JP2017124151A - 遊技機 - Google Patents

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Takuro Naganawa
卓郎 永縄
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Takashi Yoshizawa
高志 吉澤
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Shuhei Yamashita
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亜貴子 上原
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Abstract

【課題】演出部を用いて遊技機の興趣性を高める。
【解決手段】パチンコ遊技機は、移動可能な右サイド役物91、左サイド役物92を有し
て演出を行うサイド役物9と、移動可能な演出体70を有して演出を行うセンター役物6
と、演出に関わる画像を表示する第2画像表示部5と、を備える。そして、右サイド役物
91、左サイド役物92および演出体70が各々移動した後の状態にて右サイド役物91
、左サイド役物92と演出体70とにより形成される所定の形状の一部を、第2画像表示
部5が補完することを特徴とする。
【選択図】図39

Description

本発明は、遊技球の入賞によって大当たりの抽選を行うパチンコ遊技機や遊技媒体の投
入の際の抽選結果を複数リールの停止時に図柄の組み合わせで表示するスロットマシン等
の遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機では、例えば画像表示部で行われる画像演出とともに、実際
の構造物である演出部を動作させて、演出を盛り上げることが行われている。
そして、演出体としては、従来から種々のものが提案されている。例えば、特許文献1
では、駆動機構に支持された各開閉部材が開閉移動する過程で、各開閉部材の下部の方が
上部よりも先行して各方向へ移動するように構成され、駆動機構は、各開閉部材の内側端
縁同士が離間している時には各内側端縁を八字状又は逆八字状の非平行状態に保持し、各
開閉部材が閉止方向へ移動する過程では当初各内側端縁の上端部(下端部)同士が接触し
、更に閉止方向へ移動する接近過程の最後に内側端縁同士が垂直な姿勢で全長に渡って接
触するように各開閉部材の下部又は上部を支持する構成が開示されている。
特開2012−228363号公報
ところで、演出部の演出動作に関して、従来にない動作を実現することができれば、遊
技の興趣性をさらに高めることが可能になる。
本発明は、演出部を用いて遊技機の興趣性を高めることを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機(例
えば、パチンコ遊技機100)は、移動可能な第1移動部(例えば、右サイド役物91、
左サイド役物92)を有して演出を行う第1演出部(例えば、サイド役物9)と、移動可
能な第2移動部(例えば、演出体70)を有して演出を行う第2演出部(例えば、センタ
ー役物6)と、演出に関わる画像を表示する画像表示部(例えば、第2画像表示部5)と
、を備え、前記第1移動部(例えば、右サイド役物91、左サイド役物92)および前記
第2移動部(例えば、演出体70)が各々移動した後の状態にて当該第1移動部(例えば
、右サイド役物91、左サイド役物92)と当該第2移動部(例えば、演出体70)とに
より形成される所定の形状の一部を、前記画像表示部(例えば、第2画像表示部5)が補
完することを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
ここで、前記画像表示部(例えば、画像表示部114)は、第1位置から当該第1位置
とは異なる第2位置に移動可能に設けられ、当該第2位置に移動した状態で、前記所定の
形状の一部を補完することを特徴とすることができる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、こ
の符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、演出部を用いて遊技機の興趣性を高めることが可能になる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 遊技制御部による基本処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。 遊技制御部の主制御処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。 コマンドの構成を示す図であり、(a)はコマンドのデータ構造を示す図であり、(b)はコマンドのビット列としての構造を示す図である。 RAMにおけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。 出力制御部による出力処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図20の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図20の大当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態のセンター役物の概略図である。 本実施の形態の演出体における装飾の説明図である。 本実施の形態の演出体の分解斜視図である。 本実施の形態の演出体の部分縦断面図である。 本実施の形態の移動板の動作の説明図である。 本実施の形態のサイド役物の説明図である。 サイド役物と、装飾部材および第2画像表示部との位置関係の説明図である。 可動役物、画像表示部および第2画像表示部による演出例の説明図である。 可動役物、画像表示部および第2画像表示部による演出例の説明図である。 役物共同演出の変形例の説明図である。 役物共同演出の変形例の説明図である。 補完演出の変形例の説明図である。 補完演出の変形例の説明図である。 センター役物およびサイド役物が設けられたスロットマシンの概略側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側と紙面下側と
の方向を上下方向と称し、紙面左側と紙面右側との方向を左右方向と呼ぶ。さらに、図1
に示すパチンコ遊技機100に対して遊技者が遊技をする側を前側と呼び、その逆側を後
側と呼ぶ。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打
ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチン
コ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材1
50とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から
発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部
材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための
各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液
晶ディスプレイ等による画面114aを備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば
、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャ
ラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示
したりする。
また、図1に示すように、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物1
15および盤ランプ116を備えている。本実施の形態では、可動役物115は、センタ
ー役物6と、サイド役物9とを有している。そして、可動役物115は、遊技盤110上
で動作することにより各種の演出を行う。また、盤ランプ116は、発光することで各種
の演出を行う。
なお、可動役物115(センター役物6、サイド役物9)については、後に詳しく説明
する。
さらに、本実施の形態では、図1に示すように、演出のための各種の画像を表示する第
2画像表示部5を備えている。第2画像表示部5は、パチンコ遊技機100の前後方向に
おいて、遊技盤110よりも後側であって、画像表示部114よりも前側に配置される。
さらに、第2画像表示部5は、サイド役物9よりも後側に配置されている。そして、本実
施の形態では、第2画像表示部5とサイド役物9とは、互いに干渉しない位置に配置され
ている。
また、第2画像表示部5は、上下方向に沿って移動可能に構成されている。本実施の形
態では、第2画像表示部5は、図1に破線で示すように画像表示部114に対して下側に
位置する原点位置から、原点位置から上側に向けて移動し画像表示部114の前側に位置
する演出位置までの間の何れかの位置に移動することが可能になっている。
なお、第2画像表示部5の原点位置は、上下方向および左右方向におけるいずれの位置
でも良い。また、第2画像表示部5の移動方向に関しても、上下方向および左右方向のい
ずれの方向でも良い。さらに、第2画像表示部5は、遊技盤110に垂直な方向(前後方
向)に沿った回転軸や、遊技盤110の盤面に平行な方向に沿った回転軸を中心に、回転
可能に構成しても良い。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎ
および風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の
役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち
出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出
口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図
柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球
が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ
)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、
遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載
し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121
および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞
口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技
球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッ
チ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技
球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動
させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより
開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備
えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122
へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口
122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通
図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ない
し1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確
率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そ
して、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。ま
た、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時
短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、
所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状
態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を
短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは
複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別
図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結
果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を
行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行
う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を
統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種
のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各
種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC
電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設さ
れている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させ
る操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間
に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、
遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順
に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜め
ておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払
出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分
離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる
構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であって
も遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まってい
る遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えて
いる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演
出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は
、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で
構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。な
お、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構
成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板158(図34参
照)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は
、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)
は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121
の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応
して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通
図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の
入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図
柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止
させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過した
ことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形
態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列し
た表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同
様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様に
よって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特
別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2
特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図
柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器21
8、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配
列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が
行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞し
た場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開
始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され
、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球
に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされて
いることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別
図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を
備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置
で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図
柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するも
のである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞
しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つ
は、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な
状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、
他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態
よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状
態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技におい
て大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備え
ている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを
配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口12
5の作動ラウンド数が表示される。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力
装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として
、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーから
なる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は
、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、
画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、ま
た、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である
。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他
、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明
する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユ
ニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備
えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画
像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可
動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行
う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ラ
ンプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメ
イン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ
制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201
と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と
、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると
特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確
率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図
柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う
。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口12
2へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的に
ゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する

さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である
大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たす
まで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入
賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125
および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊
技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例え
ば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入
賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口1
26に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に
指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても
、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には
、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得
する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊
技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2
始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW
))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲ
ート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214
と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口
検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した
開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出
する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動
分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、
特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示
する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変
動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている

さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特
別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第
2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選
の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選
の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態
表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ21
4、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が
、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チュー
リップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別
図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特
別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それに
より、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に
対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊
技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊
技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコン
ピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU30
1にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301
の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロッ
ク(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否
かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン
161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた
演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(
不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される
操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客
待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状
態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響
制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処
理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶
されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と
、VDP(Video Display Processor)314と、CGROM315と、SNDROM3
16とを備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づい
て、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する

具体的には、CGROM315には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄
画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示
するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、SND
ROM316には、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ15
6から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが
記憶されている。
CPU311は、演出制御部300から送られた保留数コマンドもしくは変動開始コマ
ンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたデ
ィスプレイリストの作成、およびディスプレイリストのVDP314への送信などを行う
VDP314は、CPU311から受信したディスプレイリストに基づいて、CGRO
M315やSNDROM316にそれぞれ記憶された画像データや音響データ読み出す。
さらには、VDP314は、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示
、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための描画処理と、読み出した音
響データを用いた音声処理とを行う。そして、VDP314は、描画処理された画像デー
タにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、VDP314は、音声処理さ
れた音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
なお、本実施の形態では、VDP314が描画処理に併せて音声処理も行うよう構成し
ているが、これに限定されず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けても構わない
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物11
5の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプ
ログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等と
して用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、
盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物1
15の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定され
る演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよ
び発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、R
OM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコ
マンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した
発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出
内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、
可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と
、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、
CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払
出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第
1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマ
ンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの
払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い
出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留
の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出
された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部33
7と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検
出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出
信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種
の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部3
30は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や
払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部
情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に
対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊
技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図
柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変
動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パ
ターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行
する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と
、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に
、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数
値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数
の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取
得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じ
て特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブル
を用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの
種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわ
ち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口ス
イッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値
を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な
特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(
大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことを
いう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種
類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態
かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発
生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態お
よび高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率
時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短
遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高
確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短
無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短
無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これ
らの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選
した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待でき
る大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たり
とに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれ
る。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒
経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば
15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入
賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口
125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる
。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊
技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場
合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移
行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には
、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行し
ない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態
の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222
にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン
選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定
結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により
選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御
する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細について
は後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるた
めの演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「
当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御す
る。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場
合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口12
2に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には
、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に
応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330
へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制
御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理
として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部
200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、
電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図5−1は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM20
3(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する
)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリ
アスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部20
0は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断す
る(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200
は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復
帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮
断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体
的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技
状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状
態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御
部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップ
フラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S102でYes)、バックアップフラグがOF
F(S103でNo)、チェックサムが異常(S104でNo)のいずれかに該当する場
合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(
S106)、RAM203の作業領域を設定する(S107)。そして、遊技制御部20
0は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、
サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S108)。サブ基板の設定には、各サブ基板
に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含ま
れる。
復帰処理(S105参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S108参照)が終
了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを
設定する(S109)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S110)、割り
込み禁止(S111)、図柄乱数制御処理(S112)、初期値乱数更新処理(S113
)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S114)をループ処理として繰
り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処
理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられて
いる。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行
される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いら
れる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用
いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo
)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S1
10〜S114)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断
フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機1
00の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図5−2は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートであ
る。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポ
ートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成
し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフ
ラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限
ループに移行する。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御
すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制
御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図5−3は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例え
ば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、
予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割
り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図
5−3に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役
物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブ
ルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を
更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行わ
れる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチ
ン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状
態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブル
ーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとな
った場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部
234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動
およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルー
チン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる

大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルー
チン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238
の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開
放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルー
チン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンド
をセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルー
チン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用
のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S502からS50
4までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域
に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S505の処理において生成され
、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM
203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の
格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S502〜S505の処理で
制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制
御部300または払出制御部330)へ出力する。
本実施の形態では、図5−3に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行
う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS502〜S505の各処理に
おいて生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に
格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240
が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力
する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サ
イクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマ
ンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ
処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実
行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成さ
れていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例に
は限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所
定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻
る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で
、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発
生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成と
しても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成
する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部
240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異
なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電
源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する
場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処
理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体
的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、
まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容
を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動
口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部2
00は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONと
なったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば
、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上
限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。
保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を
保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、遊技制御部200の
乱数取得部231は、今回の入賞による判定のための乱数値を取得し、RAM203に格
納する(S603)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための
乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新され
た値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果
が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する
大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態
、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄
乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれ
のときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
そして、遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S604)。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S605)。
ここで、事前判定処理とは、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われている
が後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)につ
いて、特別図柄処理によって乱数が判定されるよりも以前にその乱数の判定を行う(事前
判定)処理である。
そして、本実施の形態の演出制御部300は、後述するように、事前判定処理によって
判定された乱数の判定結果(事前判定結果)に基づいて、特別図柄処理によって乱数が判
定され、その判定結果(抽選結果)が報知されるよりも以前に、その判定結果を示唆する
予告演出を行うことができる。
事前判定に基づく予告演出として、例えば保留表示において行う例を挙げることができ
る。本実施の形態では、後述するように、始動口における入賞により乱数の取得が既に行
われているが、後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(
保留球)については画像表示部114において保留表示が行われる。そして、この保留表
示に事前判定結果を反映させ、その保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の
判定が行われた際の判定結果を遊技者に示唆する。これによって、遊技者は、保留球に対
して期待を抱きながら遊技を行うことができる。
なお、事前判定結果を用いた予告演出は、保留表示に限らず、特別図柄処理による乱数
の判定結果(抽選結果)が報知されるよりも以前に行われる各種の演出内容に反映させる
ことで、多様な予告演出を行うことが可能になる。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S
605の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203に
セットする(S606)。
さらに、遊技制御部200は、S604による保留数U1の増加を演出制御部300に
