が期待できることは言うまでもない。
なお、上述した実施形態では、被制御側の制御装置から制御側の制御装置へ応答する信号として、送信可否信号およびエラー判定信号を用いたが、制御用コマンドの再送信時の待ち時間短縮効果を期待しない場合、被制御側の制御装置から制御側の制御装置へ送信可否信号のみで応答してもかまわない。例えば、被制御側の制御装置は、受信した制御用コマンドが誤っている場合、送信可否信号をLoレベル(BSY)に所定時間以上継続する。ここで、上記所定時間は、被制御側の制御装置が各種制御用コマンドを処理するために必要な最長時間以上とする。一方、制御側の制御装置は、被制御側の制御装置が送信可否信号をLoレベルに設定した後、当該Loレベルが上記所定時間以上継続しているとき、当該被制御側の制御装置が受信した制御用コマンドをエラー判定したと判断する。そして、制御側の制御装置は、被制御側の制御装置が制御用コマンドをエラー判定したと判断した場合、当該エラー判定された制御用コマンドを再送信する。これによって、被制御側の制御装置から制御側の制御装置へ送信可否信号のみで応答しても、当該被制御側の制御装置からエラー判定したことを示す情報を当該制御側の制御装置へ通知することが可能となる。
また、上述した実施形態では、制御側の制御装置の一例として演出制御部400を用い、被制御側の制御装置の一例として画像制御部500を用いたが、制御側の制御装置および被制御側の制御装置となる遊技機の制御部は、他の制御部であってもかまわない。第1の例として、制御側の制御装置を画像制御部500とし、被制御側の制御装置を音響制御部700として、上述した通信処理を行う。第2の例として、制御側の制御装置をメイン制御部100とし、被制御側の制御装置を演出制御部400として、上述した通信処理を行う。第3の例として、制御側の制御装置を演出制御部400とし、被制御側の制御装置をランプ制御部600として、上述した通信処理を行う。第4の例として、制御側の制御装置をメイン制御部100とし、被制御側の制御装置を払出制御部300として、上述した通信処理を行う。第5の例として、制御側の制御装置を払出制御部300とし、被制御側の制御装置を発射制御部200として、上述した通信処理を行う。本発明は、何れの組み合わせであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、上述した送信可否信号では、画像制御部500において送信データTXDの受信が可能(RDY)である場合にHiレベルに設定され、送信データTXDの受信が不可能(BSY)である場合にLoレベルに設定される例を用いたが、他の信号形式でもかまわない。例えば、送信可否信号は、画像制御部500において送信データTXDの受信が可能である場合にLoレベルに設定され、送信データTXDの受信が不可能である場合にHiレベルに設定されてもかまわない。さらに、上述したエラー判定信号では、画像制御部500が受信した制御用コマンドにエラーが発生している判定された場合にLoレベルに設定され、制御用コマンドが正常であると判定された場合にHiレベルに設定される例を用いたが、他の信号形式でもかまわない。例えば、エラー判定信号は、画像制御部500が受信した制御用コマンドにエラーが発生している判定された場合にHiレベルに設定され、制御用コマンドが正常であると判定された場合にLoレベルに設定されてもかまわない。
また、上述した送信可否信号およびエラー判定信号は、それぞれ専用のポートを介して被制御側の制御装置から制御側の制御装置へ出力されてもいいし、他のデータへの割り込みによって被制御側の制御装置から制御側の制御装置へ出力されてもかまわない。
また、上述した遊技機1の構成や、それに設けられている構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられる信号形式、コマンド形式、判定値、処理順序等は、単なる一例に過ぎず他の信号形式、判定値、処理順序であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。