(遊技機の説明)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技機について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成され、遊技盤2に対して着脱自在に取り付けられている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図2参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示器21が配設されている。画像表示器21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示器21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、遊技球が通過しない位置に配設される。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口25a、第2始動口25b、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
第1始動口25aは、遊技球が入ると入賞して第1特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第1始動口25aは、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第1特別図柄表示器31a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。第2始動口25bは、遊技球が入ると入賞して第2特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第2始動口25bは、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第2特別図柄表示器31b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
第2始動口25bは、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26の一対の羽根部が閉じていると、第2始動口25bの入口がほぼ閉ざされるため、遊技球が第2始動口25bへほとんど入らない。一方、電動チューリップ26の一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口25bへ入り易くなる。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、点灯または点滅しながら一対の羽根部が規定時間(例えば、6秒間)開き、規定回数(例えば、3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、第2始動口25bの下方に位置し、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、15回または2回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。
また、遊技機1は、遊技領域20に1つの大入賞口28が配設されているが、大入賞口28と同様の機能を有する大入賞口を複数設けてもかまわない。
また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動することがある。例えば、遊技機1は、上記大当たり確率が相対的に低い状態(低確状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増えたりする(電チューサポート)場合がある。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入る(入賞)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しはない。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、皿(図示せず)、および錠部43等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図2参照)が遊技球を電動発射する。皿は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿には、上述した賞球が払い出される。そして、皿に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。なお、皿は、上下皿一体で構成してもいいし、上皿と下皿とを分離して構成してもかまわない。また、ハンドル51は、所定条件下で発光させてもかまわない。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン54は、皿が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ56は、光の照射方向を変更可能にして、当該照射方向を変えることによる演出を行ってもかまわない。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板(主制御基板)およびサブ基板(周辺基板)等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100が構成されたメイン制御基板、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200が構成された発射制御基板、および賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板等が配設されている。