通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S607)、第1始動口
121における入賞に対する処理を終了する。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次
に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212
がONとなったか否かを判断する(S608)。第2始動口スイッチ212がONとなっ
たならば、次に、遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留
数U2が上限値未満か否かを判断する(S609)。図6に示す例では、上限値を4個と
している。保留数U2が上限値に達している場合は(S609でNo)、それ以上未変動
分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を
終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S609でYes)、遊技制御部200の
乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格
納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS603と同様
に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数
値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の
乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理におい
て特別図柄抽選の結果が確定される。
そして、遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S611)。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S612)。この事前判定処理の内
容は、上記のS605と同様である。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S
612の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203に
セットする(S613)。
さらに、遊技制御部200は、S611による保留数U2の増加を演出制御部300に
通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S614)、第2始動口
122における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフロ
ーチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球
が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲート
スイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが
上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている
。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を
保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、遊技制御部200は、
遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し
、RAM203に格納する(S703)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図
柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
次に、遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S704)。
S704で保留数Gの値が加算された後、遊技制御部200は、S704による保留数
Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセ
ットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフロ
ーチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、
RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において大当たり
遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、大当たり遊技フラ
グは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグで
ある。大当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセ
ットされる。本実施の形態では、これらを総称して大当たり遊技フラグと呼ぶ。
大当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中である
ので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。
一方、大当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制
御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(
S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部2
33は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S8
03〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2
始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口
ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数
U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYe
s)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、
保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第
1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が
1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値
を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特
別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず
、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制
御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFと
する(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識
別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットさ
れる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パ
ターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり
判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示さ
れる特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定さ
れる。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理
で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表
示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定
内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマ
ンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開
始コマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で
変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過した
か否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの
経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断
される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続される
ので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、
まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を
S808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図
柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そし
て、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述
する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5−3のS506に示した出力処
理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、
今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは
小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか
否かは、図6のS603またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選
値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判
断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄
判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じ
て、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当
たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS603またはS610で取得
した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一
致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された
大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする
(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes
)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄
)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905
でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ
図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートであ
る。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は
、まず、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短無状態か時短状態か、および高確率状態
か低確率状態か)を参照する(S1001)。そして、大当たり判定処理(図9)のS9
02の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S100
2)。そして、大当たりだった場合(S1002でYes)、変動パターン選択部235
は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセ
ットする(S1003)。
一方、大当たりしなかった場合(S1002でNo)、次に変動パターン選択部235
は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するた
めの乱数値の判定を行う(S1004)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS603ま
たはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断する
ことによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1005でYes)、変動パタ
ーン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してR
AM203にセットする(S1006)。また、リーチ演出を行わない場合(S1005
でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM20
2から読み出してRAM203にセットする(S1007)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時
間3秒、7秒、13秒、15秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値
とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS603またはS610で取得した変動パ
ターン乱数値およびS1003、S1006、S1007でセットされた変動パターンテ
ーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1008)。すなわち、変動パタ
ーン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動
パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得
された場合でも、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短状態か時短無し状態か、および
高確率状態か低確率状態か)、特別図柄抽選の結果(大当たりしたか否か、大当たりして
いない場合はリーチ演出を行うか否か等、の違いに応じて参照される変動パターンテーブ
ルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1008で選択した変動パターンを設定情報
としてRAM203にセットする(S1009)。S1009でセットされた変動パター
ンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5−3の
S506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される
変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定にお
いて時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを
調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御
部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選
回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(
S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグを
ONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)におけ
る遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグ
をOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に
遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフ
ラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、こ
の確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確
変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状
態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になった
か否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes
)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、
抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理
(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグ
をOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に
遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109
)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大
当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判
断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセット
されているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に
、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は
、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状
態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)と
なる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。
高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技
状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は
、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状
態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)と
なる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別してい
ない。
S1111またはS1112で大当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200
は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1
101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかっ
た場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変
フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラ
グをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次
に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する
(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了す
る。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり
遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり
遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数
開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング
動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1
112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、大当たり
遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定され
たオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じた
オープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセッ
トして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3
のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定
において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待
ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされ
るフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、その
まま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、
遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)
、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンド
は、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待
ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフ
ローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、
RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(
S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされる
フラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述
の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易
い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止し
ている状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S130
1でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普
通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否か
を判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通
図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断す
る(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を
始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了す
る。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御
部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当た
り乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選
したか否かは、図7のS703で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示
すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによっ
て決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行
う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄
(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選
に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情
報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)
。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1
504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、
S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)
に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される
。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(
a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S13
08)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断
された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過した
か否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してか
らの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間
を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま
普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は
、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普
通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを
判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをO
Nにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技
フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示
すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、
RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べ
る(S1401)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞は
ないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、大当たり遊技フラグが
ONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊
技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニ
ング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入
賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープ
ニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過して
いないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を
終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403
でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1
404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラ
ウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(
開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作
動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合
としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当た
りであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じ
て様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)