このメイン基板は、開封されることにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースによって密封されている。また、サブ基板には、演出を統括的に制御する演出制御部400と画像や音による演出を制御する画像音響制御部500とが構成された演出制御基板、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)や可動役物22による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1に供給された100VのAC電源をDC電源に変換して上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。なお、演出制御部400と画像音響制御部500とは、別々の基板上に実装されてもよい。
次に、図2を参照して、遊技機1での動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。図2は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600を備えている。
メイン制御部(主制御基板)100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、及び、RAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。
メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)および特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータや、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口25aへ入賞したときの保留回数や、遊技球が第2始動口25bへ入賞したときの保留回数や、遊技球がゲート27を通過したときの保留回数を管理する。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口28が突出傾斜して開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御部300に対して指示する。例えば、メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部300に指示命令(コマンド)を送る。なお、メイン制御部100は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
メイン制御部100は、発射制御部200を介して、遊技球を発射する発射装置211を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定の条件に基づいて、発射装置211が遊技球を発射する動作を許可する信号を、払出制御部300を介して発射制御部200へ送信する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32b、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口25aへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口25bへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞により始動した第1特別図柄抽選の結果を、第1特別図柄表示器31aに表示する。メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、第1特別図柄保留表示器32aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞により始動した第2特別図柄抽選の結果を、第2特別図柄表示器31bに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、第2特別図柄保留表示器32bに表示する。メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器33に表示する。そして、メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選を保留にしている保留回数を、普通図柄保留表示器34に表示する。
さらに、メイン制御部100は、遊技機1を設置している店(ホール)に設けられたホストコンピュータに対して、各種の情報を送信する。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した、払い出した賞球数に関する情報やメイン制御部100の状態等を示す情報を、上記ホストコンピュータに送信する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー52の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。また、発射制御部200は、メイン制御部100から発射を許可する信号を受信することによって、発射装置211の発射動作が可能となる。一方、発射制御部200は、停止ボタン53が押下された信号が出力されたり、メイン制御部100から発射を停止する制御信号が出力されたりした場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。そして、払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
また、払出制御部300には、上記ホストコンピュータに対して各種の情報を送信する。例えば、払出制御部300は、払出駆動部311に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や実際に払い出された賞球数に関する情報等を、ホストコンピュータに送信する。また、払出制御部300は、メイン制御部100に対しても、同様の情報を送信する。
演出制御部400は、CPU(演出制御CPU)401、ROM402、RAM403、およびRTC404を備えている。また、演出制御部400には、演出ボタン57および演出キー58が接続されている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57または演出キー58が押下操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。さらに、メイン制御部100が、特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部400は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部400は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
画像音響制御部500は、CPU(画像音響制御CPU)501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示器21に表示する画像およびスピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、画像表示器21において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示器21に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行う。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示器21に表示する。また、CPU501は、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物22の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた盤ランプ23や枠ランプ56での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた可動役物22の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
(可動役物22の動作に関する説明)
次に、図3を参照して、本実施形態に係る遊技機1の可動役物22の動作について説明する。図3は、画像表示器21と可動役物22とを拡大して示した図であり、本実施形態の可動役物22の動作を説明するための図である。図3(a)は、可動役物22が第1の位置(初期位置)で停止している様子を示す図である。図3(b)は、可動役物22が画像表示器21の画面の前面に変位した後の様子を示す図である。図3(c)は、図柄が停止して可動役物22が第1の位置に戻った後の様子を示す図である。
図3(a)に示すように、可動役物22は、所定の演出が行われない間は(第1の位置では)画像表示器21の右側に位置している。可動役物22が第1の位置に存在する場合は、遊技者は画像表示器21の画面全体を視認することができ、図3(a)に示すように、図柄(装飾図柄21a〜21c)が変動する様子を視認することができる。遊技球の第1始動口25a又は第2始動口25bへの入賞によりメイン制御部100で抽選(第1又は第2特別図柄抽選:大当たり抽選)が行われると、画像表示器21の画面には装飾図柄21a〜21cが変動する様子が表示される(図3(a))。次に、所定の時間が経過した後、装飾図柄21a及び21bが停止し、装飾図柄21cのみが変動している状態となる(図3(a)において、装飾図柄21cのみが変動している状態)。
さらに時間が経過すると、装飾図柄21cが停止する直前(又は装飾図柄21cが変動中)、装飾図柄21cが表示される画面上の位置の前面に位置するように、可動役物22が動作する(図3(b))。すなわち、所定の演出時において、装飾図柄21cが表示される位置の前面の位置である第2の位置に、可動役物22が変位する(可動役物22が第2の位置に移動する)。具体的には、可動役物22は、回転軸22aを中心に所定の角度だけ反時計回りに回転することによって、図柄の一部である装飾図柄21cが表示される位置(装飾図柄21cが可動役物22によって隠蔽される位置)に変位する。図3(b)に示されるように、可動役物22が第2の位置に変位した状態では、装飾図柄21cが可動役物22によって隠蔽されるため、装飾図柄21cは遊技者に視認され難い。従って、遊技者は、この時点ではどの画像(どの数字が描かれた画像)で装飾図柄21cが停止したのかを視認することができず、抽選の結果が大当たりなのか、はずれなのかを認識することができない。
次に、さらに所定時間が経過すると、装飾図柄21cの変動が停止し、可動役物22は第1の位置に戻る(図3(c))。これにより、遊技者は、装飾図柄21cが停止した様子を視認することができ、大当たり抽選の抽選結果を認識することができる。図3(c)に示す例では、各図柄の数字が異なるため、大当たり抽選の結果ははずれとなる。