作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15
ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場
合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行
う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1
秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動
作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口12
5の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンド
では29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウ
ンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この
1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの
作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大
入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されな
ければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短
当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上
記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、
小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125
が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラ
ウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開
放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放
時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大
入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S14
09)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入
賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S14
09でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数C
が規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞
口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS140
4で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達し
ていないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でN
o)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)
、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここ
で、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定
されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグ
に応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM20
3にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示
した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセ
ットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエ
ンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(
S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続され
るので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過
したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部20
0による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、大当たり遊技フラグをOFFにして
、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1
402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(
S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1
417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、
次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(
S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降
の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動
作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様で
あり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部2
00による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で大当たり遊技フ
ラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、そ
の大当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。こ
れらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセット
された図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定
処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S90
3、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態は変更しないので、遊技状態設
定処理を終了する。
大当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1
502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S15
04)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また
、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理
を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率
時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低
確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でN
o、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フ
ラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するR
AM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
大当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502
でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S150
7)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は
、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし
(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は
、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確
率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行
われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S
1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1
509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより
、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時
短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了
し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の
内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部23
8は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否
かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ12
3は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補
助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御
部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ
動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603
)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここ
で、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS150
4、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S16
03による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開
放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間
で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONである
とき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始
動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes
)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作
制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断
する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状
態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo
)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制
御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1
606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理
(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(
判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には
特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で
用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数
の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、大当たり判定時のパチンコ
遊技機100の遊技状態が低確率状態の場合の大当たりと大当たり判定時の遊技状態が高
確率状態の場合の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱
数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大
当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また
高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(
=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞
し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選
確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず
3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率
図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよ
び低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率
図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技
状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであ
ることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高
確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時
短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確
図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であること
を遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設
けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数
では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々に
ついて当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として3
5個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aで
の当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として1
5個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bで
の当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り
当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別
図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/
250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられて
いる。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選に
おいて大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(
=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り
当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別
図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/
250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられてい
る。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選にお
いて大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1
/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当
てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図
柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/25
0(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口
122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当た
りは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、
第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率
図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口
122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々
な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2
始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口
122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的
な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演
出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない
抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では
、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率で
リーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画
像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変
動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列
表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロール
を開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロー
ルが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止
する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、
最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのでは
ないかという期待感を遊技者に与える。
このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、単に
最後の一列が揃う様子を見せる通常リーチ演出が含まれる。また、リーチ有り演出のなか
には、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ス
トーリーが展開したりするとともに、演出時間が通常リーチ演出よりも長い所謂SP(ス
ーパー)リーチ演出が含まれる。さらにまた、リーチ有り演出のなかには、最後の1列の
スクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開した
りするとともに、演出時間がSPリーチ演出よりも長い所謂SP・SPリーチ演出が含ま
れている。
そして、通常リーチ演出の後に、SPリーチ演出が実行されたり、さらにSP・SPリ
ーチが実行されたりするなど、上記のリーチ有り演出を複数合わせて変動演出を行う場合
もある。なお、演出時間がより長いリーチ有り演出に移行することを、本実施の形態にお
ける説明においては発展すると呼ぶ。
また、後述する図18に示すように、本実施の形態では、変動時間がより長い(例えば
90秒や60秒)場合に、演出時間がより長いSPリーチ演出やSP・SPリーチ演出が
変動演出パターンとして選択されるように設定している。そして、後述するように、特別
図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に、変動時間がより長い変動パターンが選択
されるように設定される。従って、本実施の形態のパチンコ遊技機100においては、S
Pリーチ演出やSP・SPリーチ演出が実行される場合には、大当たりに当選する期待度
が高くなるようになっている。
一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような
演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で
図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像
表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するため
のもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期
待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横
または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。こ
れに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上
に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる大当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOF
Fのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として
9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球
が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに
対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行
われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5
−3に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽
選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)
で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この
乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図
17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更
新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの
情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各
乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例
示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブ
ルの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテ
ーブルの設定例を示す図である。なお、図18には、第1始動口121に遊技球が入賞し
た場合であって、遊技状態が低確率時短無遊技状態もしくは高確率時短無状態の場合に選
択される設定例を示している。
なお、本実施の形態では、図示を省略しているが、変動パターン選択処理に用いられる
変動パターンの設定として、遊技状態が低確率時短遊技状態もしくは高確率時短遊技状態
の場合に選択される変動パターンも存在し、それらの変動パターンを選択する際に参照さ
れる時短状態用のテーブルも設けられている。また、各々のテーブルの設定内容は、本実
施の形態においてそれぞれ異なるようにしている。さらに、第2始動口122に遊技球が
入賞する場合に関しては、同様に、変動パターン選択処理において選択される変動パター
ンの設定のテーブルが設けられてもよいし、第1始動口121に遊技球が入賞した場合に
参照するテーブルを共用して参照するようにしてもよい。
図18に示すように、変動パターンA〜Dは、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場
合(図10のS1002でYesの場合)に選択される変動パターンである。また、変動
パターンE〜Hは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1005でYesの場合)に
選択される変動パターンである。そして、変動パターンI〜Kは、リーチ演出が行われな
い場合(図10のS1005でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されて
いる。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように
構成しているため、変動パターンA〜Dが選択される場合においてリーチ演出の有無は参
照されない。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1
002でYesの場合)の変動パターンとして、4種類の変動パターンA〜Dが設定され
ている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1002でNoの場合)で
あった場合の変動パターンとして、7種類の変動パターンE〜Kが設定されている。変動
時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、
変動パターンDが15秒、変動パターンEが90秒、変動パターンFが60秒、変動パタ
ーンGが30秒、変動パターンHが15秒、変動パターンIが13秒、変動パターンJが
7秒、変動パターンKが3秒にそれぞれ設定されている。
また、図18に示すように、乱数(変動パターン乱数)の値の範囲は、何れも0〜24
9の250個である。
そして、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合において、変動パターンAに
は、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で90秒の変動時間が設定
される。また、変動パターンBには、75個の乱数値が割り当てられ、75/250の確
率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンCには、50個の乱数値が割
り当てられ、50/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変動パター
ンDには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で15秒の変動時間が設
定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA
〜Dのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンB
が選択され、次に高い割合で変動パターンCが選択され、最も低い割合で変動パターンD
が選択されるように設定することができる。そして、大当たりに当選した場合、比較的長
い時に亘っての変動演出が実行されやすくなっている。
また、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合、変動
パターンEには、25個の乱数値が割り当てられ、25/250の確率で90秒の変動時
間が設定される。また、変動パターンFには、50個の乱数値が割り当てられ、50/2
50の確率で60秒の変動時間が設定される。さらに、変動パターンGには、75個の乱
数値が割り当てられ、75/250の確率で30秒の変動時間が設定される。そして、変
動パターンHには、100個の乱数値が割り当てられ、100/250の確率で15秒の
変動時間が設定される。
つまり、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ有り演出が行われる場合に選
択される変動パターンE〜Hのうち、最も高い割合で変動パターンHが選択され、次に高
い割合で変動パターンGが選択され、次に高い割合で変動パターンFが選択され、最も低
い割合で変動パターンEが選択されるように設定することができる。そして、はずれであ
ってリーチ有り演出が行われる場合には、比較的短い時間に亘っての変動演出が実行され
やすくなっている。
そして、特別図柄抽選の判定結果がはずれであってリーチ無し演出が行われる場合、変
動パターンI〜Kには、250個の乱数値が割り当てられる。そして、変動パターンIは
保留数が0個であるとき、変動パターンJは保留数が1または2個であるとき、変動パタ
ーンKは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設
定されている。すなわち、はずれであってリーチ無し演出が行われる場合、特別図柄抽選
における判定の保留数が多いほど、図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パタ
ーン乱数値(図6のS603、S610参照)と、パチンコ遊技機100の遊技状態、リ
ーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そし
て、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制
御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、
特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づい
て特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行さ
れる。
〔コマンドの構成および伝送方式〕
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コ
マンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ
構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
図19−1(a)に示すように、遊技制御部200から演出制御部300へ出力される
コマンドは、1コマンドが2バイトで構成される。このコマンドは、第1データ部として
の1バイトの「コード」と、第2データ部としての1バイトの「データ」で構成されてい
る。「コード」は、コマンドの種類を示し、「データ」は、コマンドの値を示す。このコ
マンドは、1本のシリアル信号により調歩同期を用いて、遊技制御部200から演出制御
部300へ送信される。なお、より一般的には、第1データ部である「コード」は、aビ
ット(aは2以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に
特定され、第2データ部である「データ」は、n×aビット(nは1以上の整数)のサイ
ズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定
されている。
調歩同期を用いるため、コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々の先頭
には1ビットのスタートビット(図中、「S」と記載されたビット)が設けられ、最後尾
には1ビットのエンドビット(図中、「E」と記載されたビット)が設けられる。また、
コマンドを構成する「コード」および「データ」の各々には1ビットのパリティビット(
図中、「P」と記載されたビット)が設けられる。
図19−1(a)に示したように、コマンドを構成する「コード」と「データ」とは、
どちらも1バイト(8ビット)のデータサイズを有する。そして、伝送される際、「コー
ド」および「データ」には、それぞれ、スタートビット、エンドビットおよびパリティビ
ットが設けられる。そのため、コマンドを受信する演出制御部300において、受信した
データ列がコマンドの「コード」であるのか「データ」であるのかを、データ列の外形か
ら識別することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、「コード」と「データ」と
を識別するためのフラグを設定する。具体的には、「コード」を構成する8ビット値の特
定箇所の値と、「データ」を構成する8ビット値のうち「コード」の特定箇所に対応する
箇所の値とが異なるようにする。
図19−1(b)に示す例では、「コード」および「データ」のそれぞれの先頭の1ビ
ットをフラグとして用いている。すなわち、「コード」を構成する8ビット値においては
、先頭の1ビットの値を「1」とし、「データ」を構成する8ビット値においては、先頭
の1ビットの値を「0」とする。これにより、演出制御部300は、受信したデータ列の
スタートビットに続く先頭の1ビットの値を調べることにより、そのデータ列が「コード
」か「データ」かを識別することができる。なお、フラグの具体的な値は例示に過ぎず、
「コード」と「データ」とを識別可能であれば、上記に示す値とは異なる値を用いても良
い。
ここで、「コード」は先頭の1ビットの値が「1」に特定されているので、「コード」
が取り得る値の範囲は、10000000B(=80H)から11111111B(=F
FH)までの128個である。なお、各値に付された文字「B」は2進数表記であること
を示し、文字「H」は16進数表記であることを示す。また、「データ」は先頭の1ビッ
トの値が「0」に特定されているので、「データ」が取り得る値の範囲は、000000
00B(=00H)から01111111B(=7FH)までの128個である。すなわ
ち、図19−1(a)、(b)に示す構成によれば、各々128種類の値を取り得る、1
28種類のコマンドを設定することができる。
ところで、パチンコ遊技機100では、遊技状態や特別図柄抽選の判定結果等に応じて
多くの種類の演出が実行される。そのため、演出制御用のコマンドも多くのコマンド数が
用意される。特に、コマンドの具体的な内容を示す値である「データ」は、上記の128
個では不足することもあり得る。一方、コマンドの種類を示す「コード」は、通常、上記
の128個よりも小さい数で足りる。そこで、「コード」のビット列の一部を、「データ
」の値を記述するために用いることが考えられる。
例えば、「コード」の最後尾の1ビットを「データ」の値の記述に用いる場合を考える
。以下、「コード」および「データ」を構成する8ビットのビット列における各ビットを
、第1ビット〜第8ビットと呼ぶ。また、「コード」を構成するビット列とは別に、実際
にコマンドの種類を示す「コード」の値を「コード値」と呼び、「データ」を構成するビ
ット列とは別に、実際にコマンドの値を示す「データ」の値を「データ値」と呼ぶ。する
と、コード値は、「コード」のビット列のうち、第1ビットから第7ビットまでを用いて
記述され、データ値は、「データ」のビット列の全て(第1ビットから第8ビットまで)
と、「コード」の第8ビットとを用いて記述される。
このように構成すれば、コード値の取り得る範囲は、第1ビットの値が「1」に特定さ
れており、全体で7ビットのサイズであるので、1000000B(=40H)から11
11111B(=7FH)までの64個である。また、データ値の取り得る範囲は、第1
ビットの値が「0」に特定された「データ」の8ビットで表現される128個と「コード
」の第8ビットの値「0」、「1」とを合わせて、256個である。したがって、データ
値として256種類の値を持つコマンドを設定することが可能となる。
なお、「コード」の一部を用いてデータ値を記述する場合における上記の構成は例示に
過ぎず、具体的なビット数や値は上記の構成例には限定されない。例えば、「コード」の
第7ビットおよび第8ビットを用いてデータ値を記述するように構成しても良い。より一
般的には、第1データ部である「コード」を構成する所定のビットと、第2データ部であ
る「データ」を構成するビットとを用いて、所定の種類のデータ(データ値)が記録され
る。そして、第1データ部である「コード」における上記の所定のビットを除く残りのビ
ットを用いて、所定の種類のデータ(データ値)とは異なる他の種類のデータ(コード値
)が記録される。言い換えると、第2データ部である「データ」を構成するaビットと、
第1データ部である「コード」を構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の
整数)とを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ値が記録される。
また、扱うことができるデータ値の数を増やす手段としては、データ値を記述する「デ
ータ」のビット列を増やすことも考えられる。例えば、データ値を記述するビット列とし
て、「第1データ」と「第2データ」とを用意することが考えられる。この場合、各ビッ
ト列を8ビットとすれば、合計で16ビットのビット列によりデータ値を記述することが
可能となる。「第1データ」と「第2データ」とを識別するために、8ビットのビット列
のうち第2ビットをフラグとして用いることにすると、例えば、「第1データ」の第1ビ
ットおよび第2ビットを「00B」とし、「第2データ」の第1ビットおよび第2ビット
は「01B」とすることができる。なお、第1ビットは、「コード」と識別するためのフ
ラグとして値「0」となっている。すなわち、第2データ部である「データ」は、個々の
データ値を表すビット列(「第1データ」、「第2データ」、……)のサイズである8ビ
ットごとに(より一般的には、上記aビットごとに)、先頭の1ビットの値と同じ値が設
定される。
このように構成すると、「第1データ」の取り得る値の範囲は、00000000B(
=00H)から00111111B(=3FH)までの64個であり、「第2データ」の
取り得る値の範囲は、01000000B(=40H)から01111111B(=7F
H)までの64個であるので、合計で4096(=64×64)個となる。なお、ここで
は、「コード」と「データ」(「第1データ」および「第2データ」)を識別するための
フラグとして第1ビットを用い、「第1データ」と「第2データ」とを識別するためのフ
ラグとして第2ビットを用いることとしたが、第1、第2ビットを用いて4種類のビット
列を識別するためのフラグを設定しても良い。例えば、「コード」は第1、第2ビットの
値を「11B」とし、「データ」は第1、第2ビットの値を「00B」、「01B」、「
10B」の何れかとすることが考えられる。
〔遊技制御部のRAMにおけるコマンド出力のための構成例〕
図19−2は、RAM203におけるコマンド格納領域の構成例を示す図である。
図19−2に示すように、遊技制御部200のRAM203は、図5−3に示した主制
御処理等の各種の処理により生成される個々のコマンドが割り当てられたコマンド格納領
域(記憶領域)を有する。図19−2に示す例では、領域1から領域31までの31個の
コマンド格納領域がRAM203に設定されている。ここで、各コマンド格納領域に対す
るコマンドの割り当ては、必ずしも1対1の対応関係とはならない。例えば、同時に生成
されることがない複数のコマンドを、同一のコマンド格納領域に割り当てることが可能で
ある。図19−2に示す例では、領域1、領域9、領域12、領域19、領域20、領域
21、領域22、領域23、領域30に対して複数のコマンドが割り当てられており、そ
の他のコマンド格納領域にはそれぞれ1個ずつのコマンドが割り当てられている。
図19−2に示す例において、領域1には、電源投入に関するコマンドが割り当てられ
ている。電源投入に関するコマンドには、RAMクリア時の電源投入を制御するコマンド
と、復旧時の電源投入を制御するコマンドとがある。これらのコマンドは、生成される場
面が異なるので同時に生成されることがなく、いずれも領域1に割り当てられている。
領域2〜4には、第1始動口121への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口
1入賞」と記載)が割り当てられている。第1始動口121への入賞に関するコマンドの
一つは、第1始動口121への入賞に基づく事前判定(図6のS605参照)における判
定(先読み)結果を示すコマンド(図では「特図1図柄先読み」と記載)であり、領域2
に割り当てられている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み(
事前判定)結果を示すコマンド(図では「特図1変動パターン先読み」と記載)であり、
領域3に割り当てられている。さらに他の一つは、第1始動口121への入賞に基づき特
別図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特
図1保留(+1)」と記載)であり、領域4に割り当てられている。
領域5〜7には、第2始動口122への入賞に関する3つのコマンド(図では「始動口
2入賞」と記載)が割り当てられている。第2始動口122への入賞に関するコマンドの
一つは、第2始動口122への入賞に基づく事前判定(図6のS612参照)における判
定結果を示すコマンド(図では「特図2図柄先読み」と記載)であり、領域5に割り当て
られている。他の一つは、判定結果と共に特定される変動パターンの先読み結果を示すコ
マンド(図では「特図2変動パターン先読み」と記載)であり、領域6に割り当てられて
いる。さらに他の一つは、第2始動口122への入賞に基づき特別図柄抽選の保留数を更
新(ここでは値を1増加)したことを示すコマンド(図では「特図2保留(+1)」と記
載)であり、領域7に割り当てられている。
領域8〜10には、普通図柄抽選に関する5つのコマンド(図では、それぞれ「普図保
留」、「普図種類」、「普図確定」、「普図開閉」、「普図保留」と記載)が割り当てら
れている。普通図柄抽選に関するコマンドのうち、「普図保留」コマンドの一つは、遊技
球がゲート124を通過したことに基づき普通図柄抽選の保留数を更新(ここでは値を1
増加)したことを示すコマンド(図では「普図保留(+1)」と記載)であり、領域8に
割り当てられている。「普図種類」コマンドは、普通図柄抽選において、判定結果を表す
普通図柄を指定し、普通図柄表示器223の変動表示を開始したことを示すコマンド(図
では「普通図柄変動開始」と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図確定」
コマンドは、普通図柄抽選において、普通図柄表示器223を停止表示させ、普通図柄抽
選の判定結果を表す普通図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「普通図柄確定」
と記載)であり、領域9に割り当てられている。「普図開閉」コマンドは、普通図柄抽選
の判定結果に基づき普通電動役物である電動チューリップ123を作動させること(補助
遊技)を示すコマンド(図では「普電開放・閉鎖」と記載)であり、領域9に割り当てら
れている。「普図保留」コマンドの他の一つは、普通図柄抽選の処理が行われたことによ
り保留数を更新(ここでは値を1減少)したことを示すコマンド(図では「普図保留(−
1)」と記載)であり、領域10に割り当てられている。
ここで、普通図柄抽選の処理において、普通図柄の変動表示、普通図柄の停止表示、補
助遊技による電動チューリップ123の作動は、一連の操作として順次実行される。そし
て、電動チューリップ123の作動中に他の遊技球がゲート124を通過したことに基づ
く普通図柄の変動表示が開始されることはない(図13参照)。そのため、上記の「普図
種類」、「普図確定」、「普電開閉」の3種類のコマンドは、いずれも同時に生成される
ことはない。そこで、図19−2に示す例では、これら3種類のコマンドを同一のコマン
ド格納領域(領域9)に割り当てている。
領域11〜14には、特別図柄抽選に関する9つのコマンド(図では、「特図変動」、
「特図特電」と記載)が割り当てられている。特別図柄抽選に関するコマンドのうち、「
特図変動」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100の現在の遊技状態(高確率状態か低
確率状態か、時短状態か時短無状態か)を示すコマンド(図では「遊技状態」と記載)で
あり、領域11に割り当てられている。「特図変動」コマンドの他の一つは、特別図柄抽
選において、特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を指定し、特別図柄表示器221、
222の変動表示を開始したことを示すコマンド(図では「特図指定」と記載)であり、
領域12に割り当てられている。「特図変動」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄抽
選において行われる特別図柄変動の変動パターンを特定するコマンド(図では「変動パタ
ーン」と記載)であり、領域13に割り当てられる。「特図変動」コマンドのさらに他の
一つは、特別図柄抽選の処理が行われたことにより保留数を更新(ここでは値を1減少)
したことを示すコマンド(図では「特図保留(−1)」と記載)であり、領域14に割り
当てられている。
一方、「特図特電」コマンドの一つは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であること
を示すコマンド(図では「客待ち」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「
特図特電」コマンドの他の一つは、特別図柄抽選の判定結果に基づき特別電動役物である
大入賞口125を作動させること(特別遊技、大当たり遊技)を示すコマンド(図では「
特電開放」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コマンドのさ
らに他の一つは、大当たり遊技のオープニング動作が開始されたことを示すコマンド(図
では「大当たりOP」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特図特電」コ
マンドのさらに他の一つは、大当たり遊技のエンディング動作が開始されたことを示すコ
マンド(図では「大当たりED」と記載)であり、領域12に割り当てられている。「特
図特電」コマンドのさらに他の一つは、特別図柄表示器221、222を停止表示させ、
特別図柄抽選の判定結果を表す特別図柄を確定させたことを示すコマンド(図では「特図
確定」と記載)であり、領域12に割り当てられている。
ここで、特別図柄抽選の処理において、特別図柄の変動表示、特別図柄の停止表示、特
別遊技による大入賞口125の作動は、一連の操作として順次実行される。そして、特別
遊技の実行中に他の遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることはない(
図8参照)。また、大当たり遊技では、オープニング動作、大入賞口125の作動、エン
ディング動作が、一連の操作として順次実行される。そのため、上記の「特図変動」コマ
ンドにおける「特図指定」コマンドおよび5種類の「特図特電」コマンドは、いずれも同
時に生成されることはない。そこで、図19−2に示す例では、これら6種類のコマンド
を同一のコマンド格納領域(領域12)に割り当てている。
領域15〜18には、スイッチ検出に関する4つのコマンド(図では「スイッチ通過」
と記載)が割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの一つは、遊技領域11
1の左側のゲート124Lを遊技球が通過したことを示すコマンド(図では「左ゲート通
過」と記載)であり、領域15に割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドの
他の一つは、遊技領域111の右側のゲート124Rを遊技球が通過したことを示すコマ
ンド(図では「右ゲート通過」と記載)であり、領域16に割り当てられている。スイッ
チ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、第2始動口122に遊技球が入賞したこと
を示すコマンド(図では「始動口SW2通過(電チュー)」と記載)であり、領域17に
割り当てられている。スイッチ検出に関するコマンドのさらに他の一つは、大入賞口12
5に遊技球が入賞したことを示すコマンド(図では「大入賞口入賞」と記載)であり、領
域18に割り当てられている。
領域19〜30には、エラーに関するコマンド(図では「エラー」と記載)が割り当て
られている。パチンコ遊技機100の遊技制御部が検出するエラーとしては、例えば、払
出球が皿153(図1、図2(b)参照)に一杯になったことを示す満タンエラー、枠部
材150の前面枠が開状態となっていることを示す扉開放エラー、払い出しユニットによ
る遊技球の払い出しができなくなったことを示す払い出しエラー、ゲートスイッチ214
や始動口スイッチ211、212等の各種の検知スイッチが未接続となっていることを示
すスイッチ未接続エラー等がある。図19−2に示す例では、これらのエラーが、それぞ
れ領域19〜23に割り当てられている。また、エラーごとに、各エラーが発生したこと
を示すコマンド(図では「〜エラー開始」と記載)と、各エラーが解消したことを示すコ
マンド(図では「〜エラー終了」と記載)とが、同一のコマンド格納領域に割り当てられ
ている。
この他、パチンコ遊技機100の仕様や機能に応じて種々の制御項目やエラー項目を設
定し、制御項目に応じたコマンド、エラーが発生したことを示すコマンド、エラーの種類
によってはエラーが解消したことを示すコマンド等を生成するように構成して良い。そし
て、これらのコマンドを、コマンド格納領域に適宜割り当てることができる。図19−2
に示す例では、領域24〜30に、種々のエラーに関するコマンドが個別に割り当てられ
ている。また、領域31に、特定の入賞を検出して通知するためのコマンド(図では「入
賞通知指定」と記載)が割り当てられている。
以上のように、遊技制御部200のRAM203に設けられたコマンド格納領域は、1
つのコマンド格納領域に対して一種類または複数種類のコマンドが対応付けられている。
そして、図5−3に示した主制御処理において、遊技制御部200は、生成したコマンド
を、そのコマンドに対応付けられているコマンド格納領域に格納していく。
ここで、主制御処理では、1サイクルの処理が実行される度に、必ずしも全てのコマン
ドが生成される訳ではない。例えば、第1始動口121や第2始動口122への入賞がな
いときは、上記の始動口121、122への入賞に関するコマンドや「特図変動」コマン
ドは生成されない。また、普通図柄抽選に関するコマンドのうちの「普図開閉」コマンド
や「特図特電」コマンドは、これらの電動役物を作動させるべきタイミングでなければ生
成されない。また、エラーの発生に関するコマンドは、そもそもエラーが発生していなけ
れば生成されない。
したがって、主制御処理の出力処理(図5−3のS506参照)が行われる際には、通
常、RAM203に設けられたコマンド格納領域のうち、いくつかのコマンド格納領域に
はコマンドが格納されており、他のコマンド格納領域にはコマンドが格納されていない状
態となる。
〔コマンドの出力動作〕
図19−3は、出力制御部240による出力処理の内容を示すフローチャートである。
本実施の形態では、出力制御部240は、図19−2に示したRAM203のコマンド
格納領域の上から順に(領域番号の順に)着目し、各コマンド格納領域に格納されている
コマンドを出力する。
図19−3に示すように、遊技制御部200の出力制御部240は、まず、RAM20
3に設けられたコマンド格納領域のうち、先頭のコマンド格納領域(図19−2に示す例
では領域1)に着目し(S221)、コマンドが格納されているか否かを調べる(S22
2)。そして、コマンドが格納されているならば(S222でYes)、出力制御部24
0は、格納されているコマンドを読み出して演出制御部300へ出力する(S223)。
着目したコマンド格納領域(初期的には領域1)にコマンドが格納されていなかった場
合(S222でNo)、またはS223でコマンド格納領域に格納されていたコマンドを
出力した後、出力制御部240は、次の領域番号のコマンド格納領域が有るか否かを調べ
る(S224)。次のコマンド格納領域が有る場合(S224でYes)、出力制御部2
40は、そのコマンド格納領域に着目し(S225)、S222へ戻って、コマンドの有
無の確認(S222)、出力(S223)を繰り返す。そして、最後のコマンド格納領域
(図19−2に示す例では領域31)に対して処理を行ったならば、次の領域番号のコマ
ンド格納領域が無いので(S224でNo)、出力処理を終了する。
〔コマンドの出力順の設定〕
主制御処理においては、図6乃至図16を参照して説明した各処理においてコマンドが
生成されると、通常、直ちに生成されたコマンドがRAM203の対応するコマンド格納
領域に格納される。すなわち、コマンド格納領域へのコマンドの格納は、一般に、コマン
ドが生成された順に行われる。
一方、図19−3を参照して説明したように、出力制御部240による出力処理では、
一定の順序(上記の例では領域番号の順)で各コマンド格納領域に着目し、格納されてい
るコマンドを出力する。すなわち、コマンドの出力は、コマンドが生成された順に関わら
ず、予め定められた特定の順序で行われる。これは、コマンドに基づく演出制御部300
の演出制御において混乱を防ぐために、特定のコマンドに関しては特定の順序で演出制御
部300に送信されることが望ましい場合があるためである。すなわち、詳しくは後述す
るが、演出制御部300は遊技制御部200から受信した順にコマンドに基づく演出制御
を実行するため、コマンドを受信する順番が異なることによって、演出制御に矛盾が生じ
る等の混乱が生じる場合があるので、これを防止する必要がある。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−4は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−4(a)に示すメイン処理と、図19−4(b)
に示す割り込み処理とからなる。図19−4(a)を参照すると、演出制御部300は、
まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期
設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いら
れる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19
−4(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部
200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド
受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者によ
る演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。
この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響
制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913
)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤
ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19−4(b)のS1911)の内容を示すフローチ
ャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、事前判定結果コマンドを
受信したか否かを判断し(S2001)、事前判定結果コマンドを受信したのであれば(
S2001でYes)、さらに、保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(S2
002)。なお、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドは、遊技制御部200
において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S607、
S613、S614)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送
信されたものである。
そして、演出制御部300は、保留数増加コマンドを受信したと判断した場合(S20
02でYes)、RAM303に保持されている保留数の値を1加算する(S2003)
。さらに、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づ
いて、演出選択処理を行う(S2004)。なお、演出選択処理の内容については後に説
明する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドでない場合(S2
001およびS2002でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コ
マンドか否かを判断する(S2005)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200に
おいて、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5−3に示した
出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2005でYes)、演出制御
部300は、演出選択処理を実行する(S2006)。演出選択処理の詳細については後
述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンドおよび変動開始コマン
ドでない場合(S2001、S2002およびS2005でNo)、演出制御部300は
、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2007)。この変動停止
コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ
(S814)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される

受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2007でYes)、演出制御
部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2008)。変動演出終了中処理の詳細
については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンドお
よび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2002、S2005、S2007で
No)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを
開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2009)。このオープニン
グコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5−3
に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2009でYes)、演出
制御部300は、大当たり演出選択処理を実行する(S2010)。大当たり演出選択処
理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、
変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2002、S
2005、S2007およびS2009でNo)、演出制御部300は、受信したコマン
ドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを
判断する(S2011)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理に
おいてセットされ(S1413)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部
300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2011でYes)、演出
制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2012)。エンディング演
出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、
変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2
001、S2002、S2005、S2007、S2009およびS2011でNo)、
次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマン
ド受信処理を実行する(S2013)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述す
る。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の
演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされる
モードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設
定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられ
ている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数
に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフ
ラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄
の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで
、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの大当たりにも
モードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄
抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)
が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2004、S2006)の内容を示すフローチャ
ートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず、遊技制御部200のRAM2
03から受信した事前判定結果コマンドを解析する(S2201)。さらに、演出制御部
300に事前判定情報は、遊技制御部200のRAM203から受信した保留数増加コマ
ンドを解析する(S2202)。そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドお
よび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出パターンを選択する(S2203)。
ここで、事前判定演出パターンとしては、特別図柄処理による乱数の判定結果の報知の
以前に、その特別図柄処理による乱数の判定結果を予告するような各種の演出パターンを
設けることができる。例えば、保留表示演出や、連続予告演出等の演出を事前判定演出パ
ターンとして設けることができる。本実施の形態では、保留球が発生した際、表示器13
0の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219に表示する(図
2参照)と共に、画像表示部114に保留の発生や保留数を示唆する保留表示を行う(保
留表示演出)。そこで、この保留表示演出において、保留表示の表示態様等に事前判定結
果を反映させることにより、その保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判
定が行われた際の判定結果を遊技者に示唆する事前判定演出とすることができる。
なお、ここでは保留表示演出を事前判定演出として用いる場合について説明したが、特
別図柄処理による乱数の判定結果(抽選結果)が報知されるよりも以前に行われる各種の
演出内容に反映させることで、多様な予告演出を行うことが可能になる。例えば、画像表
示部114に表示される演出画像を用いた演出、盤ランプ116や枠ランプ157の発光
による演出、可動役物の動作による演出、楽曲や効果音等の音響出力による演出等を事前
判定演出パターンとして設定することができる。
そして、演出制御部300は、加算後の保留数の値と、演出選択処理において選択され
た事前判定演出パターンの情報とが含まれる保留数コマンドをRAM303にセットする
(S2204)。なお、保留数コマンドには、CPU311に対して選択された事前判定
演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保
留数コマンドを受信することで、選択された事前判定演出パターンに対応する画像や音響
をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VD
P314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された事前判定演出パターンを表
すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出し
て、事前判定演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
なお、演出選択処理において、受信したコマンドが、事前判定結果コマンドおよび保留
数増加コマンドのいずれでもなければ、S2201〜S2204の処理は行われない。
そして、演出制御部300は、受信した変動開始コマンドを解析する(S2205)。
また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモー
ドフラグを参照し(S2206)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算す
る(S2207)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得ら
れる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情
報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表
示部114に表示する画像による図柄変動の変動演出パターンを選択する(S2208)
最後に、演出制御部300は、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマン
ドをRAM303にセットする(S2209)。なお、変動演出開始コマンドには、CP
U311に対して選択された変動演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情
報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された変動演出パ
ターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイ
リスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択され
た変動演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDR
OM316から読み出して、変動演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現
する。
詳述しないが、S2208における図柄変動の変動演出パターンの選択処理では、演出
モードと変動パターンと演出乱数(図19−4のS1903において更新されている乱数
の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて変動
演出パターンが決定される。ここで決定された変動演出パターンに基づいて、装飾図柄の
変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1
特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に
伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において
、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2008)の内容を示すフローチャートで
ある。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマン
ドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチ
ンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部
300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄
の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりか否かを
判断する(S2303)。大当たりまたは小当たりである場合は(S2303でYes)
、その大当たりの種類または小当たりに応じて、図21に示した設定例に基づきRAM3
03にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりまたは小当たりでない場合(S2303でN
o)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。
モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータM
を1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値
が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に
設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパ
ラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモー
ドフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御
部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM30
3にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照
すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは大
当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった
場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モー
ドはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、
これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の大当たり演出選択処理(S2010)の内容を示すフローチャート
である。
この大当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニング
コマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出
のパターン(大当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部3
00は、選択した大当たり演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データ
をROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する大当たり
演出開始コマンドをRAM303にセットして、大当たり演出選択処理を終了する(S2
403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2012)の内容を示すフローチャ
ートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディ
ングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて
演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出
制御部300は、選択したエンディング演出パターンによる演出に用いられる画像データ
や音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示
するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択
処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2013)の内容を示すフローチャー
トである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを
判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出
制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フ
ラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった
場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フ
ラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば
(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)
、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達した
か否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、
客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes
)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2
606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待
ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コ
マンド、変動演出終了コマンド、大当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマ
ンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19−4(b)のS1912)の内容を示すフローチャ
ートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン16
1等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作
とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲
キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161およ
び演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は
、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスの
コントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御
部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303に
セットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19−4(b)のコマンド送信処理(S1913)を
行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコ
マンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/
音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部
114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ15
7の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図
3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合
、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッ
チ212(図3参照)がONとなった場合に、乱数の判定(図8のS808、S809参
照)が行われる以前に、事前判定処理により事前判定を行う(図6のS605、S612
参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆
する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球
)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。
本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122
)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を
優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判
定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、現在変動中の変動(当
該変動と呼ぶ)を含め、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。
事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行
われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出
を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制
御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成
を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例
を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図
であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図であ
る。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当た
り乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶
領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応す
る8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記
憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4
記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8
記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、入賞
した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領
域と、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リー
チ乱数が記憶される領域と、変動パターン乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち
、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および変
動パターン乱数が記憶される。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明する
と、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hの何れにも乱数が記憶されていな
いときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば
、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取
得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例
を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示
すブロック図であり、図29(b)は、図29(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブ
ロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する
保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備え
ている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口12
1への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応し
ており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1
記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有し
ている。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、
第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜3
06dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをO
N/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a
〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。す
なわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部
305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがON
となる。報知フラグは、個々の保留球に関して事前判定結果に基づいて予告演出を行うと
決定されたことを識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対
して事前判定処理(図6のS605、S612および後述の図30参照)が行われ、3番
目の保留球に対して予告演出を行うと決定された場合、第3記憶部305cの報知フラグ
記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部3
00において、所定数を限度として所定の始動条件の成立に基づく始動情報である保留情
報を記憶する記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、この始動情報である
保留情報に基づいて、この始動情報に対応する前記始動条件の成立を契機とする特別図柄
判定部234の判定が行われる前に、特別遊技状態に移行するか否かに関する事前判定処
理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するた
めの予告演出を行う演出制御手段である。
また、特に図示しないが、図28(a)に示した構成とは別に、RAM203は、事前
判定情報が記憶される領域(以下、事前判定情報格納領域)を有する。事前判定情報とは
、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S612参照)によって得られ
た情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結
果として得られる情報と同様であり、具体的には、大当たりの種類(大当たり、小当たり
、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演
出であるのかリーチ無し演出であるのか、変動パターン(変動時間)の内容といったこと
を示すための情報である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S612参照)について詳細に説明する。
本実施の形態における事前判定処理では、遊技制御部200では、図17や図18を参
照しながら説明した乱数の構成例と同様の乱数テーブルを用いて以下のとおり事前判定を
行う。
図30は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S612)の内容を示
すフローチャートである。
図30に示すように、遊技制御部200は、まず、遊技状態が高確率状態か否かを判断
し(S3001)、高確率状態であると判断すると(S3001でYes)、高確率状態
用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S3
002)。一方、S3001でNoと判断した場合には、低確率状態用のテーブルを選択
して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S3003)。
S3002またはS3003の大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定の後、
遊技制御部200は、遊技状態が時短状態か否かを判断し(S3004)、時短状態であ
ると判断すると(S3004でYes)、時短状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数
の事前判定を行う(S3005)。さらに、時短状態用のテーブルを選択して、変動パタ
ーン乱数の事前判定を行う(S3006)。
一方、S3004でNoと判断した場合には、時短無状態用のテーブルを選択して、リ
ーチ乱数の事前判定を行う(S3007)。さらに、時短無状態用のテーブルを選択して
、変動パターン乱数の事前判定を行う(S3008)。
この後、遊技制御部200は、上述のとおり得られた大当たり乱数の事前判定の結果、
大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、および変動パターン
の事前判定の結果を、事前判定情報として事前判定情報格納領域に記憶する(S3109
)。さらに、演出制御部300に事前判定情報を送信するために、事前判定情報を含む事
前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S3010)。
ここで、上述の事前判定は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得され
た乱数値(図6のS603、S610参照)と、大当たり判定処理で用いられる判定テー
ブル(図17参照)と同様の構成の判定テーブルとを用いて行った。すなわち、使用する
判定テーブルを選択した後の判定自体は、大当たり判定処理における判定(図9のS90
1参照)と同様である。そこで、本実施の形態では、特別図柄処理(図8参照)で用いた
大当たり判定処理のサブルーチン(図8のS808および図9参照)を呼び出し、上記の
事前判定における乱数の判定を行う。
このような構成としたことにより、本実施の形態では、事前判定処理における乱数の判
定を行うために、大当たり判定処理とは別に乱数を判定する処理機能(サブルーチン)を
用意する必要がない。そのため、制御命令の数を削減し、大当たり判定処理および事前判
定処理に関するプログラムのサイズの増大を抑制することができる。また、上記のように
、事前判定に用いる判定テーブルを大当たり判定で用いる判定テーブルと同様の構成とす
る場合には、大当たり判定で用いる判定テーブルを事前判定においても用いるようにして
も良い。
また、ここでは特別図柄抽選に関する事前判定(大当たりか否か)についてのみ説明し
たが、本実施の形態では、特別図柄の変動表示および停止表示を行う際の変動パターンに
ついても、先読み(事前判定)を行う。特別図柄抽選における変動パターンの選択は、始
動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された変動パターン選択用の乱数値(
図6のS603、S610参照)と変動パターンテーブル(図18参照)とを用いて行わ
れる(図8のS809および図10参照)。したがって、変動パターンの先読みにおいて
も、入賞時に取得した変動パターン選択用の乱数値と、特別図柄処理の変動パターン選択
処理で用いた変動パターンテーブルと同様の構成の先読みテーブルを用いて、選択される
変動パターンを先読みすることができる。
この場合、変動パターン選択処理で選択される変動パターンを先読みするために、特別
図柄処理(図8参照)で用いた変動パターン選択処理のサブルーチン(図8のS809お
よび図10参照)を呼び出して用いることができる。また、変動パターン選択の先読みに
用いる先読みテーブルに関しても、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いられる変
動パターンテーブルを用いて良い。このように構成すれば、変動パターン選択の先読みに
関する制御命令の数を削減し、プログラムのサイズの増大を抑制することができる。
なお、事前判定処理と特別図柄変動時の大当たり判定処理とを、同様の判定テーブル群
を用い同じサブルーチンにて行った場合、各処理の実行時が異なるために、事前判定結果
と特別図柄変動時の大当たり判定処理による判定結果とが異なる場合があり得る。すなわ