上記のような可動役物22と画像表示器21に表示される図柄との連携において、可動役物22が故障した場合について説明する。本実施形態に係る遊技機1では、可動役物22が故障して第2の位置(装飾図柄21cが表示される位置の前面の位置)で停止した場合、図柄(装飾図柄21a〜21c)の表示位置を変更する。図4は、可動役物22が故障した場合において装飾図柄21a〜21cの表示位置が変更された後の様子を示す図である。図4に示すように、可動役物22が本来第1の位置に戻るべきタイミングにおいても、可動役物22が第2の位置に停止して動かない場合、装飾図柄21a〜21cは、第2の位置とは異なる位置に縮小して表示される。すなわち、装飾図柄21a〜21cが初期的に表示される位置とは異なる画面上の位置であって可動役物22によって隠蔽されない位置に、装飾図柄21a〜21cが表示される。これにより、可動役物22が所定の演出中に故障して図柄の一部が遊技者に視認できない位置で停止する場合であっても、遊技者は変動後の図柄(装飾図柄21a〜21c)を視認することができる。従って、遊技中に可動役物22が故障した場合であっても、遊技者は遊技を継続することができる。
次に、上述した動作を行わせるための各制御部の処理の概要について、図5を用いて説明する。図5は、遊技機1に設けられた各制御部の構成の一部を示すブロック図である。図5に示すように、ランプ制御部600には、上述したCPU601、ROM602、及び、RAM603の他、モータドライバ611が含まれる。モータドライバ611には、モータ612が接続される。モータドライバ611は、モータ612の駆動を制御するための制御回路であり、ランプ制御部600が構成されるランプ制御基板上に実装される。モータ612は、例えば、100ステップで1回転するステッピングモータである。モータ612は、図示しない駆動力伝達手段(歯車等)を介して可動役物22に接続される。このモータ612の駆動力が駆動力伝達手段を介して可動役物22に伝達されることにより、可動役物22が動作する。
モータ612は、CPU601によって制御される。具体的には、CPU601は、モータドライバ611に対して、パルス信号を送信する。モータドライバ611は、CPU601からのパルス信号を受信すると、モータ612のステーター(コイル)に電流を流して励磁することにより、モータ612を1ステップ(例えば、3.6度)だけ所定の方向に回転させる。このように、CPU601によってモータ612の回転方向、回転角、及び回転速度が制御される。
また、可動役物22の周辺(あるいは内部)には、近接センサ620が配設される。近接センサ620は、検出対象が存在することを非接触で検出するセンサである。具体的には、近接センサ620は、可動役物22が第2の位置に存在するか否かを非接触で検出する。近接センサ620は、可動役物22が第2の位置に存在する場合に、可動役物22の一部が近接する位置(例えば、図3(a)に示す位置A)に配設される。近接センサ620は、例えば、磁場の変化を検出することで、可動役物22が第2の位置に存在するか否かを検出する。なお、近接センサ620としては、磁気を検出するもの(誘導型)に限らず、静電容量の変化を検出するもの(静電容量型)や光を用いたもの(赤外線型)等、種々のものが用いられる。近接センサ620は、所定の時間間隔で可動役物22が第2の位置に存在するか否か検出し、検出結果をCPU601に送信する。
上述のように、遊技球が第1始動口25a又は第2始動口25bに入賞すると、メイン制御部100で特別図柄抽選(第1又は第2特別図柄抽選:大当たり抽選)が行われる。メイン制御部100で特別図柄抽選が行われると、その抽選結果に応じたコマンドが演出制御部400に送信される(図5のステップS1)。演出制御部400は、受信したコマンドに基づいて演出内容を決定する。次に、演出制御部400は、決定した演出内容に応じて、画像音響制御部500及びランプ制御部600にコマンドを送信する(ステップS2)。演出制御部400からのコマンドを受信した画像音響制御部500は、図柄が変動する様子を画像表示器21に表示したり、演出のためのキャラクタやアイテム等の画像を画像表示器21に表示したりする。また、演出制御部400からのコマンドを受信したランプ制御部600は、可動役物22に所定の演出を行わせる。
具体的には、CPU601は、予めROM602に格納された可動役物22の演出のための制御パターンでモータ612を制御することにより、可動役物22に所定の演出を行わせる。例えば、CPU601は、演出制御部400からのコマンドを受信してから時刻t1までは、可動役物22を第1の位置(図3(a))で振動させる。次に、時刻t1が経過すると、CPU601は、可動役物22を第2の位置に変位させ、時刻t2までその状態を維持する(図3(b))。そして、CPU601は、時刻t2が経過すると、可動役物22を再び第1の位置に変位させ(図3(c))、演出を終了する。
一方、近接センサ620は、可動役物22が第2の位置に存在するか否かを検出し、CPU601に検出結果を送信する。CPU601は、近接センサ620からの検出結果に基づいて、可動役物22が故障したか否かを判定することができる。すなわち、可動役物22が正常に動作している場合、演出制御部400からのコマンドを受信してから時刻t1までの期間や時刻t2以降は、可動役物22は第1の位置に存在しているため、近接センサ620は可動役物22を検出しない。従って、演出制御部400からのコマンドを受信してから時刻t1までの期間や時刻t2以降に、近接センサ620が可動役物22を検出する場合、CPU601は、可動役物22は故障であると判定することができる。
CPU601が可動役物22は故障したと判定した場合、CPU601は、演出制御部400に対して可動役物22が故障したことを示す信号を送信する(ステップS3)。すると、演出制御部400は、画像音響制御部500に対して、図柄の表示位置を変更するためのコマンドを送信する(ステップS4)。この演出制御部400からのコマンドに応じて、画像音響制御部500は、表示位置を変更して画像表示器21に図柄を表示する。具体的には、画像音響制御部500は、可動役物22が第2の位置に存在する場合でも遊技者が視認できる位置(可動役物22によって隠蔽されない位置。当該位置は予め定められる)に、図柄を表示する。
以上のようにして、可動役物22が故障した場合、画像表示器21に表示される図柄の位置を変更することにより、可動役物22が故障することによって遊技者が図柄を視認できなくなることを防止することができる。従って、遊技者は遊技を続行することができる。
次に、図6から図10を参照して各制御部(演出制御部400、画像音響制御部500、及び、ランプ制御部600)で行われる処理について、詳細に説明する。まず、図6を参照して、演出制御部400で行われる処理について説明する。
(演出制御部400における処理)
図6は、演出制御部400で行われる処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、タイマ割込みによって所定期間(例えば、4msec)毎に繰り返し行われる。
ステップS101において、演出制御部400のCPU401は、コマンド受信処理を実行する。当該コマンド受信処理の詳細を図7を用いて説明する。図7は、CPU401によって行われるコマンド受信処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図7では、本発明と直接関係しない処理については省略されている。
ステップS111において、CPU401は、変動開始コマンドをメイン制御部100から受信したか否かを判定する。ここで、「変動開始コマンド」とは、メイン制御部100による特別図柄抽選の抽選結果に応じて、メイン制御部100から送信されるコマンドである。変動開始コマンドは、画像表示器21に表示される図柄の変動を開始させるコマンドである。変動開始コマンドには、画像表示器21に表示される図柄が変動する時間(変動時間)に関する情報や特別図柄抽選の抽選結果を示す図柄等が含まれる。変動開始コマンドを受信した場合(判定結果がYesの場合)、CPU401は、次にステップS112の処理を実行する。一方、変動開始コマンドを受信していない場合(判定結果がNoの場合)、CPU401は、次にステップS113の処理を実行する。
ステップS112において、CPU401は、演出選択処理を実行する。演出選択処理では、上記変動開始コマンドに基づいて、演出内容が選択される。CPU401は、変動開始コマンドに含まれる変動時間(例えば、30秒)と同一の実行時間を有する複数の変動演出の中から、1つの変動演出を選択する。この変動演出(演出内容)には、画像音響制御部500によって画像表示器21に表示される図柄の変動や各種画像による演出の内容、及び、ランプ制御部600による可動役物22の動作内容等が含まれる。次に、CPU401は、ステップS113の処理を実行する。
ステップS113において、CPU401は、ランプ制御部600から可動役物22が故障したことを示す信号を受信したか否かを判定する。詳細は後述するが、ランプ制御部600が可動役物22の故障を判定すると、ランプ制御部600は、可動役物22が故障したことを示す信号(故障信号)を演出制御部400に送信する。可動役物22が故障したことを示す信号を受信すると(判定結果がYes)、CPU401は、次にステップS114の処理を実行する。一方、可動役物22が故障したことを示す信号を受信しない場合(判定結果がNo)、CPU401は、次にステップS115の処理を実行する。
ステップS114において、CPU401は、表示位置変更コマンドの設定処理を実行する。ステップS114においては、CPU401は、画像音響制御部500に図柄の表示位置を変更するコマンド(表示位置変更コマンド)を設定し、RAM403に記憶する。CPU401は、次にステップS115の処理を実行する。
ステップS115において、CPU401は、演出用の図柄(装飾図柄)を停止させるための変動停止コマンドをメイン制御部100から受信したか否かを判定する。なお、変動停止コマンドは、演出用の図柄の変動停止を示すコマンドであり、メイン制御部100においてセットされるコマンドである。判定結果が肯定の場合、CPU401は、次にステップS116の処理を実行する。一方、判定結果が否定の場合、CPU401は、図7に示すコマンド受信処理を終了する。
ステップS116において、CPU401は、変動演出終了中処理を実行する。ここで、ステップS116における「変動演出終了中処理」は、演出用の図柄の変動を停止させたり、可動役物22の動作を終了させたりする処理である。次に、CPU401は、図7に示すコマンド受信処理を終了する。
図6に戻り、CPU401は、次にステップS102の処理を実行する。ステップS102において、CPU401は、コマンド送信処理を実行する。ステップS102におけるコマンド送信処理は、画像音響制御部500及びランプ制御部600にコマンド(画像演出に関するコマンド及び可動役物22の演出に関するコマンド等)を送信する処理である。例えば、CPU401は、ステップS112の演出選択処理で選択した演出内容を実行するように、画像音響制御部500及びランプ制御部600にコマンドを送信する。また、CPU401は、ステップS114において表示位置変更コマンドを設定した場合、当該コマンドを画像音響制御部500に送信する。次に、CPU401は、図6に示す処理を終了する。