ち、事前判定処理の実行後、特別図柄変動開始時までにパチンコ遊技機100の遊技状態
(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)が変化した場合である。この場
合、判定テーブルは遊技状態に応じて異なる種類のものが用いられるため、事前判定処理
の実行時と大当たり判定処理の実行時とでは、判定に用いられる具体的な判定テーブルが
異なることになる。そのため、始動口121、122への入賞時に獲得した同一の乱数値
を使用しても、事前判定結果と大当たり判定処理の判定結果と異なる場合がある。このよ
うな場合、演出制御部300において、事前判定処理の実行後、特別図柄変動の開始時ま
でに遊技状態が変化する場合は、事前判定結果に基づく演出を不実行とする(禁則)制御
等を行っても構わない。
〔演出〕
次に、本実施の形態のパチンコ遊技機100において実行される演出について説明する
。本実施の形態では、変動演出パターンに基づいて、画像表示部114、第2画像表示部
5、および可動役物115(センター役物6、サイド役物9)を用いた変動演出を実行す
る。
そして、本実施の形態では、画像表示部114(例えば、画像表示部の一例)の遊技者
側にて装飾図柄41の周囲の少なくとも一部を囲う位置に移動可能に設けられるサイド役
物9(例えば、移動部の一例)を有し、装飾図柄41が変動表示に伴って変化する際にサ
イド役物9が装飾図柄41を囲う領域を狭める動作を行うという「役物共同演出」を行う

なお、本実施の形態において、サイド役物9は、装飾図柄41の周囲を完全に囲ったり
、装飾図柄41の外周(外形)において半周(半分)以上を囲ったりしても良い。つまり
、サイド役物9が、装飾図柄41を囲んでいたり、装飾図柄41を覆っていたりしている
ように見える態様にて構成すれば良い。
また、本実施の形態では、後述する移動可能な右サイド役物91(例えば、第1移動部
の一例)を有して演出を行うサイド役物9(例えば、第1演出部の一例)と、後述する移
動可能な演出体70(例えば、第2移動部の一例)を有して演出を行うセンター役物6(
例えば、第2演出部の一例)と、演出に関わる画像を表示する第2画像表示部5(例えば
、画像表示部の一例)と、を備える。そして、サイド役物9およびセンター役物6によっ
て演出を行う際に、右サイド役物91と演出体70とにより形成される特定の家紋である
装飾や形状(所定の形状)の一部を第2画像表示部5に表示する画像によって補完すると
いう「補完演出」を行う。
以下、「役物共同演出」および「補完演出」について説明するにあたって、前提となる
可動役物115(センター役物6、サイド役物9)や第2画像表示部5について詳細に説
明する。
〔センター役物6の構成・作用〕
図31は、本実施の形態のセンター役物6の概略図である。
図31(a)に示すように、センター役物6は、画像表示部114の上側に位置し左右
方向に延在する支持体60と、支持体60の左右方向略中央の位置で支持体60に移動可
能に支持される略円盤形状の演出体70と、支持体60に移動可能に支持される装飾部材
80と、を備えている。
また、本実施の形態では、パチンコ遊技機100のテーマに関わる装飾として特定の家
紋を用いている。特定の家紋は、後述するように、可動役物115や装飾図柄41等にお
いて装飾や形状として用いられる。具体的には、図31(a)に示すように、特定の家紋
は、3枚の葉が並べられた「家紋内側部」と、茎と外形を描く略環状の「家紋外側部」と
によって構成される。
支持体60は、遊技機本体に設けられた所定の保持部に保持されることによって固定さ
れている。
演出体70は、支持体60に対して移動可能に設けられている。より具体的には、演出
体70は、支持体60に対して昇降可能に設けられている。すなわち、演出体70は、図
31(a)に示す原点位置(上側位置)から下降動作し、図31(b)に示す演出位置(
下側位置)に移動可能である。また、演出体70は、演出位置から上昇動作(復帰動作)
し、原点位置に移動可能である。
演出体70は、原点位置に位置した状態で、画像表示部114の画面114aに対して
略重ならない位置に位置する。また、演出体70は、演出位置に位置した状態で、画面1
14aと重なるように位置する。
なお、演出体70は、原点位置と演出位置とのいずれかの位置で停止する場合のほか、
原点位置から演出位置までの間の所定位置でも停止することが可能になっている。
演出体70の駆動系は、支持体60に設けられた備えるモータ(不図示)と、モータの
駆動力を演出体70に伝達する伝達機構(不図示)とを備えて構成されている。なお、本
実施の形態の駆動系は、図31(b)に示すように、支持体60と演出体70とを繋いで
演出体70が上昇動作する際の駆動力を補助する2本の引っ張りコイルバネ75も備えて
いる。
また、演出体70は、原点位置に位置した状態(図31(a)参照)における大きさと
、演出位置に位置した状態(図31(d)参照)における大きさとが異なるようになって
いる。すなわち、演出体70は、原点位置に位置した状態では外形が小さく、演出位置に
位置した状態では外形が大きくなる。より具体的には、演出体70は、演出位置に位置す
る際に、後述するカバー部材71を開くことで、外形の投影寸法を大きくしている。
なお、演出体70の原点位置が、画像表示部114に対して、上下方向における下側や
、左右方向における右側または左側であっても良い。さらに、演出体70の移動方向は、
上下方向に限らず、左右方向や前後方向であっても良い。また、演出体70の移動方向は
、斜め方向であっても良い。
装飾部材80は、図31(b)に示すように、略円弧形状に形成されている。本実施の
形態では、装飾部材80は、特定の家紋における外側家紋部の一部を描くように形成され
ている。
そして、装飾部材80は、演出体70と共に昇降動作を行う。ここで、装飾部材80の
移動距離は、演出体70の移動距離よりも短い。このため、演出体70が下降動作すると
、装飾部材80は途中まで随伴するが、所定位置で停止する。その後、装飾部材80は、
さらに下降動作する演出体70との距離が離れる。また、演出体70が演出位置から上昇
動作を行うと、演出体70が所定位置に到達するまでは装飾部材80は停止する。そして
、演出体70が所定位置に到達した後には装飾部材80は、演出体70と共に上昇する。
続いて、演出体70の構造についてさらに詳しく説明する。
演出体70は、略等分割される3枚のカバー部材71(図31(a)参照)と、閉じた
状態のカバー部材71の内側に配置される装飾板72(図31(c)参照)と、装飾板7
2の後側に位置する移動板73(図31(d)参照)と、ベース部材76(後述する図3
3参照)と、を備えている。
カバー部材71は、図31(a)に示すように、演出体70の前面を覆うのみならず、
演出体70の外周面をも覆うように形成されている。そして、本実施の形態のカバー部材
71には、装飾の一例として特定の家紋が描かれている。より詳細には、カバー部材71
には、特定の家紋における家紋外側部および家紋内側部の両方の装飾が施されている。
また、カバー部材71は、時計の文字盤を例に説明すると、3枚のカバー部材71には
、0時から4時までの領域を覆う第1カバー部材711、4時から8時までの領域を覆う
第2カバー部材712、および8時から12時までの領域を覆う第3カバー部材713を
有している。なお、本実施の形態の説明において、第1カバー部材711〜第3カバー部
材713を特に区別しない場合には、カバー部材71と総称する。
そして、各カバー部材71は、装飾板72の側方において、装飾板72を開閉する動作
を行う。また、各カバー部材71は、図31(b)および図31(c)に示すように、連
動して開閉する。すなわち、各カバー部材71は、一緒に開き、一緒に閉じるようになっ
ている。
なお、本実施の形態では、各カバー部材71の全てが同期して開閉する構成を採用する
が、これに限られず、3枚のカバー部材71のうち1枚のみ、または2枚のみが開閉する
例や、3枚のカバー部材71が開く時間および/または閉じる時間に時間差をもたせても
良い。
演出体70において、図31(a)に示すように、カバー部材71が閉じた状態では、
装飾板72および移動板73はカバー部材71によって覆われ、外部から視認することが
困難になっている。そして、図31(c)に示すように、カバー部材71が開いた状態で
は、装飾板72が露出し外部から視認することができる。
装飾板72は、図31(c)に示すように、略円盤状に形成された部材である。そして
、装飾板72は、前側を向くように設けられる。また、装飾板72には、装飾の一例とし
て特定の家紋における家紋内側部の一部が描かれている(後述の図32(b)参照)。
移動板73は、図31(d)に示すように、装飾板72から半径方向外側に飛び出す動
作を行うものである。この移動板73および装飾板72の動作は、例えば前後方向に延び
る回転軸を中心に回転することや、半径方向外側にスライドすることで実現される。また
、本実施の形態では、移動板73には、装飾の一例として特定の家紋における家紋内側部
の一部が描かれている(後述の図32(b)参照)。
また、本実施の形態の移動板73は、6枚の部材(第1移動板731、第2移動板73
2、第3移動板733、第4移動板734、第5移動板735、第6移動板736)を備
えて構成される。なお、本実施の形態の説明において、第1移動板731〜第6移動板7
36を特に区別しない場合には、移動板73と総称する。
移動板73は、図31(c)に示すように、カバー部材71が開いただけの状態では、
装飾板72に隠れており、外部から視認することが困難である。これに対して、図31(
d)に示すように、移動板73は、カバー部材71が開いて装飾板72から飛び出すこと
で、外部から視認できるようになる。
また、本実施の形態では、6枚の移動板73は、全てが同じタイミングで装飾板72か
ら飛び出し、全てが同じタイミングで装飾板72に隠れるようになっている。すなわち、
6枚の移動板73は、飛び出したり隠れたりする動作が同期する。
なお、6枚の移動板73のうちの一部(例えば隣り合わないもの同士)がまず飛び出し
、所定時間後に残りが飛び出すようにしても良い。そのような場合、飛び出している6枚
の移動板73のうちの最初に飛び出した移動板73がまず装飾板72に隠れ、残りは予め
定められた時間経過後に装飾板72に隠れるようにしても良い。
また、6枚の移動板73のうちの一部のみが飛び出し装飾板72に隠れる一連の動作が
終了しても、残りは飛び出さないようにしても良い。
ベース部材76は、前後方向において、カバー部材71、装飾板72および移動板73
よりも後側に配置されている。そして、ベース部材76は、カバー部材71、装飾板72
および移動板73を取り付けるための基礎となっている。
なお、本実施の形態では、演出体70がカバー部材71および移動板73を備える構成
を採用するが、いずれか一つのみを備える構成でも良い。すなわち、演出体70がカバー
部材71および装飾板72を備える一方で移動板73を備えないようにしたり、演出体7
0がカバー部材71および移動板73を備える一方で装飾板72を備えないようにしたり
しても良い。
続いて、カバー部材71の装飾と、装飾板72および移動板73の装飾とについて詳細
に説明する。
図32は、本実施の形態の演出体70における装飾の説明図である。
図32(a)は、カバー部材71が閉じた状態(図31(a)参照)の演出体70の全
体図である。また、図32(b)は、カバー部材71が開き、装飾板72と移動板73と
が現れた状態(図31(d)参照)の演出体70の部分拡大図である。
図32(a)に示すように、カバー部材71においては、第2カバー部材712と第3
カバー部材713とにわたって家紋内側部における一枚の葉の装飾が形成されている。同
様に、第3カバー部材713と第1カバー部材711とにわたって家紋内側部における1
一枚の葉の装飾が形成され、第1カバー部材711と第2カバー部材712とにわたって
家紋内側部における一枚の葉の装飾が形成される。
また、家紋外側部は、第1カバー部材711、第2カバー部材712および第3カバー
部材713の半径方向外側にて、これらの部材にわたって形成される。
一方、図32(b)に示すように、装飾板72と移動板73とにおいて、装飾板72と
、例えば第3移動板733および第5移動板735にわたって、家紋内側部における一枚
の葉の装飾が形成される。同様に、他の移動板73と装飾板72とにおいても、家紋内側
部における一枚の葉の装飾が形成される。このように、装飾板72および移動板73によ
って、家紋内側部が描かれる。
そして、装飾板72および移動板73が描く家紋内側部は、第1カバー部材711が描
く家紋内側部に対して、サイズが大きく形成されている。つまり、第1カバー部材711
が描く家紋内側部と、装飾板72および移動板73が描く家紋内側部とは、相似(ないし
類似、近似)するようになっている。
続いて、演出体70の構造について詳細に説明する。
図33は、本実施の形態の演出体70の分解斜視図である。
図33に示すように、カバー部材71において、第1カバー部材711、第2カバー部
材712および第3カバー部材713は、回転軸714をそれぞれ有している。回転軸7
14は、遊技盤110(図1参照)の盤面に平行な方向に沿って設けられる。また、回転
軸714は、ベース部材76に取り付けられる。そして、第1カバー部材711、第2カ
バー部材712および第3カバー部材713は、回転軸714を回転中心として回転可能
になっている。
装飾板72は、LED721を搭載する電飾基板722と、電飾基板722のLED7
21の光を透過する透光板723とを有している。LED721は、ランプ制御部320
からのコマンド信号を基に不図示のドライバにより発光制御される。
移動板73は、それぞれ回転軸73Aを有している。回転軸73Aは、遊技盤110に
垂直な方向(前後方向)に沿って設けられる。そして、各移動板73は、回転軸73Aを
介して、ベース部材76に回転可能に保持される。
そして、移動板73において、第1移動板731、第2移動板732および第3移動板
733(以下、前側移動板群737と呼ぶ)は、前後方向において前側に位置している。
また、第4移動板734、第5移動板735および第6移動板736(以下、後側移動板
群738と呼ぶ)は、前後方向において後側に位置する。
ここで、前側移動板群737においては、各移動板73同士は、各移動板73の回転半
径よりも遠い位置に配置される。そのため、前側移動板群737において、各移動板73
が回転する際に互いに干渉しない。同様に、後側移動板群738においても、各移動板7
3が回転する際に互いに干渉しないようになっている。さらに、前側移動板群737と後
側移動板群738とは、前後方向においてずれて配置されている。そのため、前側移動板
群737と後側移動板群738との関係においても、各移動板73が回転する際に互いに
干渉しない。
そして、ベース部材76は、ベース部材76の本体である基部761と、基部761を
覆う覆部材762と、を含んで構成されている。覆部材762は、基部761と移動板7
3との間に位置する。基部761は、演出体70における各機構を駆動する駆動モータや
ギア等が取り付けられる。また、ベース部材76には、上述した移動板73の回転軸73
Aが取り付けられる第1取付部761Aや、カバー部材71の回転軸714が取り付けら
れる第2取付部761Bや、が形成される。
次に、演出体70のカバー部材71および移動板73の動作機構についてより詳細に説
明する。
図34は、本実施の形態の演出体70の部分縦断面図である。
ここで、図34では、(a)〜(c)の順でカバー部材71の開き動作を示し、また、
(c)〜(d)の順で移動板73の飛び出し動作を示す。
カバー部材71は、ベース部材76に設けられた第2取付部716Bに取り付けられる
回転軸714を中心として回転可能である。回転軸714は、前後方向に関し、カバー部
材71の後端よりも後方に位置しており、透明板158から離れた位置にある。また、回
転軸714は、演出体70の外周面となるカバー部材71の部分よりも内側に位置する。
このため、カバー部材71の回転半径(回転軸714とカバー部材71の先端71aとの
間の距離)が小さくなり、カバー部材71が開閉動作を行う際に必要となる空間を狭くす
ることが可能になる。
図34(a)に示す状態は、演出体70のカバー部材71が閉じた状態であり、かつ、
移動板73が装飾板72の背後に隠れている状態である。カバー部材71と透明板158
との間の空間は、比較的大きく確保されている。
これは、図34(b)に示すように、カバー部材71の回転時に透明板158と干渉す
ることを防止するためであり、前後方向に関する寸法を大きくしている。言い換えると、
遊技盤110の盤面と透明板158との間の前後方向に関する寸法は、ある程度の幅で制
約される一方で、カバー部材71と透明板158との間の前後方向に関する寸法は、その
ような制約がない。そこで、本実施の形態では、カバー部材71が大きな動きを行うため
に前後方向に関する寸法を確保している。
さらに説明すると、図34(a)および図34(b)に示す状態では、演出体70の正
面視で、カバー部材71の表面71bが見え、カバー部材71の裏面71cは見えない。
その一方で、図34(c)および図34(d)に示す状態では、演出体70の正面視で、
カバー部材71の表面71bは見えず、カバー部材71の裏面71cが見えるようになる
。すなわち、カバー部材71は、表面71bおよび裏面71cで演出体70による演出を
実現している。
また、カバー部材71の先端71aの位置は、カバー部材71が閉じた状態では、図3
4(a)に示すように演出体70の中央位置すなわち半径方向内側寄りにある。そして、
カバー部材71が開いた場合の先端71aの位置は、図34(c)に示すように演出体7
0の中央位置から遠い位置すなわち半径方向外側にある。
より詳細には、カバー部材71が開いた状態の先端71aの位置は、カバー部材71が
閉じた状態と比べて、正面視で距離Rだけ半径方向外側に位置する。つまり、カバー部材
71が開いた状態の演出体70の外径寸法は、カバー部材71が閉じた状態の演出体70
の外径寸法よりも2Tだけ大きくなる。したがって、図34(a)に示すカバー部材71
が閉じた状態は、演出体70の大きさが小さく、図34(c)に示す開いた状態では、演
出体70の大きさが大きくなる。このように、本実施の形態における演出体70は、カバ
ー部材71が閉じた状態と開いた状態とで大きさが変わる。
演出体70の移動板73は、図34(c)に示すように、正面視で装飾板72と重なる
ように位置し、演出時には図34(d)に示すように、正面視で装飾板72からはみ出す
。より詳細には、装飾板72からはみ出した移動板73は、開いたカバー部材71の先端
71aよりも半径方向内側に位置する。そして、移動板73が装飾板72からはみ出して
も、カバー部材71に衝突しないようになっている。
次に、図35を参照しながら、移動板73の動作について説明する。
図35は、本実施の形態の移動板73の動作の説明図である。
図35(a)に示すように、初期状態では、移動板73は、収容された状態になってい
る。そして、図35(b)に示すように、移動板73の各々が回転軸73Aを中心として
回転し、回転軸73Aの周方向における一方の端部が装飾板72から突出する。さらに、
図35(c)に示すように、移動板73の各々が回転軸73Aを中心として回転を継続し
、移動板73は展開状態となる。なお、この展開状態においては、移動板73における装
飾板72から突出する面積が最も大きくなる。
また、図35(d)に示すように、移動板73の各々が回転軸73Aを中心として回転
をさらに継続すると、一方の端部が装飾板72の後側に配置(没入)され回転軸73Aの
周方向における他方の端部が装飾板72から突出する状態になる。そして、最終的には、
図35(e)に示すように、移動板73は収容状態へと戻る。
このように、移動板73の回転角度に応じて、演出体70の形状が変化する。さらに説
明をすると、移動板73の回転にともない、移動板73における装飾板72から突出する
部分の形状が変化する。
なお、ここでは、収容状態から展開状態を経て再び収容状態に戻る動作を説明したが、
収容状態に戻った後に再び展開状態となる動作、つまり展開収容を複数回繰り返す動作を
行ってもよい。
〔サイド役物9の構成・作用〕
次に、可動役物115のサイド役物9について説明する。
図36は、本実施の形態のサイド役物9の説明図である。
図36(a)に示すように、サイド役物9は、画像表示部114に対して右側に位置す
る右サイド役物91と、画像表示部114に対して左側に位置する左サイド役物92とを
備えている。また、サイド役物9は、右サイド役物91および左サイド役物92の各々が
移動のための駆動源を有する。具体的には、サイド役物9は、右サイド役物91を駆動す
るモータ93と、左サイド役物92を駆動するモータ94とを備えている。
右サイド役物91および左サイド役物92は、装飾図柄41の外形に沿うことが可能な
形状を有している。本実施の形態の装飾図柄41は、外形が円形状となるように形成され
ている。そして、この装飾図柄41の形状に対応させて、右サイド役物91および左サイ
ド役物92を、円形状の装飾図柄41に沿うように円弧状に形成している。さらに、右サ
イド役物91および左サイド役物92は、配置したときに左右対称となるように形成して
いる。
また、右サイド役物91は、右サイド役物91が有するLEDにより発光する発光領域
91Aと、右サイド役物91の背後から到来する光を透過する透過領域91Bと、を有す
る。同様に、左サイド役物92は、左サイド役物92が有するLEDにより発光する発光
領域92Aと、左サイド役物92の背後から到来する光を透過する透過領域92Bと、を
有する。
そして、本実施の形態では、透過領域91Bおよび透過領域92Bは、特定の家紋にお
ける家紋外側部の一部を描くように形成されている。
以上のように構成される右サイド役物91および左サイド役物92は、それぞれ、左右
方向にスライド移動可能である。すなわち、右サイド役物91および左サイド役物92は
、図36(a)に示す原点位置から図36(b)に示す演出位置まで移動可能である。
また、右サイド役物91および左サイド役物92は、それぞれ演出位置に位置した状態
で、全体として、略円形を描くようになっている(後述する図37参照)。そして、右サ
イド役物91および左サイド役物92は、それぞれ演出位置に位置した状態で、装飾図柄
41の周囲の少なくとも一部を囲うことが可能になっている。
さらに、右サイド役物91および左サイド役物92は、図36(a)に示す原点位置で
待機する状態と、図36(c)に示す演出位置で所定演出を行う状態とのほか、図36(
b)に示すように、原点位置と演出位置との間の中間位置で、左右方向に小刻みに移動す
る動作を行うことが可能になっている。
なお、本実施の形態では、右サイド役物91および左サイド役物92が同期して原点位
置、中間位置および演出位置への移動を行っているが、いずれか一方のみが原点位置から
演出位置への移動を行うようにしても良い。
また、本実施の形態では、右サイド役物91および左サイド役物92を一対とする構成
を採用するが、いずれか一方のみを有していても良い。
(第2画像表示部5の表示内容)
第2画像表示部5の画面5aには、特別図柄が変動表示中に行われる変動演出に関わる
画像や、事前判定演出に関わる画像など、各種の画像を表示することができる。
例えば、画面5aにて、装飾図柄41の変動表示を行ったり、リーチ演出を行ったりし
ても良い。また、画面5aに、画像表示部114にて実行されるリーチ演出の内容(例え
ば、発展予定のリーチ演出内容)を示唆する画像を表示させても良い。
また、画面5aに、保留表示演出に関わる保留表示画像を表示しても良い。さらには、
事前判定演出の一つとして保留表示演出において保留表示画像の表示態様の変化させる変
化演出を行い、遊技者に対して大当たりの当選の期待度を報知または示唆する場合には、
その変化演出に関わる画像を画面5aにて表示しても良い。
さらにまた、大当たり遊技中においては、画面5aに、大当たり遊技に関する画像を表
示しても良い。例えば、画面5aに、大当たり遊技中に流れる楽曲の曲名や歌詞、ラウン
ド数、払い出した賞球の個数などを表示しても良い。
図37は、サイド役物9と、装飾部材80および第2画像表示部5との位置関係の説明
図である。
図37に示すように、サイド役物9が演出位置に位置する状態では、右サイド役物91
の外周および左サイド役物92の外周は、所定の仮想円上に位置するようになっている。
そして、本実施の形態では、サイド役物9が演出位置に位置する状態にて、装飾部材8
0は、画像表示部114の上側に向けて降下する。このとき、装飾部材80の外周は、右
サイド役物91および左サイド役物92の仮想円上に位置する。これにより、本実施の形
態では、サイド役物9(右サイド役物91、左サイド役物92)によって演出を行う際に
、サイド役物9(右サイド役物91、左サイド役物92)が形成する所定の形状(本実施
の形態では円形状)の一部を、装飾部材80が補完するようになっている。
さらに、本実施の形態では、サイド役物9が演出位置に位置する状態にて、第2画像表
示部5は、上側位置に位置する。そして、第2画像表示部5は、仮想線上に沿った円弧状
の補完画像5Gを画面5aに表示する。これによって、本実施の形態では、サイド役物9
(右サイド役物91、左サイド役物92)および装飾部材80によって演出を行う際に、
サイド役物9(右サイド役物91、左サイド役物92)と装飾部材80とにより形成され
る所定の形状(上記の例では、円形状)の一部を、第2画像表示部5の補完画像5Gが補
完するようになっている。
そして、本実施の形態では、サイド役物9、装飾部材80および第2画像表示部5によ
って、特定の家紋における家紋外側部を形成するようにしている。
〔役物共同演出および補完演出〕
次に、可動役物115、画像表示部114、および第2画像表示部5による、役物共同
演出および補完演出の一例について具体的に説明する。
なお、画像表示部114、および第2画像表示部5による、役物共同演出および補完演
出は、演出制御部300(図3参照)の制御により実行される。また、以下に説明する演
出例は、大当たりの期待度が高い場合に選択される変動演出である。
図38および図39は、可動役物115、画像表示部114および第2画像表示部5に
よる演出例の説明図である。
図38(a)に示すように、画像表示部114の画面114aにおいて、1つの装飾図
柄(例えば、3つのうちの中央に位置する装飾図柄41(以下、中図柄))が変動表示さ
れた状態で、他の装飾図柄(例えば3つのうちの両端に位置する装飾図柄画像(以下、左
図柄、右図柄))が先に停止表示される。すなわち、装飾図柄41を用いたリーチ演出が
実行された状態である。なお、図38(a)に示す例では、左図柄および右図柄として数
字の「三」が表示され、中図柄として「一」が表示されている。
また、本実施の形態では、装飾図柄41は、数字の背後の装飾の一例として、特定の家
紋が表示されている。この装飾図柄41における装飾は、上述したカバー部材71に施さ
れる装飾である特定の家紋や、装飾板72および移動板73によって描かれる装飾である
特定の家紋と同一または類似するものである。
なお、本実施の形態において、可動役物115や第2画像表示部5等によって、装飾図
柄41の少なくとも一部が隠れるような場合には、特別図柄抽選に伴う特別図柄表示器2
21、222(図2参照)における特別図柄の表示制御が行われていることを遊技者に示
すための画像(いわゆる第4図柄)を画像表示部114に表示するようにしている。
その後、図38(b)に示すように、中図柄としての装飾図柄41は、前の時点で表示
されていた状態と比較して、サイズが膨張して大きく表示される。具体的には、中図柄と
しての装飾図柄41は、図38(b)に表示する膨張前の直径L1よりも、図38(b)
に示す膨張後の直径L2が大きくなるように表示する。
本実施の形態では、装飾図柄41の装飾には、特定の家紋を装飾に用いている。したが
って、本実施の形態では、画像である特定の家紋を、サイズが小さい状態から大きい状態
に移行させるという演出を行っている。
そして、装飾図柄41のサイズが膨張するのに伴って、サイド役物9の右サイド役物9
1と左サイド役物92とが演出位置に移動する。そして、右サイド役物91と左サイド役
物92とによって、中図柄としての装飾図柄41の周囲を囲うようにする。
さらにその後、図38(c)に示すように、右サイド役物91および左サイド役物92
は、左右方向において相互に近づく方向および遠ざかる方向の移動を連続して行うことで
、装飾図柄41を囲う領域を狭める動作を行う。そして、サイド役物9の動作に伴って、
中図柄としての装飾図柄41が壊れて消えるような画像表示を行う。この例では、中図柄
としての数字の「一」が壊れて消える。
そして、図38(d)に示すように、中図柄として新たな装飾図柄41が表示される。
この例では、中図柄として数字の「二」が表示される。以上のようにして、サイド役物9
の動作に伴って、装飾図柄41の変動表示が行われる。すなわち、本実施の形態における
役物共同演出が行われる。
続いて、図示を省略しているが、装飾図柄41として新たに表示された中図柄に対して
、再び、サイド役物9によって囲う動作および囲う領域を狭める動作が実行される。なお
、この例では、右図柄および左図柄として数字の「三」が表示されたリーチ演出が実行さ
れている。そのため、中図柄としての数字の「二」が消えれば、数字の「三」が表示され
て3つの装飾図柄41が揃うという期待度が高まっている局面である。しかしながら、こ
の段階では、中図柄としての数字の「二」は、壊れて消えないというシナリオが実行され
る。
その後、図38(d)に示すように、遊技者に対して演出ボタン161の操作を促す操
作指示画像42を、画像表示部114の画面114aに表示する。
そして、図39(a)に示すように、演出ボタン161が操作されたタイミング、ある
いは、操作指示画像42の表示開始から所定時間経過したタイミングで、演出体70が画
像表示部114の中央部に向けて移動開始する。このとき、図39(a)に示すように、
中図柄としての装飾図柄41は、演出体70によって上側から押しつぶされるような動き
を行う。
その後、図39(b)に示すように、画面114aにおいて、装飾図柄41が壊れて消
えるような表示を行う。
ここで、本実施の形態では、可動役物115(サイド役物9)を左右方向に移動させな
がら装飾図柄41を変化させるという演出と、可動役物115(演出体70)を左右方向
とは異なる上下方向に移動させながら装飾図柄41を変化させるという演出とを行ってい
る。特に、装飾図柄41が3つ揃う直前に実行する役物共同演出(上記の例では数字の「
二」を消すタイミング)における可動役物115の移動方向を、その前に実行された役物
共同演出(上記の例では数字の「一」を消すタイミング)における可動役物115の移動
方向と異ならせるようにしている。このように、本実施の形態では、変動演出を特に盛り
上げたいタイミングにて、可動役物115の移動方向を異ならせた役物共同演出を行うよ
うにしている。
さらに、図39(c)に示すように、カバー部材71が開くとともに(図31(d)参
照)、移動板73が装飾板72から突出することで演出体70の外形が大きくなる。また
、サイド役物9の右サイド役物91および左サイド役物92は、画像表示部114の前に
登場すると演出体70の外周を囲む。
また、演出体70の上側にて、装飾部材80が右サイド役物91と左サイド役物92と
の上側における隙間を補完する。加えて、サイド役物9が登場するタイミングで、第2画
像表示部5は、上側に向けて移動し、補完画像5Gを表示する。そして、演出体70の下
側にて、第2画像表示部5の補完画像5Gが右サイド役物91と左サイド役物92との下
側における隙間を補完する。このようにして、本実施の形態における補完演出が行われる
なお、本実施の形態では、第2画像表示部5の画面5aに、演出に関わる各種画像を表