次に、図8及び図9を参照して、ランプ制御部600で行われる処理について説明する。図8は、ランプ制御部600のRAM603に記憶される主なデータ及びプログラムを示す図である。図9は、ランプ制御部600で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、RAM603には、プログラム記憶領域630とデータ記憶領域632とが設けられる。プログラム記憶領域630には、制御プログラム631が格納される。制御プログラム631は、可動役物22の動作を制御するためのプログラムであり、また、可動役物22の故障を検出するプログラムである。
データ記憶領域632には、動作制御データ633、センサ検出データ634、及び、故障判定データ635等が格納される。
動作制御データ633は、可動役物22に所定の動作を行わせるためのモータ612の駆動パターンを示す制御データである。CPU601は、当該制御データに基づいて、モータ612を制御することにより、可動役物22に所定の動作(図3に示す演出動作)を行わせる。
センサ検出データ634は、近接センサ620が可動役物22を検出したか否かを示すデータである。また、故障判定データ635は、可動役物22が故障したか否かを示すデータである。
次に、ランプ制御部600で行われる処理の詳細を図9を用いて説明する。ランプ制御部600は、演出制御部400からのコマンド(可動役物22の演出に関するコマンドや盤ランプ23等の演出に関するコマンド)を受信し、当該コマンドに応じて演出動作を開始したり、終了したりする。例えば、ランプ制御部600は、演出制御部400からの可動役物22の演出に関するコマンドに応じて、可動役物22の演出動作を開始する。具体的には、ランプ制御部600は、演出制御部400からのコマンドに応じて、ROM602から可動役物22の動作パターンデータ(上記制御プログラム631や動作制御データ633等)を読み出し、RAM603にコピーする。図9に示す処理は、以上の処理が行われた後に実行される。図9に示す処理は、タイマ割り込みにより、所定の時間間隔(例えば、2msec)毎に繰り返し実行される。なお、図9では、本発明と直接関係しない処理については省略されている。
ステップS121において、ランプ制御部600のCPU601は、可動役物22を制御する。具体的には、CPU601は、RAM603を参照して、動作制御データ633に格納されたモータ612の制御データに基づいて、モータ612を制御する。ステップS121の処理では、例えば、モータ612を所定の方向に1ステップだけ回転させることで可動役物22を動作させる。図9に示す処理は、所定の時間間隔(2msec)毎に繰り返し実行されるため、ステップS121の処理も繰り返し実行される。ステップS121において、モータ612を1ステップ回転させる処理を毎回行うとモータ612は比較的高速に回転し、10回に1回の割合でモータ612を1ステップ回転させる処理を行うとモータ612は比較的低速に回転する。このように、モータ612の駆動及び停止を制御することにより、可動役物22の動作を制御する。すなわち、ステップS121の処理が上記所定の時間間隔毎に繰り返し実行されることによって、可動役物22は、図3(a)〜(c)のように動作する。CPU601は、次にステップS122の処理を実行する。
ステップS122において、CPU601は、近接センサ620からの信号を受信する。具体的には、CPU601は、近接センサ620からの信号を受信して、当該信号に基づいて、近接センサ620が可動役物22を検出したか否かを示す値を、センサ検出データ634にセットする。例えば、CPU601は、近接センサ620が可動役物22を検出した場合(すなわち、可動役物22が上記第2の位置に存在する場合)、センサ検出データ634に1を格納する。CPU601は、次にステップS123の処理を実行する。
ステップS123において、CPU601は、可動役物22が故障したか否かを判定する。ステップS123では、CPU601は、センサ検出データ634に基づいて、可動役物22が故障したか否かを判定する。CPU601は、可動役物22の演出動作を開始してからの時間と近接センサ620の検出結果とに基づいて、可動役物22が故障したか否かを判定する。可動役物22が制御した通りに正常に動作している場合、ステップS121の処理が実行された回数に応じた位置に、可動役物22は存在する。従って、CPU601は、可動役物22の現時点での制御上の位置を、ステップS121の処理が実行された回数で知ることができる。ここで、「制御上の位置」とは、可動役物22が制御した通りに正常に動作している場合における位置であり、実際に可動役物22が存在する位置とは異なる場合がある。現時点では可動役物22の制御上の位置が第2の位置ではない場合において、近接センサ620が可動役物22を第2の位置で検出した場合、CPU601は、可動役物22は故障したと判定することができる。判定結果が肯定の場合、CPU601は、故障判定データ635に、可動役物22が故障したことを示す値を格納して、次にステップS124の処理を実行する。一方、判定結果が否定の場合、CPU601は、図9に示す処理を終了する。
ステップS124において、CPU601は、演出制御部400に可動役物22が故障したことを示す信号(故障信号)を送信する。CPU601は、次にステップS125の処理を実行する。
ステップS125において、CPU601は、可動役物22の動作を停止する。可動役物22が故障したと判定されたため、CPU601は、可動役物22の動作を停止し、図9に示す処理を終了する。