示するようにしているが、上記のとおり、第2画像表示部5にて補完画像5Gを表示する
際には、他の画像に優先して補完画像5Gを表示する。
そして、図39(c)に示すように、演出体70は、装飾板72と移動板73とによっ
て、特定の家紋における家紋内側部を描く。さらに、サイド役物9、装飾部材80および
第2画像表示部5は、共同して、特定の家紋における家紋外側を描く。つまり、装飾板7
2、移動板73、右サイド役物91、左サイド役物92、装飾部材80および第2画像表
示部5の補完画像5Gによって、特定の家紋の全体が描かれる。そして、これらの構成部
によって描かれる特定の家紋の直径L4は、その前の時点で演出体70のカバー部材71
が描く特定の家紋の直径L3(図39(b)参照)よりも大きく形成される。
このように、本実施の形態では、可動役物115を用いて、同一または類似する装飾を
、サイズが小さい状態から大きい状態に移行させるという演出を行っている。
特に、本実施の形態では、図38(a)および図38(a)を参照しながら説明したよ
うに、画像(装飾図柄41)としての特定の家紋のサイズを大きくさせる演出を行うとと
もに、可動役物115としての特定の家紋のサイズを大きくさせるという演出を行うこと
で、画像を用いて表現する演出と、可動役物115を用いて表現する演出とに、関連性を
もたせるようにしている。
そして、最終的に、図39(d)に示すように、左図柄、中図柄、右図柄として、「三
」「三」「三」が表示され、大当たりに当選したことが報知される。
また、本実施の形態では、図39(d)に示すように、画面114aには、3つの揃っ
た装飾図柄41を強調する画像効果として、エフェクト画像114Eが表示される。より
詳細には、エフェクト画像114Eの内容としては、画面114aの中心部から放射状に
光の帯が延びるような画像を用いることができる。そして、画面5aに、画面114aに
表示されるエフェクト画像114Eに合わせるように、第2エフェクト画像5Eを表示す
る。なお、本実施の形態では、第2エフェクト画像5Eは、エフェクト画像114Eと同
一または類似した画像である。また、画面114aに表示するエフェクト画像114Eと
、画面5aに表示する第2エフェクト画像5Eは、連続性を有して表現される。
なお、本実施の形態では、演出体70は、演出位置にてカバー部材71を開いたり、移
動板73を展開したりしているが、この演出動作に限定されない。例えば、演出体70は
、原点位置にてカバー部材71を開いたり、さらには、後述する移動板73を展開させた
りしても良い。また、演出体70は、演出位置に向けて下降しながら、カバー部材71を
開いたり、移動板73を展開したりしても良い。
さらに、上述したとおり、本実施の形態では、大当たりに当選することの期待度が高い
場合に、演出体70が演出位置まで降下し、カバー部材71が開いて、移動板73が展開
するという動作を実行する。したがって、遊技中の遊技者にとって、演出体70が動作す
るか否かは、大きな注目点となる。
そこで、遊技者に対し、演出体70が上述した動作を行うこと自体を期待させるために
、例えば演出体70を、原点位置にて、小刻みに往復移動(揺動)させるようにしても良
い。同様に、演出体70を演出位置に移動させた後、移動板73を展開させずに、カバー
部材71を小刻みに開閉させても良い。
また、本実施の形態では、大当たりに当選することの期待度が高い場合に、サイド役物
9が形成する形状を、第2画像表示部5が補完して補完演出が行われる。したがって、サ
イド役物9の移動動作と、第2画像表示部5の移動動作とを連動させることによって、遊
技者に大当たりを期待させるようにしても良い。具体的には、例えば右サイド役物91お
よび左サイド役物92が、演出位置に向けて進出する場合には、同期して、第2画像表示
部5も演出位置に進出させる。また、例えば右サイド役物91および左サイド役物92を
小刻みに往復移動(揺動)させる場合には、同期して、第2画像表示部5も小刻みに往復
移動(揺動)させるようにしても良い。
〔役物共同演出の変形例〕
次に、図38(c)を参照しながら説明した、役物共同演出の変形例について説明する

図40および図41は、役物共同演出の変形例の説明図である。
図40(a)に示すように、変形例の右サイド役物91および左サイド役物92は、そ
れぞれ半円孤形状に形成されている。そして、右サイド役物91および左サイド役物92
は、互いに近づく方向に移動することによって、1つの円環を描くようになっている。
そして、以上のように構成された変形例の右サイド役物91および左サイド役物92に
よって、円形状に形成された装飾図柄41の周囲を完全に囲うようにして、役物共同演出
を行うようにしても良い。
図40(b)に示すように、変形例の右サイド役物91および左サイド役物92は、上
述した本実施の形態とは異なり上下方向にそれぞれ配置されている。そして、右サイド役
物91および左サイド役物92は、上下方向においてが互いに近づく方向および遠ざかる
方向に移動可能に設けられている。また、変形例の右サイド役物91および左サイド役物
92は、それぞれ半円孤形状に形成されている。そして、右サイド役物91および左サイ
ド役物92は、互いに近づく方向に移動することによって、1つの円環を描くようになっ
ている。
そして、以上のように構成された変形例の右サイド役物91および左サイド役物92に
よって、円形状に形成された装飾図柄41の周囲を完全に囲うようにして、役物共同演出
を行うようにしても良い。
図41(a)に示すように、変形例の右サイド役物91および左サイド役物92は、コ
の字形状をしている。また、この例では、装飾図柄41は、矩形状に形成されている。そ
して、装飾図柄41の外形に沿うように、右サイド役物91および左サイド役物92を形
成している。
そして、以上のように構成された変形例の右サイド役物91および左サイド役物92に
よって、矩形状に形成された装飾図柄41の周囲を囲うようにして、役物共同演出を行う
ようにしても良い。
図41(b)に示すように、変形例の右サイド役物91は、第1右サイド役物911と
第2右サイド役物912とを備えて構成される。また、変形例の左サイド役物92は、第
1左サイド役物921と第2左サイド役物922とを備えて構成される。これらの構成部
は、それぞれL字状に形成されるとともに、斜め方向に移動可能に構成されている。また
、この例では、装飾図柄41は、矩形状に形成されている。そして、装飾図柄41の外形
に沿うように、右サイド役物91および左サイド役物92を形成している。
そして、以上のように構成された4つの構成部である第1右サイド役物911、第2右
サイド役物912、第1左サイド役物921および第2左サイド役物922によって、矩
形状に形成された装飾図柄41の周囲を囲うようにして、役物共同演出を行うようにして
も良い。
図41(c)に示すように、変形例の右サイド役物91および左サイド役物92は、円
弧状に形成される。また、この例では、装飾図柄41は、矩形状に形成されている。
そして、以上のように構成された変形例の右サイド役物91および左サイド役物92に
よって、矩形状に形成された装飾図柄41の周囲を囲うようにして、役物共同演出を行う
ようにしても良い。
また、本実施の形態では、可動役物115を用いて役物共同演出を行っているが、可動
役物115を用いることに限定されない。例えば、画像表示部114とは別に、2以上の
別の画像表示部を移動可能に設ける。そして、これら別の画像表示部を用いて、画像表示
部114に表示される装飾図柄41を変化させるような演出を行っても構わない。
このとき、別の画像表示部の形状が装飾図柄41の外形に沿っていたり、別の画像表示
部に表示される所定の画像が装飾図柄41の外形に沿う画像であったりすることで、役物
共同演出をより効果的に行うことができる。また、別の画像表示部が3つ以上であれば、
3つ以上の画像表示部によって装飾図柄41を囲むようにして、装飾図柄41を変化させ
る演出を行っても良い。
〔補完演出の変形例〕
次に、図39(c)を参照しながら説明した、補完演出の変形例について説明する。
図42および図43は、補完演出の変形例の説明図である。
図42(a)に示すように、変形例の第2画像表示部5は、前後方向において回転可能
に構成されている。そして、第2画像表示部5は、画面5aに対する背面5bに、特定の
家紋の家紋外側部の一部が形状5gとして形成されている。
そして、以上のように構成された変形例の第2画像表示部5によって、サイド役物9が
描く形状の一部を補完することで、補完演出を行うようにしても良い。
なお、上述したとおり、本実施の形態では、補完演出が実行されることで、大当たりの
期待度が高まるようになっている。従って、図42(a)に示す変形例においては、第2
画像表示部5が演出位置に移動しなくても、例えば第2画像表示部5が回転して背面5b
を遊技者側に向けるだけで、遊技者は大当たりを期待する。そこで、例えば特別図柄の抽
選がはずれである場合に実行する変動演出において、例えば第2画像表示部5を回転させ
るだけの動作を行っても構わない。すなわち、一の特別図柄の抽選に関わる変動表示中に
、所定のタイミングにて第2画像表示部5を回転させるが、補完演出は実行されず、さら
に最終的には、大当たりにも当選しないという内容のシナリオに基づいて変動演出を行っ
ても構わない。
図42(b)に示すように、変形例では、第3画像表示部25をさらに備えている。そ
して、第3画像表示部25は、上下方向の上側に配置されるとともに、上下方向において
移動可能に設けられる。そして、第3画像表示部25は、第2画像表示部5と同様に、画
面25Gに、特定の家紋の家紋外側部の一部を画像として表示可能になっている。
そして、以上のように構成された変形例の第3画像表示部25の画像によって、サイド
役物9が描く形状の一部を補完することで、補完演出を行うようにしても良い。
図43(a)に示すように、変形例では、画像表示部114において、特定の家紋の家
紋内側部の画像を補完する補完画像114Gを表示可能になっている。
そして、以上のように構成された変形例の画像表示部114の画像によって、サイド役
物9、装飾部材80および第2画像表示部5が描く特定の家紋全体における一部(家紋内
側部)を補完することで、補完演出を行うようにしても良い。
図43(b)に示すように、変形例では、画像表示部114は、右サイド役物91およ
び左サイド役物92の上側における隙間を補完する第1補完画像114G1と、右サイド
役物91および左サイド役物92の下側における隙間を補完する第2補完画像114G2
とを表示する。つまり、画像表示部114は、特定の家紋の家紋外側部の一部の画像を表
示可能になっている。
そして、以上のように構成された変形例の画像表示部114の画像によって、サイド役
物9が描く形状の一部を補完することで、補完演出を行うようにしても良い。
なお、本実施の形態において、サイド役物9(右サイド役物91および左サイド役物9
2)において何らかの不具合が生じ、サイド役物9が移動できない場合も想定される。こ
のような場合には、第2画像表示部5を用いた補完演出は実行しないように制御する。こ
れは、サイド役物9が演出位置に登場していない状態で、第2画像表示部5の画面5aに
補完画像5Gを表示すると、変動演出としての見栄えが悪くなるためである。
また、例えばサイド役物9(右サイド役物91および左サイド役物92)における何ら
かの不具合を想定し、正常時のサイド役物9の動作に対応するタイミングおよび位置にて
、サイド役物9と同一または類似の画像を、画像表示部114に常に表示させるようにし
ても良い。すなわち、サイド役物9を画像表示部114の前側に登場させて変動演出を行
う際に、画像表示部114においてサイド役物9が重なる位置に、サイド役物91と同一
または類似する画像をサイド役物9に同期するように表示しても良い。
対して、第2画像表示部5において何らかの不具合が生じ、第2画像表示部5が移動で
きなかったり、画面5aにて画像表示が行えなかったりする場合には、サイド役物9は通
常通りに動作させても構わない。本実施の形態では、サイド役物9は、補完される側の部
材であり、第2画像表示部5によって補完されなくても、概ね演出を表現できるためであ
る。
なお、本実施の形態や変形例において、可動役物115が形成する装飾、画像表示部1
14に表示する装飾、第2画像表示部5に表示する装飾として、特定の家紋を用いる例に
より説明を行ったが、特定の家紋に限定するものではない。
また、例えば透明板158の前側や後側に、透過液晶や、導光板などの透過型の画像表
示部を設けても構わない。そして、透過型の画像表示部を介して、遊技者が、後側におけ
る可動役物115や画像表示部114や第2画像表示部5を見られるようにしても良い。
そのうえで、透過型の画像表示部を用いて、上述した役物共同演出や補完演出を行っても
構わない。この場合、例えば役物共同演出では、透過型の画像表示部に表示させる画像を
用いて、装飾図柄41の周りの少なくとも一部を囲うようにすれば良い。また、例えば補
完演出では、透過型の画像表示部に補完のための補完画像を表示するようにすれば良い。
また、本実施の形態において記載する変形例は、単独で適用する場合のほか、種々の変
形例を組み合わせて適用しても構わない。
〔可動役物115の変形例〕
図44は、センター役物6およびサイド役物9が設けられたスロットマシン900の概
略側面図である。
上述した本実施の形態では、センター役物6およびサイド役物9がパチンコ遊技機10
0に設けられることを詳細に説明したが、パチンコ遊技機100以外の遊技機に設けられ
てもよい。
例えば、図44に示すように、スロットマシン900にセンター役物6およびサイド役
物9が設けられても良い。
さらに説明をすると、図44に示すスロットマシン900は、回転しながら複数種類の
図柄を例えば上から下へと循環させるように表示するリール901と、メダルが投入され
るメダル投入口903と、リール901の回転を開始させるために操作される操作レバー
905と、リール901の回転を停止させるために操作されるストップボタン907と、
メダルが払い出されるメダル払出口909と、遊技に応じて表示による演出や情報表示を
行う画像表示部114と、画像表示部114の前面を覆う透明板913とを備える。
また、このスロットマシン900は、画像表示部114と透明板913との間の前後方
向における空間にセンター役物6およびサイド役物9を備える。そして、これらのセンタ
ー役物6およびサイド役物9は、上記のように、役物共同演出や補完演出等を実行する。
以上、本書にて可動役物115における種々の構造や制御等について説明したが、説明
した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に
言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かか
る変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない
場合であっても可能である。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200の主制御処理において、主制御処理の各処
理で生成されたコマンドを最後にまとめて演出制御部300へ出力する動作について説明
した。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される
基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するた
めに、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実
行することについて説明した(図5−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマン
ドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設け
ることについて説明した(図19−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマン
ドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
〔本実施の形態の技術的特徴〕
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削
減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理に
おいて、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンド
をまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する
遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であ
って、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返
し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する
遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、一連の前記主制御処理を1サイクル実行
する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行
における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部24
0)と、前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、
受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を
備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理
を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また
、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を
短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、
データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例
えば、RAM203)をさらに備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は
、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記
記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、前記出力手段(例えば、出力制御部
240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶
されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力
する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデー
タを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、上記の目的を達成する他の遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例
えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処
理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがっ
て当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部20
0)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付
け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部30
0)と、を備え、前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200
)による処理は、遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情
報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)
を呼び出して実行する部分と、前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行
により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第
2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、前記
特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技機
(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、前記設定処
理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、
出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出
力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命
令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイ
ズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、
データごとに設定された記憶領域に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに
備え、前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処
理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(
例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、前記主制御処理における前記第2の処理手
段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領
域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域から
データを読み出して出力し、前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理にお
いて生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記
憶領域に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデー
タを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
◆また、本実施の形態では、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ伝送の精度を向上
させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「デ
ータ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用い
た。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(
例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当
該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技
制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部20
0)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行
う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、
遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは2以上の整数)のサ
イズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(
例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビッ
トの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に
特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができ
る。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2デ
ータ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ
伝送の精度を向上させることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御
部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、
先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り
分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
◆また、本実施の形態では、実行対象の変動パターンを特定するコマンドを送信する場合
のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御
手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード
」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部で
ある「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成す
る遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)で
あって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊
技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部20
0)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付
け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部30
0)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記
データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0
の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(
nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コ
ード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「
データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビッ
トと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種
類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビ
ットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータ
が記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行
う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を
実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出
力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技
制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理
を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例え
ば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)
のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ
部(例えば、「コード」)と、aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1デー
タ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2デ
ータ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を
構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例
えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ
が記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えるこ
となく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能と
なるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送さ
れるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。遊技制御部200(
図3参照)は遊技制御手段の一例である。演出制御部300(図3参照)は演出制御手段
の一例である。出力制御部240(図4参照)は出力手段の一例である。RAM203(
図3参照)は記憶手段の一例である。コマンド格納領域は記憶領域の一例である。
5…第2画像表示部(画像表示部の一例)
6…センター役物
9…サイド役物(第1演出部の一例)
70…演出体(第2演出部一例)
100…パチンコ遊技機(遊技機の一例)

Claims (2)

  1. 移動可能な第1移動部を有して演出を行う第1演出部と、
    移動可能な第2移動部を有して演出を行う第2演出部と、
    演出に関わる画像を表示する画像表示部と、を備え、
    前記第1移動部および前記第2移動部が各々移動した後の状態にて当該第1移動部と当
    該第2移動部とにより形成される所定の形状の一部を、前記画像表示部が補完することを
    特徴とする遊技機。
  2. 前記画像表示部は、第1位置から当該第1位置とは異なる第2位置に移動可能に設けら
    れ、当該第2位置に移動した状態で、前記所定の形状の一部を補完することを特徴とする
    請求項1に記載の遊技機。
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