次に、図10を参照して、画像音響制御部500で行われる処理について説明する。図10は、画像音響制御部500で行われる処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御部500は、演出制御部400からの画像演出に関するコマンドを受信し、当該コマンドに応じて画像表示器21に画像を表示する。具体的には、画像音響制御部500は、演出制御部400からコマンドに応じて、画像表示器21に表示する背景画像、キャラクタやアイテム、装飾図柄等の画像をROM502から読み出す。そして、画像音響制御部500は、これらの画像の配置を決定して描画し、画像表示器21に出力する。図9に示すフローチャートでは、これらの処理の一部を省略して、本発明と直接関係する部分のみが示されている。なお、図10に示す処理は、タイマ割り込みにより、所定の時間間隔(例えば、1/60秒)毎に繰り返し実行される。
ステップS131において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から表示位置変更コマンド(ステップS114で設定され、ステップS102で送信された表示位置変更コマンド)を受信したか否かを判定する。CPU501は、表示位置変更コマンドを受信した場合、次にステップS132の処理を実行する。一方、CPU501は、表示位置変更コマンドを受信していない場合、次にステップS133の処理を実行する。
ステップS132において、CPU501は、表示位置変更処理を実行する。ステップS132の処理は、装飾図柄の表示位置を変更する処理である。表示位置変更コマンドを受信した場合、可動役物22は故障しており、可動役物22は装飾図柄21cが表示される位置の前面に位置している(図3(b))。従って、遊技者は装飾図柄21cを視認することができない。このため、ステップS132では、図4に示すように、遊技者が装飾図柄21a〜21cを視認できるように、表示位置及び大きさを変更する。次に、CPU501は、ステップS133の処理を実行する。
ステップS133において、CPU501は、描画処理を実行する。ステップS133では、各画像の描画処理がされて、画像表示器21に表示される。ステップS132で装飾図柄の表示位置が変更された場合、変更後の位置に装飾図柄が描画されて、画像表示器21に表示される。ステップS133の処理が所定の時間間隔(例えば、1/60秒)毎に繰り返し実行されることによって、上述した背景画像やキャラクタ、装飾図柄等が動的に変化する様子が画像表示器21に表示される。以上で図10に示す処理が終了する。
以上のように、本実施形態に係る遊技機1では、可動役物22の位置を検出し、可動役物22の故障を検出する。すなわち、本来可動役物22が第2の位置に存在していないタイミングであるにも拘らず可動役物22が第2の位置に存在している場合、可動役物22は故障したと判定する。そして、可動役物22が故障したと判定された場合、ランプ制御部600は演出制御部400に可動役物22の故障を通知し、演出制御部400が装飾図柄の表示位置を変更する。これにより、可動役物22が故障して動作しなくなった場合でも、遊技者が視認できる画像表示器21の画面上の位置に装飾図柄を表示することができる。
なお、他の実施形態では、図11に示すように、可動役物22は、所定の演出が行われない間は画像表示器21の周辺に配設された役物30内に収容され、所定の演出時に画像表示器21の画面の前面に変位してもいい。図11は、他の実施形態における遊技機を示す図である。図11に示すように、可動役物22は、演出が行われない間は、画像表示器21の上部に配設された役物30の内部に収容される。可動役物22は、所定の演出時に、画像表示器21の上部から下降して画像表示器21の画面の前面に出現し、装飾図柄21cを隠蔽する。また、可動役物22は、所定の演出が行われない間は、画像表示器21の周囲を取り囲むようにして形成された枠状の役物(センター役物)に収容され、所定の演出時に画像表示器21の画面の前面に変位してもいい。
また、本実施形態では、可動役物22が故障したと判定した場合、すべての装飾図柄21a〜21cの表示位置を変更したが、他の実施形態では、可動役物22によって隠蔽される装飾図柄のみの表示位置を変更してもよい。
また、本実施形態では、可動役物22が第2の位置に存在するか否かを近接センサ620を用いて検出したが、可動役物22が第2の位置に存在するか否かを検出する検出手段は、どのようなものでもよい。例えば、検出手段として、接触型のセンサを用いもよい。
また、本実施形態では、所定の演出時にランプ制御部600のCPU601によって可動役物22が第2の位置に変位されていない場合において、近接センサ620が可動役物22を第2の位置で検出したとき、可動役物22の故障を判定した。すなわち、可動役物22が第2の位置とは異なる位置(第1の位置、又は、第1の位置と第2の位置との間の位置)に変位されている場合において、近接センサ620が可動役物22を第2の位置で検出したとき、可動役物22の故障を判定した。そして、可動役物22の故障を判定した場合に装飾図柄の表示位置を変更した。他の実施形態では、所定の演出が実行さていない間において、近接センサ620が可動役物22を第2の位置で検出したとき、可動役物22の故障を判定してもよい。すなわち、所定の演出が実行さていない間は、可動役物22は第1の位置で静止している。この場合において、近接センサ620が可動役物22を第2の位置で検出した場合、可動役物22の故障を判定し、装飾図柄の表示位置を変更してもよい。
また、他の実施形態では、可動役物22の故障時のみならず、演出の一部として、図柄の表示位置を変更してもよい。すなわち、他の実施形態では、近接センサ620が可動役物22を第2の位置で検出した場合、図柄の表示位置を変更してもよい。これにより、可動役物22の実際の位置に応じて、図柄の表示位置を変更することができる。